JP2022174523A - 貫通電極基板 - Google Patents

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Abstract

【課題】 貫通孔の側面から貫通電極基板にクラックが生じてしまうことや貫通電極と貫通孔の側面との間に隙間が生じることを抑制し得る貫通電極基板を提供する。【解決手段】 本開示の貫通電極基板は、第1面及び第2面を含むとともに貫通孔が設けられた基板と貫通孔に位置する貫通電極とを備え、貫通孔は、孔径が最小となる狭窄部を有しており、貫通電極は、狭窄部を含む位置に貫通孔を塞ぐように形成された導電充填部と、貫通孔の側面の上に形成され、導電充填部から第1面に向かって延びる第1面側薄肉部と、貫通孔の側面の上に形成され、導電充填部から第2面に向かって延びる第2面側薄肉部と、を有しており、狭窄部における貫通孔の孔径pが10μm以上50μm以下であり、導電充填部の第1面の側から第2面の側に向かう長さfが30μm以上100μm以下である。【選択図】 図1

Description

本発明は、貫通電極を備える貫通電極基板に関する。
貫通電極基板は、例えば特許文献1に開示されるように、第1面及び第2面を含む基板と、基板に設けられた複数の貫通孔と、基板の第1面の側から第2面の側に至るように貫通孔の内部に設けられた貫通電極と、を備えている。このような貫通電極基板は、従来から様々な用途で利用されており、例えば携帯電話等の電子機器に実装されたりする。
このような貫通電極基板の貫通電極は、一般に、導電性の材料(典型的には銅)が貫通孔の全体に充填される充填タイプ(フィルドビアとも呼ぶ)と、導電性の材料層が貫通孔の側面に設けられ中空状をなす非充填タイプ(コンフォーマルビアとも呼ぶ)と、に分類される。
貫通電極を形成する方法としては、例えば、貫通孔の側面にシード層を形成し、電解めっき法によりシード層の上にめっき層を形成する方法が知られている。
特開2018-163986号公報
貫通電極基板に実装されるLSIデバイスにおいては高集積化が著しく、この高集積化に伴って、貫通電極基板に設けられる貫通電極にも高密度化および微細化が求められている。そして、高密度化により複雑化する貫通電極基板には、高信頼性が求められている。
この高信頼性の試験として、ヒートサイクル試験がある。ヒートサイクル試験は、例えば、貫通電極基板を1時間かけて-55℃から125℃まで加熱し、125℃で1時間保ち、その後、1時間かけて125℃から-55℃まで冷却する試験である。このヒートサイクルを貫通電極基板に1000回施す試験もある。
しかしながら、上記のようなヒートサイクル試験の熱ストレスにより、貫通孔の側面から貫通電極基板にクラックが生じてしまうという問題や、貫通電極と貫通孔の側面との間に隙間が生じてしまうという問題があった。
本開示の実施形態は、上記のような課題を効果的に解決し得る貫通電極基板を提供することを目的とする。
本開示の一実施形態の貫通電極基板は、第1面及び前記第1面の反対側に位置する第2面を含むとともに貫通孔が設けられた基板と、前記基板の前記貫通孔に位置する貫通電極と、を備え、前記貫通孔は、孔径が最小となる狭窄部を有しており、前記貫通電極は、前記貫通孔の側面側から前記貫通孔の中心側に向かって順に、密着層と、シード層と、導電層と、を有しており、前記密着層が、チタン、窒化チタン、または酸化亜鉛のいずれか1種を含み、前記導電層が、銅を含み、さらに、前記貫通電極は、前記狭窄部を含む位置に前記貫通孔を塞ぐように形成された導電充填部と、前記貫通孔の側面の上に形成され、前記導電充填部から前記基板の前記第1面に向かって延びる第1面側薄肉部と、前記貫通孔の側面の上に形成され、前記導電充填部から前記基板の前記第2面に向かって延びる第2面側薄肉部と、前記基板の前記第2面の上に形成された第2面側接続部と、を有しており、前記狭窄部における貫通孔の孔径pが10μm以上50μm以下であり、前記貫通孔の平面視の中心位置における前記導電充填部の前記基板の前記第1面の側から前記第2面の側に向かう長さfが30μm以上100μm以下である。
本開示の一実施形態に係る貫通電極基板においては、前記基板の前記第2面の高さ位置における前記貫通電極の前記第2面側薄肉部の厚みtが、5μm以上15μm以下であってもよい。
本開示の一実施形態に係る貫通電極基板においては、前記基板の前記第1面から前記第2面の側に向かって距離dの位置に、前記貫通孔の前記狭窄部があり、前記距離dの大きさが、20μm以上であって、前記基板の厚みgの1/2以下であってもよい。
本開示の一実施形態に係る貫通電極基板においては、前記基板の厚みgが、200μm以上500μm以下であってもよい。
本開示の一実施形態に係る貫通電極基板においては、断面視で前記貫通孔を構成する一対の側面のうちの片側の側面における、前記狭窄部の縁部と前記基板の前記第2面の側の前記貫通孔の開口の縁部とを結ぶ線と、前記基板の前記第2面の法線とのなす角度θが、1.25°以上6.25°以下であってもよい。
本開示の一実施形態に係る貫通電極基板においては、前記貫通孔における前記貫通電極の前記導電充填部の前記基板の前記第2面の側から前記基板の前記第2面に向かって、埋設樹脂部が形成されていてもよい。
本開示の一実施形態に係る貫通電極基板においては、前記基板の前記第2面の法線方向において、前記埋設樹脂部の前記基板の前記第2面の側の面から前記基板の前記第2面までの長さfJが、0μm以上50μm以下であってもよい。
本開示の一実施形態に係る貫通電極基板においては、前記埋設樹脂部の周波数20GHzにおける誘電正接が、0.003以上0.02以下であってもよい。
本開示の一実施形態に係る貫通電極基板において、前記埋設樹脂部は、埋設樹脂フィラーを含有し、前記埋設樹脂フィラーは、熱重量変化が250℃で3重量%以内であり、熱膨張係数が1ppm/K以上5ppm/K以下であり、前記埋設樹脂フィラーが前記埋設樹脂部の30体積%以上80体積%以下で含有されていてもよい。
本開示の一実施形態に係る貫通電極基板においては、前記基板の前記第2面の側、および、前記貫通孔における前記埋設樹脂部の前記基板の前記第2面の側から前記基板の前記第2面の側に向かって、絶縁樹脂層を有していてもよい。
