JP2003159556A - 塗布方法および塗布装置並びにカラーフィルターの製造方法およびその製造装置 - Google Patents

塗布方法および塗布装置並びにカラーフィルターの製造方法およびその製造装置

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JP2003159556A
JP2003159556A JP2001360580A JP2001360580A JP2003159556A JP 2003159556 A JP2003159556 A JP 2003159556A JP 2001360580 A JP2001360580 A JP 2001360580A JP 2001360580 A JP2001360580 A JP 2001360580A JP 2003159556 A JP2003159556 A JP 2003159556A
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suction
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coated
coating liquid
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Yoshiyuki Kitamura
義之 北村
Nobuyuki Kuroki
信幸 黒木
Kiyoshi Minoura
潔 箕浦
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ダイコータで、塗布前に基板を吸着盤に密着さ
せるまでの吸着時間と、吸着した基板を塗布後に吸着盤
から剥離するまでの剥離時間を短くすることで、タクト
タイムを短縮し、ダイコータでの生産性を向上させてコ
スト低減化を可能とするとともに、基板の吸着盤への密
着不十分により発生する塗布欠点のない高品質の塗布を
可能とする。 【解決手段】塗布器に塗布液を供給し、塗布器の吐出口
から塗布液を吸着盤に吸着保持された被塗布部材に吐出
しながら、前記塗布器および被塗布部材の少なくとも一
方を相対的に移動させて、前記被塗布部材上に塗膜を形
成する塗布方法において、前記吸着盤の被塗布部材載置
面に、頂上面が前記被塗布部材との接触面となる突起を
設けて塗布することを特徴とする塗布方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えばカラー液
晶ディスプレイ用カラーフィルター、プラズマディスプ
レイ、光学フィルタ、プリント基板、集積回路、半導体
等の製造分野に使用されるものであり、特にカラーフィ
ルターのガラス基板などの被塗布部材に対して、その表
面に塗布液を吐出しながら塗膜を形成する塗布方法およ
び塗布装置並びにこれら方法および装置を使用したカラ
ーフィルターの製造方法および製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】カラー液晶ディスプレイ用のカラーフィ
ルターは、ガラス基板上に3原色の細かな格子模様を有
しており、このような格子模様はガラス基板上に黒色の
塗膜を格子状に形成した後に、格子間に赤、青、緑の塗
膜をフォトリソ法にて順次形成して得られる。
【0003】それゆえ、カラーフィルターの製造には、
ガラス基板上に黒、赤、青、緑の塗布液を順次塗布し
て、その塗膜を形成していく形成工程が必要不可欠とな
る。この塗膜形成のための塗布装置としては、従来スピ
ナー、バーコータあるいはロールコータなどが使用され
ていたが、塗布液の消費を削減し、塗膜の物性向上を図
るために、近年に至ってはダイコータが使用されるよう
になってきている。
【0004】この種のダイコータはその一例がたとえば
特開平6−339829号公報に開示されている。この
公知のダイコータは往復動可能な吸着盤と、細長い矩形
状の吐出口を下向きに配した塗布ヘッドとを備えてい
る。被塗布部材である基板を載置する面である吸着盤の
上面には吸引孔が設けられていて、ここから吸引するこ
とにより、吸着盤上面を吸着面として、基板を吸着保持
可能としている。そして、吸着盤上にガラス基板が吸着
保持された後、吸着盤とともにガラス基板が塗布ヘッド
の直下を移動するに伴い、塗布ヘッドの吐出口から塗布
液を吐出させて、ガラス基板上に塗膜を連続して形成す
ることができる。この時、基板の表面高さ変動が小さい
方が高い精度の塗布ができるので、特開平12−126
668号公報に示されるように、基板は吸着面の表面の
うねりが小さく、しかも吸引孔が適正なピッチで配置さ
れた吸着盤に、均等に吸着密着していることが必要とな
る。塗膜の形成が完了した基板は、終点位置で停止後、
吸着が解除されて吸着盤上面から剥離され、次の工程に
移送される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述したダイコータを
カラーフィルター等、ガラス基板に塗布を行う実際の生
産工程に適用するにあたっては、一枚の基板に塗布する
タクトタイムを短くして生産性を上げ、コストを低減す
ることが強く望まれている。
【0006】タクトタイムを短くするには、塗布速度を
向上させるのが最も効果的であるが、塗布液の物性や塗
