以下に、本願に係る基板処理装置および基板処理方法を実施するための形態(以下、「実施形態」と記載する)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る基板処理装置および基板処理方法が限定されるものではない。また、各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
(第1の実施形態)
〔1.基板処理装置の構成〕
まず、第1の実施形態に係る基板処理装置の構成について図1を参照して説明する。図1は、第1の実施形態に係る基板処理装置の模式平面図である。以下では、位置関係を明確にするために、互いに直交するX軸、Y軸およびZ軸を規定し、Z軸正方向を鉛直上向き方向とする。
図1に示すように、第1の実施形態に係る基板処理装置1は、キャリア搬入出部2と、ロット形成部3と、ロット載置部4と、ロット搬送部5と、ロット処理部6と、制御部100とを有する。
キャリア搬入出部2は、複数枚(例えば、25枚)の基板(シリコンウエハ)8を水平姿勢で上下に並べて収容したキャリア9の搬入、および搬出を行う。
キャリア搬入出部2には、複数個のキャリア9を載置するキャリアステージ10と、キャリア9の搬送を行うキャリア搬送機構11と、キャリア9を一時的に保管するキャリアストック12,13と、キャリア9を載置するキャリア載置台14とが設けられている。
キャリア搬入出部2は、外部からキャリアステージ10に搬入されたキャリア9を、キャリア搬送機構11を用いてキャリアストック12や、キャリア載置台14に搬送する。すなわち、キャリア搬入出部2は、ロット処理部6で処理する前の複数枚の基板8を収容するキャリア9を、キャリアストック12や、キャリア載置台14に搬送する。
キャリアストック12は、ロット処理部6で処理する前の複数枚の基板8を収容するキャリア9を、一時的に保管する。
キャリア載置台14に搬送され、ロット処理部6で処理する前の複数枚の基板8を収容するキャリア9からは、後述する基板搬送機構15によって複数枚の基板8が搬出される。
また、キャリア載置台14に載置され、基板8を収容していないキャリア9には、基板搬送機構15から、ロット処理部6で処理した後の複数枚の基板8が搬入される。
キャリア搬入出部2は、キャリア載置台14に載置され、ロット処理部6で処理した後の複数枚の基板8を収容するキャリア9を、キャリア搬送機構11を用いてキャリアストック13や、キャリアステージ10に搬送する。
キャリアストック13は、ロット処理部6で処理した後の複数枚の基板8を一時的に保管する。キャリアステージ10に搬送されたキャリア9は、外部へ搬出される。
ロット形成部3には、複数枚(例えば、25枚)の基板8を搬送する基板搬送機構15が設けられている。ロット形成部3は、基板搬送機構15による複数枚(例えば、25枚)の基板8の搬送を2回行い、複数枚(例えば、50枚)の基板8からなるロットを形成する。
ロット形成部3は、基板搬送機構15を用いて、キャリア載置台14に載置されたキャリア9からロット載置部4へ複数枚の基板8を搬送し、複数枚の基板8をロット載置部4に載置することで、ロットを形成する。
ロットを形成する複数枚の基板8は、ロット処理部6によって同時に処理される。ロットを形成するときは、複数枚の基板8のパターン形成面が互いに対向するようにロットを形成してもよく、また、複数枚の基板8のパターン形成面がすべて一方を向くようにロットを形成してもよい。
また、ロット形成部3は、ロット処理部6で処理が行われ、ロット載置部4に載置されたロットから、基板搬送機構15を用いて複数枚の基板8をキャリア9へ搬送する。
基板搬送機構15は、複数枚の基板8を支持するための基板支持部として、処理前の複数枚の基板8を支持する処理前基板支持部(不図示)と、処理後の複数枚の基板8を支持する処理後基板支持部(不図示)の2種類を有している。これにより、処理前の複数枚の基板8等に付着したパーティクル等が処理後の複数枚の基板8等に転着することを防止することができる。
基板搬送機構15は、複数枚の基板8の搬送途中で、複数枚の基板8の姿勢を水平姿勢から垂直姿勢、および垂直姿勢から水平姿勢に変更する。なお、水平姿勢とは、基板8を寝かせた状態のことをいい、垂直姿勢とは、基板8を起立させた状態のことをいう。
ロット載置部4は、ロット搬送部5によってロット形成部3とロット処理部6との間で搬送されるロットをロット載置台16で一時的に載置(待機)する。
ロット載置部4には、搬入側ロット載置台17と、搬出側ロット載置台18とが設けられている。
搬入側ロット載置台17には、処理前のロットが載置される。搬出側ロット載置台18には、処理後のロットが載置される。
搬入側ロット載置台17および搬出側ロット載置台18において、1ロット分の複数枚の基板8は、垂直姿勢で前後に並べて載置される。
ロット搬送部5は、ロット載置部4とロット処理部6との間や、ロット処理部6の内部間でロットの搬送を行う。
ロット搬送部5には、ロットの搬送を行うロット搬送機構19が設けられている。ロット搬送機構19は、ロット載置部4とロット処理部6とに沿わせて配置したレール20と、ロットを保持しながらレール20に沿って移動する移動体21とを有する。