本開示の一実施形態に係る貫通電極基板においては、前記絶縁樹脂層の周波数20GHzにおける誘電正接が、0.001以上0.01以下であってもよい。
本開示の一実施形態に係る貫通電極基板において、前記絶縁樹脂層は、絶縁樹脂フィラーを含有し、前記絶縁樹脂フィラーは、熱重量変化が250℃で3重量%以内であり、熱膨張係数が1ppm/K以上5ppm/K以下であり、前記絶縁樹脂フィラーが前記絶縁樹脂層の0体積%より多く、40体積%以下で含有されていてもよい。
本開示の実施形態によれば、貫通孔の側面から貫通電極基板にクラックが生じてしまうことや貫通電極と貫通孔の側面との間に隙間が生じることを抑制し得る貫通電極基板を提供することができる。
一実施形態に係る貫通電極基板の要部を示す断面図 図1に示す貫通電極基板の貫通孔について示す断面図 図1に示す貫通電極基板の貫通電極について示す断面図 他の実施形態に係る貫通電極基板を示す断面図 他の実施形態に係る貫通電極基板を示す断面図 貫通電極基板の製造工程の一例を示す図 図6に続く貫通電極基板の製造工程の一例を示す図 図7に続く貫通電極基板の製造工程の一例を示す図 図8に続く貫通電極基板の製造工程の一例を示す図 図9に続く貫通電極基板の製造工程の一例を示す図 図10に続く貫通電極基板の製造工程の一例を示す図 図11に続く貫通電極基板の製造工程の一例を示す図 図12に続く貫通電極基板の製造工程の一例を示す図 図13に続く貫通電極基板の製造工程の一例を示す図
以下、本開示の実施形態に係る貫通電極基板及びその製造方法について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態は本開示の実施形態の一例であって、本開示はこれらの実施形態に限定して解釈されるものではない。また、本明細書において用いる、形状や幾何学的条件並びにそれらの程度を特定する、例えば、「平行」や「直交」等の用語や長さや角度の値等については、厳密な意味に縛られることなく、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈することとする。また、本実施形態で参照する図面において、同一部分または同様な機能を有する部分には同一の符号または類似の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する場合がある。また、図面の寸法比率は説明の都合上実際の比率とは異なる場合や、構成の一部が図面から省略される場合がある。
<貫通電極基板>
以下、本開示の実施形態について説明する。まず、図1から図3を用いて、本開示の一実施形態に係る貫通電極基板1の構成について説明する。ここで、図1は、貫通電極基板1の要部を示す断面図であり、図2は、貫通電極基板1に設けられた貫通孔13について示す断面図であり、図3は、貫通電極基板1に設けられた貫通電極20について示す断面図である。
図1に示すように、貫通電極基板1は、第1面11及び前記第1面11の反対側に位置する第2面12を含むとともに貫通孔13が設けられた基板10と、基板10の貫通孔13に位置する貫通電極20と、を備える。
ここで、図1においては、一例として、貫通電極基板1が有する1つの貫通電極(貫通電極20)の断面図を拡大して示しているが、通常、貫通電極基板1には複数の貫通電極が設けられている。
以下、貫通電極基板1の各構成要素について説明する。
(基板)
図1および図2に示すように、基板10は、第1面11、及び、第1面11の反対側に位置する第2面12を含む。また、基板10には、第1面11から第2面12に至る貫通孔13が設けられている。
基板10は、一定の絶縁性を有する無機材料を含んでいる。温度変化に対して基板10の膨張若しくは収縮を小さくできることから、基板10の熱膨張係数は小さいことが好ましい。例えば、基板10の熱膨張係数は、2ppm/K以上8ppm/K以下であることが好ましい。また、貫通電極基板の高周波における伝送ロスを小さく抑制するために、基板10の誘電正接は小さいことが好ましい。例えば、基板10の周波数20GHzにおける誘電正接は、0.0003以上0.005以下であることが好ましい。
例えば、基板10は、ガラス基板、石英基板である。基板10で用いるガラスの例としては、無アルカリガラスなどを挙げることができる。
無アルカリガラスとは、ナトリウムやカリウムなどのアルカリ成分を含まないガラスである。無アルカリガラスは、例えば、アルカリ成分の代わりにホウ酸を含む。また、無アルカリガラスは、例えば、酸化カルシウムや酸化バリウムなどのアルカリ土類金属酸化物を含む。無アルカリガラスの例としては、旭硝子製のEN-A1や、コーニング製のイーグルXGなどを挙げることができる。
基板10の厚みgは、200μm以上500μm以下であることが好ましい。貫通電極基板の製造工程では、研磨工程、典型的にはCMP(Chemical Mechanical Polishing、化学機械研磨)工程が含まれるが、基板10の厚みgが200μmよりも小さい場合、厚みが薄いため強度が不足し、研磨工程で破損してしまう場合がある。
また、貫通電極基板の製造工程では、貫通電極を電解めっきで肉厚に形成するためにシード層を形成する工程が含まれるが、基板10の厚みgが500μmよりも大きい場合、貫通孔の深さが開口に対して大きくなってしまい、シード層をスパッタリング法で形成すると、貫通孔の奥では必要な膜厚のシード層を形成できない場合があり、その後の電解めっきで形成される貫通電極も所望のものが得られない場合がある。
一方、基板10の厚みgが、200μm以上500μm以下である場合は、上記のような問題が生じることなく、貫通電極基板1を良好に得ることができる。
(貫通孔)
図2に示すように、基板10に形成された貫通孔13は、基板10の第1面11から第2面12の側に向かって距離dの位置に、貫通孔13の孔径が最小となる狭窄部14を有している。
換言すれば、断面視において、基板10に形成された貫通孔13の側面は、基板10の第1面11側から狭窄部14に向けて先細りとなるテーパ状の第1面側部分15と、基板10の第2面12側から狭窄部14に向けて先細りとなるテーパ状の第2面側部分16と、第1面側部分15と第2面側部分16とが結合される狭窄部14と、を有している。
