JP2022108522A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】シート搬送路に沿って搬送されるシートをシート搬送路上の適正な位置に調整するに際し、シートに負荷をかけることなく短時間で調整する。【解決手段】画像形成装置は、転写部と、シート検出部10と、搬送位置調整機構50と、制御部と、を備える。搬送位置調整機構50は、転写部に対してシート搬送方向Dcの上流側、且つシート検出部10に対してシート搬送方向Dcの下流側に配置され、シートSを搬送しながら、シートSの傾斜を補正するスキュー補正と、シートSの位置ずれを補正する位置ずれ補正とを行う。制御部は、シート検出部10によるシートSの検出情報に基づいて搬送位置調整機構50を制御し、スキュー補正と、位置ずれ補正とを並行して実行するとともに、スキュー補正と、位置ずれ補正とを同時に終了させるか、若しくは位置ずれ補正をスキュー補正よりも遅く終了させる。【選択図】図7
Description
本発明は、画像形成装置に関する。
シート搬送路に沿って搬送されるシートのシート搬送方向に対する傾斜を補正するスキュー補正と、シートのシート搬送方向と直交するシート幅方向の位置ずれを補正する位置ずれ補正とを行う画像形成装置が知られている。このような画像形成装置の一例が、特許文献1に開示されている。
特許文献1で開示された従来の画像形成装置は、シート状体を所定の搬送路に沿って搬送する挟持ローラーと、挟持ローラーの上流及び下流のそれぞれでシート状体の位置ずれ量を検知する上流検知部及び下流検知部と、挟持ローラーを移動させてシート状体の位置ずれ量を矯正するローラー移動機構と、を備える。当該画像形成装置の制御部は、シート状体の上流位置ずれ量と、下流位置ずれ量とに基づいてローラー移動機構を制御する。これにより、シート状体の位置ずれ補正精度を向上させることができる。
しかしながら、従来技術の場合、シート搬送路に沿って搬送されるシートをシート搬送路上の適正な位置に調整するに際し、スキュー補正と、横レジ補正(シート幅方向の位置ずれ補正)とを順番に行うことで、多くの時間を必要としていた。そして、時間短縮を図ってスキュー補正と、横レジ補正とを並行して行う場合でも、2つの補正のタイミングに対して十分に配慮しないと、シートに引張りや曲げなどの大きな負荷がかかることが課題であった。これにより、シートが損耗する虞があった。
本発明は、上記の点に鑑みなされたものであり、シート搬送路に沿って搬送されるシートをシート搬送路上の適正な位置に調整するに際し、シートに負荷をかけることなく短時間で調整することが可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明の画像形成装置は、転写部と、シート検出部と、搬送位置調整機構と、シート搬送路と、制御部と、を備える。前記転写部は、像担持体の表面に形成されたトナー像をシートに転写する。前記シート検出部は、前記転写部に対してシート搬送方向の上流側に配置され、前記転写部に向かって搬送される前記シートのシート搬送方向に対する傾斜量と、前記シートの前記シート搬送方向と直交するシート幅方向の位置ずれ量と、を検出する。前記搬送位置調整機構は、前記転写部に対して前記シート搬送方向の上流側、且つ前記シート検出部に対して前記シート搬送方向の下流側に配置され、前記シートを搬送しながら、前記シートの前記シート搬送方向に対する傾斜を補正するスキュー補正と、前記シートの前記シート幅方向の位置ずれを補正する位置ずれ補正とを行う。前記シート搬送路は、前記シート検出部の前記シート搬送方向上流側から前記搬送位置調整機構の前記シート搬送方向下流側にわたって延びる。前記制御部は、前記転写部及び前記搬送位置調整機構を制御する。前記搬送位置調整機構は、調整ローラー対と、スキュー補正モーターと、位置ずれ補正モーターと、を備える。前記調整ローラー対は、前記シートを搬送しながら、前記スキュー補正と、前記位置ずれ補正とを行う。前記スキュー補正モーターは、前記調整ローラー対を前記シート搬送方向に対して傾斜させる。前記位置ずれ補正モーターは、前記調整ローラー対を前記シート幅方向に移動させる。前記シート搬送路は、前記調整ローラー対の前記シート搬送方向上流側に配置された搬送ローラー対と、前記調整ローラー対とによって前記シートを保持して搬送する。さらに、前記制御部は、前記シート検出部による前記シートの検出情報に基づいて前記搬送位置調整機構を制御し、前記スキュー補正と、前記位置ずれ補正とを並行して実行するとともに、前記スキュー補正と、前記位置ずれ補正とを同時に終了させるか、若しくは前記位置ずれ補正を前記スキュー補正よりも遅く終了させる。
