WO2022210131A1 - 基板液処理装置 - Google Patents

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Abstract

基板液処理装置は、基板の液処理のための処理液を内部に貯留する処理槽と、処理槽の内部の処理液の画像を取得する撮像部と、画像の画像処理を行って処理液中の気泡の状態を示す気泡データを取得する気泡データ取得部を有する画像処理部と、を備える。

Description

基板液処理装置
 本開示は、基板液処理装置に関する。
 処理液の沸騰に伴って生じる気泡や処理液中に噴出される気泡(不活性ガス等)をコントロールすることで、基板の液処理を促進することができる。
 例えば特許文献1が開示する基板液処理装置では、処理液の沸騰状態が検出され、沸騰状態に応じて処理液の圧力が調整され、処理液の沸騰状態が整えられる。これにより、基板エッチングの均一性の向上が図られている。
特開2017-220618号公報
 エンジニアであっても、処理液中の気泡の状態を目視で判別することは簡単ではない。特に、エンジニアの感覚には個人差があるため、処理液中の気泡の状態を目視で正確且つ安定的に判別することは難しい。
 本開示は、処理液中の気泡の状態を正確に判別して、基板の液処理を安定的に行うのに有利な技術を提供する。
 本開示の一態様は、基板の液処理のための処理液を内部に貯留する処理槽と、処理槽の内部の処理液の画像を取得する撮像部と、画像の画像処理を行って処理液中の気泡の状態を示す気泡データを取得する気泡データ取得部を有する画像処理部と、を備える基板液処理装置に関する。
 本開示は、処理液中の気泡の状態を正確に判別して、基板の液処理を安定的に行うのに有利である。
図1は、基板液処理システムの一例の全体構成を示す概略平面図である。 図2は、基板液処理システムに組み込まれたエッチング装置の一例の構成を示す系統図である。 図3は、エッチング装置の処理槽の一例の概略横断方向縦断面図である。 図4は、処理槽の一例の概略長手方向縦断面図である。 図5は、処理槽の一例の概略平面図である。 図6は、閉鎖位置にある蓋体及びその周辺の部材のみを取り出して詳細に示した処理槽の一例の横断方向縦断面図である。 図7は、撮像部によって取得される撮影画像の一例を示す図である。 図8は、図7に示す撮影画像を画像処理することで得られる処理画像の一例を示す図である。 図9は、図7に示す撮影画像を画像処理することで得られる処理画像の他の例を示す図である。 図10は、複数の画像のそれぞれのピクセル値(特にそれぞれのピクセルの輝度値)の代表値(特に平均値)によって作られる画像データ(すなわち気泡データ)の一例を示す。 図11は、第1実施形態に係る画像処理部の一例を示す機能ブロック図である。 図12は、第1実施形態に係る基板液処理方法(特に処理液調整方法)の一例を示すフローチャートである。 図13は、第2実施形態に係る画像処理部の一例を示す機能ブロック図である。 図14は、第2実施形態に係る基板液処理方法(特にバブリング状態判定方法)の一例を示すフローチャートである。 図15は、第3実施形態に係る画像処理部の一例を示す機能ブロック図である。 図16は、第3実施形態に係る基板液処理方法(特にバブリング状態調整方法)の一例を示すフローチャートである。 図17は、基板の液処理の流れの一例を示すフローチャートである。 図18は、第4実施形態に係るバブリング部の一例を示す図である。 図19は、第4実施形態に係る画像処理部の一例を示す機能ブロック図である。
 まず、エッチング処理装置(基板液処理装置)1が組み込まれた基板液処理システム1Aの全体について述べる。
 図1に示すように、基板液処理システム1Aは、キャリア搬入出部2と、ロット形成部3と、ロット載置部4と、ロット搬送部5と、ロット処理部6と、制御部7とを有する。
 このうちキャリア搬入出部2は、複数枚(例えば25枚)の基板(シリコンウエハ)8を水平姿勢で上下に並べて収容したキャリア9の搬入及び搬出を行う。
 このキャリア搬入出部2には、複数個のキャリア9を載置するキャリアステージ10と、キャリア9の搬送を行うキャリア搬送機構11と、キャリア9を一時的に保管するキャリアストック12、13と、キャリア9を載置するキャリア載置台14とが設けられる。ここで、キャリアストック12は、製品となる基板8をロット処理部6で処理する前に一時的に保管する。また、キャリアストック13は、製品となる基板8をロット処理部6で処理した後に一時的に保管する。
 そして、キャリア搬入出部2は、外部からキャリアステージ10に搬入されたキャリア9を、キャリア搬送機構11を用いてキャリアストック12やキャリア載置台14に搬送する。また、キャリア搬入出部2は、キャリア載置台14に載置されたキャリア9を、キャリア搬送機構11を用いてキャリアストック13やキャリアステージ10に搬送する。キャリアステージ10に搬送されたキャリア9は、外部へ搬出される。
 ロット形成部3は、1又は複数のキャリア9に収容された基板8を組み合わせて同時に処理される複数枚(例えば50枚)の基板8からなるロットを形成する。なお、ロットを形成するときは、隣接する2枚の基板8のパターンが形成されている表面が互いに対向するようにロットを形成してもよく、また、パターンが形成されている基板8の表面がすべて同じ方向を向くようにロットを形成してもよい。
 このロット形成部3には、複数枚の基板8を搬送する基板搬送機構15が設けられている。なお、基板搬送機構15は、基板8の搬送途中で基板8の姿勢を水平姿勢から垂直姿勢及び垂直姿勢から水平姿勢に変更させることができる。
 そして、ロット形成部3は、キャリア載置台14に載置されたキャリア9から基板搬送機構15を用いて基板8をロット載置部4に搬送し、ロットを形成する基板8をロット載置部4に載置する。また、ロット形成部3は、ロット載置部4に載置されたロットを基板搬送機構15でキャリア載置台14に載置されたキャリア9へ搬送する。基板搬送機構15は、複数枚の基板8を支持するための基板支持部として、処理前(ロット搬送部5で搬送される前)の基板8を支持する処理前基板支持部と、処理後(ロット搬送部5で搬送された後)の基板8を支持する処理後基板支持部の2種類を有している。これにより、処理前の基板8等に付着したパーティクル等が処理後の基板8等に転着するのを防止する。
 ロット載置部4は、ロット搬送部5によってロット形成部3とロット処理部6との間で搬送されるロットをロット載置台16で一時的に載置(待機)する。
 このロット載置部4には、処理前(ロット搬送部5で搬送される前)のロットを載置する搬入側ロット載置台17と、処理後(ロット搬送部5で搬送された後)のロットを載置する搬出側ロット載置台18とが設けられている。搬入側ロット載置台17及び搬出側ロット載置台18には、1ロット分の複数枚の基板8が垂直姿勢で前後に並べて載置される。
 そして、ロット載置部4では、ロット形成部3で形成したロットが搬入側ロット載置台17に載置され、そのロットがロット搬送部5を介してロット処理部6に搬入される。また、ロット載置部4では、ロット処理部6からロット搬送部5を介して搬出されたロットが搬出側ロット載置台18に載置され、そのロットがロット形成部3に搬送される。
 ロット搬送部5は、ロット載置部4とロット処理部6との間やロット処理部6の内部間でロットの搬送を行う。
 このロット搬送部5には、ロットの搬送を行うロット搬送機構19が設けられている。ロット搬送機構19は、ロット載置部4とロット処理部6に沿わせて配置したレール20と、複数枚の基板8を保持しながらレール20に沿って移動する移動体21とで構成する。移動体21には、垂直姿勢で前後に並んだ複数枚の基板8を保持する基板保持体22が進退自在に設けられている。
 そして、ロット搬送部5は、搬入側ロット載置台17に載置されたロットをロット搬送機構19の基板保持体22で受取り、そのロットをロット処理部6に受け渡す。また、ロット搬送部5は、ロット処理部6で処理されたロットをロット搬送機構19の基板保持体22で受取り、そのロットを搬出側ロット載置台18に受け渡す。さらに、ロット搬送部5は、ロット搬送機構19を用いてロット処理部6の内部においてロットの搬送を行う。
 ロット処理部6は、垂直姿勢で前後に並んだ複数枚の基板8を1ロットとしてエッチングや洗浄や乾燥などの処理を行う。
 ロット処理部6には、基板8の乾燥処理を行う乾燥処理装置23と、基板保持体22の洗浄処理を行う基板保持体洗浄処理装置24と、基板8の洗浄処理を行う洗浄処理装置25と、基板8のエッチング処理を行う2台のエッチング処理装置1とが並べて設けられる。
 乾燥処理装置23は、処理槽27と、処理槽27に昇降自在に設けられた基板昇降機構28とを有する。処理槽27には、乾燥用の処理ガス(IPA(イソプロピルアルコール)等)が供給される。基板昇降機構28には、1ロット分の複数枚の基板8が垂直姿勢で前後に並べて保持される。乾燥処理装置23は、ロット搬送機構19の基板保持体22からロットを基板昇降機構28で受取り、基板昇降機構28でそのロットを昇降させることで、処理槽27に供給した乾燥用の処理ガスで基板8の乾燥処理を行う。また、乾燥処理装置23は、基板昇降機構28からロット搬送機構19の基板保持体22にロットを受け渡す。
 基板保持体洗浄処理装置24は、処理槽29を有し、この処理槽29に洗浄用の処理液及び乾燥ガスを供給できるようになっており、ロット搬送機構19の基板保持体22に洗浄用の処理液を供給した後、乾燥ガスを供給することで基板保持体22の洗浄処理を行う。
 洗浄処理装置25は、洗浄用の処理槽30とリンス用の処理槽31とを有し、各処理槽30、31に基板昇降機構32、33を昇降自在に設けている。洗浄用の処理槽30には、洗浄用の処理液(SC-1等)が貯留される。リンス用の処理槽31には、リンス用の処理液(純水等)が貯留される。
 エッチング処理装置1は、エッチング用の処理槽34とリンス用の処理槽35とを有し、各処理槽34、35に基板昇降機構36、37が昇降自在に設けられている。エッチング用の処理槽34には、エッチング用の処理液(リン酸水溶液)が貯留される。リンス用の処理槽35には、リンス用の処理液(純水等)が貯留される。
