JP2022109767A - 複素環含有アミノ酸化合物の製造方法 - Google Patents

複素環含有アミノ酸化合物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】アルカリ性の不良土壌でも農耕を可能にするための肥料に配合される、鉄取り込み能を有するキレート剤成分として有用な複素環含有アミノ酸化合物の製造方法の提供。【解決手段】tert-ブチルプロリン等の、2位がカルボキシル基又はその保護基で置換された3~5員の含窒素飽和複素環化合物と、3-アミノ-1-tert-ブトキシ酪酸のtert-ブチルエステル等のアミノ酪酸誘導体と、アクロレイン及びシアン化剤を反応させる工程を含む、下記式(1)で表される複素環含有アミノ酸化合物の製造方法。TIFF2022109767000024.tif4184[R1aはH又はCO2R1b;R1bはH又はカルボキシル基の保護基;R2aはH又はOR2b;R2bはH又はヒドロキシル基の保護基;R3はH又はアミノ基の保護基;R4はH又はカルボキシル基の保護基;nは1~3の整数。]【選択図】なし

Description

本発明は、複素環含有アミノ酸化合物の製造方法等に関する。
植物の生長及び機能の維持には種々の微量金属元素が関与しており、これらの微量金属元素が欠乏すると植物は正常に生育することができない。例えば、鉄は、呼吸、光合成、DNA合成等に必要な元素であり、特にクロロフィルの生合成に必須な酵素の活性中心金属である。そのため、鉄が欠乏すると葉が黄色化するクロロシス(鉄欠乏黄白化症)を引き起こす。
一方、農耕に適さないとされる不良土壌は世界の全陸地の約67%を占めており、その半分がアルカリ性の土壌である。このようなアルカリ性土壌では、鉄が水に不溶な3価の水酸化第二鉄(Fe(OH))の形で存在するため、植物は鉄を根から十分に吸収できず、鉄欠乏症となってしまうことが問題となっている。
オオムギ、イネ、ムギ、トウモロコシ等のイネ科植物は、下記式(A)で表されるムギネ酸、下記式(B)で表される2’-デオキシムギネ酸(DMA)等のムギネ酸類(キレート剤)を根から分泌し、該キレート剤が鉄と錯体を形成することにより鉄を溶解させ、前記錯体を特異なトランスポーターを介して植物体内に取り込むことが知られている。
Figure 2022109767000001
これにより、アルカリ性土壌から鉄イオンを吸収することができるが、一般にムギネ酸類の分泌能は低く、例えば、イネ、トウモロコシ等のように、アルカリ性土壌では生育できないイネ科植物も多く存在する。
そこで、本発明者らは、アルカリ性の不良土壌でも農耕を可能にするため、肥料として供給可能な鉄取り込み能を有するキレート剤として有用な複素環含有アミノ酸化合物を提案している(特許文献1及び2)。
特許第6347396号 特許第6744530号
特許文献1及び2に記載の複素環含有アミノ酸化合物は、以下の工程1~4を含む方法により合成される:
(工程1)一方の末端にビニル基及び他方の末端に保護基で保護されたアミノ基を有する化合物のビニル基を酸化開裂させてアルデヒドとし、そのアルデヒドを複素環含有アミノ酸と反応(還元的アミノ化反応)させる工程;
(工程2)工程1の反応生成物のカルボキシル基を保護し、アミノ基の保護基を脱保護する工程;
(工程3)工程2の反応生成物を、一方の末端にホルミル基及び他方の末端に保護基で保護されたヒドロキシル基を有する化合物と反応させる工程;及び
(工程4)工程3の反応生成物のヒドロキシル基の保護基等を脱保護する工程。
上記方法は4工程必要であるが、より少ない工程数で、且つ、容易に入手可能な原料から合成できれば、産業上の利用価値が非常に高い。そこで、本発明の主たる課題は、複素環含有アミノ酸化合物の簡便な製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、下記の工程A及びB:
(A)下記式(2):
Figure 2022109767000002
[式中、
は、水素原子又はカルボキシル基の保護基であり、
nは、1~3の整数である]
で表される化合物又はその塩、アクロレイン、シアン化剤、及び下記式(3):
Figure 2022109767000003
[式中、
1aは、水素原子又はCO1bであり、
1bは、水素原子又はカルボキシル基の保護基であり、
2aは、水素原子又はOR2bであり、
2bは、水素原子又はヒドロキシル基の保護基であり、
は、水素原子又はアミノ基の保護基である]
で表される化合物又はその塩を反応させる工程A、及び
(B)工程Aで得られる、下記式(1):
Figure 2022109767000004
[式中、
1aは、水素原子又はCO1bであり、
1bは、水素原子又はカルボキシル基の保護基であり、
2aは、水素原子又はOR2bであり、
2bは、水素原子又はヒドロキシル基の保護基であり、
は、水素原子又はアミノ基の保護基であり、
は、水素原子又はカルボキシル基の保護基であり、
nは、前記と同じである]
で表される化合物又はその塩のシアノ基を加水分解によりカルボキシル基に変換する工程B
を含む方法により複素環含有アミノ酸化合物を簡便に製造できることを見出した。本発明者らは当該知見を基に更に検討を重ねて本発明を完成した。
本発明は、以下の態様を包含する。
[項1]
下記式(1):
Figure 2022109767000005
[式中、
1aは、水素原子又はCO1bであり、
