JP2022103440A - 基板液処理装置、基板液処理方法及び記憶媒体 - Google Patents

基板液処理装置、基板液処理方法及び記憶媒体 Download PDF

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Abstract

Figure 2022103440000001
【課題】結晶の発生を抑制すること又は結晶を除去することに有効な基板液処理装置を提供すること。
【解決手段】基板液処理装置A1は、処理液43及び基板8を収容する処理槽41と、処理槽41内の下部にガスを吐出するガスノズル70と、ガスを供給するガス供給部90と、ガスノズル70及びガス供給部90を接続するガス供給ライン93と、ガス供給ライン93を減圧することによりガス供給ライン93に処理槽41内の処理液43を引き込む減圧部95と、処理槽41に基板8が収容されていないアイドル期間の一部において、ガスの供給が停止するようにガス供給部90を制御すると共に、ガス供給ライン93に処理液43が引き込まれるように減圧部95を制御する、第1制御を実行するように構成された制御部7と、を備える。
【選択図】図2

Description

本開示は、基板液処理装置、基板液処理方法及び記憶媒体に関する。
特許文献1には、オーバーフロー槽と、槽内のエッチング液(処理液)を循環させるポンプと、槽内の処理液を一定温度に加熱するヒータと、当該温度を制御する温度コントローラーと、槽内の底部内に設けられた分散板にウエハのカセットを固定する枠と、槽内の処理液を窒素でバブリングするバブラーを備える処理装置が開示されている。
特開平07-58078号公報
上述したバブリングに用いる窒素等のガスは、槽の下部に設けられたガスノズルから供給される。ここで、ガスノズルからガスが供給されることによって、槽内においては処理液の上昇流が生じる。これにより、処理液の状態を均一に保ち易くなるものの、特定の場所においては、ガスの流れに起因して処理液の滞留が生じ易くなる。具体的には、ガスノズルの開口部のへりに、ガス流の乱れに起因する処理液の滞留が生じ易くなる。このため、ガスノズルの開口部のへりには、基板及び各種管路からの溶出成分等の結晶が発生する場合があり、この結晶がガス吐出の障害となるおそれがある。
そこで本開示は、結晶の発生を抑制すること又は結晶を除去することに有効な基板液処理装置、基板液処理方法及び記憶媒体を提供することを目的とする。
本開示に係る基板液処理装置は、処理液及び基板を収容する処理槽と、処理槽内の下部にガスを吐出するガスノズルと、ガスを供給するガス供給部と、ガスノズル及びガス供給部を接続するガス供給ラインと、ガス供給ラインを減圧することによりガス供給ラインに処理槽内の処理液を引き込む減圧部と、処理槽に基板が収容されていないアイドル期間の一部において、ガスの供給が停止するようにガス供給部を制御すると共に、ガス供給ラインに処理液が引き込まれるように減圧部を制御する、第1制御を実行するように構成された制御部と、を備える。
本開示によれば、結晶の発生を抑制すること又は結晶を除去することに有効な基板液処理装置、基板液処理方法及び記憶媒体を提供することができる。
基板液処理システムを模式的に示す平面図である。 エッチング処理装置の模式図である。 制御部の機能的な構成を示すブロック図である。 基板処理手順のフローチャートである。 処理液の充填手順のフローチャートである。 ロット処理手順のフローチャートである。 液交換処理手順のフローチャートである。 アイドル処理手順のフローチャートである。 第1アイドル期間の第1アイドル制御のフローチャートである。 第2アイドル期間の第2アイドル制御のフローチャートである。 ロット処理手順の説明図である。 液交換処理手順の説明図である。 第2アイドル制御の説明図である。 基板処理手順の説明図であり、(a)は比較例に係る基板処理手順、(b)は本実施形態に係る基板処理手順の説明図である。 各処理におけるガスノズルからのガスの吐出についての説明図であり、(a)は比較例、(b)は実施例の説明図である。 高流量制御のフローチャートである。 変形例に係るエッチング処理装置の模式図である。 泡個数の度数分布を示すグラフである。 泡個数と沸騰状態との関係を示す図である。 ガスノズルを側面から見た図である。 図20に示すガスノズルの拡大図である。 ガスノズルにおける結晶化のメカニズムを示す図であり、(a)は結晶化前の状態、(b)は結晶化途中の状態、(c)は結晶化後のガスノズルつまりの状態を示す図である。
以下、実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1に示すように、基板液処理システム1Aは、キャリア搬入出部2と、ロット形成部3と、ロット載置部4と、ロット搬送部5と、ロット処理部6と、制御部7とを有する。
このうちキャリア搬入出部2は、複数枚(たとえば、25枚)の基板(シリコンウエハ)8を水平姿勢で上下に並べて収容したキャリア9の搬入及び搬出を行う。このキャリア搬入出部2には、複数個のキャリア9を載置するキャリアステージ10と、キャリア9の搬送を行うキャリア搬送機構11と、キャリア9を一時的に保管するキャリアストック12,13と、キャリア9を載置するキャリア載置台14とが設けられている。ここで、キャリアストック12は、製品となる基板8をロット処理部6で処理する前に一時的に保管する。また、キャリアストック13は、製品となる基板8をロット処理部6で処理した後に一時的に保管する。
そして、キャリア搬入出部2は、外部からキャリアステージ10に搬入されたキャリア9を、キャリア搬送機構11を用いてキャリアストック12やキャリア載置台14に搬送する。また、キャリア搬入出部2は、キャリア載置台14に載置されたキャリア9を、キャリア搬送機構11を用いてキャリアストック13やキャリアステージ10に搬送する。キャリアステージ10に搬送されたキャリア9は、外部へ搬出される。
ロット形成部3は、1又は複数のキャリア9に収容された基板8を組合せて同時に処理される複数枚(たとえば、50枚)の基板8からなるロットを形成する。なお、ロットを形成するときは、基板8の表面にパターンが形成されている面を互いに対向するようにロットを形成してもよく、また、基板8の表面にパターンが形成されている面がすべて一方を向くようにロットを形成してもよい。このロット形成部3には、複数枚の基板8を搬送する基板搬送機構15が設けられている。なお、基板搬送機構15は、基板8の搬送途中で基板8の姿勢を水平姿勢から垂直姿勢及び垂直姿勢から水平姿勢に変更させることができる。
そして、ロット形成部3は、キャリア載置台14に載置されたキャリア9から基板搬送機構15を用いて基板8をロット載置部4に搬送し、ロットを形成する基板8をロット載置部4に載置する。また、ロット形成部3は、ロット載置部4に載置されたロットを基板搬送機構15でキャリア載置台14に載置されたキャリア9へ搬送する。なお、基板搬送機構15は、複数枚の基板8を支持するための基板支持部として、処理前(ロット搬送部5で搬送される前)の基板8を支持する処理前基板支持部と、処理後(ロット搬送部5で搬送された後)の基板8を支持する処理後基板支持部の2種類を有している。これにより、処理前の基板8等に付着したパーティクル等が処理後の基板8等に転着するのを防止する。
ロット載置部4は、ロット搬送部5によってロット形成部3とロット処理部6との間で搬送されるロットをロット載置台16で一時的に載置(待機)する。このロット載置部4には、処理前(ロット搬送部5で搬送される前)のロットを載置する搬入側ロット載置台17と、処理後(ロット搬送部5で搬送された後)のロットを載置する搬出側ロット載置台18とが設けられている。搬入側ロット載置台17及び搬出側ロット載置台18には、1ロット分の複数枚の基板8が垂直姿勢で前後に並べて載置される。そして、ロット載置部4では、ロット形成部3で形成したロットが搬入側ロット載置台17に載置され、そのロットがロット搬送部5を介してロット処理部6に搬入される。また、ロット載置部4では、ロット処理部6からロット搬送部5を介して搬出されたロットが搬出側ロット載置台18に載置され、そのロットがロット形成部3に搬送される。
ロット搬送部5は、ロット載置部4とロット処理部6との間やロット処理部6の内部間でロットの搬送を行う。このロット搬送部5には、ロットの搬送を行うロット搬送機構19が設けられている。ロット搬送機構19は、ロット載置部4とロット処理部6に沿わせて配置したレール20と、複数枚の基板8を保持しながらレール20に沿って移動する移動体21とで構成する。移動体21には、垂直姿勢で前後に並んだ複数枚の基板8を保持する基板保持体22が進退自在に設けられている。そして、ロット搬送部5は、搬入側ロット載置台17に載置されたロットをロット搬送機構19の基板保持体22で受取り、そのロットをロット処理部6に受け渡す。また、ロット搬送部5は、ロット処理部6で処理されたロットをロット搬送機構19の基板保持体22で受取り、そのロットを搬出側ロット載置台18に受け渡す。さらに、ロット搬送部5は、ロット搬送機構19を用いてロット処理部6の内部においてロットの搬送を行う。
ロット処理部6は、垂直姿勢で前後に並んだ複数枚の基板8を1ロットとしてエッチングや洗浄や乾燥などの処理を行う。このロット処理部6には、基板8の乾燥処理を行う乾燥処理装置23と、基板保持体22の洗浄処理を行う基板保持体洗浄処理装置24と、基板8の洗浄処理を行う洗浄処理装置1と、基板8のエッチング処理を行う2台の本発明によるエッチング処理装置26とが並べて設けられている。
乾燥処理装置23は、処理槽27と、処理槽27に昇降自在に設けられた基板昇降機構28とを有する。処理槽27には、乾燥用の処理ガス(IPA(イソプロピルアルコール)等)が供給される。基板昇降機構28には、1ロット分の複数枚の基板8が垂直姿勢で前後に並べて保持される。乾燥処理装置23は、ロット搬送機構19の基板保持体22からロットを基板昇降機構28で受取り、基板昇降機構28でそのロットを昇降させることで、処理槽27に供給した乾燥用の処理ガスで基板8の乾燥処理を行う。また、乾燥処理装置23は、基板昇降機構28からロット搬送機構19の基板保持体22にロットを受け渡す。基板保持体洗浄処理装置24は、処理槽29を有し、この処理槽29に洗浄用の処理液及び乾燥ガスを供給できるようになっており、ロット搬送機構19の基板保持体22に洗浄用の処理液を供給した後、乾燥ガスを供給することで基板保持体22の洗浄処理を行う。