移動体21には、垂直姿勢で前後に並んだ複数枚の基板8で形成されるロットを保持する基板保持体22が設けられている。
ロット搬送部5は、搬入側ロット載置台17に載置されたロットをロット搬送機構19の基板保持体22で受取り、受取ったロットをロット処理部6に受け渡す。
また、ロット搬送部5は、ロット処理部6で処理されたロットをロット搬送機構19の基板保持体22で受取り、受取ったロットを搬出側ロット載置台18に受け渡す。
さらに、ロット搬送部5は、ロット搬送機構19を用いてロット処理部6の内部においてロットの搬送を行う。
ロット処理部6は、垂直姿勢で前後に並んだ複数枚の基板8で形成されたロットにエッチングや、洗浄や、乾燥などの処理を行う。
ロット処理部6には、ロットにエッチング処理を行うエッチング処理装置23と、ロットの洗浄処理を行う洗浄処理装置24と、基板保持体22の洗浄処理を行う基板保持体洗浄処理装置25と、ロットの乾燥処理を行う乾燥処理装置26とが並べて設けられている。なお、エッチング処理装置23の台数は、1台に限られることはなく、2台以上であってもよい。
エッチング処理装置23は、エッチング用の処理槽27と、リンス用の処理槽28と、基板保持部29,30とを有する。
エッチング用の処理槽27には、エッチング用の処理液(以下、「エッチング液」という)が貯留される。リンス用の処理槽28には、リンス用の処理液(純水等)が貯留される。なお、エッチング用の処理槽27の詳細については後述する。
基板保持部29,30は、ロットを形成する複数枚の基板8を垂直姿勢で前後に並べて保持する。
エッチング処理装置23は、ロット搬送機構19の基板保持体22からロットを基板保持部29で受取り、基板保持部29を降下させることでロットを処理槽27のエッチング液に浸漬させてエッチング処理を行う。
その後、エッチング処理装置23は、基板保持部29を上昇させることでロットを処理槽27から取り出し、基板保持部29からロット搬送機構19の基板保持体22にロットを受け渡す。
そして、ロット搬送機構19の基板保持体22からロットを基板保持部30で受取り、基板保持部30を降下させることによってロットを処理槽28のリンス用の処理液に浸漬させてリンス処理を行う。
その後、エッチング処理装置23は、基板保持部30を上昇させることでロットを処理槽28から取り出し、基板保持部30からロット搬送機構19の基板保持体22にロットを受け渡す。
洗浄処理装置24は、洗浄用の処理槽31と、リンス用の処理槽32と、基板保持部33,34とを有する。
洗浄用の処理槽31には、洗浄用の処理液(SC1等)が貯留される。リンス用の処理槽32には、リンス用の処理液(純水等)が貯留される。基板保持部33,34は、1ロット分の複数枚の基板8を垂直姿勢で前後に並べて保持する。
乾燥処理装置26は、処理槽35と、処理槽35に対して昇降する基板保持部36とを有する。
処理槽35には、乾燥用の処理ガス(IPA(イソプロピルアルコール)等)が供給される。基板保持部36は、1ロット分の複数枚の基板8を垂直姿勢で前後に並べて保持する。
乾燥処理装置26は、ロット搬送機構19の基板保持体22からロットを基板保持部36で受取り、基板保持部36を降下させることによってロットを処理槽35に搬入し、処理槽35に供給した乾燥用の処理ガスでロットの乾燥処理を行う。そして、乾燥処理装置26は、基板保持部36を上昇させ、基板保持部36からロット搬送機構19の基板保持体22に、乾燥処理を行ったロットを受け渡す。
基板保持体洗浄処理装置25は、処理槽37を有し、処理槽37に洗浄用の処理液、および乾燥ガスを供給できるようになっており、ロット搬送機構19の基板保持体22に洗浄用の処理液を供給した後、乾燥ガスを供給することで基板保持体22の洗浄処理を行う。
制御部100は、基板処理装置1の各部(キャリア搬入出部2、ロット形成部3、ロット載置部4、ロット搬送部5、ロット処理部6)の動作を制御する。制御部100は、スイッチなどからの信号に基づいて、基板処理装置1の各部の動作を制御する。
制御部100は、例えばコンピュータからなり、たとえば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、入出力ポートなどを有するマイクロコンピュータや各種の回路を含む。制御部100は、コンピュータで読み取り可能な記憶媒体38を有する。記憶媒体38には、基板処理装置1において実行される各種の処理を制御するプログラムが格納される。
制御部100は、CPUが記憶媒体38に記憶されたプログラムを、ROMを作業領域として使用して実行することによって基板処理装置1の動作を制御する。なお、プログラムは、コンピュータによって読み取り可能な記憶媒体38に記憶されていたものであって、他の記憶媒体から制御部100の記憶媒体38にインストールされたものであってもよい。
コンピュータによって読み取り可能な記憶媒体38としては、例えばハードディスク(HD)、フレキシブルディスク(FD)、コンパクトディスク(CD)、マグネットオプティカルディスク(MO)、メモリカードなどがある。
〔2.処理槽の構成〕
