JP6413705B2 - 樹脂組成物及びその成形体 - Google Patents

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Description

本発明は、エンジニアリングプラスチック、ガラス充填剤及びゴム含有グラフト重合体を含む樹脂組成物、及びこの樹脂組成物を成形してなる成形体に関する。
エンジニアリングプラスチックは、その優れた耐熱性により自動車部材や家電部材で採用されている。近年、自動車部材、家電部材を中心に軽量化、薄肉化の要望が高く、エンジニアリングプラスチックにガラス充填剤(ガラス繊維等)を配合した材料は曲げ強度に代表される剛性が改良されるため、好適に用いられる。
これらの材料は、ガラス充填剤とエンジニアリングプラスチックの密着性が良いほど剛性や耐熱性等の改良効果は大きい。しかしながらガラス充填剤の配合により耐衝撃性、特にノッチ強度が低下する。そのため衝撃強度の改善を目的としてこれらの材料にゴム含有グラフト重合体を配合することが考えられるが、従来開示されているゴム含有グラフト重合体を配合するとガラス充填剤とエンジニアリングプラスチックの密着性に悪影響を及ぼす。
特に成形体の寸法安定性が求められる分野では、吸水性の低い芳香族ポリカーボネート樹脂にガラス充填剤を配合し対応する例が多くなっている。しかしながら芳香族ポリカーボネート樹脂とガラス充填剤に従来開示されているゴム含有グラフト重合体を配合してもノッチ強度の改良効果は特に少なく、その一方、曲げ強度等の剛性は低下する。
ゴム含有グラフト重合体は、一般的に乳化重合で製造され、カルシウム系の塩もしくは酸によって回収して得られる。エンジニアリングプラスチック用ゴム含有グラフト重合体の回収はカルシウム系の塩を使う場合が多い。しかし、ガラス充填剤と樹脂の密着性はカルシウムが存在する場合に低下する。
特許文献1にはカルシウム系の塩で塩析したと考えられるゴム含有グラフト重合体(カルシウムを少なくとも1000ppmより多く含む)を10質量部程度エンジニアリングプラスチックとガラス充填剤に配合した例を開示している。
ゴム含有グラフト重合体は脂肪酸系のアルカリ金属塩を乳化剤として乳化重合することもできる。そのため塩析ではなく酸凝固にてゴム含有グラフト重合体を回収することができる。脂肪酸系の乳化剤は酸によって脂肪酸に変化し親水性が低下するため、ラテックス中のゴム含有グラフト重合体が凝集する。それを脱水、洗浄、乾燥し、ゴム含有グラフト重合体の粉体として回収できる。特許文献2には脂肪酸系乳化剤にて作成したゴム含有グラフト重合体を含むラテックスを酸によって回収したゴム含有グラフト重合体の粉体を、芳香族ポリカーボネート樹脂とガラス充填剤に配合した例を開示している。しかしながら脂肪酸もガラスと樹脂との密着性を低下する方向に働く。
特表2004−514782公報 特開2007−211157公報
本発明者らが検討を行った結果、ガラス充填剤と樹脂との密着性を低下するカルシウムや脂肪酸を含まないようにゴム含有グラフト重合体を製造し、これをエンジニアリングプラスチックとガラス充填剤の樹脂組成物中に配合することでガラス充填剤と樹脂との密着性を低下させることなく、ゴムを樹脂中に配合することが可能であり、成形体の剛性、とりわけ曲げ強度及び破断伸びを低下させることなく、シャルピー衝撃強度等の機械的強度を発現できることを発見した。
前記課題は以下の本発明[1]〜[]のいずれかによって解決される。
〔1〕 エンジニアリングプラスチック(A)、ガラス充填剤(B)ゴム含有グラフト重合体(C)及びアルカリ金属と強酸との塩(D)を含む樹脂組成物であって、
エンジニアリングプラスチック(A)、ガラス充填剤(B)及びゴム含有グラフト重合体(C)の合計100質量部に対して、脂肪酸の含有量が0.03質量部以下であり、カルシウムの含有量が0.0100質量部以下であり、
前記ゴム含有グラフト重合体(C)の含有量が、エンジニアリングプラスチック(A)、ガラス充填剤(B)及びゴム含有グラフト重合体(C)の合計100質量%中、0.25〜7.5質量%であり、
前記アルカリ金属と強酸との塩(D)の含有量が、エンジニアリングプラスチック(A)、ガラス充填剤(B)及びゴム含有グラフト重合体(C)の合計100質量部に対して、0.1質量部未満である樹脂組成物。
〔2〕 エンジニアリングプラスチック(A)、ガラス充填剤(B)ゴム含有グラフト重合体(C)及びアルカリ金属と強酸との塩(D)を含む樹脂組成物であって、
ゴム含有グラフト重合体(C)中に含まれる脂肪酸の量が1質量%以下であり、
エンジニアリングプラスチック(A)、ガラス充填剤(B)及びゴム含有グラフト重合体(C)の合計100質量部に対して、カルシウムの含有量が0.0100質量部以下であり、
前記ゴム含有グラフト重合体(C)の含有量が、エンジニアリングプラスチック(A)、ガラス充填剤(B)及びゴム含有グラフト重合体(C)の合計100質量%中、0.25〜7.5質量%であり、
前記アルカリ金属と強酸との塩(D)の含有量が、エンジニアリングプラスチック(A)、ガラス充填剤(B)及びゴム含有グラフト重合体(C)の合計100質量部に対して、0.1質量部未満である樹脂組成物
〔3〕 前記ゴム含有グラフト重合体(C)が、アルカリ金属と強酸との塩(D)を含むゴムラテックスの存在下でビニル単量体を乳化重合して得られるゴム含有グラフト重合体ラテックスを、凝析剤を用いて凝析回収して又は噴霧回収して得られたものである前記〔1〕又は2〕に記載の樹脂組成物。
〕 前記カルシウムの含有量が0.0002質量部以下である前記〔1〕〜〔〕のいずれかに記載の樹脂組成物。
〕 前記エンジニアリングプラスチック(A)が芳香族ポリカーボネート樹脂である前記〔1〕〜〔〕のいずれかに記載の樹脂組成物。
〕 前記アルカリ金属と強酸との塩(D)がナトリウムとスルホン酸との塩である前記〔〕〜〔〕のいずれかに記載の樹脂組成物。
