JP2004324339A - 床仕上げ材及び床仕上げ材の施工方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】設置用床面に接着させる作業を位置ずれの少ない状態で良好に行うことが可能となる床仕上げ材を提供する。
【解決手段】矩形板状又は略矩形板状の床仕上げ材本体4の裏面に、床仕上げ材本体4を設置用床面に接着させるための両面テープ5が、設置用床面側の粘着材部分に離型紙が装着される状態で設けられ、離型紙12は、前記両面テープの長さ方向の一端部にて下方側に折り返されて両面テープ5の長さ方向の他端部側に延出され、その下方側に折り返された状態において、設置用床面側の粘着材部分に装着される装着部分12aと、その装着部分12aに対して上下方向に重複する重複部分12bと、その重複部分12bから延出されて床仕上げ材本体4の外方に突出する突出部分12cとを備えて構成されている。
【選択図】 図2
【解決手段】矩形板状又は略矩形板状の床仕上げ材本体4の裏面に、床仕上げ材本体4を設置用床面に接着させるための両面テープ5が、設置用床面側の粘着材部分に離型紙が装着される状態で設けられ、離型紙12は、前記両面テープの長さ方向の一端部にて下方側に折り返されて両面テープ5の長さ方向の他端部側に延出され、その下方側に折り返された状態において、設置用床面側の粘着材部分に装着される装着部分12aと、その装着部分12aに対して上下方向に重複する重複部分12bと、その重複部分12bから延出されて床仕上げ材本体4の外方に突出する突出部分12cとを備えて構成されている。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、床仕上げ材及び床仕上げ材の複数を施工の対象箇所の設置用床面に並べて接着させる床仕上げ材の施工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
前記床仕上げ材は、建物の部屋や廊下等における床下地材あるいはその床下地材の上に設置された床暖房パネルの表面等を設置用床面として、その設置用床面に並べて装着されるものであるが、このような床仕上げ材を設置用床面に装着する場合には、例えば両面テープ等の粘着力を利用して接着させることになる。
そして、従来では、複数の床仕上げ材を設置用床面に並べて装着する場合には、設置用床面に対して床仕上げ材を設置すべき設置位置を確認しておき、両面テープや接着剤等によって床仕上げ材の裏面を設置用床面に対して接着可能な状態にした後に、床仕上げ材を設置位置に合うように位置合わせしながら設置用床面上に載置させてそのまま接着させるようになっていた。そして、このような作業を複数の床仕上げ材の夫々について順次繰り返し行って複数の床仕上げ材を接着するようにしていた(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
床仕上げ材を両面テープを用いて設置用床面に接着させる場合について、図面を用いて更に説明を加えると、例えば、図16に示すように、従来の床仕上げ材3は、床仕上げ材本体40の裏面に両面テープ50を装着する状態で構成され、両面テープ50の設置用床面側の粘着材部分には、両面テープ50の長手方向の長さと同じ長さの離型紙51が装着される構成となっている。尚、図16に示す例では3本の両面テープ50を装着している。そして、設置用床面Aに対して床仕上げ材3を設置すべき設置位置を確認した後に、前記離型紙51を引き剥して設置用床面側の粘着材部分が外方に露出する状態にしておき、このように裏面を設置用床面Aに接着可能な状態にしている床仕上げ材3を、例えば図17に示すように作業者が目視で位置合わせしながら設置用床面Aの設置位置に載置してそのまま接着させるのである。
【0004】
図17に示す例では、床のうちの一部に床仕上げ材3が装着されない領域Bがある場合を示している。この場合には、床仕上げ材3が装着されない領域と施工対象域との間に境界を示す墨出し線Lが引かれているので、最初に張り始める床仕上げ材は、裏面を接着可能な状態にしている状態でこの墨出し線Lに沿うように位置合わせしながら設置用床面上に載置してそのまま接着させる。尚、既に接着されている床仕上げ材3の横に並べて接着させるときは、その既に接着されている床仕上げ材3の端縁に沿わせるように位置合わせして順次接着させることになる。
【0005】
両面テープを用いる代わりに接着剤を用いて床仕上げ材を設置用床面に接着させる場合においても、両面テープを用いる場合と同様にして、設置用床面に対して床仕上げ材を設置すべき設置位置を確認した後に、床仕上げ材の裏面に接着剤を塗布して接着剤が外方に露出する状態にしておき、このように裏面を設置用床面に接着可能な状態にしている床仕上げ材を、設置用床面の設置位置に載置してそのまま接着させるのである。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−214600号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来構成においては、床仕上げ材の裏面を設置用床面に接着可能な状態にさせるために、床仕上げ材を設置位置に対して位置合わせしながら設置用床面上に載置して接着させる作業を行う前に予め前記離型紙を引き剥しておくことになる。そして、接着させるときには、作業者が手作業によって位置合わせしながら床仕上げ材を設置用床面上に載置させると、両面テープや接着剤の粘着力によってそのままの位置で床仕上げ材と設置用床面とが接着することになる。
【0008】
ところで、上記したように作業者が手作業で床仕上げ材を設置用床面上に載置させるときに、本来設置すべき設置位置から位置ずれした状態で載置してしまうおそれがある。例えば、図17に示すように、墨出し線Lに沿うように位置合わせしながら設置用床面上に載置した場合、墨出し線Lに対して位置ずれZが発生するおそれがある。
【0009】
しかしながら、一旦、床仕上げ材を設置用床面上に載置させると、両面テープや接着剤の粘着力によって載置したときの位置で床仕上げ材と設置用床面とが接着してしまうことになり、貼り直しが容易に行えないものとなり、位置ずれしたままで複数の床仕上げ材が接着されるおそれがある。又、作業を開始して最初の床仕上げ材が僅かな位置ずれを起こしているだけであっても、複数の床仕上げ材を順次並べて接着させると、このような位置ずれが徐々に大きくなってしまうおそれがある。
【0010】
つまり、上記従来構成の床仕上げ材及びその施工方法においては、床仕上げ材を設置用床面に接着させる作業を行うときにおいて、設置位置から位置ずれした状態で床仕上げ材が接着するといった作業ミスを起こす等、作業が良好に行えないおそれが大となる不利がある。
【0011】
本発明はかかる点に着目してなされたものであり、その目的は、設置用床面に接着させる作業を位置ずれの少ない状態で良好に行うことが可能となる床仕上げ材及び床仕上げ材の施工方法を提供する点にある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の床仕上げ材は、矩形板状又は略矩形板状の床仕上げ材本体の裏面に、前記床仕上げ材本体を設置用床面に接着させるための両面テープが、前記設置用床面側の粘着材部分に離型紙が装着される状態で設けられ、前記離型紙は、前記両面テープの長さ方向の一端部にて下方側に折り返されて前記両面テープの長さ方向の他端部側に延出され、その下方側に折り返された状態において、前記設置用床面側の粘着材部分に装着される装着部分と、その装着部分に対して上下方向に重複する重複部分と、その重複部分から延出されて前記床仕上げ材本体の外方に突出する突出部分とを備えて構成されていることを特徴とする。
【0013】
すなわち、床仕上げ材本体の裏面に床仕上げ材本体を設置用床面に接着させるための両面テープが設けられて、その両面テープの設置用床面側の粘着材部分に離型紙が装着されており、しかも、その離型紙は、前記設置用床面側の粘着材部分に装着される装着部分だけでなく、両面テープの長さ方向の一端部にて下方側に折り返されて両面テープの長さ方向の他端部側に延出されて、その装着部分に対して上下方向に重複する重複部分と、その重複部分から延出されて前記床仕上げ材本体の外方に突出する突出部分とを備えて構成されているので、床仕上げ材本体の裏面側が下側になる状態で設置用床面上に載置させた状態で、離型紙における床仕上げ材本体の外方に突出している前記突出部分を手で持って、両面テープにおける長さ方向の他端部側に引張り作用させることにより、離型紙を両面テープから剥すことができる。
【0014】
このような床仕上げ材を設置用床面に接着させるときには、床仕上げ材本体を設置用床面に一旦載置しても、このときには、両面テープの設置用床面側の粘着材部分には離型紙が未だ装着されているので、設置位置から位置ずれしていても容易に位置の修正を行うことができ、床仕上げ材本体を本来設置すべき設置位置に適正に位置決めすることができる。そして、そのように設置位置に適正に位置決めされた状態を維持しながら、床仕上げ材本体の外方に突出している前記突出部分を両面テープにおける長さ方向の他端部側に引張り作用させることにより、離型紙を両面テープから剥して、両面テープにおける設置用床面側の粘着材部分を設置用床面の上面に接着させることができるのである。
【0015】
従って、床仕上げ材本体を設置位置に適正に位置合わせした状態で両面テープによって床仕上げ材本体を設置用床面に接着させることができるので、設置用床面に貼り付ける作業を位置ずれの少ない状態で良好に行うことが可能となる床仕上げ材を提供できるに至った。
【0016】
請求項2に記載の床仕上げ材は、請求項1において、前記床仕上げ材本体の周縁部には、あいじゃくり形態で隣接する他の床仕上げ材本体と接合するための雌実部及び雄実部が形成されており、前記離型紙が、前記突出部分が前記雄実部に対応位置する状態で前記床仕上げ材本体に配設され、前記突出部分が、前記雄実部に形成の挿通孔を前記床仕上げ材本体の表面側に向けて挿通する形態で、且つ、前記床仕上げ材本体の表面より上方に突出することができる長さに構成されていることを特徴とする。
【0017】
すなわち、床仕上げ材本体は、あいじゃくり形態で隣接する他の床仕上げ材本体と接合する構成となっており、離型紙は、その突出部分が雄実部に対応位置する状態で床仕上げ材本体に配設されており、しかも、その突出部分が、雄実部に形成の挿通孔を床仕上げ材本体の表面側に向けて挿通する形態で、且つ、床仕上げ材本体の表面より上方に突出することができる長さに構成されているので、床仕上げ材を設置用床面に接着させる際に、床仕上げ材を設置用床面に一旦載置させるような場合に、離型紙の突出部分を前記挿通孔を挿通して床仕上げ材本体の表面側に向けて突出させておくことができる。又、床仕上げ材を、隣接する他の床仕上げ材本体と接合する状態で設置用床面に載置させるような場合においても、離型紙の突出部分を前記挿通孔を挿通して床仕上げ材本体の表面側に向けて突出させておくことができるのである。