本発明の構成によれば、スキュー補正と、位置ずれ補正とが並行して実行され、シートの搬送位置の調整を短時間で行うことができる。さらに、位置ずれ補正がスキュー補正と同時か、若しくはスキュー補正よりも遅く終了するので、位置ずれ補正がスキュー補正よりも早く終了することに起因する引張りや曲げなどの負荷がシートに生じることを抑制できる。したがって、シート搬送路に沿って搬送されるシートをシート搬送路上の適正な位置に調整するに際し、シートに負荷をかけることなく短時間で調整することが可能になる。
以下、本発明の実施形態を図に基づき説明する。なお、本発明は以下の内容に限定されるものではない。なお、本書で用いる「同時」は、厳密な意味で同時を表すものではなく、モーターの制御誤差等も考慮し、略同時を含む。
図1は、実施形態の画像形成装置1の構成を示す概略断面正面図である。図2は、図1の画像形成装置1の概略構成を示すブロック図である。本実施形態の画像形成装置1の一例としては、中間転写ベルト31を用いてトナー像をシートSに転写するタンデム方式のカラープリンターである。画像形成装置1は、例えば印刷、スキャン(画像読取)、ファクシミリ送信等の機能を備えたいわゆる複合機であって良い。
画像形成装置1は、図1及び図2に示すように、その本体2に設けられた、シート供給部3、シート搬送部4、露光部5、画像形成部20、転写部30、定着部6、シート排出部7、制御部8及び記憶部9を備える。
シート供給部3は、複数枚のシートSを収容し、印刷時にシートSを1枚ずつ分離して送り出す。シート搬送部4は、シート供給部3から送り出されたシートSを二次転写部33及び定着部6へと搬送し、さらに定着後のシートSをシート排出口4aからシート排出部7に排出するシート搬送路41を備える。両面印刷が行われる場合、シート搬送部4は、第一面の定着後のシートSを分岐部4bによって反転搬送部4cに振り分け、シートSを再度、二次転写部33及び定着部6へと搬送する。露光部5は、画像データに基づき制御されたレーザー光を画像形成部20に向かって照射する。
画像形成部20は、中間転写ベルト31の下方に配置される。画像形成部20は、イエロー用の画像形成部20Yと、マゼンタ用の画像形成部20Mと、シアン用の画像形成部20Cと、ブラック用の画像形成部20Bと、を含む。これらの4つの画像形成部20は、基本的な構成が同じである。これにより、以下の説明において、特に限定する必要がある場合を除き、各色を表す「Y」、「M」、「C」、「B」の識別記号は省略することがある。
画像形成部20は、所定の方向(図1における時計回り)に回転可能に支持された感光体ドラム(像担持体)21を備える。感光体ドラム21は、回転軸を水平にして配置される。画像形成部20は、さらに感光体ドラム21の周囲に、その回転方向に沿って配置された帯電部と、現像部と、ドラムクリーニング部と、を備える。なお、現像部とドラムクリーニング部との間に一次転写部32が配置される。
感光体ドラム21は、外周面に感光層を有する。帯電部は、感光体ドラム21の外周面を所定電位に帯電させる。露光部5は、帯電部によって帯電された感光体ドラム21の外周面を露光し、感光体ドラム21の外周面に原稿画像の静電潜像を形成する。現像部は、この静電潜像にトナーを付着させて現像し、トナー像を形成する。4つの画像形成部20それぞれは、異なる色のトナー像を形成する。ドラムクリーニング部は、トナー像が中間転写ベルト31の外周面に一次転写された後に、感光体ドラム21の外周面に残留するトナー等を除去してクリーニングする。
転写部30は、中間転写ベルト31と、一次転写部32Y、32M、32C、32Bと、二次転写部33と、ベルトクリーニング部34と、を備える。中間転写ベルト31は、4つの画像形成部20の上方に配置される。中間転写ベルト31は、所定の方向(図1における反時計回り)に回転可能に支持され、4つの画像形成部20それぞれで形成されたトナー像が順次重ねて一次転写される中間転写体である。4つの画像形成部20は、中間転写ベルト31の回転方向上流側から下流側に向けて一列に並んだいわゆるタンデム方式にして配置される。
