JP2008275811A - 画像形成装置及び速度制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】無端状ベルトの位置、周回速度、蛇行を精度良く検出し、かつ、構成が簡易で低コストの画像形成装置を提供する。
【解決手段】無端状ベルトによりシートにトナー像を転写する複写機1において、無端状ベルトに光を照射する出射部81と、反射光を受光して無端状ベルト表面の連続画像を取得する受像部82と、無端状ベルト上に受像部82における受光を変化させるための受光変化部材83と、無端状ベルトの周回速度を制御するとともに、受像部82で取得された連続画像を比較し、移動量及び/又は蛇行量を演算する制御部9を備え、制御部9は、受光変化部材83による受像部82の受光状態の変化を移動量及び/又は蛇行量の変化量から検出し、受光状態に変化があったときから次の受光状態の変化に至るまでの間の時間と、受光変化部材83の距離間隔から、無端状ベルトの周回速度を演算する。
【選択図】図7
【解決手段】無端状ベルトによりシートにトナー像を転写する複写機1において、無端状ベルトに光を照射する出射部81と、反射光を受光して無端状ベルト表面の連続画像を取得する受像部82と、無端状ベルト上に受像部82における受光を変化させるための受光変化部材83と、無端状ベルトの周回速度を制御するとともに、受像部82で取得された連続画像を比較し、移動量及び/又は蛇行量を演算する制御部9を備え、制御部9は、受光変化部材83による受像部82の受光状態の変化を移動量及び/又は蛇行量の変化量から検出し、受光状態に変化があったときから次の受光状態の変化に至るまでの間の時間と、受光変化部材83の距離間隔から、無端状ベルトの周回速度を演算する。
【選択図】図7
Description
本発明は、感光体ドラム上に形成されたトナー像を重ね合わせてシートに転写するための手段として周回する無端状ベルトを備えた画像形成装置に関する。また本発明は、周回する無端状ベルトの速度を制御する速度制御装置に関する。
一般に、カラー対応の複写機、複合機等の画像形成装置では、中間転写やシート搬送のため無端状ベルトを備える。例えば、タンデム式の画像形成装置では、トナーの色ごとに感光体ドラムを備える(ブラック、イエロー、シアン、マゼンダの4色であれば4本)。この形式では、形成された各色のトナー像は、無端状ベルト上で順次重ね合わされつつ一旦転写された後、シートに2次転写されるか、若しくは、無端状ベルトで搬送されるシートに直接重ね合わされつつ転写される。又、ロータリ式の画像形成装置は、通常、感光体ドラムを1本のみ備え、1つのカラー画像を形成する際は、1つの色ごとにトナー像を形成し、中間転写体としての無端状ベルトを4回周回させ、トナー像を重ね合わせて1つのフルカラーの画像を形成する。
そして、無端状ベルトを有する画像形成装置においては、転写の際の色ずれなく、品質の高い画像形成を行うため、周回速度や蛇行状況を正確に測定、検出し、無端状ベルトの周回を適切に制御することが必要である。
このような画像形成装置において、無端状ベルトの周回速度を検出し、色ずれを防ぐための構成が特許文献1に記載されている。具体的に特許文献1には、画像と位置検出用の第1パターン画像を形成する第1の画像形成手段と、画像と位置検出用の第2パターン画像を形成する第2の画像形成手段と、各画像形成手段を通過する無端状ベルトと、パターン画像間の距離検出手段とを有し、パターン画像間の距離検出手段は、画像の移動を検出する移動検出手段と、移動検出手段の検出によりパルス信号を発生する第1のパルス信号発生手段と、第1と第2のパターン画像の検出で、パルス信号を発生する第2のパルス信号発生手段と、第2のパルス信号発生手段からの第1パターン画像と第2パターン画像の検出によるパルス発生の時間的間隔において、第1のパルス信号発生手段が発生したパルス数を数える計測手段とを有する画像形成装置が示されている(特許文献1:請求項1、段落0014、図1等参照)。
特開2001−069282
しかし、特許文献1記載の発明は、パルス発生手段として駆動ローラにロータリエンコーダを設けているが(特許文献1:段落0028、図3等参照)、無端状ベルトと駆動ローラとの間ですべりが生じると無端状ベルトの移動速度を誤検出する場合があるという問題がある。そして、無端状ベルト及び駆動ローラが摺動によって摩耗すると、駆動ローラの回転角度から得られる移動速度と実際の移動速度との間に誤差が生じるという問題もある。これらにより、無端状ベルトの周回速度の検出精度が低くなるため無端状ベルトの周回速度を高精度に制御できず、周回方向の色ずれを十分防止できない。
更に、特許文献1の構成では、無端状ベルトの回転位置を検出する手段としてロータリエンコーダが設けられ、無端状ベルトの周回方向の移動を検知し色ずれを検出する手段としてLED、光センサが設けられる。しかし、この構成のみでは、無端状ベルトの蛇行状況を検出できず、蛇行を検出するための構成が別途必要である。従って、無端状ベルトの位置検出(ロータリエンコーダ)と、周回方向の移動量検出(光センサ)と、蛇行量との検出(別途、検出装置)を行うためには、3つの検出装置が必要であり、構成が複雑となって、コストが高くなってしまうという問題もある。
尚、感光ドラムに対向して周回する無端状ベルトによりシートを搬送し、感光ドラムから直接シートにトナー像を転写する画像形成装置においても同様の問題がある。又、画像形成装置だけでなく、製品、貨物等を搬送する等のため無端状ベルトを使用した速度制御装置でも同様に、低コスト化は望まれ、速度、蛇行を高精度に検知しなければならない。
本発明は、無端状ベルトの位置、周回速度、蛇行を精度良く検出し、色ずれを防止でき、かつ、構成が簡易で、低コストの画像形成装置を提供することを課題とする。また、本発明は、無端状ベルトの位置、周回速度、蛇行を精度良く検出し色ずれを防止でき、又、そのための構成が簡易で、低コストの速度制御装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため請求項1に係る発明は、1又は複数の感光体ドラムに対向して配され、前記感光体ドラム上に形成されたトナー像を周回する無端状ベルト上に、又は、前記無端状ベルトに搬送されるシートに転写する画像形成装置において、前記無端状ベルトに光を照射する出射部と、前記無端状ベルトで反射した光を受光して前記無端状ベルト表面の連続画像を取得する受像部と、前記無端状ベルト上に1又は複数設けられ、前記受像部における受光を変化させるための受光変化部材と、前記無端状ベルトの周回速度を制御するとともに、前記受像部で取得された連続画像を比較して、前記無端状ベルトの周回方向の移動量及び/又は周回方向と垂直な方向における蛇行量を演算する制御部を備え、