次に、エッチング用の処理槽27の構成について図2を参照し説明する。図2は、第1の実施形態に係るエッチング用の処理槽27の構成を示す図である。
エッチング用の処理槽27では、エッチング液を用いて、基板8上に形成された窒化膜(SiN)と酸化膜(SiO2)のうち、窒化膜のみを選択的にエッチングする。窒化膜のエッチング処理では、エッチング液としてリン酸(H3PO4)水溶液が用いられる。
エッチング用の処理槽27は、内槽45と、外槽46とを備える。また、処理槽27は、循環部50と、気体供給部60と、リン酸水溶液供給部70と、純水供給部80とを備える。
内槽45は、上方が開放され、内部にエッチング液を貯留する。内槽45には、ロット(複数の基板8)が浸漬される。
外槽46は、上方が開放され、内槽45の上部周囲に配置される。外槽46には、内槽45からオーバーフローしたエッチング液が流入する。また、外槽46には、後述するリン酸水溶液供給部70および純水供給部80から、それぞれリン酸水溶液および純水が供給される。
循環部50は、内槽45と外槽46との間でエッチング液を循環させる。循環部50は、循環ライン51と、処理液供給ノズル52と、ポンプ53と、ヒータ54と、フィルタ55とを備える。
循環ライン51は、外槽46と内槽45とを接続する。循環ライン51の一端は、外槽46に接続され、循環ライン51の他端は、内槽45の内部に配置された処理液供給ノズル52に接続される。
ポンプ53、ヒータ54およびフィルタ55は、循環ライン51に設けられる。ポンプ53は、外槽46内のエッチング液を循環ライン51に送り出す。ヒータ54は、循環ライン51を流れるエッチング液を、エッチング処理に適した温度に加熱する。フィルタ55は、循環ライン51を流れるエッチング液から不純物を除去する。なお、ポンプ53、ヒータ54およびフィルタ55は、上流側からこの順番で設けられる。
循環部50は、エッチング液を外槽46から循環ライン51経由で内槽45内へ送る。内槽45内に送られたエッチング液は、内槽45からオーバーフローすることで、再び外槽46へと流出する。このようにして、エッチング液は、内槽45と外槽46との間を循環する。
なお、循環部50は、ヒータ54によってエッチング液を加熱することにより、エッチング液を沸騰状態としてもよい。
気体供給部60は、内槽45の内部に気体を供給することにより、内槽45内のエッチング液に気泡を発生させる。
気体供給部60は、気体供給源61と、気体供給ノズル62と、気体供給ライン63と、第1流量調整器64とを備える。気体供給源61は、気体を貯留するタンクである。ここでは、気体供給源61が窒素を貯留するものとするが、気体供給源61に貯留される気体は、窒素以外の不活性ガス(ヘリウムやアルゴンなど)であってもよいし、不活性ガス以外の気体であってもよい。
気体供給ノズル62は、内槽45の内部に配置される。気体供給ライン63は、気体供給源61と気体供給ノズル62とを接続する。気体供給ライン63は、たとえば開閉弁、流量制御弁、流量計などを含んで構成され、気体供給源61から気体供給ノズル62へ供給される窒素の流量を調整する。
気体供給部60は、上記のように構成され、気体供給源61に貯留された窒素は、気体供給ライン63を介して気体供給ノズル62へ供給される。そして、気体供給ノズル62に供給された窒素は、気体供給ノズル62から窒素の気泡となって内槽45内のエッチング液へ供給される。このようにして、気体供給部60は、内槽45内のエッチング液に気泡を発生させる。
なお、気体供給部60は、より細かい気泡を発生させるために、たとえば多孔質部材からなる気泡発生部を備えていてもよい。
リン酸水溶液供給部70は、リン酸水溶液供給源71と、リン酸水溶液供給ライン72と、第2流量調整器73とを備える。リン酸水溶液供給源71は、リン酸水溶液を貯留するタンクである。リン酸水溶液供給ライン72は、リン酸水溶液供給源71に接続され、リン酸水溶液供給源71から外槽46にリン酸水溶液を供給する。
第2流量調整器73は、たとえば開閉弁、流量制御弁、流量計などを含んで構成され、リン酸水溶液供給源71から外槽46へ供給されるリン酸水溶液の流量を調整する。
純水供給部80は、加熱によってエッチング液から蒸発した水分を補給するために、純水(DIW:Deionized Water)を外槽46に供給する。純水供給部80は、純水供給源81と、純水供給ライン82と、第3流量調整器83とを備える。
純水供給源81は、純水を貯留するタンクである。純水供給ライン82は、純水供給源81と外槽46とを接続し、純水供給源81から外槽46に純水を供給する。第3流量調整器83は、たとえば開閉弁、流量制御弁、流量計などを含んで構成され、純水供給源81から外槽46へ供給される純水の流量を調整する。
〔3.基板保持部の構成〕
次に、基板保持部29の構成について図3を参照して説明する。図3は、第1の実施形態に係る基板保持部29の構成を示す図である。
図3に示すように、基板保持部29は、支持体101と、昇降機構102と、規制部103と、移動機構104とを備える。基板保持部29は、上述した処理槽27の上方に配置される。
支持体101は、複数の支持溝111を有し、起立した状態の複数の基板8を各支持溝111において下方から支持する。ここで、支持体101の構成について図4を参照して説明する。図4は、第1の実施形態に係る支持体101の構成を示す図である。
