JP4117009B2 - ムギネ酸類の効率的製造方法 - Google Patents

ムギネ酸類の効率的製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4117009B2
JP4117009B2 JP2006307397A JP2006307397A JP4117009B2 JP 4117009 B2 JP4117009 B2 JP 4117009B2 JP 2006307397 A JP2006307397 A JP 2006307397A JP 2006307397 A JP2006307397 A JP 2006307397A JP 4117009 B2 JP4117009 B2 JP 4117009B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acid
group
compound
mugineic
protecting group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2006307397A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008120741A (ja
Inventor
康祐 難波
佳子 村田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Suntory Ltd
Original Assignee
Suntory Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Suntory Ltd filed Critical Suntory Ltd
Priority to JP2006307397A priority Critical patent/JP4117009B2/ja
Priority to TW096141327A priority patent/TW200827335A/zh
Priority to CNA2007101655496A priority patent/CN101195598A/zh
Priority to CA002669629A priority patent/CA2669629A1/en
Priority to KR1020097009626A priority patent/KR20090078824A/ko
Priority to EP07831623A priority patent/EP2103599A1/en
Priority to RU2009122481/04A priority patent/RU2009122481A/ru
Priority to PCT/JP2007/071893 priority patent/WO2008059782A1/ja
Priority to US12/514,745 priority patent/US20100256395A1/en
Priority to AU2007320559A priority patent/AU2007320559A1/en
Publication of JP2008120741A publication Critical patent/JP2008120741A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4117009B2 publication Critical patent/JP4117009B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D205/00Heterocyclic compounds containing four-membered rings with one nitrogen atom as the only ring hetero atom
    • C07D205/02Heterocyclic compounds containing four-membered rings with one nitrogen atom as the only ring hetero atom not condensed with other rings
    • C07D205/04Heterocyclic compounds containing four-membered rings with one nitrogen atom as the only ring hetero atom not condensed with other rings having no double bonds between ring members or between ring members and non-ring members
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D205/00Heterocyclic compounds containing four-membered rings with one nitrogen atom as the only ring hetero atom
    • C07D205/02Heterocyclic compounds containing four-membered rings with one nitrogen atom as the only ring hetero atom not condensed with other rings
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/55Design of synthesis routes, e.g. reducing the use of auxiliary or protecting groups