前記制御部は、前記受光変化部材による前記受像部の受光状態の変化を、移動量及び/又は蛇行量の変化量から検出し、受光状態に変化があったときから次の受光状態の変化に至るまでの間の時間と、前記無端状ベルトの周長における前記受光変化部材の距離間隔から、前記無端状ベルトの周回速度を演算することとした。
前記制御部は、前記受光変化部材による前記受像部の受光状態の変化を、移動量及び/又は蛇行量の変化量から検出し、受光状態に変化があったときから次の受光状態の変化に至るまでの間の時間と、前記無端状ベルトの周長における前記受光変化部材の距離間隔から、前記無端状ベルトの周回速度を演算することとした。
この構成によれば、受像部により取得された連続画像を比較することで、無端状ベルトの周回方向の移動量(更には周回速度)と、周回方向と垂直な方向の蛇行量が検出できる。又、受光変化部材による受像部の受光状態の変化に伴う移動量と蛇行量の急激な変化を検出することで、受光変化部材の通過を検出できるから無端状ベルトの周回における位置検出を行える。又、受光変化部材の通過を検出してから再度受光変化部材の通過を検出するまでの時間と受光変化部材の距離間隔から無端状ベルトの周回速度の検出も行うことができる。
このように、移動量検出、蛇行量検出、位置検出、周回速度演算の全てを1つの検出装置で高精度に行うことができるから、従来のように各データを検出するために、それぞれ別途センサ等を設ける必要がなく、明らかに構成が簡易となる。即ち、組立や配線も容易であり、かつ、低コストの画像形成装置を提供することができる。
更に、連続画像を比較して無端状ベルトの周回速度等の検出を行うから、受像部の設置位置に制限はなく、設置の際の自由度が高い。又、無端状ベルトの表面の移動に基づき周回速度を検出するから、無端状ベルトと駆動ローラとの間での滑りや、駆動ローラ及び無端状ベルトの摩耗に影響されず、高精度に周回速度を検出することができる。
又、請求項2に係る発明は、請求項1記載の画像形成装置において、前記出射部は、レーザ光を出射し、前記受光変化部材は、鏡面部材又はレーザ光を透過する透光部材であることとした。
この構成によれば、出射光にレーザ光を用いるから、受像部で高精細な画像を得ることができる。又、受光変化部材が鏡面部材であれば、乱反射する無端状ベルト表面よりも反射率が高いため、受像部の受光状態を変化させることができる。又、受光変化部材が透光部材であれば、出射部からの出射光が反射することなく透過してしまうので、この場合も、受像部の受光状態を変化させることができる。これらにより、連続画像を比較した際に受光変化部材の通過を確実に検出できる。尚、本発明は、好適な実施形態の1つである。
又、請求項3に係る発明は、請求項1又は2記載の画像形成装置において、前記制御部は、演算により求められた前記無端状ベルトの周回速度に基づき、前記無端状ベルトの周回速度を修正することとした。
この構成によれば、制御部が、適切に画像形成を行える基準速度となるように演算された周回速度に基づき、無端状ベルトの周回速度を修正するから、色ずれがなく、形成される画像の品質の高い画像形成装置を提供することができる。
又、請求項4に係る発明は、周回する無端状ベルトの速度を検出して周回速度の制御を行う速度制御装置において、前記無端状ベルトに光を照射する出射部と、前記無端状ベルトで反射した光を受光して前記無端状ベルト表面の連続画像を取得する受像部と、前記無端状ベルト上に1又は複数設けられ、前記受像部における受光を変化させるための受光変化部材と、前記無端状ベルトの周回速度を制御するとともに、前記受像部で取得された連続画像を比較して、前記無端状ベルトの周回方向の移動量及び/又は周回方向と垂直な方向における蛇行量を演算する制御部を備え、前記制御部は、前記受光変化部材による前記受像部の受光状態の変化を、移動量及び/又は蛇行量の変化量から検出し、受光状態に変化があったときから次の受光状態の変化に至るまでの間の時間と、前記無端状ベルトの周長における前記受光変化部材の間隔から、前記無端状ベルトの周回速度を演算することとした。
この構成は、上記の画像形成装置のうち、無端状ベルトの速度制御に関する部分に相当する構成であり、受像部により取得された連続画像を比較することで、無端状ベルトの周回方向の移動量(更には周回速度)と、周回方向と垂直な方向の蛇行量が検出できる。又、受光変化部材による受像部の受光状態の変化に伴う移動量と蛇行量の急激な変化を検出することで、受光変化部材の通過を検出できるから無端状ベルトの周回における位置検出を行える。又、受光変化部材の通過を検出してから再度受光変化部材の通過を検出するまでの時間と受光変化部材の距離間隔から無端状ベルトの周回速度の検出も行うことができる。
このように、移動量検出、蛇行量検出、位置検出、周回速度演算の全てを1つの検出装置で高精度に行うことができるから、従来のように各データを検出するためにそれぞれ別途センサ等を設ける必要がなく、明らかに構成が簡易となる。即ち、組立や配線も容易であり、かつ、低コストの速度制御装置を提供することができる。更に、連続画像を比較して無端状ベルトの周回速度を検出するから、受像部の設置位置に制限はなく、設置の際の自由度が高い。又、表面の移動に基づき周回速度を検出するから、無端状ベルトと駆動ローラとの間での滑りや、駆動ローラ及び無端状ベルトに摩耗に影響されず、高精度に周回速度を検出することができる。
又、請求項5に係る発明は、請求項4に記載の速度制御装置において、前記出射部は、レーザ光を出射し、前記受光変化部材は、鏡面部材又はレーザ光を透過する透光部材であることとした。
この構成も、上記の画像形成装置のうち、無端状ベルトの速度制御に関する部分に相当する構成であり、出射光にレーザ光を用いるから、受像部で高精細な画像を得ることができる。又、受光変化部材が鏡面部材であれば、乱反射する無端状ベルト表面よりも反射率が高いため、受像部の受光状態を変化させることができる。又、受光変化部材が透光部材であれば、出射部からの出射光が反射することなく透過してしまうので、この場合も、受像部の受光状態を変化させることができる。これらにより、連続画像を比較した際に受光変化部材の通過を確実に検出できるのであり、本発明は、好適な実施形態の1つである。
又、請求項6に係る発明は、請求項4又は5に記載の速度制御装置において、前記制御部は、演算により求められた前記無端状ベルトの周回速度に基づき、前記無端状ベルトの周回速度を修正することとした。