1bは、水素原子又はカルボキシル基の保護基であり、
2aは、水素原子又はOR2bであり、
2bは、水素原子又はヒドロキシル基の保護基であり、
は、水素原子又はアミノ基の保護基であり、
は、水素原子又はカルボキシル基の保護基であり、
nは、1~3の整数である]
で表される化合物又はその塩を製造する方法であって、
下記式(2):
Figure 2022109767000006
[式中、R及びnは、前記と同じである]
で表される化合物又はその塩、アクロレイン、シアン化剤、及び下記式(3):
Figure 2022109767000007
[式中、R1a、R2a、及びRは、前記と同じである]
で表される化合物又はその塩を反応させる工程Aを含む、方法。
[項2]
下記式(4):
Figure 2022109767000008
[式中、
1cは、水素原子又はカルボキシル基であり、
2cは、水素原子又はヒドロキシル基であり、
nは、1~3の整数である]
で表される化合物又はその塩を製造する方法であって、
下記式(1):
Figure 2022109767000009
[式中、
1aは、水素原子又はCO1bであり、
1bは、水素原子又はカルボキシル基の保護基であり、
2aは、水素原子又はOR2bであり、
2bは、水素原子又はヒドロキシル基の保護基であり、
は、水素原子又はアミノ基の保護基であり、
は、水素原子又はカルボキシル基の保護基であり、
nは、前記と同じである]
で表される化合物又はその塩のシアノ基を加水分解によりカルボキシル基に変換する工程Bを含む、方法。
[項3]
前記工程Bが酸の存在下で実施される、項2に記載の方法。
[項4]
前記酸が無機酸である、項3に記載の方法。
[項5]
前記酸が塩酸、リン酸、硫酸、及び硝酸からなる群より選択される少なくとも一種である、項3又は4に記載の方法。
[項6]
前記カルボキシル基の保護基が、アルキル基、アルケニル基、又はアラルキル基であり、
前記ヒドロキシル基の保護基が、アルキル基、アラルキル基、シリル基、又はトリアルキルシリル基であり、
前記アミノ基の保護基が、アルコキシカルボニル基、アルケニルオキシカルボニル基、又はアラルキルオキシカルボニル基である、項2~5のいずれに記載の方法。
[項7]
さらに、下記式(2):
Figure 2022109767000010
[式中、R及びnは、前記と同じである]
で表される化合物又はその塩、アクロレイン、シアン化剤、及び下記式(3):
Figure 2022109767000011
[式中、R1a、R2a、及びRは、前記と同じである]
で表される化合物又はその塩を反応させて、前記式(1)で表される化合物を得る工程Aを含む、項2~6のいずれかに記載の方法。
[項8]
下記式(1):
Figure 2022109767000012
[式中、
1aは、水素原子又はCO1bであり、
1bは、水素原子又はカルボキシル基の保護基であり、
2aは、水素原子又はOR2bであり、
2bは、水素原子又はヒドロキシル基の保護基であり、
は、水素原子又はアミノ基の保護基であり、
は、水素原子又はカルボキシル基の保護基であり、
nは、1~3の整数である]
で表される化合物又はその塩。
[項9]
前記カルボキシル基の保護基が、アルキル基、アルケニル基、又はアラルキル基であり、
前記ヒドロキシル基の保護基が、アルキル基、アラルキル基、シリル基、又はトリアルキルシリル基であり、
前記アミノ基の保護基が、アルコキシカルボニル基、アルケニルオキシカルボニル基、又はアラルキルオキシカルボニル基である、項8に記載の化合物又はその塩。
本発明により、複素環含有アミノ酸化合物の簡便な製造方法が提供される。
1.定義
本明細書において、「Ca-b」とは、対象の炭素数がa以上b以下の整数であることを意味する。
本明細書において、「保護基」とは、特定の化学反応から官能基を保護するために使用される基をいう。
本明細書において、「カルボキシル基の保護基」とは、当該分野においてカルボキシル基を保護するために通常使用される保護基、例えば、PROTECTIVE GROUPS in ORGANIC SYNTHESIS(T. W. Green; P. G. M. Wuts著)に記載の保護基等を全て包含する概念である。カルボキシル基の保護基としては、例えば、1個以上の置換基を有していてもよいアルキル基、1個以上の置換基を有していてもよいアルケニル基、1個以上の置換基を有していてもよいシクロアルキル基、1個以上の置換基を有していてもよいアリール基、1個以上の置換基を有していてもよいアラルキル基等が挙げられる。
本明細書において、「ヒドロキシル基の保護基」とは、当該分野においてヒドロキシル基を保護するために通常使用される保護基、例えば、PROTECTIVE GROUPS in ORGANIC SYNTHESIS(T. W. Green; P. G. M. Wuts著)に記載の保護基等を全て包含する概念である。ヒドロキシル基の保護基としては、例えば、1個以上の置換基を有していてもよいアルキル基、1個以上の置換基を有していてもよいシクロアルキル基、1個以上の置換基を有していてもよいアリール基、1個以上の置換基を有していてもよいアラルキル基、1個以上の置換基を有していてもよい2-テトラヒドロピラニル基、1個以上の置換基を有していてもよいアルキルカルボニル基、1個以上の置換基を有していてもよいアリールカルボニル基、1個以上の置換基を有していてもよいアラルキルカルボニル基、1個以上の置換基を有していてもよいシリル基(-SiH)等が挙げられる。
