JP2022130012A - ニッケル水素蓄電池の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】活性化充放電において、ニッケル水素蓄電池としての初期のDC-IRをさらに低減させること。【解決手段】ニッケル水素蓄電池の製造方法は、組立工程と、組立工程後に電池の過充電及び放電による充放電により前記正極中の水酸化ニッケルの活性化を含む電極の活性化を図る活性化充放電工程とを含み、活性化充放電工程では、正極SOCが比較的低いSOC領域を設定された充電レートで充電する低SOC充電(S201)と、正極SOCが前記低SOC充電よりも比較的高いSOC領域を、前記低SOC充電よりも高い充電レートに設定された充電レートで充電する高SOC充電(S203)と、前記高SOC充電後に、前記高SOC充電の充電レートより大きな電流の放電電流により放電するハイレート放電(S206)を行う。【選択図】図8

Description

本発明は、ニッケル水素蓄電池の製造方法に係り、詳細には、内部抵抗が低いニッケル水素蓄電池の製造方法に関する。
近年、ポータブル機器や携帯機器などの電源のみならず、大電流を充放電できる電気自動車やハイブリッド自動車用の電源として二次電池などの二次電池が用いられる。その中でも車載用の二次電池としてニッケル水素蓄電池が普及している。ニッケル水素蓄電池は、水酸化ニッケルを主体とした活物質からなる正極と、水素吸蔵合金を主材料とした負極と、水性のアルカリ電解液を備える蓄電池である。そのため、安全性が高く、エネルギー密度が高く、かつ高レートの充放電が可能である等々の理由から広く普及している。
ただし、こうしたニッケル水素蓄電池は、電池組立直後の正極及び負極の活性が低く、その初期出力が低いという特徴がある。そこで、正極及び負極を活性化させる技術が提案されている。
例えば、特許文献1に記載の技術は、ニッケル水素蓄電池の正極中の水酸化ニッケルの活性化を含む正極活物質の活性化を行い、正極活性された蓄電池に対する1乃至複数回の充放電サイクルの実行によって負極の活物質である水素吸蔵合金の活性化を行う。そしてこの水素吸蔵合金の活性化に際し、1乃至複数回の充放電サイクル中、少なくとも1サイクルは、当該蓄電池の充電状態が、SOC(State Of Charge)が100~130%の過充電状態になるSOCまで充電を行う。
上記製造方法ではこのように、負極中の水素吸蔵合金の活性点が拡大されることによって、ニッケル水素蓄電池としての初期のDC-IR(Direct Current Internal Resistence・直流内部抵抗)を低減させることが可能となる。そのため、初期出力性能をより高く確保することができた。
特開2010-153261号公報
しかしながら、特許文献1に開示された発明では、充電に関し、充電するSOCが100~130%に限定されているが、その充電をいつ行うかなどのタイミングは限定されていない。
また、充電レートに関し、高SOC領域における過充電ではガス発生を防止することを目的に低レート化するように設定されている。そのため、抵抗低減効果を十分に引き出せていない可能性があった。
本発明のニッケル水素蓄電池の製造方法が解決しようとする課題は、活性化充放電において、ニッケル水素蓄電池としての初期のDC-IRをさらに低減させることである。
上記課題を解決するため、本発明のニッケル水素蓄電池の製造方法では、水酸化ニッケルを活物質とする正極と水素吸蔵合金を活物質とする負極とを備えて構成されるニッケル水素蓄電池を製造する方法であって、前記正極と前記負極とがセパレータを介して積層して構成された極板群を電解液とともにケースに封入して電池を組み立てる組立工程と、前記組立工程後に電池の過充電及び放電による充放電により前記正極中の水酸化ニッケルの活性化を含む電極の活性化を図る活性化充放電工程とを含み、前記活性化充放電工程では、正極SOCが比較的低いSOC領域を設定された充電レートで充電する低SOC充電と、正極SOCが前記低SOC充電よりも比較的高いSOC領域を、前記低SOC充電よりも高い充電レートに設定された充電レートで充電する高SOC充電と、を行うことを特徴とする。
また、前記高SOC充電後に、前記高SOC充電の充電レートより大きな電流の放電電流により放電するハイレート放電を行うことも望ましい。
また、前記高SOC充電は、正極SOCが100%以上の領域で過充電することができる。前記活性化充放電工程は、前記組立工程の後の最初に行われる充電において実施されることが望ましい。また、前記高SOC充電は、充電レートが2C以上の電流、あるいは3~4Cの範囲の電流で充電することができる。
前記ハイレート放電は、放電レートが、3~4Cの範囲の電流で放電することができる。
前記活性化充放電工程は、複数サイクル繰り返し実施してもよい。