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Description

本発明は、ムギネ酸類の効率的な短段階製造方法に関する。
鉄欠乏は、現在世界中で最も一般的なヒトの栄養問題であり、工業国と発展途上国の両方で、多くの人達がこの問題を抱えている。ヒトは、必要な鉄を作物からもとっている。しかし、往々にして、作物は十分な量の鉄を土壌から取り込まず、葉緑素の生成に触媒的に働く鉄が欠乏して退緑、低収量、および栄養の質の低下を引き起こす。残念なことにほとんどの作物は生物学的に利用可能な鉄を少量しか含んでいない。加えて、土壌中に利用可能な鉄が少ないことは、植物の生長を制限し、収穫量の低下を招く。世界中の土壌の約3分の1が潜在的な鉄欠乏地帯と言われている。植物による鉄の取り込みを低下させる要因は、鉄不足だけではない。例えば、土壌中の鉄の生物学的利用能は高いpH(アルカリ性)による影響を特に受ける。すなわち、アルカリ性土壌では鉄イオンは水に不溶な水酸化第二鉄(Fe(OH)3)の形で存在するため、植物は根から鉄分を十分に吸収することが出来ない。この問題に対し、イネ科植物種はファイトシデロフォア(phytosiderophore)と呼ばれる金属キレート剤であるムギネ酸を分泌し、3価の不溶態鉄をムギネ酸・鉄錯体として可溶化することによって、この鉄錯体を根から吸収し鉄を獲得することができる(非特許文献1参照。)。ムギネ酸は1978年に鉄欠乏オオムギの根から最初に単離・構造決定された鉄をキレートする物質である(非特許文献2参照。)。ムギネ酸はアゼチジンカルボン酸ユニット、アスパラギン酸ユニット、リンゴ酸ユニットが還元的に結合した化合物であるが、近年までにコムギから単離された2’−デオキシムギネ酸(非特許文献3参照。)など種々のムギネ酸の類縁体が単離されており(非特許文献4参照。)、これらを総称してムギネ酸類と呼んでいる。
ムギネ酸類を用いた研究または利用は今後さらなる発展が期待されるが、これらムギネ酸類の大量入手は困難であった。ムギネ酸類の製造例は、Ohfuneらによって1981年に報告された2’−デオキシムギネ酸の製造が最初であり(非特許文献5参照。)、同時期にFushiyaらによっても2’−デオキシムギネ酸の他の製造方法が報告されている(非特許文献6参照。)。次いで、1986年にHamadaらによってムギネ酸の製造方法が報告された(非特許文献7参照。)。その後Matsuuraらはさらに簡便に改良したムギネ酸の製造方法を報告している(非特許文献8参照。)。また、2001年にMiyakoshiらは効率的な2’−デオキシムギネ酸および、ムギネ酸類の前駆体であるニコチアナミン(3”位の水酸基がアミノ基に置換されたもの)の製造方法を報告した(非特許文献9参照。)。このMiyakoshiらの効率的な製造方法の確立によって、ニコチアナミンは長谷川香料株式会社より市販されるようになり、多くの研究者が容易に入手できるようになった。最近になって、Singhらによって効率的な2’−デオキシムギネ酸の製造方法が報告された(非特許文献10参照。)。この方法は、ムギネ酸を構成するアゼチジンカルボン酸ユニット、アスパラギン酸ユニット及びリンゴ酸ユニットの3つのユニットのうち、アゼチジンカルボン酸ユニットを保護することなく、2’−デオキシムギネ酸を合成することができる。その後、2’−デオキシムギネ酸は2005年末からカナダのTRC
Inc.から市販されるようになった。
マーシュナー・エイチ(Marschner, H)ら、ジャーナル・オブ・プラント・ニュートリション(J. Plant Nutr.)、1986年、第9巻、p.695-713 タケモト・ティ(Takemoto,T)ら、プロシディングス・オブ・ザ・ジャパン・アカデミー(Proc.Japan Acad.)、1978年、第54-B巻、p.469-473 ノモト・ケー(Nomoto,K)ら、チミア(Chimia)、1981年、第7巻、p.249-250 マ・ジェイ・エフ(Ma, J. F.)、ノモト・ケー(Nomoto,K)、フイジオロジア・プランタラム(Physiol. Plant.)、1996年、第97巻、p. 609-617 オーフネ・ワイ(Ohfune,Y.)ら、ジャーナル・オブ・ザ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティ(J.Am.Chem.Soc.)、1981年、第103巻、p.2409-2410. フシヤ・エス(Fushiya, S.)ら、ケミストリー・レターズ(Chem.Lett.)、1981年、p.909-912 ハマダ・ワイ(Hamada,Y.)、シオイリ・ティ(Shioiri,T.)ザ・ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(J.Org.Chem.)、1986年、第51巻、p.5489-5490 マツウラ・エフ(Matsuura,F.)ら、テトラヘドロン(Tetrahedron)、1993年、第49巻、p.8211-8222. ミヤコシ・ケー(Miyakoshi,K.)ら、テトラヘドロン(Tetrahedron)、2001年、第57巻、p.3355-3360. シン・エス(Singh,S.)ら、テトラヘドロン・レターズ(Tetrahedron Lett.)、2005年、第46巻、p.1419-1421
ムギネ酸類は、植物の鉄吸収メカニズムの解明研究に非常に重要なツールとして用いられてきた。さらに、ムギネ酸類はその鉄キレート能力から、EDTAに代わる安全な金属キレート剤として、動植物の鉄欠乏症に対する有効なアプローチとして健康食品、化粧品または肥料などの分野で用いられる可能性を秘めている。従って、ムギネ酸類の製造方法の改善は重要である。
これまでに報告されている製造方法では全て製造中間体を単離精製しており、これらの操作に非常に多くの労力と時間を要すると共に、収率を低下させていた。
例えば、上記非特許文献5〜8が教える製造方法は多くの工程数を要することや、中間体の分離精製に多くの労力を費やすことなどから、安定な大量供給にはさらなる改良が必要とされた。また、上記非特許文献9が教える製造方法では2’−デオキシムギネ酸の収率が低く、29%にとどまっている。また、同文献が教える方法により、ムギネ酸類の前駆体であるニコチアナミンは市販により容易に入手できるようになったが、2’−デオキシムギネ酸は、未だ高価であり、未だ高い収率で得ることができず、大量に入手するには未だ困難である。
安価に大量のムギネ酸類を提供できるようになれば、それらの研究分野への貢献、健康食品、化粧品または肥料などの分野での利用の可能性は計り知れない。しかし、上記したようにこれまでに報告された製造方法では、工程数が多いこと、中間体の単離精製に多くの労力を要し、収率が低いことなどから、安価での大量供給には問題があった。
本発明は従来技術におけるこのような問題を解決するものであり、安価に大量に供給できるムギネ酸類の製造方法を提供することを課題とする。すなわち、ムギネ酸類を実用的に製造するには、1)工程数の短縮化、2)製造中間体の単離精製操作の省略化、3)製造操作の簡便化、4)安価な反応試薬などが必要不可欠な課題として挙げられる。本発明は、これら必要不可欠な課題を一度に解決できるムギネ酸類の製造方法を提供することを目的とする。
ムギネ酸は、アゼチジンカルボン酸ユニット、アスパラギン酸ユニットおよびリンゴ酸ユニットの3つのユニットからなる化合物であるが、それらユニットのカップリング反応の際には、それらユニットが有する多数のカルボキシル基、アミノ基または水酸基の保護基の脱着が必要であり、こういった操作が工程数の多段階化に拍車をかけていた。そこで、発明者らはカルボキシル基、アミノ基または水酸基の保護基の使用を最低限に抑えることによって工程数の短縮を行った。即ち、発明者らは、アゼチジンカルボン酸ユニット及びアスパラギン酸ユニットにカルボキシル基に保護基を導入しないか、保護基を導入しても単離精製せず次の工程にすすめることができる方法を構築することにより工程数の短縮化と操作の簡便化が行えることを知見した。本発明者らは、さらに研究を重ね、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
[1] 下記一般式(2):
Figure 0004117009
(式中、R1は水素原子また水酸基を表し、R4は水素原子またはカルボキシル基の保護基を表し、R5はアミノ基の保護基を表す。)
で表される化合物のビニル基を酸化開裂させると同時にアゼチジン−2−カルボン酸で還元的アミノ化反応させ下記一般式(3):
Figure 0004117009
(式中、R1、R4およびR5は前記と同義を表す。)
で表される化合物を得た後、該化合物のカルボキシル基を保護基で保護すると共にアミノ基の保護基を除去し、下記一般式(4):
Figure 0004117009
(式中、R1およびR4前記と同義を表し、R6はカルボキシル基の保護基を表す。)
で表される化合物またはその塩とし、次いで該化合物で下記一般式(5):
Figure 0004117009
(式中、R2は水素原子また水酸基を表し、Rはカルボキシル基の保護基を表し、R8は−OR9(R9は水酸基の保護基を表す。)、または−NHR10(R10はアミノ基の保護基を表す。))
で表されるアルデヒドを還元的アミノ化反応させて下記一般式(6):
Figure 0004117009
(式中、R1、R2、R4、R6、R7およびR8は前記と同義を表す。)
で表される化合物とした後、カルボキシル基の保護基および水酸基またはアミノ基の保護基を除くことを特徴とする下記一般式(1):
Figure 0004117009
(式中、R1およびR2は前記と同義を表し、R3は水酸基またはアミノ基を表す。)
で表されるムギネ酸類の製造方法。
[2] 下記一般式(3−1):
Figure 0004117009
(式中、R1は水素原子またはヒドロキシル基を表し、Bocはtert−ブトキシカルボニル基を表す。)で表される化合物、および
[3] 下記一般式(4−1):
Figure 0004117009
(式中、R1は水素原子またはヒドロキシル基を表し、Etはエチル基を表す。)
で表される化合物、
に関する。
本発明のムギネ酸類の製造方法によれば、安価な反応試薬によりムギネ酸類を製造できる。また、本発明のムギネ酸類の製造方法によれば、出発物質から順次反応試薬を加えていくのみで最終目的物の官能基が保護基で保護された保護体を得ることができる。この結果、全工程の中で精製は簡単な一度の操作のみである。従って、本発明によれば、ムギネ酸類を短時間で容易に製造できる。さらに本工程の大きな特徴としては、全ての反応をほぼワンポット(one-pot)で行うにも関わらず、非常に高収率で目的とするムギネ酸類を得ることができる。本発明のムギネ酸類の製造方法による全工程のスピードアップ化、製造操作の簡便化は、ムギネ酸類を大量に安価に供給するための非常に大きなアドバンテージとなる。実際に本発明によるムギネ酸類の全製造工程での試算は、現在市販されているものと比べても非常に安価となり得る。
本発明は、ムギネ酸、2’−デオキシムギネ酸、3−ヒドロキシムギネ酸、3−エピヒドロキシムギネ酸などのムギネ酸類やその前駆体であるニコチアナミンまたは2”−ヒドロキシニコチアナミンなどの新規な製造方法に関するものである。
本発明において、R4、R6またはR7で表される「カルボキシル基の保護基」としては、例えば、エステル残基を例示することができ、かかるエステル残基としては、メチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、iso−ブチル、tert−ブチル、n−ヘキシル、シクロヘキシルなどの炭素数1〜6の直鎖状、分岐状または環状の低級アルキル基;ベンジル、p−ニトロベンジル、o−ニトロベンジル、m−ニトロベンジル、2,4−ジニトロベンジル、p−クロロベンジル、p−ブロモベンジル、p−メトキシベンジルなどのアラルキル基;アセトキシメチル、アセトキシエチル、プロピオニルオキシメチル、n−ブチリルオキシメチル、iso−ブチリルオキシメチル、ピバロイルオキシメチルなどの低級脂肪族アシルオキシメチルなどが挙げられる。カルボキシル基の保護基としては、低級アルキル基が好ましく、エチルまたはtert−ブチルがとりわけ好ましい。