本明細書において、「アミノ基の保護基」とは、当該分野においてアミノ基を保護するために通常使用される保護基、例えば、PROTECTIVE GROUPS in ORGANIC SYNTHESIS(T. W. Green; P. G. M. Wuts著)に記載の保護基等を全て包含する概念である。アミノ基の保護基としては、例えば、1個以上の置換基を有していてもよいアルキルカルボニル基、1個以上の置換基を有していてもよいアリールカルボニル基、1個以上の置換基を有していてもよいアラルキルカルボニル基、1個以上の置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基、1個以上の置換基を有していてもよいアルケニルオキシカルボニル基、1個以上の置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基、1個以上の置換基を有していてもよいアラルキルオキシカルボニル基、1個以上の置換基を有していてもよいアルキルスルホニル基、1個以上の置換基を有していてもよいアリールスルホニル基等が挙げられる。
本明細書において、「アルキル基」とは、直鎖状アルキル基及び分岐鎖状アルキル基を包含する概念である。アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基等の直鎖状C1-10アルキル基;イソプロピル基、イソブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、イソヘキシル基、イソヘプチル基、イソオクチル基、2-エチルヘキシル基等の分岐鎖状C3-10アルキル基等が挙げられる。
本明細書において、「アルケニル基」とは、直鎖状アルケニル基及び分岐鎖状アルケニル基を包含する概念である。アルケニル基としては、例えば、ビニル基、1-プロペニル基、アリル基等の直鎖状C1-10アルケニル基;1-メチルエテニル基、2-メチル-2-プロペニル基等の分岐鎖状C3-10アルケニル基等が挙げられる。
本明細書において、「シクロアルキル基」とは、環状のアルキル基をいう。シクロアルキル基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のC5-20シクロアルキル基等が挙げられる。
本明細書において、「アリール基」とは、1価の芳香族炭化水素基をいう。アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基等のC6-20アリール基等が挙げられる。
本明細書において、「アラルキル基」とは、アリールアルキル基をいう。アラルキル基としては、例えば、ベンジル基、トリチル基、フェネチル基等のC7-20アリール基等が挙げられる。
本明細書において、「アルキルカルボニル基」とは、式:R-CO-(式中、Rはアルキル基である)で表される基をいう。アルキルカルボニル基としては、例えば、メチルカルボニル基(アセチル基)、エチルカルボニル基、プロピルカルボニル基(n-プロピルカルボニル基、イソプロピルカルボニル基)、ブチルカルボニル基(n-ブチルカルボニル基、イソブチルカルボニル基、s-ブチルカルボニル基、t-ブチルカルボニル基)等のC1-10アルキルカルボニル基等が挙げられる。
本明細書において、「アリールカルボニル基」とは、式:R-CO-(式中、Rはアリール基である)で表される基をいう。アリールカルボニル基としては、例えば、ベンゾイル基、ナフトイル基等のC6-20アリールカルボニル基等が挙げられる。
本明細書において、「アラルキルカルボニル基」とは、式:R-CO-(式中、Rはアラルキル基である)で表される基をいう。アラルキルカルボニル基としては、例えば、ベンジルカルボニル基、フェネチルカルボニル基等のC7-20アラルキルカルボニル基等が挙げられる。
本明細書において、「アルコキシカルボニル基」とは、式:R-O-CO-(式中、Rはアルキル基である)で表される基をいう。アルコキシカルボニル基としては、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基(n-プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基)、ブトキシカルボニル基(n-ブトキシカルボニル基、イソブトキシカルボニル基、s-ブトキシカルボニル基、t-ブトキシカルボニル基)等のC1-10アルコキシカルボニル基等が挙げられる。
本明細書において、「アルケニルオキシカルボニル基」とは、式:R-O-CO-(式中、Rはアルケニル基である)で表される基をいう。アルケニルオキシカルボニル基としては、例えば、ビニルオキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、プロペニルオキシカルボニル基等のC1-10アルケニルオキシカルボニル基等が挙げられる。
本明細書において、「アリールオキシカルボニル基」とは、式:R-O-CO-(式中、Rはアリール基である)で表される基をいう。アリールオキシカルボニル基としては、例えば、フェニルオキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基等のC6-20アリールオキシカルボニル基等が挙げられる。