図4に示すように、支持体101が有する複数の支持溝111は、水平方向(ここでは、Y軸方向)に沿って一定の間隔で設けられる。各支持溝111は、下方に向って漸次幅狭となる略V字形状を有する。このように、支持体101は、複数の支持溝111により形成される櫛歯構造を有する。
複数の基板8は、各支持溝111に対して1枚ずつ支持される。これにより、複数の基板8は、支持溝111の並び方向と同じ方向(Y軸方向)に一定の間隔をあけて並べられた状態で支持体101に支持される。
昇降機構102は、本体部121と、昇降軸122と、駆動部123とを備える。本体部121は、昇降軸122に連結される。昇降軸122は、たとえば、ボールネジ機構におけるネジ軸であり、鉛直方向に沿って延在する。駆動部123は、たとえばモータであり、昇降軸122に沿って本体部121を昇降させる。
昇降機構102は、駆動部123を用いて本体部121を昇降させることにより、本体部121の下部に固定された支持体101を昇降させる。具体的には、昇降機構102は、処理槽27の上方における待機位置と、処理槽27の内部における処理位置との間で、支持体101を昇降させる。
規制部103は、支持体101よりも上方に配置され、支持体101に対する基板8の上方への移動を規制する。
規制部103は、規制部材131と、一端部において規制部材131を支持する支持アーム132とを備え、支持アーム132の他端部は、移動機構104に接続される。規制部103の具体的な構成については、後述する。
移動機構104は、たとえばモータ等を含んで構成される。かかる移動機構104は、基板8の上方への移動を規制することが可能な規制位置(図3中、実線で示す位置)と、規制位置とは異なる非規制位置(図3中、破線で示す位置)との間で、規制部材131を移動させる。ここでは、図3に示すように、規制位置よりも上方の位置を非規制位置としているが、非規制位置は、基板保持部29への複数の基板8の受け渡しを阻害しない位置であればよく、必ずしも規制位置よりも上方の位置であることを要しない。
第1の実施形態において、移動機構104は、支持アーム132を水平軸(Y軸)周りに所定角度回転させることにより、支持アーム132に支持された規制部材131を規制位置と非規制位置との間で移動させる。
たとえば、移動機構104は、規制部103が非規制位置に配置された状態において、規制部103を反時計回りに所定角度回転させることによって規制部材131を規制位置に移動させる。また、移動機構104は、規制部103が規制位置に配置された状態において、規制部103を時計回りに所定角度回転させることによって規制部材131を非規制位置に移動させる。
移動機構104は、支持体101と同様に、昇降機構102の本体部121に固定される。したがって、移動機構104に支持される規制部103は、昇降機構102によって支持体101と一体的に昇降する。
なお、移動機構104は、必ずしも規制部103を回転させる構成であることを要しない。たとえば、移動機構104は、規制部103を鉛直軸に沿って昇降させることにより、規制部材131を規制位置と非規制位置との間で移動させる構成であってもよい。
次に、規制部103の構成について図5および図6を参照して説明する。図5は、第1の実施形態に係る規制部103の構成を示す図である。また、図6は、図5に示すH部の拡大図である。
図5に示すように、規制部材131は、水平方向に沿って延在する棒状の部材である。規制部材131は、支持体101における複数の支持溝111の並び方向、言い換えれば、複数の基板8の並び方向と同一の水平方向であるY軸方向に沿って延在する。
支持アーム132は、規制部材131を水平に支持する棒状の部材であり、規制部材131に対して直交する方向に沿って延在する。規制部材131および支持アーム132は、耐熱性および強度に優れた部材により形成されることが好ましい。たとえば、規制部材131および支持アーム132は、石英により形成される。
規制部材131は、複数の規制溝135を有する。複数の規制溝135は、規制部材131が規制位置(図3中、実線で示す位置)に配置された場合に、支持体101に支持された複数の基板8の各上部を収容することにより、複数の基板8の上方への移動を規制する。
複数の規制溝135は、規制部材131の延在方向(すなわちY軸方向)に沿って形成される。また、複数の規制溝135は、支持体101における複数の支持溝111と同一の間隔で形成される。各規制溝135は、上方に向って漸次幅狭となる略V字形状を有する。
図6に示すように、規制部材131が規制位置に配置された状態において、複数の基板8の各上部は、複数の規制溝135の内部にそれぞれ配置された状態となる。規制部材131は、図6における左側の基板8のように、支持体101に適切に支持された基板8に対して接触しない位置に配置される。
具体的には、規制部材131が規制位置に配置された状態において、規制溝135の上面は、支持体101に適切に支持された基板8の上端位置(以下、支持位置P0と記載する)よりも距離Dだけ上方の位置である当接位置P1に配置される。また、規制溝135の傾斜面も、支持体101に適切に支持された基板8から所定距離離れた位置に配置される。