一次転写部32Y、32M、32C、32Bは、中間転写ベルト31を挟んで、各色の画像形成部20Y、20M、20C、20Bの上方に配置される。二次転写部33は、シート搬送部4の、定着部6よりもシート搬送方向上流側であって、転写部30の、各色の画像形成部20Y、20M、20C、20Bよりも中間転写ベルト31の回転方向下流側に配置される。ベルトクリーニング部34は、例えば各色の画像形成部20Y、20M、20C、20Bよりも中間転写ベルト31の回転方向上流側に配置される。
トナー像は、各色の一次転写部32Y、32M、32C、32Bで中間転写ベルト31の外周面に一次転写される。そして、中間転写ベルト31の回転とともに所定のタイミングで4つの画像形成部20のトナー像が連続して重ねて中間転写ベルト31に転写されることにより、中間転写ベルト31の外周面にはイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナー像が重ね合わされたカラートナー像が形成される。
中間転写ベルト31の外周面のカラートナー像は、シート搬送部4によって同期をとって送られてきたシートSに、二次転写部33に形成される二次転写ニップ部で転写される。すなわち、転写部30は、中間転写ベルト31を介して、4つの感光体ドラム21の表面に形成されたトナー像をシートSに転写する。ベルトクリーニング部34は、二次転写後に中間転写ベルト31の外周面に残留するトナー等を除去してクリーニングする。
定着部6は、シート搬送部4の、二次転写部33よりもシート搬送方向下流側であって、二次転写部33の上方に配置される。定着部6は、トナー像が転写されたシートSを加熱、加圧してトナー像をシートSに定着させる。
シート排出部7は、転写部30の上方に配置される。トナー像が定着されて印刷が完了したシートSは、シート排出部7に搬送される。
制御部8は、CPU、画像処理部、並びにその他の電子回路及び電子部品を含む(いずれも不図示)。CPUは、記憶部9に記憶された制御用のプログラムやデータに基づき、画像形成装置1に設けられた各構成要素の動作を制御して画像形成装置1の機能に係る処理を行う。シート供給部3、シート搬送部4、露光部5、画像形成部20、転写部30及び定着部6のそれぞれは、制御部8から個別に指令を受け、連動してシートSへの印刷を行う。
記憶部9は、例えばプログラムROM(Read Only Memory)、データROMなどといった不揮発性の記憶装置と、RAM(Random Access Memory)のような揮発性の記憶装置との組み合わせで構成される。
また、画像形成装置1は、シート検出部10と、搬送位置調整機構50と、を備える。なお、シート搬送路41は、シート検出部10のシート搬送方向上流側から搬送位置調整機構50のシート搬送方向下流側にわたって、略上下方向に延びている。また、シート搬送路41は、搬送位置調整機構50のシート搬送方向上流側に配置された搬送ローラー対41rを含む複数の搬送ローラー対41rを有する。
シート検出部10は、転写部30の二次転写部33に対してシート搬送方向の上流側(図1において二次転写部33の下側)に配置される。シート検出部10は、例えばコンタクトイメージセンサー(Contact Image Sensor、CIS)101と、光源部102と、を備える(図2参照)。コンタクトイメージセンサー101は、シート搬送路41のシート搬送方向と直交するシート幅方向(図1の紙面奥行方向)の全域にわたって延びる。コンタクトイメージセンサー101は、光源部102からの光が入射する部分と、シートSによって光が遮られる部分との光強度差に基づき、シートSのシート搬送方向(図1の上下方向)、及びシート幅方向(図1の紙面奥行方向)の端部を検出する。
搬送位置調整機構50は、転写部30の二次転写部33に対してシート搬送方向の上流側(図1において二次転写部33の下側)、且つシート検出部10に対してシート搬送方向の下流側(図1においてシート検出部10の上側)に配置される。搬送位置調整機構50は、シートSを搬送しながら、シートSのシート搬送方向に対する傾斜を補正するスキュー補正と、シートSのシート幅方向の位置ずれを補正する位置ずれ補正と、を行う。制御部8は、搬送位置調整機構50を制御する。
