JP2022163357A - 塗布装置、塗布方法およびディスプレイ用部材の製造方法 - Google Patents

塗布装置、塗布方法およびディスプレイ用部材の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】塗布ヘッドを用いた基材非接触の塗布において、基材表面に接触することなくこれを基準面にして、塗布ヘッドと基材表面間の隙間Cを、塗布ヘッド長手方向にわたって高精度かつ容易に短時間で設定でき、さらに塗布製造途中でも隙間Cの値をミクロン単位で低コストで容易に調整可能とする塗布装置および塗布方法、並びにこの塗布方法用いたディスプレイ用部材の製造方法を提供する。【解決手段】基材上の対象領域と塗布ヘッドの先端部にある吐出口との間隔を一定に保つ間隔維持手段と、を備えて基材上の対象領域上に塗布を行う塗布装置であって、前記間隔維持手段は、前記対象領域の塗布ヘッド長手方向両側にある基材表面を基準とする基準部を塗布ヘッドに備えて回転可能に保持するとともに、前記基準部が基材表面に対面して、回転により前記基材上の対象領域と前記塗布ヘッドの先端部にある吐出口との隙間Cを調整できるものであることを特徴とする塗布装置。【選択図】図1

Description

本発明は、塗布装置、塗布方法およびディスプレイ用部材の製造方法に関する。
カラー液晶用ディスプレイや有機ELディスプレイなどでは、カラーフィルタ、TFT用アレイ基板、有機EL発光基板などを備えて構成されている。カラーフィルタ、TFT用アレイ基板、有機EL発光基板の製造には、液体材料を塗布して乾燥させ、塗布膜を形成する製造工程が多く含まれている。
たとえば、カラーフィルタの製造工程では、ガラス基板上に黒色のフォトレジスト材の塗布膜を形成し、フォトリソ法により塗布膜を格子状に加工した後に、格子間に赤色、青色、緑色のフォトレジスト材の塗布膜を順次形成していく。
このような塗布膜をガラス基板等の基材表面上に、定められた厚さで精密に、しかも非接触で形成する手段としては、ひとつはポンプ等により前計量された量の塗布液を塗布ヘッドであるスリットノズルから、基材表面上に吐出して所定厚さの液体塗布膜を形成するスリットコータ(例えば特許文献1)がある。
スリットコータでのスリット塗布は前計量方式なので、隙間が液体塗布膜の厚さに直接的に影響を及ぼすことはない。しかし、増産のために高速で塗布を行う場合には、隙間を小さくすることが求められる。特に厚さ10μm以下の薄い液体塗布膜を、100mm/s以上の高速で形成するには、隙間は大きくても数10μm以下であることが必要となる。そのような小さな隙間をスリットノズルと基材表面間で一定に精度よく維持し続けることが、実際の製造では求められる。
求められている塗布ヘッドと基材表面間の隙間を、基材表面を基準面として非接触で設定できる手段としては、エアーベアリング等から構成されるエアー浮上手段で、基材表面上を隙間だけ塗工ヘッド(ノズル)を浮上させるもの(例えば特許文献2)、エアー浮上手段は数μmしか浮上させないが、エアー浮上手段と塗布ヘッドの先端間に距離(オフセット量)を設けて、基材表面と塗布ヘッドの先端間で隙間を確保するもの(例えば特許文献3)等がある。いずれも、エアー浮上手段の浮上量を変化させれば、隙間も変化して調整できるが、浮上量が10μm以上に大きくなっていくと浮上量の変動量も大きくなり、ミクロン単位での調整は困難である。さらにエアー浮上手段は微小にしか浮上させないが、エアー浮上手段と塗布ヘッドの先端間距離をミクロン単位で調整するもの(例えば特許文献4)もあるが、複雑な機構や構成が必要で、運転中に隙間を変更して調整しようとするとコストもかかり、容易に適用できない。
以上のように、公知の技術では、基材表面に接触することなく、これを基準面にして、塗布ヘッドと基材表面間の隙間を高精度かつ容易に短時間で設定できるものはなく、さらに、塗布製造途中でも隙間の値をミクロン単位で低コストで容易に調整できるものはなかった。