平面視における貫通孔13の第1面11側及び第2面12側の開口の形態は、通常、円形状であることから、貫通孔13は、面積が小さい方の底面(上底)が同じである2つの円錐台を、それぞれの上底同士で結合した形態と表現することもできる。この場合、上記結合された上底の部分が、狭窄部14に相当する。
なお、上述したテーパ状とは、大局的に見た場合に「テーパ」であることを意味し、図2に示すような貫通孔13の断面視において、各部分の側面が直線的に延びる態様に限らず、曲線状に延びていたり、一部に曲線部分を含んでいたり、直線状部分と曲線状部分とを有していたりする場合でも、大局的に見て「テーパ」であれば、これらの形状はテーパ状の概念に含まれる。
図2に示す貫通孔13において狭窄部14の位置は、基板10の第1面11から前記第2面の側に向かって距離dの位置であり、この距離dの大きさは、20μm以上であって、基板10の厚みgの1/2以下であることが好ましい。
上記のように、貫通電極基板の製造工程では、研磨工程、典型的にはCMP(Chemical Mechanical Polishing、化学機械研磨)工程が含まれるが、距離dの大きさが20μmよりも小さい場合、貫通孔13の第1面11側の開口の縁部が、この研磨工程で欠けやすくなる。
また、貫通電極基板の製造工程では、基板10の第1面11の上側にレジストを塗布形成する工程や除去する工程が含まれる場合があるが、距離dの大きさが基板10の厚みgの1/2よりも大きい場合、図1に示す貫通電極基板1において、貫通電極20の第1面11側の中央部の凹部(図3に示す貫通電極20の第1面側薄肉部20aで囲まれる凹部)の深さが大きくなってしまい、レジスト塗布異常や、レジスト除去が不十分になって異物が生じてしまうという問題が生じやすくなる。
一方、距離dの大きさが20μm以上であって、基板10の厚みgの1/2以下である場合には、後述する実施例のように、上記のような問題が生じることなく、貫通電極基板1を良好に得ることができる。
また、図2に示す貫通孔13において狭窄部14における貫通孔13の孔径pは、10μm以上50μm以下であることが好ましい。
貫通孔13の形成はレーザ加工等によって行われるが、狭窄部14における貫通孔13の孔径pが10μmよりも小さい場合、狭窄部14が狭くなり過ぎてしまい、所望の形状の貫通孔13を形成することが困難になる。
また、後述するように、図1および図3に示す貫通電極基板1の貫通電極20は、狭窄部14を含む位置に貫通孔13を塞ぐように形成された導電充填部20bを有するものであり、上記のように、貫通電極基板の製造工程では貫通電極を電解めっきで肉厚に形成するが、狭窄部14における貫通孔13の孔径pが50μmよりも大きい場合、狭窄部14における孔径が大きくなり過ぎて、後述する第2面側薄肉部20cの厚みtとの関係から、狭窄部14を含む位置で貫通孔13を塞ぐように貫通電極を形成することが困難になる。
一方、狭窄部14における貫通孔13の孔径pが10μm以上50μm以下である場合には、上記のような問題が生じることなく、貫通電極基板1を良好に得ることができる。
なお、基板10の第1面11側の貫通孔13の開口の孔径は、狭窄部14の孔径pよりも大きく、また、基板10の第2面12側の貫通孔13の開口の孔径も、狭窄部14の孔径pよりも大きい。
また、図2に示す貫通孔13においては、断面視で、貫通孔13を構成する一対の側面のうちの片側の側面における狭窄部14の縁部(R1)と基板10の第2面12の側の貫通孔13の開口の縁部(R2)とを結ぶ線と、基板10の第2面12の法線Nとの、なす角度θが、1.25°以上6.25°以下であることが好ましい。
上記のように、貫通電極基板の製造工程では、貫通電極を電解めっきで肉厚に形成するためにシード層を形成する工程が含まれるが、上記の角度θが1.25°よりも小さい場合、貫通孔の側面の傾斜が垂直に近く、シード層をスパッタリング法で形成すると、貫通孔の奥では必要な膜厚のシード層を形成できない場合があり、その後の電解めっきで形成される貫通電極も所望のものが得られない場合がある。
また、後述するように、図1および図3に示す貫通電極基板1の貫通電極20は、狭窄部14を含む位置に貫通孔13を塞ぐように形成された導電充填部20bを有するものであり、上記のように、貫通電極基板の製造工程では貫通電極を電解めっきで肉厚に形成するが、上記の角度θが1.25°よりも小さい場合、貫通孔13の狭窄部14と第2面側部分16(より詳しくは、図2に示す狭窄部14の縁部(R1)と基板10の第2面12の側の貫通孔13の開口の縁部(R2)との間の側面で構成される部分)との孔径差も小さくなり、図1および図3に示す貫通電極20において導電充填部20bを所望の長さfに形成することが困難になる。
また、上記の角度θが6.25°よりも大きい場合、貫通孔13の第2面12側の開口が大きくなってしまい、高密度実装に適さなくなる場合がある。
一方、上記角度θが、1.25°以上6.25°以下である場合には、上記のような問題が生じることなく、貫通電極基板1を良好に得ることができる。
(貫通電極)
貫通電極20は導電性を有する部材であり、図1に示すように、貫通電極基板1において貫通孔13に位置する。
より詳しくは、図3に示すように、貫通電極20は、貫通孔13の狭窄部14を含む位置に貫通孔13を塞ぐように形成された導電充填部20bと、貫通孔13の側面の上に形成され、導電充填部20bから基板10の第1面11に向かって延びる第1面側薄肉部20aと、貫通孔13の側面の上に形成され、導電充填部20bから基板10の第2面12に向かって延びる第2面側薄肉部20cと、基板10の第2面12の上に形成された第2面側接続部20dと、を有している。
図1および図3に示すように、導電充填部20bは貫通孔13を塞ぐように形成されているが、第1面側薄肉部20aと第2面側薄肉部20cとは、貫通孔13の中心側に空間を残す形態で貫通孔13の側面を覆うように形成されている。