支持体101に支持された基板8が、支持体101から離れて上方に移動(浮上)したとする(図6における右側の基板8参照)。この場合、基板8は、支持位置P0から距離Dだけ浮き上がった時点で、すなわち、基板8の上端が当接位置P1に到達した時点で、規制溝135の上面に当接して、当接位置P1より上方への移動が規制される。なお、距離Dは、支持体101に形成される支持溝111の深さ未満の距離に設定される。
このように、第1の実施形態に係る基板保持部29は、支持体101に対する基板8の上方への移動を規制する規制部103を備える。これにより、複数の基板8を処理槽27に浸漬させる際あるいは浸漬させた後の処理中において、基板8が浮き上がって支持溝111から外れることを抑制することができる。
また、規制部103は、規制位置に配置された場合に、支持体101に支持された複数の基板8の各上部を収容する複数の規制溝135を有する。かかる構成とすることにより、基板8の上方への移動に加え、基板8の傾斜を規制することができる。これにより、基板8が傾斜することによって基板8間の距離が狭まったり基板8同士が接触したりすることを抑制することができる。すなわち、基板8同士の間隔を一定に保つことができる。
また、規制位置は、支持体101に支持された複数の基板8に接触しない位置であり、規制位置に配置された規制部103は、基板8が支持体101から離れて上方へ移動したときに、かかる基板8の上部に当接することによって基板8の上方への移動を規制する。このように、規制部103は、基板8が支持体101に適切に支持されている場合には基板8に接触しない。したがって、たとえば、基板8を常時押さえ付けておくようにした場合と比較して、基板8と規制部103とが接触することによるパーティクルの発生を抑制することができる。
〔4.基板保持部の動作〕
次に、上述した基板保持部29の具体的な動作について図7および図8を参照して説明する。図7および図8は、基板保持部29の動作説明図である。なお、基板保持部29が備える昇降機構102および規制部103の動作は、制御部100によって制御される。
図7に示すように、エッチング処理装置23では、ロット搬送機構19(図1参照)から基板保持部29に複数の基板8が受け渡される。これにより、複数の基板8は、支持体101に支持された状態、すなわち、垂直に起立した姿勢で、水平方向に一定の間隔で配列された状態となる。その後、制御部100は、移動機構104を制御して、規制部103を非規制位置から規制位置へ移動させる。
このように、基板保持部29は、規制部103を非規制位置と規制位置との間で移動させる移動機構104を備える。これにより、基板保持部29に対する複数の基板8の受け渡しの際に、規制部103を受け渡しの邪魔にならない非規制位置に退避させておくことができる。したがって、基板保持部29に対する複数の基板8の受け渡しを容易に行うことができる。
その後、図8に示すように、制御部100は、昇降機構102を制御して、基板保持部29を処理槽27の内部における処理位置へ移動させる。
処理槽27での処理を終えると、制御部100は、昇降機構102を制御して、基板保持部29を処理位置から待機位置へ移動させる。その後、制御部100は、移動機構104を制御して、規制部103を規制位置から非規制位置へ移動させる。その後、複数の基板8は、基板保持部29からロット搬送機構19へ受け渡される。
このように、制御部100は、支持体101に支持された複数の基板8を処理槽27に貯留されたエッチング液に浸漬させる前に、移動機構104を制御して、規制部103を非規制位置から規制位置へ移動させる。これにより、複数の基板8がエッチング液に接触してから処理位置に到達するまでの間においても、複数の基板8の配列が乱れることを抑制することができる。
なお、制御部100は、複数の基板8がロット搬送機構19へ受け渡された後、次の処理が開始されるまでの間、規制部103を処理槽27内のエッチング液に浸漬させておいてもよい。このようにすることで、規制部103の乾燥によるシリコンの析出を抑制することができる。
ここでは、複数の基板8をエッチング液に浸漬させる前に、規制部103を規制位置へ移動させることとしたが、規制部103を規制位置へ移動させるタイミングは、上記の例に限定されない。たとえば、制御部100は、複数の基板8がエッチング液に接触してから処理位置に到達するまでの間に規制部103を規制位置へ移動させてもよい。また、制御部100は、複数の基板8が処理位置に到達した後で、規制部103を規制位置へ移動させてもよい。
上述してきたように、第1の実施形態に係るエッチング処理装置23(基板処理装置の一例)は、基板保持部29と、処理槽27とを備える。基板保持部29は、複数の基板8を保持する。処理槽27は、エッチング液(処理液の一例)を貯留する。また、基板保持部29は、支持体101と、昇降機構102と、規制部103とを備える。支持体101は、複数の支持溝111を有し、起立した状態の複数の基板8を複数の支持溝111の各々において下方から支持する。昇降機構102は、処理槽27の上方における待機位置と処理槽の内部における処理位置との間で、支持体101を昇降させる。規制部103は、昇降機構102によって支持体101とともに昇降し、支持体101に対する基板8の上方への移動を規制する。
