JP2022096485A - 作業車両 - Google Patents

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浩史 加茂田
Hiroshi Kamoda
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Abstract

Figure 2022096485000001
【課題】安全フレームが折り畳み姿勢であっても転倒を防止して安全に作業を行うこと。
【解決手段】実施形態に係る作業車両は、起立姿勢および折り畳み姿勢が切り替え可能な安全フレームを備える作業車両であって、操舵輪および駆動輪と、駆動輪への回転動力を発生するエンジンと、エンジンの回転数を検出するエンジン回転数センサと、エンジンの回転数を制御する制御部と、安全フレームが起立姿勢および折り畳み姿勢のいずれであるかを検出する安全フレームセンサと、操舵輪の操舵角を検出する操舵輪切れ角センサとを備える。制御部は、安全フレームセンサが折り畳み姿勢を検出している場合に操舵輪切れ角センサが所定の角度以上の操舵輪の操舵角を検出すると、エンジンの回転数を所定の回転数以下に制限する。
【選択図】図4

Description

本発明は、作業車両に関する。
従来、上部フレームと、下部フレームとを有し、車体に対してこの車体を左右方向に跨ぐように取り付けられ、上部フレームを起立させた状態(起立姿勢)と、折り畳んだ状態(折り畳み姿勢)とに可変するロプス(ROPS:Roll-Over Protective Structure)と呼ばれる安全フレームを備える作業車両がある。このような作業車両は、安全フレームを起立姿勢とすることで転倒しても運転席周りにスペースを形成して、転倒時における運転者の安全を確保する。
また、このような作業車両において、安全フレームの折り畳み姿勢が検知されている状態で、パーキングロックが解除されていることがさらに検知されると、運転者や周囲の作業者に向けて警報を発する技術が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
特許第6646608号公報
ところで、農用トラクタなどの作業車両においては、たとえば、ビニールハウス内や果樹園など、高さ制限がある作業場で作業することがあり、安全フレームを折り畳み姿勢として作業走行することが必要な場合がある。
しかしながら、上記したような従来技術では、安全フレームを折り畳み姿勢として安全に走行するための機能が搭載されていないため、安全フレームを折り畳み姿勢として作業走行すると、転倒するおそれがあり、安全に作業を行うことができないおそれがあった。
実施形態の一態様は、安全フレームが折り畳み姿勢であっても転倒を防止して安全に作業を行うことができる作業車両を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、実施形態に係る作業車両(1)は、転倒時に運転者の安全を確保する構造体であり、起立姿勢および折り畳み姿勢が切り替え可能な安全フレーム(14)を備える作業車両(1)であって、操舵輪(3)および駆動輪(4)と、前記駆動輪(4)への回転動力を発生するエンジン(E)と、前記エンジン(E)の回転数を検出するエンジン回転数センサ(17)と、前記エンジン(E)の回転数を制御する制御部(100)と、前記安全フレーム(14)が前記起立姿勢および前記折り畳み姿勢のいずれであるかを検出する安全フレームセンサ(144)と、前記操舵輪(3)の操舵角を検出する操舵輪切れ角センサ(309)とを備え、前記制御部(100)は、前記安全フレームセンサ(144)が前記折り畳み姿勢を検出している場合に前記操舵輪切れ角センサ(309)が所定の角度以上の前記操舵輪(3)の操舵角を検出すると、前記エンジン(E)の回転数を所定の回転数以下に制限することを特徴とする。
実施形態に係る作業車両によれば、安全フレームが折り畳み姿勢であっても転倒を防止して安全に作業を行うことができる。
図1は、第1実施形態に係る作業車両を示す概略左側面図である。 図2は、第1実施形態に係る作業車両の動力伝達構成の説明図である。 図3は、第1実施形態に係る作業車両における制御系の一例を示すブロック図である。 図4は、第1実施形態における転倒防止制御の処理手順の一例を示すフローチャートである。 図5は、第2実施形態における転倒防止制御の処理手順の一例を示すフローチャートである。 図6は、第3実施形態における転倒防止制御の処理手順の一例を示すフローチャートである。 図7は、第4実施形態における転倒防止制御の処理手順の一例を示すフローチャートである。 図8は、第5実施形態における転倒防止制御の処理手順の一例を示すフローチャートである。
以下、添付図面を参照して本願の開示する作業車両の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
<第1実施形態>
<作業車両(トラクタ)の全体構成>
まず、図1を参照して第1実施形態に係る作業車両1の全体構成について説明する。図1は、第1実施形態に係る作業車両1を示す概略左側面図である。なお、以下では、作業車両1としてトラクタを例に説明する。また、作業車両であるトラクタ1は、自走しながら、圃場の他、ビニールハウス内や果樹園などの作業場で作業(農作業)を行う農用トラクタである。