続いて、搬送位置調整機構50の構成について、図1及び図2に加えて図3及び図4を用いて説明する。図3は、図1の画像形成装置1の搬送位置調整機構50の平面図である。図4は、図3の搬送位置調整機構50の側面図である。なお、図3以下の図には、シート搬送方向Dc及びシート幅方向Dwを記した。
搬送位置調整機構50は、図3及び図4に示すように、調整ローラー対51と、ローラーホルダー52と、キャリッジ53と、ローラー駆動モーター54と、スキュー補正モーター55と、位置ずれ補正モーター56と、基準位置検出部57と、を備える。
調整ローラー対51は、シート幅方向Dwに複数、例えば本実施形態では4対が配置される。調整ローラー対51は、駆動ローラー511と、従動ローラー512とを有する。駆動ローラー511は、回転軸513に固定され、回転軸513を介してローラー駆動モーター54によって回転される。従動ローラー512は、周面が駆動ローラー511の周面に接触することで、駆動ローラー511の回転に従って回転する。
ローラーホルダー52は、駆動ローラー511の回転軸513と、従動ローラー512の回転軸514とを回転可能に支持する。ローラーホルダー52のシート幅方向Dwの一端側(図3、図4の左端側、支持端)には、シートSの搬送面に対して法線方向(図3の紙面奥行き方向、図4の上下方向)に延びる揺動支軸521が設けられる。ローラーホルダー52は、揺動支軸521を中心として、キャリッジ53に対してシート幅方向Dwの他端側(図3、図4の右端側、揺動端)がシート搬送方向Dcに揺動可能である。
キャリッジ53は、ローラーホルダー52を支持する。キャリッジ53は、画像形成装置1の正面側フレーム1a及び背面側フレーム1bに、シート幅方向Dwに移動可能に支持される。
ローラー駆動モーター54は、ローラーホルダー52のシート幅方向Dwの支持端側(図3、図4の左端側)に設けられる。ローラー駆動モーター54は、複数のギアを介して駆動ローラー511の回転軸513に連結される。ローラー駆動モーター54は、回転軸513を回転、停止させる。すなわち、ローラー駆動モーター54は、駆動ローラー511を回転、停止させる。
スキュー補正モーター55は、ローラーホルダー52のシート幅方向Dwの揺動端側(図3、図4の右端側)に設けられたラック522に、複数のギアを介して連結される。スキュー補正モーター55は、ローラーホルダー52のシート幅方向Dwの揺動端側を、揺動支軸521を中心としてシート搬送方向Dcに揺動させる。すなわち、スキュー補正モーター55は、シート搬送方向Dcに対するローラーホルダー52の傾きを可変させる。言い換えれば、スキュー補正モーター55は、調整ローラー対51をシート搬送方向Dcに対して傾斜させることができる。
位置ずれ補正モーター56は、キャリッジ53のシート搬送方向Dcの一端縁53aに形成されたラック歯(不図示)に、ギア56aを介して連結される。位置ずれ補正モーター56は、キャリッジ53をシート幅方向Dwに移動させる。すなわち、位置ずれ補正モーター56は、調整ローラー対51をシート幅方向Dwに移動させることができる。
なお、ローラー駆動モーター54、スキュー補正モーター55及び位置ずれ補正モーター56としては、例えば、パルス制御によって回転方向及び回転量(回転角度)を精度良く制御可能なステッピングモーターが用いられる。
基準位置検出部57は、画像形成装置1の正面側フレーム1aに設けられる。基準位置検出部57は、例えば正面側フレーム1aに配置され、発光部及び受光部を有する光センサーと、ローラーホルダー52に配置され、光センサーの光路に出没する遮光板とを備える。基準位置検出部57は、ローラーホルダー52の基準位置を検出する。ローラーホルダー52の基準位置は、シート搬送方向Dcに対する傾きが0(シート搬送方向Dcに対して直角)であり、且つシート搬送路41上のシート幅方向Dwの中央の位置である。