ここで、貫通電極が貫通孔の側面に設けられ、貫通孔の中央は中空状をなす非充填タイプ(コンフォーマルビア)の場合、貫通孔の孔径が小さくなると、それに伴って、貫通孔の側面に形成される貫通電極の厚みも小さくすることになる。特に貫通孔の狭窄部において、貫通電極の厚みを小さくする必要がある。このため、貫通電極の電気的な抵抗が大きくなってしまい、電気特性が低下してしまうという問題があった。また、厚みが過度に小さい場合、均一な厚みに形成することも困難になるという問題があった。
一方、貫通電極基板1の貫通電極20においては、上記のような構成を有するため、貫通孔13の孔径が小さくなっても、貫通孔13の狭窄部14を含む位置には導電充填部20bを有することで、貫通孔の側面に形成される貫通電極の厚み(例えば、第2面側薄肉部20cの厚み)を過度に小さくするといった必要は無く、電気特性が低下してしまうという問題を解消できる。また、上記厚みを過度に小さくするといった必要が無いため、均一な厚みに形成することも容易になる。
また、貫通電極が貫通孔の全体に充填される充填タイプ(フィルドビア)の場合は、ヒートサイクル試験の熱ストレスにより、貫通孔の内部全体に充填された貫通電極材料(典型的には銅(Cu))と基板との熱膨張係数の差で、基板にクラックが生じやすいという問題があった。また、貫通電極と貫通孔の側面との間に隙間が生じやすいという問題もあった。
一方、貫通電極基板1の貫通電極20においては、貫通孔の全体ではなく、貫通孔の一部に導電充填部20bを有するため、上記のようなクラックや隙間が生じてしまうことを、効果的に抑制できる。
図3に示す導電充填部20bの基板10の厚み方向(図中のZ方向)の大きさ、より詳しくは、図1に示すように、貫通孔13の平面視の中心位置(開口中心位置)における導電充填部20bの基板10の第1面11の側から第2面12の側に向かう長さfの大きさは、30μm以上100μm以下であることが好ましい。
上記の長さfの大きさが30μmよりも小さい場合、めっきによる蓋が困難になるおそれがある。より詳しくは、めっきを行う際に、貫通孔13の第1面11の側を塞ぐように(換言すれば、蓋をするように)して厚くめっきを行うが、上記の長さfの大きさが30μmよりも小さい場合、めっき厚分布があるため、塞がらない部分(換言すれば、蓋ができない部分)が生じてしまうおそれがある。
また、上記の長さfの大きさが100μmよりも大きい場合、ヒートサイクル試験の熱ストレスにより、導電充填部20bが位置する部分の貫通孔の側面から貫通電極基板にクラックが生じ易くなる。
一方、上記長さfの大きさが30μm以上100μm以下である場合には、上記のような問題が生じることなく、貫通電極基板1を良好に得ることができる。
また、図1においては、煩雑となることを避けるため図示を省略しているが、貫通電極20は、通常、複数の層から構成されている。例えば、図3に示す例において、貫通電極20は、貫通孔13の側面の側に密着層21を有し、密着層21の上にシード層22を有し、シード層22の上に導電層23を有している。換言すれば、貫通電極20は、貫通孔13の側面側から貫通孔13の中心側に向かって順に、密着層21と、シード層22と、導電層23と、を有している。
密着層21は、基板10とシード層22との間に設けられ、基板10とシード層22との密着性を高める効果を奏する。密着層21は、チタン(Ti)、窒化チタン(TiN)、または酸化亜鉛(ZnO)のいずれか1種を含み、スパッタイオン蒸着、PVD、若しくはゾルゲル法により形成される。密着層21の厚みは、例えば20nm以上200nm以下である。
シード層22は導電性を有する層であり、電解めっき処理によって導電層23を形成する電解めっき工程の際に、めっき液中の金属イオンを析出させて導電層23を成長させるための土台となる。シード層22の材料としては、銅(Cu)、チタン(Ti)、これらの組み合わせなどの導電性を有する材料を用いることができる。シード層22の材料は、導電層23の材料と同一であってもよく、異なっていてもよい。シード層22の厚みは、例えば50nm以上1000nm以下である。このシード層22を形成するには、例えば、スパッタリング法、蒸着法、またはスパッタリング法及び蒸着法の組み合わせの手法を用いることができる。
導電層23は、シード層22の上に電解めっきによって形成される、導電性を有する層である。導電層23を構成する材料としては、銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)、ロジウム(Rh)、錫(Sn)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)などの金属又はこれらを用いた合金など、あるいはこれらを積層したものを使用することができる。
貫通電極基板1における第2面側薄肉部20cの厚みt、より詳しくは、図1および図3に示すように、基板10の第2面12の高さ位置における貫通電極20の第2面側薄肉部20cの厚みtは、5μm以上15μm以下であることが好ましい。
なお、図3に示す貫通電極20において、上記の第2面側薄肉部20cの厚みtは、密着層21と、シード層22と、導電層23と、を合わせた厚みである。ただし、通常、密着層21の厚み、及びシード層22の厚みは、導電層23の厚みに比べて小さいため、この厚みtは、導電層23の厚みと近似であるとして扱ってもよい。
貫通電極20は素子の端子と電気的に接合されるものであるが、上記の厚みtが5μmよりも小さい場合、電気的な抵抗が大きくなってしまい、電気特性が低下してしまうという問題がある。
また、上記の厚みtが15μmよりも大きい場合、この厚みtの増大化に伴って導電充填部20bの基板10の長さfも大きくなってしまい、その結果、長さfの大きさが100μmを越えてしまい、上述のように、ヒートサイクル試験の熱ストレスにより、導電充填部20bが位置する部分の貫通孔の側面から貫通電極基板にクラックが生じ易くなる。
一方、上記の厚みtが5μm以上15μm以下である場合には、上記のような問題が生じることなく、貫通電極基板1を良好に得ることができる。
(他の実施形態)
以下、図4、図5を用いて、本開示の他の実施形態について説明する。