本発明において、R5またはR10で表される「アミノ基の保護基」としては、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル(以下、Bocと略記する。)などのアルコキシカルボニル基;ビニルオキシカルボニルなどのアルケニルオキシカルボニル基;ベンジルオキシカルボニル(以下、Cbzと略記する。)、9−フルオレニルメトキシカルボニルなどのアラルキルオキシカルボニル基;ベンジル、4−メトキシベンジルなどの置換されていてもよいアラルキル基;ホルミル、アセチル、トリフルオロアセチル、ベンゾイルなどのアシル基;p−トルエンスルホニル、ベンゼンスルホニルなどのアリールスルホニル基;メタンスルホニルなどのアルキルスルホニル基などが挙げられる。アミノ基の保護基としては、BocまたはCbzがとりわけ好ましい。
本発明において、R9で表される「水酸基の保護基」としては、例えばメチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、iso−ブチル、tert−ブチル、n−ヘキシルなどの炭素数1〜6の直鎖状または分岐状の低級アルキル基;トリメチルシリル、トリエチルシリル、tert−ブチルジメチルシリルなどのトリアルキルシリル基;テトラヒドロピラン−2−イル、メトキシメチル、メトキシエトキシメチルなどのアセタール型保護基;tert−ブトキシカルボニルなどのアルコキシカルボニル基;ベンジルなどのアラルキル基などが挙げられる。水酸基の保護基としては、低級アルキル基が好ましく、tert−ブチルがとりわけ好ましい。
本発明のムギネ酸類の製造方法は、以下の工程1乃至4を含む。
Figure 0004117009
(式中、上記各記号は前記と同義を表す。)
以下各工程について説明する。
(1)工程1
工程1において、原料となる一般式(2)であらわされる化合物(以下、化合物(2)と略記する。)としては、例えばアミノ基が保護基で保護された、例えばBoc−L−アリルグリシンまたはCbz−L−アリルグリシンまたはそれらのカルボキシル基が保護基で保護された化合物などが好ましく挙げられる。前記Boc−L−アリルグリシンまたはCbz−L−アリルグリシンなどは、市販のL−アリルグリシンより、PROTECTIVE GROUPS in ORGANIC SYNTHESIS (T. W. Green; P. G. M. Wuts著)に記載の方法に準じて容易に製造できる。また、これらは試薬などとして市販されているものも好ましく使用できる。
工程1において、化合物(2)は、そのビニル基が酸化開裂され、それと同時にアゼチジン−2−カルボン酸で還元的アミノ化反応に付される。酸化開裂は、例えばオゾン、過マンガン酸塩、RuCl3またはOsO4−NaIO4などにより行うことが好ましく、オゾンによる酸化開裂がより好ましい。オゾンによる酸化開裂は、例えば化合物(2)を溶媒に溶解した溶液に、オゾンガスを吹き込むこと(バブリング)によって行うことが好ましい。溶媒としては、例えばメタノール、ジクロロメタン、酢酸エチルなどの有機溶媒が挙げられる。オゾンによる酸化開裂が終了してオゾンが溶液中で飽和されると溶液が青く着色するので、オゾンガスのバブリングは、溶液の色が青くなるまで行うことが好ましい。オゾンガスのバブリングは、約−100〜−50℃の低温化で行われることが好ましい。オゾンガスは、例えばオゾンガス発生機などによって発生させることができる。オゾンガスのバブリング後は、過剰のオゾンを除去するため溶液の青色が消えるまで、溶液に例えば酸素または、窒素、アルゴンガスなどをバブリングすることが好ましい。
酸化開裂と同時に行われるアゼチジン−2−カルボン酸での還元的アミノ化反応は、還元剤の存在下に行われることが好ましい。該還元剤としては、例えばシアノ水素化ホウ素ナトリウム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムなどが好ましく挙げられる。還元的アミノ化反応におけるpHは、通常約4〜7が好ましく、約6〜7がより好ましい。また、還元的アミノ化反応は、通常冷却下ないし加温程度、好ましくは室温下に行なわれ、約1〜2時間攪拌することが好ましい。化合物(2)1モルに対するアゼチジン−2−カルボン酸の割合は約1モル(1:1のモル比で高収率が得られるのが本合成の利点である)が好ましい。また、化合物(2)1モルに対する還元剤の割合は約1〜2モルが好ましい。
L−アゼチジン−2−カルボン酸は試薬などとして市販されているものを好ましく使用できる。
上記工程1により一般式(3)で表される化合物(以下、化合物(3)と略記する。)を得ることができる。
化合物(3)としては、例えば一般式(3−1)または(3−2):
Figure 0004117009
(式中、R1は上記と同義である。)で表される化合物(以下、それぞれ化合物(3−1)、化合物(3−2)と略記する。)などが好ましく挙げられる。
(2)工程2
工程2において、化合物(3)のカルボキシル基を保護基で保護すると共にアミノ基の保護基を除去することにより、一般式(4)で表される化合物(以下、化合物(4)と略記する。)またはその塩とすることができる。カルボキシル基を保護基で保護する反応としては、例えばアルコールとの脱水縮合反応などが挙げられる。該反応に用いられるアルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、tert−ブタノールなどが挙げられる。工程2におけるアミノ基の保護基の除去反応(以下、脱保護と略記する。)としては、その保護基の種類に応じて酸あるいは塩基による方法、または接触還元による方法などを適宜選択して行うことができる。脱保護における反応温度は、通常冷却下ないし加温程度で行なわれ、反応時間は約30分〜24時間が好ましい。
例えば、アミノ基の保護基がBocの場合は、例えばトリフルオロ酢酸や塩酸−テトラヒドロフラン溶液などの強酸性条件下で脱保護を行うことが好ましい。より具体的には、化合物(3)に、例えば塩酸/エタノール溶液を反応させることが好ましい。前記反応は、例えば氷冷下で約30分〜5時間、次いで室温で約1〜24時間、撹拌することにより実施できる。塩酸/エタノール溶液(以下、エタノール塩酸と略記する。)は、例えば塩化アセチルを過剰量のエタノールに添加することにより調製できる。塩化アセチルとエタノールの割合は、例えば塩化アセチル1容量に対してエタノール約20〜50倍容量が好ましい。或は、エタノールに塩酸ガスをバブリングすることによっても調製できる。予め秤量したエタノールと、塩酸ガスバブリング後のエタノールの重さを比べることによって、塩酸の溶解量を決めることが出来る。前記反応後、反応混合物を例えば減圧濃縮した後、例えばトルエンなどを加えて共沸蒸留により溶媒を留去させることが好ましく、さらに、共沸蒸留後に例えば真空ポンプなどで吸引して乾燥させることが好ましい。これにより、化合物(3)のカルボキシル基が保護基で保護されると共にアミノ基の保護基が除去された例えば化合物(4)の塩酸塩(一般式(4−1)):
Figure 0004117009
(式中、R1は上記と同義である。)
が生成される。
また、例えば、アミノ基の保護基がベンジルオキシカルボニル基(以下、Cbzと略記する。)の場合は、例えばパラジウムを触媒とした水素添加反応やバーチ還元などで脱保護を行うことが好ましい。
(3)工程3
工程3において、工程2で得られた化合物(4)で、一般式(5)で表されるアルデヒド(以下、アルデヒド(5)と略記する。)の還元的アミノ化反応を行うことが好ましい。該還元的アミノ化反応は、有機溶媒中、上記化合物(2)の還元的アミノ化反応と同様に例えば還元剤の存在下に、行うことができる。有機溶媒としては、メタノール、エタノール、ジメチルホルムアミドなどが挙げられる。アルデヒド(5)は、例えば、Nishimaru, T et al. Peptide
Science 2006, 42, 263-266.に記載の方法または該記載の方法に準じて容易に製造できる。還元的アミノ化反応により得られる反応混合物には、一般式(6)で表される化合物(以下、化合物(6)と略記する。)が含まれる。該反応混合物から、化合物(6)を分離または精製することが好ましい。該分離または精製は、公知の方法を用いることができ、例えば酢酸エチルやクロロホルム、ジクロロメタンなどの有機溶媒による抽出や、例えばシリカゲルなどを担体とするクロマトグラフィーなどを単独でまたは組合せて行うことができる。
(4)工程4
工程4において、化合物(6)におけるカルボキシル基の保護基および水酸基またはアミノ基の保護基の除去(脱保護)反応は、その保護基の種類に応じて、酸あるいは塩基による方法、または接触還元による方法を適宜選択して行うことができる。酸による方法の場合には、保護基の種類その他の条件によって異なるが、酸としては、例えば塩酸、臭化水素、フッ化水素、沃化水素、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、硫酸、リン酸などの無機酸、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸などの有機酸の他、酸性イオン交換樹脂などが挙げられる。塩基による方法の場合には、保護基の種類その他の条件によって異なるが、塩基としては、例えばナトリウム,カリウムなどのアルカリ金属もしくはカルシウム,マグネシウムなどのアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩などの無機塩基、金属アルコキサイド類、有機アミン類、第四アンモニウム塩などの有機塩基の他、塩基性イオン交換樹脂などが挙げられる。上記酸または塩基による方法の場合において溶媒を使用する場合には、たとえば、水、メタノール、エタノール、酢酸エチル、クロロホルム、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ピリジン、酢酸、アセトンまたは塩化メチレンなどを単一、もしくは混合して用いることができる。また金属と酸による方法においては水,アセトンなどが繁用されるが酸が液体のときは酸自身を溶媒として使用することもできる。酸および塩基による方法において反応温度は、通常冷却下ないし加温程度で行なわれ、反応時間は約30分〜20時間である。化合物(6)における、カルボキシル基の保護基および水酸基またはアミノ基の保護基の脱保護は、酸、例えば塩酸、とりわけ約4〜6N塩酸と1N水酸化ナトリウムによる方法が好ましい。
脱保護反応後、反応混合物から、一般式(1)で表される化合物を分離または精製する。該分離または精製方法としては、公知の方法を用いることができ、例えば液体クロマトグラフィーや再結晶などが挙げられる。液体クロマトグラフィーとしては、イオン交換クロマトグラフィー、分配クロマトグラフィー、吸着クロマトグラフィー、ゲル浸透クロマトグラフィーなどが挙げられ、これらは単独でまたは組合せて行うことができる。
なお、工程1において、原料となる化合物(2)のR1が水酸基である化合物は、化合物(2)のR1が水素原子である化合物から、例えば以下により製造できる。
Figure 0004117009
(式中、RXはハロゲン化アルキルを表し、R5は前記と同義を表す。)
まず、一般式(2−1)で表される化合物(例えば、Boc−L−アリルグリシンまたはCbz−L−アリルグリシンなど;以下、化合物(2−1)と略記する。)を溶媒に溶解し、塩基の存在下ハロゲン化アルキルを反応させて、カルボキシル基を保護基で保護する。上記溶媒としては、例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジオキサンなどが挙げられる。塩基としては、例えば炭酸カリウムなどが好ましく挙げられる。化合物(2−1)と炭酸カリウムなどの塩基との割合は化合物(2−1)1モルに対し塩基約2〜5モルが好ましい。ハロゲン化アルキルのアルキル基は、上記例示したカルボキシル基の保護基から選択して使用すれば、脱保護及び再保護を行う必要がない。このようなアルキル基を有するハロゲン化アルキルとしては、例えばヨウ化メチル、ヨウ化エチル、ヨウ化n−プロピル、ヨウ化イソプロピル、ヨウ化n−ブチル、ヨウ化イソブチル、ヨウ化シクロヘキシルなどが挙げられる。化合物(2−1)とハロゲン化アルキルとの割合は化合物(2−1)1モルに対しハロゲン化アルキル約1.1〜1.5モルが好ましい。反応温度は、冷却から加温下、好ましくは室温である。反応時間は、通常約30分〜約8時間、好ましくは約1〜3時間である。反応終了後は、反応混合物に例えば水などを加え、非極性溶媒(例えばエーテル、ヘキサンなど)でカルボキシル基が保護基で保護された化合物を1〜数回抽出することが好ましい。抽出した非極性溶媒を集め、例えば硫酸マグネシウムなどの乾燥剤で乾燥後、ろ過などにより乾燥剤を除去し、ろ液を濃縮して抽出溶媒を留去し、化合物(2−1)のカルボキシル基が保護基で保護された化合物を得ることができる。抽出溶媒の留去は、公知の方法、例えば減圧蒸留などにより実施できる。