また、作業車両であるトラクタ1は、運転者(作業者ともいう)が搭乗してトラクタ1を運転することで、作業場を走行しながら所定の作業を行う。
なお、図1を含む各図を用いた説明において、前後方向とは、トラクタ1の直進時における進行方向であり、進行方向の前方側を「前」、後方側を「後」と規定する。トラクタ1の進行方向とは、トラクタ1の直進時において後述する運転席8からステアリングホイール9へと向かう方向である。
また、左右方向とは、前後方向に対して水平に直交する方向である。以下では、「前」側へ向けて左右を規定する。すなわち、運転者が運転席8に着席して前方を向いた状態で、左手側が「左」、右手側が「右」である。上下方向とは、鉛直方向である。前後方向、左右方向および上下方向は、互いに3次元で直交する。なお、以下の説明では、トラクタ1あるいは後述する走行車体2を指して「機体」という場合がある。
図1に示すように、トラクタ1は、走行車体2と、作業機6とを備える。走行車体2は、圃場内の他、ビニールハウス内や果樹園内などを走行可能であり、前輪3と、後輪4とを備える。前輪3は、左右一対で設けられた操舵用の車輪(操舵輪)である。後輪4は、左右一対で設けられた駆動用の車輪(駆動輪)である。なお、走行車体2は、車輪(前輪3および後輪4)に代えてクローラ装置を備えてもよい。この場合は走行クローラが駆動輪である。
駆動輪である後輪4には、ボンネット5内に収容された駆動源であるエンジンEで発生した回転動力が、動力伝達装置12に組み込まれた変速装置(トランスミッション)で適宜減速されて伝達される。駆動輪である後輪4は、エンジンEから伝達された回転動力によって駆動される。
変速装置は、エンジンEから伝達される回転動力を複数(たとえば、1速~8速)の変速段のうちいずれかの変速段に切り替える。また、変速装置のうち主変速装置302(図2参照)は、エンジンEから伝達される回転動力を低速段または高速段のいずれかに切り替える。
走行車体2は、エンジンEで発生し、かつ、主変速装置302などで減速された動力を、たとえば、前輪増速クラッチ(以下、4WDクラッチという)301(図2参照)を介して前輪3にも伝達可能に構成されてもよい。この場合、4WDクラッチ301が動力を伝達すると、エンジンEから伝達される動力によって前輪3および後輪4の四輪が駆動される。このように、走行車体2は、二輪駆動(2WD)と四輪駆動(4WD)とを切り替え可能に構成されてもよい。
走行車体2の後部には、作業を行う作業機6が連結される。走行車体2の後部には、作業機6を駆動する動力を伝達するPTO(Power Take-Off)軸71を有するPTO装置7が設けられる。
また、走行車体2の後部には、作業機6を昇降させる昇降装置13が設けられる。昇降装置13は、作業機6を上昇させることで、作業機6を非作業位置に移動させる。また、昇降装置13は、作業機6を下降させることで、作業機6を作業(対地作業)位置に移動させる。昇降装置13は、油圧式の昇降シリンダ131と、リフトアーム132と、リフトロッド133と、ロワリンク134と、トップリンク135と、リフトアームセンサ136とを備える。
リフトアーム132は、昇降シリンダ131に作動油が供給されると、回動軸まわりに作業機6を上昇させるように回動し、昇降シリンダ131から作動油が排出されると、回動軸まわりに作業機6を下降させるように回動する。リフトアームセンサ136は、リフトアーム132の基部(回動軸付近)に設けられ、リフトアーム132の回動角度を検出する。作業機6の高さは、リフトアームセンサ136の検出値に基づいて検出される。すなわち、リフトアームセンサ136は、作業機6の昇降位置(高さ)を検出する昇降センサである。
また、リフトアーム132は、リフトロッド133を介してロワリンク134に連結される。このように、昇降装置13は、ロワリンク134とトップリンク135とで、走行車体2に対して作業機6を昇降可能に連結する。なお、図1には、作業機6がロータリ耕耘機の場合を例示している。ロータリ耕耘機は、PTO装置7のPTO軸71から伝達される動力によって耕耘爪61が回転することで、作業面(土壌)を耕起する。
走行車体2の中央部には、運転者がトラクタ1を運転する場合に着座する運転席8が設けられる。運転席8の前方には、操舵輪である前輪3を操舵するためのステアリングホイール9が設けられる。ステアリングホイール9付近には、機体を前進、後進および停止(停車)させる場合に操作される前後進操作具(以下、前後進レバーという)10や、作業機6を昇降させる場合に操作される昇降操作具(以下、昇降レバーという)15(図3参照)が設けられる。
また、ステアリングホイール9付近には、機体の後述する作業走行モードと非作業走行モードとを切り替える場合に操作されるモード切り替えスイッチ16(図3参照)などが設けられる。
また、ステアリングホイール9の下方、運転席8に運転者が着座した場合における運転者の足元付近には、各種操作ペダル(アクセルペダル、ブレーキペダル、クラッチペダルなど)が設けられる。また、運転席8付近には、主変速装置302を低速段または高速段に切り替える場合に操作される主変速操作具(以下、主変速レバーという)11が設けられる。なお、運転席8付近には、主変速レバー11の他、副変速レバーなどの各種操作レバーや操作スイッチが設けられる。