【0018】
又、前記突出部分を床仕上げ材本体の表面側に向けて挿通するための挿通孔を雄実部に形成するようにしたので、この床仕上げ材を並べた状態で設置用床面に装着した状態では、この雄実部はあいじゃくり形態で隣接する他の床仕上げ材本体の雌実部と接合して上下方向に重なり合うので、前記挿通孔は床仕上げ材の上方側外方から見えない状態となる。
【0019】
従って、離型紙を引き剥すための挿通孔を床仕上げ材の上方側外方から見えない状態で形成して床の美観を損ねるおそれが少ないものにしながら、床仕上げ材を設置用床面に接着させるときに、設置位置に適正に位置決めされた状態を維持しながら床仕上げ材本体の外方に突出している前記突出部分を手で持って容易に引張ることができ、離型紙の引き剥し作業を容易に行えるものとなる。
【0020】
請求項3記載の床仕上げ材は、請求項1において、前記床仕上げ材本体の周縁部には、本実形態で隣接する他の床仕上げ材本体と接合するための凸形の突起と凹形の溝とが形成されており、前記離型紙が、前記突出部分が前記凸形の突起に対応位置する状態で前記床仕上げ材本体に配設され、前記突出部分が、前記凸形の突起に形成の挿通孔を前記床仕上げ材本体の表面側に向けて挿通する形態で、且つ、前記床仕上げ材本体の表面より上方に突出することができる長さに構成されていることを特徴とする。
【0021】
すなわち、床仕上げ材本体は本実形態で隣接する他の床仕上げ材本体と接合する構成となっており、離型紙は、その突出部分が凸形の突起に対応位置する状態で床仕上げ材本体に配設されており、しかも、その突出部分が、凸形の突起に形成の挿通孔を床仕上げ材本体の表面側に向けて挿通する形態で、且つ、床仕上げ材本体の表面より上方に突出することができる長さに構成されているので、床仕上げ材を設置用床面に接着させる際に、床仕上げ材を設置用床面に一旦載置させるような場合に、離型紙の突出部分を前記挿通孔を挿通して床仕上げ材本体の表面側に向けて突出させておくことができる。又、床仕上げ材を、隣接する他の床仕上げ材本体と接合する状態で設置用床面に載置させるような場合においても、離型紙の突出部分を前記挿通孔を挿通して床仕上げ材本体の表面側に向けて突出させておくことができるのである。
【0022】
又、前記突出部分を床仕上げ材本体の表面側に向けて挿通するための挿通孔を凸形の突起に形成するようにしたので、この床仕上げ材を並べた状態で設置用床面に装着した状態では、この凸形の突起は本実形態で隣接する他の床仕上げ材本体の凹部と接合して上下方向に重なり合い挿通孔は床仕上げ材の上方側外方から見えない状態となる。
【0023】
従って、離型紙を引き剥すための挿通孔を床仕上げ材の上方側外方から見えない状態で形成して床の美観を損ねるおそれが少ないものにしながら、床仕上げ材を設置用床面に接着させるときに、隣接する他の床仕上げ材本体と接合する状態で載置されていても、設置位置に適正に位置決めされた状態を維持しながら床仕上げ材本体の外方に突出している前記突出部分を手で持って容易に引張ることができ、離型紙の引き剥し作業を容易に行えるものとなる。
【0024】
請求項4記載の床仕上げ材は、請求項1において、前記床仕上げ材本体の周縁部が、突合せ形態で隣接する他の床仕上げ材本体と対向させるように平坦面状に形成され、前記離型紙が、前記突出部分を前記仕上げ材本体の周縁部に沿って前記床仕上げ材本体の表面側に向けて折り曲げることができる形態で前記床仕上げ材本体に配設され、前記突出部分が、前記仕上げ材本体の周縁部に沿って前記床仕上げ材本体の表面側に向けて折り曲げたときに、前記床仕上げ材本体の表面より上方に突出することができる長さに構成されていることを特徴とする。
【0025】
すなわち、床仕上げ材本体の周縁部が、突合せ形態で隣接する他の床仕上げ材本体と対向させるように平坦面状に形成されており、離型紙は、仕上げ材本体の周縁部に沿って床仕上げ材本体の表面側に向けて折り曲げることができる形態で床仕上げ材本体に配設され、その突出部分が、仕上げ材本体の周縁部に沿って床仕上げ材本体の表面側に向けて折り曲げたときに、床仕上げ材本体の表面より上方に突出することができる長さに構成されているので、床仕上げ材を設置用床面に接着させる際に、床仕上げ材を、隣接する他の床仕上げ材本体と近接して対向する状態で設置用床面に載置させるような場合においても、離型紙の突出部分を前記挿通孔を挿通して床仕上げ材本体の表面側に向けて突出させておくことができる。
【0026】
従って、床仕上げ材を設置用床面に接着させるときに、設置位置に適正に位置決めされた状態を維持しながら床仕上げ材本体の外方に突出している前記突出部分を手で持って容易に引張ることができ、離型紙の引き剥し作業を容易に行えるものとなる。
【0027】
請求項5記載の床仕上げ材は、請求項2において、前記床仕上げ材本体が長方形状に設けられ、前記両面テープとしての1本の両面テープ又は前記床仕上げ材本体の短辺方向に並ぶ複数の両面テープが、前記床仕上げ材本体の長手方向に沿って延びる状態で前記床仕上げ材本体の裏面に設けられていることを特徴とする。
【0028】
すなわち、前記両面テープが床仕上げ材本体の長手方向に沿って延びる状態で床仕上げ材本体の裏面に設けられる。この両面テープとしては、1本の両面テープを用いる場合、又は、床仕上げ材本体の短辺方向に並ぶ複数の両面テープを用いる場合がある。このように、両面テープが床仕上げ材本体の長手方向に沿って延びる状態で床仕上げ材本体の裏面に設けられるから、両面テープを短辺方向に延びる状態で長手方向に多数の両面テープを並べて設けるものに比べて少ない本数の両面テープにて床仕上げ材を設置用床面に接着させることができ、離型紙の引き剥し作業は少ない回数で済ませることができる。
【0029】
請求項6記載の床仕上げ材の施工方法は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の床仕上げ材の複数を施工対象箇所の設置用床面に並べて接着させる方法であって、前記床仕上げ材本体の裏面に前記両面テープを装着した状態で設置対象箇所の設置用床面に載置して位置決めして、その位置決めした状態を維持しながら、前記離型紙における前記突出部分を前記両面テープにおける長さ方向の他端部から離れる方向へ引張り作用させることにより前記離型紙を前記両面テープから剥して、前記床仕上げ材本体を前記設置用床面に接着させることを特徴とする。
【0030】
すなわち、請求項1〜5のいずれか1項に記載の床仕上げ材の複数を施工対象箇所の設置用床面に並べて接着させるのであるが、そのとき、先ず、床仕上げ材本体の裏面に両面テープを装着した状態で設置対象箇所の設置用床面に載置して位置決めする。尚、この位置決めをするときには両面テープの設置用床面側の粘着材部分には離型紙が未だ装着されているので、設置位置から位置ずれしていても容易に位置の修正を行うことができ、床仕上げ材本体を本来設置すべき設置位置に適正に位置決めすることができる。
【0031】
次に、床仕上げ材本体が位置決めした位置からずれないように、その位置決めした状態を維持しながら、離型紙における突出部分を両面テープにおける長さ方向の他端部から離れる方向へ引張り作用させることにより離型紙を両面テープから剥して、床仕上げ材本体を設置用床面に接着させるのである。
【0032】
そして、このような設置用床面に載置して位置決めする処理と離型紙を両面テープから剥して、床仕上げ材本体を設置用床面に接着させる処理とを、複数の床仕上げ材について夫々順次行うことで、複数の床仕上げ材を施工対象箇所の設置用床面に並べて接着させることができるのである。
【0033】
従って、床仕上げ材本体を設置位置に適正に位置合わせした状態で両面テープによって床仕上げ材本体を設置用床面に接着させることができるので、設置用床面に貼り付ける作業を位置ずれの少ない状態で良好に行うことが可能となる床仕上げ材の施工方法を提供できるに至った。
【0034】
請求項7記載の床仕上げ材の施工方法は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の床仕上げ材の複数を施工対象箇所の設置用床面に並べて接着させる方法であって、前記複数の床仕上げ材を、前記設置用床面側の粘着材部分に前記離型紙が装着されている前記両面テープを装着した状態で、且つ、前記床仕上げ材本体における前記離型紙の突出部分を、隣接する床仕上げ材本体との隙間を通して前記床仕上げ材本体の表面側外方に突出させる状態で、前記施工対象箇所の設置用床面に並べて位置決めする位置決め処理を行い、その位置決め処理にて位置決めした状態を維持しながら、前記離型紙における前記突出部分を前記両面テープにおける長さ方向の他端部から離れる方向へ引張り作用させることにより前記離型紙を前記両面テープから剥して、前記床仕上げ材本体を前記設置用床面に接着させることを、複数の前記床仕上げ材の夫々について順次行って、前記複数の床仕上げ材を前記設置用床面に接着させる接着処理を行うようにしたことを特徴とする。
【0035】
すなわち、請求項1〜5のいずれか1項に記載の床仕上げ材の複数を施工対象箇所の設置用床面に並べて接着させるのであるが、先ず、前記位置決め処理を行う。つまり、前記複数の床仕上げ材を、設置用床面側の粘着材部分に離型紙が装着されている両面テープを装着した状態で、且つ、床仕上げ材本体における離型紙の突出部分を、隣接する床仕上げ材本体との隙間を通して床仕上げ材本体の表面側外方に突出させる状態で、前記施工対象箇所の設置用床面に並べて位置決めするのである。尚、この位置決めを行うときには両面テープの設置用床面側の粘着材部分には離型紙が未だ装着されているので、設置位置から位置ずれしていても容易に位置の修正を行うことができ、床仕上げ材本体を本来設置すべき設置位置に適正に位置決めすることができる。
【0036】
このようにして複数の床仕上げ材本体を並べて位置決めする位置決め処理を行った後に、次に、前記接着処理を行う。つまり、その位置決め処理にて位置決めした状態を維持しながら、離型紙における突出部分を引張り作用させることにより離型紙を両面テープから剥して、床仕上げ材本体を設置用床面に接着させるのであるが、この離型紙の引き剥がしと設置用床面への接着とを、複数の床仕上げ材の夫々について順次行うことによって複数の床仕上げ材を設置用床面に接着させるのである。
【0037】