洗浄処理装置1は、洗浄用の処理槽30とリンス用の処理槽31とを有し、各処理槽30,31に基板昇降機構32,33を昇降自在に設けている。洗浄用の処理槽30には、洗浄用の処理液(SC-1等)が貯留される。リンス用の処理槽31には、リンス用の処理液(純水等)が貯留される。エッチング処理装置26は、エッチング用の処理槽34とリンス用の処理槽35とを有し、各処理槽34,35に基板昇降機構36,37が昇降自在に設けられている。エッチング用の処理槽34には、エッチング用の処理液(リン酸水溶液)が貯留される。リンス用の処理槽35には、リンス用の処理液(純水等)が貯留される。
これら洗浄処理装置1とエッチング処理装置26は、同様の構成となっている。洗浄処理装置1について説明すると、基板昇降機構32には、1ロット分の複数枚の基板8が垂直姿勢で前後に並べて保持される。洗浄処理装置1において、ロット搬送機構19の基板保持体22からロットを基板昇降機構32で受取り、基板昇降機構32でそのロットを昇降させることでロットを処理槽30の洗浄用の処理液に浸漬させて基板8の洗浄処理を行う。その後、洗浄処理装置1は、基板昇降機構32からロット搬送機構19の基板保持体22にロットを受け渡す。また、ロット搬送機構19の基板保持体22からロットを基板昇降機構33で受取り、基板昇降機構33でそのロットを昇降させることでロットを処理槽31のリンス用の処理液に浸漬させて基板8のリンス処理を行う。その後、基板昇降機構33からロット搬送機構19の基板保持体22にロットを受け渡す。
制御部7は、基板液処理システム1Aの各部(キャリア搬入出部2、ロット形成部3、ロット載置部4、ロット搬送部5、ロット処理部6、洗浄処理装置1)の動作を制御する。この制御部7は、たとえばコンピュータからなり、コンピュータで読み取り可能な記憶媒体38を備える。記憶媒体38には、例えば洗浄処理装置1において実行される各種の処理を制御するプログラムが格納される。制御部7は、記憶媒体38に記憶されたプログラムを読み出して実行することによって例えば洗浄処理装置1の動作を制御する。なお、プログラムは、コンピュータによって読み取り可能な記憶媒体38に記憶されていたものであって、他の記憶媒体から制御部7の記憶媒体38にインストールされたものであってもよい。コンピュータによって読み取り可能な記憶媒体38としては、たとえばハードディスク(HD)、フレキシブルディスク(FD)、コンパクトディスク(CD)、マグネットオプティカルディスク(MO)、メモリカードなどがある。
〔基板液処理装置〕
続いて基板液処理システム1Aが含む基板液処理装置A1について詳細に説明する。図2及び図3に示すように、基板液処理装置A1は、洗浄処理装置1と、制御部7とを備える。
(洗浄処理装置)
洗浄処理装置1は、液処理部40と、処理液供給部44と、処理液排出部67と、複数(例えば6つ)のガスノズル70と、ガス供給部90と、ガス供給ライン93と、減圧部95と、開放ライン97とを備える。
液処理部40は、基板8に対して液処理(洗浄処理)を実行する部分であり、処理槽41と、外槽42と、処理液43とを含む。処理槽41は、処理液43及び基板8を収容する。処理液43の具体例としては、SC-1が挙げられる。処理槽41の上部は開放されているので、上方から処理槽41内の処理液43に基板8を浸漬することが可能である。処理槽41内には、円形の基板8が起立した状態で配置される。以下、高さ方向に直交して処理槽41内の基板8に沿う方向を「幅方向」、高さ方向及び幅方向に直交する方向(すなわち処理槽41内の基板8の厚さ方向)を「奥行方向」と記載する場合がある。処理槽41の底面のうち、幅方向における両側部分は、外側に向かうにつれて高くなっている。外槽42は、処理槽41を包囲するように設けられており、処理槽41から溢れた処理液43を収容する。
処理液供給部44は、処理槽41内に処理液43を供給する。たとえば処理液供給部44は、処理液供給源45と、流量調節器46と、純水供給源47と、流量調節器48と、処理液循環部49と、濃度計測部55とを有する。
処理液供給源45は、処理液43を外槽42に供給する。流量調節器46は、処理液供給源45から外槽42への処理液43の流路に設けられており、当該流路の開閉及び開度調節を行う。純水供給源47は、純水を外槽42に供給する。この純水は、処理液43の加熱によって蒸発した水分を補う。流量調節器48は、純水供給源47から外槽42への純水の流路に設けられており、当該流路の開閉及び開度調節を行う。
処理液循環部49は、外槽42内の処理液43を処理槽41内の下部に送る。たとえば処理液循環部49は、複数(例えば3つ)の処理液ノズル50と、循環流路51と、供給ポンプ52と、フィルタ53と、ヒータ54とを有する。
処理液ノズル50は、外槽42内の下部に設けられており、処理液43を処理槽41内に吐出する。複数の処理液ノズル50は、同一高さにおいて幅方向に並んでおり、それぞれ奥行方向に延びている。循環流路51は、外槽42から複数の処理液ノズル50に処理液43を導く。循環流路51の一端部は外槽42の底部に接続されている。循環流路51の他端部は、複数本に分岐して複数の処理液ノズル50にそれぞれ接続されている。供給ポンプ52、フィルタ53及びヒータ54は、循環流路51に設けられており、上流側(外槽42側)から下流側(処理液ノズル50側)に順に並んでいる。供給ポンプ52は、処理液43を上流側から下流側に圧送する。フィルタ53は、処理液43中に混入したパーティクルを除去する。ヒータ54は、処理液43を設定温度まで加熱する。設定温度は、たとえば処理液43の沸点近傍の値に設定されている。
濃度計測部55は、処理液43の濃度を計測する。たとえば濃度計測部55は、計測用流路56と、開閉弁57,59と、濃度センサ58と、洗浄流体供給部60と、洗浄流体排出部64とを有する。
計測用流路56は、ヒータ54と処理液ノズル50との間で循環流路51から分岐し、処理液43の一部を抜き出して外槽42に還流させる。開閉弁57,59は、計測用流路56において上流側(循環流路51側)から下流側(外槽42側)に順に並んでおり、それぞれ計測用流路56を開閉する。濃度センサ58は、計測用流路56において開閉弁57,59の間に設けられており、計測用流路56を流れる処理液43の濃度(例えばリン酸濃度)を計測する。洗浄流体供給部60は、洗浄用の流体(例えば純水)を濃度センサ58に供給する。たとえば洗浄流体供給部60は、洗浄流体供給源61と、供給流路62と、開閉弁63とを有する。洗浄流体供給源61は、洗浄用の流体の供給源である。供給流路62は、洗浄流体供給源61から濃度センサ58に洗浄用の流体を供給する。供給流路62の一端部は洗浄流体供給源61に接続されており、供給流路62の他端部は開閉弁57と濃度センサ58との間に接続されている。開閉弁63は供給流路62を開閉する。洗浄流体排出部64は、洗浄用の流体を排出する。たとえば洗浄流体排出部64は、排出流路65と、開閉弁66とを有する。排出流路65は、濃度センサ58を通った洗浄用の流体を導出する。排出流路65の一端部は濃度センサ58と開閉弁59との間に接続されており、排出流路65の他端部は基板液処理システム1Aの排液管(不図示)に接続されている。開閉弁66は排出流路65を開閉する。
処理液排出部67は、処理槽41内から処理液43を排出する。たとえば処理液排出部67は、排液流路68と、開閉弁69とを有する。排液流路68は、処理槽41内の処理液43を導出する。排液流路68の一端部は処理槽41の底部に接続されており、排液流路68の他端部は基板液処理システム1Aの排液管(不図示)に接続されている。開閉弁69は排液流路68を開閉する。
複数のガスノズル70は、処理槽41内の下部にて不活性ガス(例えばN2ガス)を吐出する。複数のガスノズル70は、処理液ノズル50よりも下において幅方向に並び、それぞれ奥行方向に延びている。各ガスノズル70の高さは、その配置位置が幅方向の中心から遠ざかるにつれて高くなっている。複数のガスノズル70は、基板8と同心の円弧に沿うように並んでいてもよい。上記円弧に沿うように並ぶとは、各ガスノズル70が当該円弧上に位置する場合だけでなく、一部のガスノズル70が当該円弧から所定範囲内でずれている場合も含む。複数のガスノズル70が同一高さに位置する場合に比較して、各ガスノズル70から基板8の中心までの距離の均一性が高くなる限り、上記所定範囲は任意に設定可能である。
たとえば、複数のガスノズル70は、幅方向において最も内側に位置する一対のガスノズル70Aと、一対のガスノズル70Aよりも外側に位置する一対のガスノズル70Bと、一対のガスノズル70Bよりもさらに外側に位置する一対のガスノズル70Cとを含む。ガスノズル70B,70Bは、ガスノズル70A,70Aよりも上に位置し、ガスノズル70C,70Cはガスノズル70B,70Bよりも上に位置している。ガスノズル70A,70A,70B,70B,70C,70Cは、基板8と同心の円弧に沿うように並んでいる。なお、ガスノズル70の数及び配置は適宜変更可能である。複数のガスノズル70は同一高さに配置されていてもよい。
ガス供給部90は、不活性ガスを供給する。ガス供給部90は、ガス供給源91aと、流量調節器91bと、供給バルブ92とを有する。ガス供給源91aは、不活性ガスの供給源である。供給バルブ92は、ガス供給ライン93に設けられガス供給ライン93を開閉する。流量調節器91bは、供給バルブ92とガス供給源91aとの間においてガス供給ライン93の開度を調節して不活性ガスの流量を調節する。ガス供給ライン93は、複数のガスノズル70及びガス供給部90(詳細にはガス供給源91a)を接続する、不活性ガスの供給ラインである。