トラクタ1は、運転席8まわりが開放されており、運転席8の後方に安全フレーム14を備える。安全フレーム14は、転倒時における運転者の安全を確保するための構造体である。安全フレーム14は、安全フレーム14を機能させるための起立姿勢と、収納姿勢である折り畳み姿勢とに切り替え可能である。
安全フレーム14は、下部フレーム141と、上部フレーム142と、ヒンジ部143と、安全フレームセンサ144とを有する。安全フレーム14は、走行車体2を左右方向に跨ぐように設けられ、全体として、正面視において下方側が開放しているコ字状である。下部フレーム141は、安全フレーム14の基部を構成する。下部フレーム141は、左右一対であり、上下方向に沿って設けられる。上部フレーム142は、左右一対の下部フレーム141に対して左右方向に架設させるように設けられる。
上部フレーム142は、ヒンジ部143を介して下部フレーム141に取り付けられる。ヒンジ部143は、上部フレーム142を回動可能に支持する。上部フレーム142は、ヒンジ部143によって、後方側へ傾倒する。安全フレーム14では、上部フレーム142が起立している状態を起立姿勢とし、上部フレーム142が傾倒している(折り畳まれている)状態を折り畳み姿勢としている。
安全フレームセンサ144は、安全フレーム14が起立姿勢および折り畳み姿勢のいずれの姿勢であるかを検出する。安全フレームセンサ144は、たとえば、ヒンジ部143に設けられ、たとえば、上部フレーム142が起立された場合にONとなることで、安全フレーム14が起立姿勢であるか折り畳み姿勢であるかを検出する。
このように、折り畳み式の安全フレーム14を備えるトラクタ1は、たとえば、ビニールハウス内のような天井の高さが低い場所や、果樹園のような人の背丈ほどの低い位置に果樹の枝がある場所において作業する場合に折り畳み姿勢とすることで、高さ制限がある場所での作業が可能なものである。
また、トラクタ1は、制御部100(図2および図3参照)を備える。制御部100は、エンジンEを制御するとともに、走行車体2の走行速度を制御する。また、制御部100は、作業機6を制御する。
<作業車両(トラクタ)1の動力伝達構成>
次に、図2を参照して作業車両(トラクタ)1の動力伝達構成について説明する。図2は、第1実施形態に係る作業車両(トラクタ)1の動力伝達構成の説明図である。図2に示すように、トラクタ1は、走行車体2の左右両側のそれぞれに、左右の前車軸31L,31Rに取り付けられた前輪3L,3Rと、左右の後車軸41L,41Rに取り付けられた左右の後輪4L,4Rとを備える。
なお、以下の説明では、符号に「L」を付して左側を示し、「R」を付して右側を示しているが、左右を区別する必要が無い場合は、たとえば、「前輪3」、「後輪4」のように「L」や「R」を付していない。
走行車体2の前部には、上記したように、エンジンEが搭載される。エンジンEからの回転動力は動力伝達装置12を介して前輪3や後輪4に伝達される。また、上記したように、トラクタ1は、4WDクラッチ301を備える場合には、4WDクラッチ301の切り替えによって、後輪4のみ駆動する2WD方式と前輪3および後輪4が共に駆動する4WD方式とに切り替え可能に構成される。
後輪4への動力伝達機構としては、エンジンEの後段に、トラクタ1(走行車体2)の前進、後進および停止を前進接続、後進接続および中立で切り替える前後進クラッチ303を介して主変速装置302が配設され、さらに後段に変速装置である副変速装置304が配設され、さらに後段に後輪差動歯車装置305が配設される。また、後輪差動歯車装置305と後輪4とを連結する後車軸41の基部にはそれぞれブレーキ装置306が配設される。後輪4への動力伝達機構には、副変速装置304の後段に設けられたアイドルギヤを介して変速軸307に入力され、4WDクラッチ301、前輪差動歯車装置308を介して前輪3へと動力が伝達される。
制御部100には、操舵輪である前輪3の操舵角(以下、切れ角という)を検出する操舵輪切れ角センサ(以下、前輪切れ角センサという)309が接続される。
後輪4に設けられたブレーキ装置306は、走行車体2に設けられた左右のブレーキペダル311L,311Rを操縦者が踏み込み操作することで、ブレーキシリンダ317が油圧により作用して機能する。すなわち、左後車軸41Lの基部に設けられた左ブレーキ装置306Lが左ブレーキシリンダ317Lに接続され、右後車軸41Rの基部に設けられた右ブレーキ装置306Rが右ブレーキシリンダ317Rに接続される。
左右のブレーキシリンダ317L,317Rは、制御部100に接続された左右のブレーキソレノイド312L,312Rと接続される。このため、制御部100に所定のブレーキ信号が入力されると、制御部100は、ブレーキソレノイド312を駆動して、左右のブレーキ装置306L,306Rのいずれか一方または両方を作動させることができる。なお、ブレーキソレノイド312L,312Rは、たとえば、比例調圧弁313を介して、油圧ポンプ314、リリーフバルブ315などと共に油圧回路を形成する。
また、トラクタ1は、PTOクラッチ316を備える。PTOクラッチ316は、電子制御クラッチであり、作業機6(図1参照)に連結されるPTO軸71への動力を接続または非接続する。PTO軸71には、エンジンEからの回転動力が、PTOクラッチ316によって継断可能に伝達される。