まず、図4を用いて、貫通電極基板2について説明する。ここで、図4は、貫通電極基板2の要部を示す断面図である。なお、上述の貫通電極基板1と同様の構成部分については、同一の符号を付して、以下の説明を行う。
図1に例示した貫通電極基板1においては、図3に示す貫通電極20の第2面側薄肉部20cの上側(貫通孔13の中心側)には、特に何も形成されておらず、空間を残す形態であったが、本開示の貫通電極基板は、これに限定されず、例えば、図4に例示する貫通電極基板2のように、埋設樹脂部30を有する形態であっても良い。
より詳しくは、図4に例示する貫通電極基板2は、図1に例示した貫通電極基板1が有する構成に加えて、図3に示した貫通電極20の第2面側薄肉部20cの上に、貫通電極20の導電充填部20bの基板10の第2面12の側から基板10の第2面12に向かって、埋設樹脂部30が形成されている形態を有している。
図4に示す貫通電極基板2においては、埋設樹脂部30を有するため、応力の緩和や、第2面12の側にレジスト製版等の手法を用いて配線形成する際に、貫通電極20の第2面側薄肉部20cの上側(貫通孔13の中心側)の空間に異物が残留してしまうことを抑制する効果を奏することができる。
ここで、基板10の第2面12の法線方向において、埋設樹脂部30の基板10の第2面12の側の面から基板10の第2面12までの長さfJが0μm以上50μm以下であることが好ましい。上記の長さfJが、50μmより大きい場合、後工程が困難になるからである。
埋設樹脂部30の形成方法としては、例えば、図1に示す貫通電極基板1に対して、埋設樹脂部30を構成する材料からなるフィルムを、基板10の第2面12の側に貼り付け、真空ラミネート等の手法により貫通孔に埋設樹脂部30を埋め込む方法を挙げることができる。基板10の第2面12の側に残る余分なフィルムの部分は、例えば、スキージを用いて掻き取って除去することができる。また、酸素ガスを用いたディスカム処理を施して除去することもできる。
(埋設樹脂部)
埋設樹脂部30は、有機材料を含み、絶縁性を有している。埋設樹脂部30は、感光性材料を含んでいても良い。
埋設樹脂部30の有機材料の例としては、ポリイミド、エポキシ、ベンゾシクロブテン樹脂、ポリアミド、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、液晶ポリマー、ポリアミドイミド、ポリベンゾオキサゾール、シアネート樹脂、アラミド、ポリオレフィン、ポリエステル、BTレジン、FR-4、FR-5、ポリアセタール、ポリブチレンテレフタレート、シンジオタクチック・ポリスチレン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルニトリル、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテルポリサルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリエーテルイミドなどを用いることができる。上記樹脂は、単体で用いられてもよく、2種類以上の樹脂が組み合わせて用いられてもよい。
埋設樹脂部30は、ガラス、タルク、マイカ、シリカ、アルミナ等のフィラー(埋設樹脂フィラーと呼ぶ)を含んでいても良い。ヒートサイクル試験を受けても埋設樹脂部30にクラックが生じることを抑制するために、埋設樹脂フィラーは、熱重量変化が250℃で3重量%以内であり、熱膨張係数が1ppm/K以上5ppm/K以下であることが好ましい。また、埋設樹脂フィラーは埋設樹脂部30の30体積%以上80体積%以下で含有されていることが好ましい。
また、図4に示す貫通電極基板2においては、埋設樹脂部30の周波数20GHzにおける誘電正接は、0.003以上0.02以下であることが好ましい。貫通孔13に設ける埋設樹脂部30の高周波における誘電正接を、所定の範囲の小さい値とすることで、貫通電極基板2の高周波における伝送ロスを小さくできるからである。
なお、埋設樹脂部30には、同時に貫通孔内の充填性(例えば、ボイドが無いこと)が要求され、粘弾性制御のために、フィラーなどの成分が追加される。このため、結果として、埋設樹脂部30の周波数20GHzにおける誘電正接は0.003以上となる。
次に、図5を用いて、貫通電極基板3について説明する。ここで、図5は、貫通電極基板3の要部を示す断面図である。なお、上述の貫通電極基板1および貫通電極基板2と同様の構成部分については、同一の符号を付して、以下の説明を行う。
図5に示す貫通電極基板3は、図4に示す貫通電極基板2の形態に加えて、絶縁樹脂層40を有するものである。より詳しくは、図5に示す貫通電極基板3は、図4に示す貫通電極基板2の形態に加えて、基板10の第2面12の側、および、貫通孔13における埋設樹脂部30の基板10の第2面12の側から基板10の第2面12の側に向かって、絶縁樹脂層40を有する。
図5に示す貫通電極基板3においては、埋設樹脂部30に加えて絶縁樹脂層40を有するため、応力の緩和や、第2面12の側にレジスト製版等の手法を用いて配線形成する際に、貫通電極20の第2面側薄肉部20cの上側(貫通孔13の中心側)の空間に異物が残留してしまうことを、さらに抑制することができる。
絶縁樹脂層40の形成方法としては、例えば、図4に示す貫通電極基板2に対して、絶縁樹脂層40を構成する材料からなるフィルムを、基板10の第2面12の側に貼り付けて、真空ラミネート等の手法により貫通孔に絶縁樹脂層40を埋め込む方法を挙げることができる。基板10の第2面12の側に残る余分なフィルムの部分は、例えば、スキージを用いて掻き取って除去することができる。また、酸素ガスを用いたディスカム処理を施して除去することもできる。
(絶縁樹脂層)
絶縁樹脂層40は、有機材料を含み、絶縁性を有している。絶縁樹脂層40は、感光性材料を含んでいても良い。