〕 前記ガラス充填剤(B)の含有量が、エンジニアリングプラスチック(A)、ガラス充填剤(B)及びゴム含有グラフト重合体(C)の合計100質量%中、5〜40質量%である前記〔1〕〜〔〕のいずれかに記載の樹脂組成物。
〕 前記ゴム含有グラフト重合体(C)が、ブタジエンゴム、スチレン・ブタジエン共重合ゴム及びシリコーン・アクリル複合ゴムから選ばれる一種以上のゴムを含む前記〔1〕〜〔〕のいずれかに記載の樹脂組成物。
〕 前記〔1〕〜〔〕のいずれかに記載の樹脂組成物を成形してなる成形体。
本発明によれば、従来困難であった樹脂とガラス充填剤の密着性を向上させつつ、樹脂中にゴムを分散し、成形体の機械的物性を改良することができる。
図1は、実施例3の成形体のシャルピー衝撃試験後の破断面である。 図2は、実施例4の成形体のシャルピー衝撃試験後の破断面である。 図3は、実施例5の成形体のシャルピー衝撃試験後の破断面である。 図4は、比較例1の成形体のシャルピー衝撃試験後の破断面である。 図5は、比較例2の成形体のシャルピー衝撃試験後の破断面である。 図6は、比較例3の成形体のシャルピー衝撃試験後の破断面である。
[エンジニアリングプラスチック(A)]
本発明の樹脂組成物において、エンジニアリングプラスチック(A)としては、従来知られている各種の熱可塑性エンジニアリングプラスチックを用いることができる。本発明において、「エンジニアリングプラスチック」とは、0.45MPaの荷重下でISO−75に準拠した方法で測定した荷重たわみ温度(HDT)が100℃以上のものをいう。例えば、ポリフェニレンエーテル、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系重合体、シンジオタクチックポリスチレン、6−ナイロン、6,6−ナイロン等のナイロン系重合体、ポリアリレート、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリアセタールを例示することができる。
また、耐熱性に優れ、溶融流動性を有する耐熱ABS等の特殊なスチレン系樹脂や耐熱アクリル系樹脂等であって前記荷重たわみ温度(HDT)を示す樹脂も本発明のエンジニアリングプラスチック(A)として例示することができる。これらの中でも、耐熱性と薄肉寸法安定性という点で、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂等が好ましく、芳香族ポリカーボネート樹脂がより好ましい。また、これらは、単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
芳香族ポリカーボネート樹脂としては、4,4’−ジヒドロキシジフェニル−2,2−プロパン(すなわちビスフェノールA)系ポリカーボネート等の4,4’−ジオキシジアリールアルカン系ポリカーボネートが挙げられる。
上記エンジニアリングプラスチック(A)の分子量は、所望に応じて適宜設定することができ、特に制限はない。ただし、エンジニアリングプラスチック(A)が芳香族ポリカーボネート樹脂の場合、粘度平均分子量が15000から30000であると樹脂組成物の成形加工性が良好で、得られる成形体の耐衝撃性が良好である。粘度平均分子量が15000以上であれば樹脂組成物の射出成型時の成形体の金型離形時の割れが少なく、かつ得られた成形体の衝撃強度が良好である点で好ましい。粘度平均分子量が30000以下であれば、樹脂組成物が通常の押出成型、射出成型で成形できる溶融粘度となり、好ましい。尚、「粘度平均分子量」は、粘度法もしくはゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)法からの粘度換算で算出される。
エンジニアリングプラスチック(A)は、公知の方法で製造することができる。例えば、4,4’−ジヒドロキシジフェニル−2,2−プロパン系ポリカーボネートを製造する場合には、4,4’−ジヒドロキシジフェニル−2,2−プロパンを原料として用い、アルカリ水溶液および溶剤の存在下にホスゲンを吹き込んで反応させる方法や、4,4’−ジヒドロキシジフェニル−2,2−プロパンと炭酸ジエステルとを、触媒の存在下にエステル交換させる方法が挙げられる。
[ガラス充填剤(B)]
本発明においてガラス充填剤(B)は、ケイ酸塩を主成分とする物質であり、層状珪酸塩、タルク、マイカ、シリカ等の多孔質粒子、ガラス(ガラス繊維、ミルドガラス、ガラスフレーク、ガラスビーズなど)等が挙げられる。
[ゴム含有グラフト重合体(C)]
本発明の樹脂組成物を構成するゴム含有グラフト重合体(C)は、「ゴム状重合体」に対して「ビニル系単量体」がグラフト重合されたものである。
ゴム状重合体としては、ガラス転移温度が0℃以下のものを用いることができる。ゴム状重合体のガラス転移温度が0℃以下であれば、本発明の樹脂組成物から得られる成形体のシャルピー衝撃試験の値で表される衝撃強度が改善される。ゴム状重合体としては、具体的には以下のものが挙げられる。ブタジエンゴム、スチレン・ブタジエン共重合ゴム、シリコーンゴム、シリコーン・アクリル複合ゴム(ジメチルシロキサンを主体とする単量体から得られるゴム状重合体の存在下に、ビニル系単量体の1種または2種以上を重合させて得られるもの)、アクリロニトリル・ブタジエン共重合ゴム、ポリアクリル酸ブチル等のアクリル系ゴム、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、エチレン・プロピレンゴム、エチレン・プロピレン・ジエン三元共重合ゴム、スチレン・ブタジエンブロック共重合ゴム、スチレン・イソプレンブロック共重合ゴム等のブロック共重合体、およびそれらの水素添加物等。寒冷地においてはより低温(−20℃以下)での成形体の衝撃強度の改良が求められるので、ゴム含有グラフト重合体(C)は、よりガラス転移温度の低いゴムであるブタジエンゴム、スチレン・ブタジエン共重合ゴム、シリコーン・アクリル複合ゴムの1種以上を含むことが好ましい。