また、PTO軸71は、前段側にPTO変速第1シフタおよびPTO変速第2シフタが設けられ、これら各シフタが操作されることにより、低速から高速でPTO軸71を順回転させることができるとともに、逆転させることもできる。
<作業車両(トラクタ)1の制御系>
次に、図3を参照して作業車両(トラクタ)1の制御系について説明する。図3は、第1実施形態に係る作業車両(トラクタ)1の制御系の一例を示すブロック図である。図3に示すように、制御部100は、エンジンECU(Electronic Control Unit)101と、走行系ECU102と、作業機昇降系ECU103とを備える。
エンジンECU101は、エンジンEの回転数を制御する。走行系ECU102は、駆動輪(後輪4)の回転を制御することで、走行車体2(図1参照)の走行速度を制御する。作業機昇降系ECU103は、昇降装置13を制御して作業機6を昇降駆動する。
なお、制御部100は、CPU(Central Processing Unit)などの処理装置や、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)などの記憶装置、さらには、入出力装置が設けられたコンピュータなどである。
制御部100には、エンジンEの回転数を検出するエンジン回転数センサ17、前輪3(図2参照)の切れ角を検出する前輪切れ角センサ309、作業機6の高さを検出するリフトアームセンサ136、昇降装置13による作業機6の昇降位置を変更する場合に操作される昇降レバー15、作業走行モードおよび非作業走行モードを切り替えるモード切り替えスイッチ16、前後進クラッチ303を前進接続、後進接続および中立とする場合に操作される前後進レバー10、安全フレーム14の姿勢を検出する安全フレームセンサ144が電気的に接続される。
制御部100には、エンジン回転数センサ17、前輪切れ角センサ309、リフトアームセンサ136、安全フレームセンサ144からそれぞれ検出信号(エンジンEの回転数、前輪3の切れ角の角度、作業機6の高さ、安全フレーム14が起立姿勢か折り畳み姿勢かの判定信号など)が入力され、昇降レバー15、前後進レバー10からそれぞれ操作信号が入力され、モード切り替えスイッチ16から切り替え信号(作業走行モードか非作業走行モードかの判定信号)が入力される。制御部100には、上記したセンサなどの他、図示しない車速センサや変速センサ、副変速操作具(副変速レバー)などが接続される。
また、制御部100においては、エンジンECU101がエンジンEに接続され、走行系ECU102が主変速装置302などの動力伝達装置12に接続され、作業機昇降系ECU103が昇降装置13に接続される。
エンジンECU101は、エンジンEに向けて回転制御信号を出力する。走行系ECU102は、主変速装置302などに向けて変速段切替制御信号を出力する。作業機昇降系ECU103は、昇降装置13に向けて作業機昇降信号を出力する。昇降装置13は、作業機昇降系ECU103から出力された作業機昇降信号に基づいて作業機6を昇降させる。
また、制御部100は、4WDクラッチ301を作動させて前輪3への回転動力伝達の減速比を切り替えることで前輪3の回転数を増加(たとえば、倍増)させる前輪増速モードを実行可能である。制御部100は、前輪増速モードにおいて、前輪切れ角センサ309が所定の角度以上の前輪3の切れ角を検出すると、4WDクラッチ301を作動させて旋回速度を上昇させる。
また、制御部100は、トラクタ1の制御設定を作業時の走行に適した設定とする作業走行モードを実行可能である。また、制御部100は、トラクタ1の制御設定を非作業時の走行(たとえば、路上走行)に適した設定とする非作業走行モードを実行可能である。なお、モード切り替えスイッチ16の操作によって、作業走行モードと非作業走行モードとの切り替えを行うことができる。
ここで、トラクタ1は、上記したように、圃場の他、ビニールハウス内や果樹園などの高さ制限がある作業場で作業する場合がある。この場合、安全フレーム14を起立姿勢として走行すると、機体から上方へ突出している安全フレーム14がビニールハウスの天井や果樹の枝に引っ掛かってしまい、作業効率が低下するとともに、ビニールハウスや果樹、あるいはトラクタ1が損傷するおそれがある。このため、ビニールハウス内や果樹園などの高さ制限がある作業場では安全フレーム14を折り畳み姿勢として作業走行することが好ましいが、転倒した場合の安全性を確保できないおそれがある。
本実施形態では、安全フレーム14が折り畳み姿勢の場合の転倒防止制御を実行することで、安全フレーム14を折り畳み姿勢として作業走行しても、安全性を確保することができる。なお、安全フレーム14が折り畳み姿勢の場合の転倒防止制御は、運転席8付近のスイッチ類によって行うように構成されてもよい。
<第1実施形態における転倒防止制御>
次に、図4を参照して第1実施形態における転倒防止制御の処理手順について説明する。図4は、第1実施形態における転倒防止制御の処理手順の一例を示すフローチャートである。ビニールハウス内や果樹園などの高さ制限がある作業場でトラクタ1が作業走行する場合、図4に示すように、制御部100は、安全フレーム14が折り畳み姿勢であるか否かを判定する(ステップS101)。