特開平6-339656号公報 特開平10-192764号公報 特開2014-180603号公報 特開2019-171271号公報
本発明は、上述の事情に基づいてなされたもので、スリットノズルなどの塗布ヘッドを用いた基材非接触の塗布において、基材表面に接触することなくこれを基準面にして、塗布ヘッドと基材表面間の隙間Cを、塗布ヘッド長手方向にわたって高精度かつ容易に短時間で設定でき、さらに塗布製造途中でも隙間Cの値をミクロン単位で低コストで容易に調整可能とする塗布装置および塗布方法、並びにこの塗布方法を用いたディスプレイ用部材の製造方法を提供する。
上記本発明の目的は、以下に述べる手段によって達成される。つまり、
長手方向に延びる先端部を備える塗布ヘッドと、前記塗布ヘッドに塗布液を供給する塗布液供給手段と、前記塗布ヘッドの前記先端部と相対する基材を保持する基材保持手段と、前記塗布ヘッドを保持するとともに、前記基材の表面を基準として、前記基材上の対象領域と前記塗布ヘッドの先端部にある吐出口との間隔を一定に保つ間隔維持手段と、を備えて基材上の対象領域上に塗布を行う塗布装置であって、前記間隔維持手段は、前記対象領域の塗布ヘッド長手方向両側にある基材表面を基準とする基準部を塗布ヘッドに備えて回転可能に保持するとともに、前記基準部が基材表面に対面して、回転により前記基材上の対象領域と前記塗布ヘッドの先端部にある吐出口との隙間Cを調整できるものであることを特徴とする塗布装置である。ここで上記基材表面を基準とする基準部は、塗布ヘッド長手方向両端部に、基材表面に対面して備わる。
上記の塗布装置を用い、前記塗布ヘッドの前記先端部にある吐出口と前記基材上の対象領域との間隔である隙間Cを維持する工程と、前記間隔維持手段により前記隙間Cを所定値に調整する工程と、前記塗布液供給手段から前記塗布液を前記塗布ヘッドに供給して、前記塗布液を前記基材上の対象領域に塗布する工程を有する塗布方法である。
上記の塗布方法を用いてディスプレイ用部材を製造するディスプレイ用部材の製造方法である。
本発明の塗布装置は、気体噴出手段の気体噴出面が基材表面上を微小な隙間Cで変動量少なく安定して浮上しつつ、基材表面を基準面としてなぞるようにして非接触で移動する。さらに基材表面と塗布ヘッドの先端部にある吐出口との間隔が隙間Cとなるように、塗布ヘッド長手方向両側に設けられた基準部が回転できる。これによって、塗布ヘッドと基材表面との相対距離を変えることで回転角度が変えられるので、結果として基材表面を基準とする隙間Cを簡便な設備で製造中に容易に、かつ低コストでミクロン単位の高精度にて調整することが可能となる。
本発明の塗布方法では、隙間Cをミクロン単位の高精度で容易に短時間で所定の値に低コストで調整できる上記の塗布装置を用いて塗布するので、スリット塗布で、隙間Cを塗布製造途中で小さな値に調整して、高速でも常に安定して塗布することが可能となる。この結果、塗布品質と生産性を高めることができ、製造コストの低減化も図れる。
以上の優れた効果を有する塗布方法を用いたディプレイ用部材の製造方法でディスプレイ用部材を製造するので、高い品質のディスプレイ用部材を高い生産性、かつ低コストで製造することができる。
本発明の塗布装置1の概略正面図である。 本発明の塗布装置1の概略側面図である。 塗布ヘッド10と基板A間の隙間Cの変化を示す概略拡大正面図(平行と回転)である。
以下、本発明の好ましい一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の塗布装置1の概略正面図、図2は本発明の塗布装置1の概略側面図である。
まず図1を参照する。図1は、紙面に垂直なY方向に塗布ヘッド10の中央から少し離れて見たものを表しており、図2に示されるY1-Y1矢視図と一致する。したがってY方向に1対備えているものは、図2の左側に示されるものが図1に表されている。
