JP2022156007A - 熱可塑性樹脂組成物、成形品 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐熱変色性に優れる熱可塑性樹脂組成物およびその成形品を提供する。【解決手段】グラフト共重合体(A)と、ビニル系共重合体(B)と、金属成分(C)と、を含み、金属成分(C)の含有量が200ppm以上である、熱可塑性樹脂組成物。(A):ゴム状重合体(a)20質量%~80質量%の存在下に1種以上のビニル系単量体混合物(m1)80質量%~20質量%を重合してなるグラフト重合体。(B):アルキル(メタ)アクリレート系単量体を含有するビニル系単量体混合物(m2)を重合してなるビニル系共重合体。(C):アルカリ金属である金属成分。【選択図】なし

Description

本発明は、熱可塑性樹脂組成物およびその成形品に関する。
成形品の耐衝撃性を向上させることによって、成形品の用途が拡大する等、工業的な有用性が高くなる。そのため、成形品の耐衝撃性の向上については、これまでに様々な手法が提案されている。これら手法のうち、ゴム質重合体と硬質樹脂とを組み合わせた樹脂材料を用いることによって、硬質樹脂に由来する特性を保持しつつ、成形品の耐衝撃性を高める手法は、すでに工業化されている。このような樹脂材料としては、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン(ABS)樹脂、アクリロニトリル-スチレン-アクリル酸エステル(ASA)樹脂、アクリロニトリル-エチレン・α-オレフィン-スチレン(AES)樹脂、シリコーン系-アクリル系複合ゴム-アクリロニトリル-スチレン(SAS)
樹脂、またはこれらをさらに硬質樹脂に添加した熱可塑性樹脂組成物等が挙げられる。
耐候性、耐衝撃性、成形外観に優れる成形品を得ることができる熱可塑性樹脂組成物としては、例えば、下記のものが提案されている。
ポリアルキルアクリレート系ゴムに芳香族アルケニル化合物およびシアン化ビニル化合物を重合したグラフト共重合体(A1)と、ポリメチルメタクリレート樹脂(B)とを含む熱可塑性樹脂組成物(例えば、特許文献1参照)。
特開2002-371167号公報
特許文献1の熱可塑性樹脂では、成形温度の違いによって、得られる成形品の色味に違いがある熱変色が発生することがあった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、熱変色に対する耐性(以下、「耐熱変色性」と言う。)に優れる熱可塑性樹脂組成物およびその成形品を提供することを目的とする。
本発明は以下の態様を有する。
[1]下記グラフト共重合体(A)と、下記ビニル系共重合体(B)と、下記金属成分(C)と、を含み、下記金属成分(C)の含有量が200ppm以上である、熱可塑性樹脂組成物。
(A):ゴム状重合体(a)20質量%~80質量%の存在下に1種以上のビニル系単量体混合物(m1)80質量%~20質量%を重合してなるグラフト重合体
(B):アルキル(メタ)アクリレート系単量体を含有するビニル系単量体混合物(m2)を重合してなるビニル系共重合体
(C):アルカリ金属である金属成分
[2][1]に記載の熱可塑性樹脂組成物から構成される、成形品。
本発明によれば、耐熱変色性に優れる熱可塑性樹脂組成物およびその成形品を提供することができる。
以下の用語の定義は、本明細書および特許請求の範囲にわたって適用される。
「(メタ)アクリレート」とは、アクリレートまたはメタクリレートを意味する。
「成形品」とは、熱可塑性樹脂組成物を成形してなるものを意味する。
数値範囲を示す「~」は、その前後に記載された数値を下限値および上限値として含むことを意味する。
[熱可塑性樹脂組成物]
本発明の一実施形態に係る熱可塑性樹脂組成物は、グラフト共重合体(A)と、ビニル系共重合体(B)と、金属成分(C)と、を含む。本実施形態の熱可塑性樹脂組成物は、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲内で、その他の熱可塑性樹脂、各種の添加剤を含んでいてもよい。
グラフト共重合体(A)は、ゴム状重合体(a)20質量%~80質量%の存在下に1種以上のビニル系単量体混合物(m1)80質量%~20質量%を重合して得られたものである。