したがって、第1の実施形態に係るエッチング処理装置23によれば、基板8が支持溝111から外れることを抑制することができる。特に、循環部50によって形成されるエッチング液の流れや、気体供給ノズル62から供給される気体によるバブリングあるいはヒータ54によるエッチング液の沸騰によって基板8が支持溝111から外れることを好適に抑制することができる。
さらに、第1の実施形態に係るエッチング処理装置23によれば、規制部103を基板保持部29に設けたことにより、複数の基板8を処理槽27内の処理液に浸漬させる前であっても、支持体101に対する基板8の上方への移動を規制することができる。したがって、複数の基板8がエッチング液に接触してから処理位置に到達するまでの間における複数の基板8の配列の乱れを抑制することができる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。図9A~図9Eは、第2の実施形態に係るエッチング処理装置23の動作説明図である。なお、以下の説明では、既に説明した部分と同様の部分については、既に説明した部分と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図9Aに示すように、処理槽27では、循環部50(図2参照)によって形成されるエッチング液の流れや、気体供給ノズル62(図2参照)から供給される気体によるバブリングによって、内槽45に貯留されたエッチング液が揺れ動いている状態となっている。
そこで、図9Bに示すように、制御部100は、複数の基板8をエッチング液に浸漬させる前に、循環部50および気体供給部60を制御して、循環部50によるエッチング液の流れと気体供給部60によるバブリングを停止するようにしてもよい。具体的には、制御部100は、循環部50に設けられたポンプ53を停止する。また、制御部100は、気体供給部60に設けられた第1流量調整器64を制御して、気体供給源61から供給される気体の流量を0にする。
その後、エッチング液の揺れ動きが収まるまでの所用時間として予め決められた時間が経過した後で、図9Cに示すように、制御部100は、昇降機構102を制御して、複数の基板8を待機位置から処理位置に移動させる。このとき、規制部103は、非規制位置に配置させたままの状態とする。そして、複数の基板8が処理位置に到達すると、図9Dに示すように、制御部100は、移動機構104を制御して、規制部103を非規制位置から規制位置に移動させる。
そして、図9Eに示すように、制御部100は、循環部50および気体供給部60を制御して、循環部50によるエッチング液の循環と気体供給部60によるバブリングを再開させる。
このように、制御部100は、支持体101に支持された複数の基板8を処理槽27に貯留されたエッチング液に浸漬させる前に、循環部50および気体供給部60(供給部の一例)を制御して、処理槽27の内部に供給する流体の流量を下げるようにしてもよい。
これにより、複数の基板8がエッチング液に接触してから処理位置に到達するまでの間における基板8の上方への移動を、規制部103に依らずとも抑制することができる。なお、ここでは、複数の基板8が処理位置に到達した後で、規制部103を規制位置に移動させることとしたが、制御部100は、第1の実施形態と同様、複数の基板8を浸漬させる前に、規制部103を規制位置に移動させてもよい。これにより、複数の基板8がエッチング液に接触してから処理位置に到達するまでの間における複数の基板8の配列の乱れをより確実に抑制することができる。
なお、循環部50によるエッチング液の流れと気体供給部60によるバブリングは、必ずしも完全に停止させることを要しない。すなわち、制御部100は、循環部50を制御して、処理中におけるエッチング液の循環流量よりも少ない流量、具体的には、基板8が揺れない程度の流量でエッチング液を循環させてもよい。また、制御部100は、気体供給部60を制御して、処理中における気体の供給流量よりも少ない流量、具体的には、基板8が揺れない程度の流量で気体を供給させてもよい。
また、ここでは、循環部50および気体供給部60の両方を制御することとしたが、制御部100は、循環部50および気体供給部60のうち一方だけを制御してもよい。たとえば、エッチング液の循環とバブリングとを比較した場合、バブリングの方が、エッチング液をより激しく揺り動かす傾向にある。そこで、制御部100は、複数の基板8をエッチング液に浸漬させる前に、気体供給部60を制御することにより、エッチング液を処理中と同じ流量で循環させつつ、バブリングのみを停止または弱めてもよい。
バブリングのみを停止または弱める場合、制御部100は、バブリングを停止または弱めている間、循環部50のヒータ54を制御して、処理中におけるエッチング液の加熱温度よりも低い温度でエッチング液を加熱するようにしてもよい。これにより、バブリングを停止または弱めることによるエッチング液の温度上昇を抑えることができ、処理槽27内部のエッチング液の温度を均一に保つことができる。なお、内槽45にヒータを設けて、循環部50のヒータ54に代えて、かかるヒータを制御するようにしてもよい。