図1と図2において塗布装置1は、枚葉基材である基板Aを吸着保持して自在にX方向に移動させる基材保持・駆動部2、移動する基板Aに塗布液を塗布する塗布ヘッド10、塗布ヘッド10に塗布液を供給する塗布液供給手段となる塗布液供給装置5、塗布ヘッド10の長手方向両側にあって、塗布ヘッド10の塗布先端面17にある吐出口16と基板A間の隙間Cを調整する1対の隙間調整部6A、6B、塗布ヘッド10と隙間調整部6A、6Bを保持するとともに、隙間調整部6A、6Bの基板Aへの負担荷重を調整する保持調整部4、保持調整部4を自在にZ方向に昇降させると共に、昇降量を調整する昇降調整部3、より構成されている。そして、塗布等を行うための動作は、図示されていないコンピュータからなる制御装置により制御される。
次に、塗布装置1を構成する各部分の詳細について、引き続いて図1、図2を参照しながら説明する。まず、基材保持・駆動部2は、幅LAの基板Aを吸着保持する吸着保持台20、吸着保持台20をリニア軸受23A、23Bを介してX方向(図1の矢印方向)に案内する1対のガイドレール22A、22B、吸着保持台20を駆動してX方向に直進で自在に往復動させるリニアモータ24、ガイドレール22A、22B、リニアモータ24を固定支持するベース台21より構成されている。以上より、塗布装置1では、基材保持手段は吸着保持台20であり、それは、枚葉部材である基材となる基板Aを吸着して保持する吸着盤である。
吸着保持台20に吸着保持されている基板Aに塗布液を塗布する塗布ヘッド10は、スリットノズルであり、長手方向(Y方向)に延びるフロントリップ11とバックアップリップ12がシム13を間に挟んでX方向に締結固定されている。塗布液供給装置5から供給ホース55Dを介して塗布ヘッド10に供給される塗布液は、塗布ヘッド10の内部のマニホールド14で幅方向(Y方向)に広がり、スリット15を経て、最下面となる先端面17上にある吐出口16から基板A上に均一に吐出される。以上より、塗布ヘッド10は長手方向に延びる先端部である先端面17を備える。さらに塗布のためには、塗布ヘッド10の先端部である先端面17と相対するように基材である基板Aを保持する基材保持手段である吸着保持台20が必要である。
塗布供給装置5は、塗布ヘッド10に塗布液を供給する塗布液供給手段であり、供給ホース55Dの上流側に、フィルター56、供給バルブ54D、シリンジポンプ50、吸引バルブ54U、吸引ホース55U、タンク57を備えている。タンク57には塗布液58が蓄えられており、圧空源59に連結されて任意の大きさの背圧を塗布液58に付加することができる。タンク57内の塗布液58は、吸引ホース55Uを通じてシリンジポンプ50に供給される。
シリンジポンプ50では、シリンジ51、ピストン52が本体53に取り付けられている。ここでピストン52は図示しない駆動源によって上下方向に自在に往復動できる。シリンジポンプ50は、一定の内径を有するシリンジ51内に塗布液58を充填し、それをピストン52により押し出して、塗布ヘッド10に基板Aを所定枚塗布する分の塗布液を供給する間欠駆動定容量型のポンプである。
シリンジ51内に塗布液58を充填するときは、吸引バルブ54Uを開、供給バルブ54Dを閉として、ピストン52を下方に移動させる。またシリンジ51内に充填された塗布液58を塗布ヘッド10に向かって供給するときは、吸引バルブ54Uを閉、供給バルブ54Dを開とし、ピストン52を上方に移動させる。