上記構成の搬送位置調整機構50は、調整ローラー対51によってシートSを搬送しながら、シートSのシート搬送方向Dcに対する傾斜を補正するスキュー補正と、シートSのシート幅方向Dwの位置ずれを補正する位置ずれ補正と、を行うことができる。シートSのスキュー補正において、搬送位置調整機構50は、スキュー補正モーター55によってローラーホルダー52(調整ローラー対51)をシート搬送方向Dcに対して傾斜させて対応する。シートSの位置ずれ補正において、搬送位置調整機構50は、位置ずれ補正モーター56によってローラーホルダー52(調整ローラー対51)をシート幅方向Dwに移動させて対応する。
続いて、搬送位置調整機構50によるシートSのスキュー補正及び位置ずれ補正の動作例について説明する。図5から図8は、搬送位置調整機構50によるスキュー補正及び位置ずれ補正の推移の第1段階から第4段階を示す概略平面図である。
図5に示すように、転写部30の二次転写部33に向かって搬送されるシートSがシート検出部10の箇所に到達する前の段階において、搬送位置調整機構50のローラーホルダー52は、基準位置Pm0に位置する。すなわち、ローラーホルダー52は、シート搬送方向Dcに対する傾きが0(シート搬送方向Dcに対して直角)であり、且つシート搬送路41上のシート幅方向Dwの中央の位置にある。
例えば、図5に示すように、シートSが基準位置Ps0(シート搬送方向Dcに対する傾きが0、シート搬送路41上のシート幅方向Dwの中央)に対して、角度αで傾斜し、距離βの位置ずれを起こしている場合、シート検出部10によって、シートSのこれらの傾斜及び位置ずれが検出される。
図6に示すように、シートSがシート検出部10の箇所に到達すると、シート検出部10は、コンタクトイメージセンサー101を用いて、転写部30の二次転写部33に向かって搬送されるシートSのシート搬送方向Dcに対する傾斜量と、シートSのシート幅方向Dwの位置ずれ量と、を検出する。シート検出部10によるシートSの検出情報は、制御部8に送信される。
制御部8は、シート検出部10によるシートSの検出情報に基づいて搬送位置調整機構50を制御する。詳細に言えば、制御部8は、シート検出部10によって検出されたシートSの検出情報に基づき、搬送位置調整機構50の制御信号を導出し、搬送位置調整機構50に送信する。
制御部8は、ローラーホルダー52を移動させる。詳細に言えば、搬送位置調整機構50において、スキュー補正モーター55が制御され、ローラーホルダー52にシート搬送方向Dcに対して角度αの傾斜が付与され、位置ずれ補正モーター56が制御され、ローラーホルダー52がシート幅方向Dwに距離βだけ移動される。スキュー補正モーター55及び位置ずれ補正モーター56は、例えばステッピングモーターであって、パルス制御によって回転方向及び回転量(回転角度)が制御される。
図7に示すように、シートSが搬送位置調整機構50の箇所に到達すると、制御部8は、スキュー補正と、位置ずれ補正とを並行して実行する。なおこのとき、シート搬送路41は、調整ローラー対51のシート搬送方向上流側に配置された搬送ローラー対41rと、調整ローラー対51とによって、シートSを保持して搬送している。そして、制御部8は、スキュー補正と、位置ずれ補正とを同時に終了させるか、若しくは位置ずれ補正をスキュー補正よりも遅く終了させる。
このようにして、搬送位置調整機構50は、図8に示すように、シートSを調整ローラー対51によって搬送しながら、ローラーホルダー52を基準位置Pm0に戻す。これにより、シートSの調整ローラー対51によって保持された領域は、基準位置Ps0に移動する。そして、制御部8は、搬送位置調整機構50によってシート搬送路41上の適正な位置に調整されたシートSを、転写部30の二次転写部33に向けて送る。これにより、シートSの全体は、基準位置Ps0に移動する。
図9は、本発明の実施例及び比較例の画像形成装置のスキュー補正及び位置ずれ補正のシート負荷に係る評価結果を示すグラフである。図9に関して、実施例の画像形成装置1及び比較例の画像形成装置それぞれにおいて、スキュー補正及び位置ずれ補正を行ったときの、ローラーホルダー52の移動速度の影響をシミュレーションによって検証した。