本明細書において、「アラルキルオキシカルボニル基」とは、式:R-O-CO-(式中、Rはアラルキル基である)で表される基をいう。アラルキルオキシカルボニル基としては、例えば、ベンジルオキシカルボニル基、9-フルオレニルメチルオキシカルボニル基、フェネチルオキシカルボニル基等のC7-20アラルキルオキシカルボニル基等が挙げられる。
本明細書において、「アルキルカルボニルオキシ基」とは、式:R-CO-O-(式中、Rはアルキル基である)で表される基をいう。アルキルカルボニルオキシ基としては、例えば、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基(n-プロピオニルオキシ基、イソプロピオニルオキシ基)、ブチリルオキシ基(n-ブチリルオキシ基、イソブチリルオキシ基、s-ブチリルオキシ基、t-ブチリルオキシ基)等のC1-10アルキルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
本明細書において、「アルキルスルホニル基」とは、式:R-SO-(式中、Rはアルキル基である)で表される基をいう。アルキルスルホニル基としては、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基等のC1-10アルキルスルホニル基等が挙げられる。
本明細書において、「アリールスルホニル基」とは、式:R-SO-(式中、Rはアリール基である)で表される基をいう。アリールスルホニル基としては、フェニルスルホニル基、ナフチルスルホニル基等のC6-20アリールスルホニル基等が挙げられる。
本明細書において、「置換基」とは、置換対象の水素原子に置き換わる他の原子又は原子団をいう。置換基としては、例えば、ハロゲン原子、ニトロ基、アルコキシ基、アルキルカルボニルオキシ基等が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書において、「ハロゲン原子」とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子を包含する概念である。
本明細書において、「アルコキシ基」とは、式:RO-(式中、Rはアルキル基である)で表される基をいう。アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基(n-プロポキシ基、イソプロポキシ基)、ブトキシ基(n-ブトキシ基、イソブトキシ基、s-ブトキシ基、t-ブトキシ基)等のC1-10アルコキシ基等が挙げられる。
例えば、1個以上の置換基を有するアルキル基の具体例としては、例えば、メトキシメチル基、エトキシエチル基等のC1-6アルコキシC1-6アルキル基;メトキシエトキシメチル基等のC1-6アルコキシC1-6アルコキシC1-6アルキル基;アセトキシメチル基、アセトキシエチル基、プロピオニルオキシメチル基、n-ブチリルオキシメチル基、イソブチリルオキシメチル基、ピバロイルオキシメチル基等のC1-6アルキルカルボニルオキシC1-6アルキル基等が挙げられる。
1個以上の置換基を有するアラルキル基の具体例としては、o-、m-、又はp-ニトロベンジル基、2,4-ジニトロベンジル基等のニトロアラルキル基;p-クロロベンジル基、p-ブロモベンジル基等のハロアラルキル基;p-メトキシベンジル基等のC1-6アルコキシアラルキル基等が挙げられる。
1個以上の置換基を有するシリル基の具体例としては、トリアルキルシリル基、アルキルジアリールシリル基等が挙げられる。トリアルキルシリル基としては、例えば、トリメチルシリル(TMS)基、トリエチルシリル(TES)基、トリイソプロピルシリル(TIPS)基、t-ブチルジメチルシリル(TBS)基等のトリC1-6アルキルシリル基等が挙げられる。アルキルジアリールシリル基としては、例えば、t-ブチルジフェニルシリル(TBDPS)基等のC1-6アルキルジC6-12アリールシリル基等が挙げられる。
2.式(1)で表される化合物又はその塩
式(1)で表される化合物又はその塩は、式(4)で表される化合物又はその塩を製造するのに有用な中間体である。
1aは、水素原子又はCO1bであり、R1bは、水素原子又はカルボキシル基の保護基である。R1bは、好ましくはカルボキシル基の保護基であり、より好ましくはアルキル基、アルケニル基、又はアラルキル基であり、さらに好ましくはメチル基、エチル基、t-ブチル基等のC1-6アルキル基;アリル基等のC2-6アルケニル基;又はベンジル基、トリチル基等のC7-20アラルキル基である。
2aは、水素原子又はOR2bであり、R2bは、水素原子又はヒドロキシル基の保護基である。R2bは、好ましくはヒドロキシル基の保護基であり、より好ましくはアルキル基、アラルキル基、シリル基、又はトリアルキルシリル基であり、さらに好ましくはメチル基、エチル基、t-ブチル基等のC1-6アルキル基;ベンジル基等のC7-20アラルキル基;シリル基;又はTMS基、TIPS基、TBS基等のトリC1-6アルキルシリル基である。
は、水素原子又はアミノ基の保護基である。Rは、好ましくはアミノ基の保護基であり、より好ましくはアルコキシカルボニル基、アルケニルオキシカルボニル基、又はアラルキルオキシカルボニル基、さらに好ましくはt-ブトキシカルボニル基等のC1-6アルコキシカルボニル基;アリルオキシカルボニル基等のC2-6アルケニルオキシカルボニル基;又はベンジルオキシカルボニル基、9-フルオレニルメチルオキシカルボニル基等のC7-20アラルキルオキシカルボニル基である。