開放ライン97は、一端がガス供給ライン93に接続されると共に、他端が大気に開放しており、ガス供給ライン93に流れる不活性ガスを大気に開放する。減圧部95は、ガス供給ライン93を減圧することによりガス供給ライン93に処理槽41内の処理液43を引き込む。減圧部95は、開放ライン97に設けられ開放ライン97を開閉する開放バルブ96(バルブ)を有している。減圧部95は、開放バルブ96が開くことによりガス供給ライン93を減圧し、処理槽41内の処理液43を複数のガスノズル70からガス供給ライン93に引き込む。なお、処理槽41内の処理液43を引き込むことができるのであれば、圧力の程度は大気圧に限定されず、また、減圧部95の機構も限定されない。
(制御部)
制御部7は、処理槽41に基板8が収容されていないアイドル期間の一部において、ガスの供給が停止するようにガス供給部90を制御すると共に、ガス供給ライン93に処理液43が引き込まれるように減圧部95を制御する、第1制御を実行する。
制御部7は、アイドル期間において、上記第1制御と、ガスの供給が行われるようにガス供給部90を制御する第2制御とを交互に繰り返し実行してもよい。
制御部7は、ガス供給ライン93に処理液43が引き込まれた状態における第2制御として、ガスの供給が行われるようにガス供給部90を制御すると共に、開放バルブ96が開き開放ライン97にガス供給ライン93を流れるガスが流入するように減圧部95を制御する第3制御と、ガスの供給が行われるようにガス供給部90を制御すると共に、開放バルブ96が閉じガス供給ライン93を流れるガスがガスノズル70側に流れるように減圧部95を制御する第4制御と、を実行してもよい。
制御部7は、第4制御として、ガス供給ライン93に引き込まれた処理液43が処理槽41に流れ込むようにガス供給部90を制御する第5制御と、ガス供給ライン93に引き込まれた処理液43がガス供給ライン内で揺動するようにガス供給部90を制御する第6制御と、を実行してもよい。
アイドル期間には、処理槽41において基板8に対する処理が行われる基板処理期間から遷移する第1アイドル期間と、処理槽41において処理液43の交換が行われる処理液交換期間から遷移する第2アイドル期間とがあり、制御部7は、第1アイドル期間の第1制御である第1アイドル制御における処理液43の引き込み量よりも、第2アイドル期間の第1制御である第2アイドル制御における処理液43の引き込み量が大きくなるように、減圧部95を制御してもよい。
なお、以下の説明では、制御部7の制御に基づく基板液処理中の期間として、「ロット期間」、「処理液交換期間」、「アイドル期間」と記載する場合がある。ロット期間(基板処理期間)とは、ロット処理(基板処理)が行われる期間である。ロット処理とは、処理液43に1ロット分の複数毎の基板8を浸漬させる処理である。処理液交換期間とは、液交換処理が行われる期間である。液交換処理とは、処理槽41内の処理液を交換する処理である。アイドル期間とは、処理液43に基板8が収容されていない期間であり、且つ、上記液交換処理が行われていない期間である。アイドル処理とは、アイドル期間において行われる処理である。
図3は、制御部7の機能的な構成を例示するブロック図である。図3に示すように、制御部7は、機能上の構成(以下、「機能モジュール」という。)として、レシピ記憶部111と、液供給制御部112と、排液制御部113と、浸漬制御部114と、ガス供給制御部115と、減圧制御部116とを有する。
レシピ記憶部111は、処理内容を特定するために予め設定された各種パラメータであるレシピを記憶する。レシピには、処理の順番及び各処理の所要時間(実施時間)等が設定されている。液供給制御部112、排液制御部113、浸漬制御部114、ガス供給制御部115、及び減圧制御部116は、当該レシピに応じて各種制御を行う。
液供給制御部112は、レシピ記憶部111に記憶されたレシピに応じて、処理槽41内に処理液43が供給されるように処理液供給部44を制御する。具体的には、液供給制御部112は、外槽42内へ処理液43が供給されるように流量調節器46を開くと共に、外槽42から処理槽41へ送液されるように供給ポンプ52を駆動させる。
排液制御部113は、レシピ記憶部111に記憶されたレシピに応じて、処理槽41から処理液43が排出されるように処理液排出部67を制御する。具体的には、排液制御部113は、処理液43及び純水の供給が停止するように流量調節器46及び流量調節器48を閉じると共に、処理槽41からの処理液43の排出が開始されるように開閉弁69を閉状態から開状態にする。
浸漬制御部114は、レシピ記憶部111に記憶されたレシピに応じて、処理液43に基板8(1ロット分の複数毎の基板8)が浸漬するように基板昇降機構32を制御する。具体的には、浸漬制御部114は、1ロット分の基板8が処理液43内に浸漬する高さまで、基板昇降機構32の支持アーム(不図示)を下降させる。そして、浸漬制御部114は、レシピ記憶部111に記憶された所定の基板処理時間待機した後に、1ロット分の基板8が処理液43の液面より上に位置する高さまで、基板昇降機構32の支持アーム(不図示)を上昇させる。
ガス供給制御部115は、レシピ記憶部111に記憶されたレシピに応じて、不活性ガスが供給されるようにガス供給部90を制御する。具体的には、ガス供給制御部115は、ガス供給ライン93にガスが供給されるように供給バルブ92を開く。また、ガス供給制御部115は、供給されるガスの流量が調節されるように流量調節器91bの開度を調節する。
ガス供給制御部115は、アイドル期間の一部において実行される第1制御において、ガスの供給が停止されるようにガス供給部90を制御する。また、ガス供給制御部115は、アイドル期間における上記第1制御が実行されていない期間に実行される第2制御において、ガスの供給が行われるようにガス供給部90を制御する。また、ガス供給制御部115は、ガス供給ライン93に引き込まれた処理液43が処理槽41に流れ込むように(大量のガスが供給されるように)ガス供給部90を制御することと、ガス供給ライン93に引き込まれた処理液43がガス供給ライン内で揺動するように(少量のガスが供給されるように)ガス供給部90を制御することとを実行してもよい。処理液43の揺動は、ガス供給ライン内及びガスノズル開口部付近において滞留している処理液43がそれぞれその位置から他の位置へと移動する程度に行うことが好ましい。ガス供給制御部115は、流量調節器91bを制御すること等により、このようなガス流量の調節を行う。
減圧制御部116は、レシピ記憶部111に記憶されたレシピに応じて、ガス供給ライン93が減圧されてガス供給ライン93に処理槽41内の処理液が引き込まれるように、減圧部95を制御する。具体的には、減圧制御部116は、ガス供給ライン93が減圧されて開放ライン97にガス供給ライン93からガスが流入するように、大気に開放された開放ライン97に設けられた開放バルブ96を開く。また、減圧制御部116は、ガス供給ライン93を流れるガスがガスノズル70側に流れるように、開放バルブ96を閉じる。また、減圧制御部116は、処理液交換期間から遷移する第2アイドル期間でのみ開放バルブ96を開き、ロット処理期間から遷移する第1アイドル期間では開放バルブ96を閉じたままとしてもよい。これにより、第2アイドル期間においては開放バルブ96が開くことによって積極的に処理液43の引き込みが行われるのに対して、第1アイドル期間においては積極には処理液43の引き込みが行われないこととなり、第1アイドル期間の処理液43の引き込み量よりも、第2アイドル期間の処理液43の引き込み量が大きくなる。
〔基板液処理方法〕
続いて、基板液処理方法の一例として、制御部7が実行する制御手順を説明する。図4に示すように、制御部7は、まずステップS1を実行する。ステップS1は、処理液43の充填制御を含む。充填制御についてのより詳細な手順は後述する。次に、制御部7はステップS2を実行する。ステップS2では、レシピ記憶部111に記憶されたレシピの処理予定に基づいて、次回の液交換処理開始までの時間がロット処理に関する第1時間以上であるか否かが判定される。ロット処理に関する第1時間とは、ロット処理を実行するために必要な時間に所定のバッファを加えた時間である。
ステップS2において、次回の液交換処理開始までの時間が第1時間以上である(すなわち、液交換処理が開始される前にロット処理を実行できる)と判定された場合には、制御部7はステップS3を実行する。ステップS3では、レシピ記憶部111に記憶されたレシピの処理予定に基づいて、次回のロット処理開始までの時間がアイドル処理に関する第2時間以下であるか否かが判定される。アイドル処理に関する第2時間とは、アイドル処理を行う最短の時間に所定のバッファを加えた時間である。
ステップS3において、次回のロット処理開始までの時間が第2時間以下である(すなわち、アイドル処理を挟まずにロット処理を行う)と判定された場合には、制御部7はステップS4を実行する。ステップS4は、ロット処理制御を含む。ロット処理制御についてのより詳細な手順は後述する。なお、ステップS4のロット処理は、レシピ記憶部111に記憶されたレシピの処理予定に基づきロット処理の開始時間に開始される。ステップS3において、次回のロット処理開始までの時間が第2時間以下でないと判定された場合には、制御部7はステップS5を実行した後にステップS4を実行する。ステップS5は、アイドル処理制御を含む。アイドル処理制御についてのより詳細な手順は後述する。
ステップS4に続いて、制御部7はステップS6を実行する。ステップS6では、レシピ記憶部111に記憶されたレシピの処理予定に基づいて、全てのロットに対してロット処理が完了しているか否かが判定される。ステップS4において、全てのロットに対してロット処理が完了している場合には基板液処理が終了し、完了していない場合には、再度ステップS2から実行される。
また、ステップS2において、次回の液交換処理開始までの時間が第1時間以上でない(すなわち、液交換処理が開始される前にロット処理を実行できない)と判定された場合には、制御部7はステップS7を実行する。ステップS7では、レシピ記憶部111に記憶されたレシピの処理予定に基づいて、液交換処理開始までの時間がアイドル処理に関する第2時間以下であるか否かが判定される。