従って、複数の床仕上げ材本体を予め並べることで各床仕上げ材本体を夫々設置位置に適正に位置合わせした状態にして、両面テープによって床仕上げ材本体を設置用床面に接着させることができるので、設置用床面に貼り付ける作業を位置ずれの少ない状態で良好に行うことが可能となる床仕上げ材の施工方法を提供できるに至った。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る床仕上げ材及び床仕上げ材の施工方法の実施形態について図面に基づいて説明する。
【0039】
図1に示すように、建物の床下地材1の上面側に床暖房パネル2が装着されており、この床暖房パネル2の上部側に床仕上げ材3が装着される構成となっている。前記床暖房パネル2は、詳述はしないが、例えば、発泡樹脂材等からなる板状基材に温水などの熱媒体が通流する熱媒体通流管2aが備えられて構成され、床下地材1の上部面に対して両面テープ等を用いて接着させる構成となっている。
【0040】
次に前記床仕上げ材3の構成について説明する。この実施形態では、床仕上げ材3として、あいじゃくり形態で隣接する他の床仕上げと接合する形式の床仕上げ材3aを例示する。
図2に示すように、この床仕上げ材3aは、木質材にて矩形板状具体的には長方形状の板状に構成された、例えばフローリング等からなる床仕上げ材本体4と、この床仕上げ材本体4を、床暖房パネル2の上部面を設置用床面Aとして接着させるための両面テープ5とを備えて構成されている。
そして、前記床仕上げ材本体4の周縁部には、あいじゃくり形態で隣接する他の床仕上げ材本体4と接合するための雌実部6及び雄実部7が形成されている。つまり、長方形状の外周縁部の四辺のうちの隣り合う1つの長辺と1つの短辺の2辺の側縁部には、隣接する他の床仕上げ材本体4に形成された雌実部6に対して上下方向に重複する状態で係合して床仕上げ材本体4同士を接合する、あいじゃくり形態で接合するための雄実部7を備えて構成されている。又、上記2辺を除く他の2辺の側縁部には、隣接する他の床仕上げ材本体4に形成された雄実部7に対して板厚方向に重複する状態で係合して床仕上げ材本体4同士を接合する、あいじゃくり形態で接合するための雌実部6を備えて構成されている。つまり、床暖房パネル2の上部側に複数の床仕上げ材本体4を並べて装着するときは、図3に示すように、隣り合う床仕上げ材本体4の雄実部7の上側に隣接する仕上げ材本体4の雌実部6を重ねる状態で並べていくことになる。
【0041】
前記床仕上げ材本体4の裏面には、図2(ロ)に示すように、床仕上げ材本体4を設置用床面A上に接着させるための両面テープ5が床仕上げ材本体4の長手方向に延びる状態で設けられ、その両面テープ5の長さが、床仕上げ材本体4の長手方向の幅とほぼ同じ長さに構成されている。ちなみに、両面テープ5は、床仕上げ材3の短辺方向に間隔を隔てて複数(図に示す例では3本)のものが並べて設けられている。
【0042】
そして、前記各両面テープ5における設置用床面側の粘着材部分には夫々離型紙12が装着されている。そして、この離型紙12は、図4に示すように、前記両面テープ5の長さ方向の一端部にて下方側に折り返されて両面テープ5の長さ方向の他端部側に延出され、その下方側に折り返された状態において、設置用床面側の粘着材部分に装着される装着部分12aと、その装着部分12aに対して上下方向に重複する重複部分12bと、その重複部分12bから延出されて床仕上げ材本体4の外方に突出する突出部分12cとを備えて構成されている。
【0043】
尚、離型紙12における前記装着部分12aとその装着部分12aに対して上下方向に重複する重複部分12bとは、床仕上げ材3を設置用床面に載置した場合にはそれらが密着状態となるものであるが、以下、図7の(イ)、(ロ)、(ハ)、図9、図10、図12の(イ)、(ロ)、(ハ)、図13、図14、図15の夫々において図面で示す場合においては、構成を理解し易くするために、前記装着部分12aと前記重複部分12bとの間に、隙間を形成した状態として記載している。
【0044】
又、図2に示すように、床仕上げ材本体4の長手方向の一端側であって、且つ、離型紙12が折り返されて延出される両面テープ5の長さ方向の他端部側の箇所において形成されている雄実部7に各離型紙12の突出部分12cの夫々が上下方向に挿通するための3つの挿通孔13が形成されている。しかも、前記離型紙12は、その突出部分12cが雄実部7に対応位置する状態で床仕上げ材本体4に配設され、前記突出部分12cが、前記雄実部7に形成の挿通孔13を床仕上げ材本体4の表面側に向けて挿通する形態で、且つ、床仕上げ材本体4の表面より上方に突出することができる長さに構成されている。
【0045】
具体的に説明すると、離型紙12は、その長さが両面テープ5の長さの2倍よりも長くなるように形成され、その一端部から、装着部分12a、重複部分12b、突出部分12cがその長さ方向に連続して備えられている。そして、装着部分12aの長さは、両面テープ5の長さと同じまたはほぼ同じ長さに構成され、重複部分12bの長さも、両面テープ5の長さと同じまたはほぼ同じ長さに構成されている。そして、突出部分12cは、挿通孔13を挿通して床仕上げ材本体4の表面より上方に突出することができるような長さに構成されている。
【0046】
次に、前記床仕上げ材3aの複数を設置用床面Aに並べて接着させる施工方法について説明する。
つまり、複数の床仕上げ材3aを設置用床面Aに並べて接着させる場合には、先ず、床仕上げ材本体4の裏面に両面テープ5を装着した状態で設置用床面Aに載置して位置決めして、その位置決めした状態を維持しながら、離型紙12における前記突出部分12cを両面テープ5における長さ方向の他端部から離れる方向へ引張り作用させることにより離型紙12を両面テープ5から剥して、床仕上げ材本体4を設置用床面Aに接着させるのである。
【0047】
以下、具体的な施工方法について説明を加える。
この実施形態では、図5に示すように、部屋の床における一部に床仕上げ材3aが装着されない領域Bがある場合を示し、施工対象箇所である設置用床面Aは床仕上げ材3aが装着されない領域Bを除く他の領域に設定されている。そして、この場合には、床仕上げ材3aが装着されない領域Bと設置用床面Aとの間に境界を示す墨出し線Lが引かれている。
そして、最初に接着させる床仕上げ材3aを、床仕上げ材本体4の裏面に前記離型紙12が装着されている状態で、床仕上げ材本体4の長手方向の墨出し線L側の端縁が墨出し線Lに沿うように、且つ、部屋の壁側に対応する短辺における端縁を壁の面に沿うように位置決めして、設置用床面Aに載置させて、所定の設置位置に合うように位置合わせする。そして、位置合わせした状態を維持しながら、床仕上げ材3aから外方に突出している離型紙12における突出部分12cを引張ることにより、離型紙12が両面テープ5から剥がれるので、両面テープ5の粘着材部分を設置用床面Aの上面に接着させて、床仕上げ材3aを設置用床面A上に接着させるのである。
【0048】
説明を加えると、床仕上げ材本体4を位置合わせした状態では、図6及び図7(イ)に示すように、床仕上げ材本体4における前記挿通孔13を通して上方側に離型紙12における突出部分12cが突出することとなる。そして、その位置合わせ状態において、突出部分12cを前記両面テープ5における長さ方向の他端部から離れる方向、具体的には、図7中の右側斜め上方へ引張り作用させることにより、図7(ロ)に示すように、両面テープ5の図中左側端部から離型紙12が次第に剥がれていくことになり、最終的に、図7(ハ)に示すように、離型紙12を両面テープ5から完全に剥すと、両面テープ5の粘着材部分が設置用床面Aの上面に接着されることになる。
【0049】
以上の如く、床仕上げ材3aを位置決めされた位置に維持して、その床仕上げ材3aの外方から突出した離型紙12における突出部分12cを引張り作用させるだけで、離型紙12を両面テープ5から剥し、床仕上げ材3aの裏面を設置用床面Aの上面に接着させて、床仕上げ材3aを設置用床面A上に接着させることができる。
【0050】
そして、このようにして1つの床仕上げ材3aを設置用床面A上に接着させることができるが、図8に示すように、複数の床仕上げ材3aの夫々について上記したような手順で順次接着する処理を繰り返し行うことで、複数の床仕上げ材3aを設置用床面Aに並べて接着させることができる。
【0051】
〔別実施形態〕
以下、別実施形態を列記する。
【0052】
(1)上記実施形態では、前記床仕上げ材として、床仕上げ材本体の周縁部に、あいじゃくり形態で隣接する他の床仕上げ材本体と接合するための雌実部及び雄実部が形成されているものを示したが、前記床仕上げ材として次のように構成するものでもよい。
【0053】
すなわち、この実施形態においては、床仕上げ材3として、図9の(イ)、(ロ)、(ハ)に示すように、前記床仕上げ材本体4の周縁部には、本実形態で隣接する他の床仕上げ材本体4と接合するための凸形の突起20と凹形の溝21とが形成される構成の床仕上げ材3bとなっている。そして、上記実施形態と同様に、床仕上げ材本体4には前記突出部分12cを備えて構成される前記離型紙12が装着されているが、前記凸形の突起20に対応位置する状態で床仕上げ材本体4に配設され、前記突出部分12cが、前記凸形の突起20に形成の挿通孔22を床仕上げ材本体4の表面側に向けて挿通する形態で、且つ、床仕上げ材本体4の表面より上方に突出することができる長さに構成されている。
【0054】
前記離型紙12の構成は第1実施形態と同じであるが、床仕上げ材本体4同士の接合のしかたが本実形態になっている点が異なっており、離型紙12の突出部分12cが凸形の突起20に対応位置する状態で床仕上げ材本体4に配設され、その凸形の突起20に離型紙12の突出部分12cを床仕上げ材本体4の表面側に向けて挿通するための挿通孔22が形成される構成である。
【0055】
この構成においても、床仕上げ材3bを設置用床面A上に接着させる場合には、第1実施形態のときと同様にして、離型紙12の突出部分12cを前記両面テープ5における長さ方向の他端部から離れる方向へ引張り作用させることにより、離型紙12を両面テープ5から剥がして床仕上げ材3bを設置用床面A上に接着させることになる。
【0056】
(2)前記床仕上げ材3として、次のように構成するものでもよい。
すなわち、この実施形態における床仕上げ材3cでは、図10の(イ)、(ロ)、(ハ)に示すように、床仕上げ材本体4の周縁部が突合せ形態で隣接する他の床仕上げ材本体4と対向させるように平坦面状に形成され、前記離型紙12が、前記突出部分12cを前記仕上げ材本体4の周縁部に沿って前記床仕上げ材本体4の表面側に向けて折り曲げることができる形態で前記床仕上げ材本体4に配設される構成である。
【0057】
つまり、この実施形態では、前記離型紙12の構成は第1実施形態と同じであるが、この実施形態の床仕上げ材3cは、床仕上げ材本体4の接合のしかたが平坦面同士を突合せる形態になっている点が第1実施形態と異なっている。そして、図10(イ)に示すように、前記突出部分12cが、前記仕上げ材本体4の周縁部から外方側に突出するような長さに構成されている。