ゴム状重合体に対してグラフト重合されるビニル系単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物、アクリル酸メチル、アクリル酸ブチル等のアクリル酸エステル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル等のメタクリル酸エステル等が挙げられる。これらの単量体は、1種単独で又は2種以上を組み合せて用いても良い。ビニル系単量体を重合(単独重合もしくは2種以上を組み合わせて共重合)して得られる重合体もしくは共重合体のガラス転移温度が70℃以上となるようにビニル系単量体を選択することが、その後の凝析工程から得られる粉体特性(粉の流動性や粒子径)の点から好ましい。このガラス転移温度は80℃以上がより好ましく、80℃から90℃の範囲がさらに好ましい。例えばメタクリル酸メチルとアクリル酸ブチルとの共重合体、スチレンとアクリロニトリルとの共重合体は、ガラス転移温度が80℃から90℃の範囲であり、好適に用いられる。
ゴム含有グラフト重合体(C)は、通常、乳化剤と水の存在下でゴム状重合体をラテックス状態とし、そこにビニル系単量体を添加してグラフト重合させて得ることができる。
重合の際に使用される重合開始剤としては、過酸化物やアゾ系開始剤等が挙げられる。
重合の際に使用される乳化剤としては、脂肪酸、スルホン酸、硫酸、リン酸等の酸のアルカリ金属塩等が挙げられる。乳化剤としては、エンジニアリングプラスチックとガラス充填剤との密着性が良好である理由から、スルホン酸、硫酸、リン酸等の強酸のアルカリ金属塩が好ましい。また、ラテックスの安定性に優れ、かつゴム含有グラフト重合体中に存在してもエンジニアリングプラスチックを熱劣化させ難いという理由から、スルホン酸、硫酸、リン酸を含有する有機酸のアルカリ金属塩がより好ましい。
[アルカリ金属と強酸との塩(D)]
本発明の樹脂組成物中に含有されるアルカリ金属と強酸との塩(D)は、ゴム含有グラフト重合体(C)の重合の際に使用される乳化剤等としてゴム含有グラフト重合体(C)にあらかじめ含まれていてもよく、エンジニアリングプラスチック(A)、ガラス充填剤(B)及びゴム含有グラフト重合体(C)を含む樹脂組成物に対して後添加してもよい。
本発明において強酸とは、pKa(−logKa:Ka(酸解離定数))が2以下のものを指す。例えば、塩化水素、硫酸、リン酸、硝酸、スルホン酸等があげられる。また、本発明においてアルカリ金属とは、周期表で1族に該当する元素の内、水素以外の元素であり、ナトリウム、カリウム等が該当する。
アルカリ金属と強酸との塩(D)としては、スルホン酸、硫酸、リン酸のアルカリ金属塩が好ましく、例えば以下のものが挙げられる。過硫酸カリウム、過硫酸ソーダ;パーフルオロアルカンスルホン酸のアルカリ金属塩、好ましくは炭素数1〜19の、より好ましくは炭素数4〜8のパーフルオロアルカン基を有するスルホン酸などのナトリウム塩またはカリウム塩(例えば、パーフルオロブタンスルホン酸、パーフルオロメチルブタンスルホン酸、パーフルオロオクタンスルホン酸などのナトリウム塩またはカリウム塩);第一リン酸のナトリウム塩またはカリウム塩、第2リン酸のナトリウム塩またはカリウム塩、第3リン酸のナトリウム塩またはカリウム塩;スルホン酸、硫酸、リン酸を含有する有機酸のアルカリ金属塩、より好ましくはアルキルスルホン酸またはアルキルアリールスルホン酸のナトリウム塩またはカリウム塩;アルキル硫酸またはアルキルアリール硫酸のナトリウム塩またはカリウム塩;アルキルリン酸またはアルキルアリールリン酸のナトリウム塩またはカリウム塩等。ラテックスの安定性に優れ、かつゴム含有グラフト重合体(C)中に存在してもエンジニアリングプラスチック(A)の熱劣化への悪影響が少ないことから、スルホン酸、硫酸、リン酸を含有する有機酸のアルカリ金属塩が好ましい。アルキルスルホン酸またはアルキルアリールスルホン酸のナトリウム塩またはカリウム塩、アルキル硫酸またはアルキルアリール硫酸のナトリウム塩またはカリウム塩、アルキルリン酸またはアルキルアリールリン酸のナトリウム塩またはカリウム塩、これらの混合物がより好ましい。
アルカリ金属と強酸との塩(D)として、具体的には以下のものが挙げられる。ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、オクチルベンゼンスルホン酸カリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、アルキルナフチルスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、C8−C16アルキル化ジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ヘキシルリン酸カリウム、ドデシルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキル(12〜15)エーテルリン酸ナトリウム、及び、これらの混合物など。ナトリウムとスルホン酸との塩は、カーボネート結合やエステル結合などの加水分解を促進しないことから好ましく、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムやアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム等のアルキルスルホン酸ナトリウムがより好ましい。アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムが芳香族ポリカーボネート樹脂との相溶性や熱劣化させないことから特に好ましい。
[脂肪酸]