制御部100は、安全フレームセンサ144によって安全フレーム14が折り畳み姿勢であることが検出されると、すなわち、安全フレーム14が折り畳み姿勢であると判定すると(ステップS101:Yes)、操舵輪である前輪3の切れ角が、旋回となる所定の角度以上であるか否かを判定する(ステップS102)。
制御部100は、前輪切れ角センサ309によって所定の角度以上の前輪3の切れ角が検出されると、すなわち、前輪3の切れ角が所定の角度以上であると判定すると(ステップS102:Yes)、走行速度を低速に制限するように、エンジンEの回転数を所定の回転数以下に制限する(ステップS103)。なお、制御部100は、エンジン回転数センサ17の検出結果に基づいて、エンジンEの回転数を制御する。
また、制御部100は、ステップS101の処理において、安全フレーム14が折り畳み姿勢でないと判定すると(ステップS101:No)、この場合は安全フレーム14が起立姿勢であり、転倒防止制御が不要であるため、転倒防止制御を直ちに終了する。
また、制御部100は、ステップS102の処理において、前輪3の切れ角が所定の角度未満である(所定の角度以上でない)と判定すると(ステップS102:No)、前輪3の切れ角が所定の角度以上を判定するまで、ステップS102の処理を繰り返す。
また、制御部100は、ステップS101の処理で安全フレーム14が折り畳み姿勢であると判定した場合には、運転席8前方のメータパネルなどに安全フレーム14が折り畳み姿勢であることを表示(警告)する。また、制御部100は、ステップS103の処理でエンジンEの回転数を所定の回転数以下に制限した場合にも、メータパネルなどに走行速度が制限されていることを表示(警告)する。
このように、第1実施形態に係るトラクタ1によれば、安全フレーム14が折り畳み姿勢の状態で転倒した場合は運転者が危険であるため、エンジンEの回転数を所定の回転数以下に制限して旋回速度を規制することにより、転倒を防止することができる。これにより、安全に作業を行うことができる。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態に係る作業車両(トラクタ)1について説明する。なお、第2実施形態は、上記した第1実施形態とは転倒防止制御において異なるものである。また、第2実施形態は、上記した第1実施形態と同等の全体構成である。このため、以下では、各部の構成に関する説明は省略するが、必要に応じて第1実施形態と同等の符号を用いて説明する。
<第2実施形態における転倒防止制御>
図5を参照して第2実施形態における転倒防止制御の処理手順について説明する。図5は、第2実施形態における転倒防止制御の処理手順の一例を示すフローチャートである。ビニールハウス内や果樹園などの高さ制限がある作業場でトラクタ1が作業走行する場合、図5に示すように、制御部100は、安全フレーム14が折り畳み姿勢であるか否かを判定する(ステップS201)。
制御部100は、安全フレームセンサ144によって安全フレーム14が折り畳み姿勢であることが検出されると、すなわち、安全フレーム14が折り畳み姿勢であると判定すると(ステップS201:Yes)、操舵輪である前輪3の切れ角が、旋回となる所定の角度以上であるか否かを判定する(ステップS202)。
制御部100は、前輪切れ角センサ309によって所定の角度以上の前輪3の切れ角が検出されると、すなわち、前輪3の切れ角が所定の角度以上であると判定すると(ステップS202:Yes)、走行速度を低速に制限するように、エンジンEの回転数を所定の回転数以下に制限する(ステップS203)。なお、制御部100は、エンジン回転数センサ17の検出結果に基づいて、エンジンEの回転数を制御する。
制御部100は、ステップS203の処理と共に、主変速装置302の高速段への切り替えを禁止する(ステップS204)。この場合、制御部100は、主変速レバー11の位置によらず、低速段に維持する。また、この場合、制御部100は、主変速レバー11が所定の変速位置未満となる位置に操作されると、主変速レバー11の位置にあわせて変速する。
また、制御部100は、ステップS201の処理において、安全フレーム14が折り畳み姿勢でないと判定すると(ステップS201:No)、この場合は安全フレーム14が起立姿勢であり、転倒防止制御が不要であるため、転倒防止制御を直ちに終了する。
また、制御部100は、ステップS202の処理において、前輪3の切れ角が所定の角度未満である(所定の角度以上でない)と判定すると(ステップS202:No)、前輪3の切れ角が所定の角度以上を判定するまで、ステップS202の処理を繰り返す。
また、制御部100は、ステップS201の処理で安全フレーム14が折り畳み姿勢であると判定した場合には、運転席8前方のメータパネルなどに安全フレーム14が折り畳み姿勢であることを表示(警告)する。また、制御部100は、ステップS203の処理でエンジンEの回転数を所定の回転数以下に制限した場合にも、メータパネルなどに走行速度が制限されていることを表示(警告)する。
また、制御部100は、ステップS204の処理を行った場合には、メータパネルなどにおいて主変速装置302が低速段に維持されていることを表示(警告)する。