 これら洗浄処理装置25とエッチング処理装置1は、同様の構成となっている。エッチング処理装置1について説明すると、基板昇降機構36には、1ロット分の複数枚の基板8が垂直姿勢で前後に並べて保持される。エッチング処理装置1において、ロット搬送機構19の基板保持体22からロットを基板昇降機構36で受取り、基板昇降機構36でそのロットを昇降させることでロットを処理槽34のエッチング用の処理液に浸漬させて基板8のエッチング処理を行う。その後、エッチング処理装置1は、基板昇降機構36からロット搬送機構19の基板保持体22にロットを受け渡す。また、ロット搬送機構19の基板保持体22からロットを基板昇降機構37で受取り、基板昇降機構37でそのロットを昇降させることでロットを処理槽35のリンス用の処理液に浸漬させて基板8のリンス処理を行う。その後、基板昇降機構37からロット搬送機構19の基板保持体22にロットを受け渡す。
 制御部7は、基板液処理システム1Aの各部(キャリア搬入出部2、ロット形成部3、ロット載置部4、ロット搬送部5、ロット処理部6、エッチング処理装置1)の動作を制御する。
 この制御部7は、例えばコンピュータからなり、コンピュータで読み取り可能な記憶媒体38を備える。記憶媒体38には、エッチング処理装置1において実行される各種の処理を制御するプログラムが格納される。制御部7は、記憶媒体38に記憶されたプログラムを読み出して実行することによってエッチング処理装置1の動作を制御する。なお、プログラムは、コンピュータによって読み取り可能な記憶媒体38に記憶されていたものであって、他の記憶媒体から制御部7の記憶媒体38にインストールされたものであってもよい。コンピュータによって読み取り可能な記憶媒体38としては、例えばハードディスク(HD)、フレキシブルディスク(FD)、コンパクトディスク(CD)、マグネットオプティカルディスク(MO)、メモリカードなどがある。
 上述のようにエッチング処理装置1の処理槽34では、所定濃度の薬剤(リン酸)の水溶液(リン酸水溶液)を処理液(エッチング液)として用いて基板8に液処理(エッチング処理)が施される。
 次に、エッチング処理装置1の概略構成及び配管系統について図2を参照して説明する。
 エッチング処理装置1は、処理液として所定濃度のリン酸水溶液を貯留する前述した処理槽34を有している。処理槽34は、内槽34Aと、外槽34Bとを有する。外槽34Bには、内槽34Aからオーバーフローしたリン酸水溶液が流入する。外槽34Bの液位は、内槽34Aの液位よりも低く維持される。
 外槽34Bの底部には、循環ライン50の上流端が接続されている。循環ライン50の下流端は、内槽34A内に設置された処理液供給ノズル49に接続されている。循環ライン50には、上流側から順に、ポンプ51、ヒータ52及びフィルタ53が介設されている。ポンプ51を駆動させることにより、外槽34Bから循環ライン50及び処理液供給ノズル49を経て内槽34A内に送られ、その後再び内槽34Aから外槽34Bへと流出する、リン酸水溶液の循環流が形成される。
 処理槽34、循環ライン50及び循環ライン50内の機器(51、52、53等)により液処理部39が形成される。また、処理槽34及び循環ライン50により循環系が構成される。
 内槽34A内の処理液供給ノズル49の下方に、内槽34A内にあるリン酸水溶液中に不活性ガス(例えば窒素ガス)の気泡を吐出するための(バブリングを行うための)ガスノズル60が設けられている。ガスノズル60には、ガス供給源60Bから、開閉弁、流量制御弁、流量計などから構成される流量調節器60Cを介して、不活性ガス(例えば窒素ガス)が供給される。
 処理槽34には、前述した基板昇降機構36が付設されている。基板昇降機構36は、複数の基板8を垂直に起立した姿勢で水平方向に間隔をあけて配列させた状態で保持することができ、また、この状態で昇降することができる。
 エッチング処理装置1は、液処理部39にリン酸水溶液を供給するリン酸水溶液供給部40と、液処理部39に純水を供給する純水供給部41とを有する。またエッチング処理装置1は、液処理部39にシリコン溶液を供給するシリコン供給部42と、液処理部39からリン酸水溶液を排出するリン酸水溶液排出部43とを有する。
 リン酸水溶液供給部40は、処理槽34及び循環ライン50からなる循環系内、すなわち液処理部39内のいずれかの部位、好ましくは図示したように外槽34Bに所定濃度のリン酸水溶液を供給する。リン酸水溶液供給部40は、リン酸水溶液を貯留するタンクからなるリン酸水溶液供給源40Aと、リン酸水溶液供給源40Aと外槽34Bとを接続するリン酸水溶液供給ライン40Bと、を有する。またリン酸水溶液供給部40は、リン酸水溶液供給ライン40Bに上流側から順に介設された流量計40C、流量制御弁40D及び開閉弁40Eを有する。リン酸水溶液供給部40は、流量計40C及び流量制御弁40Dを介して、制御された流量で、リン酸水溶液を外槽34Bに供給することができる。
 純水供給部41は、リン酸水溶液を加熱することにより蒸発した水分を補給するために純水を供給する。この純水供給部41は、所定温度の純水を供給する純水供給源41Aを含み、この純水供給源41Aは外槽34Bに流量調節器41Bを介して接続されている。流量調節器41Bは、開閉弁、流量制御弁、流量計などから構成することができる。
 シリコン供給部42は、シリコン含有化合物溶液(例えばコロイダルシリコンを分散させた液)を貯留するタンクからなるシリコン供給源42Aと、流量調節器42Bとを有している。流量調節器42Bは、開閉弁、流量制御弁、流量計などから構成することができる。
 リン酸水溶液排出部43は、液処理部39及び循環ライン50からなる循環系内、すなわち液処理部39内にあるリン酸水溶液を排出するために設けられる。リン酸水溶液排出部43は、循環ライン50から分岐する排出ライン43Aと、排出ライン43Aに上流側から順次設けられた流量計43B、流量制御弁43C、開閉弁43D及び冷却タンク43Eとを有する。リン酸水溶液排出部43は、流量計43B及び流量制御弁43Cを介して、制御された流量で、リン酸水溶液を排出することができる。
 冷却タンク43Eは、排出ライン43Aを流れてきたリン酸水溶液を一時的に貯留するとともに冷却する。冷却タンク43Eから流出したリン酸水溶液(符号43Fを参照)は、工場廃液系(図示せず)に廃棄してもよいし、当該リン酸水溶液中に含まれるシリコンを再生装置(図示せず)により除去した後に、リン酸水溶液供給源40Aに送り再利用してもよい。
 図示例では、排出ライン43Aは、循環ライン50(図ではフィルタドレンの位置)に接続されているが、これには限定されず、循環系内の他の部位(例えば内槽34Aの底部)に接続されていてもよい。
 排出ライン43Aには、リン酸水溶液中のシリコン濃度を測定するシリコン濃度計43Gが設けられている。また、循環ライン50から分岐して外槽34Bに接続された分岐ライン55Aに、リン酸水溶液中のリン酸濃度を測定するリン酸濃度計55Bが介設されている。外槽34Bには、外槽34B内の液位を検出する液位計44が設けられている。
 次に、図3~図6を参照してエッチング処理装置1の処理槽34の構成について詳細に説明する。説明の便宜のため、XYZ直交座標系を設定し、必要に応じて参照する。なお、X負方向を「前側」又は「前方」、X正方向を「後側」又は「後方」、Y負方向を「右側」又は「右方」、Y正方向を「左側」又は「左方」と呼ぶこともある。
 前述したように、処理槽34は、上部を開放させた内槽34Aと、上部を開放させた外槽34Bとを有する。内槽34Aは、外槽34Bの内部に収容されている。外槽34Bには、内槽34Aからオーバーフローしたリン酸水溶液が流入する。液処理が実行されている間、内槽34Aの底部を含む大部分は、外槽34B内のリン酸水溶液中に浸漬される。
 外槽34Bは液受け容器(シンク)80の内部に収容されており、外槽34Bと液受け容器80との間にドレン空間81が形成されている。ドレン空間81の底部にはドレンライン82が接続されている。
 処理液供給ノズル49は、内槽34A内をX方向(水平方向)に延びる筒状体からなる。処理液供給ノズル49は、その周面に穿設された複数の吐出口49D(図3及び図4を参照)から、基板昇降機構36に保持された基板8に向かって処理液を吐出する。図では2本の処理液供給ノズル49が設けられているが、3本以上の処理液供給ノズル49を設けてもよい。処理液供給ノズル49には、鉛直方向に延びる配管49Aから処理液(リン酸水溶液)が供給される。
 ガスノズル60は、内槽34A内の処理液供給ノズル49よりも低い高さ位置をX方向(水平方向)に延びる筒状体からなる。ガスノズル60は、その周面に穿設された複数の吐出口60D(図3及び図4を参照)から、不活性ガス(例えば窒素ガス)の気泡を吐出する。不活性ガスのバブリングにより、内槽34A内におけるリン酸水溶液の沸騰状態を安定化させることができる。ガスノズル60には、鉛直方向に延びる配管60Aから不活性ガスが供給される。
 基板昇降機構36は、図示しない昇降機構により昇降する鉛直方向(Z方向)に延びる支持板36Aと、支持板36Aにより一端が支持され水平方向(X方向)に延びる一対の基板支持部材36Bとを有している。各基板支持部材36Bは、水平方向(X方向)に間隔をあけて配列された複数(例えば50~52個)の基板支持溝(図示せず)を有している。基板支持溝には、基板8の周縁部が挿入される。基板昇降機構36は、複数(例えば50~52枚)の基板8を、鉛直姿勢で、水平方向(X方向)に間隔をあけた状態で保持することができる。このような基板昇降機構36は当該技術分野において周知であり、詳細な構造の図示及び説明は省略する。
 処理槽34には、内槽34Aの上部開口を開閉するための第1蓋体71及び第2蓋体72が設けられている。第1蓋体71及び第2蓋体72は、それぞれ、水平方向(X方向)に延びる回転軸71S、72Sに結合されている。回転軸71S、72Sは、液受け容器80に固定された軸受け83及び回転アクチュエータ84(図4、図5を参照)に連結されている。回転アクチュエータ84を動作させることにより、第1蓋体71及び第2蓋体72は、水平方向(X方向)に延びる各々の回転軸線を中心として、回転(旋回)することができる(図3中の矢印SW1、SW2を参照)。第1蓋体71及び第2蓋体72は、内槽34Aの上部開口の第1領域(左半部)及び第2領域(右半部)を覆う閉鎖位置(図3及び図6に示す位置)と、概ね直立状態となって内槽34Aの上部開口の第1領域及び第2領域を開放する開放位置との間で回転する。
 第1蓋体71及び第2蓋体72は内槽34Aの上部開口のうち、支持板36A、配管49A、60Aが設けられている領域を覆っていない。
 エッチング処理装置1の通常運転中、第1蓋体71及び第2蓋体72は、基板昇降機構36により保持された基板8の内槽34Aへの搬入/搬出が行われるとき以外は、閉鎖位置に位置する。これにより、内槽34A内にあるリン酸水溶液の温度低下を防止するとともに、沸騰するリン酸水溶液から生じた水蒸気が処理槽34の外部に逃げることを抑制する。