【0058】
この構成においても、床仕上げ材3cを設置用床面A上に接着させる場合には、第1実施形態のときと同様にして、離型紙12の突出部分12cを前記両面テープ5における長さ方向の他端部から離れる方向へ引張り作用させることにより、離型紙12を両面テープ5から剥がして床仕上げ材3cを設置用床面A上に接着させることになる。
【0059】
(3)前記床仕上げ材として、前記あいじゃくり形態で隣接する他の床仕上げ材本体と接合する構成の仕上げ材3aや前記本実形態で隣接する他の床仕上げ材本体と接合する構成の床仕上げ材3bを用いて、1個づつ設置用床面に載置して接着させる施工方法を実施する場合には、前記離型紙12の突出部分12cを、隣接する床仕上げ材本体4との隙間を通して床仕上げ材本体4の表面側外方に突出させる状態にさせる必要はなく、前記離型紙12の突出部分12cを床仕上げ材本体4よりも外方側に突出させて設置用床面A上にそのまま載置させるようにしてもよい。
つまり、前記離型紙12の突出部分12cを前記挿通孔13や前記挿通孔22を通して上方側に突出させずに、装着部分12bからそのまま設置用床面A上に沿って延びる状態で設置用床面A上に載置させるようにしてもよい。
【0060】
(4)前記床仕上げ材の施工方法として、上記実施形態のような方法に代えて、次のような施工方法としてもよい。
つまり、前記複数の床仕上げ材3を、前記設置用床面A側の粘着材部分に前記離型紙12が装着されている前記両面テープ5を装着した状態で、且つ、床仕上げ材本体4における離型紙12の突出部分12cを、隣接する床仕上げ材本体4との隙間を通して床仕上げ材本体4の表面側外方に突出させる状態で、前記施工対象箇所の設置用床面Aに並べて位置決めする位置決め処理を行い、その位置決め処理にて位置決めした状態を維持しながら、離型紙12における突出部分12cを両面テープ5における長さ方向の他端部から離れる方向へ引張り作用させることにより離型紙12を両面テープ5から剥して、床仕上げ材本体4を設置用床面Aに接着させることを、複数の前記床仕上げ材3の夫々について順次行って、前記複数の床仕上げ材3を前記設置用床面Aに接着させる接着処理を行う施工方法である。
【0061】
説明を加えると、この実施形態においては、例えば部屋等の床の全域を設置用床面Aとしており、床の所定個数の床仕上げ材3を並べて設置すると、全体として互いの床仕上げ材3同士の間に隙間が生じないように敷き詰めることができる構成となっている(図11参照)。尚、床仕上げ材3として、あいじゃくり形態で隣接する他の床仕上げと接合する形式の床仕上げ材3aを用いる構成としている。
【0062】
先ず、所定個数の床仕上げ材3aの夫々について設置用床面A側の粘着材部分に離型紙12が装着されている両面テープ5を装着した状態で、例えば、図11に示すように設置用床面Aに並べて位置決めを行う。つまり、所定個数の床仕上げ材3aを床仕上げ材3a同士の間に隙間が生じないように設置用床面Aに敷き詰めるのである。そのとき、図12(イ)、(ロ)に示すように、前記離型紙12の突出部分12cを、隣接する床仕上げ材本体4との隙間を通して床仕上げ材本体4の表面側外方に突出させる状態にしておく。
【0063】
次に、上記実施形態の場合と同様にして、図12(ハ)に示すように、前記位置決め処理にて位置決めした状態を維持しながら、離型紙12における前記突出部分12cを両面テープ5における長さ方向の他端部から離れる方向へ引張り作用させることにより離型紙12を両面テープ5から剥して、床仕上げ材本体4を設置用床面Aに接着させることになる。しかも、このような処理を複数の床仕上げ材3aの夫々について順次繰り返し行って複数の床仕上げ材3aを前記設置用床面Aに接着させるのである。
【0064】
そして、この施工方法においては、上記(1)の別実施形態で説明した床仕上げ材3b、又は、上記(2)の別実施形態で説明した床仕上げ材3cを用いることもできる。
つまり、上記(1)の別実施形態で説明したように、床仕上げ材本体4の周縁部に、本実形態で隣接する他の床仕上げ材本体4と接合するための凸形の突起20と凹形の溝21とが形成される構成の床仕上げ材3bであれば、図13に示すように、前記凸形の突起20に形成した挿通孔22及び隣接する床仕上げ材本体4との隙間を通して、離型紙12の突出部分12cを床仕上げ材本体4の表面側外方に突出させる状態にしておき、上記実施形態と同様にしてこの離型紙12の突出部分12cを長さ方向の他端部から離れる方向へ引張り作用させることにより離型紙12を両面テープ5から剥すことになる。
【0065】
上記(2)の別実施形態で説明したように、床仕上げ材本体4の周縁部が、突合せ形態で隣接する他の床仕上げ材本体4と対向させるように平坦面状に形成する構成の床仕上げ材3cであれば、図14に示すように、隣接する床仕上げ材本体4同士の平坦な周縁部同士の隙間を通して、離型紙12の突出部分12cを床仕上げ材本体4の表面側外方に突出させる状態にしておく。つまり、既に載置されている床仕上げ材本体4の横に隣接する床仕上げ材本体4を載置するときに、載置されている床仕上げ材本体4における離型紙12の突出部分12cを手で持ち上げて、隣接する床仕上げ材本体4との間を通して上方に突出させるのである。そして、上記実施形態と同様にしてこの離型紙12の突出部分12cを長さ方向の他端部から離れる方向へ引張り作用させることにより離型紙12を両面テープ5から剥すことになる。
【0066】
(5)前記床仕上げ材の施工方法として、上述したような方法に代えて、次のような施工方法としてもよい。
つまり、床仕上げ材3を設置用床面Aの全域に敷き詰めるのではなく、設置用床面A側の粘着材部分に離型紙12が装着されている両面テープ5を装着した状態で、設置用床面Aの一端部から他端部までの1列又は複数列に相当する部分にだけ床仕上げ材3を敷き詰めて位置決めして、その後、各床仕上げ材3について離型紙12を引き剥がしていく方法としてもよい。
【0067】
(6)上記実施形態では、1つの床仕上げ材に床仕上げ材本体の長手方向に沿って延びる状態で短辺方向に並べて3本の両面テープを備える構成としたが、このような構成に代え、2本又は4本以上の両面テープを並べて備える構成としたり、あるいは、1本の両面テープを備える構成としてもよい。
【0068】
又、上記実施形態では、離型紙として、その装着部分が両面テープの長さと略同じ長さとなるように構成したが、その装着部分が両面テープの長さよりも短いものとしてもよい。例えば、上記(2)の別実施形態で説明した床仕上げ材3cを用いて、図15に示すように、1つの両面テープ5に対して2本の離型紙12Aを用いて、その各装着部分12aが両面テープ5の長さの半分になるようにして、各離型紙12Aの突出部分12cが両面テープ5の長さ方向の両端側で夫々外方に突出する構成にすると、設置用床面に載置した状態で離型紙12Aを引き剥がすことができる。尚、床仕上げ材としては、上記(2)の別実施形態で説明した床仕上げ材3cに限らず、あいじゃくり形態で隣接する他の床仕上げと接合する形式の床仕上げ材3aや上記(1)の別実施形態で説明した床仕上げ材3bを用いることができる。
【0069】
(7)上記実施形態では、床仕上げ材本体として、木質材にて構成されるフローリングを例示したが、フローリングに限らずコルク材等の他の各種の材質からなる床仕上げ材本体を用いてもよい。
【0070】
(8)上記実施形態では、前記設置用床面として床暖房パネルの上部面に床仕上げ材を接着させる構成を例示したが、このような構成に限らず、例えば、床下地材にそのまま床仕上げ材を接着させる構成としてもよく、又、床仕上げ材が単なる木質材やコルク材等から構成されるものに限らず、その内部に暖房用の熱媒が通流する熱媒通流管を備える構成として、床仕上げ材が床暖房パネルを兼用する構成のものを用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】床仕上げ材の設置状態を示す断面図
【図2】床仕上げ材の構成を示す図
【図3】床仕上げ材の接合状態を示す斜視図
【図4】離型紙を示す斜視図
【図5】施工状態を示す図
【図6】床仕上げ材の斜視図
【図7】離型紙の引き剥し状態を示す作用図
【図8】施工状態を示す図
【図9】別実施形態の床仕上げ材の構成を示す図
【図10】別実施形態の床仕上げ材の構成を示す図
【図11】別実施形態の施工方法を示す図
【図12】別実施形態の施工方法における離型紙の引き剥し状態を示す作用図
【図13】別実施形態の施工方法における床仕上げ材の断面図
【図14】別実施形態の施工方法における床仕上げ材の断面図
【図15】別実施形態の床仕上げ材の構成を示す図
【図16】従来の床仕上げ材の構成を示す図
【図17】従来の床仕上げ材が位置ずれした状態を示す図
【符号の説明】
4 床仕上げ材本体
5 両面テ−プ
6 雌実部
7 雄実部
12、12A 離型紙
12a 装着部分
12b 重複部分
12c 突出部分
13 挿通孔
20 凸形の突起
21 凹形の溝
22 挿通孔
A 設置用床面
【発明の属する技術分野】
本発明は、床仕上げ材及び床仕上げ材の複数を施工の対象箇所の設置用床面に並べて接着させる床仕上げ材の施工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
前記床仕上げ材は、建物の部屋や廊下等における床下地材あるいはその床下地材の上に設置された床暖房パネルの表面等を設置用床面として、その設置用床面に並べて装着されるものであるが、このような床仕上げ材を設置用床面に装着する場合には、例えば両面テープ等の粘着力を利用して接着させることになる。
そして、従来では、複数の床仕上げ材を設置用床面に並べて装着する場合には、設置用床面に対して床仕上げ材を設置すべき設置位置を確認しておき、両面テープや接着剤等によって床仕上げ材の裏面を設置用床面に対して接着可能な状態にした後に、床仕上げ材を設置位置に合うように位置合わせしながら設置用床面上に載置させてそのまま接着させるようになっていた。そして、このような作業を複数の床仕上げ材の夫々について順次繰り返し行って複数の床仕上げ材を接着するようにしていた(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
床仕上げ材を両面テープを用いて設置用床面に接着させる場合について、図面を用いて更に説明を加えると、例えば、図16に示すように、従来の床仕上げ材3は、床仕上げ材本体40の裏面に両面テープ50を装着する状態で構成され、両面テープ50の設置用床面側の粘着材部分には、両面テープ50の長手方向の長さと同じ長さの離型紙51が装着される構成となっている。尚、図16に示す例では3本の両面テープ50を装着している。そして、設置用床面Aに対して床仕上げ材3を設置すべき設置位置を確認した後に、前記離型紙51を引き剥して設置用床面側の粘着材部分が外方に露出する状態にしておき、このように裏面を設置用床面Aに接着可能な状態にしている床仕上げ材3を、例えば図17に示すように作業者が目視で位置合わせしながら設置用床面Aの設置位置に載置してそのまま接着させるのである。