次いで、得られた化合物を溶媒に溶解し、酸化させることが好ましい。溶媒としては、例えば1,2−ジクロロエタン、(エーテル除去)、(テトラヒドロフラン除去)、塩化メチレン、t−ブタノール、ジオキサン、トルエンまたはトリクロロエタンなどの有機溶媒が挙げられる。酸化は、例えば触媒量の二酸化セレンの存在下、酸化剤、例えばtert−ブチルパーオキシドまたは過酸化水素水などで行うことができる。二酸化セレンの触媒量としては、例えば、化合物(2−1)1モルに対して二酸化セレン約0.5〜0.95モルが挙げられる。酸化剤の量は、例えば、化合物(2−1)1モルに対して酸化剤約2〜5モルが好ましい。酸化は、加温下で行うことが好ましく、温度は、約50〜90℃が好ましい。酸化における反応時間は、約1〜24時間、好ましくは、約5〜10時間である。反応後は常法に従って後処理を行えばよい。即ち、反応液に炭酸水素ナトリウムや水酸化ナトリウム水溶液などを加えた後、酢酸エチル、エーテル、ジクロロメタン、クロロホルム、などの有機溶媒を加えて1〜数回抽出する。抽出液を集め、硫酸マグネシウムなどの乾燥剤で乾燥する。乾燥後、濾過して乾燥剤を除き、濾液を例えば減圧濃縮などにより濃縮して溶媒を溜去して生成物(7)を得ることができる。得られた生成物(7)はカラムクロマトグラフィーなどにより精製することが好ましい。
このようにして、ムギネ酸、2’−デオキシムギネ酸、3−ヒドロキシムギネ酸、3−エピヒドロキシムギネ酸などのムギネ酸類やその前駆体であるニコチアナミン、または2”−ヒドロキシニコチアナミンなどが高収率で製造され得る。
以下に本発明を実施例に基づいて、より具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Boc−L−アリルグリシンから化合物(3−3)の製造
Figure 0004117009
Boc−L−アリルグリシン1g(4.7ミリモル)をメタノール(15ミリリットル)に溶かし、オゾンガスを−78℃でバブリングする。溶液の色が青くなるまでバブリングした後、青い色が消えるまで酸素をバブリングした。室温に戻した後、L−アゼチジン−2−カルボン酸475ミリグラム(4.7ミリモル)とシアノ水素化ホウ素ナトリウム296ミリグラム(4.7ミリモル)を加え、1時間撹拌した。反応混合物を減圧濃縮した後、シリカゲルを用いたショートパスシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル:メタノール=9:1(v/v)の混合溶液でシアノ水素化ホウ素ナトリウムの残骸および少量のL−アリルグリシン由来の副生成物を取り除いた後、メタノール溶液を流す)により化合物(3−3)を1.3g得た。(収量90%)
化合物(3−3)から化合物(6−1)の製造
Figure 0004117009
化合物(3−3)300ミリグラム(1ミリモル)を10%(v/v)エタノール塩酸(塩化アセチルとエタノールより調製)15ミリリットルに0℃で溶かし室温で一晩撹拌した。反応混合物を減圧濃縮した後、トルエン共沸により乾燥させ、真空ポンプで乾固するまで吸引した。生じた塩酸塩をメタノール4ミリリットルに溶かし、式(5−1)で表されるアルデヒド(以下、アルデヒド(5−1)と略記する。):
Figure 0004117009
を250ミリグラム(1.1ミリモル)、シアノ水素化ホウ素ナトリウム70ミリグラム(1.1ミリモル)を順次加え、約2時間撹拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで2回抽出した。抽出液を集め、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過した後、減圧濃縮により油状物質を得た。これをショートパスシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し(ヘキサン:酢酸エチル=2:1(v/v)から酢酸エチル)無色の油状物質として化合物(6−1)を372ミリグラム得た。(収量79%)
化合物(6−1)から2’−デオキシムギネ酸の製造
Figure 0004117009
化合物(6−1)300ミリグラム(0.6ミリモル)に6N塩酸10ミリリットルを加え、約15時間撹拌した。反応混合物を減圧濃縮させた後、1N水酸化ナトリウム水溶液10ミリリットルを加え15時間撹拌した後、反応混合物を1N塩酸で中和した。反応混合物を減圧濃縮し、粗2’−デオキシムギネ酸の塩酸塩を得た。これを水約5ミリリットルに溶かし、ダウエックス50W−5イオン交換樹脂で処理し、アンモニア水で溶出させ、2’−デオキシムギネ酸のアンモニア塩の溶液とした。この溶液を減圧乾燥させ、粗2’−デオキシムギネ酸180ミリグラムを得た。これを水−メタノール−エタノールにより結晶化させ2’−デオキシムギネ酸を得た。得られた2’−デオキシムギネ酸の比旋光度、1H NMR、13C NMR、及びMSの各種スペクトルは天然のものと一致した(Nomoto, K. Chemia, (1981), 7, p249)。
Boc−L−アリルグリシンから化合物(3−3)の製造
Figure 0004117009
Boc−L−アリルグリシン1.6g(7.4ミリモル)をメタノール(25ミリリットル)に溶かし、オゾンガスを−78℃でバブリングした。溶液の色が青くなるまでバブリングした後、青い色が消えるまで酸素をバブリングした。室温に戻した後、L−アゼチジン−2−カルボン酸752ミリグラム(7.4ミリモル)とシアノ水素化ホウ素ナトリウム470ミリグラム(7.4ミリモル)を加え、1時間撹拌した。反応混合物を減圧濃縮した後、シリカゲルを用いたショートパスシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル:メタノール=5:1(v/v))の混合溶液でシアノ水素化ホウ素ナトリウムの残骸および少量のL−アリルグリシン由来の副生成物を取り除いた後、メタノール溶液を流す)により化合物(3−3)を2.1g得た。(収量93%)
Boc−L−アリルグリシンから化合物(3−4)の製造
Figure 0004117009
Boc−L−アリルグリシン670ミリグラム(3.1ミリモル)を10ミリリットルのジメチルホルムアミドに溶かし、炭酸カリウム1.3グラム(9.1ミリモル)、ヨウ化エチル0.32ミリリットル(4.1ミリモル)を順次加えた。反応混合物を2時間室温で撹拌した後、水を加え、エーテルで2回抽出した。抽出液を集めた後、硫酸マグネシウムで乾燥、濾過、減圧濃縮によりエチルエステル体の粗生成物を得た。この粗生成物を1、2−ジクロロエタン20ミリリットルに溶かし、二酸化セレン320ミリグラム(2.9ミリモル)、5.5M tert−ブチルパーオキシドを2ミリリットル(11.6ミリモル)加えて、70℃で8時間撹拌した。反応混合物に炭酸水素ナトリウム溶液を加え、酢酸エチルで2回抽出した。抽出液を集め、硫酸マグネシウムで乾燥、濾過、減圧濃縮により生成物(7−1)を得た。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、400ミリグラムの生成物(7−1)を油状生成物として得た。(収率55%)。得られた生成物(7−1)は実施例4と同様の操作により化合物(3−4)へと導いた。(収率80%)
化合物(3−3)から化合物(6−1)の製造
Figure 0004117009
化合物(3−3)1.7グラム(5.6ミリモル)に、0℃に冷やしたエタノール塩酸(塩化アセチル4ミリリットルとエタノール160ミリリットルより調製)140ミリリットルを加え、0℃で2時間、室温で一晩撹拌した。反応混合物を減圧濃縮した後、トルエン共沸により乾燥させ、真空ポンプで乾固するまで吸引した。生じた塩酸塩をメタノール30ミリリットルに溶かし、アルデヒド(5−1)を1.3グラム(5.6ミリモル)、シアノ水素化ホウ素ナトリウム354ミリグラム(5.6ミリモル)を順次加え、約5時間撹拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで3回抽出した。抽出液を集め、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過した後、減圧濃縮により油状物質を得た。これをショートパスシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し(ヘキサン:酢酸エチル=2:1(v/v)から酢酸エチル)無色の油状物質として化合物(6−1)を1.8グラム得た。(収量68%)
化合物(3−4)から化合物(6−2)の製造
Figure 0004117009
化合物(3−4)170 ミリグラム(0.49ミリモル)に、0℃に冷やしたエタノール塩酸(塩化アセチル0.2ミリリットルとエタノール10ミリリットルより調製)10.2ミリリットルを加え、0℃で2時間、室温で一晩撹拌した。反応混合物を減圧濃縮した後、トルエン共沸により乾燥させ、真空ポンプで乾固するまで吸引した。生じた塩酸塩をメタノール30ミリリットルに溶かし、アルデヒド(5−1)を113ミリグラム(0.49ミリモル)、シアノ水素化ホウ素ナトリウム31ミリグラム(0.49ミリモル)を順次加え、約5時間撹拌した。反応混合物を減圧濃縮の後にショートパスシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し(ヘキサン:酢酸エチル=2:1(v/v)から酢酸エチル)無色の油状物質として化合物(6−2)を193ミリグラム得た。(収量81%)
Boc−L−アリルグリシンから化合物(6−1)へのワンポット製造
Figure 0004117009
Boc−L−アリルグリシン400ミリグラム(1.9ミリモル)をメタノール15ミリリットルに溶かし、−78℃でオゾンをバブリングした。溶液の色が青くなるまでバブリングした後、青い色が消えるまで酸素をバブリングした。L−アゼチジンー2−カルボン酸188ミリグラム(1.9ミリモル)とシアノ水素化ホウ素ナトリウム117ミリグラム(1.9ミリモル)を加え、室温に戻し2時間撹拌した。反応混合物を減圧濃縮した後、0℃に冷やしたエタノール塩酸40ミリリットル(塩化アセチル1.6ミリリットルとエタノール40ミリリットルから調製)を加え、0℃で2時間、室温で一晩撹拌した後、減圧濃縮、トルエン共沸、真空ポンプにより乾固させる。生じた塩酸塩をメタノール20ミリリットルに溶かし、アルデヒド(5−1)を428ミリグラム(1.9ミリモル)、シアノ水素化ホウ素ナトリウム120ミリグラム(1.9ミリモル)を順次加え、約5時間撹拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで3回抽出した。抽出液を集め、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過した後、減圧濃縮により油状物質を得た。これをショートパスシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し(ヘキサン:酢酸エチル=2:1(v/v)から酢酸エチル(0.1%トリエチルアミン添加))無色の油状物質として化合物(6−1)を480ミリグラム得た。(収量55%)
化合物(6−1)から2’−デオキシムギネ酸の製造
Figure 0004117009
化合物(6−1)300ミリグラム(0.6ミリモル)に6N塩酸10ミリリットルを0℃で加え、室温で約10時間撹拌した。反応混合物を減圧濃縮させた後、1N水酸化ナトリウム水溶液15ミリリットルを加え、10時間撹拌させた。1N塩酸により中和した後、減圧濃縮により粗2’−デオキシムギネ酸の塩酸塩を得た。これを水約5ミリリットルに溶かし、ダウエックス50W−5イオン交換樹脂で処理し、アンモニア水で溶出させ、2’−デオキシムギネ酸のアンモニア塩の溶液とした。この溶液を減圧乾燥させ、粗2’−デオキシムギネ酸180ミリグラム(収量100%)を得た。これを水−メタノールーエタノールにより結晶化させ2’−デオキシムギネ酸120ミリグラム(収量 66%)を得た。得られた2’−デオキシムギネ酸の比旋光度、1H NMR、13C NMR、及びMSの各種スペクトルは天然のものと一致した(Nomoto, K. Chemia, (1981), 7, p249)。