ビニル系共重合体(B)は、アルキル(メタ)アクリレート系単量体を含有するビニル系単量体混合物(m2)を重合して得られたものである。
金属成分(C)は、アルカリ金属である。
以下、各成分((A)~(C)、(m1)~(m2)等)について説明する。
「ゴム状重合体(a)」
ゴム状重合体(a)としては特に制限されないが、例えば、ポリブタジエン、スチレン/ブタジエン共重合体、アクリロニトリル/ブタジエン共重合体、アクリル酸エステル/ブタジエン共重合体等のブタジエン系ゴム状重合体;イソプレン、クロロプレン、スチレン/イソプレン共重合体等の共役ジエン系ゴム状重合体;ポリアクリル酸ブチル等のアクリル系ゴム状重合体;エチレン/プロピレン共重合体等のオレフィン系ゴム状重合体;ポリオルガノシロキサン等のシリコーン系ゴム状重合体;天然ゴム、ブチルゴム、ウレタンゴム、塩素化ポリエチレン、エピクロルヒドリンゴム、フッ素ゴム、多硫化ゴムなどが挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なお、これらゴム状重合体は、モノマーから使用することができ、ゴム状重合体の構造は複合ゴム構造やコア/シェル構造をとってもよい。
上述したゴム状重合体(a)の中でも、得られる成形品の耐衝撃性や成形外観が良好である点から、ポリブタジエン、スチレン/ブタジエン共重合体ブタジエン系ゴム状重合体、アクリル系ゴム状重合体、オレフィン系ゴム状重合体、シリコーン系ゴム状重合体が好ましい。
ゴム状重合体(a)のゲル含有量は、50質量%~99質量%が好ましく、60質量%~95質量%がより好ましく、70質量%~85質量%が特に好ましい。ゲル含有量が上記範囲内であれば、成形品の耐衝撃性がより良好となる。
ゴム状重合体(a)のゲル含有量は、以下のようにして測定できる。秤量したゴム状重合体(a)を、適当な溶剤に室温(23℃)で20時間かけて溶解させる。次いで、遠心分離し、上澄みをデカンテーションして残存した不溶分を60℃で24時間乾燥した後、秤量する。最初に秤量したゴム状重合体(a)に対する不溶分の割合(質量%)を求め、これをゴム状重合体(a)のゲル含有量とする。
ゴム状重合体(a)の溶解に用いる溶剤としては、例えば、トルエン、アセトン等が挙げられる。
ゴム状重合体(a)は粒状であり、熱可塑性樹脂組成物中においても粒状で存在している。
ゴム状重合体(a)の体積平均粒子径は特に制限されないが、100nm以上1000nm未満であることが好ましく、200nm以上500nm未満であることがより好ましい。ゴム状重合体(a)の体積平均粒子径が前記範囲内であれば、得られる成形品の耐衝撃性と発色性がより良好となる。
ここで、ゴム状重合体(a)の体積平均粒子径は、動的光散乱方式の粒度分布測定器を用いて体積基準の粒子径分布を測定し、得られた粒子径分布より算出される値である。
「ビニル系単量体混合物(m1)」
ビニル系単量体混合物(m1)は、1種以上のビニル系単量体を含んでいれば良いが、芳香族ビニル化合物およびシアン化ビニル化合物を含む単量体混合物であることが好ましい。
また、これらと共重合可能な他の単量体を、本発明の効果を損なわない範囲で含んでもよい。
芳香族ビニル化合物としては、例えば、スチレン、α-メチルスチレン、o-,m-またはp-メチルスチレン、ビニルキシレン、p-t-ブチルスチレン、エチルスチレン等が挙げられる。熱可塑性樹脂組成物の流動性、成形品の発色性、耐衝撃性の点から、スチレン、α-メチルスチレンが好ましい。芳香族ビニル化合物は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
シアン化ビニル化合物としては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられる。シアン化ビニル化合物は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
他の単量体としては、例えば、アクリル酸エステル(アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル等)、メタクリル酸エステル(メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル等)、マレイミド単量体(N-シクロヘキシルマレイミド、N-フェニルマレイミド等)等が挙げられる。他の単量体は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