シリンジポンプ50から塗布液を供給される塗布ヘッド10は、吐出口16を下向きにして、間隙調整部6A、6Bと共に、保持調整部4のL型保持板40に保持されている。スペーサ41A、41Bは、塗布ヘッド10の上下方向寸法が異なる場合でも、L型保持板40の保持面42から塗布ヘッド10の先端面17までの長さを、保持面42から隙間調整部6A、6Bの先端噴出面61A、61Bまでの長さと同じにするための寸法調整具である。L型保持板40の保持面42は基準となる共通面となっている。L型保持板40は幅方向中央部のみL型構成になっており、そこで保持体43に接続している。保持体43の内部には、自動調心軸受44があり、これが昇降調整部3の保持軸38にY-Z面内で回転自在となるように接続されている。自動調心軸受44はY-Z面内で定められた角度範囲で揺動可能(振り子のような往復動運動が可能)となるので、隙間調整部6Aの先端噴出面61Aと隙間調整部6Bの先端噴出面61Bが必ず基板Aに対面して接することになる。なお、隙間調整部6A、6Bには図示されていない圧空供給可能な配管が接続されていて、先端噴出面61A、61Bに設けられた空気孔から基板Aに対して空気を噴出するので、基板Aから浮上することができる。さらに先端噴出面61A、61BのY方向から見た形状は、図1に示すように、半径の大きなR形状が好ましい。これは、後に記載するように、先端噴出面61A、61Bが基板A上を、スムーズに回転できるようにするためである。
保持軸38は、Y方向両端で軸保持体32A、32Bに固定保持されており、これに接続している昇降ブロック36A、36Bが、ガイド35A、35BでZ方向に案内されて、駆動モータ33A、33Bで駆動されるボールねじ34A、34Bによって所定量自在に昇降することができる。この結果、塗布ヘッド10も所定量自在にZ方向に昇降することとなる。ガイド35A、35Bとボールねじ34A、34Bの一端は保持ブラケット37A、37Bに保持されており、ブロック31A、31Bを介して、ベース台21に固定されている。
保持調整部4には、保持体43のL型ブラケット40の逆側に、ねじ軸46が接続されていて、これに荷重調整ブロック45がねじ込まれている。荷重調整ブロック45を回してX方向の位置を調整することにより、揺動部6Aの先端噴出面61Aと揺動部6Bの先端噴出面61Bが基板Aに対面して接する時の荷重を、任意の値になるように、調整することができる。
次に、塗布ヘッド10の先端面17上にある吐出口16と基板A間の隙間Cの設定方法について、図3を用いて説明する。図3は、塗布ヘッド10の吐出口16と基板A間の隙間Cの変化を示す概略拡大正面図である。まず図3(A)を見ると、塗布ヘッド10の先端面17と基板Aの上面が平行となっており、吐出口16と先端噴出面61A、61Bの最下部は同じ先端面17上にある。したがって先端噴出面61A、61Bから空気が噴出している時は、隙間Cは先端噴出面61A、61Bの気体浮上量C0となり、非常に小さな値となる。これを初期状態として、昇降調整部3によって保持軸38を上昇させると、図3(B)に示すように先端噴出面61A、61Bが基板A上を半時計方向に回転して塗布ヘッド10が傾き、吐出口16の最下部と基板A間の隙間Cが大きくなる。したがって、保持軸38の上昇量を調整すれば、任意の隙間Cを設定することができる。この隙間Cは、基板A上を基準としているので、基板Aの厚さが変化しても、隙間Cの大きさは変わることはない。
なおここで隙間Cは基材表面である基板Aの上面を基準としたものであり、基板Aの上面を基準として使用する基準部を微視的に見ると、隙間調整部6A、6Bの基板Aに対面して最接近する先端噴出面61A、61Bの一部となる。この基板Aの上面を基準とした基準部は、先端噴出面61A、61Bから空気を噴出しなければ、基板Aの上面に接する部分である。また図3(A)と図3(B)の比較からわかる通り、隙間調整部6A、6Bの回転角度で微視的な基準部は異なるので、回転によって基板Aの上面を基準とした所望の隙間Cに調整することが可能となる。