 第1蓋体71は、真上から見て概ね矩形の本体部71Aと、X方向に延びる第1飛沫遮蔽部71B、第2飛沫遮蔽部71C及び閉鎖部71Dと、Y方向に延びる第3飛沫遮蔽部71Eとを有する。同様に、第2蓋体72は、概ね矩形の本体部72Aと、X方向に延びる第1飛沫遮蔽部72B、第2飛沫遮蔽部72C及び閉鎖部72Dと、Y方向に延びる第3飛沫遮蔽部72Eとを有する。
 本体部71Aの上面には大きな矩形の凹所71Rが形成されている。凹所71Rは、底壁711R及び4つの側壁712R、713R、714R、715Rにより画定されている。本体部72Aの上面には大きな矩形の凹所72Rが形成されている。凹所72Rは、底壁721R及び4つの側壁722R、723R、724R、725Rにより画定されている。
 第1蓋体71が閉鎖位置にあるときに、内槽34Aから外槽34Bへのリン酸水溶液のオーバーフロー(図6の矢印OFを参照)を妨げないように、内槽34Aの側壁と、これに近接して対面する側壁712R、713Rとの間には隙間が設けられている。なお、図示はしていないが、内槽34Aの4つの側壁の上端には、オーバーフローが円滑に行われるように、間隔をあけて複数のV字形の切り欠きが形成されている。
 第1蓋体71の底壁711Rは、Y方向に第2蓋体72から離れるに従って(Y方向に内槽34Aの側壁に近づくに従って)高くなるように傾斜している。この傾斜により、上記のオーバーフローがスムーズに行われる。
 内槽34A内のリン酸水溶液は沸騰状態にあるため、内槽34Aから外槽34Bにオーバーフローするリン酸水溶液と一緒にリン酸水溶液の飛沫も内槽34Aから飛び出す。この飛び出した飛沫は、閉鎖位置にある第1蓋体71の第1飛沫遮蔽部71Bに衝突し、内槽34Aの側壁と外槽34Bの側壁との間の空間に落ち、外槽34Bの外側には飛散しない。閉鎖位置にある第1蓋体71の第1飛沫遮蔽部71Bの下端は、近接する内槽34Aの側壁の上端よりも少なくとも低い位置にあることが好ましい。
 第2飛沫遮蔽部71Cは、第1蓋体71が開放位置にあるときに、第1蓋体71が閉鎖位置にあるときの第1飛沫遮蔽部71Bと同様の役割を果たす。開放位置にある第1蓋体71の第1飛沫遮蔽部71Bの下端は、近接する内槽34Aの側壁の上端よりも少なくとも低い位置にあることが好ましい。
 閉鎖部71Dは、第1蓋体71が開放位置にあるときに、内槽34Aの側壁の上端と外槽34Bの側壁の上端との間の隙間のうちの、回転軸71Sから外槽34Bの側壁までの領域の上方を覆う。閉鎖部71Dは、第1蓋体71が閉鎖位置にあるときに本体部71Aの上面に付着した液を、第1蓋体71が開放位置に位置したときに外槽34Bと液受け容器80との間のドレン空間81に案内する。これにより、例えば処理槽34の上方を濡れた基板が通過したときに当該基板から落下した液がドレン空間81に案内され、当該液が外槽34B内に流入することを防止する。ドレン空間81に入った液は、ドレンライン82から廃棄される。
 第3飛沫遮蔽部71Eは、基板昇降機構36から遠い側において、内槽34Aの側壁と外槽34Bの側壁との間の空間の上方で延びるように設けられている。第3飛沫遮蔽部71Eは、第1蓋体71の端縁に沿って、当該端縁の全長にわたって、回転軸71SからY方向に延びている。第3飛沫遮蔽部71Eは、第1蓋体71が閉鎖位置にあるときに、第1飛沫遮蔽部71Bと同様の役割を果たす。開放位置にある第1蓋体71の第3飛沫遮蔽部71Eの下端は、近接する内槽34Aの側壁の上端よりも少なくとも低い位置にあることが好ましい。
 基板昇降機構36に近い側には第1蓋体71のY方向に延びる端縁に沿って延びる飛沫遮蔽部を設けなくてもよい。X正方向に飛散するリン酸水溶液は、基板昇降機構36の支持板36A、配管49A、60A等に衝突するため、外槽34Bまでは殆ど到達しないからである。
 第2蓋体72は第1蓋体71に対して実質的に鏡面対称に形成されており、第1蓋体71及び第2蓋体72の構造は互いに実質的に同一である。従って、第1蓋体71の構成及び作用に関する説明は、第2蓋体72の構成及び作用に関する説明に援用することができる。第1蓋体71及び第2蓋体72の互いに対応する部材(対称位置にある部材、同じ機能を有する部材)の参照符号の末尾には同じアルファベットが付けられており、参照符号の頭二桁が「71」であるか「72」であるかの相違しかない。
 図6に示すように、第1蓋体71及び第2蓋体72が閉鎖位置にあるとき、第1蓋体71の底壁711Rから上方に延びる側壁712Rと第2蓋体72の底壁721Rから上方に延びる側壁722Rとが互いに対面し、両側壁の間に高さHの隙間Gが形成される。凹所71R、72Rを設けることにより、高さHの隙間を設けることに起因する第1蓋体71及び第2蓋体72の重量の増大を抑制することができる。
 図6に示すように閉鎖位置にある第1蓋体71の本体部71Aの下面(底壁711Rの下面)及び第2蓋体72の本体部72Aの下面(底壁721Rの下面)が、内槽34A内の処理液の液面に接する場合について考察する。この場合、第1蓋体71と第2蓋体との間の隙間から沸騰したリン酸水溶液が上方に飛び出し、周囲に飛散することがある。しかしながら、上述したように高さHの隙間Gを設けることにより、隙間Gから沸騰した処理液が外方に飛び出し難くなる。この効果を実現するために、高さHは、例えば約5cm以上とすることができる。
 内槽34A内の処理液が沸騰状態にあるリン酸水溶液である場合、第1蓋体71及び第2蓋体72のうち少なくとも本体部71A、72Aは処理液により侵されない材料(例えば石英など)により形成される。本体部71A、72Aが石英により形成された場合、石英同士が衝突して割れや欠けが生じるおそれがある。これを防止するため、第1蓋体71及び第2蓋体72が閉鎖位置にあるときに、本体部71A、72A同士が接触しないように両者の間に隙間を設けることが望ましい。本体部71A、72A同士の間に隙間を設けた場合には、その隙間を通って処理槽34内特に内槽34A内のリン酸水溶液が外方に飛散するおそれがある。しかしながら、上記のような高さHの隙間Gを設けることにより、隙間Gからのリン酸水溶液の飛散を少なくとも大幅に抑制することが可能となる。
 オーバーフローを円滑にするために、前述したように底壁711R(721R)に傾斜を付け、且つ、底壁711R(721R)を内槽34A内のリン酸水溶液に接触させる場合を考察する。底壁711R(721R)から上方に延びる側壁712R(722R)が無い場合には、底壁711R(721R)の先端がリン酸水溶液中に没してしまう。しかしながら、上記のように底壁711R(721R)から上方に延びる側壁712R(722R)を設けることにより、リン酸水溶液の液面の高さ位置を側壁712R(722R)の上端より低くすることが可能となる。
 図6に示すように、第1蓋体71の本体部71A及び第2蓋体72の本体部72Aのいずれか一方(ここでは本体部71A)に、他方(ここでは本体部72A)の先端の上方まで或いは上方を越えて延び、隙間Gを上方から覆う覆い73を設けることが好ましい。覆い73を設けることにより、隙間Gから処理液が上方に飛び出すことを防止することができる。なお、図3~図5では、図面の煩雑化を防止するため、覆い73(及び板状体73P)が記載されていないことに注意されたい。
 なお、隙間Gが高さHを有しているため、内槽34A内のリン酸水溶液の液面から飛散した処理液の液滴の勢いが、覆い73に衝突するまでに弱まる。このため、覆い73に衝突した処理液が側方に飛び出すことはない。
 覆い73は、例えば図6に示すように、第1蓋体71の凹所71Rの輪廓に合わせた略矩形の切除部73Qを有する板状体73Pを、第1蓋体71の本体部71Aの上面に装着することにより設けることができる。この場合、板状体73Pの端縁部により覆い73が構成される。
 図6に示すように、第1蓋体71及び第2蓋体72が閉鎖位置にあるときに、覆い73と第2蓋体72との間に隙間が設けられていてもよい。これに代えて、第1蓋体71及び第2蓋体72が閉鎖位置にあるときに、覆い73と第2蓋体72とが接触していてもよい。この場合、覆い73は、隙間Gの上端部を塞ぐシールとしての役割を果たす。
 覆い73を第2蓋体72に接触させる場合、石英と衝突しても損傷が生じるおそれがなく且つ石英を損傷させることもない程度の柔軟性があり、且つ、比較的高い耐食性を有する樹脂材料から覆い73を形成することが好ましい。そのような樹脂材料として、例えばPTFE、PFA等のフッ素系樹脂材料が挙げられる。
 覆い73を第1蓋体71と一体に形成してもよい。また、覆い73は設けなくてもよい。覆い73を設けない場合には、設ける場合よりも上記高さHをより高くすることが好ましい。
 また、第1蓋体71の本体部71A及び第2蓋体72の本体部72Aのいずれか一方(ここでは第2蓋体72の本体部72Aの先端部)に基板押さえ74を設けてもよい。基板押さえ74の下面には、基板8の配列方向(X方向)に沿って、基板支持部材36Bの基板支持溝(図示せず)と同じピッチで同じX方向位置に配置された複数の基板保持溝74Gが形成されている。基板保持溝74Gの各々には1枚の基板8の周縁部が収容される。
 図示された実施形態では、基板押さえ74は、第2蓋体72と別々に形成された細長い板状体からなり、ネジ止めにより第2蓋体72の本体部72Aに固定されている。これに代えて、基板押さえ74を第2蓋体72と一体に形成してもよい。いずれの場合も、基板押さえ74は、第2蓋体72の本体部72Aの側壁722Rの一部を構成することになる。
 基板8が処理されているときには、閉鎖位置に位置している第2蓋体72に設けられた基板押さえ74が、基板支持部材36Bにより支持された基板8と係合して、当該基板8の上方への変位を防止又は抑制する。このため、処理液供給ノズル49から大流量で処理液を吐出したとしても、或いは内槽34A内の処理液の沸騰レベルが高くなったとしても、或いは窒素ガスバブリングを激しく行ったとしても、基板8が基板支持部材36Bから脱落するおそれがなくなる。
 次に上記エッチング処理装置1の作用について説明する。まず、リン酸水溶液供給部40がリン酸水溶液を液処理部39の外槽34Bに供給する。リン酸水溶液の供給開始後に所定時間が経過すると、循環ライン50のポンプ51が作動し、上述した循環系内を循環する循環流が形成される。
 さらに、循環ライン50のヒータ52が作動して、内槽34A内のリン酸水溶液が所定温度(例えば160℃)となるようにリン酸水溶液を加熱する。遅くともヒータ52による加熱開始時点までに、第1蓋体71及び第2蓋体72を閉鎖位置に位置させる。160℃のリン酸水溶液は沸騰状態となる。沸騰による水分の蒸発によりリン酸濃度が予め定められた管理上限値を超えたことがリン酸濃度計55Bにより検出された場合には、純水供給部41から純水が供給される。