ビニル系単量体混合物(m1)を構成する、各単量体成分の比率は特に制限されないが、ビニル系単量体混合物(m1)の総質量(100質量%)に対し、芳香族ビニル化合物の含有率が65質量%~82質量%が好ましく、73質量%~80質量%がより好ましく、75質量%~80質量%がさらに好ましい。芳香族ビニル化合物の含有率が前記範囲内であれば、成形品の耐衝撃性、発色性がさらに優れる。
また、ビニル系単量体混合物(m1)の総質量(100質量%)に対し、シアン化ビニル化合物の含有率が18質量%~35質量%が好ましく、20質量%~27質量%がより好ましく、20質量%~25質量%がさらに好ましい。シアン化ビニル化合物の含有率が前記範囲内であれば、成形品の耐衝撃性、発色性がさらに優れる。
「グラフト共重合体(A)」
グラフト共重合体(A)は、ゴム状重合体(a)の存在下に、ビニル系単量体混合物(m1)を重合して得られる共重合体である。
なお、グラフト共重合体(A)においては、ゴム状重合体(a)の存在下にビニル系単量体混合物(m1)がどのように重合しているか特定することは困難である。すなわち、グラフト共重合体(A)をその構造または特性により直接特定することが不可能であるか、またはおよそ実際的ではないという事情(不可能・非実際的事情)が存在する。したがって、グラフト共重合体(A)は「ゴム状重合体(a)の存在下に、ビニル系単量体混合物(m1)を重合して得られる」と規定することがより適切とされる。
ゴム状重合体(a)と1種以上のビニル系単量体混合物(m1)との質量比は、ゴム状重合体(a)20質量%~80質量%、1種以上のビニル系単量体混合物(m1)80質量%~20質量%であり、ゴム状重合体(a)30質量%~70質量%、1種以上のビニル系単量体混合物(m1)を70質量%~30質量%とすることが好ましい(ただし、ゴム状重合体(a)と1種以上のビニル系単量体混合物(m1)との合計を100質量%とする。)。ゴム状重合体(a)が20質量%未満であると、成形品の耐衝撃性が劣り、80質量%を超えると、成形品の発色性が劣るほか、熱可塑性樹脂組成物の流動性が低下する傾向にある。
「グラフト共重合体(A)の製造方法」
グラフト共重合体(A)は、ゴム状重合体(a)の存在下に、ビニル系単量体混合物(m1)を重合して得られる。
重合を行う方法としては特に制限されないが、反応が安定して進行するように制御可能であることから乳化重合が好ましい。具体的には、ゴム状重合体(a)のラテックスにビニル系単量体混合物(m1)を一括して仕込んだ後に重合する方法;ゴム状重合体(a)のラテックスにビニル系単量体混合物(m1)の一部を先に仕込み、随時重合させながら残りを重合系に滴下する方法;ゴム状重合体(a)のラテックスにビニル系単量体混合物(m1)の全量を滴下しながら随時重合する方法等が挙げられ、これらを1段ないしは2段以上に分けて行うことができる。2段以上に分けて行う場合、各段におけるビニル系単量体混合物(m1)を構成する単量体の種類や組成比を変えて行うことも可能である。
乳化重合には、通常、ラジカル重合開始剤および乳化剤が用いられる。ラジカル重合開始剤としては、過酸化物、アゾ系開始剤、酸化剤と還元剤とを組み合わせたレドックス系開始剤等が挙げられる。これらの中では、レドックス系開始剤が好ましく、特に硫酸第一鉄とエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩とナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレートとハイドロパーオキサイドとを組み合わせたスルホキシレート系開始剤が好ましい。