本発明において脂肪酸とは、カルボン酸を含む炭化水素化合物をいう。乳化剤として脂肪酸のアルカリ金属塩を用いた場合、得られたゴム含有グラフト重合体(C)のラテックス中に、強酸凝析剤として硫酸、リン酸などを加えると、乳化剤である脂肪酸のアルカリ金属塩が水溶性の低い脂肪酸へと変わる。その結果、ゴム含有グラフト重合体(C)と水が分離するので、ゴム含有グラフト重合体(C)を回収できる。よって、この場合は、製造したゴム含有グラフト重合体(C)中に脂肪酸が含まれている。脂肪酸はガラス充填剤とエンジニアリングプラスチックとの密着性に影響を与えることから、ゴム含有グラフト重合体(C)中に含まれる脂肪酸の量は1質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以下であることがより好ましく、0.25質量%以下であることがさらに好ましく、0.1質量%以下であることが特に好ましく、0.03質量%以下であることが最も好ましい。
脂肪酸の検出法については、例えばカルボン酸をエステル化処理し、最適な溶媒で抽出し、ガスクロマトグラフィーにて検出、定量する方法が挙げられる。
脂肪酸のアルカリ金属塩である重合乳化剤としては、パルチミン酸、ステアリン酸、オレイン酸、アルケニルコハク酸ジカリウム、ロジン酸のアルカリ金属塩が工業的に多く用いられている。従って、製法が不明のゴム含有グラフト重合体(C)の商品においては、パルチミン酸、ステアリン酸、オレイン酸、アルケニルコハク酸ジカリウム、ロジン酸に限定して、脂肪酸の量を定量することができる。ゴム含有グラフト重合体(C)中に含まれるパルチミン酸、ステアリン酸、オレイン酸、アルケニルコハク酸ジカリウム、ロジン酸の量が前述の通り(1質量%以下)であることが好ましい。
ゴム含有グラフト重合体(C)に含まれる脂肪酸の量を1質量%以下とするには、ゴム含有グラフト重合体(C)を重合する際に、仕込みの段階で、ゴム含有グラフト重合体(C)と「脂肪酸を含む乳化剤」(脂肪酸のアルカリ金属塩)との合計100質量%中の、「脂肪酸を含む乳化剤」を1質量%以下にすることが好ましい。あるいは、「脂肪酸を含む乳化剤」の代わりに他の乳化剤を使用することが好ましい。具体的には、アルカリ金属と強酸との塩(D)である重合乳化剤と純水の存在下で上記に掲げたゴム状重合体を重合し、次いでビニル系単量体をグラフト重合することが、ゴム含有グラフト重合体(C)中における脂肪酸の量を低減させる点で好ましい。
本発明の樹脂組成物において、エンジニアリングプラスチック(A)、ガラス充填剤(B)及びゴム含有グラフト重合体(C)の合計100質量部に対して、脂肪酸の含有量が0.03質量部以下であることが、エンジニアリングプラスチック(A)とガラス充填剤(B)の密着性が良好であるという点で好ましい。また、パルチミン酸、ステアリン酸、オレイン酸、アルケニルコハク酸ジカリウム、ロジン酸が検出されない(0.01質量部以下)ことがより好ましい。
[ゴム含有グラフト重合体(C)の回収]
グラフト重合によって得られたラテックス状態のゴム含有グラフト重合体(C)は、凝析し洗浄した後に乾燥することにより、または、噴霧回収することによって粉体として得ることができる。
ゴム含有グラフト重合体(C)は、アルカリ金属と強酸との塩(D)を含むゴムラテックスの存在下でビニル単量体を乳化重合して得られるゴム含有グラフト重合体ラテックスを、凝析剤を用いて凝析回収して得られたものであること、又は、噴霧回収して得られたものであることが好ましく、噴霧回収して得られたものであることがより好ましい。
アルカリ金属と強酸との塩(D)を乳化剤としてグラフト重合し、噴霧回収する場合は、乳化剤がアルカリ金属と強酸との塩(D)の状態でゴム含有グラフト重合体(C)に存在するため、好ましい。
アルカリ金属と強酸との塩(D)を乳化剤としてグラフト重合し、凝析法で回収する場合、凝析剤としてアルカリ土類金属(2族)またはアルミニウム等の土類金属(13族)を含む塩(塩化カルシウム、酢酸カルシウム、硫酸アルミニウム等)を使用し、洗浄の際に大量の水を用い、遠心分離機等を活用してスラリー中の水分を充分に取り除くことが好ましい。前記の凝析剤を用いる理由は、凝析剤として酸を使用するには、「アルカリ金属と強酸との塩(D)」の「強酸」よりもpKaの低い酸を使用する必要があるが、そのような強酸がゴム含有グラフト重合体(C)に残存すると、エンジニアリングプラスチック(A)を劣化させるためである。前記の凝析剤を用いた凝析の過程においては、乳化剤として使用された「アルカリ金属と強酸との塩(D)」が「アルカリ土類金属と強酸の塩」または「土類金属(13族)と強酸との塩」に変わる。アルカリ土類金属と強酸の塩、及び土類金属(13族)と強酸との塩は、水溶性が低いため、ラテックス中のポリマー粒子を凝集させることができる。その結果、ゴム含有グラフト重合体(C)と水が分離するのでゴム含有グラフト重合体(C)を回収できる。凝集物を洗浄し乾燥すればゴム含有グラフト重合体(C)の粉体が得られる。しかしながらアルカリ金属と強酸との塩(D)に比べ、アルカリ土類金属と強酸の塩、または、アルミニウム等の土類金属(13族)と強酸との塩は、エンジニアリングプラスチック(A)とガラス充填剤(B)との密着性を低下させる。特にカルシウムはその密着性を顕著に低下させる。そのため、凝集したポリマー粒子(スラリー)を水等で洗浄することが好ましい。
[樹脂組成物]
本発明の樹脂組成物はエンジニアリングプラスチック(A)、ガラス充填剤(B)及びゴム含有グラフト重合体(C)を含む組成物である。
本発明の樹脂組成物において、エンジニアリングプラスチック(A)の含有量は、エンジニアリングプラスチック(A)、ガラス充填剤(B)及びゴム含有グラフト重合体(C)の合計100質量%中、95〜60質量%が好ましい。その含有量は、80〜60質量%がより好ましく、80〜70質量%がさらに好ましい。エンジニアリングプラスチック(A)の含有量が60質量%以上であれば、樹脂組成物の成形加工性が容易であり、95質量%以下であれば、樹脂組成物の成形体は十分な曲げ特性(強度・弾性率)を有する。
本発明の樹脂組成物において、ガラス充填剤(B)の含有量は、エンジニアリングプラスチック(A)、ガラス充填剤(B)及びゴム含有グラフト重合体(C)の合計100質量%中、5〜40質量%が好ましい。その含有量は、10〜40質量%がより好ましく、20〜30質量%がさらに好ましい。ガラス充填剤(B)の含有量が5質量%以上であれば、樹脂組成物の成形体は十分な曲げ特性(強度・弾性率)を有することができ、40質量%以下であれば、樹脂組成物の成形体はシャルピー衝撃強度と曲げ特性のバランスが十分なものとなる。