 1つのロットの基板8を内槽34A内のリン酸水溶液中に投入する前に、循環系(内槽34A、外槽34B及び循環ライン50を含む)内に存在するリン酸水溶液中のシリコン濃度の調整が行われる。このシリコン濃度は、シリコン酸化膜に対するシリコン窒化膜のエッチング選択比に影響を及ぼす。シリコン濃度の調節は、ダミー基板を内槽34A内のリン酸水溶液中に浸漬すること、或いはシリコン供給部42から外槽34Bにシリコン含有化合物溶液を供給することにより行うことができる。循環系内に存在するリン酸水溶液中のシリコン濃度が予め定められた範囲内にあることを確認するために、排出ライン43Aにリン酸水溶液を流し、シリコン濃度計43Gによりシリコン濃度を測定してもよい。
 シリコン濃度調整の終了後、第1蓋体71及び第2蓋体72を開放位置に移動する。そして、内槽34A内のリン酸水溶液中に、基板昇降機構36に保持された複数枚、すなわち1つのロット(処理ロット又はバッチとも呼ばれる)を形成する複数(例えば50枚)の基板8を浸漬させる。その後直ちに、第1蓋体71及び第2蓋体72が閉鎖位置に戻される。基板8を所定時間リン酸水溶液に浸漬することにより、基板8にウエットエッチング処理(液処理)が施される。
 基板8のエッチング処理中に第1蓋体71及び第2蓋体72を閉鎖位置に位置させておくことにより、内槽34A内のリン酸水溶液の液面付近の温度低下が抑制され、これにより、内槽34A内のリン酸水溶液の温度分布を小さく抑えることができる。また、内槽34Aが外槽34B内のリン酸水溶液中に浸漬されているため、内槽34Aの壁体からの放熱による内槽34A内のリン酸水溶液の温度低下が抑制され、また、内槽34A内のリン酸水溶液の温度分布を小さく抑えることができる。従って、基板8のエッチング量の面内均一性及び面間均一性を高く維持することができる。
 1つのロットの基板8の処理中に、基板8からシリコンが溶出するため、循環系内に存在するリン酸水溶液中のシリコン濃度が上昇する。1つの基板ロットの処理中に、循環系に存在するリン酸水溶液中のシリコン濃度を維持或いは意図的に変化させるため、リン酸水溶液排出部43によりリン酸水溶液を排出しながら、リン酸水溶液供給部40によりリン酸水溶液を供給することができる。
 上記のようにして1つのロットの基板8の処理が終了したら、第1蓋体71及び第2蓋体72を開放位置に移動し、基板8を内槽34Aから搬出する。
 その後、再び第1蓋体71及び第2蓋体72を閉鎖位置に移動し、循環系内にあるリン酸水溶液の温度、リン酸濃度、シリコン濃度の調節を行った後に、上記と同様にして別のロットの基板8の処理を行う。
 上述のエッチング処理装置1は、図3、4及び6に示すように、内槽(処理槽)34Aの内部の画像を取得する撮像部(カメラ)100と、撮像部100が取得した画像の画像処理を行う画像処理部101と、を更に備える。
 本例の撮像部100は、基板8の液処理(特にエッチング処理)のための処理液を内部に貯留する内槽34Aの上方において、図示しない支持フレームにより固定的に支持され、制御部7の制御下で内槽34Aの内部の画像を上方から取得する。
 本例の第1蓋体71及び第2蓋体72(特に本体部71A、72A)は、石英のような透明材料により構成される。撮像部100は、第1蓋体71及び第2蓋体72を透過する撮影光を受光して、内槽34Aの内部の処理液の画像を取得する。
 撮像部100が取得する画像は、動画であってもよいし、静止画であってもよい。
 撮像部100の設置位置及び撮影方向は限定されず、撮影方向の異なる複数の撮像部100が設けられてもよい。図4に示すように内槽34Aの側方(例えばX方向)や下方に設置された撮像部100によって、内槽34Aの内部の画像を側方や下方から取得してもよい。内槽34Aの側方や下方に撮像部100を設置する場合、撮像部100と内槽34Aの内部との間に介在する部材(すなわち内槽34A、外槽34B及び容器80)は、撮影光が透過可能な透明材料により構成される。
 画像処理部101は、制御部7により構成されてもよいし、制御部7とは別体として設けられてもよい。画像処理部101が制御部7とは別体として設けられる場合、画像処理部101は制御部7の制御下で各種処理を行ってもよい。
 画像処理部101は、気泡データ取得部(後述の図11等参照)を有する。気泡データ取得部は、内槽34Aの内部の撮影画像(すなわち処理液の撮影画像)の画像処理を行って、処理液中の気泡の状態を示す気泡データを取得する。
 気泡データの種類及び取得手法は限定されない。気泡データは、典型的には、気泡の個数、密度及びサイズのうちの少なくとも1以上に関するデータを含む。
 図7は、撮像部100によって取得される撮影画像Dg1の一例を示す図である。図8は、図7に示す撮影画像Dg1を画像処理することで得られる処理画像Dg2の一例を示す図である。図9は、図7に示す撮影画像Dg1を画像処理することで得られる処理画像Dg2の他の例を示す図である。
 気泡データ取得部は、撮影画像Dg1(図7参照)から気泡90の画像のみを抽出する画像処理を行って処理画像Dg2(図8参照)を取得してもよい。図8に示す処理画像Dg2によれば、気泡データ取得部が更なる画像処理を行うことによって、処理液中の気泡の個数、密度及びサイズに関するデータを気泡データとして取得することが可能である。
 気泡データ取得部は、気泡が画像中で白く写る特性を利用し、画像のグレイ値に基づいて気泡データを取得してもよい。
 例えば、撮像部100が、内槽34Aの内部の撮影画像Dg1としてグレースケール画像を取得する場合、気泡データ取得部は撮像部100から送られてくる撮影画像(グレースケール画像)から直接的に気泡データを取得することができる。
 一方、撮像部100が、内槽34Aの内部の撮影画像Dg1としてカラー画像を取得する場合、気泡データ取得部は、撮影画像Dg1(カラー画像)をグレースケール画像に変換し、当該グレースケール画像から気泡データを取得することができる。
 また気泡データ取得部は、撮影画像Dg1(図7参照)の二値化処理を行って処理画像Dg2(図9参照)を取得してもよい。二値化された処理画像Dg2において白色箇所は基本的に気泡90を表す。したがって、二値化された処理画像Dg2中の白い箇所の数や面積が大きい場合、処理液中の気泡の程度が強い。
 内槽34Aの内部を瞬間的に撮影した単一の画像には、処理液中の気泡の状態が必ずしも適切には反映されない。したがって気泡データ取得部は、内槽34Aの内部の複数の画像(複数の動画フレームを含みうる)から得られる処理液中の気泡の状態を示すデータの代表値(例えば平均値又は中央値)を、気泡データとして取得してもよい。
 一例として、撮像部100が内槽34Aの内部の動画を取得する場合、気泡データ取得部は、ある時間(例えば1分間)に得られる動画フレームのそれぞれから得られる気泡の状態データの平均値又は中央値に基づいて、気泡データを取得することが可能である。
 また気泡データ取得部は、内槽34Aの内部の処理液の複数画像から作り出されるデータ(例えば画像データ)を、気泡データとして取得してもよい。例えば、気泡データ取得部は、各ピクセルに関し、複数の画像のそれぞれのピクセル値の代表値(例えば平均値又は中央値)を導出し、それぞれのピクセルの代表値を集合的に含むデータを、気泡データとして取得してもよい。
 図10は、複数の画像のそれぞれのピクセル値(特にそれぞれのピクセルの輝度値)の代表値(特に平均値)によって作られる画像データ(すなわち気泡データ)の一例を示す。図10において、黒色に近い箇所ほど気泡量が少なく、白色に近い箇所ほど気泡量が多いことが示される。
 処理液中の個々の気泡のデータを撮影画像から直接的に取得することが難しい場合であっても、それぞれのピクセルの代表値の集合から得られる気泡データによれば、処理液中の気泡の状態を精度良く特定することが可能である。
 処理液の撮影画像に基づいて処理液中の気泡の状態を客観的に特定及び評価可能な上述のエッチング処理装置1は、様々な形態で作動可能である。
 以下、エッチング処理装置1の作動の典型例について説明する。
 [第1実施形態]
 本実施形態のエッチング処理装置1は、処理液の濃度及び温度を調整して、処理液の沸騰状態を所望状態に整える。
 図11は、第1実施形態に係る画像処理部101の一例を示す機能ブロック図である。
 画像処理部101は、気泡データ取得部111、沸騰状態判別部112及び調整量導出部113を含む。
 気泡データ取得部111は、撮像部100が取得した内槽34Aの内部の画像(すなわち処理液の画像)を受信し、当該画像の画像処理を行って気泡データ(例えば、気泡の数、密度又はサイズに関するデータ、或いはピクセル代表値データ等)を取得する。
 沸騰状態判別部112は、気泡データ取得部111により取得された気泡データに基づいて、処理液の沸騰の状態を判別する。処理液の沸騰状態が適切か否かの判別は、気泡データが許容範囲内にあるか否かに基づいて行うことが可能である。
 例えば、気泡データが気泡90の個数に関するデータの場合、気泡データによって示される気泡90の数が、許容範囲の下限値以上且つ上限値以下であれば、処理液の沸騰状態が適切であると判別してもよい。一方、気泡データによって示される気泡90の数が許容範囲の下限値よりも小さい場合や上限値よりも大きい場合には、処理液の沸騰状態が適切ではないと判別してもよい。
 また、沸騰状態判別部112は、後述のリファレンスデータに対して気泡データを照らし合わせることで、処理液の沸騰状態が適切か否かを判別してもよい。一例として、気泡データ(例えば後述の平均グレイ値や中央グレイ値)とリファレンスデータとの差の絶対値が許容値よりも小さければ、処理液の沸騰状態が適切であると判別してもよい。
 調整量導出部113は、沸騰状態判別部112の判別結果(すなわち処理液の沸騰の状態)に基づいて、処理液の濃度の調整データを導出する。調整量導出部113によって導出された調整データは処理液調整部102に送られる。
 処理液調整部102は、調整量導出部113(画像処理部101)から送られてくる調整データに基づいて、内槽34Aの内部の処理液の濃度を所望濃度に調整する。本例の処理液調整部102は、流量制御弁40D、開閉弁40E、ポンプ51及び/又は流量調節器41Bを調整して、内槽34Aの内部の処理液の濃度を調整する。
 図12は、第1実施形態に係る基板液処理方法(特に処理液調整方法)の一例を示すフローチャートである。
 以下に説明される処理液調整方法は、制御部7が各種機器を適宜制御することによって行われる。