【0004】
図17に示す例では、床のうちの一部に床仕上げ材3が装着されない領域Bがある場合を示している。この場合には、床仕上げ材3が装着されない領域と施工対象域との間に境界を示す墨出し線Lが引かれているので、最初に張り始める床仕上げ材は、裏面を接着可能な状態にしている状態でこの墨出し線Lに沿うように位置合わせしながら設置用床面上に載置してそのまま接着させる。尚、既に接着されている床仕上げ材3の横に並べて接着させるときは、その既に接着されている床仕上げ材3の端縁に沿わせるように位置合わせして順次接着させることになる。
【0005】
両面テープを用いる代わりに接着剤を用いて床仕上げ材を設置用床面に接着させる場合においても、両面テープを用いる場合と同様にして、設置用床面に対して床仕上げ材を設置すべき設置位置を確認した後に、床仕上げ材の裏面に接着剤を塗布して接着剤が外方に露出する状態にしておき、このように裏面を設置用床面に接着可能な状態にしている床仕上げ材を、設置用床面の設置位置に載置してそのまま接着させるのである。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−214600号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来構成においては、床仕上げ材の裏面を設置用床面に接着可能な状態にさせるために、床仕上げ材を設置位置に対して位置合わせしながら設置用床面上に載置して接着させる作業を行う前に予め前記離型紙を引き剥しておくことになる。そして、接着させるときには、作業者が手作業によって位置合わせしながら床仕上げ材を設置用床面上に載置させると、両面テープや接着剤の粘着力によってそのままの位置で床仕上げ材と設置用床面とが接着することになる。
【0008】
ところで、上記したように作業者が手作業で床仕上げ材を設置用床面上に載置させるときに、本来設置すべき設置位置から位置ずれした状態で載置してしまうおそれがある。例えば、図17に示すように、墨出し線Lに沿うように位置合わせしながら設置用床面上に載置した場合、墨出し線Lに対して位置ずれZが発生するおそれがある。
【0009】
しかしながら、一旦、床仕上げ材を設置用床面上に載置させると、両面テープや接着剤の粘着力によって載置したときの位置で床仕上げ材と設置用床面とが接着してしまうことになり、貼り直しが容易に行えないものとなり、位置ずれしたままで複数の床仕上げ材が接着されるおそれがある。又、作業を開始して最初の床仕上げ材が僅かな位置ずれを起こしているだけであっても、複数の床仕上げ材を順次並べて接着させると、このような位置ずれが徐々に大きくなってしまうおそれがある。
【0010】
つまり、上記従来構成の床仕上げ材及びその施工方法においては、床仕上げ材を設置用床面に接着させる作業を行うときにおいて、設置位置から位置ずれした状態で床仕上げ材が接着するといった作業ミスを起こす等、作業が良好に行えないおそれが大となる不利がある。
【0011】
本発明はかかる点に着目してなされたものであり、その目的は、設置用床面に接着させる作業を位置ずれの少ない状態で良好に行うことが可能となる床仕上げ材及び床仕上げ材の施工方法を提供する点にある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の床仕上げ材は、矩形板状又は略矩形板状の床仕上げ材本体の裏面に、前記床仕上げ材本体を設置用床面に接着させるための両面テープが、前記設置用床面側の粘着材部分に離型紙が装着される状態で設けられ、前記離型紙は、前記両面テープの長さ方向の一端部にて下方側に折り返されて前記両面テープの長さ方向の他端部側に延出され、その下方側に折り返された状態において、前記設置用床面側の粘着材部分に装着される装着部分と、その装着部分に対して上下方向に重複する重複部分と、その重複部分から延出されて前記床仕上げ材本体の外方に突出する突出部分とを備えて構成されていることを特徴とする。
【0013】
すなわち、床仕上げ材本体の裏面に床仕上げ材本体を設置用床面に接着させるための両面テープが設けられて、その両面テープの設置用床面側の粘着材部分に離型紙が装着されており、しかも、その離型紙は、前記設置用床面側の粘着材部分に装着される装着部分だけでなく、両面テープの長さ方向の一端部にて下方側に折り返されて両面テープの長さ方向の他端部側に延出されて、その装着部分に対して上下方向に重複する重複部分と、その重複部分から延出されて前記床仕上げ材本体の外方に突出する突出部分とを備えて構成されているので、床仕上げ材本体の裏面側が下側になる状態で設置用床面上に載置させた状態で、離型紙における床仕上げ材本体の外方に突出している前記突出部分を手で持って、両面テープにおける長さ方向の他端部側に引張り作用させることにより、離型紙を両面テープから剥すことができる。
【0014】
このような床仕上げ材を設置用床面に接着させるときには、床仕上げ材本体を設置用床面に一旦載置しても、このときには、両面テープの設置用床面側の粘着材部分には離型紙が未だ装着されているので、設置位置から位置ずれしていても容易に位置の修正を行うことができ、床仕上げ材本体を本来設置すべき設置位置に適正に位置決めすることができる。そして、そのように設置位置に適正に位置決めされた状態を維持しながら、床仕上げ材本体の外方に突出している前記突出部分を両面テープにおける長さ方向の他端部側に引張り作用させることにより、離型紙を両面テープから剥して、両面テープにおける設置用床面側の粘着材部分を設置用床面の上面に接着させることができるのである。
【0015】
従って、床仕上げ材本体を設置位置に適正に位置合わせした状態で両面テープによって床仕上げ材本体を設置用床面に接着させることができるので、設置用床面に貼り付ける作業を位置ずれの少ない状態で良好に行うことが可能となる床仕上げ材を提供できるに至った。
【0016】
請求項2に記載の床仕上げ材は、請求項1において、前記床仕上げ材本体の周縁部には、あいじゃくり形態で隣接する他の床仕上げ材本体と接合するための雌実部及び雄実部が形成されており、前記離型紙が、前記突出部分が前記雄実部に対応位置する状態で前記床仕上げ材本体に配設され、前記突出部分が、前記雄実部に形成の挿通孔を前記床仕上げ材本体の表面側に向けて挿通する形態で、且つ、前記床仕上げ材本体の表面より上方に突出することができる長さに構成されていることを特徴とする。
【0017】
すなわち、床仕上げ材本体は、あいじゃくり形態で隣接する他の床仕上げ材本体と接合する構成となっており、離型紙は、その突出部分が雄実部に対応位置する状態で床仕上げ材本体に配設されており、しかも、その突出部分が、雄実部に形成の挿通孔を床仕上げ材本体の表面側に向けて挿通する形態で、且つ、床仕上げ材本体の表面より上方に突出することができる長さに構成されているので、床仕上げ材を設置用床面に接着させる際に、床仕上げ材を設置用床面に一旦載置させるような場合に、離型紙の突出部分を前記挿通孔を挿通して床仕上げ材本体の表面側に向けて突出させておくことができる。又、床仕上げ材を、隣接する他の床仕上げ材本体と接合する状態で設置用床面に載置させるような場合においても、離型紙の突出部分を前記挿通孔を挿通して床仕上げ材本体の表面側に向けて突出させておくことができるのである。
【0018】
又、前記突出部分を床仕上げ材本体の表面側に向けて挿通するための挿通孔を雄実部に形成するようにしたので、この床仕上げ材を並べた状態で設置用床面に装着した状態では、この雄実部はあいじゃくり形態で隣接する他の床仕上げ材本体の雌実部と接合して上下方向に重なり合うので、前記挿通孔は床仕上げ材の上方側外方から見えない状態となる。
【0019】
従って、離型紙を引き剥すための挿通孔を床仕上げ材の上方側外方から見えない状態で形成して床の美観を損ねるおそれが少ないものにしながら、床仕上げ材を設置用床面に接着させるときに、設置位置に適正に位置決めされた状態を維持しながら床仕上げ材本体の外方に突出している前記突出部分を手で持って容易に引張ることができ、離型紙の引き剥し作業を容易に行えるものとなる。
【0020】
請求項3記載の床仕上げ材は、請求項1において、前記床仕上げ材本体の周縁部には、本実形態で隣接する他の床仕上げ材本体と接合するための凸形の突起と凹形の溝とが形成されており、前記離型紙が、前記突出部分が前記凸形の突起に対応位置する状態で前記床仕上げ材本体に配設され、前記突出部分が、前記凸形の突起に形成の挿通孔を前記床仕上げ材本体の表面側に向けて挿通する形態で、且つ、前記床仕上げ材本体の表面より上方に突出することができる長さに構成されていることを特徴とする。
【0021】
すなわち、床仕上げ材本体は本実形態で隣接する他の床仕上げ材本体と接合する構成となっており、離型紙は、その突出部分が凸形の突起に対応位置する状態で床仕上げ材本体に配設されており、しかも、その突出部分が、凸形の突起に形成の挿通孔を床仕上げ材本体の表面側に向けて挿通する形態で、且つ、床仕上げ材本体の表面より上方に突出することができる長さに構成されているので、床仕上げ材を設置用床面に接着させる際に、床仕上げ材を設置用床面に一旦載置させるような場合に、離型紙の突出部分を前記挿通孔を挿通して床仕上げ材本体の表面側に向けて突出させておくことができる。又、床仕上げ材を、隣接する他の床仕上げ材本体と接合する状態で設置用床面に載置させるような場合においても、離型紙の突出部分を前記挿通孔を挿通して床仕上げ材本体の表面側に向けて突出させておくことができるのである。
【0022】
又、前記突出部分を床仕上げ材本体の表面側に向けて挿通するための挿通孔を凸形の突起に形成するようにしたので、この床仕上げ材を並べた状態で設置用床面に装着した状態では、この凸形の突起は本実形態で隣接する他の床仕上げ材本体の凹部と接合して上下方向に重なり合い挿通孔は床仕上げ材の上方側外方から見えない状態となる。
【0023】
従って、離型紙を引き剥すための挿通孔を床仕上げ材の上方側外方から見えない状態で形成して床の美観を損ねるおそれが少ないものにしながら、床仕上げ材を設置用床面に接着させるときに、隣接する他の床仕上げ材本体と接合する状態で載置されていても、設置位置に適正に位置決めされた状態を維持しながら床仕上げ材本体の外方に突出している前記突出部分を手で持って容易に引張ることができ、離型紙の引き剥し作業を容易に行えるものとなる。
【0024】