ステップS7において、液交換処理開始までの時間が第2時間以下である(すなわち、アイドル処理を挟まずに液交換処理を行う)と判定された場合には、制御部7はステップS8を実行する。ステップS8は、液交換処理制御を含む。液交換処理制御についてのより詳細な手順を後述する。なお、ステップS8の液交換処理は、レシピ記憶部111に記憶されたレシピの処理予定に基づき液交換処理の開始時間に開始される。ステップS7において、液交換処理開始までの時間が第2時間以下でないと判定された場合には、制御部7はステップS9を実行した後にステップS8を実行する。ステップS9は、アイドル処理制御を含む。アイドル処理制御についてのより詳細な手順は後述する。ステップS8が完了すると、再度ステップS2から実行される。
(処理液の充填手順)
続いて、上記ステップS1における処理液43の充填制御の詳細な手順を説明する。なおステップS1の実行開始タイミングにおいては、ガス供給ライン93に設けられた供給バルブ92、及び開放ライン97に設けられた開放バルブ96の双方が閉じた状態となっている。図5に示すように、制御部7は、まずステップS11を実行する。ステップS11では、液供給制御部112が、処理槽41への処理液43の充填が開始されるように処理液供給部44を制御する。具体的には、液供給制御部112は、処理槽41が空であり、開閉弁69が閉じた状態にて、流量調節器46を開いて外槽42内への処理液43の供給を開始し、供給ポンプ52を駆動させて外槽42から処理槽41への送液を開始するように処理液供給部44を制御する。
次に、制御部7はステップS12を実行する。ステップS12では、ガス供給制御部115が供給バルブ92を開き、ガス供給ライン93へのガスの供給が開始される。続いて、制御部7はステップS13を実行する。ステップS13では、レシピ記憶部111に記憶されたレシピの処理予定に基づいて、所定の充填時間が経過しているか否かが判定される。所定の充填時間は、処理槽41においてロット処理を実行するのに十分な量の処理液43が処理槽41内に充填する時間とされている。
ステップS13において所定の充填時間が経過するまではステップS13の処理が繰り返し実行され、所定の充填時間が経過すると、制御部7はステップS14を実行する。ステップS14では、液供給制御部112が、処理液43の循環制御を開始する。処理液43の循環制御は、供給ポンプ52の駆動を継続させることで、処理槽41から外槽42に溢れた処理液43を処理槽41の下部に還流させるように処理液供給部44を制御することを含む。当該循環制御において、液供給制御部112は、濃度センサ58により検出された処理液43の濃度に応じて純水用の流量調節器48の開度を調節するように処理液供給部44を制御することを実行してもよい。以上で、上記ステップS1が完了する。
(ロット処理手順)
続いて、上記ステップS4におけるロット処理制御の詳細な手順を図6及び図11を参照して説明する。図6に示すように、制御部7はまずステップS41を実行する。ステップS41では、レシピ記憶部111に記憶されたレシピの処理予定に基づいて、前段処理がアイドル処理であるか否かが判定される。当該ステップS41の処理は、「前段処理がアイドル処理である場合には、ガス供給が停止し開放バルブ96が開いた状態となっているのに対し、前段処理がアイドル処理以外のロット処理又は液交換処理である場合には、ガスが供給されて開放バルブ96が閉じた状態になっている」との前提に基づき、前段処理の内容によって処理が変わるために行っているものである。なお、本実施形態の説明では、アイドル処理が終わった状態においては、ガス供給が停止し開放バルブ96が開いた状態となっているとして説明するがこれに限定されるものでなく、アイドル処理が終わった状態において、前段処理がロット処理等である場合と同様に、ガスが供給されて開放バルブ96が閉じた状態になっていてもよい。その場合には、ロット処理制御においては、ステップS43~S45の処理が最初に行われ、その後にステップS42以降の処理が行われる。
ステップS41において、前段処理がアイドル処理である(図11(a)に示す状態となっている)と判定された場合には、制御部7はステップS42を実行する。ステップS42では、ガス供給制御部115が、ガス供給が開始されるようにガス供給部90を制御する。具体的には、ガス供給制御部115は、ガス供給ライン93にガスが供給されるように供給バルブ92を開く(図11(b)参照)。開放バルブ96が開いた状態で供給バルブ92が開くことにより、ガス供給部90から供給されたガスはガス供給ライン93から開放ライン97に流入する。
一方で、ステップS41において、前段処理がアイドル処理でないと判定された場合には、制御部7はステップS43~S45を実行した後にステップS42を実行する。ステップS43では、ガス供給制御部115が、ガス供給が停止するようにガス供給部90を制御する。具体的には、ガス供給制御部115は、ガス供給ライン93へのガス供給が停止するように供給バルブ92を閉じる。ステップS44では、減圧制御部116が、ガス供給ライン93が減圧されてガス供給ライン93に処理槽41内の処理液43が引き込まれるように、減圧部95を制御する。具体的には、減圧制御部116は、ガス供給ライン93が減圧されて開放ライン97にガス供給ライン93からガスが流入するように、開放バルブ96を開く。ステップS45では、レシピ記憶部111に記憶されたレシピの処理予定に基づいて、ガス供給を停止し開放バルブ96を開いてから所定のガス停止開放時間が経過したか否かが判定される。所定のガス停止開放時間は、ガス供給ライン93の所定高さまで十分な量の処理液43が引き込まれる時間とされる。ステップS45において所定のガス停止開放時間が経過するまではステップS45の処理が繰り返し実行され、所定のガス停止開放時間が経過すると、上述したとおり制御部7はステップS42を実行する。
ステップS42の実行後、制御部7はステップS46を実行する。ステップS46では、レシピ記憶部111に記憶されたレシピの処理予定に基づいて、ステップS42にて開放ライン97にガス供給を開始してから所定の開放ライン供給時間が経過したか否かが判定される。所定の開放ライン供給時間は、例えば開放ライン97に溜まった水滴及び蒸気等を開放ライン97から除去できるだけの十分な量のガスを供給する時間とされ、例えば10秒程度とされる。
ステップS46において、所定の開放ライン供給時間が経過するまではステップS46の処理が繰り返し実行され、所定の開放ライン供給時間が経過すると、制御部7はステップS47を実行する。ステップS47では、減圧制御部116が開放バルブ96を閉じる(図11(c)参照)。これにより、ガス供給部90から供給されたガスは、開放ライン97に流入することなく、ガスノズル70側に流れ、ガスノズル70の開口部から処理槽41内の処理液43中に供給される。この状態においては、処理槽41に処理液43の上昇流が発生する。
次に、制御部7はステップS48を実行する。ステップS48では、浸漬制御部114が、1ロット分の複数毎の基板8を処理液43の液面より上に位置させる高さから、当該複数の基板8を処理液43内に浸漬する高さまで、複数の支持アーム(不図示)を下降させるように基板昇降機構32を制御する(図11(d)参照)。
次に、制御部7はステップS49を実行する。ステップS49では、レシピ記憶部111に記憶されたレシピの処理予定に基づいて、基板を処理液43内に浸漬させてから所定の基板処理時間が経過したか否かが判定される。所定の基板処理時間は、必要とされる洗浄の程度に応じて設定されている。ステップS49において所定の基板処理時間が経過するまではステップS49の処理が繰り返し実行され、所定の基板処理時間が経過すると、上述したとおり制御部7はステップS50を実行する。ステップS50では、浸漬制御部114が、複数の基板8を処理液43内に浸漬する高さから、当該複数の基板8を処理液43の液面より上に位置させる高さまで、複数の支持アーム(不図示)を上昇させるように基板昇降機構32を制御する。以上で上記ステップS4が完了する。
(液交換処理手順)
続いて、上記ステップS8における液交換処理制御の詳細な手順を図7及び図12を参照して説明する。図7に示すように、制御部7はまずステップS81を実行する。ステップS81では、レシピ記憶部111に記憶されたレシピの処理予定に基づいて、前段処理がアイドル処理であるか否かが判定される。ステップS81において、前段処理がアイドル処理である(図12(a)に示す状態となっている)と判定された場合には、制御部7はステップS82及びステップS83を実行する。ステップS82では、減圧制御部116が、開放バルブ96を閉じる。ステップS83では、ガス供給制御部115が、ガス供給ライン93にガスが供給されるように供給バルブ92を開く。
ステップS81において前段処理がアイドル処理でないと判定された場合、又は、ステップS83の実行後において、制御部7はステップS84を実行する。ステップS84では、排液制御部113が、処理槽41から処理液43の排出が開始されるように(図12(b)参照)、処理液排出部67を制御する。具体的には、排液制御部113は、処理液43及び純水の供給が停止するように流量調節器46及び流量調節器48を閉じると共に、処理槽41からの処理液43の排出が開始されるように開閉弁69を閉状態から開状態にする。
次に、制御部7はステップS85を実行する。ステップS85では、レシピ記憶部111に記憶されたレシピの処理予定に基づいて、排液を開始してから所定の排液時間が経過したか否かが判定される。所定の排液時間は、処理槽41内の処理液43が全て排出されるのに十分な時間とされる。ステップS85において、所定の排液時間が経過するまではステップS85の処理が繰り返し実行され、所定の排液時間が経過すると、制御部7はステップS86を実行する。ステップS86では、ガス供給制御部115が、ガス供給ライン93へのガス供給が停止するように供給バルブ92を閉じる(図12(c)参照)。このように、排液が開始されるタイミング(ステップS84)よりも前のステップS83からガス供給が開始され、排液時間が経過し排液が完了するまでガス供給が継続されることにより、仮に交換前の処理液がガス供給ライン93に残存している場合においても、排液の完了時までに、当該ガス供給ライン93に残存する交換前の処理液43をガス供給ライン93から確実に排出することができる。このことで、処理槽41内で液交換前後の処理液43が混合することが抑制される。なお、ガス供給の開始タイミングと停止タイミングは上記に限定されず、交換後の新たな処理液43が充填される前に、交換前の処理液43をガス供給ライン93から排出することができれば、上記のタイミング以外でガス供給が開始され停止されるものであってもよい。