また、制御部100は、転倒防止制御の後に安全フレーム14が起立姿勢であることが検出された場合も、主変速レバー11の位置によらず、低速段に維持する。これにより、車速が急上昇してしまうのを防止することができる。なお、低速段の維持を解除する場合は、たとえば、所定時間が経過することで解除するように構成されてもよいし、運転者の手動操作で解除するように構成されてもよい。
このように、第2実施形態に係るトラクタ1によれば、安全フレーム14が折り畳み姿勢の状態で転倒した場合は運転者が危険であるため、主変速装置302の高速段への切り替えを禁止して最高速度を制限する。このように、最高速度を制限することで走行速度を規制することにより、転倒を防止することができる。これにより、さらに安全に作業を行うことができる。
なお、上記した第2実施形態では、安全フレームセンサ144が折り畳み姿勢を検出している場合には、エンジンEの回転数を所定の回転数以下に制限するとともに主変速装置302の高速段への切り替えを禁止するが、たとえば、安全フレームセンサ144が折り畳み姿勢を検出している場合に主変速装置302の高速段への切り替えの禁止のみを行う構成としてもよい。このような構成としても、最高速度を制限することで走行速度を規制して転倒を防止することができ、安全に作業を行うことができる。
<第3実施形態>
次に、第3実施形態に係る作業車両(トラクタ)1について説明する。なお、第3実施形態は、上記した第1、第2実施形態とは転倒防止制御において異なるものである。また、第3実施形態は、上記した第1、第2実施形態と同等の全体構成である。このため、以下では、各部の構成に関する説明は省略するが、必要に応じて第1、第2実施形態と同等の符号を用いて説明する。
<第3実施形態における転倒防止制御>
図6を参照して第3実施形態における転倒防止制御の処理手順について説明する。図6は、第3実施形態における転倒防止制御の処理手順の一例を示すフローチャートである。ビニールハウス内や果樹園などの高さ制限がある作業場でトラクタ1が作業走行する場合、図6に示すように、制御部100は、安全フレーム14が折り畳み姿勢であるか否かを判定する(ステップS301)。
制御部100は、安全フレームセンサ144によって安全フレーム14が折り畳み姿勢であることが検出されると、すなわち、安全フレーム14が折り畳み姿勢であると判定すると(ステップS301:Yes)、操舵輪である前輪3の切れ角が、旋回となる所定の角度以上であるか否かを判定する(ステップS302)。
制御部100は、前輪切れ角センサ309によって所定の角度以上の前輪3の切れ角が検出されると、すなわち、前輪3の切れ角が所定の角度以上であると判定すると(ステップS302:Yes)、走行速度を低速に制限するように、エンジンEの回転数を所定の回転数以下に制限する(ステップS303)。なお、制御部100は、エンジン回転数センサ17の検出結果に基づいて、エンジンEの回転数を制御する。
また、制御部100は、ステップS303の処理と共に、前輪増速モードが実行されているか否かを判定する(ステップS304)。制御部100は、前輪増速モードが実行されていると判定すると(ステップS304:Yes)、4WDクラッチ301の作動を制限(たとえば、禁止)する(ステップS305)。この場合、制御部100は、前輪3の回転数を後輪4の回転数に対して同等とする。
また、制御部100は、ステップS301の処理において、安全フレーム14が折り畳み姿勢でないと判定すると(ステップS301:No)、この場合は安全フレーム14が起立姿勢であり、転倒防止制御が不要であるため、転倒防止制御を直ちに終了する。
また、制御部100は、ステップS302の処理において、前輪3の切れ角が所定の角度未満である(所定の角度以上でない)と判定すると(ステップS302:No)、前輪3の切れ角が所定の角度以上を判定するまで、ステップS302の処理を繰り返す。
また、制御部100は、ステップS304の処理において、前輪増速モードが実行されていないと判定すると(ステップS304:No)、ステップS305の処理をスキップする。
また、制御部100は、ステップS301の処理で安全フレーム14が折り畳み姿勢であると判定した場合には、運転席8前方のメータパネルなどに安全フレーム14が折り畳み姿勢であることを表示(警告)する。また、制御部100は、ステップS303の処理でエンジンEの回転数を所定の回転数以下に制限した場合にも、メータパネルなどに走行速度が制限されていることを表示(警告)する。
また、制御部100は、ステップS305の処理で4WDクラッチ301の作動を制限している場合には、メータパネルなどにおいて4WDクラッチ301の作動を制限していることを表示(警告)する。
このように、第3実施形態に係るトラクタ1によれば、安全フレーム14が折り畳み姿勢の状態で転倒した場合は運転者が危険であるため、前輪増速モードが実行されていても、4WDクラッチ301の作動を制限して旋回速度の上昇を規制することにより、転倒を防止することができる。これにより、さらに安全に作業を行うことができる。
なお、上記した第3実施形態では、安全フレームセンサ144が折り畳み姿勢を検出している場合には、エンジンEの回転数を所定の回転数以下に制限するとともに、前輪増速モードが実行されていると4WDクラッチ301の作動を制限するが、たとえば、安全フレームセンサ144が折り畳み姿勢を検出している場合に、前輪増速モードが実行されている場合の4WDクラッチ301の制限のみを行う構成としてもよい。このような構成としても、4WDクラッチ301の作動を制限することで旋回速度の上昇を規制して転倒を防止することができ、安全に作業を行うことができる。