当該検証では、予めシートSに、シート搬送方向Dcに対して角度1度の傾斜、及びシート幅方向Dwに2mmの位置ずれを付与し、これらの傾斜及び位置ずれの補正を試みた。当該検証では、シートS上の所定の拘束点における負荷(反力)を評価した。なお、シートS上の所定の拘束点としては、例えば調整ローラー対51のシート搬送方向上流側に配置された搬送ローラー対41rの、シート幅方向の中央寄りの拘束点を選択した。図9の横軸はスキュー補正及び位置ずれ補正の開始からの経過時間であり、図9の縦軸はシートSに生じる負荷(反力)である。
実施例の画像形成装置1では、スキュー補正と、位置ずれ補正とを同時に終了させた。例えば、実施例の画像形成装置1では、スキュー補正及び位置ずれ補正の所要時間がいずれも0.025秒となるようにローラーホルダー52の移動速度を調整した。比較例の画像形成装置では、位置ずれ補正をスキュー補正よりも早く終了させた。例えば、比較例の画像形成装置では、位置ずれ補正の所要時間が0.02秒となり、スキュー補正の所要時間が0.0225秒となるようにローラーホルダーの移動速度を調整した。
図9によれば、実施例の画像形成装置1のほうが、比較例の画像形成装置よりもシートSに生じる負荷(反力)が低くなっていることが分かる。
上記実施形態の構成によれば、スキュー補正と、位置ずれ補正とが並行して実行され、シートSの搬送位置の調整を短時間で行うことができる。さらに、位置ずれ補正がスキュー補正と同時か、若しくはスキュー補正よりも遅く終了するので、位置ずれ補正がスキュー補正よりも早く終了することに起因する引張りや曲げなどの負荷がシートSに生じることを抑制できる。したがって、シート搬送路41に沿って搬送されるシートSをシート搬送路41上の適正な位置に調整するに際し、シートSに負荷をかけることなく短時間で調整することが可能になる。
なお、制御部8は、スキュー補正と、位置ずれ補正とを同時に終了させることがより好ましい。この構成によれば、シートSをシート搬送路41上の適正な位置に調整するに際し、シートSに負荷をかけることなく短時間で調整する効果を向上させることが可能になる。
記憶部9には、スキュー補正を行うときのスキュー補正モーター55の回転速度と、位置ずれ補正を行うときの位置ずれ補正モーター56の回転速度とに関して、段階的に差異が付けられた速度情報が、例えば調整用テーブルとして予め記憶されている。そして、制御部8は、シートSの傾斜量と、シートSの位置ずれ量とに基づき、スキュー補正モーター55の回転速度と、位置ずれ補正モーター56の回転速度とを段階的に変更する。この構成によれば、スキュー補正モーター55及び位置ずれ補正モーター56の制御に係る情報量を削減することができ、搬送位置調整機構50を容易に制御することが可能になる。
また、上記構成のように、シート検出部10のシート搬送方向上流側から搬送位置調整機構50のシート搬送方向下流側にわたって延びるシート搬送路41は、上下方向に延びている。これにより、当該シート搬送路41上を搬送されるシートSのシート搬送方向Dcに対する傾斜及びその補正と、シートSのシート幅方向Dwの位置ずれ及びその補正は、重力の影響を受ける。
しかしながら、上記の構成によれば、シート搬送路41が上下方向に延びてシートSの傾斜や位置すれが重力の影響を受ける場合であっても、シートSに負荷をかけることなく短時間で、シートSをシート搬送路41上の適正な位置に調整することが可能である。
また、シート検出部10は、コンタクトイメージセンサー101を備えるので、シートSのシート搬送方向Dc及びシート幅方向Dwのそれぞれの端部を明確に検出することができる。したがって、シート搬送路41上を搬送されるシートSのシート搬送方向Dcに対する傾斜量と、シートSのシート幅方向Dwの位置ずれ量と、を適正に検出することができる。これにより、シートSをシート搬送路41上の適正な位置に調整する精度を向上させることが可能になる。
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。
例えば、上記実施形態では、画像形成装置1は、複数色の画像を順次重ねて形成するいわゆるタンデム型のカラー印刷用の画像形成装置であることとしたが、このような機種に限定されるわけではない。画像形成装置は、タンデム型ではないカラー印刷用の画像形成装置やモノクロ印刷用の画像形成装置であって良い。
本発明は、画像形成装置において利用可能である。
1 画像形成装置
4 シート搬送部
8 制御部
10 シート検出部
20 画像形成部
21 感光体ドラム(像担持体)