次に、制御部7はステップS87を実行する。ステップS87では、液供給制御部112が、処理槽41への処理液43の充填が開始されるように処理液供給部44を制御する。たとえば、液供給制御部112は、処理槽41が空であり、開閉弁69が閉じた状態にて、流量調節器46を開いて外槽42内への処理液43の供給を開始し、供給ポンプ52を駆動させて外槽42から処理槽41への送液を開始するように処理液供給部44を制御する。
次に、制御部7はステップS88を実行する。ステップS88では、ガス供給制御部115が、ガス供給ライン93へのガス供給が開始されるように供給バルブ92を開く(図12(d)参照)。続いて、制御部7はステップS89を実行する。ステップS89では、レシピ記憶部111に記憶されたレシピの処理予定に基づいて、所定の充填時間が経過しているか否かが判定される。所定の充填時間は、処理槽41においてロット処理を実行するのに十分な量の処理液43が処理槽41内に充填する時間とされている。
ステップS89において所定の充填時間が経過するまではステップS89の処理が繰り返し実行され、所定の充填時間が経過すると、制御部7はステップS90を実行する。ステップS90では、液供給制御部112が、処理液43の循環制御を開始する。処理液43の循環制御は、供給ポンプ52の駆動を継続させることで、処理槽41から外槽42に溢れた処理液43を処理槽41の下部に還流させるように処理液供給部44を制御することを含む。当該循環制御において、液供給制御部112は、濃度センサ58により検出された処理液43の濃度に応じて純水用の流量調節器48の開度を調節するように処理液供給部44を制御することを実行してもよい。
次に、制御部7はステップS91を実行する。ステップS91では、ガス供給制御部115が、ガス供給が停止するように供給バルブ92を閉じる。次に、制御部7はステップS92を実行する。ステップS92では、減圧制御部116が、ガス供給ライン93が減圧されてガス供給ライン93に処理槽41内の処理液43が引き込まれるように、開放バルブ96を開く(図12(e)参照)。次に、制御部7はステップS93を実行する。ステップS93では、レシピ記憶部111に記憶されたレシピの処理予定に基づいて、ガス供給を停止し開放バルブ96を開いてから所定のガス停止開放時間が経過したか否かが判定される。所定のガス停止開放時間は、ガス供給ライン93の所定高さまで十分な量の処理液43が引き込まれる時間とされる。ガス供給ライン93に処理液43が引き込まれた状態においては、少なくともガスノズル70内に処理液が吸引された状態になっている。
ステップS93において所定のガス停止開放時間が経過するまではステップS93の処理が繰り返し実行され、所定のガス停止開放時間が経過すると、制御部7はステップS94を実行する。ステップS94では、減圧制御部116が開放バルブ96を閉じる(図12(f)参照)。次に、制御部7はステップS95を実行する。ステップS95では、レシピ記憶部111に記憶されたレシピの処理予定に基づいて、開放バルブ96を閉じてから所定の洗浄時間が経過したか否かが判定される。所定の洗浄時間は、ガスノズル70内に吸引された処理液43によるガスノズル70の洗浄効果が十分に得られるように設定されている。
ステップS95において所定の洗浄時間が経過するまではステップS95の処理が繰り返し実行され、所定の洗浄時間が経過すると、制御部7はステップS96を実行する。ステップS96では、減圧制御部116が、開放バルブ96を開く。次に、制御部7はステップS97を実行する。ステップS97では、ガス供給制御部115が、開放ライン97にガスが供給されるように供給バルブ92を開く(図12(g)参照)。
次に、制御部7はステップS98を実行する。ステップS98では、レシピ記憶部111に記憶されたレシピの処理予定に基づいて、ステップS97にて開放ライン97にガス供給を開始してから所定の開放ライン供給時間が経過したか否かが判定される。所定の開放ライン供給時間は、例えば開放ライン97に溜まった水滴及び蒸気等を開放ライン97から除去できるだけの十分な量のガスを供給する時間とされ、例えば10秒程度とされる。
ステップS98において、所定の開放ライン供給時間が経過するまではステップS98の処理が繰り返し実行され、所定の開放ライン供給時間が経過すると、制御部7はステップS99を実行する。ステップS99では、減圧制御部116が開放バルブ96を閉じる(図12(h)参照)。これにより、ガス供給部90から供給されたガスは、開放ライン97に流入することなく、ガスノズル70側に流れるようになる。以上で上記ステップS8が完了する。
(アイドル処理手順)
続いて、上記ステップS5及びS9におけるアイドル処理制御の詳細な手順を、図8を参照して説明する。図8に示すように、制御部7はまずステップS101を実行する。ステップS101では、レシピ記憶部111に記憶されたレシピの処理予定に基づいて、前段処理がロット処理であったか否かが判定される。当該処理は、前段処理がロット処理である場合には、前段処理がロット処理でない場合と比べて処理液が汚れているため、ガス供給ライン93への処理液43の引き込み量を小さくする(より詳細には、積極的には引き込まない)との制御を行うために行っている。
ステップS101において、前段処理がロット処理である場合には、制御部7はステップS102を実行する。ステップS102では、制御部7は、当該アイドル期間が第1アイドル期間であるとして第1制御の一態様である第1アイドル制御を実施する。一方、ステップS101において、前段処理がロット処理でない場合(具体的には前段処理が液交換処理である場合)には、制御部7はステップS103を実行する。ステップS103では、制御部7は、当該アイドル期間が第2アイドル期間であるとして第1制御の一態様である第2アイドル制御を実施する。
続いて、上記ステップS102における第1アイドル制御(前段処理がロット処理である場合のアイドル期間である第1アイドル期間における第1アイドル処理の制御)の詳細な手順を図9を参照して説明する。図9に示すように、制御部7はまずステップS201を実行する。ステップS201では、ガス供給制御部115が、ガス供給が停止するように供給バルブ92を閉じる。次に、制御部7はステップS202を実行する。ステップS202では、レシピ記憶部111に記憶されたレシピの処理予定に基づいて、ガス供給を停止してから所定のガス供給停止時間が経過したか否かが判定される。所定のガス供給停止時間は、ガスが供給されていた際に形成されていた処理槽41内の上昇流が弱まるのに十分な時間とされる。これにより、処理槽41内における処理液の流れが生じにくくなるため、特定の場所(ガスノズル70の開口部のへり等)に結晶が発生することを抑制できる。
次に、制御部7はステップS203を実行する。ステップS203では、減圧制御部116が、開放バルブ96を開く。次に、制御部7はステップS204を実行する。ステップS204では、ガス供給制御部115が、開放ライン97にガスが供給されるように供給バルブ92を開く。
次に、制御部7はステップS205を実行する。ステップS205では、レシピ記憶部111に記憶されたレシピの処理予定に基づいて、ステップS204にて開放ライン97にガス供給を開始してから所定の開放ライン供給時間が経過したか否かが判定される。所定の開放ライン供給時間は、例えば開放ライン97に溜まった水滴及び蒸気等を開放ライン97から除去できるだけの十分な量のガスを供給する時間とされ、例えば10秒程度とされる。
ステップS205において、所定の開放ライン供給時間が経過するまではステップS205の処理が繰り返し実行され、所定の開放ライン供給時間が経過すると、制御部7はステップS206を実行する。ステップS206では、減圧制御部116が開放バルブ96を閉じる。これにより、ガス供給部90から供給されたガスは、開放ライン97に流入することなく、ガスノズル70側に流れるようになる。当該ガスは、ガスノズル70開口部から吐出され、処理槽41内の処理液43をバブリングし、処理槽41内に処理液43の上昇流を生じさせる。
次に、制御部7はステップS207を実行する。ステップS207では、レシピ記憶部111に記憶されたレシピの処理予定に基づいて、ガスノズル70へのガス供給の開始から所定のノズル供給時間が経過したか否かが判定される。所定のノズル供給時間は、処理槽41内の処理液をバブリングし処理槽41内に処理液43の上昇流を生じさせる十分な時間とされる。
ステップS207において、所定のノズル供給時間が経過するまではステップS207の処理が繰り返し実行させ、所定のノズル供給時間が経過すると、制御部7はステップS208を実行する。ステップS208では、レシピ記憶部111に記憶されたレシピの処理予定に基づいて、次処理開始までの時間がアイドル処理に関する第2時間以下であるか否かが判定される。アイドル処理に関する第2時間とは、アイドル処理を行う最短の時間に所定のバッファを加えた時間である。
ステップS208において、次処理開始までの時間が第2時間以下でない(すなわち、次処理開始までに第1アイドル処理のステップS201~S208の処理を再度行う)と判定された場合には、制御部7は再度ステップS201からの処理を行う。一方で、ステップS208において、次処理開始までの時間が第2時間以下である(すなわち、再度の第1アイドル処理を挟まずに次処理を行う)と判定された場合には、制御部7はステップS209を実行する。ステップS209では、ガス供給制御部115が、ガス供給が停止するように供給バルブ92を閉じる。次に、制御部7はステップS210を実行する。ステップS210では、減圧制御部116が、開放バルブ96を開く。以上で上記ステップS102が完了する。