また、上記した第3実施形態において、安全フレームセンサ144が折り畳み姿勢を検出している場合の処理に、主変速装置302の高速段への切り替えを禁止する処理(図5のステップS204の処理)がさらに組み込まれてもよい。
<第4実施形態>
次に、第4実施形態に係る作業車両(トラクタ)1について説明する。なお、第4実施形態は、上記した第1~第3実施形態とは転倒防止制御において異なるものである。また、第4実施形態は、上記した第1~第3実施形態と同等の全体構成である。このため、以下では、各部の構成に関する説明は省略するが、必要に応じて第1~第3実施形態と同等の符号を用いて説明する。
<第4実施形態における転倒防止制御>
図7を参照して第4実施形態における転倒防止制御の処理手順について説明する。図7は、第4実施形態における転倒防止制御の処理手順の一例を示すフローチャートである。ビニールハウス内や果樹園などの高さ制限がある作業場でトラクタ1が作業走行する場合、図7に示すように、制御部100は、安全フレーム14が折り畳み姿勢であるか否かを判定する(ステップS401)。
制御部100は、安全フレームセンサ144によって安全フレーム14が折り畳み姿勢であることが検出されると、すなわち、安全フレーム14が折り畳み姿勢であると判定すると(ステップS401:Yes)、操舵輪である前輪3の切れ角が、旋回となる所定の角度以上であるか否かを判定する(ステップS402)。
制御部100は、前輪切れ角センサ309によって所定の角度以上の前輪3の切れ角が検出されると、すなわち、前輪3の切れ角が所定の角度以上であると判定すると(ステップS402:Yes)、走行速度を低速に制限するように、エンジンEの回転数を所定の回転数以下に制限する(ステップS403)。なお、制御部100は、エンジン回転数センサ17の検出結果に基づいて、エンジンEの回転数を制御する。
また、制御部100は、ステップS403の処理と共に、昇降レバー15が所定の高さ以上に作業機6を上昇させるよう操作されたか否かを判定する(ステップS404)。制御部100は、昇降レバー15が所定の高さ以上に作業機6を上昇させるよう操作されたと判定すると(ステップS404:Yes)、作業機6の所定の高さ以上への上昇を禁止する(ステップS405)。この場合、制御部100は、昇降レバー15の位置によらず、作業機6の所定の高さ以上への上昇を禁止する。また、この場合、制御部100は、昇降レバー15が、作業機6が所定の高さ未満となる位置に操作されると、昇降レバー15の位置にあわせて作業機6を上昇させる。
また、制御部100は、ステップS401の処理において、安全フレーム14が折り畳み姿勢でないと判定すると(ステップS401:No)、この場合は安全フレーム14が起立姿勢であり、転倒防止制御が不要であるため、転倒防止制御を直ちに終了する。
また、制御部100は、ステップS402の処理において、前輪3の切れ角が所定の角度未満である(所定の角度以上でない)と判定すると(ステップS402:No)、前輪3の切れ角が所定の角度以上を判定するまで、ステップS402の処理を繰り返す。
また、制御部100は、ステップS404の処理において、昇降レバー15が所定の高さ以上に作業機6を上昇させるよう操作されていないと判定すると(ステップS404:No)、ステップS305の処理をスキップする。
また、制御部100は、ステップS401の処理で安全フレーム14が折り畳み姿勢であると判定した場合には、運転席8前方のメータパネルなどに安全フレーム14が折り畳み姿勢であることを表示(警告)する。また、制御部100は、ステップS403の処理でエンジンEの回転数を所定の回転数以下に制限した場合にも、メータパネルなどに走行速度が制限されていることを表示(警告)する。
また、制御部100は、ステップS405の処理で作業機6の所定の高さ以上への上昇を禁止している場合には、メータパネルなどにおいて作業機6の所定の高さ以上への上昇を禁止していることを表示(警告)する。
このように、第4実施形態に係るトラクタ1によれば、安全フレーム14が折り畳み姿勢の状態で転倒した場合は運転者が危険であるため、昇降レバー15によって所定の高さ以上に作業機6を上昇させるように操作されても、作業機6の所定の高さ以上の上昇を禁止して重心の上昇を抑えることにより、転倒を防止することができる。これにより、さらに安全に作業を行うことができる。
なお、上記した第4実施形態では、安全フレームセンサ144が折り畳み姿勢を検出している場合には、エンジンEの回転数を所定の回転数以下に制限するとともに、昇降レバー15が所定の高さ以上に作業機6を上昇させるよう操作されても作業機6の所定の高さ以上への上昇を禁止するが、たとえば、安全フレームセンサ144が折り畳み姿勢を検出している場合に、昇降レバー15が所定の高さ以上に作業機6を上昇させるよう操作された場合の作業機6の所定の高さ以上への上昇の禁止のみを行う構成としてもよい。このような構成としても、作業機6の所定の高さ以上の上昇を禁止して重心の上昇を抑えて転倒を防止することができ、安全に作業を行うことができる。