化合物(6−2)からムギネ酸の製造
Figure 0004117009
化合物(6−2)100ミリグラム(0.31ミリモル)に6N塩酸10ミリリットルを0℃で加え、室温で約2時間撹拌した。反応混合物を減圧濃縮させた後、1N水酸化ナトリウム水溶液10ミリリットルを加え10時間撹拌する。反応混合物を1N塩酸で中和した後、減圧濃縮により粗ムギネ酸の塩酸塩を得た。これを水約5ミリリットルに溶かし、ダウエックス50W−5イオン交換樹脂で処理し、アンモニア水で溶出させ、ムギネ酸のアンモニア塩の溶液とした。この溶液を減圧乾燥させ、粗ムギネ酸99ミリグラムを得た。得られた粉末を水3ミリリットルに溶かし、DIANION HP20(水で 溶出)で精製した後、もう一度凍結乾燥し、ムギネ酸95ミリグラム(収量96%)を得た。1H NMR、及びMSスペクトルから、得られたムギネ酸は、天然ムギネ酸とその2’水酸基立体異性体との混合物であることが分かった。
ムギネ酸製造の別法
Figure 0004117009
実施例5に従い、まずCbz−L−アリルグリシンt−ブチルエステル1.4グラム(4.6ミリモル)を化合物(8)へと導き(収率55%)、次いで550ミリグラムの化合物(8)を580ミリグラムの化合物(9)へと導いた(収率86%)。続いて化合物(9)450ミリグラム(1.1ミリモル)をメタノール10ミリリットルに溶かし、10%パラジウム炭素80ミリグラムを加え、水素雰囲気下で1時間撹拌した。メタノールで希釈した後、セライト濾過、減圧濃縮によりアミン体とした。ついで減圧濃縮物をメタノール15ミリリットルに溶かした後、酢酸66マイクロリットルを加え、pHを4〜6に調製した。次いで、アルデヒド(5−1)を254ミリグラム(1.1ミリモル)、シアノ水素化ホウ素ナトリウム70ミリグラム(1.1ミリモル)を順次加え、約5時間撹拌した。反応混合物を減圧濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって酢酸エチル/メタノール(4:1(v/v))溶液でシアノ水素化ホウ素ナトリウムとアルデヒドの残骸を取り除いた後、クロロホルム/メタノール(4:1(v/v))溶液、次いでクロロホルム/メタノール(2:1(v/v))溶液で化合物10を溶出し、溶出液を留去して化合物(10)を480ミリグラム得た。(収率89%)
得られた化合物(10)200ミリグラム(0.41ミリモル)を0℃の6N塩酸に溶かし、約2時間撹拌した後減圧濃縮させて、粗ムギネ酸の塩酸塩を得た。これを水約5ミリリットルに溶かし、ダウエックス50W−5イオン交換樹脂で処理し、アンモニア水で溶出させ、ムギネ酸のアンモニア塩の溶液とした。この溶液を減圧乾燥させ、粗ムギネ酸を得た。得られた粉末を水3ミリリットルに溶かし、DIANION HP20(水で 溶出)で精製した後、もう一度凍結乾燥し、ムギネ酸125ミリグラム(収量95%)を得た。1H
NMR、及びMSスペクトルから、得られたムギネ酸は、天然ムギネ酸とその2’水酸基立体異性体との混合物であることが分かった。
ムギネ酸の光学分割
実施例11で得た化合物(10)250ミリグラム(0.51ミリモル)を20%アセトニトリル水溶液(0.1%酢酸を含む)10mlに溶解し、液体クロマトグラフィーで分取した。液体クロマトグラフィーの条件は以下の通りである。
カラム:CAPCELLPAK C18-UG80 (5μm)(Shiseido)
溶離速度:9.999ml/分
溶離条件:35% CH3CN-H2O (1% 酢酸)
溶出時間:マイナー:14.0分;メジャー:16.3分
インジェクション容量:各200μl
各フラクションを集め、溶媒を減圧下留去した。マイナーピーク、及びメジャーピークの各乾固物を6N HCl (20ml)に溶解し、室温で5時間撹拌した。溶媒を減圧下留去し、得られた塩酸塩をイオン交換カラム(Dowex50W8, 100-200mesh, H+ form)に担持させ、5% NH4OH水溶液で溶出し、凍結乾燥した。得られた粉末を水に溶かし、DIANION HP20(水で溶出)で精製した後、もう一度凍結乾燥した。マイナーピークからの精製物の収量は20mgであり、メジャーピークからの精製物の収量は81mgであった。マイナーピーク精製物及びメジャーピーク精製物の各種物性の測定値を以下に示す。
<マイナーピーク>
[a]24 D−63.5°(c 0.31, H2O);1H NMR (400MHz, D2O, pH=4.53 adjusted by the addition of 1N DCl)d 2.03 (1H, m), 2.19 (1H, m), 2.57 (1H, m), 2.72 (1H, m), 3.21 (1H, m), 3.29 (1H, m), 3.43 (1H, dd, J=2.7, 13.7 Hz), 3.56 (1H, dd, J=9.5, 13.7 Hz), 3.85 (1H, d, J=2.9 Hz), 4.03 (1H, app.q, J=9.7 Hz), 4.10 (1H, dt, J=4.2, 10.1 Hz), 4.17 (1H, dd, J=4.6, 7.3 Hz), 4.44 (1H, dt, J=9.3, 2.9 Hz), 4.88 (1H, t, J=9.5 Hz) ppm; 13C NMR (100MHz, D2O, pH=4.53 adjusted by the addition of 1N DCl)d 24.6, 32.9, 47.9, 53.9, 59.0, 67.4 (2C), 70.6, 73.2, 171.8, 175.8, 182.3 ppm; IR (film, cm-1) 3215, 3061, 2855, 1618, 1412, 1319, 1236, 1115, 1092, 976, 773; HRMS m/z calcd for C12H21N2O8 + [M+H]+: 321.1298, found: 321.1292.
<メジャーピーク>
[a]24 D−48.8°(c 0.57, H2O); 1H NMR (400MHz, D2O, pH=4.50 adjusted by the addition of 1N DCl)d 2.02 (1H, m), 2.16 (1H, m), 2.57 (1H, m), 2.70 (1H, m), 3.16 (1H, dt, J=12.7, 7.1 Hz), 3.30 (1H, dt, 12.7, 7.1 Hz), 3.41 (1H, dd, J=9.8, 13.2 Hz), 3.57 (1H, dd, J=2.7, 13.2 Hz), 3.63 (1H, d, J=8.3 Hz), 4.06 (1H, app.q, J=9.7 Hz), 4.09 (1H, m), 4.16 (1H, dd, J=4.4, 7.6 Hz), 4.22 (1H, ddd, J=2.7, 8.3, 9.8 Hz), 4.89 (1H, t, J=9.5 Hz); 13C NMR (100MHz, D2O, pH=4.50 adjusted by the addition of 1N DCl)d 24.5, 32.7, 48.1, 54.4, 60.0, 67.4, 67.5, 69.9, 73.2, 172.4, 175.7, 182.1 ppm; IR (film, cm-1) 3213, 3051, 2839, 1610, 1412, 1329, 1238, 1107, 934, 773; HRMS m/z calcd for C12H21N2O8 + [M+H]+: 321.1298, found: 321.1298.
マイナーピーク精製物とメジャーピーク精製物とは比旋光度を除き、ほぼ一致していた。マイナーピークには目的物の天然と同じ立体配置をもつムギネ酸(2’位水酸基のS体)が含まれ、メジャーピークには2’位水酸基のR体が含まれることが確認された。また、1H-NMRの解析により、S体とR体とのモル比は1:3であることが分かった。
Figure 0004117009
合成ムギネ酸の活性の確認
実施例12で得た2’位水酸基のS体及びR体、実施例9で得た2’位デオキシ体、並びにオオムギから「タカギ・エス(Takagi, S)ら、ジャーナル・プラント オブ ニュートリション、1984年、第7巻、p469−477」に記載の方法で精製したムギネ酸について、それらの鉄錯体がムギネ酸鉄錯体トランスポーターにより実際に細胞内に取り込まれることを確認した。
<ムギネ酸鉄錯体トランスポーターを発現するアフリカツメガエル卵母細胞の作製>
「ムラタ・ワイ(Murata, Y.)ら、プラント・ジャーナル(Plant J.),2006年、第46巻、p. 563-572.」に記載の方法で、アフリカツメガエルの卵母細胞に、オオムギのムギネ酸鉄錯体トランスポーター(Plant J. 2006, vol46, 563-572)をコードする遺伝子HvYS1遺伝子を導入した。具体的には、pSP64Poly(A)ベクター(Promega社)のXbaIとBamHIのサイトに、HvYS1 cDNA(配列番号1のコード領域)を挿入し、これを用いてAmbion社のmMESSAGE mMACHINE KitでcRNAを作製した。
アフリカツメガエル(浜松生物教材から購入)の腹部を切開し、卵母細胞(Xenopus Oocytes)を摘出した。そして、Collagenase typeIA(Sigma)を2mg/mLになるように加え、OR−2溶液(82.5mM NaCl,2mM KCl、1mM MgCl、5mM HEPES)が入った遠沈管に卵母細胞を移し、室温で約2時間撹拌した後、OR−2溶液で3回、さらにND−96溶液(96mM NaCl,2mM KCl、1mM MgCl、1.8mM CaCl2,5mM HEPES)で3回洗浄した。cRNA50μg/mL,50nLをデジタル式マイクロディスペンサー(Drummond SCIENTIFIC)で、アフリカツメガエルの卵母細胞に注入した。卵母細胞はND−96溶液中、17℃で48〜72時間培養した。
<ムギネ酸類の鉄錯体の調製>
2’位水酸基のS体及びR体、2’位デオキシ体、並びにオオムギから精製したムギネ酸のそれぞれ30mMと塩化第2鉄30mMとを混合して、室温で2時間静置し、鉄錯体濃度5mMになるように希釈した。
<鉄取り込み活性の比較>
卵母細胞クランプOC−725C(Warner Instrument)を用いて細胞内へのムギネ酸鉄錯体の取り込みを電気化学的信号の検出により定量した。具体的には、ムギネ酸鉄錯体トランスポーターHvYS1を発現させた卵母細胞を、ND−96溶液で充たしたチャンバーにセットし、5mMの基質鉄錯体溶液を10μLかけて(最終濃度50μM)電気生理活性を測定した。卵母細胞に2本の3M KClを充たした微小電極を差し込み、実験槽の電位を0Vに固定したモードで、固定電位−60mVで変化する電流値を測定した。データはPowerLabデータ収録装置(Chart 4 ソフトウエア)で記録した。
結果を図1に示す。2’水酸基S体、2’水酸基R体、及び2’デオキシ体について測定された電流値の大きさ(電気生理活性)を、天然ムギネ酸について測定された電気信号の大きさ(電気生理活性)を100とした場合の相対値で示した。2’水酸基S体、2’水酸基R体、及び2’デオキシ体は、いずれも天然ムギネ酸と同様であった。ワンポット合成により得られるムギネ酸のように、合成したムギネ酸の2’位の水酸基の立体配置が混合していても、また2’位デオキシ体でも、鉄錯体の植物内への輸送に有用であることが示唆された。
本発明の製造方法は、EDTAに変わるキレート剤として利用可能なムギネ酸類を安価に大量に製造できるので有用である。また、本発明の製造方法により製造されるムギネ酸は、植物における鉄輸送機構の研究や、健康食品、化粧品または肥料などの分野で利用できる。
ムギネ酸2’水酸基S体、ムギネ酸2’水酸基R体、及びムギネ酸2’デオキシ体の鉄錯体トランスポーターの基質としての活性を、天然ムギネ酸の活性と比較した結果を示す図である。