続いて、上記ステップS103における第2アイドル制御(前段処理がロット処理ではなく液交換処理である場合のアイドル期間である第2アイドル期間における第2アイドル処理の制御)の詳細な手順を図10及び図13を参照して説明する。図10に示すように、制御部7はまずステップS301を実行する。ステップS301では、ガス供給制御部115が、ガス供給が停止するように供給バルブ92を閉じる。次に、制御部7はステップS302を実行する。ステップS302では、減圧制御部116が、開放バルブ96を開く。これにより、ガス供給ライン93が減圧されて、ガス供給ライン93への処理液43の引き込みが開始される(図13(a)参照)。このように、アイドル期間の一部において、ガスの供給が停止するようにガス供給部90が制御され、ガス供給ライン93に処理液43が引き込まれるように減圧部95が制御される制御が、第1制御である。
次に、制御部7はステップS303を実行する。ステップS303では、レシピ記憶部111に記憶されたレシピの処理予定に基づいて、ガス供給を停止し開放バルブ96を開いてから所定のガス停止開放時間が経過したか否かが判定される。所定のガス停止開放時間は、ガス供給ライン93の所定高さまで十分な量の処理液43が引き込まれる時間とされる。ステップS303において、所定のガス停止開放時間が経過するまではステップS303の処理が繰り返し実行され、所定のガス停止開放時間が経過すると、制御部7はステップS304を実行する。ステップS304では、ガス供給制御部115が、開放ライン97にガスが供給されるように供給バルブ92を開く(図13(b)参照)。このように、ガスの供給が行われるようにガス供給部90が制御される制御が、第2制御である。より詳細には、開放ライン97にガス供給ライン93を流れるガスが流入するように減圧部95が制御される当該制御は、第2制御のうち第3制御である。
次に、制御部7はステップS305を実行する。ステップS305では、レシピ記憶部111に記憶されたレシピの処理予定に基づいて、ステップS304にて開放ライン97にガス供給を開始してから所定の開放ライン供給時間が経過したか否かが判定される。所定の開放ライン供給時間は、例えば開放ライン97に溜まった水滴及び蒸気等を開放ライン97から除去できるだけの十分な量のガスを供給する時間とされ、例えば10秒程度とされる。
ステップS305において、所定の開放ライン供給時間が経過するまではステップS305の処理が繰り返し実行され、所定の開放ライン供給時間が経過すると、制御部7はステップS306を実行する。ステップS306では、減圧制御部116が開放バルブ96を閉じる(図13(c)参照)。これにより、ガス供給部90から供給されたガスは、開放ライン97に流入することなく、ガスノズル70側に流れるようになる。このように、ガス供給ライン93を流れるガスがガスノズル70側に流れるように減圧部95が制御される当該制御は、第2制御のうち第4制御である。
ここで、制御部7は、上述した第4制御として、ガス供給ライン93に引き込まれた処理液43が、原則全て、処理槽41に流れ込むようにガス供給部90を制御する第5制御と、ガス供給ライン93に引き込まれた処理液43がガス供給ライン93内で揺動するようにガス供給部90を制御する第6制御と、を実行する。第5制御では、ガスがガスノズル70開口部から吐出され、処理槽41内の処理液43をバブリングし、処理槽41内に処理液43の上昇流を生じさせる。第6制御では、原則、ガス供給ライン93の処理液43は処理槽41には流し込まれずにガス供給ライン93内で揺動する。制御部7は、例えば、ガス供給ライン内で処理液43を揺動させる第6制御を複数回繰り返した後に、ガス供給ライン93に引き込まれた処理液43を処理槽41に流し込む第5制御を行う。ガス供給制御部115は、例えば、第6制御におけるガス供給量よりも第5制御におけるガス供給量が大きくなるように、流量調節器91bを調節する。また、ガス供給制御部115は、例えば、第6制御におけるガス供給時間よりも第5制御におけるガス供給時間が長くなるように、流量調節器91b(又は供給バルブ92)を調節する。
次に、制御部7はステップS307を実行する。ステップS307では、レシピ記憶部111に記憶されたレシピの処理予定に基づいて、ガスノズル70へのガス供給の開始から所定のノズル供給時間が経過したか否かが判定される。所定のノズル供給時間は、処理槽41内の処理液をバブリングし処理槽41内に処理液43の上昇流を生じさせる十分な時間とされる。また、所定のノズル供給時間は、例えば、上述した第6制御が複数回繰り返された後に第5制御が行われるのに十分な時間とされる。
ステップS307において、所定のノズル供給時間が経過するまではステップS307の処理が繰り返し実行させ、所定のノズル供給時間が経過すると、制御部7はステップS308を実行する。ステップS308では、レシピ記憶部111に記憶されたレシピの処理予定に基づいて、次処理開始までの時間がアイドル処理に関する第2時間以下であるか否かが判定される。アイドル処理に関する第2時間とは、アイドル処理を行う最短の時間に所定のバッファを加えた時間である。
ステップS308において、次処理開始までの時間が第2時間以下でない(すなわち、次処理開始までに第2アイドル処理のステップS301~S308の処理を再度行う)と判定された場合には、制御部7は再度ステップS301からの処理を行う。一方で、ステップS308において、次処理開始までの時間が第2時間以下である(すなわち、再度の第2アイドル処理を挟まずに次処理を行う)と判定された場合には、制御部7はステップS309を実行する。ステップS309では、ガス供給制御部115が、ガス供給が停止するように供給バルブ92を閉じる。次に、制御部7はステップS310を実行する。ステップS310では、減圧制御部116が、開放バルブ96を開く(図13(d)参照)。以上で上記ステップS103が完了する。
〔本実施形態の効果〕
以上に説明したように、基板液処理装置A1は、処理液43及び基板8を収容する処理槽41と、処理槽41内の下部にガスを吐出するガスノズル70と、ガスを供給するガス供給部90と、ガスノズル70及びガス供給部90を接続するガス供給ライン93と、ガス供給ライン93を減圧することによりガス供給ライン93に処理槽41内の処理液43を引き込む減圧部95と、処理槽41に基板8が収容されていないアイドル期間の一部において、ガスの供給が停止するようにガス供給部90を制御すると共に、ガス供給ライン93に処理液43が引き込まれるように減圧部95を制御する、第1制御を実行するように構成された制御部7と、を備える。
基板液処理装置A1では、アイドル期間の一部において、ガスノズル70へのガスの供給が停止されると共に、ガス供給ライン93が減圧されて、処理槽41の処理液43がガス供給ライン93に引き込まれる。基板8が処理される処理槽41においては、処理液43の状態を均一に保つべく、通常、下部に設けられたガスノズル70からガスが供給される。ガスの供給により、処理槽41内における処理液43の上昇流が安定して形成される。これにより、処理液43の状態を均一に保ち易くなるものの、特定の場所においては、ガスの流れに起因して処理液43の滞留が生じ易くなる。具体的には、ガスノズル70の開口部のへりに、ガス流の乱れに起因する処理液43の滞留が生じ易くなる。このため、ガスノズル70の開口部のへりには、基板8及び各種管路からの溶出成分等の結晶が発生する場合があり、この結晶がガス吐出の障害となるおそれがある。この点、本実施形態に係る基板液処理装置A1では、基板処理が行われてないアイドル期間の一部において、ガス供給が停止され、且つ、処理液43がガス供給ライン93に引き込まれている。ガス供給が停止されることにより、上述した、処理槽41内における処理液の流れが生じにくくなるため、特定の場所(ガスノズル70の開口部のへり等)に結晶が発生することを抑制できる。そして、処理液43がガス供給ライン93に引き込まれることにより、処理液43と共に、ガスノズル70の開口部のへりに存在する結晶がガス供給ライン93に引き込まれることとなる。これにより、ガスノズル70の開口部のへりから結晶が除去され、ガスノズル70から適切にガスを吐出することができる。
図14を参照して、比較例に係る基板液処理装置の処理の流れと比較しながら、基板液処理装置A1の処理の流れの一例を説明する。図14(a)は比較例に係る基板液処理装置の処理の流れの一例を示している。図14(b)は本実施形態に係る基板液処理装置A1の処理の流れの一例を示している。いずれにおいても、時刻t1~t3のアイドル期間、時刻t3~t4のロット処理期間、時刻t4~t6の処理液交換期間、及び時刻t6~t7のアイドル期間が、この順番で時系列に示されている。例えば、図14(a)の比較例に係る基板液処理装置の処理では、時刻t1~t3のアイドル期間及び時刻t6~t7のアイドル期間において、常にN2ガスが供給されていることが示されている。これに対して、図14(b)の本実施形態に係る基板液処理装置A1の処理では、時刻t1~t3のアイドル期間及び時刻t6~t7のアイドル期間において、N2ガスが供給されていない(ガス供給が停止されている)期間がある。具体的には、時刻t1~t3のアイドル期間においては、ロット処理期間の開始前の時刻t2までは、N2ガスが供給されていない。また、時刻t6~t7のアイドル期間においては、N2ガスが供給される期間とN2ガスが供給されない期間(インターバル)とが交互に繰り返されている。このように、従来、比較例に係る基板液処理装置の処理のように、アイドル期間においては常にガスが供給されていたのに対して、本実施形態の基板液処理装置A1の処理のように、アイドル起案の一部においてガス供給が停止されることにより、上述したように、処理槽41内における処理液43の流れが生じにくくなるため、ガスノズル70の開口部のへり等に結晶が発生することを抑制できる。
そして、上記の図14の説明においても記載したように、基板液処理装置A1では、制御部7が、アイドル期間において、ガスの供給が停止されると共にガス供給ライン93に処理液43が引き込まれる第1制御と、ガスの供給が行われるようにガス供給部90を制御する第2制御とを交互に繰り返し実行している(図14(b)の時刻t6~t7のアイドル期間を参照)。第2制御においてガスが供給されることにより、処理液43の状態を均一に保つことができる。また、ガス供給を停止すると共に処理液43を引き込む第1制御と、ガスが供給される第2制御とが交互に繰り返し実行されることにより、第1制御において引き込んだ、結晶を含んだ処理液43を、第2制御において例えば処理槽41に流し込むことができる。このように、引き込んだ結晶を処理槽41の処理液中に戻すことにより、結晶をより確実に除去することができる。