は、水素原子又はカルボキシル基の保護基である。Rは、好ましくはカルボキシル基の保護基であり、より好ましくはアルキル基、アルケニル基、又はアラルキル基であり、さらに好ましくはメチル基、エチル基、t-ブチル基等のC1-6アルキル基;アリル基等のC2-6アルケニル基;又はベンジル基、トリチル基等のC7-20アラルキル基である。
1a、R2a、R、及びRの組み合わせとしては、R1aが水素原子又はCO1bであり、R1bがカルボキシル基の保護基であり、R2aが水素原子又はOR2bであり、R2bがヒドロキシル基の保護基であり、Rが水素原子であり、Rがカルボキシル基の保護基である組み合わせが好ましい。一実施態様において、R1aはCO1bであり、R1bはカルボキシル基の保護基であり、R2aはOR2bであり、R2bはヒドロキシル基の保護基であり、Rは水素原子であり、Rはカルボキシル基の保護基であることが好ましい。他の実施態様において、R1aはCO1bであり、R1bはカルボキシル基の保護基であり、R2aは水素原子であり、Rは水素原子であり、Rはカルボキシル基の保護基であることが好ましい。別の実施態様において、R1aは水素原子であり、R2aはOR2bであり、R2bはヒドロキシル基の保護基であり、Rは水素原子であり、Rはカルボキシル基の保護基であることが好ましい。
nは、1~3の整数である。
式(1)で表される化合物の塩は、特に限定されない。そのような塩としては、例えば、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩等の無機酸塩;酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、シュウ酸塩安息香酸塩等のカルボン酸塩;メタンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩等のスルホン酸塩等の有機酸塩;ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;マグネシウム塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩;ジメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム等のアンモニウム塩等が挙げられる。当該塩は、好ましくは無機酸塩であり、さらに好ましくは塩酸塩である。
式(1)で表される化合物又はその塩は、エナンチオマー、ジアステレオマー等の光学異性体、及びラセミ体を包含する。
3.式(1)で表される化合物又はその塩の製造方法
一実施態様において、式(1)で表される化合物又はその塩を製造する方法は、式(2)で表される化合物又はその塩、アクロレイン、シアン化剤、及び式(3)で表される化合物又はその塩を反応させる工程Aを含む。
式(2)のR及びnは、式(1)で説明した通りである。式(2)で表される化合物、又はその塩のどちらでもよい。なお化合物の塩の場合、式(2)で表される化合物の塩としては、特に限定されないが、式(1)で表される化合物の塩で例示した塩と同じものが挙げられる。なお、塩が反応に影響する場合には、脱塩して使用することが好ましい。
アクロレインの使用量は、式(2)で表される化合物又はその塩1モルに対して、例えば0.1モル以上、好ましくは0.5モル以上、さらに好ましくは1モル以上である。また、アクロレインの使用量は、式(2)で表される化合物又はその塩1モルに対して、例えば5モル以下、好ましくは4モル以下、より好ましくは3モル以下、さらに好ましくは2モル以下である。
シアン化剤としては、例えば、シアン化水素;シアン化ナトリウム、シアン化カリウム等のシアン化アルカリ金属;トリメチルシリルシアニド、アセトンシアノヒドリン等のシアン化有機試薬が挙げられる。シアン化剤の使用量は、式(2)で表される化合物又はその塩1モルに対して、例えば0.1モル以上、好ましくは0.5モル以上、さらに好ましくは1モル以上である。また、シアン化剤の使用量は、式(2)で表される化合物又はその塩1モルに対して、例えば5モル以下、好ましくは4モル以下、より好ましくは3モル以下、さらに好ましくは2モル以下である。
式(3)のR1a、R2a、及びRは、式(1)で説明した通りである。式(3)で表される化合物、又はその塩のどちらでもよい。なお化合物の塩の場合、式(3)で表される化合物の塩としては、特に限定されないが、式(1)で表される化合物の塩で例示した塩と同じものが挙げられる。なお、塩が反応に影響する場合には、脱塩して使用することが好ましい。式(3)で表される化合物又はその塩の使用量は、式(2)で表される化合物又はその塩1モルに対して、例えば0.1モル以上、好ましくは0.5モル以上、さらに好ましくは1モル以上である。また、式(3)で表される化合物又はその塩の使用量は、式(2)で表される化合物又はその塩1モルに対して、例えば5モル以下、好ましくは4モル以下、より好ましくは3モル以下、さらに好ましくは2モル以下である。