本発明のニッケル水素蓄電池の製造方法によれば、ニッケル水素蓄電池としての初期のDC-IRをさらに低減させることができる。
本実施形態における充電における時間t[s]とSOC[%]の関係を示すグラフ。 本実施形態における放電における時間t[s]とSOC[%]の関係を示すグラフ。 水酸化ニッケルの変化の変遷を示す図。 Ni(OH)の構造を示す模式図。図4(a)が積層不整を有するNi(OH)の構造を示し、図4(b)が積層不整を有しないNi(OH)の構造を示す。 ニッケル水素蓄電池の製造方法で製造されるニッケル水素蓄電池の電池モジュールについて部分断面構造を含む斜視図。 本実施形態のニッケル水素蓄電池の製造装置のブロック図。 本実施形態におけるニッケル水素蓄電池の製造方法の手順を示すフローチャート。 本実施形態の活性化充放電工程の手順を示すフローチャート。 従来のニッケル水素蓄電池の内部抵抗を100%としたときの、本実施形態のニッケル水素蓄電池の製造方法で製造したニッケル水素蓄電池の内部抵抗[%]を比較するグラフ。 従来のニッケル水素蓄電池と、本実施形態のニッケル水素蓄電池の製造方法で製造したニッケル水素蓄電池の組電池内のSOCのばらつき[%]を比較するグラフ。 従来のニッケル水素蓄電池と、1サイクル目のみ活性化充放電を行った、本実施形態のニッケル水素蓄電池の製造方法で製造したニッケル水素蓄電池の正極の充電効率[%]を各充放電サイクルにおいて比較するグラフ。
以下、本発明のニッケル水素蓄電池の製造方法を、ニッケル水素蓄電池1の製造方法の一実施形態を用いて図1~11を参照しながら説明する。
(本実施形態の構成)
本発明者らは、実験を通して活性化充放電の工程で、高SOC充電時の電流レートをさらにハイレート化することと、この後、素早く放電をすることで、初期の内部の直流抵抗DC-IRを低減させることを見出した。
<活性化充放電における充電>
図1は、本実施形態における充電における時間t[s]と正極SOC[%]の関係を示すグラフである。本実施形態で電池要素の組み立てが完了したのちに活性化充放電の工程を行う。例えば、低SOC領域では、充電効率に合わせた1~2Cの充電レートで充電する。本願において「低SOC領域」とは、正極SOC[%]が概ね100%前後未満の領域をいう。また、「1C(クーロン)」とは、公称容量値の容量を有するセルを定電流放電して、1時間で放電終了となる電流値[A]をいう。
このような低SOC領域での充電を本願では「低SOC充電LC」ということとする。このような低SOC充電をおこなって、高SOC領域に入ったら、充電レートを2C以上、例えば3~4Cのハイレートで充電をする。本願で「高SOC領域」とは、正極SOC[%]が概ね100%前後以上の領域をいう。このような高SOC領域での充電を本願では「高SOC充電HC」ということにする。したがって、高SOC充電HCは、過充電を含むことになる。
従来は、高SOC領域では過充電となるため、ガス発生のリスクを回避する必要があった。そのため、高SOC領域では、低SOC領域よりも充電レートを低くすることが技術常識であった。
本発明者らは、初回充電時に高SOCまで充電することで、正極活物質の未充電部を残さないようにできるため正極の充電効率が向上する。特に初回に過充電により深充電することで、その後に控える活性化充放電サイクル全体の充電効率を良好なものとすることを見出した。
このような高SOC充電は、ガス発生のリスクが存在するので、SOCの上限は、開弁しない範囲が限界となる。例えば、本実施形態ではSOC140%程度である。
このように、発明者らは従来の技術常識に反する高SOC充電HCをハイレートで行うことだけでも、正極活物質の未充電部を残さないようにできるため、正極の充電効率が向上するという効果があることを見出した。
<活性化充放電におけるハイレート放電>
図2は、本実施形態における放電における時間t[s]とSOC[%]の関係を示すグラフである。
図2に示すように、高SOC充電がガス発生のリスクが存在するSOCの上限に達した場合は、高SOC充電HCを終了する。
続いて、放電を行う。放電は、高SOC領域から低SOC領域において同じ放電レートで行う。放電レートは、例えば、3~4Cのハイレートで行う。急速に放電し、電圧がカット電圧、例えば1.0[V]になったら、ハイレートの放電を終了する。この放電を、本願では「ハイレート放電HD」という。ハイレート放電は、高SOC領域から、カット電圧に至るまで、一気に放電する。
本発明者らは、本実施形態のように、低SOC充電LC後に高SOC充電HCを行うだけでなく、さらにハイレート放電HDを行うことで、さらに初期のDC-IRを低減させることを見出した。
<充放電サイクル>