また、基板液処理装置A1は、ガス供給ライン93に流れるガスを大気に開放する開放ライン97を更に備え、減圧部95は、開放ライン97を開閉可能な開放バルブ96を有し、該開放バルブ96が開くことによりガス供給ライン93を減圧し、制御部7は、ガス供給ライン93に処理液43が引き込まれた状態における第2制御として、ガスの供給が行われるようにガス供給部90を制御すると共に、開放バルブ96が開き開放ライン97にガス供給ライン93を流れるガスが流入するように減圧部95を制御する第3制御と、ガスの供給が行われるようにガス供給部90を制御すると共に、開放バルブ96が閉じガス供給ライン93を流れるガスがガスノズル70側に流れるように減圧部95を制御する第4制御と、を実行する。処理液43を引き込むこと等により、ガス供給ライン93に接続された開放ライン97には水滴等が溜まる場合がある。第3制御において、ガスが開放ライン97に流し込まれることにより、当該水滴等を除去することができ、当該水滴等がガス供給ライン93側(ひいては、処理槽41内)に流入することを抑制することができる。また、第4制御においてガスノズル70側にガスが流れることにより、例えばガスノズル70からガスを吐出させた場合には、ガスの供給によって処理液43の状態を均一に保つことができる。
なお、開放ライン97の水滴等を除去する処理(上述した第3制御と同様の処理)は、処理液交換期間のクリーニング期間(例えば図14(b)の時刻t5~t6のクリーニング期間)においても実施されてもよい。すなわち、基板液処理装置A1では、図7のステップS95~S98及び図12(g)に示すように、処理液交換期間のクリーニング期間において、ガスが開放ライン97に流し込まれて開放ライン97の水滴等が除去されている。当該処理は、従来の基板液処理装置(例えば図14(a)に示した比較例に係る基板液処理装置)においては行われていなかった処理である。
また、基板液処理装置A1において、制御部7は、上記第4制御として、ガス供給ライン93に引き込まれた処理液43が処理槽41に流れ込むようにガス供給部90を制御する第5制御と、ガス供給ライン93に引き込まれた処理液43がガス供給ライン93内で揺動するようにガス供給部90を制御する第6制御と、を実行する。第5制御において、引き込まれた処理液43が処理槽41に流し込まれることにより、結晶を適切に除去しながら、処理液43の上昇流を適切に発生させることができる。また、第6制御において処理液43が揺動するように(すなわち、ガス供給ライン93から処理液43が完全には排出されないように)ガスが供給されることにより、ガスノズル70の吐出部分を湿らせた状態を保つことができる。これにより、ガスノズル70の吐出部分の周辺(ガスノズル70の開口部のへり)において結晶が生じることを抑制できる。
また、アイドル期間には、処理槽41において基板8に対する処理が行われるロット処理期間(基板処理期間)から遷移する第1アイドル期間と、処理槽41において処理液43の交換が行われる処理液交換期間から遷移する第2アイドル期間とがあり、制御部7は、第1アイドル期間の第1制御である第1アイドル制御における処理液43の引き込み量よりも、第2アイドル期間の第1制御である第2アイドル制御における処理液43の引き込み量が大きくなるように、減圧部95を制御する。一般的に、基板処理が行われた後の処理液は汚れた状態となっていることが多いため、ロット処理後のアイドル処理において、処理液43を大量に引き込むことは好ましくない。この点、第1アイドル制御における処理液43の引き込み量よりも、第2アイドル制御における処理液43の引き込み量が大きくされることにより、基板処理後の汚れた状態の処理液43がガス供給ライン93内に大量に引き込まれることを抑制できる。
以上、実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、基板液処理装置A1がSC-1等の処理液43を用いる洗浄処理装置1を含むとして説明したがこれに限定されず、他の各種処理液を用いる洗浄処理装置又はエッチング装置等を含むものであってもよい。
減圧部95の構成として大気開放することによりガス供給ライン93を減圧する構成を例示したが、これに限定されず、減圧部はガス供給ラインを減圧させることができるものであればどのような構成であってもよい。
また、制御部7は、処理槽41にて処理液の交換が行われる処理液交換期間の少なくとも一部において、処理槽41にて基板8に対する処理が行われるロット期間(基板処理期間)よりもガスノズル70からのガスの吐出量が多くなるようにガス供給部90を制御する高流量制御を実行してもよい。高流量制御では、例えば通常のガスの吐出量の5~6倍程度のガスがガスノズル70から吐出されるようにガス供給部90が制御される。制御部7は、処理液交換期間のうち、新たな処理液が供給された後のクリーニング期間において、上述した高流量制御を実行してもよい。より詳細には、制御部7は、クリーニング期間にて新たな処理液を昇温させる昇温制御が開始された後に、高流量制御を実行してもよい。さらに、制御部7は、高流量制御の実行中におけるガスノズル70の圧力値を監視してもよく、ガスノズル70の圧力値が所定値を超えた場合に、ガスノズル70につまりが生じていると推定し、処理槽41における各種処理を終了してもよい。
図15は、各処理におけるガスノズル70からのガスの吐出についての説明図であり、(a)は比較例、(b)は実施例の説明図である。図15(a)に示されるように、比較例では、ロット期間のロット処理においては、基板8の搬入(ウェハ搬送)、基板8に対する処理(ウェハ処理)、基板8の搬出(ウェハ搬送)の各処理において、少量のガスがガスノズル70から吐出されるようにガス供給部90が制御される。また、ロット期間間の処理液交換期間では、液交換処理(排液及び処理液充填)において少量のガスがガスノズル70から吐出されるようにガス供給部90が制御されると共に、その後のクリーニング期間(図15(a)にて「Vent」「浸漬」と記載)において、ガスの供給が停止されるようにガス供給部90が制御されている。この点、図15(b)に示されるように、実施例における処理液交換期間では、液交換処理によって新たな処理液が供給された後のクリーニング期間であって、処理液を昇温させる昇温制御期間中(図15(b)にて「昇温待ち」と記載)、及び、その後の圧力監視機関中(図15(b)にて「圧力監視」と記載)において、ロット処理中の少量のガスよりも大量のガスがガスノズル70から吐出されるようにガス供給部90が制御されている。このように、図15(b)に示される実施例では、制御部7が、処理液交換期間のクリーニング期間において、ロット期間(基板処理期間)よりもガスノズル70からのガスの吐出量が多くなるようにガス供給部90を制御する高流量制御を行っている。
図16は、上述した処理液交換期間における高流量制御のフローチャートである。なお、図16には、処理液交換期間のうち、高流量制御が終了するまでの処理についてのみ示されている。図16に示されるように、処理液交換期間においては、最初に、制御部7が、処理槽41から処理液の排出が開始されるように処理液排出部67を制御する(ステップS501)。つづいて、制御部7は、所定の排液時間が経過したか否かを判定し(ステップS502)、排液時間が経過していると判定した場合に、処理槽41への処理液の充填が開始されるように処理液供給部44を制御する(ステップS503)。つづいて、制御部7は、所定の充填時間が経過したか否かを判定し(ステップS504)、充填時間が経過していると判定した場合に、処理液の昇温が開始されるように、加熱機構(不図示)を制御する(ステップS505)。
そして、ステップS505の開始と共に(或いは開始後間もなく)、制御部7は、高流量制御を開始する(ステップS506)。具体的には、制御部7は、ガス供給ライン93へのガス供給が開始されるように供給バルブ92を開く。この際、制御部7は、ロット期間(基板処理期間)よりもガスノズル70からのガスの吐出量が多くなるように供給バルブ92を開く。
つづいて、制御部7は、所定の昇温時間が経過したか否かを判定し(ステップS507)、昇温時間が経過していると判定した場合に、高流量制御の実行中におけるガスノズル70の圧力監視を開始する(ステップS508)。制御部7は、圧力計(不図示)によって測定されたガスノズル70の圧力を取得し、圧力値が所定値よりも小さいか否かを判定する(ステップS509)。ステップS509において、圧力値が所定値を超えていると判定された場合には、制御部7は全ての処理を終了する。一方で、圧力値が所定値よりも小さいと判定した場合には、制御部7は、所定の圧力監視時間が経過しているか否かを判定し(ステップS510)、経過している場合には高流量制御を終了する(ステップS511)。
次に、上述した高流量制御を行うことの作用効果について説明する。図20は、ガスノズル70を側面から見た図(模式図)である。図21は、図20に示すガスノズル70の拡大図である。図22は、ガスノズル70における結晶化のメカニズムを示す図であり、(a)は結晶化前の状態、(b)は結晶化途中の状態、(c)は結晶化後のガスノズル70つまりの状態を示す図である。
図20に示されるように、複数のガスノズル70は、処理槽41の側面方向から見ると、処理槽41の奥行方向に延びる供給管550の延在方向に並んで複数設けられている。各ガスノズル70は、供給管550に連結されており、供給管550を流れる不活性ガス(例えばガス供給部90に供給されるN2ガス)が流入し、該不活性ガスを吐出する。図21に示されるように、ガスノズル70は、略円錐状に形成されており、ガスの流入箇所から下方(すなわちガスノズル70の吐出口)に向かうにつれて徐々に管径が大きくなるように形成されている。
図22(a)に示されるように、ガスノズル70には、吐出口側から処理液が流入(逆流)してくる。これにより、図22(b)に示されるように、ガスノズル70内の気液界面において処理液中のシリカの濃縮が起こり、乾燥することによって結晶化が進む。そして、図22(c)に示されるように、さらに結晶化が進むことによってガスノズル70内でつまりが発生することが考えられる。