式(2)で表される化合物又はその塩、アクロレイン、シアン化剤、及び式(3)で表される化合物又はその塩の反応は、通常、これらの成分を混合することにより進行する。混合順序は特に限定されず、いかなる順序で混合しても反応は進行する。混合方法の一例としては、式(2)で表される化合物又はその塩をアクロレインと混合し、次いで式(3)で表される化合物又はその塩と混合し、最後にシアン化剤と混合する方法(以下、「混合方法1」という)が挙げられる。また、他の例としては、式(2)で表される化合物又はその塩とアクロレインとの混合物を、式(3)で表される化合物とシアン化剤との混合物と混合する方法(以下、「混合方法2」という)が挙げられる。さらに、別の例としては、式(2)で表される化合物又はその塩、アクロレイン、シアン化剤、及び式(3)で表される化合物又はその塩を一括混合する方法(以下、「混合方法3」という)が挙げられる。
工程Aは、通常、溶媒の存在下で実施される。溶媒は、極性溶媒であっても無極性溶媒であってもよい。極性溶媒としては、例えば、水;塩化メチレン等のハロゲン化炭化水素;イソプロパノール等のアルコール;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル;アセトニトリル等のニトリル等が挙げられる。無極性溶媒としては、例えば、トルエン等の芳香族炭化水素等が挙げられる。溶媒は1種類を単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。溶媒は、好ましくは極性溶媒であり、さらに好ましくはテトラヒドロフラン等のエーテルである。
工程Aは、塩基の非存在下又は存在下で実施することができる。例えば、工程Aを-15℃以下のような低温で実施する場合、又は式(2)で表される化合物又はその塩をアクロレインと混合する場合、塩基の存在下で実施することが好ましい。塩基としては、例えば、トリエチルアミン(TEA)、ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)、テトラメチルグアニジン(TMG)、ジアザビシクロオクタン(DABCO)、ジアザビシクロノネン(DBN)、ジアザビシクロウンデセン(DBU)、トリアザビシクロデセン(TBD)、N-メチル-トリアザビシクロデセン(MTBD)、ピリジン、4-ジメチルアミノピリジン(DMAP)等が挙げられる。塩基は1種類を単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
塩基の使用量は、式(2)で表される化合物又はその塩1モルに対して、例えば0.005モル以上、好ましくは0.01モル以上である。また、塩基の使用量は、式(2)で表される化合物又はその塩1モルに対して、例えば0.1モル以下、好ましくは0.05モル以下である。
工程Aは、酸の非存在下又は存在下で実施することができる。酸としては、例えば、酢酸、トリフルオロ酢酸、ピバル酸等の脂肪族カルボン酸;安息香酸等の芳香族カルボン酸;トシル酸等のスルホン酸等が挙げられるが、これらに限定されない。酸は1種類を単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。酸は、好ましくは酢酸、トリフルオロ酢酸等の脂肪族カルボン酸である。
酸の使用量は、式(2)で表される化合物又はその塩1モルに対して、例えば0.005モル以上、好ましくは0.01モル以上、さらに好ましくは0.02モル以上である。また、酸の使用量は、式(2)で表される化合物又はその塩1モルに対して、例えば5モル以下、好ましくは3モル以下、さらに好ましくは1モル以下である。
反応温度は、反応が進行する限り、特に限定されない。反応温度は、例えば-100℃以上、好ましくは-90℃以上、さらに好ましくは-80℃以上である。混合方法3のように4成分を一括で混合する場合、反応温度は、室温、例えば5~35℃の範囲内であることができる。一方、混合方法1及び2のように4成分を所定の順序で混合する場合、式(2)で表される化合物又はその塩とアクロレインとの混合は、例えば-15℃以下、好ましくは-30℃以下、より好ましくは-40℃以下、さらに好ましくは-50℃以下で実施し、その他の混合は、室温、例えば5~35℃の範囲内で実施してもよい。
式(1)で表される化合物又はその塩を製造する方法は、工程Aに加えて、さらに精製工程を含んでもよい。精製方法としては、例えば、濾過、抽出、濃縮、クロマトグラフィー、又はこれらの組み合わせ等が挙げられる。また、式(1)で表される化合物又はその塩を製造する方法は、工程Aに加えて、さらに光学分割工程を含んでもよい。
4.式(4)で表される化合物又はその塩
1cは、水素原子又はカルボキシル基であり、R2cは、水素原子又はヒドロキシル基である。R1c及びR2cの組み合わせとしては、R1cがカルボキシル基であり、且つ、R2cがヒドロキシル基である組み合わせ、R1cがカルボキシル基であり、且つ、R2cが水素原子である組み合わせ、又はR1cが水素原子であり、且つ、R2cがヒドロキシル基である組み合わせが好ましい。
nは、1~3の整数である。
式(4)で表される化合物の塩としては、特に限定されないが、式(1)で表される化合物の塩で例示した塩と同じものが挙げられる。
5.式(4)で表される化合物又はその塩の製造方法
一実施態様において、式(4)で表される化合物又はその塩の製造方法は、式(1)で表される化合物又はその塩のシアノ基を加水分解によりカルボキシル基に変換する工程Bを含む。