布厚さ等の塗布条件から自ずと限界が定まるので、これ
以外の部分での時間短縮を図ることが必要となる。作業
分析を行ってみると、思いの外に時間を要しているの
が、吸着盤に対して塗布前に基板を吸着する工程と、吸
着した基板を塗布後に剥離する工程である。
【0007】基板の吸着については、吸着面の吸引孔の
ある部分は短い時間で基板と密着する。しかし吸引孔の
ない部分では、吸引孔が基板でふさがれることと、基板
と吸着面のすきまが小さいために吸引排気のコンダクタ
ンスが小さくなることで、吸引排気速度が非常に小さく
なり、基板が完全に吸着面に密着するまでにはかなりの
時間がかかることになる。ここで排気能力の大きな真空
ポンプを用いたり、途中の配管のコンダクタンスを大き
くしたりして、吸引孔まで吸引の排気速度を大きくして
も、吸引孔以降基板までの小コンダクタンスが制約とな
って、基板を吸着面に密着させるまでの時間短縮には結
びつかない。したがって吸引孔のない部分では、基板の
吸着面への密着は徐々に行われることになり、この間基
板の上面はμm単位で徐々に下降する。このような不安
定な状態で塗布を行うと、塗布液によっては吸引孔ピッ
チの膜厚変動によって塗布むらが発生し、品質低下を招
く。
【0008】また塗布した基板の吸着を解除して、テー
ブル上面から剥離することについては、特開平9−19
2567号公報等に示されているように、基板吸着のた
めに負圧となっている部分に圧縮空気を導入して大気圧
以上の圧力にすることで、吸着が解除されるとともに、
吸引孔から基板に正圧が付加されて、吸着力の他に静電
気によってもテーブル面に付着していた基板が剥離す
る。基板が吸引力によってのみテーブルに吸着されてい
るのなら、吸引圧を大気圧にした段階で基板はテーブル
から剥離できるはずであるが、実際には静電気力によっ
ても基板はテーブルに密着しており、吸着からの正圧付
加がないと基板の剥離は行えない。ここで基板の剥離に
要する時間を短くするには、負圧を正圧に戻す時間を短
くすることと、同時に静電気力による密着力より高い力
を短時間で発生させることが必要となるが、そのために
は、導入する圧縮空気の圧力を高くすればよい。確かに
圧力が高いほど剥離時間は短くなるが、剥離と同時に基
板がテーブル上面で任意の方向に移動してしまい、後の
基板移送に支障をきたしたり、はなはだしい場合にはテ
ーブル面から落下することがある。したがって、剥離時
に基板の自由な移動を規制するために、圧縮空気の圧力
を高くしないで、基板を剥離するための時間を短くする
技術が必要とされる。
【0009】この発明は、上述の事情に基づいてなされ
たもので、その目的とするところは、ダイコータで、塗
布前に基板を吸着盤に密着させるまでの吸着時間と、吸
着した基板を塗布後に吸着盤から剥離するまでの剥離時
間を短くすることで、タクトタイムを短縮し、ダイコー
タでの生産性を向上させてコスト低減化を可能とすると
ともに、基板の吸着盤への密着不十分により発生する塗
布欠点のない高品質の塗布を可能とする塗布方法及び塗
布装置、並びにこれら装置及び方法を使用したカラーフ
ィルターの製造方法および製造装置を提供することにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的はこの発明に
よって達成される。
【0011】本発明の第1の塗布方法は、塗布器に塗布
液を供給し、塗布器の吐出口から塗布液を吸着盤に吸着
保持された被塗布部材に吐出しながら、前記塗布器およ
び被塗布部材の少なくとも一方を相対的に移動させて、
前記被塗布部材上に塗膜を形成する塗布方法において、
前記吸着盤の被塗布部材載置面に、頂上面が前記被塗布
部材との接触面となる突起を設けて塗布することをを特
徴とする。ここで、前記突起の、前記吸着盤の被塗布部
材載置面に占める面積比率を10〜80%にすることが
好ましい。
【0012】本発明の第2の塗布方法は、塗布器に塗布
液を供給し、塗布器の吐出口から塗布液を吸着盤に吸着
保持された被塗布部材に吐出しながら、前記塗布器およ
び被塗布部材の少なくとも一方を相対的に移動させて、
前記被塗布部材上に塗膜を形成する塗布方法において、
前記吸着盤の被塗布部材載置面にある吸引孔の配置ピッ
チを5〜40mm、ならびに前記被塗布部材載置面の表面
粗さを最大高さRmax=1〜10μm、にして塗布する
ことを特徴とする。
【0013】本発明のカラーフィルターの製造方法は上
記のいずれかの塗布方法を使用してカラーフィルターを
製造する。
【0014】本発明になる第1の塗布装置は、塗布液を
供給する供給手段と、供給手段から供給された塗布液を
吐出するための吐出口を有する塗布器と、被塗布部材を
吸着保持する吸着盤と、塗布器または吸着盤の少なくと
も一方を相対的に移動させる移動手段、とを備えた塗布
装置において、前記吸着盤の被塗布部材載置面に、頂上
面が前記被塗布部材との接触面となる突起を設けたこと
を特徴とする。ここで、前記突起の前記吸着盤の被塗布
部材載置面に占める面積比率は10〜80%であること
が好ましい。
【0015】本発明になる第2の塗布装置は、塗布液を
供給する供給手段と、供給手段から供給された塗布液を
吐出するための吐出口を有する塗布器と、被塗布部材を
吸引孔により吸着保持する吸着盤と、塗布器または吸着