このような充放電を、最初にまず1回行う。本願では、この充放電の組み合わせを1サイクルの充放電という。本実施形態では、さらに同じ充放電を9サイクル、つまり合計で10サイクル行っている。
<活性化の原理>
続いて、このような本実施形態の活性化充放電が、ニッケル水素蓄電池の初期の内部の直流抵抗DC-IRを低減させることを可能とした原理について説明する。
<本実施形態の水酸化ニッケルの変化の変遷>
図3は、本実施形態の水酸化ニッケルの変化の変遷を示す図である。
正極のニッケル水素電池正極(水酸化ニッケル)は充放電時、下記のような反応を起こす。
[Ni(OH)+OH⇔NiOOH+HO+e
通常、β-Ni(OH)(β型水酸化ニッケル)とβ-NiOOH(β型オキシ水酸化ニッケル)の間で行われる。正極活物質であるβ-Ni(OH)は、充電によりβ-NiOOHとなる。
さらに過充電すると、インターカレーションによりβ-NiOOHがより充電容量の大きなγ-NiOOHに変化して体積膨張する。このβ-Ni(OH)からγ-NiOOHへの変化は、本実施形態のように、高SOC充電HCをハイレートで行うことで、β-Ni(OH)からγ-NiOOHへの変化を促進できることを本発明者らは確認した。
γ-NiOOHは、放電することで、Ni(OH)となる。過充電によりβ-NiOOHからγ-NiOOHへ変化した場合においては、Ni(OH)となるときは、α-Ni(OH)を経由するものが多くなる。そしてα-Ni(OH)を経由してNi(OH)となる。
このような変化の中で、本実施形態のように高SOC充電HCをハイレートで行った場合は、β-NiOOHからγ-NiOOHが生成しやすい。したがって、本実施形態と異なりハイレート放電HDなしで、高SOC充電HCをハイレートで行った場合でも、β-NiOOHからγ-NiOOHが生成しやすくなる。そのため、積層不整を有したNi(OH)を多くすることができる。
さらに、本実施形態のように、γ-NiOOHからハイレート放電HDを行った場合は、α-Ni(OH)を経由して、積層不整を有したNi(OH)となるものが多くなる。
<本実施形態の活性化充放電の作用>
従来のように、高SOC充電HCをローレートで行う場合は、β-Ni(OH)からγ-NiOOHが生成されにくい。また、α-Ni(OH)は、γ-NiOOHから生成されるので、γ-NiOOHが生成されにくければ、α-Ni(OH)も生成されにくい。さらに、従来のようにハイレート放電HDを行わない場合は、Ni(OH)は、後述する積層不整が生じにくい。
一方、本実施形態では、高SOC充電HCをハイレートで行うため、β-NiOOHからγ-NiOOHが生成しやすい。さらに、γ-NiOOHが多い状態で本実施形態のようにハイレート放電HDを行った場合は、γ-NiOOHから多くのα-Ni(OH)を発生する。そしてこのα-Ni(OH)を経由して、Ni(OH)となるものが多くなる。
この場合、α型のα-Ni(OH)は層間に水が入り込むことでβ型のβ-Ni(OH)より層間距離が広がった構造であり、α型のNi(OH)を経由した場合は、β型のNi(OH)を経由した場合より積層不整が生じやすい。また、一般的にα型のNi(OH)は、β型のNi(OH)よりも構造的に不安定であり、容易にβ-Ni(OH)に戻り、このとき体積収縮が起こる。
<積層不整>
図4は、Ni(OH)の構造を示す模式図である。(a)が積層不整を有するNi(OH)の構造を示し、(b)が積層不整を有しないNi(OH)の構造を示す模式図である。
ここで、積層不整について説明する。図4(b)に示すように、積層不整を有しないNi(OH)の構造では、Ni-H間の相互反発が小さいため、層間が縮小する。その結果、水素イオンの移動がしにくくなる。一方、図4(a)に示すように積層不整を有するNi(OH)の構造では、Ni-H間の相互反発が大きいため、層間が拡大する。その結果、水素イオンの移動がしやすくなるため、水素イオンが活発に移動する。その結果、DC-IRが低下する。
<低SOC充電LC>
まず、最初の低SOC充電LCでは、充電効率を重視し、例えば1~2C程度の適切な電流値を選択して充電をすることは、従来の技術と共通する。このように充電することで部分的な過充電などを抑制して均等に充電することができる。
<高SOC充電HC>
続く高SOC充電HCでは、充電レートをハイレートの3~4Cとすることで、正極活物質の未充電部残さないように充電することができる。そのため、正極の充電効率が向上する。その結果、従来の未充電領域による充電ロスがなくなる。そうすると、正極の活性度を高め、電池の内部抵抗(DC-IR)を低減することができる。
さらに、正極の活性度が高まることで、負極の活性度も高くなる。その結果、正極と負極が相まって、電池の内部抵抗(DC-IR)をさらに低減することができる。
