JP2022104375A - リチウムイオン二次電池用電極 - Google Patents
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Abstract
Description
金属多孔体で構成される集電体と、少なくとも前記金属多孔体の孔内に充填されている電極合材と、を有し、
前記電極合材は、少なくとも、電極活物質と、イオン伝導体粒子とが、前記電極合材中に分散されている、リチウムイオン二次電池用電極である。
(5) 前記イオン伝導体粒子の含有量が、電極活物質100質量部に対して0.1質量部以上10質量部以下である、(1)から(4)のいずれか一つに記載のリチウムイオン二次電池用電極。
図1に示すように、本実施形態に係るリチウムイオン二次電池は、本発明のリチウムイオン二次電池用電極である正極1と負極2が、電解質3を介して積層配置されている。リチウムイオン二次電池を構成する正極及び負極は、電極を構成することのできる材料から2種類を選択し、2種類の化合物の充放電電位を比較して、貴な電位を示すものを正極に、卑な電位を示すものを負極に用いて、任意の電池を構成することができる。正極1/電解質3/負極2を単セルとして、これを任意の数積層することでリチウムイオン二次電池が構成される。
電解質3について、本実施形態に係るリチウムイオン二次電池用電極が適用できる電池は、非水溶媒に電解質を溶解させた液体の電解液を備えるものであってもよいし、固体又はゲル状の電解質である固体電解質を備えるものであってもよい。
本実施形態に係るリチウムイオン二次電池は、特に液状の電解質を用いる場合には、セパレータを含んでいてもよい。セパレータは、正極と負極との間に位置する。その材料や厚み等は特に限定されるものではなく、ポリエチレンやポリプロピレンなど、リチウムイオン二次電池に用いうる公知のセパレータを適用することができる。
以下、本発明のリチウムイオン二次電池用電極を構成する、集電体、電極活物質およびイオン伝導性粒子を含む電極合材、について説明する。
本実施形態に係るリチウムイオン二次電池用電極を構成する集電体11(正極集電体11)、21(負極集電体21)は、図1に模式的に示すように、互いに連続した孔部Vを有する金属多孔体により構成される。集電体11、12が互いに連続した孔部Vを有することで、孔部Vの内部に電極活物質を含む電極合材13、23を充填することができ、電極層の単位面積あたりの電極活物質量を増加させることができる。上記金属多孔体としては、互いに連続した孔部を有するものであれば特に制限されず、例えば発泡による孔部を有する発泡金属、金属メッシュ、エキスパンドメタル、パンチングメタル、金属不織布等の形態が挙げられる。金属多孔体に用いられる金属としては、導電性を有するものであれば特に限定されないが、例えば、ニッケル、アルミニウム、ステンレス、チタン、銅、銀等が挙げられる。これらの中では、正極を構成する集電体としては、発泡アルミニウム、発泡ニッケル及び発泡ステンレスが好ましく、負極を構成する集電体としては、発泡銅及び発泡ステンレスを好ましく用いることができる。
電極合材13、23は、それぞれ、集電体の内部に形成される孔部Vに配置される。電極合材13、23は、それぞれ正極活物質とイオン伝導性粒子、負極活物質とイオン伝導性粒子を少なくとも含んでいる。
正極活物質としては、リチウムイオンを吸蔵・放出することができるものであれば、特に限定されるものではないが、例えば、LiCoO2、Li(Ni5/10Co2/10Mn3/10)O2、Li(Ni6/10Co2/10Mn2/10)O2、Li(Ni8/10Co1/10Mn1/10)O2、Li(Ni0.8Co0.15Al0.05)O2、Li(Ni1/6Co4/6Mn1/6)O2、Li(Ni1/3Co1/3Mn1/3)O2、LiCoO4、LiMn2O4、LiNiO2、LiFePO4、硫化リチウム、硫黄等が挙げられる。
本発明においては、電極合材中に、上記の電極活物質と共に、イオン伝導性粒子を含有することを特徴としている。このイオン伝導性粒子によって、電極合材におけるイオン伝導性を向上でき、これにより電池の出力特性と耐久性を向上できる。
電極合材は、電極活物質及びイオン伝導性粒子以外のその他の成分を任意に含んでいてもよい。その他の成分としては特に限定されるものではなく、リチウムイオン二次電池を作製する際に用い得る成分であればよい。例えば、導電助剤、結着剤等が挙げられる。正極の導電助剤としては、アセチレンブラックなどが例示でき、正極のバインダーとしては、ポリフッ化ビニリデンなどが例示できる。負極のバインダーとしては、カルボキシルメチルセルロースナトリウム、スチレンブタジエンゴム、ポリアクリル酸ナトリウムなどが例示できる。
本実施形態に係るリチウムイオン二次電池用電極の製造方法は、集電体としての互いに連続した孔部を有する金属多孔体の孔部に、電極活物質とイオン伝導体粒子とを含む電極合材を充填することにより得られる。
まず、電極活物質、イオン伝導体粒子、更に必要に応じてバインダーや助剤を、従来公知の方法にて均一に混合し、所定の粘度に調整された、好ましくはペースト状の電極合材組成物を得る。
次いで、上記の電極合材組成物を電極合材として、集電体である金属多孔体の孔部に充填する。集電体に電極合材を充填する方法は、特に限定されず、例えば、プランジャー式ダイコーターを用いて、圧力をかけて、集電体の孔部の内部に電極合材を含むスラリーを充填する方法が挙げられる。
[正極合材の形成]