この構成も、上記の画像形成装置のうち、無端状ベルトの速度制御に関する部分に相当する構成であり、制御部が、無端状ベルトの周回速度を演算された周回速度に基づきの修正するから、無端状ベルトの周回速度を適切にすることが可能な速度制御装置を提供することができる。
上述したとおり、本発明によれば、無端状ベルトの移動量、蛇行量、位置検出、周回速度の検出を高精度に、かつ、1つの検出装置で行うことができ、構成が簡易で低コストな画像形成装置、速度制御装置を提供することができる。
以下、本発明の第1の実施形態について図1〜7を参照しつつ説明する。尚、本実施の形態に記載されている構成、配置等の各要素は、発明の範囲を限定するものではなく単なる説明例にすぎない。
まず、図1を用いて、本発明の第1の実施形態における電子写真方式のフルカラーの複写機1(画像形成装置に相当)の概略を説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る複写機1の概略構成の一例を示す模型的正面断面図である。
複写機1は、複写機1の最上部に原稿を搬送する原稿自動送り装置2が載置され、後方を支点に上下方向に開閉自在である。その原稿自動送り装置2の下方には、画像読取部3が配され、画像読取部3の下部にはシート供給部4、画像形成部5、中間転写部6等が配される。
そして、原稿自動送り装置2は、原稿載置トレイ21、原稿排出トレイ22、原稿カバー23を備える。原稿載置トレイ21には、読み取る原稿が載置される。原稿排出トレイ22は、原稿搬送路24から排出される原稿を受け止める。原稿カバー23は、原稿載置面32に載置される原稿を押える。原稿搬送路24は、装置内で原稿を搬送する通路である。
又、原稿自動送り装置2内に、図1の実線矢印で示す原稿搬送路24の上流から順に、原稿ピックアップローラ25、複数の原稿搬送ローラ対26が設けられる。原稿ピックアップローラ25は原稿載置トレイ21上の原稿を1枚ずつ原稿搬送路24に送り出す。原稿搬送ローラ対26は原稿載置トレイ21から原稿排出トレイ22まで原稿を搬送する。
次に、画像読取部3について説明する。原稿を読み取るための画像読取部3は、上面に原稿通過面31と原稿載置面32が配され、その内部に露光ランプ33、反射板34、第1ミラー35、第2ミラー36、第3ミラー37、集光レンズ38及びイメージセンサ39を備える。
原稿通過面31は、原稿自動送り装置2により搬送される原稿が接しつつ通過する面であり、原稿載置面32は、原稿自動送り装置2を持ち上げ、1枚ずつ原稿を読み取る際に原稿を載置する面である。これら原稿通過面31及び原稿載置面32は、透光性の板状部材であり、いわゆるコンタクトガラスである。
そして、露光ランプ33は、原稿に向け光を出射する。反射板34は、光を集光し原稿載置面32又は原稿通過面31に照射する。各ミラーは、原稿で反射された光を集光レンズ38にまで導く。集光レンズ38は、CCD等から成るイメージセンサ39に原稿の反射光を集光する。そして、イメージセンサ39は、原稿の反射光を電気信号に変換し、その後、電気信号を増幅、量子化して、原稿の画像を画像データとして読み取る。
尚、露光ランプ33、反射板34、第1ミラー35は、1つの移動枠(不図示)に固定され、第2及び第3ミラー37は、別の移動枠(不図示)に固定される。そして、原稿載置面32に載置された原稿を読み取る際は、図1において2つの移動枠が水平に右方向に移動して原稿の読み取りがなされる。一方、原稿通過面31を通過する原稿を読み取る際は、原稿通過面31の下方で移動枠が固定され、原稿の読み取りがなされる。
そして、画像読取部3の下方には、シート供給部4、画像形成部5、中間転写部6及び定着装置7が配され、複写機1の左側面に、複写機1から排出されるシートSを受け止めるための排出トレイ11が取り付けられる。
シート供給部4は、中間転写部6の下部に配置され、コピー用紙、厚紙、OHPシートS等の各種、各サイズのシートSを収納する複数のカセット41を有する。そして、各カセット41には、シートSを1枚ずつシート搬送路42に送り出すためのピックアップローラ43が配される。又、各カセット41は、中間転写部6よりもシート搬送方向上流でシート搬送路42に接続され(言い換えると、シート搬送路42は、カセット41の数に対応して分岐)、シート搬送路42には、シートSを搬送するため、回転駆動される搬送ローラ対44が複数設けられる。
そして、シート搬送路42は、搬送ローラ対44によりシートSを中間転写部6に向けて搬送する。尚、シート搬送路42には、シートSを適切なタイミングで2次転写部に進入させるため、一旦シートSを留めることが可能なレジストローラ対45が、中間転写部6の手前に設けられる。
そして、画像形成部5、中間転写部6は、シート搬送路42の上方に配される。画像形成部5は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナー像又は単色のトナー像を形成する。本実施形態では4色のトナー像をシートSに転写可能であるが、2色以上であれば同様に構成することができる。一方、中間転写部6は、シートSへの転写前に、各色のトナー像を中間転写ベルト61に一旦重ね合わせて1次転写が行われる部分である。尚、画像形成部5、中間転写部6の詳細は、後述する。
定着装置7は、中間転写部6よりもシート搬送方向下流に配され、画像形成部5によりシートS上に形成されたトナー像を加熱定着する。又、定着装置7は、発熱源を内蔵する加熱ローラ71、加圧ローラ72を有し、両ローラは、回転駆動可能かつ圧接されて支持されニップを形成する。このニップにシートSが進入しトナー像がシートSに定着する。
次に、図2を用いて、画像形成部5及び中間転写部6の詳細な構成について説明する。図2は、本発明の第1の実施形態に係る複写機1の画像形成部5及び中間転写部6の拡大模型的正面断面図である。
画像形成部5は、画像形成ユニット50K、50Y、50C、50Mから構成される。画像形成ユニット50K〜Mは、図2の左方からブラック(K)、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)の順でタンデム配置され、各色のトナー像を形成する。尚、画像形成ユニット50K〜Mは、配列順序を変えてもよい。ここで、各画像形成ユニット50はそれぞれ同様の構成であるから、以下では、K、Y、C、Mの符号は、特に説明する場合を除き省略する。
各画像形成ユニット50は回転駆動するように支持された感光体ドラム51を有し、感光体ドラム51の周囲に図中、反時計回りに上方から、帯電器52、光走査ユニット53、現像器54、除電器55、クリーニング器56が設けられる。尚、現像器54と除電器55との間で感光体ドラム51が中間転写ベルト61と当接する。