本発明の樹脂組成物において、ゴム含有グラフト重合体(C)の含有量は、エンジニアリングプラスチック(A)、ガラス充填剤(B)及びゴム含有グラフト重合体(C)の合計100質量%中、0.25〜15質量%が好ましい。その含有量は、0.25〜7.5質量%がより好ましく、1〜3質量%がさらに好ましい。ゴム含有グラフト重合体(C)のの含有量が0.25質量%以上であると、樹脂組成物の成形体は衝撃強度の改良効果がある。その含有量が15質量%以下であれば成形体は、曲げ特性(強度・弾性率)の著しい低下がなく衝撃強度の改良ができる。
本発明の樹脂組成物において、エンジニアリングプラスチック(A)、ガラス充填剤(B)及びゴム含有グラフト重合体(C)の合計100質量部に対して、脂肪酸の含有量が0.03質量部以下であることが、エンジニアリングプラスチック(A)とガラス充填剤(B)の密着性が良好であるという点で好ましい。パルチミン酸、ステアリン酸、オレイン酸、アルケニルコハク酸ジカリウム、ロジン酸が検出されないこと(0.01質量部以下)がより好ましい。
本発明の樹脂組成物において、アルカリ金属と強酸との塩(D)の含有量は、エンジニアリングプラスチック(A)、ガラス充填剤(B)及びゴム含有グラフト重合体(C)の合計100質量部に対して、0.005〜0.2質量部であることが好ましい。この含有量は0.1質量部未満であることがより好ましく、0.02〜0.09質量部であることがさらに好ましい。この含有量が、0.005質量部以上であるとエンジニアリングプラスチック(A)とガラス充填剤(B)との密着性が改良される。この含有量が0.2質量部以下であれば、樹脂組成物の成形時の熱劣化が低減され、衝撃強度や曲げ特性(弾性率・強度)が優れる。
アルカリ金属と強酸との塩(D)は、ゴム含有グラフト重合体(C)のグラフト重合乳化剤等としてあらかじめ含まれていてもよく、エンジニアリングプラスチック(A)、ガラス充填剤(B)及びゴム含有グラフト重合体(C)を含む樹脂組成物に対して後添加してもよい。
[カルシウム]
樹脂組成物中のカルシウムは、エンジニアリングプラスチック(A)とガラス充填剤(B)との密着性を低下させ、かつ成形時の熱劣化を増長し、また成形体の高温高湿下での耐加水分解性を悪化させる。しかし、エンジニアリングプラスチック(A)、ガラス充填剤(B)及びゴム含有グラフト重合体(C)の合計100質量部中に含まれるカルシウムが0.0100質量部以下(100ppm以下)であれば、上述の成形時の熱劣化や加水分解性は問題とならないため、衝撃強度や曲げ特性(弾性率・強度)が優れる。
さらにアルカリ金属と強酸との塩(D)を前述した範囲にて配合すれば、ガラスと樹脂の密着性が維持され、カルシウム量が少ない場合は密着性が改良される。最適な熱安定剤を配合すれば通常の押出・成形条件であれば問題なく成形できる。
そのため、樹脂組成物中のカルシウムが少ないほどエンジニアリングプラスチック(A)とガラス充填剤(B)の密着性は改良し、かつ成形時の熱劣化もさらに低減する。エンジニアリングプラスチック(A)、ガラス充填剤(B)及びゴム含有グラフト重合体(C)の合計100質量部に対して、カルシウムの含有量が0.0045質量部以下であればエンジニアリングプラスチック(A)とガラス充填剤(B)の密着性に影響しにくいことから好ましい。またカルシウムの含有量が0.0002質量部以下であればエンジニアリングプラスチック(A)、ガラス充填剤(B)及びゴム含有グラフト重合体(C)を含む樹脂組成物の曲げ強度やシャルピー衝撃強度等の衝撃強度をより改善するためさらに好ましい。
樹脂組成物中のカルシウムの含有量を少なくするために、ゴム含有グラフト重合体(C)を噴霧回収して粉体を得ることが好ましい。ゴム含有グラフト重合体(C)を凝析して回収する場合、カルシウムを含まない凝析剤を選ぶこと、または凝析して得られた粉体を充分に水洗することが好ましい。
[その他の添加剤等]
本発明の樹脂組成物は、上記の材料の他、本発明の目的を損なわない範囲で、周知の種々の添加剤、例えば、安定剤、難燃剤、難燃助剤、加水分解抑制剤、帯電防止剤、発泡剤、染顔料等を含有することができる。
[配合方法]
本発明の樹脂組成物の調製する際の各材料の配合方法としては、公知のブレンド方法が挙げられ、特に限定されない。例えばタンブラー、V型ブレンダー、スーパーミキサー、ナウターミキサー、バンバリーミキサー、混練ロール、押出機等で混合・混練する方法が挙げられる。また、例えば塩化メチレン等のエンジニアリングプラスチック(A)とガラス充填剤(B)及びゴム含有グラフト重合体(C)の共通の良溶媒に溶解させた状態で混合する溶液ブレンド方法等が挙げられる。
[成形体]
本発明の樹脂組成物は、公知の成形方法によって、所望形状の成形体とすることができる。樹脂組成物は、直接に、或いは溶融押出機で一旦ペレット状にしてから、押出成形法、射出成形法、圧縮成形法等によって成形することができる。成形体は、特に限定されず、自動車分野や家電分野等における各種部材(テレビフレーム、パソコンの筐体、車両用内装部材(インパネ等)、車両用外装部材(フェンダー、ピラー等)等)が挙げられる。
以下、製造例及び実施例により本発明を更に詳細に説明する。製造例1〜10は、ゴム状重合体及びゴム含有グラフト重合体(C)等の製造例である。尚、「部」は「質量部」を意味し、「%」は「質量%」を意味する。
<製造例1>
オクタメチルシクロテトラシロキサン97.5部、γ−メタクリロイルオキシプロピルジメトキシメチルシラン0.5部及びテトラエトキシシラン2.0部を混合してシロキサン混合物100部を得た。これに、脱イオン水180部にドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(DBSNa)0.67部を溶解した溶液を添加し、ホモミキサーにて10,000rpmで5分間攪拌した。次いで、ホモジナイザーに20MPaの圧力で2回通過させて、シロキサンラテックスを得た。