シアノ基を加水分解する方法は、特に限定されないが、通常、酸で加水分解する。酸としては、例えば、塩酸、リン酸、硫酸、硝酸等の無機酸等が挙げられる。酸は1種類を単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。酸の使用量は、式(4)で表される化合物又はその塩1モルに対して、例えば1モル以上、好ましくは2モル以上、さらに好ましくは3モル以上である。また、酸の使用量は、式(4)で表される化合物又はその塩1モルに対して、例えば100モル以下、好ましくは50モル以下、さらに好ましくは30モル以下である。
加水分解の反応温度は、反応が進行する限り、特に限定されない。当該反応温度は、例えば80℃以上、好ましくは90℃以上、さらに好ましくは100℃以上である。また、当該反応温度は、例えば150℃以下、好ましくは140℃以下、さらに好ましくは130℃以下である。
保護基の種類によっては、工程Bの加水分解反応で同時に除去されるが、工程Bの加水分解反応の際に除去されない保護基については、さらに保護基を除去(脱保護)する工程を含んでもよい。脱保護の方法は、保護基の種類によって適宜選択することができ、例えば、PROTECTIVE GROUPS in ORGANIC SYNTHESIS(T. W. Green; P. G. M. Wuts著)を参照してもよい。
式(4)で表される化合物又はその塩を製造する方法は、工程Bに加えて、さらに工程Aを含むことが好ましい。また、式(4)で表される化合物又はその塩を製造する方法は、さらに精製工程を含んでもよい。精製方法としては、例えば、濾過、抽出、濃縮、クロマトグラフィー、再結晶、又はこれらの組み合わせ等が挙げられる。式(4)で表される化合物又はその塩を製造する方法は、さらに光学分割工程を含んでもよい。
以下、実施例によって本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。実施例における略号は、下記の意味で用いる。
tBu:ターシャリーブチル
THF:テトラヒドロフラン
Et2O:ジエチルエーテル
DBU:ジアザビシクロウンデセン
TFA:トリフルオロ酢酸
TMSCN:トリメチルシリルシアミニド
iPrOH:イソプロパノール
実施例1.t-ブチル(3-シアノ-3-(((S)-3,4-ジ-t-ブトキシ-4-オキソブチル)アミノ)プロピル)-L-プロリネート(4)の合成 (方法1)
Figure 2022109767000013
tBuプロリン(1) (59mg, 0.34mmol)をTHF(1.2mL)に溶解させた。DBU(0.1M THF溶液) (0.17mL, 0.017mmol)を加え、-78℃に冷却した。反応溶液にアクロレイン(2) (25μL, 0.34mmol)を加え、-78℃で2時間攪拌した。反応溶液にtBu-アミノ酪酸溶液(tBu-アミノ酪酸(3) (79mg, 0.34mmol)をTHF(0.5mL)に溶解)、TFAの0.1M THF溶液(34μL, 0.0034mmol)を添加し、-78℃で2時間攪拌した。続いて、TMSCN(51μL, 0.41mmol), iPrOH(31μL, 0.41mmol)添加し、2時間攪拌した。反応終了後、Et2Oで希釈したのち飽和NaHCO3水溶液を加えた。Et2Oで抽出し、有機相をMgSO4で乾燥、濾過、濃縮した(NMR収率80%)。濃縮残渣をカラムクロマトグラフィー(n-ヘキサン/酢酸エチル(4:1)で精製し、黄色液体の標題化合物(4) (108mg, 68%)を得た。
実施例2.t-ブチル(3-シアノ-3-(((S)-3,4-ジ-t-ブトキシ-4-オキソブチル)アミノ)プロピル)-L-プロリネート(4)の合成 (方法2)
Figure 2022109767000014
tBuプロリン(1) (123mg, 0.71mmol)をTHF(3.6mL)に溶解させた。DBU(5μL, 0.035mmol)を加え、-78℃に冷却した。反応溶液にアクロレイン(2) (53μL, 0.71mmol)を加え、-78℃で2時間攪拌した。反応溶液にあらかじめ調整しておいたtBu-アミノ酪酸溶液(tBu-アミノ酪酸(3) (167mg, 0.72mmol)のiPrOH(3mL)溶液にNaCN(42mg, 0.85mmol), TFA(66μL, 0.85mmol)を加え、室温で15時間攪拌)を添加し、-78℃で2時間攪拌した。反応終了後、Et2Oで希釈したのち飽和NaHCO3水溶液を加えた。Et2Oで抽出し、有機相をMgSO4で乾燥、濾過、濃縮し、標題化合物(4)を得た(NMR収率55%)。
1H NMR(400 MHz, CD3OD): 4.10 (dd, J = 4.4, 8.4Hz, 1H), 4.06 (dd, J = 5.3, 7.2Hz, 1H), 3.85 (t, J = 6.5Hz, 1H), 3.80 (dd, J = 6.4, 7.3Hz, 1H), 3.19-3.14 (m, 1H), 3.09-3.04 (m, 1H), 2.96-2.85 (m, 2H), 2.07-2.54 (m, 2H), 2.34 (ddd, J = 8.0, 12.4, 16Hz, 1H), 2.15-2.06 (m, 1H), 2.01-1.74 (m, 7H), 1.48 (s, 18H), 1.99 (s, 9H)
実施例3.(3-カルボキシ-3-(((S)-3-カルボキシ-3-ヒドロキシプロピル)アミノ)プロピル)-L-プロリン(5)の合成
Figure 2022109767000015