感光体ドラム51は、図中、反時計回り(矢印A方向)に回転し、帯電器52は、感光体ドラム51を対向する位置で帯電させる。光走査ユニット53は、光を出射し画像読取部3で(図1参照)で読み取られた画像データに応じて感光体ドラム51表面の電荷を消去し、感光体ドラム51の表面に静電潜像を形成する。現像器54は、感光体ドラム51上の静電潜像にトナーを供給し静電潜像をトナー像として顕像化する。このトナー像が1次転写器62により中間転写ベルト61に転写される。除電器55は、感光体ドラム51の表面電荷を除去する。クリーニング器56は、感光体ドラム51に接するブレード等から成り、感光体ドラム51上の残留トナー等を除去する。
一方、中間転写部6は、中間転写ベルト61、1次転写器62、2次転写器63、及び走行検知部8を備える。中間転写ベルト61は、無端状ベルトから成り、回転可能に支持された駆動ローラ64、支持ローラ65、66により不等辺三角形をなすように張架支持され、駆動ローラ64がモータ、ギア等の駆動装置(不図示)により回転駆動することで中間転写ベルト61は周回する。
1次転写器62は、中間転写ベルト61を挟んで後述する各感光体ドラム51に対向して複数設けられる。各1次転写器62には、感光体ドラム51の表面で帯電するトナーの極性と逆極性の電圧が印加される。2次転写器63は、シートS及び中間転写ベルト61を挟んで駆動ローラ64に対向配置される。2次転写器63には中間転写ベルト61の表面で帯電するトナーの極性と逆極性の電圧が印加される。走行検知部8は、中間転写ベルト61の周回速度、蛇行状況等を検出する(詳細は後述)。
次に、上記構成の複写機1における画像形成動作を説明する。カラー原稿が原稿自動送り装置2又は原稿載置面32にセットされ、画像読取部3により原稿の画像が読み取られると、画像データは、画像形成部5に送られる。そして、中間転写部6の駆動ローラ64の回転駆動により中間転写ベルト61が図2の矢印A方向に回転する。又、各感光体ドラム51が図中、反時計回り(矢印A方向)に回転し、帯電器52により感光体ドラム51の表面が帯電する。そして、読み取った画像データを各色に分解して得られた画像データに対応した静電潜像が光走査ユニット53により形成された後、トナーが供給され、各色のトナー像が形成される。
感光体ドラム51が更に回転しトナー像が1次転写器62と対向すると、1次転写器62にトナーの帯電極性と逆極性の電圧が印加され、感光体ドラム51表面のトナー像が中間転写ベルト61に1次転写される。その後、感光体ドラム51表面は、次のトナー像形成のため除電器55により除電され、クリーニング器56により清掃される。
このように、各画像形成ユニット50は所定のタイミングで駆動し、形成されたトナー像は、周回する中間転写ベルト61に重ねられつつ転写され、最終的に中間転写ベルト61上にフルカラーのトナー像が形成される。中間転写ベルト61が更に周回しトナー像が2次転写器63と対向する位置にくると、レジストローラ対45によりタイミングを合わせて搬送されるシートSが中間転写ベルト61と2次転写器63との間に送り込まれる。この時、2次転写器63にトナーの帯電極性と逆極性の電圧が印加され、中間転写ベルト61上のトナー像がシートSに転写される。そして、トナー像が転写されたシートSは、定着装置7に搬送され、トナー像の定着の後、シートSは排出トレイ11に排出される。
尚、画像形成部5でモノクロ画像を形成する場合も同様に、駆動ローラ64の駆動により中間転写ベルト61が図2の矢印A方向に周回する。この時、各感光体ドラム51は、矢印A方向に回転するが、ブラックの画像形成ユニット50K以外では、トナー像は形成されない。一方、ブラック用の画像形成ユニット50Kの感光体ドラム51上に形成されたブラックのトナー像は、中間転写ベルト61に1次転写され、シートSに2次転写された後、定着され、モノクロ画像の画像形成が完了する。
次に、図3に基づき、走行検知部8の構成について説明する。図3は、本発明の第1の実施形態に係る走行検知部8を説明するための模型的断面正面図であり、(a)は中間転写ベルト61に対して出射部81がレーザ光を出射した場合の図であり、(b)は、鏡面部材83aに対して出射部81がレーザ光を出射した場合の図であり、(c)は、透光部材83bに対して出射部81がレーザ光を出射した場合の図である。
図3(a)に示すように、走行検知部8は、出射部81、受像部82を備え中間転写ベルト61上方に配される(図2参照)。出射部81は、例えば、半導体レーザ装置から成り、中間転写ベルト61にレーザ光を照射する。レーザ光として例えば波長が850nm±20nmの赤外線レーザを用いることができる。尚、照射する光はレーザ光に限られない。そして、受像部82は、出射部81から出射して中間転写ベルト61で反射した光を受光し、中間転写ベルト61表面の連続画像を取得する(出射光及び反射光を図3中、破線矢印で図示)。受像部82は、例えば30×30画素のCCD等から成り、1200dpiの分解能とできる。尚、受像部82の画素数、分解能は適宜設定可能である。
一方で、図3(b)、(c)に示すように、本実施形態では、受光変化部材83は、中間転写ベルト61上での、形成すべき画像のトナー像がのらない領域、即ち、中間転写ベルト61の側端部近傍に設けられる(図6参照)。これは、受光変化部材83がトナー像の適切な転写等の妨げとならないようにするためである。又、受光変化部材83は、中間転写ベルト61の周方向における受像部82の撮像ライン上に位置するように配される。言い換えると、受像部82は、受光変化部材83の連続画像も取得する。
そして、受像部82の受光に関しては、通常、図3(a)に示すように、出射部81からの光が中間転写ベルト61で若干散乱しつつ反射して、その反射光を受像部82が受光することで、連続画像を取得する。しかし、受光変化部材83は、その通常の状態から、受像部82における中間転写ベルト61からの反射光の受光(状態)を変化させる。
そして、本実施形態では、図3(b)に示すように、受光変化部材83は、例えば、鏡面部材83aとすることができる。鏡面部材83aであれば、光の反射率が高くなり、集光されるため、中間転写ベルト61に反射した状態と、受光変化部材83で反射した状態とで受光状態を異ならせることができる。例えば、ミラーシールや鏡面加工された樹脂シートを貼り付ける等により、鏡面部材83aを設けることができる。