次に、図1と図2に示す塗布装置1を用いた塗布方法について、工程ごとにSTEP1~STEP5に分けて説明する。STEP1~STEP5に示される工程を実行することにより、隙間調整部6A、6Bの気体噴出手段である先端噴出面61A、61Bからの気体噴出速度を略一定にし、基材上の対象領域を塗布を行う基板Aの上面とすることで、塗布ヘッド10の先端部となる先端面17上にある吐出口16と基材上の対象領域である基板Aの上面との間隔である隙間Cを維持する工程と、間隔維持手段となる隙間調整部6A、6B及び保持調整部4及び昇降調整部3により隙間Cを所定値に調整する工程と、塗布液供給手段となる塗布液供給装置5から塗布液を塗布ヘッド10に供給して、塗布液を基材上の対象領域である基板Aの上面に塗布する工程を有する本発明の塗布方法を示すことになる。なお基材上の対象領域には、他に塗布されている各種塗布膜が挙げられる。
(STEP1)
塗布前の準備工程1である。塗布ヘッド10を塗布装置1に取付け、隙間調整部6A、6Bが安定して基板A上を微小量気体浮上するようにする。そのためにまず、秤量計を塗布ヘッド10の先端面17の直下に置き、先端面17が秤量計にのるようにして、荷重を測定する。そしてその値が、隙間調整部6A、6Bの先端噴出面61A、61Bから定められた噴出速度で気体を噴出した時に、塗布ヘッド10が定められた微小量C0だけ気体浮上する基準負荷荷重W0となるように、保持調整部4の荷重調整ブロック45のX方向の位置を調整する。測定終了後に秤量計を取り除き、基準圧力Pの気体である圧縮空気を隙間調整部6A、6Bに供給する。これによって基準負荷荷重W0の時に、塗布ヘッド10が定められた初期気体浮上量C0だけ気体浮上するように、先端噴出面61A、61Bから一定の気体噴出速度で圧縮空気が噴出する。以上によって、初期状態設定が完了する。
(STEP2)
塗布前の準備工程2で、隙間Cを調整する工程である。まず図1の左端の始点位置に吸着保持台20を移動させる。ここで調整用の基板Aを吸着保持台20に吸着保持してから、塗布ヘッド10の吐出口16の直下がX方向の基板中央となるように、吸着保持台20を移動させる。吐出口16~基板A間の隙間Cが測定できるようにカメラをY方向に向けて撮影する。そして昇降調整部3を稼働させて塗布ヘッド10を下降し、吐出口16の最下部と基板A間の隙間Cが所定の隙間量CWになる時のZ方向座標ZWを記録する。なお後に隙間量をCWからわずかに変化させることもあることを想定して、隙間量CW前後の隙間Cに対するZ方向座標を記録しておいてもよい。調整が完了すれば、昇降調整部3を作動させて塗布ヘッド10を上昇させて初期位置に復帰させ、基板Aから引き離す。その後、吸着保持台20を図1の左端の始点位置に移動させ、隙間Cの調整に使用した基板Aを取り外す。
(STEP3)
塗布前の準備工程3で、塗布液供給装置5を使用した塗布液の前準備工程である。まず、シリンジポンプ50を使用して、タンク57の塗布液58を塗布ヘッド10に送り込み、タンク57から塗布ヘッド10の吐出口16まで、塗布液58を充満させる。塗布液58を充満させる過程で、タンク57から塗布ヘッド10までの経路内の残留エアーを排出する作業も行う。そして塗布液供給装置5は、シリンジ51に塗布液58が充填、吸引バルブ54Uは閉、供給バルブ54Dは開、そしてピストン52は最下端の位置にし、いつでも塗布液58を塗布ヘッド10に供給できるようにしておく。
(STEP4)
塗布工程である。まず図1の左端の始点位置に吸着保持台20を移動させ、本塗布用の基板Aを吸着保持台20に吸着保持させる。つづいて基板Aの塗布開始位置が塗布ヘッド10の吐出口16の直下に来るまで基板Aを移動させ、そこで停止させる。つづいて昇降調整部3を作動させて、Z方向座標値がZWとなるように、塗布ヘッド10を下降させて、塗布ヘッド10の吐出口16と基板A間の隙間量CWを実現させる。
つづいてシリンジポンプ50を駆動し、所定吐出速度で塗布ヘッド10から塗布液を吐出して先端面17と基板A間に液溜りであるビードを形成するとともに、シリンジポンプ5の駆動開始から一定時間T1秒後に吸着保持台20を、定めた塗布速度でX方向(図1の矢印方向)に移動開始して、塗布液の基板Aへの塗布を行い、液体塗布膜Dを形成する。