化合物(4) (474 mg, 1.01 mmol)に対して、12Mの塩酸水溶液(5mL)を加え0℃で30分攪拌したのち、反応溶液を室温に昇温しさらに1時間攪拌した。その後、反応溶液を100℃に昇温し19時間攪拌した。溶液を室温まで冷却した後、減圧下で濃縮した。濃縮残渣をH2O(1.5mL)に溶解させたのち、活性炭(100mg)を加え室温で5分攪拌した。その溶液を濾過し、ろ液を濃縮した。得られた残渣をイオン交換樹脂(H2O→5% NH3)で精製することで、茶色固体の標題化合物(5) (214.6mg, 70%)を得た。
1H NMR(500 MHz, D2O): 4.43 (dd, J = 4.3, 8.1Hz, 1H), 4.20 (td, J = 5.5, 9.6Hz, 1H), 3.96 (dd, J = 4.4, 8.6Hz, 1H), 3.91 (t, J = 6.7Hz, 1H), 3.82 (ddd, J = 3.7, 7.2, 11Hz, 1H), 3.60-3.37 (m, 2H), 3.34-3.18 (m, 3H), 2.56-2.50 (m, 1H), 2.37-2.26 (m, 3H), 2.23-1.95 (m, 4H)

Claims (9)

  1. 下記式(1):
    Figure 2022109767000016
    [式中、
    1aは、水素原子又はCO1bであり、
    1bは、水素原子又はカルボキシル基の保護基であり、
    2aは、水素原子又はOR2bであり、
    2bは、水素原子又はヒドロキシル基の保護基であり、
    は、水素原子又はアミノ基の保護基であり、
    は、水素原子又はカルボキシル基の保護基であり、
    nは、1~3の整数である]
    で表される化合物又はその塩を製造する方法であって、
    下記式(2):
    Figure 2022109767000017
    [式中、R及びnは、前記と同じである]
    で表される化合物又はその塩、アクロレイン、シアン化剤、及び下記式(3):
    Figure 2022109767000018
    [式中、R1a、R2a、及びRは、前記と同じである]
    で表される化合物又はその塩を反応させる工程Aを含む、方法。
  2. 下記式(4):
    Figure 2022109767000019
    [式中、
    1cは、水素原子又はカルボキシル基であり、
    2cは、水素原子又はヒドロキシル基であり、
    nは、1~3の整数である]
    で表される化合物又はその塩を製造する方法であって、
    下記式(1):
    Figure 2022109767000020
    [式中、
    1aは、水素原子又はCO1bであり、
    1bは、水素原子又はカルボキシル基の保護基であり、
    2aは、水素原子又はOR2bであり、
    2bは、水素原子又はヒドロキシル基の保護基であり、
    は、水素原子又はアミノ基の保護基であり、
    は、水素原子又はカルボキシル基の保護基であり、
    nは、前記と同じである]
    で表される化合物又はその塩のシアノ基を加水分解によりカルボキシル基に変換する工程Bを含む、方法。
  3. 前記工程Bが酸の存在下で実施される、請求項2に記載の方法。
  4. 前記酸が無機酸である、請求項3に記載の方法。
  5. 前記酸が塩酸、リン酸、硫酸、及び硝酸からなる群より選択される少なくとも一種である、請求項3又は4に記載の方法。
  6. 前記カルボキシル基の保護基が、アルキル基、アルケニル基、又はアラルキル基であり、
    前記ヒドロキシル基の保護基が、アルキル基、アラルキル基、シリル基、又はトリアルキルシリル基であり、
    前記アミノ基の保護基が、アルコキシカルボニル基、アルケニルオキシカルボニル基、又はアラルキルオキシカルボニル基である、請求項2~5のいずれに記載の方法。
  7. さらに、下記式(2):
    Figure 2022109767000021
    [式中、R及びnは、前記と同じである]
    で表される化合物又はその塩、アクロレイン、シアン化剤、及び下記式(3):
    Figure 2022109767000022
    [式中、R1a、R2a、及びRは、前記と同じである]
    で表される化合物又はその塩を反応させて、前記式(1)で表される化合物を得る工程Aを含む、請求項2~6のいずれかに記載の方法。
  8. 下記式(1):
    Figure 2022109767000023
    [式中、
    1aは、水素原子又はCO1bであり、
    1bは、水素原子又はカルボキシル基の保護基であり、
    2aは、水素原子又はOR2bであり、
    2bは、水素原子又はヒドロキシル基の保護基であり、
    は、水素原子又はアミノ基の保護基であり、
    は、水素原子又はカルボキシル基の保護基であり、
    nは、1~3の整数である]
    で表される化合物又はその塩。
  9. 前記カルボキシル基の保護基が、アルキル基、アルケニル基、又はアラルキル基であり、
    前記ヒドロキシル基の保護基が、アルキル基、アラルキル基、シリル基、又はトリアルキルシリル基であり、
    前記アミノ基の保護基が、アルコキシカルボニル基、アルケニルオキシカルボニル基、又はアラルキルオキシカルボニル基である、請求項8に記載の化合物又はその塩。
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