正極活物質としてLiNi1/8Co1/10Mn1/10O2を94質量部、助剤としてデンカブラックを3.5質量部、バインダーとしてポリフッ化ビニリデンを2質量部、イオン伝導性粒子としてLiNbO3を0.5質量部、をホモジナイザーを用いて段階的にNMP中に分散させることで正極合材スラリーを得た。なお、用いたLiNbO3は、メジアン径(D50)が0.05μmであり、バルクのリチウムイオン伝導性が0.8×10-7S/cmである。
集電体として下記の金属多孔質体を用い、得られた正極合剤スラリーを、多孔体の表面に供給し、ローラで5kg/cm2の負荷をかけて押圧することにより、多孔体の気孔に正極合剤を充填した、その後、正極合剤が充填された多孔体を100℃で40分間乾燥させて有機溶剤を除去することにより、正極を得た。最終的な電池状態(プレス後)での正極合材の目付けは90g/cm2であった。
材質:アルミニウム
気孔率:95%
孔数:46~50個/インチ
平均孔径:0.5mm
比表面積:5000m2/m3
厚さ:1.0mm
負極活物質として天然黒鉛を96.5質量部、助剤としてデンカブラック1質量部、バインダーとしてスチレンブタジエンゴム及びカルボキシメチルセルロースをそれぞれ1.5、1質量部、をホモジナイザーを用いて段階的に水中に分散させることで負極合材スラリー得た。
材質を銅とした以外は、正極集電体と同様の金属多孔質体を用い、正極と同様に負極を形成した。
実施例1において、正極合材の組成を、正極活物質94質量部、助剤3質量部、バインダー2質量部、イオン伝導性粒子1質量部とした以外は、実施例1と同様にして、正極及び負極を得た。
実施例2において、イオン伝導性粒子のLiNbO3を代わりにLi1.3Al0.3Ti1.7(PO4)3(LATP)を用いた以外は、実施例2と同様にして、正極及び負極を得た。
実施例1において、正極合材の組成を、正極活物質94質量部、助剤4質量部、バインダー2質量部として、イオン伝導性粒子を用いない以外は、実施例1と同様にして、正極及び負極を得た。
セパレータとして、ポリプロピレン/ポリエチレン/ポリプロピレンの3層積層体となった不織布(厚み20μm)を準備した。二次電池用アルミニウムラミネート(大日本印刷製)を熱シールして袋状に加工したものの中に、上記で作製した正極、セパレータ、負極を積層して挿入した。電解液として、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネートを、体積比30:40:30で混合した溶媒に、LiPF6を1.2mol/Lとなるよう溶解した溶液を用いて、実施例1から3、比較例1のリチウムイオン二次電池を作製した。
実施例および比較例で得られたリチウムイオン二次電池につき、以下の評価を行った。結果を表1に示す。
作製したリチウムイオン二次電池を、測定温度(25℃)で1時間放置し、0.2Cで4.2Vまで定電流充電を行い、続けて4.2Vの電圧で定電圧充電を1時間行い、1時間放置した後、2Cの放電レートで2.5Vまで放電を行って、2C放電時の容量を求めた。同様に、0.33Cでの放電時の容量を求め、両者の比を容量維持率2C/0.33Cとした。
作製したリチウムイオン二次電池を、測定温度(25℃)で1時間放置し、0.2Cで4.2Vまで定電流充電を行い、続けて4.2Vの電圧で定電圧充電を1時間行い、1時間放置した後、0.2Cの放電レートで2.5Vまで放電を行って、初期放電容量を測定した。
作製したリチウムイオン二次電池を、測定温度(25℃)で1時間放置し、充電レベル(SOC(State of Charge))50%に調整した。次に、Cレートを0.2Cとして10秒間パルス放電し、10秒放電時の電圧を測定した。そして、横軸を電流値、縦軸を電圧として、0.2Cにおける電流に対する10秒放電時の電圧をプロットした。次に、5分間放置後、補充電を行ってSOCを50%に復帰させた後、さらに5分間放置した。次に、上記の操作を、0.5C、1C、1.5C、2C、2.5C、3Cの各Cレートについて行い、各Cレートにおける電流に対する10秒放電時の電圧をプロットした。そして、各プロットから得られた近似直線の傾きを初期セル抵抗とした。
11 集電体(正極集電体)
13 電極合材(正極合材)
2 負極
21 集電体(負極集電体)
23 電極合材(負極合材)
3 電解質
V 孔部
Claims (5)
- リチウムイオン二次電池用電極であって、
金属多孔体で構成される集電体と、少なくとも前記金属多孔体の孔内に充填されている電極合材と、を有し、
前記電極合材は、少なくとも、電極活物質と、イオン伝導体粒子とが、前記電極合材中に分散されている、リチウムイオン二次電池用電極。 - 前記イオン伝導体粒子が、酸化物固体電解質粒子である、請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用電極。
- 前記イオン伝導体粒子が、前記電極活物質の表面に配置されている、請求項1又は2に記載のリチウムイオン二次電池用電極。
- 前記イオン伝導体粒子の粒径が、10nm以上2000nm以下である、請求項1から3のいずれか一つに記載のリチウムイオン二次電池用電極。
- 前記イオン伝導体粒子の含有量が、電極活物質100質量部に対して0.1質量部以上10質量部以下である、請求項1から4のいずれか一つに記載のリチウムイオン二次電池用電極。
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