また、制御部100は、処理後の複数の基板8を処理位置から待機位置に移動させる際にも、エッチング液の循環やバブリングを停止または弱めた後、昇降機構102を制御して、複数の基板8を待機位置へ移動させることとしてもよい。
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について説明する。第3の実施形態では、エッチング液の循環やバブリングを停止または弱めた後、処理槽27内のエッチング液の揺れ動きが収まるまで待機することとしたが、エッチング液の動きを監視し、監視結果に基づいて複数の基板8の浸漬を開始させてもよい。
図10は、第3の実施形態に係るエッチング用の処理槽の構成を示す図である。なお、図10においては、循環部50、気体供給部60、リン酸水溶液供給部70および純水供給部80等の構成を一部省略して示している。
図10に示すように、第3の実施形態に係る処理槽27Aは、内槽45に貯留されたエッチング液の水頭圧を検知する水頭圧センサ90を備える。
水頭圧センサ90は、処理槽27Aに貯留されたエッチング液の動きを監視する監視部の一例であり、気泡管91と、気体供給源92と、給気管93と、検知部94とを備える。
気泡管91は、先端部をエッチング液の液面から露出させた状態で内槽45の内部に挿入される。気体供給源92は、気体を貯留するタンクである。たとえば、気体供給源92は窒素を貯留する。給気管93は、気体供給源92から供給される窒素(パージガス)を気泡管91の先端部に供給する。検知部94は、給気管93の中途部に接続され、気泡管91の先端部に印加される水頭圧(内槽45内のエッチング液の水頭圧)に相当するパージガスの背圧を測定する。検知部94による検知結果は、制御部100Aに出力される。
なお、水頭圧センサ90は、必ずしも上述した構成であることを要さず、処理槽27Aに貯留されたエッチング液の水頭圧を検知することができれば、他の構成であってもよい。
図11は、第3の実施形態における基板保持部29の制御手順を示すフローチャートである。なお、図11には、複数の基板8の降下を開始させるまでの制御手順を示している。
図11に示すように、制御部100Aは、まず、エッチング液の循環およびバブリングの少なくとも一方を停止または弱める供給制御処理を行う(ステップS101)。
つづいて、制御部100Aは、水頭圧センサ90による検知結果に基づき、処理槽27Aに貯留された処理液に基板8を浸漬可能であるか否かを判定する(ステップS102)。たとえば、制御部100Aは、検知部94から入力される背圧の値が閾値以下となった場合、または、検知部94から入力される背圧の値の単位時間当たりの変動量(最大値および最小値の差)が閾値以下となった場合に、浸漬可能であると判定する。制御部100Aは、検知部94から入力される背圧の値が閾値以下となるまで、または、検知部94から入力される背圧の値の単位時間当たりの変動量が閾値以下となるまで、ステップS102の判定処理を繰り返す(ステップS102,No)。
一方、ステップS102において浸漬可能であると判定した場合(ステップS102,Yes)、制御部100Aは、昇降機構102を制御して、複数の基板8の降下を開始させる(ステップS103)。
なお、ここでは、処理槽27Aに貯留されたエッチング液の動きを監視する監視部の一例として水頭圧センサ90を挙げたが、監視部は、たとえば、CCDカメラ等の撮像部でもよい。この場合、撮像部は、処理槽27Aの上方から処理槽27A内のエッチング液の液面を撮像する。制御部100Aは、撮像部から入力される画像データに基づき、処理槽27Aに貯留された処理液に基板8を浸漬可能であるか否かを判定する。たとえば、制御部100Aは、エッチング液の液面の画像の単位時間当たりの変化量が閾値以下となった場合に、浸漬可能であると判定することができる。
このように、制御部100Aは、水頭圧センサ90または撮像部(監視部の一例)による監視結果に基づき、複数の基板8を処理槽27Aに貯留された処理液に浸漬可能であると判定した判定した場合に、昇降機構102を制御して、支持体101に支持された複数の基板8を処理位置へ移動させてもよい。これにより、処理槽27A内のエッチング液の揺れ動きが十分に収まる前に、複数の基板8の処理位置への降下を開始させてしまうことを防止することができる。
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態について説明する。第4の実施形態では、規制部103が有する規制部材131の他の形態について図12~図14を参照して説明する。図12~図14は、第4の実施形態における第1~第3の変形例に係る規制部材の構成を示す図である。
図12に示すように、第4の実施形態における第1の変形例に係る規制部103Bは、規制部材131Bを備える。規制部材131Bは、当接部材133と、支持部材134と、複数の締結部材136とを備える。
当接部材133は、複数の規制溝135を有し、支持体101(図3参照)から離れて上方へ移動した基板8の上部に当接する。当接部材133は、樹脂により形成される。樹脂としては、たとえば、PTFE(polytetrafluoroethylene)が用いられる。