この点、上述したように、制御部7は、処理液交換期間の少なくとも一部において、ロット期間よりもガスノズル70からのガスの吐出量が多くなるようにガス供給部90を制御する高流量制御を実行している。ガスノズル70からのガスの吐出量が多くされることによって、ガスノズル70の気液界面における結晶を除去することができる。
上述したように、制御部7は、処理液交換期間のうち、新たな処理液が供給された後のクリーニング期間において、上述した高流量制御を実行している。より具体的には、制御部7は、クリーニング期間にて新たな処理液を昇温させる昇温制御が開始された後に、高流量制御を実行している。このようにクリーニング期間において高流量制御を行うことにより、高流量制御のために別途処理期間を設ける必要がなく、処理効率の低下等を生じさせることなく、結晶を除去することができる。
制御部7は、高流量制御の実行中におけるガスノズル70の圧力値を監視し、圧力値が所定値を超えた場合に、ガスノズル70につまりが生じていると推定し、処理槽41における各種処理を終了している。高流量制御時に圧力値を監視することによって、ガスノズル70の圧力変化(すなわちつまりの傾向)をより適切に把握することができる。そして、圧力値が所定値よりも高くなった際にガスノズル70につまりが生じていると推定し処理を終了することによって、最適なタイミングでロット処理等の処理を終了することができる。
基板液処理装置A1は、図17に示されるように、処理槽41内の処理液を撮像可能な位置に設けられた撮像部700を更に備えていてもよい。撮像部700は、処理槽41(燐酸槽)の沸騰状態を撮像できるものであればよく、例えば高速度カメラである。撮像部700は、例えば処理槽41の上方に設けられていてもよい。撮像部700は一定間隔で連続的に処理槽41内の処理液を撮像し、撮像した画像を制御部7に出力する。
制御部7は、撮像部700によって撮像された画像に基づき処理液の沸騰状態を特定する。制御部7は、例えば撮像部700によって撮像された画像に基づき、処理液における気泡の個数を特定(推定)し、該気泡の個数に基づき沸騰状態を特定する。制御部7は、所定期間において撮像部700によって撮像された複数の画像それぞれにおける気泡の個数を特定(推定)し、該複数の画像それぞれにおける気泡の個数に基づき沸騰状態を特定してもよい。ここでの複数の画像とは、例えば数十~数百程度の枚数の画像である。図18は、気泡の個数(泡個数)の度数分布を示すグラフである。制御部7は、それぞれの画像における泡個数を特定すると共に、泡個数が同じ画像の数(度数)を導出し、図18に示されるような度数分布を導出する。制御部7は、例えば度数が最も多い泡個数を、現在の処理液の泡個数と推定し、該泡個数から処理液の沸騰状態を特定してもよい。
図19は、泡個数と沸騰状態との関係を示す図である。図19に示されるように、予め、推定される泡個数(例えば度数が最も多い泡個数)の範囲と沸騰状態とは関連付けられており、泡個数が少ない順に、「未沸騰」「弱沸騰」「適沸騰」「強沸騰」「過沸騰」に分けられる。「未沸騰」とは例えば気泡が発生しておらず液面の波立ちがなく穏やかな状態である。「弱沸騰」とは例えば気泡が発生していることを目視で確認できるものの液面の波立ちがほとんどない状態である。「適沸騰」とは小さな気泡が大量に発生し液面の波立ちが目視で確認できる状態である。「強沸騰」とは大きな気泡が大量に発生しており液面が大きく波打っている状態である。「過沸騰」とは大きな気泡が大量に発生しており液面が激しく波打ち、吹き零れが発生している状態である。そして、制御部7は、沸騰状態に基づき処理液の濃度を調整する。処理液の濃度が低い場合に沸騰状態が強くなるため、制御部7は、例えば沸騰状態が強い場合には処理液の濃度が高くなるように調整する。制御部7は、沸騰状態の特定(及び、沸騰状態に基づく処理液の濃度の調整)を所定周期で繰り返し実行する。
上述した画像解析による沸騰状態のコントロール手法の一例の詳細について、以下に説明する。撮像された画像はPCに取り込まれてデータベース化されている。これらの画像について、画像処理ソフトを用いて沸騰状態が判断される。そして、基準沸騰状態との乖離がある場合(基準沸騰状態から変化している場合)には、変化量フィードバック処理(変化した濃度を所定範囲に戻す処理)が行われ、処理液の沸騰状態が一定に維持される。画像処理ソフトを用いた処理では、最初に、撮像された気泡画像と背景画像(水単相流画像)との間で差分画像を作成する。これにより、画像中の同位置における画素輝度値(単位面積当たりの明るさ)の差の絶対値をとって新たな画像(差分画像)を作成することができる。当該差分画像においては、気泡以外の部分が取り除かれている。つづいて、差分画像にメディアンフィルターをかけて細かなノイズを除去する(すなわち、気泡と思われる輝度以外のノイズを除去する)。つづいて、2値化処理を行い、気泡のみを画像から抽出し気泡の個数を計測する。気泡径が所定値以下(例えば0.4mm以下)の気泡については、計測精度の悪化を回避するために計測対象から除いてもよい。このような処理を各画像について行い、泡個数が同じ画像の数(度数)を導出し計測結果とする。つづいて、計測結果と、データベースに格納された各沸騰状態での気泡の個数(図19参照)とを照合し、現在の沸騰状態を判断する。なお、計測結果としては、上述したように度数が最も多い泡個数を用いてもよいし、最大の泡個数を用いてもよい。そして、基準沸騰状態から変化している場合には、変化量分を濃度にフィードバックして沸騰状態を調整する。
上述したように、基板液処理装置A1が、処理槽41内の処理液を撮像可能な位置に設けられた撮像部700を更に備えていることにより、処理槽41内の処理液の状態(例えば沸騰状態)を容易に把握することが可能となり、処理液の状態に応じて処理液の調整(例えば処理液の濃度調整)を容易且つ確実に行うことができる。
また、制御部7が撮像部700によって撮像された画像に基づき処理液の沸騰状態を特定している。沸騰状態の特定方法としては、水頭圧センサ等のセンサを用いる方法が考えられる。しかしながら、センサは個体差や調整のばらつきなどが生じやすいため沸騰状態を正確に把握することが困難である。この点、撮像部700によって撮像された画像から処理液の沸騰状態を特定することにより、実際に人が目視する場合と同様に高精度に処理液の沸騰状態を特定することができる。そして、制御部7では、画像に基づき処理液における気泡の個数を推定し、気泡の個数に基づき沸騰状態を特定している。気泡の個数と沸騰状態とは密接に関連するところ、上述した方法によってより高精度に沸騰状態を特定することができる。また、制御部7は、複数の画像それぞれにおける気泡の個数を推定し、複数の画像それぞれにおける気泡の個数に基づき沸騰状態を特定することにより、例えば1枚だけの画像から沸騰状態を特定する場合と比較して、より高精度に沸騰状態を特定することができる。
また、制御部7では、沸騰状態に基づき処理液の濃度を調整することによって、容易な方法により、処理液の濃度を所望の範囲に調整することができる。制御部7は、沸騰状態の特定を所定周期で繰り返し実行することにより、沸騰状態に基づく濃度調整等の処理を継続的に行うことができる。なお、撮像部700が処理槽41の上方に設けられていることによって、処理液の気泡を特定しやすくなり、沸騰状態の特定をより高精度に行うことができる。
A1…基板液処理装置、7…制御部、8…基板、41…処理槽、43…処理液、70…ガスノズル、90…ガス供給部、93…ガス供給ライン、95…減圧部、96…開放バルブ(バルブ)、97…開放ライン。700…撮像部。

Claims (7)

  1. 処理液及び基板を収容する処理槽と、
    前記処理槽内の前記処理液を撮像可能な位置に設けられた撮像部と、
    前記撮像部によって撮像された画像に基づき前記処理液の沸騰状態を特定し、特定した沸騰状態に基づき前記処理液の濃度を調整する制御部と、を備え、
    前記制御部は、所定期間において前記撮像部によって撮像された複数の画像それぞれにおける気泡の個数を推定し、推定した気泡の個数と、気泡の個数の範囲及び沸騰状態を示す区分が関連付けられた情報とに基づき、推定した前記気泡の個数に応じた前記沸騰状態を示す区分を特定する、基板液処理装置。
  2. 前記制御部は、
    前記撮像部によって撮像されて取り込まれた前記複数の画像について、画像処理ソフトを用いて、沸騰状態を特定し、
    特定した沸騰状態が、基準となる沸騰状態から乖離している場合には、乖離が小さくなるようにフィードバック処理を行い、前記処理液の濃度を一定に維持する、請求項1記載の基板液処理装置。
  3. 前記制御部は、前記撮像部によって撮像された画像と、背景画像である水単相流画像との間で差分画像を生成し、該差分画像に基づき、前記処理液の沸騰状態を特定する、請求項1又は2記載の基板液処理装置。
  4. 前記制御部は、前記差分画像にメディアンフィルターをかけてノイズを除去する、請求項3記載の基板液処理装置。
  5. 前記制御部は、ノイズが除去された前記差分画像について2値化処理を行い、気泡のみを画像から抽出して、気泡の個数を推定する、請求項4記載の基板液処理装置。
  6. 基板液処理装置が実施する基板液処理方法であって、
    処理液及び基板を収容する処理槽内の前記処理液を撮像することと、
    所定期間において撮像された複数の画像それぞれにおける気泡の個数を推定することと、
    推定した気泡の個数と、気泡の個数の範囲及び沸騰状態を示す区分が関連付けられた情報とに基づき、推定した前記気泡の個数に応じた前記沸騰状態を示す区分を特定することと、
    特定した前記沸騰状態に基づき、前記処理液の濃度を調整することと、を含む基板液処理方法。
  7. 請求項6に記載の基板液処理方法を装置に実行させるためのプログラムを記憶した、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
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