又、本実施形態では、図3(c)に示すように、受光変化部材83は、例えば、透光部材83bとすることができる。透光部材83bの場合は、透光部材83bに向かってくる出射光は、ほとんど反射することなく直進する。そのため、レーザ光が中間転写ベルト61に反射した状態と、受像部82の受光状態を異ならせることができる。例えば、中間転写ベルト61に小さな穴をあけ、補強が必要ならば透明なシール、テープで補強したり、透光部材83b(例えばガラス)を埋め込んだりして、光を透過させるための透光部材83bを設けることができる。
次に、図4に基づき、受像部82の視野84について説明する。図4は、本発明の第1の実施形態に係る中間転写ベルト61上の受像部82の視野84を示す平面図である。
図4に示すように、受像部82の視野84は中間転写ベルト61が図4に示す矢印A方向に移動すると、視野84’、視野84”のように順に移動し、受像部82は、例えば1秒間に5200枚の中間転写ベルト61表面の連続画像を取得する(約0.2ms毎に1画像)。この受像部82で取得した連続画像のデータは制御部9(図5参照)に送られ、後述する制御部9は、連続画像を比較して図中、X方向(周回方向)及びY方向(周回方向と垂直な方向)の画素の移動、変位を検出する。尚、連続画像を比較して移動量、蛇行量を検出するから、走行検知部8の配置位置に特段の制限はなく、自由度が高い。ところで、以下では、移動量とは中間転写ベルト61の周回方向(X方向)において移動した距離、長さのことをいい、蛇行量とは中間転写ベルト61の周回方向に垂直な方向(Y方向)において移動した距離、長さのことをいう。
次に、図5に基づき、制御部9について説明する。図5は、本発明の第1の実施形態に係る制御部9の構成の一例を示すブロック図である。
複写機1は、各構成を制御するCPU91を有した制御部9を備える。そして、制御部9は、例えば、ROM、HDD、フラッシュメモリ等から構成される不揮発性のメモリや、例えばRAMで構成される揮発性のメモリからなる記憶部92、及び時間を計測するためのカウンタ93を備える。記憶部92には複写機1の各種動作プログラム、各種データ及びCPU91の演算結果等が記憶される。又、受像部82で取得された連続画像や中間転写ベルト61の周回速度、移動量、蛇行量の演算結果等も記憶部92に保存される。カウンタ93は、受光変化部材83が検出されてから、再度、受光変化部材83を検出するまでの時間等、制御に必要となる時間を計測するためのものである。
そして、CPU91が記憶部92から制御用プログラムを読み出して実行することにより機能を実現し、制御部9は、移動量検出部94、蛇行量検出部95、速度演算部96等の機能ブロックを有するように構成されるが、各部の詳細は後述する。
又、制御部9には走行検知部8、中間転写部6の他、画像読取部3、画像形成部5、蛇行調整部97等の複写機1の各構成が接続される。このように複写機1の各部と接続された制御部9は、各構成を制御して、的確に画像形成が行われるように制御する。尚、蛇行調整部97の詳細は後述する。
次に、図5及び6に基づき、本発明の実施形態に係る中間転写ベルト61の周回速度とそれに関する移動量と蛇行量の演算について説明する。図6は、本発明の第1の実施形態に係る中間転写ベルト61の周回速度、移動量、及び蛇行量の演算を説明するための説明図である。
尚、図6は、中間転写ベルト61を展開し、2段重ねた図であり、図6におけるL1は中間転写ベルト61の1周当たりの周長(例えば、1m〜1m数十cm)を示す。又、図6におけるL2は、受光変化部材83が設けられる間隔である。従って、図6は、受光変化部材が中間転写ベルト61に1つ設けられている態様を示している。又、図6において中間転写ベルト61の右端端部に記載の黒点、実線矢印は、蛇行量の一例を示すものであり、矢印は蛇行の方向を示し、黒点は、蛇行量がゼロであるポイントである。
まず、中間転写ベルト61の周回方向における移動量の演算について説明する。図6に示すように、周回速度演算のため、所定時間における中間転写ベルト61の周回方向(図6においてX方向)の移動量を演算する。そして、中間転写ベルト61の移動量の演算をするための構成が、図5に示す走行検知部8、移動量検出部94である。
制御部9の移動量検出部94は、連続画像における画像データのX方向の移動量の演算、検出を行う。移動量検出部94は、受像部82により順次取得され記憶部92に記憶、保存された中間転写ベルト61の連続画像を比較し、所定時間内における中間転写ベルト61のX方向の移動量を演算する。ここで、所定時間は、比較を行う最初の画像と最後の画像の時間的間隔である(言い換えると、サンプリング時間)。
演算方法としては、画像のうちの特定の画素に注目しその画素の移動を比較してもよいし、複数の画素について一定の領域を形成し領域の移動を比較してもよく、移動量検出部94は、画素のX方向における画素の変位量(単位:dot)を検出する。そして、受像部82の分解能(単位:dpi)は定数であるから、所定時間内での中間転写ベルト61のX方向の移動量は、以下の式(1)のように算出できる。
移動量(X方向)=画素の変位量×1/分解能
=画素の変位量/分解能・・・・・(1)
移動量(X方向)=画素の変位量×1/分解能
=画素の変位量/分解能・・・・・(1)
そして、速度演算部96は、算出された移動量に基づき、中間転写ベルト61の周回速度の演算を行うことができる。即ち、所定時間(単位:sec)は、X方向の移動量を検出できる範囲で任意に定めることができる一定の時間であるから、所定時間内での中間転写ベルト61のX方向の移動量から、以下の式(2)のように中間転写ベルト61の周回速度も算出できることになる。
周回速度=画素の変位量/分解能/所定時間・・・・・(2)
周回速度=画素の変位量/分解能/所定時間・・・・・(2)
次に、中間転写ベルト61の周回方向と垂直な方向の移動に着目して中間転写ベルト61の蛇行量を演算する点について説明する。蛇行量とは、図6に示す所定時間内における中間転写ベルト61の周回方向と垂直な方向(図6においてY方向)での、移動した量である。そして、中間転写ベルト61の蛇行量を演算するための構成は、図5に示す走行検知部8、蛇行量検出部95である。
具体的に、蛇行量検出部95は、受像部82が取得した画像における画像データのY方向の蛇行量の演算、検出を行う。蛇行量検出部95は、受像部82により順次取得され記憶部92に記憶、保存された中間転写ベルト61の連続画像を比較し、所定時間内における中間転写ベルト61のY方向の蛇行量を演算する。ここで、所定時間は、比較を行う最初の画像と最後の画像の時間的間隔である。