乳化剤としては、特に制限されないが、ラジカル重合時のラテックスの安定性に優れ、重合率を高められることから、サルコシン酸ナトリウム、脂肪酸カリウム、脂肪酸ナトリウム、アルケニルコハク酸ジカリウム、ロジン酸石鹸等のカルボン酸塩が好ましい。これらの中では、得られるグラフト共重合体(B)およびこれを含む熱可塑性樹脂組成物を高温成形した際にガス発生を抑制できることから、アルケニルコハク酸ジカリウムが好ましい。アルケニルコハク酸ジカリウムの具体的例としては、オクタデセニルコハク酸ジカリウム、ヘプタデセニルコハク酸ジカリウム、ヘキサデセニルコハク酸ジカリウム等が挙げられる。これらの乳化剤は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
重合の際には、得られるグラフト共重合体(A)の分子量やグラフト率を制御するため、各種公知の連鎖移動剤を添加してもよい。
重合条件は、例えば、30℃~95℃で1時間~10時間であってよい。
乳化重合で得られるグラフト共重合体(A)は、通常、ラテックスの状態である。
グラフト共重合体(A)のラテックスからグラフト共重合体(A)を回収する方法としては、例えば、グラフト共重合体(A)のラテックスを、凝固剤を溶解させた熱水中に投入することによってスラリー状に凝析する湿式法;加熱雰囲気中にグラフト共重合体(A)のラテックスを噴霧することによって半直接的にグラフト共重合体(A)を回収するスプレードライ法等が挙げられる。
湿式法に用いる凝固剤としては、硫酸、塩酸、リン酸、硝酸等の無機酸;塩化カルシウム、酢酸カルシウム、硫酸アルミニウム等の金属塩等が挙げられ、重合で用いた乳化剤に応じて選定される。例えば、乳化剤として脂肪酸石鹸やロジン酸石鹸等のカルボン酸石鹸のみが使用されている場合には、上述した凝固剤の1種以上を用いることができる。また、乳化剤としてアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム等の酸性領域でも安定な乳化力を示す乳化剤を使用した場合には、凝固剤としては金属塩が好適である。
湿式法を用いると、スラリー状のグラフト共重合体(A)が得られる。
スラリー状のグラフト共重合体(A)から乾燥状態のグラフト共重合体(A)を得る方法としては、まず残存する乳化剤残渣を水中に溶出させて洗浄し、次いで、このスラリーを遠心またはプレス脱水機等で脱水した後に気流乾燥機等で乾燥する方法;圧搾脱水機や押出機等で脱水と乾燥とを同時に実施する方法等が挙げられる。かかる方法によって、粉体または粒子状の乾燥グラフト共重合体(A)が得られる。
洗浄条件としては、特に制限されないが、乾燥後のグラフト共重合体(A)100質量%中に含まれる乳化剤残渣量が0.3質量%~2質量%の範囲となる条件で洗浄することが好ましい。グラフト共重合体(A)中の乳化剤残渣が0.3質量%以上であれば、得られるグラフト共重合体(A)およびこれを含む熱可塑性樹脂組成物の流動性がより向上する傾向にある。一方、グラフト共重合体(A)中の乳化剤残渣が2質量%以下であれば、熱可塑樹脂組成物を高温成形した際にガス発生を抑制できる。乳化剤残渣量は、例えば、洗浄時間等によって調整できる。
乾燥温度は、例えば、50℃~90℃であってよい。
得られたグラフト共重合体(A)中のゴム状重合体(a)の体積平均粒子径および体積基準の粒子径分布は、グラフト共重合体(A)の製造に用いたゴム状重合体(a)のラテックスにおけるゴム状重合体(a)の体積平均粒子径および体積基準の粒子径分布と同じである。
なお、圧搾脱水機や押出機から排出されたグラフト共重合体(A)を回収せず、直接、樹脂組成物を製造する押出機や成形機に送って成形品とすることも可能である。
「ビニル系単量体混合物(m2)」
ビニル系単量体混合物(m2)は、少なくともアルキル(メタ)アクリレート系単量体を含む単量体混合物である。
ビニル系単量体混合物(m2)は、アルキル(メタ)アクリレート系単量体の他に、これらと共重合可能な他の単量体を、本発明の効果を損なわない範囲で含んでもよい。