 本例の処理液調整方法では、流量調節器60Cが制御部7により制御され、ガスノズル60の複数の吐出口60D(図2~図5参照)から処理液中に気体(以下「バブリング気泡」とも称する)が吐出されない状態で行われる。
 まず、ある目標濃度及び目標温度に処理液を調整する処理(すなわち処理液調整処理)が、制御部7の制御下で処理液調整部102によって開始される(図12のS1)。制御部7は、内槽34Aの内部の処理液の濃度(例えばリン酸濃度計55Bの計測結果)及び温度(例えば図示しない温度計の計測結果)を監視し、当該監視結果に基づいて処理液調整部102を制御することで処理液調整処理を行う。
 本ステップ(S1)で用いられる目標濃度及び目標温度は、例えば、目標とする処理液の沸騰状態を実現するために必要と考えられる濃度及び温度に設定される。本ステップ(S1)で用いられる目標濃度及び目標温度は、各種条件に基づき、エッチング処理装置1(例えば制御部7)により自動的に設定されてもよいし、エンジニアにより手動的に設定されてもよい。
 そして、調整後の温度及び濃度で処理液を安定化させる処理液安定化処理が行われる(S2)。処理液安定化処理の一例としては、上述の処理液調整処理が、処理液の温度及び濃度のばらつき(すなわち、ある時間における変動幅)が十分に低減するまで、継続的に行われる。
 その後、沸騰状態判別部112が、上述の気泡データに基づき、処理液の沸騰状態が適切か否かを判別する(S3)。
 処理液の沸騰状態が適切であると判別される場合(S3のY)、処理液の調整が完了する。
 一方、処理液の沸騰状態が適切ではないと判別される場合(S3のN)、調整量導出部113によって目標濃度の再設定が行われ(S4)、再設定された目標濃度に基づく処理液調整処理が行われる(S1及びS2)。すなわち、再設定された目標濃度に対応する調整データが調整量導出部113から処理液調整部102に送られ、処理液調整部102が当該調整データに基づいて処理液調整処理を再び行う。
 本例では、再設定される目標濃度及び調整データは、気泡データと許容範囲との比較に基づいて決められる。具体的には、気泡データが示す処理液の沸騰状態を目標沸騰状態に近づけるように、調整量導出部113は、再設定される目標濃度及び調整データを決める。特に、許容範囲からの気泡データの乖離が大きいほど、現在の目標濃度と再設定される目標濃度との間の差が大きくなるように、調整量導出部113は、再設定される目標濃度及び調整データを決める。
 以上説明したように本実施形態によれば、撮像によって処理液の画像が取得され、当該画像を解析することによって処理液の沸騰の状態が定量化される。これにより処理液の沸騰の状態(例えば沸騰の強さ)を、撮影画像に基づいて導き出される数値によって表すことができる。
 したがって、処理液の沸騰状態を数値に基づいて客観的に精度良く把握することができ、エンジニアの主観に基づく装置コントロールを完全に排除しつつ、処理液を所望状態に調整することができる。これにより基板8の液処理を安定的且つ均一的に行うことができる。また複数のエッチング処理装置1を使って基板8の液処理を行う場合、エッチング処理装置1間においても基板8の液処理を均一的に行うことが可能である。
 また、処理液の撮像、画像解析による気泡データの取得、気泡データに基づく処理液の沸騰状態の判別、及び処理液濃度の調整に用いられる調整データの導出が機械的に行われる。そのため、一連のこれらの処理を自動化することで、エンジニアの負担を軽減することができる。特に本実施形態では、調整データに基づく処理液濃度の調整も機械的に行われるため、人手を一切介することなく、内槽34Aの内部の処理液が所望状態に自動調整される。
 処理液の濃度及び温度を変えた後に処理液中の気泡の状態を目視で確認する場合、エンジニアは、処理液の状態が安定するのを待ってから処理液中の気泡の状態を確認する必要がある。処理液が安定するまでに長時間(例えば1時間以上)かかることもあり、処理液中の気泡状態を目視で確認するために長時間にわたってエンジニアが拘束されうる。
 一方、本実施形態によれば、処理液の濃度及び温度を変えた後に処理液が安定するまでに長時間を要する場合であっても、エンジニアは殆ど又は全く拘束されない。
[第2実施形態]
 本実施形態において、上述の第1実施形態と同一又は対応の要素には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
 本実施形態では、ガスノズル60(バブリング部)から内槽34Aの内部の処理液に送り出される気体(バブリング気泡)の処理液における状態が評価され、当該評価に応じた報知が行われる。
 リン酸エッチングプロセスにおいて、処理液中へのバブリング気泡の放出(すなわちバブリング)を適切に行うことで、リグロースを抑制してリン酸エッチングを促進することができる。しかしながら、ガスノズル60のつまりや流路径の変動により、バブリングの状態は変動しうる。バブリングの状態が変動すると、エッチング処理装置1のリグロース抑制性能及びエッチング性能が変動する。したがって、エッチング処理装置1のリグロース抑制性能及びエッチング性能を保証する観点から、バブリング状態の異常を検知することが好ましい。
 図13は、第2実施形態に係る画像処理部101の一例を示す機能ブロック図である。
 画像処理部101は、気泡データ取得部111及びバブリング状態判別部121を含む。
 気泡データ取得部111は、撮像部100が取得した内槽34Aの内部の画像(すなわち処理液の画像)を受信し、当該画像の画像処理を行って気泡データを取得する。
 本例の気泡データ取得部111は、各ピクセルに関し、複数の画像のそれぞれのピクセル値の代表値を導出し、それぞれのピクセルの代表値の集合によって作られる画像データを、気泡データとして取得する(上述の図10参照)。それぞれのピクセルの輝度値に基づいて取得される気泡データ(画像データ)は、処理液中の気泡の状態を画像コントラストによって表し、処理液中の気泡が多い箇所を白っぽく表す。これにより、撮像部100が取得した画像データから、処理液中の気泡の数、密度及びサイズを直接的に判別することが難しい場合であっても、処理液中の気泡の状態を適切に判別することが可能になる。
 バブリング状態判別部121は、ガスノズル60から内槽34Aの内部の処理液に送り出されるバブリング気泡の処理液中における状態を、気泡データに基づいて判別する。本例のバブリング状態判別部121は、気泡データを、リファレンスデータと比較することによって、処理液におけるバブリング気泡の状態を判別する。
 ここで用いられるリファレンスデータは、バブリング気泡の基準状態に基づくデータであり、バブリング状態判別部121により記憶されている。典型的には、処理液におけるバブリング気泡の状態が正常である場合の気泡データ(図10参照)が、リファレンスデータとして用いられる。この場合、バブリング状態判別部121は、評価対象の処理液の撮影画像から得られる気泡データのピクセル値と、リファレンスデータのピクセル値との間の差分値(以下「ピクセル差分値」とも称する)を算出してもよい。
 バブリング状態判別部121は、それぞれのピクセルのピクセル差分値に応じて、処理液におけるバブリング気泡の状態を判別することができる。すなわちバブリング状態判別部121は、ピクセル差分値が大きいピクセル(例えば所定値よりも大きいピクセル差分値を示すピクセル)の数及び/分布に基づいて、処理液におけるバブリング気泡の状態を判別することが可能である。バブリング状態判別部121は、ピクセル差分値が大きいピクセルの数或いは密度が所定値よりも大きい場合、処理液におけるバブリング気泡の状態に異常が生じていると判別しうる。
 特に、本例のバブリング状態判別部121は、気泡データに基づいて、処理液の全体範囲を基準としたバブリング気泡の状態と、処理液の局所範囲を基準としたバブリング気泡の状態と、を判別する。これによりバブリング状態判別部121は、バブリング気泡の状態に異常が生じていると判別する場合に、異常が生じている可能性があると考えられる因子の情報を取得することができる。
 例えば、ピクセル差分値が大きいピクセルが撮影画像(特に処理液画像)の全体にわたって存在する場合、処理液の全体にわたってバブリング気泡の状態に異常が生じていると考えられる。そのため、処理液の全体に影響を及ぼしうる因子に異常が生じている可能性があると考えられる。例えば、ガスノズル60から処理液中に吐出される気体の流量、処理液の濃度、及び/又は処理液の温度に異常が生じている可能性があると考えられる。
 ここで「平均グレイ値」及び「中央グレイ値」は、画像解析によって導出されるグレイ値であり、画像全体のそれぞれのピクセルのグレイ値の平均値及び中央値であり、処理液中の気泡の状態を示すことができる。本例では、黒色のピクセル値が最小値(例えばゼロ(0))であり、白色のピクセル値が最大値である。したがって平均グレイ値及び中央グレイ値が大きいほど、処理液中に存在する気泡(気液界面)の量が大きく、平均グレイ値及び中央グレイ値が小さいほど、処理液中に存在する気泡の量が小さい。
 ガスノズル60から処理液中にバブリング気泡が吐出されている状態で撮像部100により撮像される処理液の画像の平均グレイ値及び中央グレイ値は、気体流量、処理液温度及び処理液濃度に応じて変動する。すなわち、平均グレイ値及び中央グレイ値は、以下のように、気体流量、処理液温度及び処理液濃度を変数とした関数f、f’によって表現可能である。
 平均グレイ値=f(気体流量、処理液温度、処理液濃度)
 中央グレイ値=f’(気体流量、処理液温度、処理液濃度)
 平均グレイ値及び中央グレイ値の関数f、f’は、1次式、2次式、3次以上の式、指数関数等の様々な形でモデル化可能であり、例えば以下の多元1次式により表現可能である。
 平均グレイ値=α+β1気体流量+β2処理液温度+β3処理液濃度
 中央グレイ値=α'+β1'気体流量+β2'処理液温度+β3'処理液濃度
 上記の平均グレイ値及び中央グレイ値の式において、「α」及び「α'」は、処理液中に気泡(バブリング気泡及び処理液の沸騰に起因する気泡を含む)が生じていない状態でのグレイ値に対応する。したがって、装置のハード構成に起因して撮影画像に写り込む濃淡情報(例えば背景(バックグラウンド)等の情報)が、「α」及び「α'」に反映される。
 「β1」~「β3」及び「β1'」~「β3'」は、気体流量、処理液温度及び処理液濃度の影響度を表す値であり、エッチング処理装置1の具体的な構成に応じて定められる値である。
 「気体流量」は、ガスノズル60から処理液に吐出される気体(本例では不活性ガス)の流量(すなわち単位時間当たりのバブリング気泡の吐出量)である。