Claims (1)

  1. 下記一般式(2):
    Figure 0004117009
    (式中、R1は水素原子また水酸基を表し、R4は水素原子またはカルボキシル基の保護基を表し、R5はアミノ基の保護基を表す。)
    で表される化合物のビニル基を酸化開裂させると同時にアゼチジン−2−カルボン酸で還元的アミノ化反応させ下記一般式(3):
    Figure 0004117009
    (式中、R1、R4およびR5は前記と同義を表す。)
    で表される化合物を得た後、該化合物のカルボキシル基を保護基で保護すると共にアミノ基の保護基を除去し、下記一般式(4):
    Figure 0004117009
    (式中、R1およびR4前記と同義を表し、R6はカルボキシル基の保護基を表す。)
    で表される化合物またはその塩とし、次いで該化合物で下記一般式(5):
    Figure 0004117009
    (式中、R2は水素原子また水酸基を表し、Rはカルボキシル基の保護基を表し、R8は−OR9(R9は水酸基の保護基を表す。)、または−NHR10(R10はアミノ基の保護基を表す。))
    で表されるアルデヒドを還元的アミノ化反応させて下記一般式(6):
    Figure 0004117009
    (式中、R1、R2、R4、R6、R7およびR8は前記と同義を表す。)
    で表される化合物とした後、カルボキシル基の保護基および水酸基またはアミノ基の保護基を除くことを特徴とする下記一般式(1):
    Figure 0004117009
    (式中、R1およびR2は前記と同義を表し、R3は水酸基またはアミノ基を表す。)
    で表されるムギネ酸類の製造方法。_
JP2006307397A 2006-11-14 2006-11-14 ムギネ酸類の効率的製造方法 Expired - Fee Related JP4117009B2 (ja)