演算方法としては、画像のうちの特定の画素に注目しその画素の移動を比較してもよいし、複数の画素について一定の領域を形成し領域の移動を比較してもよく、蛇行量検出部95は、画素のY方向における画素の変位量(単位:dot)を検出する。そして、受像部82の分解能(単位:dpi)は定数であり、所定時間(単位:sec)もY方向の蛇行量を検出できる範囲で任意に定めることができる一定の時間である。
従って、所定時間内での中間転写ベルト61のY方向の移動量は、式(1)と同様に、以下の式(3) で算出できる。
蛇行量=画素の変位量/分解能・・・・・(3)
蛇行量=画素の変位量/分解能・・・・・(3)
次に、上述のように演算される移動量、蛇行量から、中間転写ベルト61における周回の位置検出について説明する。まず、移動量、蛇行量は、所定のタイミング(例えば1msに1回)で順次演算がCPU91により継続され、記憶部92に記憶されていく。
そして、受光変化部材83を撮像した取得画像について比較をした場合、図6の2点鎖線矢印で示すように、その時点の移動量の演算において、移動量、蛇行量の急激な変化が検出、演算されるか、若しくは、移動量、蛇行量の検出、演算が不能となる。即ち、受光変化部材83は受像部82の受光状態を変化させるので、その変化が、移動量、蛇行量の急激な変化若しくは演算不能として現れるのである(尚、以下、このような中間転写ベルト61上の表面状態の地点、即ち、受光変化部材83の位置を「特異点P」という)。
この特異点Pを検出する際に、移動量、蛇行量が急激に変化したかを確認するため、閾値を設定することができる。そして、制御部9は、移動量、蛇行量の変化を追跡し、閾値を超える変化を検出した中間転写ベルト61上の地点を特異点Pと判断できる。そうすると、この特異点Pの検出により、周回する中間転写ベルト61での特定の位置の検出が行える。言い換えると、受光変化部材83が設けられている位置を検出できる。
そして、この中間転写ベルト61での位置検出(特異点P)から、速度演算部96は、中間転写ベルト61の周回速度の演算を行う。即ち、受光変化部材83を設ける距離の間隔(受光変化部材間隔L)は一定であり、例えばカウンタ93で計測される特異点Pから次の特異点Pが検出するまでの時間(特異点検出時間)から、以下の式(4)のように中間転写ベルト61の周回速度を演算することができる。
周回速度=受光変化部材間隔/特異点検出時間・・・・・(4)
周回速度=受光変化部材間隔/特異点検出時間・・・・・(4)
例えば、中間転写ベルト61上に、受光変化部材83を1つ設けた場合は、中間転写ベルト61の1周に対し、特異点Pが1つ現れ、中間転写ベルト61の1周における平均速度を演算することができる。又、例えば、一定の間隔で受光変化部材83を中間転写ベルト61上に複数設けた場合、中間転写ベルト61に複数の特異点Pが現れ、その間隔ごとの平均速度を求めることができる。
ここで、特異点Pを検出するための閾値について説明しておく。まず、中間転写ベルト61の周回方向における閾値について説明すると、この閾値は、X方向の移動量自体、中間転写ベルト61の周回速度や加速度等、各種データに着目して定めることができる。
まず、移動量について閾値を定める場合、適切な画像形成を行えるような中間転写ベルト61の基準速度(感光体ドラム51の回転速度やシート搬送速度等との兼ね合いで定まる)から、所定時間における望ましい移動量(基準移動量)を定めることができる。そして、演算された移動量と基準移動量とを比較して、例えば、数十%以上も異なるのであれば、その時点に特異点Pが通過したと判断できる。このように、所定時間における基準移動量を基準として、移動量についての閾値は、適宜設定できる。
又、周回速度について閾値を定める場合も、適切な画像形成を行えるような中間転写ベルト61の基準速度に基づくことができる。そして、式(2)や(4)により演算された中間転写ベルト61の周回速度と基準速度とを比較して、例えば、数十%以上も異なるのであれば、その時点に特異点Pが通過したと判断できる。このように、基準速度を基準として周回速度における閾値は、適宜設定できる。
更に、加速度について閾値を定める場合も、適切な画像形成を行えるような中間転写ベルト61の速度との関係で、望ましい加速度(基準加速度)を定めることができる。ここで、加速度は、単位時間の速度の変化率であるが、周回速度データは、上述したように順次、記憶部92に保存されているから、連続画像の比較を行う時間間隔(サンプリングを行う周期)により、容易に加速度を求めることができる。この基準加速度と、制御部9が演算した周回速度に基づく加速度と、例えば、数十%以上も異なるのであれば、その時点に特異点Pが通過したと判断できる。このように、基準加速度を基準として閾値は、適宜設定できる。
尚、中間転写ベルト61の周回速度は、駆動開始から基準速度に達するまで加速し、基準速度を維持するというように変動するから、変動に併せて移動量、周回速度、加速度における閾値も、変動されてもよい。そして、CPUは、その時点で行っている制御内容に基づき、各時点における閾値を決定すればよい。一方、閾値を固定するなら、例えば、閾値は、複写機の仕様から定まる移動量、周回速度、加速度の最高値としてもよい。
次に、蛇行に関する閾値について説明すると、蛇行量における閾値は、中間転写ベルト61の蛇行量に着目して定めることができる。
ここで、品質の高い画像形成を行うため、中間転写ベルト61が蛇行しないように、中間転写ベルト61を張架する駆動ローラ64、支持ローラ65、66は、軸線が平行となるように、精度高く複写機内で支持されるが、完全に平行に支持することは困難である。この若干の誤差等により、わずかであるが中間転写ベルト61が蛇行し得る(図6において、各ポイントでの蛇行量を矢印にて図示)。
そうすると、演算された蛇行量が、この公差の範囲における蛇行量よりも大きなものであれば、受光変化部材83により大きな蛇行量が演算された結果と判断できる。従って、蛇行量における閾値は、公差の範囲以上の蛇行量とできる。
このように、制御部9が特異点Pを検出することで、中間転写ベルト61上の特定の位置の位置検出が行える。そして、この位置検出から、式(4)に示したように中間転写ベルト61の周回速度も演算し求めることができる。この周回速度を用いて、基準速度となるように周回速度の修正を行えば、周回方向での色ずれの発生を防ぐことができる。
次に、図7に基づき、詳細な中間転写ベルト61の移動量検出、蛇行量検出、位置検出及び周回速度の演算等の一連の動作についてフローチャートを用いて説明する。図7は、本発明の第1の実施形態に係る中間転写ベルト61の周回速度、蛇行量の演算等の一連の動作を説明するためのフローチャートである。