また、ハイレートの高SOC充電HCでは、正極構造のβNiOOHをγNiOOHに変化させることができる。その結果、γNiOOHを多く生成することができる。γNiOOHは、充放電の反応でαNi(OH)の生成に寄与する生成物である。そのため、ハイレート放電HDをする時にαNi(OH)の生成を促すことができる。αNi(OH)の生成は、後の放電時でのNi(OH)に積層不整を生じさせる原因となる重要な物質である。
<ハイレート放電HD>
ハイレート放電HDは、速やかに高SOC領域から退避することで、高SOC領域に滞在することで起きる副反応を速やかに除去することができる。速やかに副反応を除去することで、高SOC充電HCにより発生した多量のαNi(OH)を経由して、積層不整の構造を有したNi(OH)を多く生成することができる。
(実施形態1)
以下、このような活性化工程を含む本実施形態のニッケル水素蓄電池1の製造方法の一実施形態について図5~8を参照して詳細に説明する。
<ニッケル水素蓄電池1>
図5は、ニッケル水素蓄電池の製造方法で製造されるニッケル水素蓄電池1の電池モジュール11について部分断面構造を含む斜視図である。図5に示すように、本実施形態のニッケル水素蓄電池1は、密閉型電池であり、電気自動車やハイブリッド自動車等の車両の電源として用いられる電池である。車両に搭載されるニッケル水素蓄電池1としては、所要の電力容量を得るべく、複数の単電池30を電気的に直列接続して構成された電池モジュール11からなる角形密閉式の蓄電池が知られている。
電池モジュール11は、複数の単電池30を収容可能な角形ケース13と同角形ケース13の開口部16を封止する蓋体14とによって構成される直方体状の電池ケースとしての一体電槽10を有している。また、角形ケース13の表面には電池使用時の放熱性を高めるべく複数の凹凸(図示略)が形成されている。
一体電槽10を構成する角形ケース13及び蓋体14は、アルカリ性の電解液に対して耐性を有する樹脂材料であるポリプロピレン(PP)及びポリフェニレンエーテル(PPE)を含んで構成されている。そして一体電槽10の内部には、複数の単電池30を区画する隔壁18が形成されており、この隔壁18によって区画された部分が、単電池30毎の電槽15となる。一体電槽10は、例えば、6つの電槽15のそれぞれが単電池30を構成している。
こうして区画された電槽15内には、極板群20と、その両側に接合された正極の集電板24及び負極の集電板25とが水酸化カリウム(KOH)を主成分とする水系電解質であるアルカリ電解液とともに収容されている。
極板群20は、矩形状の正極板21及び負極板22がセパレータ23を介して積層して構成されている。このとき、正極板21、負極板22及びセパレータ23が積層された方向が積層方向である。極板群20の正極板21及び負極板22は、極板の面方向であって互いに反対側の側部に突出されることで構成される正極板21のリード部の側端縁に集電板24がスポット溶接等により接合され、負極板22のリード部の側端縁に集電板25がスポット溶接等により接合されている。
また、隔壁18の上部には各電槽15の接続に用いられる貫通孔32が形成されている。貫通孔32は、集電板24の上部に突設されている接続突部、及び集電板25の上部に突設されている接続突部の2つの接続突部同士が該貫通孔32を介してスポット溶接等により溶接接続されることで、各々隣接する電槽15の極板群20を電気的に直列接続させる。貫通孔32のうち、両端の電槽15の各々外側に位置する貫通孔32は、一体電槽10の端側壁上方で正極の接続端子29a又は負極の接続端子(図示略)が装着される。正極の接続端子29aは、集電板24の接続突部と溶接接続される。負極の接続端子は、集電板25の接続突部と溶接接続される。こうして直列接続された極板群20、すなわち複数の単電池30の総出力が正極の接続端子29a及び負極の接続端子から取り出される。
一方、蓋体14には、一体電槽10の内部圧力を開弁圧以下にする排気弁33と、極板群20の温度を検出するためのセンサを装着するセンサ装着穴34とが設けられている。排気弁33は、隔壁18の上部の図示しない連通孔で連通される一体電槽10の内部圧力の値が許容される閾値を超えた開弁圧以上になった場合には、開弁されることで一体電槽10内部に発生したガスを排出する。
<極板群の構成>
正極板21は、金属多孔体である発泡ニッケル基板と、発泡ニッケル基板に充填された水酸化ニッケル、オキシ水酸化ニッケル等のニッケル酸化物を主成分とする正極活物質、添加剤(導電剤等)を有する。導電剤は、金属化合物であり、ここではオキシ水酸化コバルト(CoOOH)等のコバルト化合物であってニッケル酸化物の表面を被覆している。
導電性の高いオキシ水酸化コバルトは、正極内において導電性ネットワークを形成し、正極の利用率(「放電容量/理論容量」の百分率)を高める。