冷却管、温度計及び攪拌装置を備えたセパラブルフラスコに上記のシロキサンラテックスを投入し、更に触媒としてドデシルベンゼンスルホン酸0.5部を添加し、シロキサンラテックス組成物を得た。次いで、得られたシロキサンラテックス組成物を80℃に加熱した状態で8時間温度を維持してオルガノシロキサンを重合させた。
重合後、重合物を冷却して、5%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpH7.0に中和し、POSi(S−1)のラテックスを得た。POSi(S−1)のラテックスの固形分は35.5%、質量平均粒子径は220nmであった。
<製造例2>
製造例1で得られたPOSi(S−1)のラテックス28.5部(仕込みモノマー成分として10部)を、冷却管、温度計、窒素導入管及び攪拌装置を備えたセパラブルフラスコに投入し、更に表1に示す「成分1」を添加、混合した。
このセパラブルフラスコに窒素気流を通じることによりフラスコ内雰囲気の窒素置換を行ない、70℃まで昇温した。液温が70℃となった時点で表1に示す「成分2」の混合液を添加し、重合を開始させた。その後、内温70℃で10分間保持した。
更に表1に示す「成分3」の混合液を強制乳化させ、150分間かけて滴下した。その後60分間保持し、表1に示す「成分4」の混合液を添加し、更に表1に示す「成分5」の混合液を60分間かけて滴下し、90分間保持した。
得られたシリコーン系重合体含有ビニル重合体のラテックスを、アトマイザー式噴霧乾燥機(大川原化工機(株)製、商品名;L−8型スプレードライヤー)を用いて、乾燥用加熱ガスの入口温度140℃及び出口温度65℃で噴霧乾燥して、ゴム含有グラフト重合体(Csa−1)の粉体を得た。
<製造例3>
表2に示す「成分1」を配合した水溶液を30℃に設定し、その水溶液中に製造例2で得られたラテックスを投入し、液温を80℃に昇温し、塩析した。凝集ポリマーを回収し、脱イオン水1500部に浸し、脱水する工程を2度繰り返し、80℃で一晩乾燥して、ゴム含有グラフト重合体(Csa−2)の粉体を得た。
<製造例4>
製造例1で得られたPOSi(S−1)のラテックス28.5部(仕込みモノマー成分として10部)を、冷却管、温度計、窒素導入管及び攪拌装置を備えたセパラブルフラスコに投入し、更に表3に示す「成分1」を添加、混合した。
このセパラブルフラスコに窒素気流を通じることによりフラスコ内雰囲気の窒素置換を行ない、50℃まで昇温した。液温が50℃となった時点で表3に示す「成分2」の混合液を添加し、重合を開始させた。その後、液温65℃で30分間保持した。さらに表3に示す「成分3」の混合液を30分間かけて滴下し、60分間保持した。ラテックスを得た。
表3に示す「成分4」配合した水溶液を30℃に設定し、その水溶液中に前記ラテックスを投入し、液温を80℃に昇温し、塩析した。凝集ポリマーを回収し、80℃で一晩乾燥して、ゴム含有グラフト重合体(Csa−3)の粉体を得た。
<製造例5>
表4に示す「成分1」を攪拌機および還流冷却管を備えた反応容器に仕込み、70℃で1.5時間加熱攪拌し、重合させた。引き続き、表4に示す「成分2」からなる混合物を1時間かけて滴下し、その後1時間加熱攪拌を続けて、酸基含有共重合体ラテックスを得た。
<製造例6>
表5に示す「成分1」を80℃で溶解させた。次いで表5に示す「成分2」の水溶液を上記の溶液に投入し強制乳化させ、安定剤のエマルションを調製した。
<製造例7>
(1)ブタジエン系ゴム質重合体ラテックス(R−1)の製造
第一単量体混合液として表6に示す「成分1」を容量70Lのオートクレーブ内に仕込み、昇温して、液温が43℃になった時点で、表6に示す「成分2」のレドックス系開始剤を添加して反応を開始し、その後さらに液温を65℃まで昇温した。重合開始から3時間後に表6に示す「成分3」の重合開始剤を添加し、その1時間後から「成分4」の第二単量体混合液、「成分5」の乳化剤水溶液、「成分6」の重合開始剤を8時間かけて連続的に滴下した。
重合開始から4時間反応させて、ブタジエン系ゴム質重合体ラテックス(R−1)を得た。このブタジエン系ゴム質重合体の質量平均粒子径は170nmであり、dw/dn=1.2であった。
このジエン系ゴム質重合体ラテックス219部(仕込みモノマー成分として77.5部)を、攪拌機および還流冷却管を備えた反応容器内に仕込み、表7に示す「成分1」を添加した。次いで、反応容器を55℃に昇温し、表7に示す「成分2」からなる水溶液を加え、引き続き、表7に示す「成分3」の混合物を60分間かけて滴下し、さらに60分間加熱攪拌を続けた。引き続き表7に示す「成分4」の混合物を60分間かけて滴下し、さらに60分間加熱攪拌を続けた。このようにして、ブタジエン重合体含有ビニル重合体のラテックスを得た。
<製造例8>
製造例7で得られたブタジエン重合体含有ビニル重合体のラテックス243.9部に、製造例6の安定剤のエマルションを2.2部配合して、混合した。次いで、アトマイザー式噴霧乾燥機(大川原化工機(株)製、商品名;L−8型スプレードライヤー)を用いて、乾燥用加熱ガスの入口温度140℃及び出口温度65℃で噴霧乾燥して、ゴム含有グラフト重合体(Cba−4)の粉体を得た。
<製造例9>
製造例7で得られたブタジエン重合体含有ビニル重合体のラテックスに243.9部に、製造例6の安定剤のエマルションを2.2部配合して混合した。さらにアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム(SS−L)を0.5部配合した。次いで、アトマイザー式噴霧乾燥機(大川原化工機(株)製、商品名;L−8型スプレードライヤー)を用いて、乾燥用加熱ガスの入口温度140℃及び出口温度65℃で噴霧乾燥して、ゴム含有グラフト重合体(Cba−5)の粉体を得た。
<製造例10>ジエン系ゴム質重合体の製造