アルキル(メタ)アクリレート系単量体としては、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n-プロピル、メタクリル酸i-プロピル、メタクリル酸n-ブチル、メタクリル酸i-ブチル、メタクリル酸t-ブチル、メタクリル酸アミル、メタクリル酸イソアミル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸-2-エチルヘキシル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸フェニル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル等が挙げられる。アルキル(メタ)アクリレート系単量体としては、炭素数1~8の炭化水素基を有するアルキル(メタ)アクリレート系単量体が好ましい。成形品の耐熱性および耐衝撃性がさらに優れる点から、メタクリル酸メチルおよびメタクリル酸エチルの少なくとも1種が好ましい。アルキル(メタ)アクリレート系単量体は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
他の単量体としては、ビニル系単量体混合物(m1)の説明において先に例示した芳香族ビニル化合物や、シアン化ビニル化合物が挙げられる。他の単量体は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
ビニル系単量体混合物(m2)に含まれるアルキル(メタ)アクリレート系単量体の割合は特に制限されないが、ビニル系単量体混合物(m2)の総質量(100質量%)に対し、アルキル(メタ)アクリレート系単量体50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、90質量%以上がさらに好ましい。アルキル(メタ)アクリレート系単量体の含有率が前記範囲内であれば、成形品の耐衝撃性、発色性がさらに優れる。
「ビニル系共重合体(B)」
ビニル系共重合体(B)は、ビニル系単量体混合物(m2)を重合して得られる重合体である。
「ビニル系共重合体(B)の製造方法」
ビニル系共重合体(B)は、ビニル系単量体混合物(m2)の重合体であり、少なくともアルキル(メタ)アクリレート系単量体を含む。
ビニル系共重合体(B)の質量平均分子量(Mw)は、例えば5,000~500,000であってよい。
ビニル系共重合体(B)の質量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)を用いて測定された、標準ポリスチレン換算の値である。
ビニル系共重合体(B)は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
ビニル系共重合体(B)は、ビニル系単量体混合物(m2)を重合することによって得られる。ビニル系単量体混合物(m2)の重合方法は、特に制限されない。重合方法としては、公知の重合方法(乳化重合法、懸濁重合法、溶液重合法等)が挙げられる。
なお、ビニル系単量体混合物(m2)が2種以上の単量体を含む場合、得られるビニル系共重合体(B)は、典型的には、これら2種以上の単量体由来の単位がランダムに配列したランダム共重合体である。
乳化重合法によるビニル系共重合体(B)の製造方法としては、例えば、反応器内にビニル系単量体混合物(m2)と乳化剤と重合開始剤と連鎖移動剤とを仕込み、加熱して重合し、ビニル系共重合体(B)を含む水性分散体を得て、前記水性分散体から析出法によってビニル系共重合体(B)を回収する方法が挙げられる。
乳化重合の重合条件は、例えば、30℃~95℃で1時間~10時間であってよい。
乳化剤としては、通常の乳化重合用乳化剤(ロジン酸カリウム、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム等)が挙げられる。
重合開始剤としては、有機、無機の酸化物系開始剤が挙げられる。
連鎖移動剤としては、メルカプタン類、α-メチルスチレンダイマー、テルペン類等が挙げられる。
析出法としては、グラフト共重合体(A)のラテックスからグラフト共重合体(A)を回収するときと同様の方法を採用できる。
懸濁重合法によるビニル系共重合体(B)の製造方法としては、例えば、反応器内にビニル系単量体混合物(m2)と懸濁剤と懸濁助剤と重合開始剤と連鎖移動剤とを仕込み、加熱して重合し、スラリーを脱水、乾燥してビニル系共重合体(B)を回収する方法が挙げられる。
懸濁重合の重合条件は、例えば、60℃~150℃で1時間~20時間であってよい。
懸濁剤としては、トリカルシウムフォスファイト、ポリビニルアルコール等が挙げられる。
懸濁助剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム等が挙げられる。