負極板22は、パンチングメタルなどからなる電極芯材と、電極芯材に塗布された水素吸蔵合金(MH)とを有する。水素吸蔵合金は、電極芯材に塗布されている。
セパレータ23は、ポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂の不織布、もしくは必要に応じてこれにスルホン化などの親水処理を施したものである。
こうした正極板21及び負極板22及びセパレータ23が使用されて電池モジュール11が製造される。
<ニッケル水素蓄電池1の製造装置2>
図6は、本実施形態のニッケル水素蓄電池1の製造装置2のブロック図である。図6に示すように、ニッケル水素蓄電池1は、ニッケル水素蓄電池の製造装置2に接続されている。ニッケル水素蓄電池の製造装置2は、充放電装置3、電圧測定器4、電流測定器5、温度計6、保温冷却装置7を備え、それぞれニッケル水素蓄電池1に接続されている。充放電装置3は、所定の充放電レートで、ニッケル水素蓄電池1の充電及び放電を行う。電圧測定器4は、ニッケル水素蓄電池1のセル電圧を測定する。電流測定器5は、ニッケル水素蓄電池1の電流を測定する。温度計6は、ニッケル水素蓄電池1の電池温度Tを測定する。保温冷却装置7は、ニッケル水素蓄電池1を保温し、又は冷却をして電池温度Tを調整する。制御装置8は、CPU81と、ROM・RAMなどのメモリ82とを備えた周知のコンピュータとして構成され、電圧測定器4、電流測定器5、温度計6からのデータに基づいて、充放電装置3、保温冷却装置7を制御する。
<ニッケル水素蓄電池1の製造方法>
図7は、本実施形態におけるニッケル水素蓄電池1の製造方法の手順を示すフローチャートである。
ニッケル水素蓄電池1の製造方法は、まず電池モジュール組立工程(S1)が行われる。ここでは、まず、セル電池(不図示)を組み立て、セル電池を複数接続して電池モジュール11(図5)を組み立てる。
次に、活性化工程(S2)を行う。ここでは、所定の条件で充放電装置3により充放電が繰り返され、電極の活性化が行われる。
その次に、不良品判定工程(S3)が行われ、不良品が排除される。そして、最終的に組電池組立工程(S4)により、製品としての組電池である電池パックが完成する。
<活性化工程(S2)>
活性化工程(S2)は、コバルト充電工程と、活性化充放電工程とからなる。
<コバルト充電工程>
コバルト充電工程とは、正極活性化の工程である。ニッケル水素蓄電池1を低電流で充電することによって、正極合材に含まれるコバルトを電気化学的に酸化させて、オキシ水酸化コバルトとして析出させる工程である。正極活性化工程では、組み立てられた充電前のニッケル水素蓄電池を、0.1A以上2.0A以下の定電流で、1時間以上5時間以下充電させることが好ましい。この条件でニッケル水素蓄電池を充電させることによって、β型のオキシ水酸化コバルトの抵抗低減と、コバルトの析出とを両立させることができる。
<活性化充放電工程>
次に、活性化充放電工程を行う。一般的には、主に負極の活性化が目的とされる場合が多く、「負極活性化工程」といわれる場合も多いが、本実施形態の活性化充放電工程では、正極の活性化にも大きく寄与するため、極性を限定せず「活性化充放電工程」という。
図8は、本実施形態の活性化充放電工程の手順を示すフローチャートである。以下、図8に沿って本実施形態の活性化充放電工程を説明する。
<開始>
コバルト充電が終了すると、活性化充放電工程が開始される。
<低SOC充電(S201)>
低SOC充電(S201)の手順では、コバルト充電工程において既に電池モジュール11が、図6に示すニッケル水素蓄電池の製造装置2にセットされている。制御装置8は、第1の充電レートでの充電を行う。第1の充電レートは、例えば充電レートが1~2Cとなるように、例えば10Aの電流が印加されて充電される。この低SOC充電(S201)の手順は、部分的な過充電などが生じないような対象となる電池に合わせた充電レートに設定されている。
制御装置8は、電圧測定器4と電流測定器5を監視しながら、ニッケル水素蓄電池1の正極SOCを監視し、正極SOC[%]が、例えば100%を超したか否かを監視する(S202)。正極SOC[%]が、100%以下であれば(S202:NO)、低SOC充電(S201)を継続する。正極SOC[%]が、100%を超えたら(S202:YES)、低SOC充電(S201)を完了する。なお、ここで、閾値をSOC100%とすることを例示したが、電池の特性に合わせて100%未満としたり、100%を超える値に設定したりすることができることは言うまでもない。
<高SOC充電(S203)>