 「処理液温度」は、本例では内槽34A内のリン酸水溶液の温度である。
 「処理液濃度」は、本例では内槽34A内のリン酸水溶液の濃度である。
 上記モデル式によれば、ガスノズル60から処理液に吐出される気体の流量が増大するに従って、平均グレイ値及び中央グレイ値が増大する。また処理液の温度が上がるに従って、平均グレイ値及び中央グレイ値が増大する。一方、処理液の濃度が上がるに従って、平均グレイ値及び中央グレイ値が低減する。
 このように上記モデル式からも、ガスノズル60から処理液中に吐出されるバブリング気泡の流量、処理液の濃度、及び処理液の温度が、処理液の全体に影響を及ぼしうる因子であることが分かる。
 一方、処理液の局所範囲においてのみバブリング気泡の状態に異常があると判別される場合、そのような局所範囲にのみ影響を及ぼしうる因子に異常が生じている可能性があると考えられる。
 本例の撮影画像Dg1では、図7に示すように、内槽34Aが、覆い73を介して2つの部分(すなわち第1内槽部34A-1及び第2内槽部34A-2)に分離されて、写される。気泡データにおいてピクセル差分値が大きいピクセルが第1内槽部34A-1及び第2内槽部34A-2の一方にのみ多数存在し、他方には殆ど或いは全く存在しない場合、一方の内槽部にのみ影響を及ぼす因子に異常が生じている可能性があると考えられる。具体的には、一方の内槽部にのみ存在するガスノズル60の局所的なつまりや破損、一方の内槽部にのみ存在するガスノズル60における気体の流量不足、及び/又はLFNノズルの破損等が生じている可能性があると考えられる。
 このようにして得られるバブリング状態判別部121の判別結果は、報知部122(図13参照)に送られる。
 報知部122は、バブリング状態判別部121の判別結果に基づいて報知処理を行う。報知処理の具体的な内容及び報知手法は、限定されない。
 報知部122は、例えば、処理液中のバブリング気泡の状態が正常及び/又は異常であることを、音声や視覚表示を介してエンジニアに報知する報知処理を行ってもよい。エンジニアに報知される報知情報には、バブリング状態の異常の有無に関する情報に加え、異常が生じている可能性があると考えられる因子の情報(例えば不具合が生じている可能性がある装置の情報)やその他の情報が含まれていてもよい。また、処理液中のバブリング気泡の状態に異常がある場合、メンテナンスをエンジニアに促す情報が報知情報に含まれてもよい。
 報知部122は、処理液中のバブリング気泡の状態が正常及び/又は異常であることを示すデータ(画像データも含みうる)を、記憶部(例えば図1に示す記憶媒体38)に記憶させることで報知処理を行ってもよい。例えば、処理液中のバブリング気泡の状態に異常がある場合、報知部122は、そのような異常状態の処理液を使って液処理を受けた基板8の識別データと、異常フラグデータとを相互に関連付けて記憶部に記憶してもよい。このようにして記憶部に記憶される異常フラグデータは、後段の処理のために適宜読み出されて使われてもよい。
 図14は、第2実施形態に係る基板液処理方法(特にバブリング状態判定方法)の一例を示すフローチャートである。
 まず、内槽34Aの内部の処理液中にガスノズル60からバブリング気泡が吐出されている状態(すなわちバブリング状態)で、撮像部100によって内槽34Aの内部の処理液の画像が取得される(図14のS11)。
 本例では、処理液の沸騰に起因する気泡(すなわち処理液の沸騰ガス:以下「沸騰気泡」とも称しうる)が生じていない状態で、撮像部100による撮像が行われる。そのため撮像部100によって取得される画像に写される気泡は、基本的に、ガスノズル60から吐出されたバブリング気泡である。したがって本例のバブリング状態判定方法によれば、ガスノズル60から処理液に吐出されるバブリング気泡の状態(例えばバブリング気泡の量やムラ)を精度良く判別することができる。
 撮像部100による撮影画像の取得は、本例では処理液が沸騰していない状態で行われるが、処理液が沸騰しつつ撮像可能な沸騰気泡が生じていない状態で行われてもよい。
 撮像部100により取得された処理液の画像は気泡データ取得部111に送られる。
 そして気泡データ取得部111が、撮像部100から送られてくる画像の画像解析を行って、気泡データを取得する(S12)。
 そしてバブリング状態判別部121が、気泡データに基づき、バブリング状態が正常か否かを判別する(S13)。
 バブリング状態が正常であると判別される場合(S13のY)、バブリング状態判別部121は、撮像部100によって取得された画像を、自らが保持するリファレンスデータに利用する(S14)。
 本ステップ(S14)において、撮像部100により今回取得された画像をリファレンスデータに利用する具体的な方法は、限定されない。例えば、バブリング状態判別部121は、今回取得された画像を、次回以降の処理(すなわち撮像部100により次回以降に取得される画像を使った処理)のリファレンスデータとして用いてもよい。或いは、バブリング状態判別部121は、今回取得された画像を使って、リファレンスデータのアップデート処理(すなわちリファレンスデータを修正する処理)を行ってもよい。
 一方、バブリング状態が異常であると判別される場合(S13のN)、報知部122によって上述の報知処理が行われる(S15)。これによりエンジニアは、バブリング状態の異常を認知して、メンテナンスの必要性を適時検討することが可能である。
 以上説明したように本実施形態によれば、撮像によって処理液の画像が取得され、当該画像を解析することによって処理液のバブリング状態が定量化される。これにより処理液のバブリング状態(例えばバブリング気泡の量や分布)を、撮影画像に基づいて導き出される数値により表すことができる。
 したがって、処理液のバブリング状態を数値に基づいて客観的に精度良く把握することができ、バブリング状態を所望状態に調整することができる。これにより、基板8の液処理を安定的且つ均一的に行うことができる。
 また、バブリング状態の高精度な判別結果を装置異常の検知に利用することで、装置異常の発生を適時検出することができる。
 また、バブリング状態が正常であると判別された処理液の撮影画像をリファレンスデータに利用することで、バブリング状態の判別精度を向上させうる。
[第3実施形態]
 本実施形態において、上述の第1実施形態及び第2実施形態と同一又は対応の要素には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
 本実施形態では、ガスノズル60から処理液に送り出されるバブリング気泡の状態が評価され、当該評価に応じてガスノズル60から処理液へのバブリング気泡の送り出し量が調整されてバブリング状態の最適化が行われる。
 一般に、処理液の沸点は、処理液の濃度及び処理液にかかる圧力(環境圧(例えば大気圧))によって変わる。したがって、液処理の間、処理液の沸騰に起因する気泡(すなわち沸騰気泡)を積極的に生じさせる場合、処理液中の沸騰気泡の状態は環境圧に応じて変わる。
 処理液中の気泡の状態が変わることで、エッチング処理装置1のリグロース抑制性能及びエッチング性能が変わり、基板8の液処理が不安定になったり、基板8の液処理を適切に行えなかったりする。処理液中の沸騰気泡の状態を安定させるには、処理液の沸騰状態を一定に保つ必要がある。
 例えば、環境圧に応じて処理液の濃度を変えることで、処理液の沸騰状態を一定に保つことが可能である。しかしながら、処理液濃度が変わることで、基板8の液処理状態(例えばエッチングレート)が変わり、基板8の液処理状態がばらつくことがある。
 このような事情に鑑みて、本実施形態では、処理液の濃度を変えることなく、ガスノズル60から処理液に吐出されるバブリング気泡の流量を調整することによって、液処理が行われる際の処理液のバブリング状態が最適化される。
 以下で説明する例では、処理液が、想定されうる環境圧の変化が起きても沸騰気泡が生じないような温度及び濃度を有する状態で、撮像部100による撮像及び基板8の液処理が行われる。そのため、撮像部100による撮像及び基板8の液処理が行われている間の処理液のバブリング状態は、基本的に、ガスノズル60から処理液に吐出されるバブリング気泡によってもたらされる。
 図15は、第3実施形態に係る画像処理部101の一例を示す機能ブロック図である。
 画像処理部101は、気泡データ取得部111及びバブリング状態判別部121を含む。気泡データ取得部111及びバブリング状態判別部121は、上述の第2実施形態と同様に機能する。
 すなわち気泡データ取得部111は、撮像部100が取得した内槽34Aの内部の画像(すなわち処理液の画像)を受信し、当該画像の画像処理を行って気泡データを取得する。
 バブリング状態判別部121は、ガスノズル60(バブリング部)から内槽34Aの内部の処理液に送り出されるバブリング気泡の処理液中における状態を、気泡データに基づいて判別する。具体的には、バブリング状態判別部121は、気泡データを、リファレンスデータと比較することによって、処理液におけるバブリング気泡の状態を判別する。
 本実施形態のバブリング状態判別部121は、判別結果をバブリング制御部131に送信する。バブリング状態判別部121からバブリング制御部131に送られる判別結果は、現在のバブリング気泡の状態と所望のバブリング気泡の状態との差に関する情報(すなわち現在の気泡データとリファレンスデータとの差に関する情報)が含まれる。
 図15に示すバブリング制御部131は、制御部7の一部として設けられ、バブリング状態判別部の判別結果に基づいて、バブリング部を制御する。なお、バブリング制御部131は、制御部7と別体に設けられてもよい。この場合、バブリング制御部131は制御部7により制御されてもよい。
 バブリング部は、内槽34Aの内部の処理液へのバブリング気泡の送り出しに寄与する1又は複数の装置によって構成される。本例のバブリング部は、図2及び図3等に示されるガスノズル60、配管60A、ガス供給源60B及び流量調節器60Cを含む。バブリング制御部131は、流量調節器60Cを制御し、ガスノズル60の吐出口60Dから処理液中へのバブリング気泡の噴出量(すなわちガスノズル60におけるバブリング気泡の流量)を調整する。
 本例のバブリング制御部131は、所望のバブリング状態を実現するように、流量調節器60Cを制御してガスノズル60に向けて送り出される不活性ガスの流量を調整する。具体的には、バブリング制御部131は、バブリング状態判別部121から送られてくる「現在のバブリング気泡の状態と所望のバブリング気泡の状態との差に関する情報」に基づいて流量調節器60Cを制御する。これにより、ガスノズル60から処理液には適量のバブリング気泡が吐出され、処理液中のバブリング気泡の状態は所望状態に調整される。