絶縁樹脂層40の有機材料の例としては、ポリイミド、エポキシ、ベンゾシクロブテン樹脂、ポリアミド、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、液晶ポリマー、ポリアミドイミド、ポリベンゾオキサゾール、シアネート樹脂、アラミド、ポリオレフィン、ポリエステル、BTレジン、FR-4、FR-5、ポリアセタール、ポリブチレンテレフタレート、シンジオタクチック・ポリスチレン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルニトリル、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテルポリサルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリエーテルイミドなどを用いることができる。上記樹脂は、単体で用いられてもよく、2種類以上の樹脂が組み合わせて用いられてもよい。
絶縁樹脂層40は、ガラス、タルク、マイカ、シリカ、アルミナ等のフィラー(絶縁樹脂フィラーと呼ぶ)を含んでいても良い。ヒートサイクル試験を受けても絶縁樹脂層40にクラックが生じることを抑制するために、絶縁樹脂フィラーは、熱重量変化が250℃で3重量%以内であり、熱膨張係数が1ppm/K以上5ppm/K以下であることが好ましい。また、絶縁樹脂フィラーは絶縁樹脂層40の0体積%より多く40体積%以下で含有されていることが好ましい。
また、図5に示す貫通電極基板3において、絶縁樹脂層40の周波数20GHzにおける誘電正接は、0.001以上0.01以下であることが好ましい。絶縁樹脂層40の高周波における誘電正接を、所定の範囲の小さい値とすることで、貫通電極基板3の高周波における伝送ロスを小さくできるからである。
<貫通電極基板の製造方法>
次に、本開示の貫通電極基板の製造方法の一例について、図6から図14を参照して説明する。
(貫通孔を有する基板の製造)
まず、第1面11及び第1面11の反対側に位置する第2面12を含む基板を準備し、第1面11および第2面12の各側からレーザを照射することにより、図6に示すように、所望の形状の貫通孔13が設けられた基板10を製造する。
例えば、第1面11の側からレーザを照射することにより、貫通孔13の基板10の第1面11から狭窄部14に至る部分(第1面側部分15に相当)を形成し、第2面12の側からレーザを照射することにより、貫通孔13の基板10の第2面12から狭窄部14に至る部分(第2面側部分16に相当)を形成することができる。
レーザ加工のためのレーザとしては、エキシマレーザ、Nd:YAGレーザ、フェムト秒レーザ等を用いることができる。Nd:YAGレーザを採用する場合、波長が1064nmの基本波、波長が532nmの第2高調波、波長が355nmの第3高調波等を用いることができる。
また、別の製造方法として、まず、基板の第1面11の上、および第2面12の上に、貫通孔13に対応する位置に開口を有するレジスト層を設け、次に、レジスト層の開口からエッチング加工することにより、貫通孔13を形成しても良い。
なお、上記の加工は、基板の第1面11側および第2面12側から同一工程で加工するものであっても良く、どちらか一方の側を先に加工し、その後、もう一方の側を加工するものであっても良い。
例えば、まず、基板の第1面11の上に貫通孔13に対応する位置に開口を有するレジスト層を設け、レジスト層の開口からエッチング加工して、第1面11側の貫通孔13の部分(第1面側部分15に相当)を形成し、次に、基板の第2面12に貫通孔13に対応する位置に開口を有するレジスト層を設け、レジスト層の開口からエッチング加工して、第2面12側の貫通孔13の部分(第2面側部分16に相当)を形成する加工であっても良い。
エッチング加工の方法としては、反応性イオンエッチング法、深掘り反応性イオンエッチング法などのドライエッチング法や、ウェットエッチング法などを用いることができる。
また、上記のレーザ照射とウェットエッチングを適宜組み合わせることもできる。例えば、まず、レーザ照射によって基板の貫通孔13が形成されるべき領域に変質層を形成し、続いて、基板をフッ化水素などに浸漬して、変質層をエッチングする。このような方法によって、貫通孔13を形成しても良い。
その他にも、基板に研磨材を吹き付けるブラスト処理によって、貫通孔13を形成しても良い。
(貫通電極の形成)
次に、貫通電極20を形成する。
貫通電極20を形成するには、まず、スパッタイオン蒸着、PVD、若しくはゾルゲル法、またはこれらの組み合わせによって、基板10の第1面11の上、第2面12の上、及び貫通孔13の側面の上に、密着層21を形成し、続いて、スパッタリング法、蒸着法、またはこれらの組み合わせによって、密着層21の上にシード層22を形成する。
ここで理解を容易とするために、図7~図14においては、上記の密着層21およびシード層22を、下地層24(黒色の厚膜)として示しているが、密着層21およびシード層22は、通常、導電層23に比べて厚みが小さいため、上述した図1、図3~図5においては、この下地層24の図示は省略している。
次に、図8に示すように、基板10の第1面11の上に形成された下地層24の上にレジスト層51を形成し、第2面12の上に形成された下地層24の上にレジスト層52を部分的に形成する。
続いて、図9に示すように、電解めっき法によって、レジスト層51、52によって覆われていない下地層24の上に導電層23を形成する。
次に、図10に示すように、レジスト層51、52を除去し、さらに、図11に示すように、下地層24のうちレジスト層51、52によって覆われていた部分を、例えばウェットエッチングにより除去する。
その後、図12に示すように、第1面11の側をCMP(Chemical Mechanical Polishing、化学機械研磨)による手法で研磨して、所望の形状の貫通電極20を形成する。
このようにして、図1に示す貫通電極基板1を得ることができる。なお、図1に示す貫通電極基板1においては、煩雑となることを避けるため、下地層24の図示を省略している。
ここで、上記の電解めっき法によって導電層23を形成する工程(図9)について詳しく説明すると、本実施形態では、レジスト層51、52を形成した基板10を、めっき液中に浸漬し、基板10の第1面11の側および第2面12の側にアノード電極を配置し、下地層24に給電して、レジスト層51、52によって覆われていない下地層24の上に導電層23を成長させる。