Priority Applications (10)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006307397A JP4117009B2 (ja) 2006-11-14 2006-11-14 ムギネ酸類の効率的製造方法
CNA2007101655496A CN101195598A (zh) 2006-11-14 2007-11-02 麦根酸类的高效制造方法
TW096141327A TW200827335A (en) 2006-11-14 2007-11-02 Efficient method for producing mugineic acids
KR1020097009626A KR20090078824A (ko) 2006-11-14 2007-11-12 무기네산 화합물의 효과적인 제조 방법
EP07831623A EP2103599A1 (en) 2006-11-14 2007-11-12 Effective production process for mugineic acid compound
RU2009122481/04A RU2009122481A (ru) 2006-11-14 2007-11-12 Эффективный способ получения соединений мугеиновой кислоты
CA002669629A CA2669629A1 (en) 2006-11-14 2007-11-12 Efficient method for producing mugineic acids
PCT/JP2007/071893 WO2008059782A1 (fr) 2006-11-14 2007-11-12 Procédé de production efficace d'un composé d'acide mugineique
US12/514,745 US20100256395A1 (en) 2006-11-14 2007-11-12 Efficient method for producing mugineic acids
AU2007320559A AU2007320559A1 (en) 2006-11-14 2007-11-12 Effective production process for mugineic acid compound