 例えば、バブリング制御部131は、バブリング状態判別部121の判別結果をリファレンスモデルに照らし合わせることによって流量調節器60Cの制御量を決定し、当該制御量に基づいて流量調節器60Cの制御を行ってもよい。リファレンスモデルは、例えば、処理液中へのバブリング気泡の送り出し量、処理液の濃度、及び処理液の温度に基づいて定められる。一例として、上述の平均グレイ値又は中央グレイ値のモデル式に基づいてリファレンスモデルが定められてもよい。
 或いは、バブリング制御部131は、バブリング状態判別部121の判別結果をリファレンステーブルに照らし合わせることによって流量調節器60Cの制御量を決定し、当該制御量に基づいて流量調節器60Cの制御を行ってもよい。リファレンステーブルは、バブリング気泡の処理液中における状態と、処理液中へのバブリング気泡の送り出し量とを関連付ける。
 本実施形態のエッチング処理装置1によれば、環境圧が変動しても、ガスノズル60から処理液へのバブリング気泡の吐出状態が調整されて、処理液のバブリング状態を所望状態に保つことができる。このように、処理液の濃度を変えることなく、バブリング状態を所望状態に保つことで、基板8の液処理を安定的に行うことができる。
 図16は、第3実施形態に係る基板液処理方法(特にバブリング状態調整方法)の一例を示すフローチャートである。
 本例においても、上述の図14に示す基板液処理方法(第2実施形態)と同様に、バブリング状態で処理液の画像が撮像部100によって取得され(図16のS21)、気泡データ取得部111が行う画像解析によって気泡データが取得される(S22)。本例において、気泡データ取得部111によって取得される気泡データはグレイ値に基づいている。
 そしてバブリング状態判別部121が、気泡データに基づき、バブリング状態が正常か否かを判別する(S23)。バブリング状態が正常であると判別される場合(S23のY)、処理液のバブリング状態の調整は終了する。
 一方、バブリング状態が異常であると判別される場合(S23のN)、バブリング制御部131がバブリング部(流量調節器60C)を上述のように制御し、バブリング状態が所望状態に近づくようにバブリング気泡の流量が変更される(S24)。このようにしてバブリング気泡の流量が変更された後、上述のステップS21~ステップS23が繰り返され、バブリング状態の調整が行われる。
 上述のバブリング状態の調整は、様々な調整態様で実施可能である。以下、バブリング状態の調整態様の典型例を説明する。
 図17は、基板8の液処理の流れの一例を示すフローチャートである。
 図17に示す例では、内槽34Aの内部に基板8が導入される前に、ガスノズル60からバブリング気泡が吐出される(プレバブリング処理;図17のS31)。
 その後、内槽34Aの内部に基板8が導入される(S32)。本例では、上述のように、一度に複数枚の基板8(基板ロット)が内槽34Aの内部に導入される。
 その後、内槽34Aにおいて基板ロットの液処理(エッチング処理)が行われる(S33)。
 その後、液処理が完了した基板ロットが内槽34Aから取り出される(S34)。
 そして、次の基板ロットの液処理が必要な場合には(S35のY)、上述のステップS31~ステップS34が繰り返される。
 一方、次の基板ロットの液処理が必要ではない場合には(S35のN)、基板8の液処理が終了する。
 上述の図17に示す基板液処理方法において、以下のようにしてバブリング状態を調整することができる。
[第1のバブリング状態調整態様]
 処理液の撮像、気泡データの取得、バブリング状態の判別、及びバブリング部の制御のすべてが、基板8(基板ロット)の液処理が行われている間に(S33)、繰り返し継続的に行われてもよい。
 本態様において、撮像部100は、処理液に基板8(基板ロット)が浸され且つガスノズル60から処理液にバブリング気泡が吐出されている状態で、当該処理液の撮影画像を取得する。
 気泡データ取得部111は、処理液に基板8(基板ロット)が浸されている状態で取得された画像の画像処理を行って気泡データを取得し、バブリング状態判別部121は当該気泡データに基づいてバブリング状態を判別する。
 バブリング制御部131は、バブリング状態判別部121の判別結果に基づいて、基板8(基板ロット)が浸されている処理液中に適量のバブリング気泡を送り出すようにバブリング部(流量調節器60C)を制御する。
 本態様によれば、処理液の撮像~バブリング部の制御(バブリング気泡の送り出し量の調整)の一連の処理が基板ロット毎に行われるため、基板ロットに個別的に適応したバブリング状態に、処理液を調整することができる。
[第2のバブリング状態調整態様]
 本態様では、第1基板ロットの液処理が行われている間に(S33)、撮像部100によって処理液の撮影画像が取得され、当該撮影画像に基づいて気泡データの取得及びバブリング状態の判別が行われる。
 このようにして得られたバブリング状態の判別結果(すなわち第1基板ロットの液処理時の撮影画像に基づくバブリング状態の判別結果)に基づいて、第2基板ロット(第2基板)の液処理のためのバブリング部の制御が行われる。すなわち、第2基板ロットの液処理のためのプレバブリング処理(S31)及び第2基板ロットの液処理の間(S33)に行われるバブリング処理が、第1基板ロットの液処理(S33)の際のバブリング状態の判別結果に基づいて行われる。
 上述のように本態様によれば、気泡データ取得部111は、処理液に第1基板ロット(第1基板)が浸されている状態で取得された画像の画像処理を行って気泡データを取得する。
 バブリング制御部131は、バブリング状態判別部121の判別結果に基づいて、第1基板ロットが内槽34Aから取り出された後に内槽34Aに導入される第2基板ロット(第2基板)が浸されている処理液中に気体を送り出すように、バブリング部を制御する。
 このように本態様では、先行して行われる基板(第1基板)8の液処理の際のバブリング状態の判別結果が、その後に行われる基板(第2基板)8の液処理においてフィードバッグ利用される。
[第3のバブリング状態調整態様]
 本態様では、プレバブリング処理(S31)において撮像部100により処理液の撮影画像が取得され、当該撮影画像に基づいて気泡データの取得及びバブリング状態の判別が行われる。そして、その後に行われる基板ロットの液処理(S33)において、バブリング状態の判別結果に基づくバブリング部の制御が行われる。
 本態様では、撮像部100は、処理液に基板8が浸されていない状態で、バブリング気泡が吐出されている処理液の撮影画像を取得する。
 気泡データ取得部111は、処理液に基板8が浸されていない状態で取得された撮影画像の画像処理を行って気泡データを取得する。
 バブリング制御部131は、当該気泡データから導出されるバブリング状態判別部121の判別結果に基づいて、基板8が浸されている処理液中にバブリング気泡を送り出すようにバブリング部を制御する。
 通常、プレバブリング処理(S31)が行われるタイミングと、基板ロットの液処理(S33)が行われるタイミングとの間は短時間であり、当該短時間の間に処理液の環境圧が急激に変わることはない。そのため本態様では、処理液の撮像~バブリング状態の判別が行われる段階と、バブリング部の制御が行われる段階とが異なることによる不具合が、実質的には殆どない又は全くない。
[第4実施形態]
 本実施形態において、上述の第1実施形態~第3実施形態と同一又は対応の要素には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
 本実施形態では、ガスノズル60から処理液に送り出されるバブリング気泡の状態が評価され、当該評価に応じてガスノズル60からのバブリング気泡の送り出し状態を調整し、個々の基板8における液処理のバランスを改善する。
 個々の基板8においても液処理は必ずしも均一的には行われず、基板8の処理面の場所によって液処理の程度が変わりうる。このような個々の基板8における液処理のばらつきの主な原因は、エッチング処理装置1の構成に由来する固定的なものと考えられる。
 実際、エッチング処理装置1による液処理後の基板8の処理面を評価したところ、個々の基板8の処理ムラの状態は基板8間で似ており、特に内槽34A内の同じ位置で液処理を受けた基板8間で処理ムラの状態が非常に似ていた。このことからも、個々の基板8の液処理のばらつき(すなわち処理ムラ)の原因として、エッチング処理装置1の構成に由来する要因が支配的であり、各基板8の液処理のばらつきには再現性があることが分かる。
 ガスノズル60からバブリング気泡を吐出しつつ基板8の液処理を行う場合、処理液のバブリング状態が基板8の液処理のばらつきの一因となる。気泡が処理液中を高さ方向(特に上向き方向)に移動することに照らすと、個々の基板8の液処理の水平方向に関するばらつきは、水平方向に並べられる複数のガスノズル60からのバブリング気泡の吐出状態を調整することで改善することが可能である。
 図18は、第4実施形態に係るバブリング部の一例を示す図である。
 本実施形態では、内槽34Aの内部の処理液に、水平方向に異なる位置から気体を送り出す第1バブリング部及び第2バブリング部が設けられている。
 図18に示すバブリング部は、ガス供給源60Bと、ガス供給源60Bから延びる配管60Aに取り付けられる第1流量調節器60C-1、第2流量調節器60C-2、第1ガスノズル60-1及び第2ガスノズル60-2と、を含む。ガス供給源60Bから延びる1つの配管60Aは、途中で2つの配管60Aに分岐する。一方の分岐した配管60Aには第1流量調節器60C-1及び第1ガスノズル60-1が設けられ、他方の分岐した配管60Aには第2流量調節器60C-2及び第2ガスノズル60-2が設けられる。
 図18に示す装置構成において、第1バブリング部は、配管60A、ガス供給源60B、第1流量調節器60C-1及び第1ガスノズル60-1を含む。第2バブリング部は、配管60A、ガス供給源60B、第2流量調節器60C-2及び第2ガスノズル60-2を含む。
 図3に示すように、第1ガスノズル60-1及び第2ガスノズル60-2は、内槽34Aの内部において、水平方向(Y方向)にお互いに異なる位置に配置される。図3に示す例において、第1ガスノズル60-1は第1内槽部34A-1に位置し、第1ガスノズル60-1から吐出されるバブリング気泡の殆どは、第1内槽部34A-1における処理液中を移動する。一方、第2ガスノズル60-2は第2内槽部34A-2に位置し、第2ガスノズル60-2から吐出されるバブリング気泡の殆どは、第2内槽部34A-2における処理液中を移動する。