攪拌機を備えたオートクレーブ内に、表8に示す「成分1」を加え、オートクレーブ内の雰囲気を窒素置換した。次いで、表8に示す「成分2」加えて密封し、50℃に昇温した。次いで表8に示す「成分3」を含む酸化還元触媒水溶液を加えた後、55℃で8時間重合させることによりジエン系ゴム質重合体ラテックスを得た。得られたラテックスの粒子の質量平均粒子径は0.1μm、固形分は32.1%であった。
このブタジエン系ゴム質重合体ラテックス(R−2)242部を、攪拌機および還流冷却管を備えた反応容器内に仕込み、液温を40℃に昇温した。次いで表9に示す「成分1」を加え、30分間攪拌した。その後、表9に示す「成分2」の水溶液を配合した。得られたラテックス中の粒子の質量平均粒子径は0.25μmであった。
次いで、反応容器内の液温を55℃に昇温し、表9に示す「成分3」の水溶液を加え、引き続き、表9に示す「成分4」の混合物を50分間かけて滴下し、さらに60分間加熱攪拌を続けた。引き続き表9に示す「成分5」の混合物を60分間かけて滴下し、さらに60分加熱攪拌を続けた。引き続き表9に示す「成分6」の混合物を10分間かけて滴下し、さらに60分間加熱攪拌を続けた。滴下後15分の時点で、表9に示す「成分7」を含む酸化還元触媒水溶液を加え、表9に示す「成分8」を加えグラフト重合を行った。
ブタジエン重合体含有ビニル重合体のラテックス285.9部に、製造例6の安定剤のエマルションを2.2部配合して混合した。
表10に示す「成分1」を配合し、温度35℃の水溶液を調製した。この水溶液中に前記ラテックスを投入し、液温を75℃に昇温して酸凝固させた。その後、10%の水酸化ナトリウム水溶液を投入し、スラリー中のpHを3に設定した。冷却し、凝集物を回収し、脱イオン水1500部中に浸し、脱水する工程を2度繰り返し、80℃で一晩乾燥した。このようにしてゴム含有グラフト重合体重合体(Cba−6)の粉体を得た。
<評価方法>
1.ナトリウム、カリウム、カルシウムイオン量の定量
各製造例で得られたゴム含有グラフト重合体中のイオン濃度を、以下の方法で測定した。先ず、試料0.25gを分解容器に量り取り、硝酸8mlをマイクロウエーブ(湿式分解)にて分解させ。冷却後、フッ化水素酸2mlを入れ、再度マイクロウエーブで処理し、蒸留水で50mlにメスアップし検液とした。この検液をICP発光分析装置(IRIS Interpid II XSP:Thermo社製)を用いてナトリウム、カリウム、カルシウムのイオン量を定量(ppm単位)した。表11に結果をまとめた。
2.脂肪酸の量の測定
各製造例で得られたゴム含有グラフト重合体中の脂肪酸の量を、以下の方法で測定した。先ず、試料0.2gを0.1%トリフロオロ酢酸(トルエン溶液)10mlで溶解した(80℃、60分間)。次に三フッ化ほう素メタノール1gを加え80℃、30分間でメチルエステル化処理を行った。蒸留水10mlとヘキサン10mlを加え二層分離させ、このヘキサン層の1μlをGCに注入し、パルミチン酸、オレイン酸、ステアリン酸、アルケニルコハク酸ジカリウム、ロジン酸の量を測定した。測定値を試料質量当たりの濃度に換算した。表11に結果をまとめた。
[実施例1〜6及び比較例1〜3]
1.樹脂組成物の製造
製造例2、3、4、8、9及び10で得られた各々のゴム含有グラフト共重合体、ガラス繊維配合芳香族ポリカーボネート(「ユーピロンGS2030M9001」(商品名)、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製、公称ガラス繊維30%配合、芳香族ポリカーボネート樹脂のMv:20000)、及び、芳香族ポリカーボネート(商品名「ユーピロンS3000」、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製、Mv:20000)を表12に示す組成で配合・混合した。各混合物をバレル温度310℃に加熱した脱揮式二軸押出機(池貝鉄工社製、PCM−30)に供給して混練し、ガラス繊維が27%配合された樹脂組成物のペレットを作製した。
2.シャルピー衝撃試験
各ペレットを住友射出成形機SE100DU(住友重機械工業(株)製)に供給し、シリンダー温度320℃、金型温度90℃にて、長さ80mm×幅10mm×厚さ4mmの成形体(試験片)を得た。シャルピー衝撃試験はISO−179−1に準拠し、ISO2818に準拠したTYPEAのノッチを刻んで測定した。
3.曲げ試験
各ペレットを住友射出成形機SE100DU(住友重機械工業(株)製)に供給し、シリンダー温度320℃、金型温度90℃にて、長さ80mm×幅10mm×厚さ4mmの成形体(試験片)を得た。ISO−178に準拠し、曲げ速度を2mm/minで測定した。
4.破断面の観察
シャルピー衝撃試験にて破断した試験片の破断面のSEM観察を実施し、芳香族ポリカーボネート樹脂とガラス繊維との密着性を評価した。図1〜図6に各実施例、比較例にて得られた成形体のシャルピー衝撃試験後の破断面をまとめた。
5.評価結果の纏め
比較例1はガラス繊維27%の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物である。樹脂組成物中のガラス繊維の含有量を27%に固定して、ゴム含有グラフト重合体(Csa−2)を配合したものが比較例2である。ゴム含有グラフト重合体(Csa−2)はカルシウムを1850ppm含む。樹脂組成物中にゴム含有グラフト重合体(Csa−2)10%を配合した場合、芳香族ポリカーボネート樹脂、ガラス繊維、ゴム含有グラフト重合体の合計100部に対して、カルシウムの含有量は0.0185部であり、0.0100部を超える。そのためガラス繊維と芳香族ポリカーボネート樹脂との密着性を低下させた(図5)。密着性が低下するのでノッチ付シャルピー衝撃強度の改善もなく、逆に低下する。さらにガラス繊維配合による曲げ特性改善効果も著しく低減させる。