重合開始剤としては、有機ペルオキシド類等が挙げられる。
連鎖移動剤としては、メルカプタン類、α-メチルスチレンダイマー、テルペン類等が挙げられる。
「金属成分(C)」
金属成分(C)は、アルカリ金属である。アルカリ金属の中でも、ナトリウム(Na)、カリウム(K)が好ましい。なお、金属成分(C)は、グラフト共重合体(A)やビニル系共重合体(B)の製造時に使用される金属成分由来のものであってもよく、後述する熱可塑性樹脂組成物の製造時に、金属成分を含む化合物として配合するものであってもよい。
「他の熱可塑性樹脂」
他の熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリアセタール、変性ポリフェニレンエーテル(変性PPE)、エチレン-酢酸ビニル共重合体、ポリアリレート、液晶ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、フッ素樹脂、ポリアミド(ナイロン)等が挙げられる。
「添加剤」
添加剤としては、例えば、酸化防止剤、滑剤、加工助剤、顔料、染料、充填剤、シリコーンオイル、パラフィンオイル等が挙げられる。
「各成分の含有量」
熱可塑性樹脂組成物中、グラフト共重合体(A)の含有量は、熱可塑性樹脂組成物の総質量(100質量部)に対して、20質量部~80質量部であることが好ましく、30質量部~70質量部であることがより好ましく、40質量部~60質量部であることがさらに好ましい。グラフト共重合体(A)の含有量が前記下限値以上であれば、成形品の機械的物性が良好となる。グラフト共重合体(A)の含有量が前記上限値以下であれば、成形品の発色性および成形外観が良好となる。
熱可塑性樹脂組成物中、金属成分(C)の含有量は、200ppm以上であり、400ppm以上が好ましく、400ppm~1700ppmがより好ましく、1000ppm~1700ppmがさらに好ましい。金属成分(C)の含有量が200ppm未満では、熱変色を抑制する効果が得られない。金属成分(C)の含有量が1000ppm以上であれば、熱変色を抑制する効果がより優れ、1700ppm未満であれば、成形品の外観が良好となる。
「熱可塑性樹脂組成物の製造方法」
熱可塑性樹脂組成物の製造方法は特に限定されない。例えば、グラフト共重合体(A)とビニル系共重合体(B)と金属成分(C)と、必要に応じてこれら以外の成分(その他の熱可塑性樹脂、添加剤)とを、V型ブレンダやヘンシェルミキサー等により混合分散させ、これにより得られた混合物をスクリュー式押出機、バンバリーミキサ、加圧ニーダ、ミキシングロール等の溶融混練機等を用いて溶融混練することにより熱可塑性樹脂組成物が製造される。溶融混練後に、必要に応じてペレタイザー等を用いて、溶融混練物をペレット化してもよい。
<作用効果>
以上説明した本実施形態の熱可塑性樹脂組成物にあっては、グラフト共重合体(A)と、ビニル系共重合体(B)と、金属成分(C)と、を含み、金属成分(C)の含有量が200ppm以上であり、グラフト共重合体(A)がゴム状重合体(a)20質量%~80質量%の存在下に1種以上のビニル系単量体混合物(m1)80質量%~20質量%を重合してなるグラフト重合体、ビニル系共重合体(B)がアルキル(メタ)アクリレート系単量体を含有するビニル系単量体混合物(m2)を重合してなるビニル系共重合体、金属成分(C)がアルカリ金属である金属成分である、熱可塑性樹脂組成物であるため、耐熱変色性に優れる成形品を得ることができる。
[成形品]
本発明の一実施形態に係る成形品は、本実施形態の熱可塑性樹脂組成物から構成される。言い換えれば、本実施形態の成形品は、本実施形態の熱可塑性樹脂組成物を公知の成形方法によって成形加工して得られる。
成形方法としては、例えば、射出成形法、プレス成形法、押出成形法、真空成形法、ブロー成形法等が挙げられる。
成形品の用途としては、車輌内外装部品、事務機器、家電、建材等が挙げられ、車輌外装部品が好適である。
以上説明した本実施形態の成形品にあっては、本実施形態の熱可塑性樹脂組成物を用いているため、耐熱変色性に優れる。
以下、具体的に実施例を示す。ただし、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。