盤の少なくとも一方を相対的に移動させる移動手段、と
を備えた塗布装置において、前記吸着盤の被塗布部材載
置面にある吸引孔の配置ピッチが5〜40mm、ならびに
前記被塗布部材載置面の表面粗さが最大高さRmax=1
〜10μm、であることを特徴とする。
【0016】本発明のカラーフィルターの製造装置は、
上記のいずれかの塗布装置を使用してカラーフィルター
を製造する。
【0017】上記の本発明の第1の塗布方法、塗布装置
によれば、吸着盤の被塗布部材を載置する被塗布部材載
置面に突起が設けられているのであるから、1)吸引排
気のための一定容積の空間が被塗布部材と被塗布部材載
置面の間に設けられることとなり、被塗布部材に常に一
定吸引排気量の吸引力が作用するために被塗布部材が吸
着盤に密着するまでの吸着時間が大幅に減少させられ
る、2)突起によって被塗布部材と吸着盤の接触面積が
減少することで被塗布部材吸着時に発生する静電気力を
減少させ、静電気による密着力を大幅に低減できるとと
もに、剥離のための圧縮空気の通過経路の確保と基板へ
の接触面積増大が図れるので、被塗布部材を吸着盤から
剥離する時間も大幅に短くなって、タクトタイムを大き
く短縮できる。
【0018】上記の本発明になる第2の塗布方法、塗布
装置によれば、吸引孔の配置ピッチと、被塗布部材載置
面の表面粗さを適正に選定するのであるから、1)吸引
および剥離力作用面積が増大する、2)被塗布部材と被
塗布部材載置面との間に吸引排気のための経路となる空
間、及び被塗布部材剥離のために圧縮空気の通過経路と
なる空間が確保される、3)被塗布部材と被塗布部材載
置面との接触面積が減少する、ので第1の塗布方法と塗
布装置と同様に、吸着時間と剥離時間を減少させて、タ
クトタイムを大きく短縮できる。また、いずれの塗布方
法、塗布装置ともに、タクトタイムを短縮した状況であ
っても、被塗布部材と被塗布部材の密着が短時間で行わ
れるので、密着不十分な状態で塗布を行うことで発生す
る品質欠点を防止できる。
【0019】本発明のカラーフィルターの製造方法、製
造装置によれば、上記の優れた塗布方法、塗布装置でカ
ラーフィルターを製造するのであるから、高品質のカラ
ーフィルターを、タクトタイムの短い高い生産性で製造
することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、この発明の好ましい一実施
形態を図面に基づいて説明する。
【0021】図1は、この発明に係る塗布装置の全体概
略斜視図、図2は図1の吸着盤100とスリットダイ4
0回りの構成図、図3は本発明になる吸着盤100の全
体概略斜視図、図5は本発明の別の実施態様である吸着
盤150の全体概略斜視図である。
【0022】図1を参照すると、カラー液晶ディスプレ
イ用カラーフィルターの製造に適用される塗布装置いわ
ゆるダイコータ1が示されている。このダイコータ1は
基台2を備えており、この基台2上には一対のガイド溝
レール4が設けられている。これらガイド溝レール4上
方には、一対のスライド脚8を介してガイド溝レール4
上を水平方向に往復動自在となっている吸着盤100が
配置されている。この吸着盤100は被塗布部材である
基板Aを保持するものである。その詳細な構造は図3に
示すようになっており、その上面102には吸引孔10
4と図示しないリフトピンが出入するリフトピン穴10
6が設けられとともに、突起108が設けられている。
吸引孔104は図示しない真空源に接続されているか
ら、その吸引作用により基板Aを突起108の頂上面1
10に密着保持することになる。突起108の存在によ
って、基板Aと上面102の間に一定の大きさの空間が
発生し、その部分のエアーが吸引孔104を介して常に
吸引排気されるので、基板Aには一定排気量での吸引力
が作用することとなり、短時間で突起108の頂上面1
10に密着可能となる。また、基板Aと突起108の頂
上面110との接触面積は基板Aの面積よりもはるかに
小さくすることができ、これによって静電気力による密
着力を大幅に減ずることができる。その結果、塗布後の
基板の短時間での剥離が容易となる。さらに剥離に関し
ては、剥離のために吸引孔104から圧縮空気を噴出し
たときに、基板Aと上面102の間にある空間を圧縮空
気が瞬時に通過し、突起108の頂上面110と接触し
ていない部分すべてに圧縮空気の圧力が作用するので、
これによってさらに剥離時間の短縮化が加速される。
【0023】突起108の高さは、好ましくは10μm
〜1mm、より好ましくは20μm〜300μmである。
この高さが10μmより低いと、基板Aと上面102と
の間の空間が小さくなりすぎて吸引排気のためのコンダ
クタンスが小さくなって基板Aの頂上面110への密着
時間を短くできないとともに、基板Aは頂上面110以
外に上面102にも接触するようになり、静電気力減少
のために接触面積を減少させるという目的を果たせな
い。また突起108の高さが1mmよりも高いと、吸着時
にエアーが多量に漏れ入ってきて、所定の真空圧で基板
を吸着できなくなる。また突起108の配置ピッチは好
ましくは100μm〜30mm、より好ましくは200μ
m〜5mmであり、突起108の頂上面110の上面10
2に占める面積比率は10〜80%にすることことが好
ましい。面積比率が10%より小さいと、突起108の