低SOC充電(S201)が完了したら、充電レートを高くして第2の充電レートで充電する高SOC充電(S203)の手順を行う。第2の充電レートは、例えば充電レートが2C以上、例えば3~4Cとなるように、例えば20Aの電流が印加されて充電される。この高SOC充電(S203)の手順は、上述したように、β-NiOOHをγ-NiOOHに変化させるために行っているものである。このため、β-NiOOHをγ-NiOOHに変化させるために効果的な充電レートが選択される。
一方、高SOC充電(S203)においては、過充電を伴う手順であり、水素ガスの発生による開弁リスクが生じる。そのため、その電池の特性に応じて、予め上限の閾値となるSOC値を設定する。
制御装置8は、電圧測定器4と電流測定器5を監視しながら、ニッケル水素蓄電池1の正極SOCを監視し、正極SOC[%]が、例えば上限として設定した閾値である140%を超したか否かを監視する(S204)。正極SOC[%]が、140%未満であれば(S204:NO)、高SOC充電(S203)を継続する。正極SOC[%]が、140%以上となったら(S204:YES)、高SOC充電(S203)を完了する(S205)。なお、ここで、閾値をSOC140%とすることを例示したが、電池の特性に合わせて140%未満としたり、140%を超える値に設定したりすることができることは言うまでもない。
<ハイレート放電(S206)>
高SOC充電が終了したら(S205)、ハイレート放電(S206)の手順を行う。
ハイレート放電の放電レートは、例えば放電レートが2C以上、例えば3~4Cとなるように、例えば20Aの電流が放電される。
このハイレート放電(S206)の手順は、上述したように、γ-NiOOHから多くのα-Ni(OH)を発生させるために行う。そしてこのα-Ni(OH)を経由して、積層不整を有するNi(OH)を多く生じさせるための手順である。そのため、γ-NiOOHから多くのα-Ni(OH)を発生させるような放電レートが選択される。
なお、ハイレート放電(S206)の手順で、ハイレートで放電するのは、高SOC領域に長時間留まることで、好ましくない副反応の時間を短縮する目的もある。
いずれにしても、できる限りハイレートで放電することが望ましい。
制御装置8は、電圧測定器4と電流測定器5を監視しながら、ニッケル水素蓄電池1の正極SOCを監視し、正極SOC[%]が、例えば下限として設定した閾値である0%を下回ったか否かを監視する(S207)。正極SOC[%]が、0%を超えていれば(S207:NO)、ハイレート放電(S206)を継続する。正極SOC[%]が、0%以下となったら(S207:YES)、ハイレート放電(S206)を完了する(S208)。なお、ここで、閾値をSOC0%とすることを例示したが、電池の特性に合わせて0%未満としたり、0%を超える値に設定したりすることができることは言うまでもない。
ここでは、閾値をSOC[%]で設定する態様を例示したが、測定器4で検出したセル電圧[V]を、例えばカット電圧である1.0[V]などを閾値として設定してもよい。
<充放電サイクルの繰り返し>
ハイレート放電(S206)が完了したら、次の充放電のサイクルがある場合は(S209:YES)、低SOC充電(S201)の手順に戻り、次のサイクルの充放電を行う。次の充放電のサイクルがない場合は(S209:YES)、活性化充放電工程の処理が完了したとして処理が終了する。
<不良品判定工程(S3)>
続いて、図7に戻り、蓄電池の製造補法の手順の説明を続ける。図7に示すように、活性化工程S2が終了すると、不良品判定工程が行われる(S3)。
不良品判定工程(S3)では、電池モジュール11の初期不良についての判定を行う。蓄電池の不良品判定は、例えば、OCV検査、又は、カレントインタラプタ法に基づいて行われる。
<組電池組立工程(S4)>
そして、組電池組立工程(S4)で、こうして製造された複数の電池モジュール11から図示しない組電池が組み立てられる。組電池は、使用先である車両等に設置される電池パックを構成する。組電池は、良品とされた活性化済みの複数の電池モジュール11を電気的に直列又は並列に接続させるとともに、スタックして機械的に固定連結させ、さらに制御装置や測定装置などを装備して構成される。
これで製品としてのニッケル水素蓄電池1が完成する。
(実施形態の作用)
上記のような手順で行った活性化充放電工程を含むニッケル水素蓄電池の製造方法では、以下のような作用がある。
<DC-IRの改善>
図9は、従来のニッケル水素蓄電池の内部抵抗を100%としたときの、本実施形態のニッケル水素蓄電池の製造方法で製造したニッケル水素蓄電池の内部抵抗[%]を比較するグラフである。
図9に示すように、従来のニッケル水素蓄電池の製造方法により製造したニッケル水素蓄電池1のDC-IRを100%とする。これに対し、本実施形態の活性化充放電工程を含むニッケル水素蓄電池の製造方法により製造したニッケル水素蓄電池1のDC-IRは、97%となり、従来と比較して、DC-IRが3%低減し、有意に優れた効果を発揮している。