請求項4記載の床仕上げ材は、請求項1において、前記床仕上げ材本体の周縁部が、突合せ形態で隣接する他の床仕上げ材本体と対向させるように平坦面状に形成され、前記離型紙が、前記突出部分を前記仕上げ材本体の周縁部に沿って前記床仕上げ材本体の表面側に向けて折り曲げることができる形態で前記床仕上げ材本体に配設され、前記突出部分が、前記仕上げ材本体の周縁部に沿って前記床仕上げ材本体の表面側に向けて折り曲げたときに、前記床仕上げ材本体の表面より上方に突出することができる長さに構成されていることを特徴とする。
【0025】
すなわち、床仕上げ材本体の周縁部が、突合せ形態で隣接する他の床仕上げ材本体と対向させるように平坦面状に形成されており、離型紙は、仕上げ材本体の周縁部に沿って床仕上げ材本体の表面側に向けて折り曲げることができる形態で床仕上げ材本体に配設され、その突出部分が、仕上げ材本体の周縁部に沿って床仕上げ材本体の表面側に向けて折り曲げたときに、床仕上げ材本体の表面より上方に突出することができる長さに構成されているので、床仕上げ材を設置用床面に接着させる際に、床仕上げ材を、隣接する他の床仕上げ材本体と近接して対向する状態で設置用床面に載置させるような場合においても、離型紙の突出部分を前記挿通孔を挿通して床仕上げ材本体の表面側に向けて突出させておくことができる。
【0026】
従って、床仕上げ材を設置用床面に接着させるときに、設置位置に適正に位置決めされた状態を維持しながら床仕上げ材本体の外方に突出している前記突出部分を手で持って容易に引張ることができ、離型紙の引き剥し作業を容易に行えるものとなる。
【0027】
請求項5記載の床仕上げ材は、請求項2において、前記床仕上げ材本体が長方形状に設けられ、前記両面テープとしての1本の両面テープ又は前記床仕上げ材本体の短辺方向に並ぶ複数の両面テープが、前記床仕上げ材本体の長手方向に沿って延びる状態で前記床仕上げ材本体の裏面に設けられていることを特徴とする。
【0028】
すなわち、前記両面テープが床仕上げ材本体の長手方向に沿って延びる状態で床仕上げ材本体の裏面に設けられる。この両面テープとしては、1本の両面テープを用いる場合、又は、床仕上げ材本体の短辺方向に並ぶ複数の両面テープを用いる場合がある。このように、両面テープが床仕上げ材本体の長手方向に沿って延びる状態で床仕上げ材本体の裏面に設けられるから、両面テープを短辺方向に延びる状態で長手方向に多数の両面テープを並べて設けるものに比べて少ない本数の両面テープにて床仕上げ材を設置用床面に接着させることができ、離型紙の引き剥し作業は少ない回数で済ませることができる。
【0029】
請求項6記載の床仕上げ材の施工方法は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の床仕上げ材の複数を施工対象箇所の設置用床面に並べて接着させる方法であって、前記床仕上げ材本体の裏面に前記両面テープを装着した状態で設置対象箇所の設置用床面に載置して位置決めして、その位置決めした状態を維持しながら、前記離型紙における前記突出部分を前記両面テープにおける長さ方向の他端部から離れる方向へ引張り作用させることにより前記離型紙を前記両面テープから剥して、前記床仕上げ材本体を前記設置用床面に接着させることを特徴とする。
【0030】
すなわち、請求項1〜5のいずれか1項に記載の床仕上げ材の複数を施工対象箇所の設置用床面に並べて接着させるのであるが、そのとき、先ず、床仕上げ材本体の裏面に両面テープを装着した状態で設置対象箇所の設置用床面に載置して位置決めする。尚、この位置決めをするときには両面テープの設置用床面側の粘着材部分には離型紙が未だ装着されているので、設置位置から位置ずれしていても容易に位置の修正を行うことができ、床仕上げ材本体を本来設置すべき設置位置に適正に位置決めすることができる。
【0031】
次に、床仕上げ材本体が位置決めした位置からずれないように、その位置決めした状態を維持しながら、離型紙における突出部分を両面テープにおける長さ方向の他端部から離れる方向へ引張り作用させることにより離型紙を両面テープから剥して、床仕上げ材本体を設置用床面に接着させるのである。
【0032】
そして、このような設置用床面に載置して位置決めする処理と離型紙を両面テープから剥して、床仕上げ材本体を設置用床面に接着させる処理とを、複数の床仕上げ材について夫々順次行うことで、複数の床仕上げ材を施工対象箇所の設置用床面に並べて接着させることができるのである。
【0033】
従って、床仕上げ材本体を設置位置に適正に位置合わせした状態で両面テープによって床仕上げ材本体を設置用床面に接着させることができるので、設置用床面に貼り付ける作業を位置ずれの少ない状態で良好に行うことが可能となる床仕上げ材の施工方法を提供できるに至った。
【0034】
請求項7記載の床仕上げ材の施工方法は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の床仕上げ材の複数を施工対象箇所の設置用床面に並べて接着させる方法であって、前記複数の床仕上げ材を、前記設置用床面側の粘着材部分に前記離型紙が装着されている前記両面テープを装着した状態で、且つ、前記床仕上げ材本体における前記離型紙の突出部分を、隣接する床仕上げ材本体との隙間を通して前記床仕上げ材本体の表面側外方に突出させる状態で、前記施工対象箇所の設置用床面に並べて位置決めする位置決め処理を行い、その位置決め処理にて位置決めした状態を維持しながら、前記離型紙における前記突出部分を前記両面テープにおける長さ方向の他端部から離れる方向へ引張り作用させることにより前記離型紙を前記両面テープから剥して、前記床仕上げ材本体を前記設置用床面に接着させることを、複数の前記床仕上げ材の夫々について順次行って、前記複数の床仕上げ材を前記設置用床面に接着させる接着処理を行うようにしたことを特徴とする。
【0035】
すなわち、請求項1〜5のいずれか1項に記載の床仕上げ材の複数を施工対象箇所の設置用床面に並べて接着させるのであるが、先ず、前記位置決め処理を行う。つまり、前記複数の床仕上げ材を、設置用床面側の粘着材部分に離型紙が装着されている両面テープを装着した状態で、且つ、床仕上げ材本体における離型紙の突出部分を、隣接する床仕上げ材本体との隙間を通して床仕上げ材本体の表面側外方に突出させる状態で、前記施工対象箇所の設置用床面に並べて位置決めするのである。尚、この位置決めを行うときには両面テープの設置用床面側の粘着材部分には離型紙が未だ装着されているので、設置位置から位置ずれしていても容易に位置の修正を行うことができ、床仕上げ材本体を本来設置すべき設置位置に適正に位置決めすることができる。
【0036】
このようにして複数の床仕上げ材本体を並べて位置決めする位置決め処理を行った後に、次に、前記接着処理を行う。つまり、その位置決め処理にて位置決めした状態を維持しながら、離型紙における突出部分を引張り作用させることにより離型紙を両面テープから剥して、床仕上げ材本体を設置用床面に接着させるのであるが、この離型紙の引き剥がしと設置用床面への接着とを、複数の床仕上げ材の夫々について順次行うことによって複数の床仕上げ材を設置用床面に接着させるのである。
【0037】
従って、複数の床仕上げ材本体を予め並べることで各床仕上げ材本体を夫々設置位置に適正に位置合わせした状態にして、両面テープによって床仕上げ材本体を設置用床面に接着させることができるので、設置用床面に貼り付ける作業を位置ずれの少ない状態で良好に行うことが可能となる床仕上げ材の施工方法を提供できるに至った。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る床仕上げ材及び床仕上げ材の施工方法の実施形態について図面に基づいて説明する。
【0039】
図1に示すように、建物の床下地材1の上面側に床暖房パネル2が装着されており、この床暖房パネル2の上部側に床仕上げ材3が装着される構成となっている。前記床暖房パネル2は、詳述はしないが、例えば、発泡樹脂材等からなる板状基材に温水などの熱媒体が通流する熱媒体通流管2aが備えられて構成され、床下地材1の上部面に対して両面テープ等を用いて接着させる構成となっている。
【0040】
次に前記床仕上げ材3の構成について説明する。この実施形態では、床仕上げ材3として、あいじゃくり形態で隣接する他の床仕上げと接合する形式の床仕上げ材3aを例示する。
図2に示すように、この床仕上げ材3aは、木質材にて矩形板状具体的には長方形状の板状に構成された、例えばフローリング等からなる床仕上げ材本体4と、この床仕上げ材本体4を、床暖房パネル2の上部面を設置用床面Aとして接着させるための両面テープ5とを備えて構成されている。
そして、前記床仕上げ材本体4の周縁部には、あいじゃくり形態で隣接する他の床仕上げ材本体4と接合するための雌実部6及び雄実部7が形成されている。つまり、長方形状の外周縁部の四辺のうちの隣り合う1つの長辺と1つの短辺の2辺の側縁部には、隣接する他の床仕上げ材本体4に形成された雌実部6に対して上下方向に重複する状態で係合して床仕上げ材本体4同士を接合する、あいじゃくり形態で接合するための雄実部7を備えて構成されている。又、上記2辺を除く他の2辺の側縁部には、隣接する他の床仕上げ材本体4に形成された雄実部7に対して板厚方向に重複する状態で係合して床仕上げ材本体4同士を接合する、あいじゃくり形態で接合するための雌実部6を備えて構成されている。つまり、床暖房パネル2の上部側に複数の床仕上げ材本体4を並べて装着するときは、図3に示すように、隣り合う床仕上げ材本体4の雄実部7の上側に隣接する仕上げ材本体4の雌実部6を重ねる状態で並べていくことになる。
【0041】
前記床仕上げ材本体4の裏面には、図2(ロ)に示すように、床仕上げ材本体4を設置用床面A上に接着させるための両面テープ5が床仕上げ材本体4の長手方向に延びる状態で設けられ、その両面テープ5の長さが、床仕上げ材本体4の長手方向の幅とほぼ同じ長さに構成されている。ちなみに、両面テープ5は、床仕上げ材3の短辺方向に間隔を隔てて複数(図に示す例では3本)のものが並べて設けられている。
【0042】
そして、前記各両面テープ5における設置用床面側の粘着材部分には夫々離型紙12が装着されている。そして、この離型紙12は、図4に示すように、前記両面テープ5の長さ方向の一端部にて下方側に折り返されて両面テープ5の長さ方向の他端部側に延出され、その下方側に折り返された状態において、設置用床面側の粘着材部分に装着される装着部分12aと、その装着部分12aに対して上下方向に重複する重複部分12bと、その重複部分12bから延出されて床仕上げ材本体4の外方に突出する突出部分12cとを備えて構成されている。
【0043】