以下に記載の「%」は「質量%」、「部」は「質量部」を意味する。
以下の実施例および比較例における各種測定および評価方法は、以下の通りである。
<熱変色の評価>
熱可塑性樹脂組成物のペレットを、30トン射出成形機(日精樹脂工業株式会社製「NEX30W-3E」)を用い、シリンダー設定温度230℃および280℃、金型温度60℃の条件で成形し、長さ80mm、幅55mm、厚み2mmの成形品を得た。
得られた230℃、280℃の両成形品について、紫外可視近赤分光光度計(日本分光株式会社製「V-670」)を用いて青から黄にかけての色味の強さを示すb*を、SCE方式にて測定し、熱変色の指標Δb*を下記式(1)から算出した。Δb*が小さいほど熱変色が抑制され良好である。
Δb*=b*(280℃)-b*(230℃) (1)
ただし、上記式(1)において、b*(230℃)は230℃成形品のb*値、b*(280℃)は280℃成形品のb*値である。
<成形外観の評価>
熱可塑性樹脂組成物のペレットを、85トン射出成形機(株式会社日本製鋼所製「J85AD-110H」)を用い、シリンダー設定温度260℃、金型温度60℃の条件で成形し、長さ100mm、幅100mm、厚み3mmの成形品を得た。得られた成形品の表面曇り状態を目視で判定した。評価の基準を以下に示す。
A:曇り無し
B:曇り有り
<金属成分の含有量>
上記、熱変色を評価した成形品について、蛍光X線装置(スペクトリス株式会社製「MagiX PRO」を用いて金属成分の定量を行い、熱可塑性樹脂組成物中に含まれるナトリウム(Na)、およびカリウム(K)の濃度を測定した。
<グラフト共重合体(A)>
(グラフト共重合体(A-1)の製造)
試薬注入容器、冷却管、ジャケット加熱機及び攪拌装置を備えた反応器内に、イオン交換水150部、ポリブタジエンラテックス(体積平均粒子径200nm)を固形分換算で40部、不均化ロジン酸カリウム0.3部を仕込み60℃に加熱後、硫酸第一鉄七水塩0.008部、ピロリン酸ナトリウム0.2部、結晶ブドウ糖0.1部を添加した。次いで、アクリロニトリル16部、スチレン44部、クメンハイドロパーオキサイド0.4部、t-ドデシルメルカプタン0.2部からなる混合液を120分間にわたって滴下し、重合した。滴下終了後、温度70℃の状態を60分保持した後、クメンハイドロパーオキサイド0.05部を添加し、さらに温度70℃の状態を30分保持した後、冷却し、ポリブタジエンに、アクリロニトリルとスチレンをグラフト重合させたポリブタジエン系のグラフト共重合体(A-1)のラテックスを得た。
次いで、ラテックスに酸化防止剤を添加し、1%硫酸水溶液150部を60℃に加熱し、この中へグラフト共重合体(A-1)のラテックス100部を徐々に滴下して凝固した。そして、析出物を分離し、脱水、洗浄した後に乾燥して、グラフト共重合体(A-1)を得た。
(グラフト共重合体(A-2)の製造)
試薬注入容器、冷却管、ジャケット加熱機および撹拌装置を備えた反応器内に、イオン交換水120部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム2部、ピロリン酸ナトリウム0.1部を窒素気流下で仕込み、60℃に昇温した。60℃になった時点から、アクリル酸n-ブチル60部、トリアリルイソシアヌレート0.5部、クメンヒドロパーオキサイド0.2部からなる混合物、およびナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.1部、硫酸第一鉄七水塩0.01部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩0.006部、イオン交換水5部からなる混合物を、120分間にわたって滴下し、重合した。滴下終了後、さらに2時間、60℃を維持した状態で熟成を行い、ポリブチルアクリレートラテックス(体積平均粒子径が250nm)を得た。