基板Aの塗布終了位置が塗布ヘッド10の吐出口16の位置にきたら、シリンジポンプ50を停止させて塗布液の供給を停止するとともに、昇降調整部3を作動させて塗布ヘッド10を上昇させる。これによって基板Aと塗布ヘッド10の先端面17の間に形成されたビードが断ち切られ、塗布が終了する。
塗布終了後も吸着保持台20は塗布速度にて移動を続け、図1の右端の終点位置にきたら停止する。
なお塗布結果を見て、隙間Cを変化させて塗布した方がよいと判断した場合は、次回の塗布のときに塗布ヘッド10を下降させるZ方向座標値を変化させればよい。STEP2などで、隙間CとZ方向座標値との関係を予め見ているなら、それに基づいてZ方向座標値を指定してもよい。
(STEP5)
塗布終了後の処理と次の塗布の準備を行う工程である。
吸着保持台20の吸着を解除して、塗布された基板Aを取り出し、乾燥等の次工程に搬送する。基板Aを取り出したら、吸着保持台20を図1の左端の始点位置に移動させる。本STEPが開始してから、その他の動作と平行して、塗布液供給装置5の供給バルブ54Dを閉、吸引バルブ54Uを開にしてから、シリンジポンプ50のピストン52を下向きに移動させて、タンク57の塗布液58をシリンジ51に次の塗布のために充填する。充填完了後、ピストン52を停止させ、吸引バルブ54Uを閉、供給バルブ54Dを開にして、待機する。
以降は塗布する基板枚数だけ、STEP4とSTEP5を繰り返す。
なお、上記の塗布装置1では、塗布ヘッド10をX方向に固定にし、基板Aを吸着保持台20に吸着してX方向に移動させて塗布を行ったが、吸着保持台20を固定化し、塗布ヘッド10とそれに連なるものをX方向に移動させて、塗布を行ってもよい。
以下実施例により本発明を具体的に説明する。
370mm×470mmで厚さ0.7mmの無アルカリガラス基板を基板Aとして使用し、洗浄液を使用したウェット洗浄によって基板上のごみであるパーティクルを洗浄液で除去後、塗布装置1で上記のSTEP1からSTEP5に示した工程に基いた塗布方法により、基板A中の310mm(Y方向)×410mm(X方向)の面領域に、ブラックマトリックス材の厚さ10μmの液体塗布膜を形成した。
使用した塗布ヘッド10は、スリット15のY方向長さが310mm、スリット15の間隙(X方向長さ)は0.1mmで、310mm幅の液体塗布膜を形成できるものであった。間隙調整部6A、6Bの先端噴出面61A、61Bについては、セラミック多孔質構成のものを使用し、Y方向に見てR=500mmの形状であった。
先端噴出面61A、61Bは、X方向に20mm、Y方向に5mmの矩形範囲内にあり、基板AのY方向両端から10mmの範囲に位置させて、基板A上で気体浮上するようにした。気体浮上量C0は1μmに設定し、そのために隙間調整部6A、6Bへ供給する圧縮空気の基準圧力Pは0.5MPaに調整するとともに、先端噴出面61A、61が基板A上に着地する時の基準負荷荷重W0が0.2kgとなるように、保持調整部4の荷重調整ブロック45のX方向位置さを調整した。
隙間Cが30μmとなるように、吐出口16の最下部から基板Aまでの距離をカメラで確認して、塗布ヘッド10をZ方向に下降して、基準Z軸座標値ZWを求めた。
吸着保持台20は400mm(Y方向)×500mm(X方向)×100mm(Z方向)の石製のものを使用し、上面の400mm(Y方向)×500mm(X方向)の全面を吸着面とした。上面は平面度が2μm以下になるように仕上げられていた。
基板Aの表面上にブラックマトリックス材の厚さ10μmの液体塗布膜を形成するための塗布条件としては、塗布速度は100mm/s、シリンジポンプ50による塗布ヘッド10からの吐出速度(流量)は310μl/s、であった。
なお塗布したブラックマトリックス材には、遮光材にカーボンブラック、バインダーにアクリル樹脂、溶剤にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)を使用し、さらに感光剤を添加して、固形分濃度20%、粘度10mPasに調整したペーストを用いた。