尚、離型紙12における前記装着部分12aとその装着部分12aに対して上下方向に重複する重複部分12bとは、床仕上げ材3を設置用床面に載置した場合にはそれらが密着状態となるものであるが、以下、図7の(イ)、(ロ)、(ハ)、図9、図10、図12の(イ)、(ロ)、(ハ)、図13、図14、図15の夫々において図面で示す場合においては、構成を理解し易くするために、前記装着部分12aと前記重複部分12bとの間に、隙間を形成した状態として記載している。
【0044】
又、図2に示すように、床仕上げ材本体4の長手方向の一端側であって、且つ、離型紙12が折り返されて延出される両面テープ5の長さ方向の他端部側の箇所において形成されている雄実部7に各離型紙12の突出部分12cの夫々が上下方向に挿通するための3つの挿通孔13が形成されている。しかも、前記離型紙12は、その突出部分12cが雄実部7に対応位置する状態で床仕上げ材本体4に配設され、前記突出部分12cが、前記雄実部7に形成の挿通孔13を床仕上げ材本体4の表面側に向けて挿通する形態で、且つ、床仕上げ材本体4の表面より上方に突出することができる長さに構成されている。
【0045】
具体的に説明すると、離型紙12は、その長さが両面テープ5の長さの2倍よりも長くなるように形成され、その一端部から、装着部分12a、重複部分12b、突出部分12cがその長さ方向に連続して備えられている。そして、装着部分12aの長さは、両面テープ5の長さと同じまたはほぼ同じ長さに構成され、重複部分12bの長さも、両面テープ5の長さと同じまたはほぼ同じ長さに構成されている。そして、突出部分12cは、挿通孔13を挿通して床仕上げ材本体4の表面より上方に突出することができるような長さに構成されている。
【0046】
次に、前記床仕上げ材3aの複数を設置用床面Aに並べて接着させる施工方法について説明する。
つまり、複数の床仕上げ材3aを設置用床面Aに並べて接着させる場合には、先ず、床仕上げ材本体4の裏面に両面テープ5を装着した状態で設置用床面Aに載置して位置決めして、その位置決めした状態を維持しながら、離型紙12における前記突出部分12cを両面テープ5における長さ方向の他端部から離れる方向へ引張り作用させることにより離型紙12を両面テープ5から剥して、床仕上げ材本体4を設置用床面Aに接着させるのである。
【0047】
以下、具体的な施工方法について説明を加える。
この実施形態では、図5に示すように、部屋の床における一部に床仕上げ材3aが装着されない領域Bがある場合を示し、施工対象箇所である設置用床面Aは床仕上げ材3aが装着されない領域Bを除く他の領域に設定されている。そして、この場合には、床仕上げ材3aが装着されない領域Bと設置用床面Aとの間に境界を示す墨出し線Lが引かれている。
そして、最初に接着させる床仕上げ材3aを、床仕上げ材本体4の裏面に前記離型紙12が装着されている状態で、床仕上げ材本体4の長手方向の墨出し線L側の端縁が墨出し線Lに沿うように、且つ、部屋の壁側に対応する短辺における端縁を壁の面に沿うように位置決めして、設置用床面Aに載置させて、所定の設置位置に合うように位置合わせする。そして、位置合わせした状態を維持しながら、床仕上げ材3aから外方に突出している離型紙12における突出部分12cを引張ることにより、離型紙12が両面テープ5から剥がれるので、両面テープ5の粘着材部分を設置用床面Aの上面に接着させて、床仕上げ材3aを設置用床面A上に接着させるのである。
【0048】
説明を加えると、床仕上げ材本体4を位置合わせした状態では、図6及び図7(イ)に示すように、床仕上げ材本体4における前記挿通孔13を通して上方側に離型紙12における突出部分12cが突出することとなる。そして、その位置合わせ状態において、突出部分12cを前記両面テープ5における長さ方向の他端部から離れる方向、具体的には、図7中の右側斜め上方へ引張り作用させることにより、図7(ロ)に示すように、両面テープ5の図中左側端部から離型紙12が次第に剥がれていくことになり、最終的に、図7(ハ)に示すように、離型紙12を両面テープ5から完全に剥すと、両面テープ5の粘着材部分が設置用床面Aの上面に接着されることになる。
【0049】
以上の如く、床仕上げ材3aを位置決めされた位置に維持して、その床仕上げ材3aの外方から突出した離型紙12における突出部分12cを引張り作用させるだけで、離型紙12を両面テープ5から剥し、床仕上げ材3aの裏面を設置用床面Aの上面に接着させて、床仕上げ材3aを設置用床面A上に接着させることができる。
【0050】
そして、このようにして1つの床仕上げ材3aを設置用床面A上に接着させることができるが、図8に示すように、複数の床仕上げ材3aの夫々について上記したような手順で順次接着する処理を繰り返し行うことで、複数の床仕上げ材3aを設置用床面Aに並べて接着させることができる。
【0051】
〔別実施形態〕
以下、別実施形態を列記する。
【0052】
(1)上記実施形態では、前記床仕上げ材として、床仕上げ材本体の周縁部に、あいじゃくり形態で隣接する他の床仕上げ材本体と接合するための雌実部及び雄実部が形成されているものを示したが、前記床仕上げ材として次のように構成するものでもよい。
【0053】
すなわち、この実施形態においては、床仕上げ材3として、図9の(イ)、(ロ)、(ハ)に示すように、前記床仕上げ材本体4の周縁部には、本実形態で隣接する他の床仕上げ材本体4と接合するための凸形の突起20と凹形の溝21とが形成される構成の床仕上げ材3bとなっている。そして、上記実施形態と同様に、床仕上げ材本体4には前記突出部分12cを備えて構成される前記離型紙12が装着されているが、前記凸形の突起20に対応位置する状態で床仕上げ材本体4に配設され、前記突出部分12cが、前記凸形の突起20に形成の挿通孔22を床仕上げ材本体4の表面側に向けて挿通する形態で、且つ、床仕上げ材本体4の表面より上方に突出することができる長さに構成されている。
【0054】
前記離型紙12の構成は第1実施形態と同じであるが、床仕上げ材本体4同士の接合のしかたが本実形態になっている点が異なっており、離型紙12の突出部分12cが凸形の突起20に対応位置する状態で床仕上げ材本体4に配設され、その凸形の突起20に離型紙12の突出部分12cを床仕上げ材本体4の表面側に向けて挿通するための挿通孔22が形成される構成である。
【0055】
この構成においても、床仕上げ材3bを設置用床面A上に接着させる場合には、第1実施形態のときと同様にして、離型紙12の突出部分12cを前記両面テープ5における長さ方向の他端部から離れる方向へ引張り作用させることにより、離型紙12を両面テープ5から剥がして床仕上げ材3bを設置用床面A上に接着させることになる。
【0056】
(2)前記床仕上げ材3として、次のように構成するものでもよい。
すなわち、この実施形態における床仕上げ材3cでは、図10の(イ)、(ロ)、(ハ)に示すように、床仕上げ材本体4の周縁部が突合せ形態で隣接する他の床仕上げ材本体4と対向させるように平坦面状に形成され、前記離型紙12が、前記突出部分12cを前記仕上げ材本体4の周縁部に沿って前記床仕上げ材本体4の表面側に向けて折り曲げることができる形態で前記床仕上げ材本体4に配設される構成である。
【0057】
つまり、この実施形態では、前記離型紙12の構成は第1実施形態と同じであるが、この実施形態の床仕上げ材3cは、床仕上げ材本体4の接合のしかたが平坦面同士を突合せる形態になっている点が第1実施形態と異なっている。そして、図10(イ)に示すように、前記突出部分12cが、前記仕上げ材本体4の周縁部から外方側に突出するような長さに構成されている。
【0058】
この構成においても、床仕上げ材3cを設置用床面A上に接着させる場合には、第1実施形態のときと同様にして、離型紙12の突出部分12cを前記両面テープ5における長さ方向の他端部から離れる方向へ引張り作用させることにより、離型紙12を両面テープ5から剥がして床仕上げ材3cを設置用床面A上に接着させることになる。
【0059】
(3)前記床仕上げ材として、前記あいじゃくり形態で隣接する他の床仕上げ材本体と接合する構成の仕上げ材3aや前記本実形態で隣接する他の床仕上げ材本体と接合する構成の床仕上げ材3bを用いて、1個づつ設置用床面に載置して接着させる施工方法を実施する場合には、前記離型紙12の突出部分12cを、隣接する床仕上げ材本体4との隙間を通して床仕上げ材本体4の表面側外方に突出させる状態にさせる必要はなく、前記離型紙12の突出部分12cを床仕上げ材本体4よりも外方側に突出させて設置用床面A上にそのまま載置させるようにしてもよい。
つまり、前記離型紙12の突出部分12cを前記挿通孔13や前記挿通孔22を通して上方側に突出させずに、装着部分12bからそのまま設置用床面A上に沿って延びる状態で設置用床面A上に載置させるようにしてもよい。
【0060】
(4)前記床仕上げ材の施工方法として、上記実施形態のような方法に代えて、次のような施工方法としてもよい。
つまり、前記複数の床仕上げ材3を、前記設置用床面A側の粘着材部分に前記離型紙12が装着されている前記両面テープ5を装着した状態で、且つ、床仕上げ材本体4における離型紙12の突出部分12cを、隣接する床仕上げ材本体4との隙間を通して床仕上げ材本体4の表面側外方に突出させる状態で、前記施工対象箇所の設置用床面Aに並べて位置決めする位置決め処理を行い、その位置決め処理にて位置決めした状態を維持しながら、離型紙12における突出部分12cを両面テープ5における長さ方向の他端部から離れる方向へ引張り作用させることにより離型紙12を両面テープ5から剥して、床仕上げ材本体4を設置用床面Aに接着させることを、複数の前記床仕上げ材3の夫々について順次行って、前記複数の床仕上げ材3を前記設置用床面Aに接着させる接着処理を行う施工方法である。
【0061】
説明を加えると、この実施形態においては、例えば部屋等の床の全域を設置用床面Aとしており、床の所定個数の床仕上げ材3を並べて設置すると、全体として互いの床仕上げ材3同士の間に隙間が生じないように敷き詰めることができる構成となっている(図11参照)。尚、床仕上げ材3として、あいじゃくり形態で隣接する他の床仕上げと接合する形式の床仕上げ材3aを用いる構成としている。
【0062】
先ず、所定個数の床仕上げ材3aの夫々について設置用床面A側の粘着材部分に離型紙12が装着されている両面テープ5を装着した状態で、例えば、図11に示すように設置用床面Aに並べて位置決めを行う。つまり、所定個数の床仕上げ材3aを床仕上げ材3a同士の間に隙間が生じないように設置用床面Aに敷き詰めるのである。そのとき、図12(イ)、(ロ)に示すように、前記離型紙12の突出部分12cを、隣接する床仕上げ材本体4との隙間を通して床仕上げ材本体4の表面側外方に突出させる状態にしておく。
【0063】