この際、導電層23は、まず、レジスト層51、52によって覆われていない下地層24の上で成長して厚みが増していき、やがて、狭窄部14の部分で、下地層24の上に成長していた導電層23が互いに接触して貫通孔を塞ぐように導電充填部20bが形成される。
その後は、所望の形状の貫通電極20となる時点で下地層24への給電を断てばよい。
(埋設樹脂部の形成)
図4に例示する貫通電極基板2を製造するには、図13に示すように、上記のようにして製造した貫通電極基板1の貫通電極20の第2面側薄肉部20cの上に埋設樹脂部30を形成すればよい。
例えば、まず基板10の第2面12の側の貫通孔13の開口に、埋設樹脂部30となる材料から構成されるフィルムであって、感光性材料を含むフィルムを真空ラミネート等の手法により貼り付ける。続いて、当該フィルムに露光処理及び現像処理を施す。これによって、上記フィルムから構成される埋設樹脂部30を形成することができる。
このようにして、図4に示す貫通電極基板2を得ることができる。なお、図4に示す貫通電極基板2においては、煩雑となることを避けるため、下地層24の図示を省略している。
(絶縁樹脂層の形成)
図5に例示する貫通電極基板3を製造するには、図14に示すように、上記のようにして製造した貫通電極基板2の基板10の第2面12の側、および、貫通孔13における埋設樹脂部30の基板10の第2面12の側から基板10の第2面12の側に向かって、絶縁樹脂層40を形成すればよい。
例えば、まず基板10の第2面12の側の貫通孔13の開口に、絶縁樹脂層40となる材料から構成されるフィルムであって、感光性材料を含むフィルムを真空ラミネート等の手法により貼り付ける。続いて、当該フィルムに露光処理及び現像処理を施す。これによって、上記フィルムから構成される絶縁樹脂層40を形成することができる。
このようにして、図5に示す貫通電極基板3を得ることができる。なお、図5に示す貫通電極基板3においては、煩雑となることを避けるため、下地層24の図示を省略している。
以下に、本開示の実施形態について実施例及び比較例を示して詳細に説明する。ただし、本開示の実施形態は、実施例に限定されない。
(実施例1~13)
直径200mmの無アルカリガラス基板(旭硝子製EN-Al)にレーザ加工とフッ化水素を用いたウェットエッチング加工を施して、表1に示す各種寸法の貫通孔を形成した。
また、貫通孔の側面等、所定の箇所に、ゾルゲル法により、50nm厚の酸化亜鉛(ZnO)を有する構成の密着層を形成し、次いで、無電解めっき法により、0.5μm厚の銅(Cu)を有する構成のシード層を形成した。
その後、電解めっきにより、銅(Cu)から構成される導電層を形成して、表1に示す各種寸法の貫通電極を形成した。このようにして、表1に示す各種寸法を有する実施例1~13の貫通電極基板を準備した。
(各寸法の測定)
イオンミリング装置(日立ハイテク社製、IM-4000)を用いて、各貫通電極基板に対して図1に示すような断面を得た。ここで、得られた断面は、測長光学顕微鏡(オリンパス社製、STM-6-LM)を用いて貫通孔の直径を測定し、断面を得る前の平面視における貫通孔の直径と比較して、貫通孔の開口中心から±5%以内を通過する断面であることを確認した。
図1に示す孔径p、長さf、厚みt、距離d、厚みgは、上記断面を測長光学顕微鏡(オリンパス社製、STM-6-LM)で測定して得た。
ここで、表1に示す孔径pは、断面において貫通孔13の左右の側面が最も近接する2点間の距離を測定した値である。また、表1に示す長さfは、貫通孔13の断面の開口中心を通る線と、導電充填部20bの上面(第1面11の側の面)および下面(第2面12の側の面)が交わる2点間の距離を測定した値である。また、表1に示す距離dは、得られた貫通孔13の断面の左側側面と右側側面における数値の平均値とした。
また、表1に示す角度θは、断面写真から、貫通孔13の断面の右側側面における狭窄部14の縁部(断面において貫通孔13の左右の側面が最も近接する部位)と基板10の第2面12の側の貫通孔13の開口の縁部とを結ぶ線(図2に示すR1とR2を結ぶ線)を引き、この線と基板10の第2面12の法線Nとでなす角度とした。
(比較例1~4)
実施例1と同様にして、表2に示す各種寸法を有する比較例1~4の貫通電極基板を準備した。
ここで、比較例1は、孔径pの値が実施例1~13の値よりも小さく、比較例2は、孔径pの値が実施例1~13の値よりも大きく、比較例3は、長さfの値が実施例1~13の値よりも小さく、比較例4は、長さfの値が実施例1~13の値よりも大きい。
(評価)
上記の実施例1~13および比較例1~4の各貫通電極基板を、真空中で1時間かけて-55℃から125℃まで加熱し、125℃で1時間保ち、その後、1時間かけて125℃から-55℃まで冷却した。これを1000サイクル繰り返し、その後、光学顕微鏡(オリンパス社製STM-6-LM)により各貫通電極基板の表裏を観察し、クラック及び隙間の発生を評価した。結果を表1、表2に示す。
Figure 2022174523000002
Figure 2022174523000003
表1に示すように、実施例1~13においては、いずれもクラックや隙間は見つからず、良好なものであった。
一方、表2に示すように、比較例1~4においては、いずれもクラックまたは隙間が見つかり不良であることが判明した。
(実施例14~33)
上記の実施例1~13の貫通電極基板に、表3に示す各種の埋設樹脂部及び絶縁樹脂層を形成し、図5に示す形態を有する実施例14~33の貫通電極基板を準備した。ここで、絶縁樹脂部の厚み(より詳しくは、図5において、基板10の第2面12から絶縁樹脂層40の最外面までの厚み)は、25μmとした。
(評価)
上記の実施例14~33の貫通電極基板を、真空中で1時間かけて-55℃から125℃まで加熱し、125℃で1時間保ち、その後、1時間かけて125℃から-55℃まで冷却した。これを1000サイクル繰り返し、その後、光学顕微鏡(オリンパス社製STM-6-LM)により各貫通電極基板の表裏を観察し、クラック及び隙間の発生を評価した。結果を表3に示す。
ここで、表3において、「fJ」とは、図4に示すように、基板10の第2面12の法線方向において、埋設樹脂部30の基板10の第2面12の側の面から基板10の第2面12までの長さfJ(単位:μm)のことである。
また、「tanδ」とは、埋設樹脂部および絶縁樹脂層の周波数20GHzにおける誘電正接のことである。
また「重量変化量」とは、埋設樹脂部においては、埋設樹脂部に含有されている埋設樹脂フィラーの250℃における重量変化量(単位:重量%)のことであり、絶縁樹脂層においては、絶縁樹脂層に含有されている絶縁樹脂フィラーの250℃における重量変化量(単位:重量%)のことである。
また「CTE」とは、埋設樹脂部においては、埋設樹脂部に含有されている埋設樹脂フィラーの熱膨張係数(単位:ppm/K)のことであり、絶縁樹脂層においては、絶縁樹脂層に含有されている絶縁樹脂フィラーの熱膨張係数(単位:ppm/K)のことである。
また、「体積率」とは、埋設樹脂部においては、埋設樹脂部に含有されている埋設樹脂フィラーの25℃における体積率(単位:%)のことであり、絶縁樹脂層においては、絶縁樹脂層に含有されている絶縁樹脂フィラーの25℃における体積率(単位:%)のことである。
Figure 2022174523000004
表3に示すように、実施例14~33においては、いずれもクラックや隙間は見つからず、良好なものであった。
1、2、3 貫通電極基板
10 基板
11 第1面
12 第2面
13 貫通孔
14 狭窄部
15 第1面側部分
16 第2面側部分
20 貫通電極
20a 第1面側薄肉部
20b 導電充填部
20c 第2面側薄肉部
20d 第2面側接続部
21 密着層
22 シード層
23 導電層
24 下地層
30 埋設樹脂部
40 絶縁樹脂層
51、52 レジスト層

Claims (12)

  1. 第1面及び前記第1面の反対側に位置する第2面を含むとともに貫通孔が設けられた基板と、
    前記基板の前記貫通孔に位置する貫通電極と、を備え、
    前記貫通孔は、孔径が最小となる狭窄部を有しており、
    前記貫通電極は、
    前記貫通孔の側面側から前記貫通孔の中心側に向かって順に、密着層と、シード層と、導電層と、を有しており、
    前記密着層が、チタン、窒化チタン、または酸化亜鉛のいずれか1種を含み、
    前記導電層が、銅を含み、
    さらに、前記貫通電極は、
    前記狭窄部を含む位置に前記貫通孔を塞ぐように形成された導電充填部と、
    前記貫通孔の側面の上に形成され、前記導電充填部から前記基板の前記第1面に向かって延びる第1面側薄肉部と、
    前記貫通孔の側面の上に形成され、前記導電充填部から前記基板の前記第2面に向かって延びる第2面側薄肉部と、
    前記基板の前記第2面の上に形成された第2面側接続部と、
    を有しており、
    前記狭窄部における貫通孔の孔径pが10μm以上50μm以下であり、
    前記貫通孔の平面視の中心位置における前記導電充填部の前記基板の前記第1面の側から前記第2面の側に向かう長さfが30μm以上100μm以下である、貫通電極基板。
  2. 前記基板の前記第2面の高さ位置における前記貫通電極の前記第2面側薄肉部の厚みtが、5μm以上15μm以下である、請求項1に記載の貫通電極基板。
  3. 前記基板の前記第1面から前記第2面の側に向かって距離dの位置に、前記貫通孔の前記狭窄部があり、
    前記距離dの大きさが、20μm以上であって、前記基板の厚みgの1/2以下である、請求項1または請求項2に記載の貫通電極基板。
  4. 前記基板の厚みgが、200μm以上500μm以下である、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の貫通電極基板。
  5. 断面視で前記貫通孔を構成する一対の側面のうちの片側の側面における、前記狭窄部の縁部と前記基板の前記第2面の側の前記貫通孔の開口の縁部とを結ぶ線と、前記基板の前記第2面の法線とのなす角度θが、1.25°以上6.25°以下である、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の貫通電極基板。
  6. 前記貫通孔における前記貫通電極の前記導電充填部の前記基板の前記第2面の側から前記基板の前記第2面に向かって、埋設樹脂部が形成されている、請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の貫通電極基板。
  7. 前記基板の前記第2面の法線方向において、前記埋設樹脂部の前記基板の前記第2面の側の面から前記基板の前記第2面までの長さfJが、0μm以上50μm以下である、請求項6に記載の貫通電極基板。
  8. 前記埋設樹脂部の周波数20GHzにおける誘電正接が、0.003以上0.02以下である、請求項6または請求項7に記載の貫通電極基板。
  9. 前記埋設樹脂部は、埋設樹脂フィラーを含有し、
    前記埋設樹脂フィラーは、
    熱重量変化が250℃で3重量%以内であり、
    熱膨張係数が1ppm/K以上5ppm/K以下であり、
    前記埋設樹脂フィラーが前記埋設樹脂部の30体積%以上80体積%以下で含有されている、請求項6乃至請求項8のいずれか一項に記載の貫通電極基板。
  10. 前記基板の前記第2面の側、および、前記貫通孔における前記埋設樹脂部の前記基板の前記第2面の側から前記基板の前記第2面の側に向かって、絶縁樹脂層を有する、請求項6乃至請求項9のいずれか一項に記載の貫通電極基板。
  11. 前記絶縁樹脂層の周波数20GHzにおける誘電正接が、0.001以上0.01以下である、請求項10に記載の貫通電極基板。
  12. 前記絶縁樹脂層は、絶縁樹脂フィラーを含有し、
    前記絶縁樹脂フィラーは、
    熱重量変化が250℃で3重量%以内であり、
    熱膨張係数が1ppm/K以上5ppm/K以下であり、
    前記絶縁樹脂フィラーが前記絶縁樹脂層の0体積%より多く、40体積%以下で含有されている、請求項10または請求項11に記載の貫通電極基板。
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