ブラックマトリックス塗布工程で塗布された基板Aは、次に乾燥工程に搬送し、30秒で65Paに到達する真空乾燥を60秒行ってから、100℃のホットプレートで10分間さらに乾燥した。ついで露光・現像・剥離を行った後、260℃のホットプレートで30分加熱して、キュアを行い、基板Aの幅方向(Y方向)にピッチが254μm、基板Aの塗布方向(X方向)にピッチが85μm、線幅が20μm、RGB画素数が4800(基板塗布方向)×1200(基板幅方向)、対角の長さが20インチ(基板Aの塗布幅方向(Y方向)に305mm、基板Aの塗布方向(X方向)に408mm)となる格子形状で、厚さが1μmとなるブラックマトリックス膜の格子を作成した。
この後、ブラックマトリックス膜の格子を作成した基板Aを、次のRGB工程に供給し、カラーフィルタを作成した。
本発明は、カラー液晶ディスプレイ用カラーフィルタ、有機EL等の基板上や、フィルム等のフレキシブルな基材の面上に、面状の液体塗布膜を形成する各種ディスプレイ用部材の製造に利用可能である。
1 塗布装置
2 基材保持・駆動部
3 昇降調整部
4 保持調整部
5 塗布液供給装置
6A、6B 隙間調整部
10 塗布ヘッド
11 フロントリップ
12 バックアップリップ
13 シム
14 マニホールド
15 スリット
16 吐出口
17 先端面
20 吸着保持台
21 ベース台
22A、22B ガイドレール
23A、23B リニア軸受
24 リニアモータ
31A、31B ブロック
32A、32B 軸保持体
33A、33B 駆動モータ
34A、34B ボールねじ
35A、35B ガイド
36A、36B 昇降ブロック
37A、37B 保持ブラケット
38 保持軸
40 L型保持板
41A、41B スペーサ
42 保持面
43 保持体
44 自動調心軸受
45 荷重調整ブロック
46 ねじ軸
50 シリンジポンプ
51 シリンジ
52 ピストン
53 本体
54U 吸引バルブ
54D 供給バルブ
55U 吸引ホース
55D 供給ホース
56 フィルター
57 タンク
58 塗布液
59 圧空源
61A、61B 先端噴出面
A 基板(枚葉基材)
C 隙間
C0 気体浮上量
P 基準圧力
t 塗布厚さ
LA 幅(基板Aの)
W0 基準負荷荷重

Claims (4)

  1. 長手方向に延びる先端部を備える塗布ヘッドと、前記塗布ヘッドに塗布液を供給する塗布液供給手段と、前記塗布ヘッドの前記先端部と相対する基材を保持する基材保持手段と、前記塗布ヘッドを保持するとともに、前記基材の表面を基準として、前記基材上の対象領域と前記塗布ヘッドの先端部にある吐出口との間隔を一定に保つ間隔維持手段と、を備えて基材上の対象領域上に塗布を行う塗布装置であって、
    前記間隔維持手段は、前記対象領域の塗布ヘッド長手方向両側にある基材表面を基準とする基準部を塗布ヘッドに備えて回転可能に保持するとともに、前記基準部が基材表面に対面して、回転により前記基材上の対象領域と前記塗布ヘッドの先端部にある吐出口との隙間を調整できるものであることを特徴とする塗布装置。
  2. 前記基準部に基材表面に向けて気体を噴出する気体噴出面を設け、前記基準部が基材表面より浮上して回転を可能とする請求項1に記載の塗布装置。
  3. 請求項1または2のいずれかに記載の塗布装置を用い、前記塗布ヘッドの前記先端部にある吐出口と前記基材上の対象領域との間隔である隙間Cを維持する工程と、前記間隔維持手段により前記隙間Cを所定値に調整する工程と、前記塗布液供給手段から前記塗布液を前記塗布ヘッドに供給して、前記塗布液を前記基材上の対象領域に塗布する工程を有する塗布方法。
  4. 請求項3に記載の塗布方法を用いてディスプレイ用部材を製造するディスプレイ用部材の製造方法。
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