支持部材134は、支持アーム132によって水平に支持され、当接部材133を水平に支持する。支持部材134は、石英により形成される。
締結部材136は、たとえばネジであり、当接部材133および支持部材134に形成されたネジ穴(図示せず)に挿通されることにより、当接部材133を支持部材134に固定する。
このように、第1の変形例に係る規制部材131Bでは、基板8の上部に当接する部分を樹脂で形成することとした。これにより、基板8の上部に当接する部分を石英で形成した場合と比較して、当接部材133と基板8の上部とが接触することによるパーティクルの発生を抑制することができる。また、規制部材131Bは、樹脂で形成された当接部材133を石英で形成された支持部材134で支持する構成としたため、規制部材131Bの全てを樹脂で形成する場合と比較して、規制部材131Bの強度を維持しつつ、パーティクルの発生を抑制することができる。
図13に示すように、第2の変形例に係る規制部103Cは、規制部材131Cを備える。規制部材131Cは、当接部材137と、支持部材138とを備える。
当接部材137は、複数の規制溝135を有し、支持体101(図3参照)から離れて上方へ移動した基板8の上部に当接する。当接部材137は、複数の規制溝135の並び方向に沿って延在する挿通孔137aを有する。挿通孔137aの断面形状は、ここでは円形とするが、これに限らず角形であってもよい。当接部材137は、PTFE等の樹脂により形成される。
支持部材138は、支持アーム132によって水平に支持され、当接部材137の挿通孔137aに挿通されることにより、当接部材137を水平に支持する。支持部材138は、当接部材137の挿通孔137aの形状に合わせて丸棒状または角棒状に形成される。また、支持部材134は、石英により形成される。
このように、第2の変形例に係る規制部材131Cは、当接部材137に設けた挿通孔137aに支持部材138を挿通させることによって、当接部材137を支持部材138に固定することとした。これにより、締結部材136により両者を固定する第1の変形例に係る規制部材131Bと比較して、当接部材137が受ける負荷を支持部材138全体に分散させることができ、熱変形を生じさせにくくすることができる。
図14に示すように、第3の変形例に係る規制部103Dは、規制部材131Dを備える。規制部材131Dは、当接部材140と、支持部材139と、複数の締結部材141とを備える。
当接部材140は、上述した当接部材133,137と異なり、複数の規制溝135を有していない。かかる当接部材140は、規制位置に配置された状態における下面である当接面において、支持体101から離れて上方へ移動した基板8の上部と当接する。当接面は、たとえば、平坦面であってもよいし、下方に突出した湾曲面であってもよい。当接部材140は、PTFE等の樹脂により形成される。
支持部材139は、支持アーム132によって水平に支持され、当接部材140を水平に支持する。支持部材139は、石英により形成される。締結部材141は、たとえばネジであり、当接部材140および支持部材139に形成されたネジ穴(図示せず)に挿通されることにより、当接部材140を支持部材139に固定する。
このように、第3の変形例に係る規制部材131Dでは、複数の規制溝135を有しない構成とした。かかる構成によっても、基板8が浮き上がって隣の基板8の載置場所へ移動することを防止することが可能である。また、規制溝135を有する構成と比較して、基板8との接触によるパーティクルの発生を少なく抑えることができる。
ここでは、第1の変形例に係る当接部材133から複数の規制溝135を除いた形状を例に挙げて説明したが、複数の規制溝135を有しない規制部材の構成は、上記の例に限定されない。たとえば、複数の規制溝135を有しない規制部材は、第2の変形例に係る当接部材137から複数の規制溝135を除いた構成であってもよいし、第1の実施形態に係る規制部材131から複数の規制溝135を除いた構成であってもよい。
(その他の実施形態)
上述した各実施形態では、規制部材が、規制位置において、支持体101に適切に支持された基板8から離隔した位置に配置されることとしたが、規制部材は、支持体101に適切に支持された基板8の上部に当接する位置に配置されてもよい。これにより、基板8の上方への移動をより確実に規制することができる。
また、ここでは、エッチング処理用の処理槽27に対して複数の基板8を浸漬させる基板保持部29に規制部103を設けることとしたが、リンス用の処理槽28に対して複数の基板8を浸漬させる基板保持部30や、洗浄処理装置24が備える基板保持部33,34に対して規制部103を設けてもよい。また、ここでは、エッチング処理の一例として、リン酸水溶液を用いて、基板8上に形成された窒化膜(SiN)と酸化膜(SiO2)のうち、窒化膜のみを選択的にエッチングする処理を挙げて説明したが、エッチング処理は、上記の例に限定されない。
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。