30 転写部
33 二次転写部
41 シート搬送路
41r 搬送ローラー対
50 搬送位置調整機構
51 調整ローラー対
52 ローラーホルダー
55 スキュー補正モーター
56 位置ずれ補正モーター
101 コンタクトイメージセンサー
Dc シート搬送方向
Dw シート幅方向
S シート
4 シート搬送部
8 制御部
10 シート検出部
20 画像形成部
21 感光体ドラム(像担持体)
30 転写部
33 二次転写部
41 シート搬送路
41r 搬送ローラー対
50 搬送位置調整機構
51 調整ローラー対
52 ローラーホルダー
55 スキュー補正モーター
56 位置ずれ補正モーター
101 コンタクトイメージセンサー
Dc シート搬送方向
Dw シート幅方向
S シート
Claims (5)
- 像担持体の表面に形成されたトナー像をシートに転写する転写部と、
前記転写部に対してシート搬送方向の上流側に配置され、前記転写部に向かって搬送される前記シートの前記シート搬送方向に対する傾斜量と、前記シートの前記シート搬送方向と直交するシート幅方向の位置ずれ量と、を検出するシート検出部と、
前記転写部に対して前記シート搬送方向の上流側、且つ前記シート検出部に対して前記シート搬送方向の下流側に配置され、前記シートを搬送しながら、前記シートの前記シート搬送方向に対する傾斜を補正するスキュー補正と、前記シートの前記シート幅方向の位置ずれを補正する位置ずれ補正とを行う搬送位置調整機構と、
前記シート検出部の前記シート搬送方向上流側から前記搬送位置調整機構の前記シート搬送方向下流側にわたって延びるシート搬送路と、
前記転写部及び前記搬送位置調整機構を制御する制御部と、
を備え、
前記搬送位置調整機構は、
前記シートを搬送しながら、前記スキュー補正と、前記位置ずれ補正とを行う調整ローラー対と、
前記調整ローラー対を前記シート搬送方向に対して傾斜させるスキュー補正モーターと、
前記調整ローラー対を前記シート幅方向に移動させる位置ずれ補正モーターと、
を備え、
前記シート搬送路は、前記調整ローラー対の前記シート搬送方向上流側に配置された搬送ローラー対と、前記調整ローラー対とによって前記シートを保持して搬送し、
前記制御部は、前記シート検出部によるシートの検出情報に基づいて前記搬送位置調整機構を制御し、前記スキュー補正と、前記位置ずれ補正とを並行して実行するとともに、前記スキュー補正と、前記位置ずれ補正とを同時に終了させるか、若しくは前記位置ずれ補正を前記スキュー補正よりも遅く終了させることを特徴とする画像形成装置。 - 前記制御部は、前記スキュー補正と、前記位置ずれ補正とを同時に終了させることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記シート搬送路は、上下方向に延びることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
- 前記制御部は、前記シートの前記傾斜量と、前記シートの前記位置ずれ量とに基づき、前記スキュー補正モーターの回転速度と、前記位置ずれ補正モーターの回転速度とを段階的に変更することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の画像形成装置。
- 前記シート検出部は、前記シートの前記シート搬送方向の端部及び前記シート幅方向の端部を検出するコンタクトイメージセンサーを備えることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2021003565A JP2022108522A (ja) | 2021-01-13 | 2021-01-13 | 画像形成装置 |
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JP2022108522A true JP2022108522A (ja) | 2022-07-26 |
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ID=82556547
Family Applications (1)
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