次に、上記実施形態の場合と同様にして、図12(ハ)に示すように、前記位置決め処理にて位置決めした状態を維持しながら、離型紙12における前記突出部分12cを両面テープ5における長さ方向の他端部から離れる方向へ引張り作用させることにより離型紙12を両面テープ5から剥して、床仕上げ材本体4を設置用床面Aに接着させることになる。しかも、このような処理を複数の床仕上げ材3aの夫々について順次繰り返し行って複数の床仕上げ材3aを前記設置用床面Aに接着させるのである。
【0064】
そして、この施工方法においては、上記(1)の別実施形態で説明した床仕上げ材3b、又は、上記(2)の別実施形態で説明した床仕上げ材3cを用いることもできる。
つまり、上記(1)の別実施形態で説明したように、床仕上げ材本体4の周縁部に、本実形態で隣接する他の床仕上げ材本体4と接合するための凸形の突起20と凹形の溝21とが形成される構成の床仕上げ材3bであれば、図13に示すように、前記凸形の突起20に形成した挿通孔22及び隣接する床仕上げ材本体4との隙間を通して、離型紙12の突出部分12cを床仕上げ材本体4の表面側外方に突出させる状態にしておき、上記実施形態と同様にしてこの離型紙12の突出部分12cを長さ方向の他端部から離れる方向へ引張り作用させることにより離型紙12を両面テープ5から剥すことになる。
【0065】
上記(2)の別実施形態で説明したように、床仕上げ材本体4の周縁部が、突合せ形態で隣接する他の床仕上げ材本体4と対向させるように平坦面状に形成する構成の床仕上げ材3cであれば、図14に示すように、隣接する床仕上げ材本体4同士の平坦な周縁部同士の隙間を通して、離型紙12の突出部分12cを床仕上げ材本体4の表面側外方に突出させる状態にしておく。つまり、既に載置されている床仕上げ材本体4の横に隣接する床仕上げ材本体4を載置するときに、載置されている床仕上げ材本体4における離型紙12の突出部分12cを手で持ち上げて、隣接する床仕上げ材本体4との間を通して上方に突出させるのである。そして、上記実施形態と同様にしてこの離型紙12の突出部分12cを長さ方向の他端部から離れる方向へ引張り作用させることにより離型紙12を両面テープ5から剥すことになる。
【0066】
(5)前記床仕上げ材の施工方法として、上述したような方法に代えて、次のような施工方法としてもよい。
つまり、床仕上げ材3を設置用床面Aの全域に敷き詰めるのではなく、設置用床面A側の粘着材部分に離型紙12が装着されている両面テープ5を装着した状態で、設置用床面Aの一端部から他端部までの1列又は複数列に相当する部分にだけ床仕上げ材3を敷き詰めて位置決めして、その後、各床仕上げ材3について離型紙12を引き剥がしていく方法としてもよい。
【0067】
(6)上記実施形態では、1つの床仕上げ材に床仕上げ材本体の長手方向に沿って延びる状態で短辺方向に並べて3本の両面テープを備える構成としたが、このような構成に代え、2本又は4本以上の両面テープを並べて備える構成としたり、あるいは、1本の両面テープを備える構成としてもよい。
【0068】
又、上記実施形態では、離型紙として、その装着部分が両面テープの長さと略同じ長さとなるように構成したが、その装着部分が両面テープの長さよりも短いものとしてもよい。例えば、上記(2)の別実施形態で説明した床仕上げ材3cを用いて、図15に示すように、1つの両面テープ5に対して2本の離型紙12Aを用いて、その各装着部分12aが両面テープ5の長さの半分になるようにして、各離型紙12Aの突出部分12cが両面テープ5の長さ方向の両端側で夫々外方に突出する構成にすると、設置用床面に載置した状態で離型紙12Aを引き剥がすことができる。尚、床仕上げ材としては、上記(2)の別実施形態で説明した床仕上げ材3cに限らず、あいじゃくり形態で隣接する他の床仕上げと接合する形式の床仕上げ材3aや上記(1)の別実施形態で説明した床仕上げ材3bを用いることができる。
【0069】
(7)上記実施形態では、床仕上げ材本体として、木質材にて構成されるフローリングを例示したが、フローリングに限らずコルク材等の他の各種の材質からなる床仕上げ材本体を用いてもよい。
【0070】
(8)上記実施形態では、前記設置用床面として床暖房パネルの上部面に床仕上げ材を接着させる構成を例示したが、このような構成に限らず、例えば、床下地材にそのまま床仕上げ材を接着させる構成としてもよく、又、床仕上げ材が単なる木質材やコルク材等から構成されるものに限らず、その内部に暖房用の熱媒が通流する熱媒通流管を備える構成として、床仕上げ材が床暖房パネルを兼用する構成のものを用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】床仕上げ材の設置状態を示す断面図
【図2】床仕上げ材の構成を示す図
【図3】床仕上げ材の接合状態を示す斜視図
【図4】離型紙を示す斜視図
【図5】施工状態を示す図
【図6】床仕上げ材の斜視図
【図7】離型紙の引き剥し状態を示す作用図
【図8】施工状態を示す図
【図9】別実施形態の床仕上げ材の構成を示す図
【図10】別実施形態の床仕上げ材の構成を示す図
【図11】別実施形態の施工方法を示す図
【図12】別実施形態の施工方法における離型紙の引き剥し状態を示す作用図
【図13】別実施形態の施工方法における床仕上げ材の断面図
【図14】別実施形態の施工方法における床仕上げ材の断面図
【図15】別実施形態の床仕上げ材の構成を示す図
【図16】従来の床仕上げ材の構成を示す図
【図17】従来の床仕上げ材が位置ずれした状態を示す図
【符号の説明】
4 床仕上げ材本体
5 両面テ−プ
6 雌実部
7 雄実部
12、12A 離型紙
12a 装着部分
12b 重複部分
12c 突出部分
13 挿通孔
20 凸形の突起
21 凹形の溝
22 挿通孔
A 設置用床面
Claims (7)
- 矩形板状又は略矩形板状の床仕上げ材本体の裏面に、前記床仕上げ材本体を設置用床面に接着させるための両面テープが、前記設置用床面側の粘着材部分に離型紙が装着される状態で設けられ、
前記離型紙は、前記両面テープの長さ方向の一端部にて下方側に折り返されて前記両面テープの長さ方向の他端部側に延出され、その下方側に折り返された状態において、前記設置用床面側の粘着材部分に装着される装着部分と、その装着部分に対して上下方向に重複する重複部分と、その重複部分から延出されて前記床仕上げ材本体の外方に突出する突出部分とを備えて構成されている床仕上げ材。 - 前記床仕上げ材本体の周縁部には、あいじゃくり形態で隣接する他の床仕上げ材本体と接合するための雌実部及び雄実部が形成されており、
前記離型紙が、前記突出部分が前記雄実部に対応位置する状態で前記床仕上げ材本体に配設され、
前記突出部分が、前記雄実部に形成の挿通孔を前記床仕上げ材本体の表面側に向けて挿通する形態で、且つ、前記床仕上げ材本体の表面より上方に突出することができる長さに構成されている請求項1記載の床仕上げ材。 - 前記床仕上げ材本体の周縁部には、本実形態で隣接する他の床仕上げ材本体と接合するための凸形の突起と凹形の溝とが形成されており、
前記離型紙が、前記突出部分が前記凸形の突起に対応位置する状態で前記床仕上げ材本体に配設され、
前記突出部分が、前記凸形の突起に形成の挿通孔を前記床仕上げ材本体の表面側に向けて挿通する形態で、且つ、前記床仕上げ材本体の表面より上方に突出することができる長さに構成されている請求項1記載の床仕上げ材。 - 前記床仕上げ材本体の周縁部が、突合せ形態で隣接する他の床仕上げ材本体と対向させるように平坦面状に形成され、
前記離型紙が、前記突出部分を前記仕上げ材本体の周縁部に沿って前記床仕上げ材本体の表面側に向けて折り曲げることができる形態で前記床仕上げ材本体に配設され、
前記突出部分が、前記仕上げ材本体の周縁部に沿って前記床仕上げ材本体の表面側に向けて折り曲げたときに、前記床仕上げ材本体の表面より上方に突出することができる長さに構成されている請求項1記載の床仕上げ材。 - 前記床仕上げ材本体が長方形状に設けられ、
前記両面テープとしての1本の両面テープ又は前記床仕上げ材本体の短辺方向に並ぶ複数の両面テープが、前記床仕上げ材本体の長手方向に沿って延びる状態で前記床仕上げ材本体の裏面に設けられている請求項1〜4のうちのいずれか1項に記載の床仕上げ材。 - 請求項1〜5のいずれか1項に記載の床仕上げ材の複数を施工対象箇所の設置用床面に並べて接着させる床仕上げ材の施工方法であって、
前記床仕上げ材本体の裏面に前記両面テープを装着した状態で設置対象箇所の設置用床面に載置して位置決めして、その位置決めした状態を維持しながら、前記離型紙における前記突出部分を前記両面テープにおける長さ方向の他端部から離れる方向へ引張り作用させることにより前記離型紙を前記両面テープから剥して、前記床仕上げ材本体を前記設置用床面に接着させる床仕上げ材の施工方法。 - 請求項1〜5のいずれか1項に記載の床仕上げ材の複数を施工対象箇所の設置用床面に並べて接着させる床仕上げ材の施工方法であって、
前記複数の床仕上げ材を、前記設置用床面側の粘着材部分に前記離型紙が装着されている前記両面テープを装着した状態で、且つ、前記床仕上げ材本体における前記離型紙の突出部分を、隣接する床仕上げ材本体との隙間を通して前記床仕上げ材本体の表面側外方に突出させる状態で、前記施工対象箇所の設置用床面に並べて位置決めする位置決め処理を行い、
その位置決め処理にて位置決めした状態を維持しながら、前記離型紙における前記突出部分を前記両面テープにおける長さ方向の他端部から離れる方向へ引張り作用させることにより前記離型紙を前記両面テープから剥して、前記床仕上げ材本体を前記設置用床面に接着させることを、複数の前記床仕上げ材の夫々について順次行って、前記複数の床仕上げ材を前記設置用床面に接着させる接着処理を行うようにした床仕上げ材の施工方法。
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WO2014167000A1 (en) * | 2013-04-12 | 2014-10-16 | Tarkett Gdl | Floor covering |
JP2015028256A (ja) * | 2013-07-30 | 2015-02-12 | 東リ株式会社 | 離型シート付き床材 |
JP2020111993A (ja) * | 2019-01-15 | 2020-07-27 | 株式会社川島織物セルコン | タイル材 |
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- 2003-04-28 JP JP2003123615A patent/JP2004324339A/ja active Pending
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