図7において、スタートは、画像形成を行う旨の入力を制御部9が受け付け、制御部9が複写機1を構成する各部に対し画像形成の開始を指示した時点である。画像形成が開始されると、画像形成のため、駆動ローラ64に接続されるモータが回転し、中間転写ベルト61は、周回駆動される(ステップ♯1)。次に、制御部9は、走行検知部8の出射部81及び受像部82を駆動し、中間転写ベルト61上の連続画像を取得し、制御部9の記憶部92に保存する(ステップ♯2)。
そして、制御部9は、移動量検出部94、蛇行量検出部95により連続画像を比較し、所定時間(サンプリング時間)内における無端状ベルトの移動量(X方向)、蛇行量(Y方向)を演算する(ステップ♯3)。
この移動量、蛇行量の演算を継続して行っていると、受光変化部材83により、急激に移動量、蛇行量が変化しているか、若しくは、演算不能の特異点Pが検出される(ステップ♯4)。そして、特異点Pから次の特異点Pを検出するまでの時間を、適宜カウンタ93等でカウントし、中間転写ベルト61における受光変化部材83と受光変化部材83の設置間隔の距離から中間転写ベルト61の周回速度が演算できる(ステップ♯5)。
尚、本実施形態では、周回速度の速度データは、2種類得ることができる。即ち、上記式(4)を用いて(ステップ♯5)、特異点Pの検出により演算された速度データと、式(2)を用いて、移動量と所定時間から演算できる速度データがある。従って、この2つの速度データを照らし合わせ、演算された速度データの検証を行うこともでき、高精度な中間転写ベルト61の周回速度の速度データを得ることができる。そのため、例えば、制御部9による式(2)による周回速度の演算と速度データの検証をステップ♯5と6の間で行うことも可能である。
その後、演算された周回速度に基づき、制御部9は、駆動ローラ64に接続されるモータを制御して中間転写ベルト61の周回速度を基準速度となるように制御する。又、演算された蛇行量に基づき、必要ならば、制御部9は、蛇行調整部により、蛇行の修正を行う(ステップ♯6)。
ここで、蛇行調整部97は、例えば、中間転写ベルト61の蛇行を調整するため、中間転写部6近傍に設けられ、中間転写ベルト61の周回方向に垂直な方向に押圧する押圧部(不図示)を有し、押圧部の押圧によって中間転写ベルト61の走行位置を修正したり、駆動ローラ64、支持ローラ65、66の傾斜を可変させたりして、蛇行を修正する手段として何らかの蛇行調整を行う。尚、蛇行調整部97はこれらの構成に限られるものではなく、蛇行を修正できればよく、公知の構成を採用できる。
その後、制御部9は、形成すべき画像形成が完了し、中間転写ベルト61の周回を終了させるか確認を行う(ステップ♯7)。終了であれば(ステップ♯7のYes)、制御部9は、駆動ローラ64や走行検知部8の駆動を停止し、一連の中間転写ベルト61の周回速度、蛇行量の演算及び修正制御を終了する。まだ画像形成を行うのであれば(ステップ♯7のNo)、ステップ♯2に戻り、制御部9は、中間転写ベルト61の駆動、移動量、蛇行量の補正、修正等を継続する。
このようにして、本発明の構成によれば、受像部82により取得された連続画像を比較することで、無端状ベルト(中間転写ベルト61)の周回方向の移動量(更には周回速度)と、周回方向と垂直な方向の蛇行量が検出できる。又、受光変化部材83による受像部82の受光状態の変化に伴う移動量と蛇行量の急激な変化を検出することで、受光変化部材83の通過を検出できるから無端状ベルトの周回における位置検出を行える。又、受光変化部材83の通過を検出してから再度受光変化部材83の通過を検出するまでの時間と受光変化部材83の距離間隔から無端状ベルトの周回速度の検出も行うことができる。このように、移動量検出、蛇行量検出、位置検出、周回速度演算の全てを1つの検出装置で行うことができるから、従来のように各データを検出するためにそれぞれ別途センサ等を設ける必要がなく、明らかに構成が簡易となる。即ち、組立や配線も容易であり、かつ、低コストの複写機(画像形成装置)を提供することができる。更に、連続画像を比較して無端状ベルトの周回速度等の検出を行うから、受像部82の設置位置に制限はなく、設置の際の自由度が高い。又、無端状ベルトの表面の移動に基づき周回速度を検出するから、無端状ベルトと駆動ローラ64との間での滑りや、駆動ローラ64及び無端状ベルトの摩耗に影響されず、高精度に周回速度を検出することができる。
又、出射光にレーザ光を用いるから、受像部82で高精細な画像を得ることができる。又、受光変化部材83が鏡面部材83aであれば、乱反射する無端状ベルト表面よりも反射率が高いため、受像部82の受光状態を変化させることができる。又、受光変化部材83が透光部材83bであれば、出射部81からの出射光が反射することなく透過してしまうので、この場合も、受像部82の受光状態を変化させることができる。これらにより、連続画像を比較した際に受光変化部材83の通過を確実に検出できる。
又、制御部9が演算された周回速度に基づき、適切に画像形成を行える基準速度となるように、無端状ベルトの周回速度を修正するから、色ずれがなく、形成される画像の品質の高い画像形成装置を提供することができる。
次に、図8を用いて、本発明の第2の実施形態について説明する。図8は、本発明の第2の実施形態に係る速度制御装置10を説明するためのブロック図である。
この第2の実施形態は、第1の実施形態の複写機1における無端状ベルトの速度、蛇行制御に関する機構を抽出したものであり、第1の実施形態と同様に、無端状ベルトの周回速度、蛇行量の測定・検出及び調整を高精度に行うことができる。例えば、無端状ベルトを用いた搬送装置等の装置に採用することができる。
ここで、速度制御装置10は、第1の実施形態において含まれていた制御部9、走行検知部8、駆動ローラ64、蛇行調整部97等を有し、又、上述した第1の実施形態におけるものと同様の機能を有する。従って、速度制御装置10を構成する各部の詳細な説明は省略する。
このようにして、本発明によれば、受像部82により取得された連続画像を比較することで、無端状ベルトの周回方向の移動量(更には周回速度)と、周回方向と垂直な方向の蛇行量が検出できる。又、受光変化部材83による受像部82の受光状態の変化に伴う移動量と蛇行量の急激な変化を検出することで、受光変化部材83の通過を検出できるから無端状ベルトの周回における位置検出を行える。又、受光変化部材83の通過を検出してから再度受光変化部材83の通過を検出するまでの時間と受光変化部材83の距離間隔から無端状ベルトの周回速度の検出も行うことができる。このように、移動量検出、蛇行量検出、位置検出、周回速度演算の全てを1つの検出装置で高精度に行うことができるから、従来のように各データを検出するためにそれぞれ別途センサ等を設ける必要がなく、明らかに構成が簡易となる。即ち、組立や配線も容易であり、かつ、低コストの速度制御装置を提供することができる。更に、連続画像を比較して無端状ベルトの周回速度を検出するから、受像部82の設置位置に制限はなく、設置の際の自由度が高い。又、表面の移動に基づき周回速度を検出するから、無端状ベルトと駆動ローラ64との間での滑りや、駆動ローラ64及び無端状ベルトに摩耗に影響されず、高精度に周回速度を検出することができる。