 このように内槽34Aの内部において、第1ガスノズル60-1(第1バブリング部)が気体を吐出する箇所及び第2ガスノズル60-2(第2バブリング部)が気体を吐出する箇所は、基板8が配置される位置を基準にして、互いに水平方向に反対側に位置する。
 なお図3等には、内槽34Aの内部に2つのガスノズル60が設けられているが、ガスノズル60の数は限定されず、2以上の任意の数のガスノズル60が水平方向(特にY方向)に並べられてもよい。この場合、1以上のガスノズル60が第1内槽部34A-1に割り当てられ、1以上のガスノズル60が第2内槽部34A-2に割り当てられることが好ましい。
 図19は、第4実施形態に係る画像処理部101の一例を示す機能ブロック図である。
 本例の画像処理部101は、上述の第3実施形態に係る画像処理部101(図15参照)と同様の構成を有し、気泡データ取得部111及びバブリング状態判別部121を含む。
 バブリング状態判別部121は、気泡データ取得部111が取得した気泡データに基づいてバブリング気泡の処理液中の状態を判別し、判別結果をバブリング制御部131に送信する。
 本実施形態のバブリング制御部131は、バブリング状態判別部121の判別結果に基づいて、第1流量調節器60C-1(第1バブリング部)及び第2流量調節器60C-2(第2バブリング部)を制御する。
 バブリング状態判別部121によるバブリング状態の判別及びバブリング制御部131による制御は、基本的には、上述の第2実施形態と同様に行われる。すなわちバブリング状態判別部121は、気泡データ取得部111が取得した気泡データを、リファレンスデータと比較することによって、処理液におけるバブリング気泡の状態を判別する。バブリング状態判別部121は、気泡データをリファレンスデータと比較することによって、現在のバブリング気泡の状態と所望のバブリング気泡の状態との差に関する情報を取得する。
 本実施形態で用いられるリファレンスデータは、処理液におけるバブリング気泡の状態が正常である場合の気泡データ(図10参照)である。特にエッチング処理装置1の構成に由来する「基板8の液処理の水平方向へのばらつき」が殆どない又は全くない場合の気泡データを、リファレンスデータとして用いることができる。
 気泡データ及びリファレンスデータがグレイ値マップ(図10参照)により構成される場合には、気泡データとリファレンスデータとの間の差分グレイ値が「現在のバブリング気泡の状態と所望のバブリング気泡の状態との差に関する情報」として取得されうる。
 バブリング制御部131は、バブリング状態判別部121から送られてくる「現在のバブリング気泡の状態と所望のバブリング気泡の状態との差に関する情報」に基づいて、第1流量調節器60C-1及び第2流量調節器60C-2を制御する。
 このように、バブリング状態判別部121は、液処理の水平方向ばらつきを抑える観点から、処理液におけるバブリング気泡の状態が正常か否かを判別する。そしてバブリング制御部131は、液処理の水平方向へのばらつきを抑えるように、第1流量調節器60C-1及び第2流量調節器60C-2を制御する。
 以上説明したように本実施形態によれば、第1バブリング部と第2バブリング部との間においてバブリング気泡の吐出流量のバランスの最適化が行われ、個々の基板8における液処理の均一性を改善することができる。
[変形例]
 上記実施形態では処理液がリン酸水溶液であったが、これに限定されるものではなく、例えば、SC1やリン酸水溶液に酢酸等の添加物を混合した処理液を用いてもよい。また、上記実施形態では、エッチングされる膜をシリコン窒化膜としていたが、これに限らず、その他のエッチング対象となる膜であってもよい。基板は、半導体ウエハに限定されるものではなく、ガラス、セラミック等の他の材料からなる基板であってもよい。
 本明細書で開示されている実施形態及び変形例はすべての点で例示に過ぎず限定的には解釈されないことに留意されるべきである。上述の実施形態及び変形例は、添付の特許請求の範囲及びその趣旨を逸脱することなく、様々な形態での省略、置換及び変更が可能である。例えば上述の実施形態及び変形例が部分的に又は全体的に組み合わされてもよく、また上述以外の実施形態が上述の実施形態又は変形例と部分的に又は全体的に組み合わされてもよい。
 また上述の技術的思想を具現化する技術的カテゴリーは限定されない。例えば上述の基板液処理装置が他の装置に応用されてもよい。また上述の基板液処理方法に含まれる1又は複数の手順(ステップ)をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムによって、上述の技術的思想が具現化されてもよい。またそのようなコンピュータプログラムが記録されたコンピュータが読み取り可能な非一時的(non-transitory)な記録媒体によって、上述の技術的思想が具現化されてもよい。

Claims (18)

  1.  基板の液処理のための処理液を内部に貯留する処理槽と、
     前記処理槽の前記内部の前記処理液の画像を取得する撮像部と、
     前記画像の画像処理を行って前記処理液中の気泡の状態を示す気泡データを取得する気泡データ取得部を有する画像処理部と、を備える基板液処理装置。
  2.  前記画像処理部は、前記気泡データに基づいて前記処理液の沸騰の状態を判別する沸騰状態判別部を含む請求項1に記載の基板液処理装置。
  3.  前記沸騰状態判別部の判別結果に基づいて、前記処理液の濃度の調整データを導出する調整量導出部を備える請求項2に記載の基板液処理装置。
  4.  前記処理槽の前記内部の前記処理液に気体を送り出すバブリング部と、
     報知処理を行う報知部と、を備え、
     前記画像処理部は、前記処理液における前記気体の状態を前記気泡データに基づいて判別するバブリング状態判別部を含み、
     前記報知部は、前記バブリング状態判別部の判別結果に基づいて報知処理を行う請求項1~3のいずれか一項に記載の基板液処理装置。
  5.  前記バブリング状態判別部は、前記気泡データを、前記処理液における前記気体の基準状態に基づくリファレンスデータと比較することによって、前記処理液における前記気体の状態を判別する請求項4に記載の基板液処理装置。
  6.  前記バブリング状態判別部は、前記気泡データに基づいて、前記処理液の全体範囲を基準とした気体の状態と、前記処理液の局所範囲を基準とした気体の状態と、を判別する請求項4又は5に記載の基板液処理装置。
  7.  前記処理槽の前記内部の前記処理液に気体を送り出すバブリング部と、
     前記バブリング部を制御するバブリング制御部と、を備え、
     前記画像処理部は、前記処理液における前記気体の状態を前記気泡データに基づいて判別するバブリング状態判別部を含み、
     前記バブリング制御部は、前記バブリング状態判別部の判別結果に基づいて、前記バブリング部を制御する請求項1~6のいずれか一項に記載の基板液処理装置。
  8.  前記気泡データ取得部は、前記処理液に基板が浸されていない状態で取得された前記画像の前記画像処理を行って前記気泡データを取得し、
     前記バブリング制御部は、前記バブリング状態判別部の判別結果に基づいて、基板が浸されている前記処理液中に気体を送り出すように前記バブリング部を制御する請求項7に記載の基板液処理装置。
  9.  前記気泡データ取得部は、前記処理液に第1基板が浸されている状態で取得された前記画像の前記画像処理を行って前記気泡データを取得し、
     前記バブリング制御部は、前記バブリング状態判別部の判別結果に基づいて、前記第1基板が前記処理槽から取り出された後に前記処理槽に導入される第2基板が浸されている前記処理液中に気体を送り出すように、前記バブリング部を制御する請求項7に記載の基板液処理装置。
  10.  前記気泡データ取得部は、前記処理液に基板が浸されている状態で取得された前記画像の前記画像処理を行って前記気泡データを取得し、
     前記バブリング制御部は、前記バブリング状態判別部の判別結果に基づいて、前記基板が浸されている前記処理液中に気体を送り出すように、前記バブリング部を制御する請求項7に記載の基板液処理装置。
  11.  前記処理槽の前記内部の前記処理液に、水平方向に異なる位置から、気体を送り出す第1バブリング部及び第2バブリング部と、
     前記第1バブリング部及び前記第2バブリング部を制御するバブリング制御部と、を備え、
     前記画像処理部は、前記気泡データに基づいて前記気体の前記処理液中における状態を判別するバブリング状態判別部を含み、
     前記バブリング制御部は、前記バブリング状態判別部の判別結果に基づいて、前記第1バブリング部及び前記第2バブリング部を制御する請求項1~3のいずれか一項に記載の基板液処理装置。
  12.  前記処理槽の前記内部において、前記第1バブリング部が気体を吐出する箇所及び前記第2バブリング部が気体を吐出する箇所は、基板が配置される位置を基準にして、お互いに反対側に位置する請求項11に記載の基板液処理装置。
  13.  前記バブリング制御部は、前記バブリング状態判別部の判別結果をリファレンスモデルに照らし合わせることによって制御を行い、
     前記リファレンスモデルは、前記処理液中への気体の送り出し量、前記処理液の濃度、及び前記処理液の温度に基づいて定められる請求項7~12のいずれか一項に記載の基板液処理装置。
  14.  前記バブリング制御部は、前記バブリング状態判別部の判別結果をリファレンテーブルに照らし合わせることによって制御を行い、
     リファレンステーブルは、前記気体の前記処理液中における状態と、前記処理液中への気体の送り出し量とを関連付ける請求項7~12のいずれか一項に記載の基板液処理装置。
  15.  前記気泡データは、気泡の個数、密度及びサイズのうちの少なくとも1以上に関するデータを含む請求項1~14のいずれか一項に記載の基板液処理装置。
  16.  前記気泡データ取得部は、前記画像のグレイ値に基づいて前記気泡データを取得する請求項1~15のいずれか一項に記載の基板液処理装置。
  17.  前記撮像部は、上方から、前記処理槽の前記内部の前記画像を取得する請求項1~16のいずれか一項に記載の基板液処理装置。
  18.  前記撮像部は、側方から、前記処理槽の前記内部の前記画像を取得する請求項1~16のいずれか一項に記載の基板液処理装置。
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