試薬注入容器、冷却管、ジャケット加熱機及び攪拌装置を備えた反応器内に、イオン交換水170部、ポリブチルアクリレートラテックスを固形分換算で60部を仕込み60℃に昇温した。60℃になった時点から、アクリロニトリル13部、スチレン27部、クメンハイドロパーオキサイド0.2部からなる混合物、およびナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.2部、硫酸第一鉄七水塩0.003部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩0.01部、イオン交換水5部からなる混合物を、120分間にわたって滴下し、重合した。滴下終了後、温度60℃の状態を30分保持した後、クメンヒドロパーオキシド0.05部を添加し、さらに30分保持した後、冷却し、グラフト共重合体(A-2)のラテックスを得た。
次いで、1.5%硫酸水溶液100部を80℃に加熱し、この中へグラフト共重合体(A-2)のラテックス100部を徐々に滴下して凝固した。そして、析出物を分離し、脱水、洗浄した後に乾燥して、グラフト共重合体(A-2)を得た。
<ビニル系共重合体(B)>
(ビニル系共重合体(B-1))
ポリメタクリル酸メチル「アクリペットVH5」(三菱ケミカル株式会社製、メタクリル酸メチル98部、メタクリル酸2部、質量平均分子量(Mw)7×10)をビニル系共重合体(B-1)として使用した。
<金属成分(C)>
(金属成分(C-1))
カリウムを含む化合物として、アルケニルコハク酸ジカリウム水溶液(商品名:ラテムルASK、花王株式会社製)を使用した。
<金属成分(C)>
(金属成分(C-2))
ナトリウムを含む化合物として、酢酸ナトリウム・3水和物(富士フィルム和光純薬株式会社製)を使用した。
[実施例1]
グラフト共重合体(A-1)45部、ビニル系共重合体(B-1)55部、金属成分(C-1)0.7部、エチレンビスステアリルアミド0.5部と、アデカスタブLA-36(株式会社ADEKA製)0.3部と、アデカスタブLA-63P(株式会社ADEKA製)0.3部と、着色剤として酸化チタン5部とをヘンシェルミキサーを用いて混合した。28mmφの真空ベント付き2軸押出機(株式会社日本製鋼所製「TEX-28V」)で、シリンダー温度240℃溶融混練後に、ペレタイザー(創研社製「SH型ペレタイザー」)を用いてペレット化した熱可塑性樹脂組成物を得た。得られた熱可塑性樹脂組成物を用いて、各種成形品を作製し、熱変色と成形外観を評価した。
なお、金属成分(C)の配合量、添加剤、および着色剤の配合量は、グラフト共重合体(A)とビニル系共重合体(B)の合計質量(100部)に対する割合である。
結果を表1に示す。
[実施例2~実施例7、比較例1、比較例2]
表1に示す配合処方に変更した以外は、実施例1と同様にして熱可塑性樹脂組成物を調製し、各種成形品を作製し、熱変色と成形外観を評価した。結果を表1に示す。
Figure 2022156007000001
実施例1~実施例7の熱可塑性樹脂組成物から得られた成形品は、耐熱変色性に優れる。
したがって、本発明の熱可塑性樹脂組成物を用いると、耐熱変色性に優れる成形品が得られることが分かる。
特に、実施例3~実施例5の熱可塑性樹脂組成物から得られた成形品は、実施例1、実施例2の熱可塑性樹脂組成物から得られた成型品より、さらに耐熱変色性に優れる。
また、実施例1~実施例4、実施例6、実施例7の熱可塑性樹脂組成物から得られた成形品は、成形外観にも優れる。
一方、比較例1、比較例2の熱可塑性樹脂組成物から得られた成形品は、耐熱変色性に劣る。
本発明の熱可塑性樹脂組成物を用いた成形品は、車輌内外装部品、事務機器、家電、建材等として有用であり、車輌外装部品として特に有用である。

Claims (2)

  1. 下記グラフト共重合体(A)と、下記ビニル系共重合体(B)と、下記金属成分(C)と、を含み、
    下記金属成分(C)の含有量が200ppm以上である、熱可塑性樹脂組成物。
    (A):ゴム状重合体(a)20質量%~80質量%の存在下に1種以上のビニル系単量体混合物(m1)80質量%~20質量%を重合してなるグラフト重合体
    (B):アルキル(メタ)アクリレート系単量体を含有するビニル系単量体混合物(m2)を重合してなるビニル系共重合体
    (C):アルカリ金属である金属成分
  2. 請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物から構成される、成形品。
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