又、出射光にレーザ光を用いるから、受像部82で高精細な画像を得ることができる。又、受光変化部材83が鏡面部材83aであれば、乱反射する無端状ベルト表面よりも反射率が高いため、受像部82の受光状態を変化させることができる。又、受光変化部材83が透光部材83bであれば、出射部81からの出射光が反射することなく透過してしまうので、この場合も、受像部82の受光状態を変化させることができる。これらにより、連続画像を比較した際に受光変化部材83の通過を確実に検出できる。又、制御部9が演算された周回速度に基づき、無端状ベルトの周回速度を修正するから、無端状ベルトの周回速度を適切にすることが可能な速度制御装置を提供することができる。
以下、別実施形態について説明する。
上述の実施形態では、中間転写ベルト61を中間転写体として用いたが、無端状ベルト上にシートSを載せつつ搬送し、シートSに直接トナー像を転写する画像形成装置にも本発明を適用してもよい。
又、本発明の実施形態を説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。
本発明は、トナー像を重ね合わせてシートに転写するための手段として周回する無端状ベルトを備えた画像形成装置及び周回する無端状ベルトの速度を制御する速度制御装置に利用可能である。
1 複写機(画像形成装置)
51 感光体ドラム
61 中間転写ベルト(無端状ベルト)
81 出射部
82 受像部
83 受光変化部材
83a 鏡面部材
83b 透光部材
9 制御部
10 速度制御装置
S シート
51 感光体ドラム
61 中間転写ベルト(無端状ベルト)
81 出射部
82 受像部
83 受光変化部材
83a 鏡面部材
83b 透光部材
9 制御部
10 速度制御装置
S シート
Claims (6)
- 1又は複数の感光体ドラムに対向して配され、前記感光体ドラム上に形成されたトナー像を周回する無端状ベルト上に、又は、前記無端状ベルトに搬送されるシートに転写する画像形成装置において、
前記無端状ベルトに光を照射する出射部と、
前記無端状ベルトで反射した光を受光して前記無端状ベルト表面の連続画像を取得する受像部と、
前記無端状ベルト上に1又は複数設けられ、前記受像部における受光を変化させるための受光変化部材と、
前記無端状ベルトの周回速度を制御するとともに、前記受像部で取得された連続画像を比較して、前記無端状ベルトの周回方向の移動量及び/又は周回方向と垂直な方向における蛇行量を演算する制御部を備え、
前記制御部は、前記受光変化部材による前記受像部の受光状態の変化を、移動量及び/又は蛇行量の変化量から検出し、受光状態に変化があったときから次の受光状態の変化に至るまでの間の時間と、前記無端状ベルトの周長における前記受光変化部材の距離間隔から、前記無端状ベルトの周回速度を演算することを特徴とする画像形成装置。 - 前記出射部は、レーザ光を出射し、
前記受光変化部材は、鏡面部材又はレーザ光を透過する透光部材であることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。 - 前記制御部は、演算により求められた前記無端状ベルトの周回速度に基づき、前記無端状ベルトの周回速度を修正することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
- 周回する無端状ベルトの速度を検出して周回速度の制御を行う速度制御装置において、
前記無端状ベルトに光を照射する出射部と、
前記無端状ベルトで反射した光を受光して前記無端状ベルト表面の連続画像を取得する受像部と、
前記無端状ベルト上に1又は複数設けられ、前記受像部における受光を変化させるための受光変化部材と、
前記無端状ベルトの周回速度を制御するとともに、前記受像部で取得された連続画像を比較して、前記無端状ベルトの周回方向の移動量及び/又は周回方向と垂直な方向における蛇行量を演算する制御部を備え、
前記制御部は、前記受光変化部材による前記受像部の受光状態の変化を、移動量及び/又は蛇行量の変化量から検出し、受光状態に変化があったときから次の受光状態の変化に至るまでの間の時間と、前記無端状ベルトの周長における前記受光変化部材の間隔から、前記無端状ベルトの周回速度を演算することを特徴とする速度制御装置。 - 前記出射部は、レーザ光を出射し、
前記受光変化部材は、鏡面部材又はレーザ光を透過する透光部材であることを特徴とする請求項4に記載の速度制御装置。 - 前記制御部は、演算により求められた前記無端状ベルトの周回速度に基づき、前記無端状ベルトの周回速度を修正することを特徴とする請求項4又は5に記載の速度制御装置。
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---|---|---|---|---|
WO2010050152A1 (ja) | 2008-10-27 | 2010-05-06 | 日本電信電話株式会社 | 画素予測値生成手順自動生成方法、画像符号化方法、画像復号方法、それらの装置、それらのプログラム、およびこれらのプログラムを記録した記録媒体 |
JP2011007945A (ja) * | 2009-06-24 | 2011-01-13 | Kyocera Mita Corp | ベルト装置およびそれを備えた画像形成装置 |
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2007
- 2007-04-27 JP JP2007118190A patent/JP2008275811A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2010050152A1 (ja) | 2008-10-27 | 2010-05-06 | 日本電信電話株式会社 | 画素予測値生成手順自動生成方法、画像符号化方法、画像復号方法、それらの装置、それらのプログラム、およびこれらのプログラムを記録した記録媒体 |
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