ピッチが大きくなって、吸着時の真空圧で基板がたわん
で基板の平面度が低下して塗布時に塗布むらが生じ、逆
に面積比率が80%よりも大きいと、基板の接触面積が
大きくなって、静電気力による密着力を減ずることがで
きなくなる。
【0024】さらに頂上面110の形状については、円
形、三角形、四角形、多角形といかなるものでもよい
が、製作の容易さから、直径がφ0.1〜φ10mmの円
形にするのが望ましい。
【0025】また図3に示す吸着盤100は、上面10
2全面にわたって突起108を設けたが、図5に示すよ
うに、突起108を設けるのを基板Aよりも小さな面積
の領域に限定し、その領域の周囲には頂上面110と同
じ高さの平面部160を配した吸着盤150であっても
よい。この場合、基板Aの周囲部分が平面部と接触する
ので、これがふたの作用をして、基板Aを吸着しても周
囲からエアーが漏れはいることはない。
【0026】吸着盤100への突起108の成形方法に
ついては特に限定はなく、突起以外の不要部分の切削に
よる成形、フォトリソ法等を用いたエッチングによる成
形、サンドブラストによって突起以外の部分の陥没によ
る成形、等があるが、比較的簡便でコストも低いエッチ
ングによる成形方法を用いるのが好ましい。また、吸着
盤の材質も加工性、耐久性を考慮するとステンレス、
鉄、アルミ等の金属、グラナイト等の石材が望ましい。
【0027】再び図1を参照すると、一対のガイド溝レ
ール4間には、図2に示す送りねじ機構を構成する1
4、16、18とこれを内蔵するケーシング12が配置
されており、ケーシング12はガイド溝レール4に沿っ
て延びている。送りねじ機構は、図2に示されているボ
ールねじからなるフィードスクリュー14がステージ6
の下面に固定されたナット状のコネクタ16にねじ込ま
れ、さらにこのコネクタ16を貫通して延びて、その両
端部が図示しない軸受に回転自在に支持されている。そ
してフィードスクリュー14の一端にはACサーボモー
タ18が連結されている。なお、ケーシング12の上面
にはコネクタ16の移動を妨げないように開口部が形成
されているが、図1にはその開口部が省略されている。
【0028】さらに図1を見ると、基台2の上面にはほ
ぼ中央に逆L字形をなすダイ支柱24が配置されてい
る。ダイ支柱24の先端は、吸着盤100の往復動経路
の上方にあって、昇降機構26が取り付けられている。
昇降機構26には昇降可能な昇降ブラケット(図示しな
い)が備えられている。この昇降ブラケットはケーシン
グ28内の一対のガイドロッドで上下方向に案内され、
ガイドロッド間に位置するボールねじと係合して、ボー
ルねじに接続するACサーボモータ30で昇降自在に駆
動される。ACサーボモータ30はケーシング28の上
面に取り付けられている。
【0029】昇降ブラケットには支持軸(図示しない)
を介してダイホルダ32が取り付けられている。このダ
イホルダ32はコの字形をなし、かつ一対のガイド溝レ
ール4の上方をこれらガイド溝レール4間に亘って水平
に延びている。ダイホルダ32の支持軸は昇降ブラケッ
ト内にて回転自在に支持されており、これにより、ダイ
ホルダ32は支持軸とともに垂直面内で回転することが
できる。
【0030】昇降ブラケットには、ダイホルダ32の上
方に位置して水平バー36も固定されている。この水平
バー36はダイホルダ32に沿って延びている。水平バ
ー36の両端部には、電磁作動型のリニアアクチュエー
タ38がそれぞれ取り付けられている。これらリニアア
クチュエータ38は水平バー36の下面から突出する伸
縮ロッドを有していて、これら伸縮ロッドはダイホルダ
32の両端にそれぞれ接触している。
【0031】ダイホルダ32内には塗布器としてのスリ
ットダイ40が取り付けられている。図1から明らかな
ようにスリットダイ40はステージ6の往復動方向と直
交する方向、つまり、ダイホルダ32の長手方向に水平
に延びており、そして、その両端にてダイホルダ32に
支持されている。
【0032】スリットダイ40は図2に概略的に示され
ているように、長尺なブロック形状のフロントリップ6
6およびリアリップ60を有している。これらフロント
リップ66、リアリップ60は吸着盤100の往復動方
向でみて前後にシムを介して張り合わされ、図示しない
複数の連結ボルトにより相互に結合されているので、ス
リットダイ40の下面74には塗液を吐出する吐出口7
2が形成される。吐出口72はシムと同じ幅のスリット
64を介して、マニホールド62に連通している。この
スリット64とマニホールド62はスリットダイ40の
幅方向、すなわち、吸着盤100の往復動方向と直交す
る方向に水平に延びている。マニホールド62は前述し
た塗布液の供給ホース42に内部通路(図示しない)を
介して常時接続されており、これにより、マニホールド
62は塗布液の供給を受けることができる。
【0033】さて、スリットダイ40からは図2に示さ
れているように塗布液の供給ホース42が延びており、
この供給ホース42の先端はシリンジポンプ44の電磁
切換え弁46の供給ポートに接続されている。電磁切換
え弁46の吸引ポートからは吸引ホース48が延びてお
り、この吸引ホース48の先端部はタンク50内に挿入
されている。なお、タンク50には塗布液70が蓄えら
れている。
【0034】シリンジポンプ44のポンプ部はピストン
型のポンプの形態をとっており、塗液を貯蔵するシリン
ジ80とその貯蔵した塗液を押し出したり、逆に塗液を
貯蔵/排出するために吸引/吐出動作をするピストン5
2より構成される。そして電磁切換え弁46の切換え作
動により、シリンジ80内の塗液は供給ホース42およ
び吸引ホース48の一方に選択的に流体的に接続可能と
なっている。そして、これら電磁切換え弁46およびピ
ストン52の図示しない直線駆動機構はコンピュータ5
4に電気的に接続されており、このコンピュータ54か
らの制御信号を受けて、電磁切換え弁46の切換方向、
ならびにピストン52の移動速度や移動位置が制御され
るようになっている。
【0035】さらに、シリンジポンプ44の作動制御の
他、吸着盤100上での基板Aの吸着と吸着解除の制御
を行うため、コンピュータ54はシーケンサ56、吸着
/解除制御装置250に接続されている。このなかでシ
ーケンサ56は、吸着盤100側のフィードスクリュー
14のACサーボモータ18や、昇降機構26側のAC
サーボモータ30やリニアアクチュエータ38の作動を
シーケンス制御するものである。そのシーケンス制御の
ために、シーケンサ56にはACサーボモータ18、3
0の作動状態を示す信号、吸着盤100の移動位置を検
出する位置センサ58からの信号、スリットダイ40の
作動状態を検出するセンサ(図示しない)からの信号な
どが入力される。一方、シーケンサ56からはシーケン
ス動作を示す信号がコンピュータ54に出力されるよう
になっている。なお、シーケンサ56にコンピュータ5
4による制御を組み込むことも可能である。
【0036】再度図1を参照すると、基台2の上面には
ダイ支柱24よりも手前側に逆L字形をなすセンサ柱2
0が配置されている。このセンサ支柱20の先端は、吸
着盤100の往復動経路の上方にあって、そこにはブラ
ケット21を介して厚みセンサ22が取り付けられてい
る。
【0037】次にこの本発明の塗布装置であるダイコー
タ1を使った塗布方法について説明する。
【0038】まずダイコータ1における各作動部の原点
復帰が行われると吸着盤100、スリットダイ40はス
タンバイの位置に移動する。この時、タンク50〜スリ
ットダイ40まで塗布液70はすでに充満されてる。さ
らにスリットダイ40を上向きにして塗布液を吐出して
スリットダイ40内部の残留エアーを排出するという、
いわゆるエアー抜き作業も既に終了しているとともに、
シリンジポンプ44もタンク50から所定量の塗液を吸
引・貯蔵して、いつでも塗液を吐出できる状態で待機し
ている。そして、吸着盤100の表面にはリフトピン穴
106から図示しないリフトピンが上昇するとともに、
基板Aが載置されるのを待つ。次に、図示しないローダ
から基板Aがリフトピンの先端面に載置されると、リフ
トピンを下降させる。この動作により基板Aが下降する
と、吸引孔104から吸引を開始して基板Aを突起10
8の頂上面110に吸着固定する。一方吸着と同時に厚
みセンサ22で基板Aの基板厚みを測定し、その厚さに
基づき、基板Aとスリットダイ40の下面74との間の
クリアランスがあらかじめ与えた値になるように、スリ
ットダイ40を下降する。そして、基板Aの塗布開始部
がスリットダイ40の吐出口72のちょうど真下に来た
ときに、コンピュータ54からシリンジポンプ44に指
令を出して、シリンジポンプ44の動作を開始してスリ
ットダイ40の吐出口72から塗布液を吐出し、スリッ
トダイ40の下面74と基板A間に塗布液ビードCを形
成して、基板Aへの塗布が開始される。そして、基板A
の塗布終了位置がスリットダイ40の吐出口72の真下
にきたら、シリンジポンプ44に対してコンピュータ5
4から停止指令を出してスリットダイ40からの塗布液
の吐出を停止するとともに、スリットダイ40を上昇さ
せて完全に塗布液ビードCをたちきる。
【0039】これらの動作中吸着盤100は動きつづ
け、基板Aが終点位置にきたら停止し、コンピュータ5
4から吸着/解除制御装置250に指令を出して基板A
の吸着を解除する。吸着の解除方法としては、基板吸着
のための吸引動作を停止するとともに、吸引孔に圧縮空
気を所定時間送り込む。そしてリフトピンを上昇させて
基板Aを持ち上げて吸着盤100から剥離し、図示され
ないアンローダによってリフトピン上の基板Aを次の工
程に搬送する。この後吸着盤100はリフトピンを突き
だしたまま原点位置に復帰する。一方シリンジポンプ4
4は、基板Aが終点位置で停止した時から吸引動作を行
ってタンク50から新たに塗布液70を充満させる。つ
いで次の基板Aが来るのを待ち、同じ動作をくりかえ
す。
【0040】ここで、基板Aが吸着盤100に所定吸着
力で密着するまでの吸着時間については、突起108に
よって上面102と基板Aとの間に設けられる一定容積
の空間を経て、常に吸引孔104から吸引排気されるこ
とになるので、基板Aには常時一定排気量の吸引力が作
用することとなり、突起108がない従来のものより、
はるかに吸着時間を短くすることができる。
【0041】また基板Aの吸着盤100からの剥離時間
については、突起108の頂上面110にのみ基板Aが
接触するために、基板Aの接触面積が減少して静電気に
よる密着力を低減できることと、吸引孔104からの剥
離用圧縮空気が、突起108によって基板Aと上面10
2の間に形成される空間を瞬時に通過して、基板Aの頂
上面110と接触していない部分すべてに作用するた
め、このような突起がなく静電気による密着が大きく、
また吸引孔部分のみ圧縮空気が作用する従来のものよ
り、基板Aの剥離のために要する時間をはるかに短くで
きている。以上の吸着時間と剥離時間が大幅に短縮でき
る結果、上記の基板Aへの塗布動作を繰り返すとき、そ
の一周期の時間となるタクトタイムを、従来のものより
大幅に短くできる。また以上の結果、タクトタイムが短
くなっても、基板Aの吸着盤100への密着は従来より
もはるかに短い時間で完了するため、基板が吸着盤上で
下降せず、一定高さを保った安定した状態で塗布が行え
るので、吸引孔ピッチの塗布むらも発生せず、高い品質
の塗布が可能となる。
【0042】次に図4は本発明の別の実施例になる吸着
盤200の全体概略斜視図である。
【0043】吸着盤200の基板Aの吸着面202に
は、吸引孔204とリフトピン穴206があるだけであ
る。吸引孔204は図示していない吸引手段に連結され
ており、基板Aを直接吸引する。またこの吸引孔204
は図示しない圧空源にも連結されており、基板Aの吸着
を解除する圧縮エアーも噴出される。吸引孔の穴径は好
ましくはφ1〜φ10mm、より好ましくはφ2〜φ6m
m、配置ピッチは好ましくは5〜40mm、より好ましく
は10〜25mmである。配置ピッチが5mmより小さい
と、吸引孔が接近しすぎて吸着盤の製作が困難であり、
逆に40mmよりも大きいと、エアーの吸引/吹きつけ面
積が小さくなるので、吸着や剥離に要する時間が大きく
なる。したがって上記の適正な吸引孔配置ピッチにする
ことにより、基板Aの吸引孔204からの吸引による吸
着面積や、吸引孔204から圧縮エアーを噴出して基板
Aを吸着解除する時の加圧面積が適切なものとなり、基
板Aの吸着時間が短くなるとともに、静電気による密着
があっても、それにうちかって短時間での基板Aの吸着
盤200の吸着面202からの剥離を行うことが可能と
なる。
【0044】また吸着面の表面粗さは最大高さRmax=
1〜10μm、より好ましくはRmax=2〜5μmとす
る。表面粗さが1μm以上になると、吸着面202に基
板Aと接触しない部分が発生し、その部分が吸引孔20
4から基板Aまでに介在する空間として作用し、吸引孔
204からの吸引エアーや、剥離のための圧縮エアーの
通り道となり、基板Aの吸着面202への吸着時間や剥
離時間を短くすることができる。また実質的に基板の接
触面積が減少するので、静電気による密着力も減少し、
基板の剥離を行うときに抵抗が小さくなって、この意味
でも剥離時間の短縮に貢献する。表面粗さが10μmよ
りも大きくなると、基板の吸着面上でのうねりが大きく
なって、塗布の均一性や高速性が失われる。
【0045】なお上記の表面粗さは、表面となる吸着面
の微視的な凹凸の深さを意味しており、その定義と測定
方法はJISB601に規定されている。なお、微視的
にみれば凹凸のある表面自体のうねり、あるいは表面自
体のうねりから微視的な凹凸の成分を除いたもの、が平
面度、あるいは平坦度と呼ばれるものであり、表面粗さ
とは明確に区別される。
【0046】上記に示した吸引孔の配置ピッチと表面粗
さを組み合わせることで、それぞれの効果の相乗効果に
より、吸着時間と剥離時間をより短くすることが可能と
なる。
【0047】したがって吸着盤200の使用によって、
基板Aの吸着盤200への吸着時間及び吸着盤200か
らの剥離時間を大幅に短縮できるので、塗布のタクトタ
イムも大幅に短縮することが可能となる。また、タクト
タイムを短縮した状況であっても、基板Aの吸着盤20
0への密着が短時間で行われる結果、基板が吸着盤上で
上下方向に安定した状態で塗布を行えることとなり、塗
布むら等の品質欠点のない高品質の塗布が行える。
【0048】なお基板の吸着のための吸引力は、50か
ら800hPa、より好ましくは100から400hP
a、基板剥離のための圧縮空気の圧力は0.1から1M
Pa、より好ましくは0.2〜0.5MPaである。
【0049】また吸着盤200の吸着面202の表面粗
さを最大高さRmax=1〜10μmに形成する方法とし
ては、研磨、ラップ加工で所定表面粗さに仕上げていく
方法や、サンドブラスト等によって吸着面に凹凸を形成
してから研磨、ラップ等で凹凸の深さを調整していく方
法等がある。さらに吸着盤200の材質としては、吸着
盤100と同じく、加工性及び耐久性より、ステンレ
ス、鉄、アルミ等の金属、グラナイト等の石材が望まし
い。
【0050】なお本発明が適用できる塗布液としては粘
度が1cps〜100000cps、望ましくは10c
ps〜50000cpsであり、ニュートニアンである
ことが塗布性から好ましいが、チキソ性を有する塗液に
も適用できる。また塗布液の乾燥速度にも特に依存せ
ず、赤、緑、青(RGB)色用の塗液の他、レジスト、
O/C材に対しても、ダイコータで塗布するときのタク
トタイム短縮に本発明を適用できる。基板である被塗布
部材としてはガラスの他にアルミ等の金属板、セラミッ
ク板、シリコンウェハー等を用いてもよい。さらに使用
する塗布状態としては、クリアランスが40〜500μ
m、より好ましくは80〜300μm、塗布速度が0.
1m/分〜10m/分、より好ましくは0.5m/分〜
6m/分、ダイのリップ間隙は50〜1000μm、よ
り好ましくは100〜600μm、塗布厚さが5〜40
0μm、より好ましくは20〜250μmである。
【0051】また本発明は対角の長さが500mm以上の
サイズの基板でその効果をよく発揮することができる。
【0052】
【実施例】実施例1 360×465mmで厚さ0.7mmの無アルカリガラス基
板上に、基板の幅方向にピッチが254μm、基板の長
手方向にピッチが85μm、線幅が20μm、RGB画
素数が4800(基板長手方向)×1200(基板幅方
向)、対角の長さが20インチ(基板幅方向に305m
m、基板長手方向に406mm)となる格子形状で、厚さ
が1μmとなるブラックマトリックス膜を作成した。ブ
ラックマトリックス膜は、チタン酸窒化物を遮光材、ポ
リアミック酸をバインダーとして用いたものであった。
【0053】続いてウェット洗浄によって基板上のパー
ティクルを除去後、ポリアミック酸をバインダー、γ−
ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドンと3−メ
チル−3−メトキシブタノールの混合物を溶媒、ピグメ
ントレッド177を顔料にして固形分濃度10%で混合
し、さらに粘度を50cpsに調整したR色の塗液を、2
0μmの厚さで速度3m/分にて、ダイコータで全面均
一に塗布した。ここで、ダイコータのスリットダイはス
リットの間隙が100μm、スリットの幅が305mm、
スリットダイの下面と基板とのクリアランスは100μ
mであった。吸着盤には直径が2mm、高さが30μmの
突起が、吸着盤走行方向、幅方向ともに3mmピッチで配
置されていて、さらに直径2mmの吸引孔が50mmピッチ
で設けられているものを用いた。そして基板の吸着盤へ
の吸着圧力は100hPaにし、塗布後の吸着解除のた
めに送り込む圧縮空気の圧力は0.2MPaに設定し
た。以上の吸着及び吸着解除方法で、基板が吸着盤へ許
容吸着圧力200hPaで吸着されるまでの吸着時間は
1秒、0.2MPaの圧縮空気を噴出して基板が吸着盤
から剥離される剥離時間は0.5秒であり、タクトタイ
ムは29秒であった。
【0054】さてダイコータで塗布後はホットプレート
を使用した乾燥装置で100℃で20分乾燥し、固形分
濃度10%、粘度8%のレジスト液を10μm塗布後、
90℃のホットプレートで10分乾燥後、露光・現像・
剥離を行って、R画素部にのみ色塗膜を残し、260度
のホットプレートで30分加熱して、キュアを行った。
【0055】同様の色塗膜の形成をG、B色について
も、R色と同様のダイコータと塗布条件、その他同じ工
程を用いて、それぞれの色塗膜を形成した。ここでG色
の塗液には、R色の塗液で顔料をピグメントグリーン3
6にして固形分濃度10%で粘度を40cpsに調整した
もの、B色の塗液には、R色の塗液で顔料をピグメント
ブルー15にして固形分濃度10%で粘度を50cpsに
調整したもの、を用いた。
【0056】そして最後にITOをスパッタリングで付
着させ、カラーフィルターを作成した。得られたカラー
フィルターは、顔料の凝集物や摩耗粉等の異物もなく、
塗布むらもないために色度も基板全面にわたって均一
で、品質的に申し分ないものであった。
【0057】比較例1 上記の実施例1でダイコータの基板を吸着する吸着盤
に、基板の吸着面の表面粗さが最大高さRmax=0.6
μm、直径2mmの吸引孔が吸着盤走行方向、幅方向とも
に50mmピッチで設けられているものを用いる以外は、
全く同じ条件でカラーフィルターを製造した。ダイコー
タでの基板が吸着圧力200hPaで吸着されるまでの
吸着時間は2.5秒、また塗布後の0.2MPaの圧縮
空気を噴出して基板が剥離される剥離時間は2秒で、こ
れらを含めたタクトタイムは32秒であった。
【0058】ただし、塗布後に吸引孔のピッチに相当す
る塗布むらがあったので、膜厚分布を測定すると、吸引
孔のピッチで0.04μmの膜厚変動があった。膜厚分
布の変動幅は許容値以下であったが、目視での塗布むら
が解消されないため、吸引時間を30.5秒までに増加
させ、タクトタイム60秒で運転したところ、塗布むら
が解消した。
【0059】実施例2 上記の実施例1で、ダイコータの基板を吸着する吸着盤
に、基板の吸着面の表面粗度が最大高さでRmax=3μ
mで、直径2mmの吸引孔が吸着盤走行方向、幅方向とも
に25mmピッチで設けられているものを用いる以外は、
全く同じ条件でカラーフィルターを製造した。この時の
ダイコータで基板が吸着圧力200hPaで吸着される
までの吸着時間は1.5秒、また塗布後の0.2MPa
の圧縮空気を噴出して基板が剥離される剥離時間は1秒
で、これらを含めたタクトタイムは30秒であった。え
られたカラーフィルターは、顔料の凝集物や摩耗粉等の
異物もなく、塗布むらもないために色度も基板全面にわ
たって均一で、品質的に申し分ないものであった。ま
た、途中の塗布後に目視でも、塗布むらはなかった。
【0060】
【発明の効果】本発明になる塗布方法、塗布装置によれ
ば、吸着盤の基板を載置する基板載置面に突起を設ける
ので、1)吸引排気のための一定容積の空間が基板と基
板載置面の間にできることとなり、基板に常に一定吸引
排気量の吸引力が作用するので、基板が吸着盤に密着す
るまでの吸着時間が大幅に減少させられる、2)突起に
よって被塗布部材と吸着盤の接触面積が減少すること
で、被塗布部材吸着時に発生する静電気力を減少させ、
静電気による密着力を大幅に低減するとともに、剥離の
ための圧縮空気の通過経路の確保と基板への接触面積増
大が図れるので、基板を吸着盤から剥離する時間も大幅
に短くなって、タクトタイムを大きく短縮できる。
【0061】本発明になる別の塗布方法、塗布装置によ
れば、吸着盤の基板載置面の吸引孔の配置ピッチと、表
面粗さが適正に選定されるので、1)吸引および剥離力
作用面積の増大、2)基板と基板載置面との間の吸引排
気のための経路となる空間、及び基板剥離のための圧縮
空気の通過経路となる空間の確保、3)基板と基板載置
面との接触面積減少による静電気密着力の減少、の作用
によって、基板の吸着盤への吸着時間と剥離時間を減少
させて、タクトタイムを大きく短縮できる。
【0062】また、いずれの塗布方法、塗布装置とも
に、タクトタイムを短縮した状況であっても基板と吸着
盤との密着が短時間で完了し、基板の高さ変動もない状
態で塗布を行えるために、塗布むら等の品質欠点の発生
を防止できる。
【0063】以上の本発明のカラーフィルターの製造方
法、製造装置によれば、上記のタクトタイムが短縮でき
る優れた塗布方法、塗布装置でカラーフィルターを製造
するのであるから、高い品質のカラーフィルターを高い
生産性で製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施例のダイコータを概略的に示した斜視図
である。
【図2】図1のダイコータを塗布液の供給系をも含めて
示した概略構成図である。
【図3】本発明になる吸着盤の一実施態様を示す全体概
略斜視図である。
【図4】本発明になる吸着盤の別の実施態様を示す全体
概略斜視図である。
【図5】本発明になる吸着盤のさらに別の実施態様を示
す全体概略斜視図である。
【符号の説明】
1 ダイコータ 2 基台 14 フィードスクリュー 18 ACサーボモータ 22 厚みセンサ 40 スリットダイ(塗布器) 44 シリンジポンプ 50 タンク 54 コンピュータ 62 マニホールド 64 スリット 72 吐出口 100 吸着盤 102 上面 104 吸引孔 106 リフトピン穴 108 突起 110 頂上面 150 平面部 160 吸着盤 200 吸着盤 202 吸着面 204 吸引孔 250 吸着/解除制御装置 A 基板(被塗布部材) C 塗布液ビード
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H048 BA11 BA45 BA47 BB02 BB42 4D075 AC02 AC73 AC82 AC91 AC93 CA47 DA06 DB07 DB13 DB14 DC19 DC22 DC24 EA07 EA45 EB39 EC11 4F041 AA02 AA05 AA06 AB02 BA02 BA22 BA56 CA02 CA22 4F042 AA02 AA07 AA10 BA03 BA08 DF09 DF29

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塗布器に塗布液を供給し、塗布器の吐出
    口から塗布液を吸着盤に吸着保持された被塗布部材に吐
    出しながら、前記塗布器および被塗布部材の少なくとも
    一方を相対的に移動させて、前記被塗布部材上に塗膜を
    形成する塗布方法において、前記吸着盤の被塗布部材載
    置面に、頂上面が前記被塗布部材との接触面となる突起
    を設けて塗布することを特徴とする塗布方法。
  2. 【請求項2】 前記突起の、前記吸着盤の被塗布部材載
    置面に占める面積比率を10〜80%にすることを特徴
    とする請求項1に記載の塗布方法。
  3. 【請求項3】 塗布器に塗布液を供給し、塗布器の吐出
    口から塗布液を吸着盤に吸着保持された被塗布部材に吐
    出しながら、前記塗布器および被塗布部材の少なくとも
    一方を相対的に移動させて、前記被塗布部材上に塗膜を
    形成する塗布方法において、前記吸着盤の被塗布部材載
    置面にある吸引孔の配置ピッチを5〜40mm、および前
    記被塗布部材載置面の表面粗さを最大高さRmax=1〜
    10μm、にして塗布することを特徴とする塗布方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の塗布方
    法を使用してカラーフィルターを製造することを特徴と
    するカラーフィルターの製造方法。
  5. 【請求項5】 塗布液を供給する供給手段と、供給手段
    から供給された塗布液を吐出するための吐出口を有する
    塗布器と、被塗布部材を吸着保持する吸着盤と、塗布器
    または吸着盤の少なくとも一方を相対的に移動させる移
    動手段、とを備えた塗布装置において、前記吸着盤の被
    塗布部材載置面に、頂上面が前記被塗布部材との接触面
    となる突起を設けたことを特徴とする塗布装置。
  6. 【請求項6】 前記突起の前記吸着盤の被塗布部材載置
    面に占める面積比率は10〜80%であることを特徴と
    する請求項5に記載の塗布装置。
  7. 【請求項7】 塗布液を供給する供給手段と、供給手段
    から供給された塗布液を吐出するための吐出口を有する
    塗布器と、被塗布部材を吸引孔により吸着保持する吸着
    盤と、塗布器または吸着盤の少なくとも一方を相対的に
    移動させる移動手段、とを備えた塗布装置において、前
    記吸着盤の被塗布部材載置面にある吸引孔の配置ピッチ
    が5〜40mm、および前記被塗布部材載置面の表面粗さ
    が最大高さRmax=1〜10μm、であることを特徴と
    する塗布装置。
  8. 【請求項8】 請求項5〜7に記載のいずれかの塗布装
    置を備えてカラーフィルターを製造することを特徴とす
    るカラーフィルターの製造装置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7036906B2 (en) 2002-08-02 2006-05-02 Seiko Epson Corporation Liquid droplet ejection apparatus, method of manufacturing electrooptic device, electrooptic device and electronic device
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CN104941859A (zh) * 2015-06-25 2015-09-30 浙江凯立特医疗器械有限公司 一种传感器涂膜设备

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