比較例3は、ゴム含有グラフト重合体(Cba−6)を配合した例である。ゴム含有グラフト重合体(Cba−6)は脂肪酸を1.4%含む。樹脂組成物中にゴム含有グラフト重合体(Cba−6)10%を配合した場合、芳香族ポリカーボネート樹脂、ガラス繊維、ゴム含有グラフト重合体の合計100部に対して、脂肪酸の含有量は0.14部であり、0.03部を超える。そのためガラス繊維と芳香族ポリカーボネート樹脂との密着性は低下している(図6)。密着性が低下するのでシャルピー衝撃強度の改善もなく、逆に低下する。さらにガラス繊維配合による曲げ特性改善効果も著しく低減させる。
実施例1〜6は、芳香族ポリカーボネート樹脂、ガラス繊維、ゴム含有グラフト重合体の合計100部に対して、カルシウムの含有量が0.0100部以下であり、かつ脂肪酸の含有量も0.03部以下である。ノッチ有りなしともに、成形体の衝撃強度が改良されている。ゴム含有グラフト重合体の添加部数が10部(実施例3、4)であると、ゴム含有グラフトゴム重合体を含まない樹脂組成物(比較例1)より曲げ強度が低下するが、ゴム含有グラフト重合体を2.5〜5部含む樹脂組成物(実施例1,2、5、6)の成形体の曲げ強度は、ゴム含有グラフト重合体を含まない樹脂組成物の成形体の曲げ強度(比較例1)と同じ程度であり、かつノッチ有りなしともに衝撃強度が改良される。実施例3,4と比較例2はゴム含有グラフト重合体のポリマーの構成成分はほぼ同じであるが、カルシウム含有量が異なる。樹脂組成物中のカルシウム量が多いほど、曲げ強度やシャルピー衝撃強度等の機械的強度が低い。図1〜3から、実施例のゴム含有グラフト重合体を含む樹脂組成物の方が、比較例2または3のゴム含有グラフト重合体を含む樹脂組成物より、ガラス繊維と芳香族ポリカーボネートの密着性が優れることがわかる。実施例3,5は、芳香族ポリカーボネート樹脂、ガラス繊維、ゴム含有グラフト重合体の合計100部に対して、カルシウムの含有量が0.0002部以下であることから、実施例4やゴム含有グラフト重合体を含まない比較例1に比べ、ガラス繊維と芳香族ポリカーボネートの密着性が優れることがわかる。
本発明で得られる樹脂組成物は、従来困難であった芳香族ポリカーボネート系マトリックスにおいて、ガラス充填剤の密着性の向上とゴム分散性の改良を両立し、その成形体は優れた衝撃特性と剛性を有する。よって薄肉化と寸法安定性が求められる自動車部材や家電部材等を含むさまざまな分野の素材に適用可能である。

Claims (9)

  1. エンジニアリングプラスチック(A)、ガラス充填剤(B)ゴム含有グラフト重合体(C)及びアルカリ金属と強酸との塩(D)を含む樹脂組成物であって、
    エンジニアリングプラスチック(A)、ガラス充填剤(B)及びゴム含有グラフト重合体(C)の合計100質量部に対して、脂肪酸の含有量が0.03質量部以下であり、カルシウムの含有量が0.0100質量部以下であり、
    前記ゴム含有グラフト重合体(C)の含有量が、エンジニアリングプラスチック(A)、ガラス充填剤(B)及びゴム含有グラフト重合体(C)の合計100質量%中、0.25〜7.5質量%であり、
    前記アルカリ金属と強酸との塩(D)の含有量が、エンジニアリングプラスチック(A)、ガラス充填剤(B)及びゴム含有グラフト重合体(C)の合計100質量部に対して、0.1質量部未満である樹脂組成物。
  2. エンジニアリングプラスチック(A)、ガラス充填剤(B)ゴム含有グラフト重合体(C)及びアルカリ金属と強酸との塩(D)を含む樹脂組成物であって、
    ゴム含有グラフト重合体(C)中に含まれる脂肪酸の量が1質量%以下であり、
    エンジニアリングプラスチック(A)、ガラス充填剤(B)及びゴム含有グラフト重合体(C)の合計100質量部に対して、カルシウムの含有量が0.0100質量部以下であり、
    前記ゴム含有グラフト重合体(C)の含有量が、エンジニアリングプラスチック(A)、ガラス充填剤(B)及びゴム含有グラフト重合体(C)の合計100質量%中、0.25〜7.5質量%であり、
    前記アルカリ金属と強酸との塩(D)の含有量が、エンジニアリングプラスチック(A)、ガラス充填剤(B)及びゴム含有グラフト重合体(C)の合計100質量部に対して、0.1質量部未満である樹脂組成物。
  3. 前記ゴム含有グラフト重合体(C)が、アルカリ金属と強酸との塩(D)を含むゴムラテックスの存在下でビニル単量体を乳化重合して得られるゴム含有グラフト重合体ラテックスを、凝析剤を用いて凝析回収して又は噴霧回収して得られたものである請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
  4. 前記カルシウムの含有量が0.0002質量部以下である請求項1〜のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  5. 前記エンジニアリングプラスチック(A)が芳香族ポリカーボネート樹脂である請求項1〜のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  6. 前記アルカリ金属と強酸との塩(D)がナトリウムとスルホン酸との塩である請求項のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  7. 前記ガラス充填剤(B)の含有量が、エンジニアリングプラスチック(A)、ガラス充填剤(B)及びゴム含有グラフト重合体(C)の合計100質量%中、5〜40質量%である請求項1〜のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  8. 前記ゴム含有グラフト重合体(C)が、ブタジエンゴム、スチレン・ブタジエン共重合ゴム及びシリコーン・アクリル複合ゴムから選ばれる一種以上のゴムを含む請求項1〜のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  9. 請求項1〜のいずれか1項に記載の樹脂組成物を成形してなる成形体。
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