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006307397A JP4117009B2 (ja) 2006-11-14 2006-11-14 ムギネ酸類の効率的製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008120741A JP2008120741A (ja) 2008-05-29
JP4117009B2 true JP4117009B2 (ja) 2008-07-09

Family

ID=39401590

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006307397A Expired - Fee Related JP4117009B2 (ja) 2006-11-14 2006-11-14 ムギネ酸類の効率的製造方法

Country Status (10)

Country Link
US (1) US20100256395A1 (ja)
EP (1) EP2103599A1 (ja)
JP (1) JP4117009B2 (ja)
KR (1) KR20090078824A (ja)
CN (1) CN101195598A (ja)
AU (1) AU2007320559A1 (ja)
CA (1) CA2669629A1 (ja)
RU (1) RU2009122481A (ja)
TW (1) TW200827335A (ja)
WO (1) WO2008059782A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10638758B2 (en) 2015-11-09 2020-05-05 Aichi Steel Corporation Heterocycle-containing amino acid compound and use thereof

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20100028518A1 (en) 2008-07-30 2010-02-04 Leslie George West Oxidation Stability Using Natural Antioxidants
FR2981071B1 (fr) * 2011-10-10 2014-02-07 Centre Nat Rech Scient Synthese versatile et stereospecifique d'acides amines gamma,delta-insatures par la reaction de wittig
CN106831522B (zh) * 2015-12-03 2021-06-08 中国科学院上海有机化学研究所 内酰胺类化合物及其制备方法
JP6744530B2 (ja) * 2018-08-29 2020-08-19 国立大学法人徳島大学 複素環含有アミノ酸化合物及びその塩、錯体、組成物、肥料並びに植物成長調整剤
JP2022109767A (ja) * 2021-01-15 2022-07-28 国立大学法人徳島大学 複素環含有アミノ酸化合物の製造方法
WO2023190156A1 (ja) * 2022-03-30 2023-10-05 愛知製鋼株式会社 複素環含有アミノ酸化合物及び錯体

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10638758B2 (en) 2015-11-09 2020-05-05 Aichi Steel Corporation Heterocycle-containing amino acid compound and use thereof

Also Published As

Publication number Publication date
EP2103599A1 (en) 2009-09-23
CA2669629A1 (en) 2008-05-22
KR20090078824A (ko) 2009-07-20
TW200827335A (en) 2008-07-01
JP2008120741A (ja) 2008-05-29
CN101195598A (zh) 2008-06-11
WO2008059782A1 (fr) 2008-05-22
RU2009122481A (ru) 2010-12-20
US20100256395A1 (en) 2010-10-07
AU2007320559A1 (en) 2008-05-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4117009B2 (ja) ムギネ酸類の効率的製造方法
EP2684865A1 (en) Methods for synthesizing amatoxin building block and amatoxins
KR100426030B1 (ko) 락톤계 당화합물에서의 키랄성 전환방법
Sanière et al. Iminoiodane mediated aziridination of α-allylglycine: access to a novel rigid arginine derivative and to the natural amino acid enduracididine
WO2011076086A1 (zh) 达菲的中间体化合物及其合成方法和用途
JP4012145B2 (ja) ピロール−イミダゾールポリアミドの固相合成法
Namikoshi et al. Use of tetrabutylammonium fluoride as a facile deprotecting reagent for 4-nitrobenzyl, 2, 2, 2-trichloroethyl, and phenacyl esters of amino acids
France et al. Synthesis of a protected derivative of (2R, 3R)-β-hydroxyaspartic acid suitable for Fmoc-based solid phase synthesis
JPH0772167B2 (ja) 4―アミノ―3―ヒドロキシ酪酸誘導体の製法
Miyakoshi et al. Expeditious synthesis of nicotianamine and 2′-deoxymugineic acid
CN110551144B (zh) 一种阿莫西林的制备方法
Avula et al. Stereoselective Synthesis of Southern Fragment of Hantupeptin-A
CN111051289A (zh) 被保护的l-肌肽衍生物、l-肌肽以及结晶性l-肌肽锌络合物的制造方法
Tanimori et al. A Concise Enantioselective Pathway to Carbocyclic Nucleoside: Asymmetric Synthesis of Carbocyclic Moiety of Carbovir
Sánchez-Obregón et al. Enantioselective synthesis of α-hydroxy-β-amino acids from α-amino acids mediated by sulfoxides
WO2004099136A1 (ja) ピロリジン誘導体の製造方法
JP2012116775A (ja) エクチナサイジンの製造方法
Mohapatra A Short Stereoselective Synthesis of a Cyclopropyl Analog of γ-Aminobutyric acid (GABA)
KR101009467B1 (ko) 도세탁셀의 합성에 유용한 탁산 유도체 및 그 제조방법
KR101003820B1 (ko) 도세탁셀의 제조방법 및 도세탁셀의 제조를 위한 신규한중간체
Geiwiz et al. Concise synthesis of cyclothialidine analogues with ring sizes from 12 to 15: Novel macrocyclization protocol involving reductive thiolation
Bouifraden et al. Diastereoselective synthesis of glycosyl-α-aminoacids
US5959141A (en) 1-amino-2-hydroxycycloalkanecarboxylic acid derivatives
KR101715682B1 (ko) 삭사글립틴의 제조를 위한 신규 중간체, 이의 제조방법 및 이를 이용한 삭사글립틴의 제조방법
CN116606233A (zh) 一种s-三苯甲基-l-半胱氨酰胺的制备方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080226

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080314

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080408

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080418

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110425

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110425

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110425

Year of fee payment: 3

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110425

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120425

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130425

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees