JP2008080188A - 塗布方法および塗布装置並びにディスプレイ用部材の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】被塗布部材上に塗布膜を形成する塗布方法であって、プリディスペンス終了後、一旦塗布器への塗布液の供給を停止し、次いで定容量ポンプによる塗布液の供給と被塗布部材の塗布器に対する相対移動を同時に開始するとともに、相対移動の開始からt秒後であって定常供給速度Qsに達するまでの供給速度Q(t)と定常供給速度Qsの比Q(t)/Qsと、相対移動の開始からt秒後であって定常相対移動速度Vsに達するまでの相対移動速度V(t)と定常相対移動速度Vsの比V(t)/Vsと、を略同一にして塗布する。
【選択図】図2
Description
本発明に係るディスプレイ用部材の製造方法は、上記に記載の塗布方法を用いてディスプレイ用部材を製造することを特徴とする。
本発明に係るディスプレイ用部材の製造方法によれば、上記の優れた塗布方法を用いてディスプレイ用部材を製造するのであるから、均一な膜厚区間が長い優れた塗布品位のディスプレイ用部材を高い生産性と高歩留まりで製造することが可能となる。
図1は、本発明に係る塗布装置であるスリットコータ1の概略正面図、図2は、本発明のうちの第1の発明に係る塗布方法を表すポンプ供給速度とステージ速度の時間線図、図3は、本発明のうちの第2の発明に係る塗布方法を表すポンプ供給速度とステージ速度の時間線図、図4は従来の塗布方法を表すポンプ供給速度とステージ速度の時間線図である。
まずスリットコータ1の各動作部の原点復帰が行われると、各移動部はスタンバイ位置に移動する。すなわち、ステージ6は図1の左端部(破線で示す位置)、スリットノズル20は最上部に移動するとともに、拭き取りユニット90はトレイ100がスリットノズル20の下部位置にくるよう移動する。ここで、タンク64〜スリットノズル20まで、塗布液66はすでに充満されており、スリットノズル20内部の残留エアーを排出する作業も既に終了している。この時の塗布液供給装置40の状態は、シリンジ52に塗布液66が充填、吸引バルブ44は閉、供給バルブ42は開、そしてピストン54は最下端の位置にあり、いつでも塗布液66をスリットノズル20に供給できるようになっている。
実施例1
1100×960mmで厚さ0.7mmの無アルカリガラス基板を洗浄後に、スリットコータ1を用いて塗布を行った。スリットノズルは吐出口の長手方向長さが1100mm、スリットの間隙が100μmで、基板に1100mm幅の塗布膜が形成できるものであり、塗布速度は200mm/sにした。1100mmの長辺側を基板幅方向とし、960mmの短辺方向に塗布を行った。塗布液はカラーフィルター用Redの感光性ネガレジストで、固形分濃度14%、粘度が3mPaSであった。定常時、すなわち塗布時のシリンジポンプ50からの定常ポンプ供給速度Qsは、真空乾燥後の厚さが2.8μm、すなわち塗布直後にTh=20μmになるように、4400μl/sに設定した。上記の第2の塗布方法で塗布を開始することにし、ステージ6を駆動して、まずスリットノズル20の吐出口が基板の塗布開始部、すなわち基板端の直上位置になるように基板を移動させて停止させた。それからスリットノズルを下降して、基板〜スリットノズルの吐出口面間のクリアランスを100μmになるようにした。スリットノズル20と基板が停止した状態で、図3に示される通りにシリンジポンプを駆動して、ポンプ供給速度Qp=325μl/sでプリディスペンスを行い、プリディスペンスを開始してからts=0.6秒後にステージ6を移動開始した。ステージ6はta=0.4秒後に定常ステージ速度Vs=200mm/sに立ち上げた。さらにステージ6移動開始から、tp=0.03秒後に、ステージ6のステージ速度Vが14.8mm/sに達した段階で、ポンプ供給速度325μl/sで駆動中のシリンジポンプ50に指令を出して、ポンプ供給速度を定常ポンプ供給速度Qs=4400μl/sまでにする立ち上げを開始した。なお、同じタイミングで定常ポンプ供給速度Qs、定常ステージ速度Vsに達するように、すなわちシリンジポンプ50がポンプ供給速度Qpから定常ポンプ供給速度Qsへの増速開始から0.37秒後に定常ポンプ供給速度Qsに達するように駆動した。これらの駆動によって、ステージ6の移動開始からt秒後(ただしt≧tp=0.03秒)では、シリンジポンプ50の供給速度Q(t)は、Q(t)=((t−0.03)/0.4)×Qs+Qp、ステージ速度V(t)はV(t)=(t/0.4)×Vsと表される。ここで、上記の記述より、tp/ta×Qs=(0.03/0.4)×Qs=Qpとなるようにしているので、Q(t)/Qs=(t/0.4)×Qs/Qs=t/0.4、一方ステージ速度の方はV(t)/Vs=(t/0.4)×Vs/Vs=t/0.4となるので、ステージ6の移動開始からt秒後(ただしt≧tp=0.03秒)では、定常供給速度Qsに達するまでの供給速度Q(t)と定常供給速度Qsの比Q(t)/Qsと、定常相対移動速度Vsに達するまでの相対移動速度V(t)と定常相対移動速度Vsの比V(t)/Vsが、同一になっている。
そして、以上のようにしてシリンジポンプ50とステージ6を、定常ポンプ供給速度Qs、定常ステージ速度Vsにそれぞれ駆動して塗布を行い、基板端から955mmのガラス基板の位置にスリットノズル20の吐出口34がきた時に、シリンジポンプ50を停止し、スリットノズル20を、基板端から960mmのガラス基板位置が吐出口34の真下に来たところで、塗布終了のために上昇させた。以上の塗布後に、到達真空度65Paの真空乾燥を行った。そして塗布方向の膜厚分布を、光干渉式の膜厚計で測定し、図5に示す膜厚分布図をえた。図5より、この時の膜厚精度Uを、端部10mmを除く領域でU=(最大値−最小値)/(2×平均値)×100(%)で求め、1.6%の値をえて、目標の3%未満を達成した。
塗布開始方法に特許文献3の方法を用い、塗布開始は、スリットノズル20と基板が停止した状態から、プリディスペンスを行わずにシリンジポンプ50を駆動して塗布液をスリットノズルに供給開始して定常ポンプ供給速度4400μl/sにまで0.2秒で立ち上げるともに、シリンジポンプ50の駆動開始から0.06秒後に、ステージ6を駆動開始して、定常ステージ速度200mm/sまで0.2秒で立ち上げた他は、実施例1と全く同じ条件でガラス基板に塗布をして乾燥を行った。ここで、シリンジポンプ50の供給速度Q(t)は、Q(t)=(t/0.2)×Qs、ステージ速度V(t)はV(t)=((t−0.06)/0.2)×Vsと表される。シリンジポンプ50の駆動開始からt秒後(ただしt≧0.06秒)では、定常供給速度Qsに達するまでの供給速度Q(t)と定常供給速度Qsの比Q(t)/Qs=t/0.2、定常相対移動速度Vsに達するまでの相対移動速度V(t)と定常相対移動速度Vsの比V(t)/Vs=(t−0.06)/0.2となり、Q(t)/QsとV(t)/Vsは同一になっていない。乾燥後の塗布方向の膜厚分布を、光干渉式の膜厚計で測定し、図6に示す塗布開始部が厚い膜厚分布図をえた。図6より、膜厚精度Uを端部10mmを除く領域でU=(最大値−最小値)/(2×平均値)×100(%)で求め、5.5%の値をえた。シリンジポンプ50の駆動開始からステージ6を駆動開始するまでの時間を調整したが、膜厚精度は5.5%が最良値で、目標の3%を達成できなかった。
スリットコータ1を用いてカラーフィルターを製造した。
スリットノズルは、吐出口の長手方向長さが1100mm、スリットの間隙が100μmで、基板に1100mm幅の塗布膜が形成できるものであった。
2 基台
4 ガイドレール
6 ステージ
10 門型ガントリー
20 スリットノズル(塗布器)
22 フロントリップ
24 リアリップ
26 マニホールド
28 スリット
32 シム
34 吐出口
36 吐出口面
38 斜面
40 塗布液供給装置
42 供給バルブ
44 吸引バルブ
46 フィルター
50 シリンジポンプ
52 シリンジ
54 ピストン
56 本体
60 供給ホース
62 吸引ホース
64 タンク
66 塗布液
68 圧空源
70 上下昇降ユニット
72 モータ
74 ガイド
76 ボールネジ
78 昇降台
80 吊り下げ保持台
90 拭き取りユニット
92 拭き取りヘッド
94 ブラケット
96 スライダー
98 駆動ユニット
100 トレイ
102 台車
120 厚さセンサー
122 支持台
130 制御装置
132 操作盤
A 基板(被塗布部材)
B ビード
C 塗布膜
Q ポンプ供給速度
Qs 定常ポンプ供給速度
Th:膜厚
V ステージ速度
Vs 定常ステージ速度
ta 加速時間
tp ステージを駆動開始から、シリンジポンプ増速開始するまでの時間
ts シリンジポンプ駆動開始から、ステージを駆動開始するまでの時間
Claims (5)
- 一方向に延在する吐出口を有する塗布器を静止した被塗布部材に近接させ、定容量ポンプから塗布器に塗布液を供給して被塗布部材上に塗布器から塗布液をプリディスペンスし、次いで定容量ポンプから塗布器に塗布液を定常供給速度Qsで供給して被塗布部材に塗布器から塗布液を吐出するとともに、被塗布部材の塗布器に対する相対移動を定常移動速度Vsで行って、被塗布部材上に塗布膜を形成する塗布方法であって、プリディスペンス終了後、一旦塗布器への塗布液の供給を停止し、次いで定容量ポンプによる塗布液の供給と被塗布部材の塗布器に対する相対移動を同時に開始するとともに、相対移動の開始からt秒後であって定常供給速度Qsに達するまでの供給速度Q(t)と定常供給速度Qsの比Q(t)/Qsと、相対移動の開始からt秒後であって定常相対移動速度Vsに達するまでの相対移動速度V(t)と定常相対移動速度Vsの比V(t)/Vsと、を略同一にして塗布することを特徴とする塗布方法。
- 一方向に延在する吐出口を有する塗布器を静止した被塗布部材に近接させ、定容量ポンプから塗布器に塗布液を最終的に供給速度Qpとなる供給速度で供給して被塗布部材上に塗布器から塗布液をプリディスペンスし、次いで定容量ポンプから塗布器に塗布液を定常供給速度Qsで供給して被塗布部材に塗布器から塗布液を吐出するとともに、被塗布部材の塗布器に対する相対移動を定常移動速度Vsで行って、被塗布部材上に塗布膜を形成する塗布方法であって、プリディスペンス開始からts秒後に相対移動を開始するとともに、相対移動の開始からtp秒後には定容量ポンプの供給速度Qpを定常供給速度Qsに増速開始させ、さらに相対移動の開始からt秒後(t≧tp)であって定常供給速度Qsに達するまでの供給速度Q(t)と定常供給速度Qsの比Q(t)/Qsと、相対移動の開始からt秒後(t≧tp)であって定常相対移動速度Vsに達するまでの相対移動速度V(t)と定常相対移動速度Vsの比V(t)/Vsと、を略同一にして塗布することを特徴とする塗布方法。
- 請求項1または2に記載の塗布方法を用いてディスプレイ用部材を製造することを特徴とするディスプレイ用部材の製造方法。
- 塗布液を吐出するために一方向に延在する吐出口を有する塗布器と、塗布器に塗布液を供給する定容量ポンプと、被塗布部材を保持する載置台と、塗布器および載置台のうちの少なくとも一方を相対的に移動させる移動手段を備えて、被塗布部材に塗布膜を形成する塗布装置において、静止した被塗布部材上の塗布開始位置で、同じく静止した塗布器から一定容積の塗布液を吐出してプリディスペンスを行い、プリディスペンス終了後、一旦塗布器への塗布液の供給を停止し、次いで定容量ポンプによる塗布液の供給と被塗布部材の塗布器に対する相対移動を同時に開始するとともに、相対移動の開始からt秒後であって定常供給速度Qsに達するまでの供給速度Q(t)と定常供給速度Qsの比Q(t)/Qsと、相対移動の開始からt秒後であって定常相対移動速度Vsに達するまでの相対移動速度V(t)と定常相対移動速度Vsの比V(t)/Vsと、を略同一にして塗布させる制御手段を有することを特徴とする塗布装置。
- 塗布液を吐出するために一方向に延在する吐出口を有する塗布器と、塗布器に塗布液を供給する定容量ポンプと、被塗布部材を保持する載置台と、前記塗布器および載置台のうちの少なくとも一方を相対的に移動させる移動手段を備えて、被塗布部材に塗布膜を形成する塗布装置において、静止した被塗布部材上の塗布開始位置で、同じく静止した塗布器から塗布液を吐出開始して最終的に供給速度Qpとなるプリディスペンスを行い、プリディスペンス開始からts秒後に相対移動を開始するとともに、相対移動の開始からtp秒後には定容量ポンプの供給速度Qpを定常供給速度Qsに増速開始させ、さらに相対移動の開始からt秒後(t≧tp)であって定常供給速度Qsに達するまでの供給速度Q(t)と定常供給速度Qsの比Q(t)/Qsと、相対移動の開始からt秒後(t≧tp)であって定常相対移動速度Vsに達するまでの相対移動速度V(t)と定常相対移動速度Vsの比V(t)/Vsと、を略同一にして塗布させる制御手段を有することを特徴とする塗布装置。
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