なお、本実施形態のニッケル水素蓄電池の製造方法では、上述したように、図4(a)に示すように積層不整を有するNi(OH)の構造が形成される。そのため、Ni-H間の相互反発が大きいため、層間が拡大する。その結果、水素イオンの移動がしやすくなるため、水素イオンが活発に移動する。その結果、DC-IRが低下する。但し、DC-IRが3%低減したうち、正極の寄与は1%程度であると予想される。
なお、本実施形態の活性化充放電工程では、詳細な説明は省略したが、低SOC充電LCに加え、ハイレートの高SOC充電HC、ハイレート放電HDにより、効率よく負極の電極の水素吸蔵合金の微粉化などによるDC-IRの改善が行われる。このような効果が、DC-IRが3%低減したうち、2%程度寄与したものと予想される。
<電池モジュール11におけるSOCのばらつき>
図10は、従来のニッケル水素蓄電池と、本実施形態のニッケル水素蓄電池の製造方法で製造した「ニッケル水素蓄電池の組電池内のSOCのばらつき[%]」を比較するグラフである。
図10に示すように、従来のニッケル水素蓄電池の製造方法により製造したニッケル水素蓄電池1の電池モジュール11内のSOCばらつき[%]は1.5%である。これに対し、本実施形態の活性化充放電工程を含むニッケル水素蓄電池の製造方法により製造したニッケル水素蓄電池1の電池モジュール11内のSOCばらつき[%]は、0.7%であった。従って、従来と比較してニッケル水素蓄電池1の電池モジュール11内のSOCばらつき[%]が、概ね半分低減し、有意に優れた効果を発揮している。このようにニッケル水素蓄電池1の電池モジュール11内のSOCばらつき[%]が低減すると、電池モジュール11を構成する各セル電池に対して、等しいSOCの条件で、各種の処理ができ、電池モジュール11内の各セル電池の特性を等しくすることができ、電池モジュール11全体の性能を高めることができる。
<複数の充放電サイクルを行う活性化充放電工程の作用>
図11は、従来のニッケル水素蓄電池と、1サイクル目のみ本実施形態の活性化充放電を行った、ニッケル水素蓄電池の製造方法で製造したニッケル水素蓄電池の正極の充電効率[%]を各充放電サイクルにおいて比較するグラフである。
活性化充放電工程において複数の充放電サイクルを行う場合、最初の1回目の充放電サイクルのみにおいて、本実施形態の低SOC充電LCと、ハイレートの高SOC充電HCと、ハイレート放電HDを行う。そして、2回目の活性化充放電工程以降、10回目までは、従来の活性化充放電工程を行った場合のグラフである。従来は、1回目の充放電サイクルは、十分に電池の正負極の活性化が行われておらず、特に初回は、正極は20%程度しか充電効率がなく、それから充放電サイクルを繰り返すことで、徐々に正極の充電効率が、上昇していることがわかる。
一方、1回目のサイクルで本実施形態の活性化充放電工程を行った場合、1回目に、正極活物質の未充電部を残さず充電できるため、正極の充電効率が十分に向上する。1回目の充電で正極の充電効率が十分に向上すると、その波及効果として、2回目以降に従来と同じ活性化充放電工程を行った場合でも、2回目以降の正極の充電効率は高いものとなる。
したがって、活性化充放電工程は、本実施形態の活性化充放電工程を、1回目の充放電サイクルにおいて行うことで、特に効果を発揮できる。
また、活性化充放電工程は、図8のフローチャートに示すように、複数サイクル繰り返し実施することができ、本実施形態の活性化充放電工程を繰り返すことも望ましい。
また、活性化充放電工程を繰り返す場合に、電池モジュール組立工程(S1)の後活性化工程(S2)の最初に行われる1回目の活性化充放電工程においてのみ本実施形態の活性化充放電工程が行われ、2回目以降を従来の活性化充放電工程としても効果を発揮する。なお、この場合、図10に示すように、波及効果があることから、2回目以降でなく1回目に本実施形態の活性化充放電工程を行うことが望ましい。
(実施形態の効果)
以下本実施形態のニッケル水素蓄電池の製造方法の効果を列記する。
(1)本実施形態の活性化充放電工程によれば、ニッケル水素蓄電池1のDC-IRを効果的に低減できる。
(2)本実施形態の活性化充放電工程は、充放電の制御のみで実施できるため、既存の設備を用いて簡易に実施することができる。
(3)本実施形態の活性化充放電工程は、低SOC充電LCと、ハイレートの高SOC充電HCにより、正極に未充電領域を残さず充電できるため、効率的に正極を活性化することができる。
(4)本実施形態の活性化充放電工程は、正極のみならず、低SOC充電LCと、ハイレートの高SOC充電HCと、ハイレート放電HDにより、負極の水素吸蔵合金の微粉化も促進して、負極の活性化も有効に行うことができる。正極と負極の活性化が相俟って、ニッケル水素蓄電池1全体のDC-IRを有効に低減することができる。
(5)本実施形態の活性化充放電工程は、低SOC充電LCと、ハイレートの高SOC充電HCにより、正極構造のβNiOOHをγNiOOHに変化させることができる。その結果、γNiOOHを多く生成することができる。ハイレート放電をする時にγNiOOHは、αNi(OH)を経由して積層不整を生じたNi(OH)を多く生成することができる。
積層不整を生じたNi(OH)は、格子間の電子反発によって格子幅が広がるため、構造的に充放電の肝となるプロトンの移動性が良化する。
(6)負極抵抗のみならず正極抵抗も同時に低減できる。
(7)ハイレートの高SOC充電HCは、開弁を生じない範囲で充電するので、開弁リスクが低い。
(変形例)
上記実施形態は、以下のようにしても実施することができる。
〇本実施形態のニッケル水素蓄電池1は、車載用の電池モジュール11を備えた組電池を例示したが、その目的は、車載用に限定するものではない。また、形状も限定されず円柱状のものなど限定されない。
〇また、ニッケル水素蓄電池1は電池モジュール11に限定されず、単電池でもよい。
〇本実施形態に例示されたSOC値[%]や、充放電レート[C]や、電流値[A]や、電圧値[V]、時間[s]等は、例示であり、対象となる電池の特性に合わせて当業者により最適化される。閾値も同様に最適化される。
〇図6、図7に示すフローチャートは一例であり、当業者であればそれらの手順の順序を変えたり、手順を追加したり、省略して実施することができる。
○また、当業者であれば、特許請求の範囲を逸脱しない限り、構成を付加し、削除し、変更して実施できることは言うまでもない。
1…ニッケル水素蓄電池
2…製造装置
3…充放電装置
4…電圧測定器
5…電流測定器
6…温度計
7…保温冷却装置
8…制御装置
81…CPU
82…メモリ
10…一体電槽
11…電池モジュール
13…角形ケース
14…蓋体
15…電槽
16…開口部
18…隔壁
20…極板群
21…正極板
22…負極板
23…セパレータ
24…正極の集電板
25…負極の集電板
29a…正極の接続端子
29b…負極の接続端子(図示略)
30…単電池
32…貫通孔
33…排気弁
34…センサ装着穴
DC-IR…直流内部抵抗

Claims (8)

  1. 水酸化ニッケルを活物質とする正極と水素吸蔵合金を活物質とする負極とを備えて構成されるニッケル水素蓄電池を製造する方法であって、
    前記正極と前記負極とがセパレータを介して積層して構成された極板群を電解液とともにケースに封入して電池を組み立てる組立工程と、
    前記組立工程後に電池の過充電及び放電による充放電により前記正極中の水酸化ニッケルの活性化を含む電極の活性化を図る活性化充放電工程と、
    を含み、
    前記活性化充放電工程では、
    正極SOCが比較的低いSOC領域を設定された充電レートで充電する低SOC充電と、
    正極SOCが前記低SOC充電よりも比較的高いSOC領域を、前記低SOC充電よりも高い充電レートに設定された充電レートで充電する高SOC充電と、
    を行うことを特徴とするニッケル水素蓄電池の製造方法。
  2. 前記高SOC充電後に、前記高SOC充電の充電レートより大きな電流の放電電流により放電するハイレート放電を行うことを特徴とする請求項1に記載のニッケル水素蓄電池の製造方法。
  3. 前記高SOC充電は、正極SOCが100%以上の領域で過充電することを特徴とする請求項1又は2に記載のニッケル水素蓄電池の製造方法。
  4. 前記活性化充放電工程は、前記組立工程の後の最初に行われる充電において実施されることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載のニッケル水素蓄電池の製造方法。
  5. 前記高SOC充電は、充電レートが2C以上の電流で充電することを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載のニッケル水素蓄電池の製造方法。
  6. 前記高SOC充電は、充電レートが3~4Cの範囲の電流で充電することを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載のニッケル水素蓄電池の製造方法。
  7. 前記ハイレート放電は、放電レートが、3~4Cの範囲の電流で放電することを特徴とする請求項2に記載のニッケル水素蓄電池の製造方法。
  8. 前記活性化充放電工程は、複数サイクル繰り返し実施されることを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載のニッケル水素蓄電池の製造方法。
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