また、上記した第4実施形態において、安全フレームセンサ144が折り畳み姿勢を検出している場合の処理に、主変速装置302の高速段への切り替えを禁止する処理(図5のステップS204の処理)、前輪増速モードが実行されていると4WDクラッチ301の作動を制限する処理(図6のステップS304、ステップS305の処理)の少なくともいずれかの処理がさらに組み込まれてもよい。
<第5実施形態>
次に、第5実施形態に係る作業車両(トラクタ)1について説明する。なお、第5実施形態は、上記した第1~第4実施形態とは転倒防止制御において異なるものである。また、第5実施形態は、上記した第1~第4実施形態と同等の全体構成である。このため、以下では、各部の構成に関する説明は省略するが、必要に応じて第1~第4実施形態と同等の符号を用いて説明する。
<第5実施形態における転倒防止制御>
図8を参照して第4実施形態における転倒防止制御の処理手順について説明する。図8は、第5実施形態における転倒防止制御の処理手順の一例を示すフローチャートである。ビニールハウス内や果樹園などの高さ制限がある作業場でトラクタ1が作業走行する場合、図8に示すように、制御部100は、安全フレーム14が折り畳み姿勢であるか否かを判定する(ステップS501)。
制御部100は、安全フレームセンサ144によって安全フレーム14が折り畳み姿勢であることが検出されると、すなわち、安全フレーム14が折り畳み姿勢であると判定すると(ステップS501:Yes)、操舵輪である前輪3の切れ角が、旋回となる所定の角度以上であるか否かを判定する(ステップS502)。
制御部100は、前輪切れ角センサ309によって所定の角度以上の前輪3の切れ角が検出されると、すなわち、前輪3の切れ角が所定の角度以上であると判定すると(ステップS502:Yes)、走行速度を低速に制限するように、エンジンEの回転数を所定の回転数以下に制限する(ステップS503)。なお、制御部100は、エンジン回転数センサ17の検出結果に基づいて、エンジンEの回転数を制御する。
また、制御部100は、ステップS503の処理と共に、モード切り替えスイッチ16が非作業走行モードに切り替えられているか否かを判定する(ステップS504)。制御部100は、モード切り替えスイッチ16が非作業走行モードに切り替えられていると判定すると(ステップS504:Yes)、さらに、前後進レバー10が前後進クラッチ303を中立から切り替えるよう操作されたか否かを判定する(ステップS505)。
制御部100は、前後進レバー10が前後進クラッチ303を中立から切り替えるよう操作されたと判定すると(ステップS505:Yes)、前後進レバー10が中立から前進または後進に切り替えるよう操作されても、前後進クラッチ303の中立を維持する(ステップS506)。
また、制御部100は、ステップS501の処理において、安全フレーム14が折り畳み姿勢でないと判定すると(ステップS501:No)、この場合は安全フレーム14が起立姿勢であり、転倒防止制御が不要であるため、転倒防止制御を直ちに終了する。
また、制御部100は、ステップS502の処理において、前輪3の切れ角が所定の角度未満である(所定の角度以上でない)と判定すると(ステップS502:No)、前輪3の切れ角が所定の角度以上を判定するまで、ステップS502の処理を繰り返す。
また、制御部100は、ステップS504の処理において、モード切り替えスイッチ16が非作業走行モードに切り替えられていないと判定すると(ステップS504:No)、ステップS505およびステップS506の処理をスキップする。
また、制御部100は、ステップS505の処理において、前後進レバー10が前後進クラッチ303を中立から切り替えるよう操作されていないと判定すると(ステップS505:No)、ステップS506の処理をスキップする。
また、制御部100は、ステップS501の処理で安全フレーム14が折り畳み姿勢であると判定した場合には、運転席8前方のメータパネルなどに安全フレーム14が折り畳み姿勢であることを表示(警告)する。また、制御部100は、ステップS503の処理でエンジンEの回転数を所定の回転数以下に制限した場合にも、メータパネルなどに走行速度が制限されていることを表示(警告)する。
また、制御部100は、ステップS506の処理で前後進クラッチ303の中立を維持している場合には、メータパネルなどにおいて前後進クラッチ303の中立を維持していることを表示(警告)する。
このように、第5実施形態に係るトラクタ1によれば、圃場から次の圃場に移動する場合の路上走行を想定した制御設定である非作業走行モードにおいて、安全フレーム14が折り畳み姿勢の状態で転倒した場合は運転者が危険であるため、非作業走行モードである場合には前後進の発進を禁止して転倒を防止することができる。これにより、さらに安全に作業を行うことができる。
なお、上記した第5実施形態では、安全フレームセンサ144が折り畳み姿勢を検出している場合には、エンジンEの回転数を所定の回転数以下に制限するとともに、モード切り替えスイッチ16が非作業走行モードに切り替えられ、前後進レバー10が前後進クラッチ303を中立から切り替えるよう操作された場合の前後進クラッチ303の中立を維持するが、たとえば、安全フレームセンサ144が折り畳み姿勢を検出している場合に、モード切り替えスイッチ16が非作業走行モードに切り替えられ、前後進レバー10が前後進クラッチ303を中立から切り替えるよう操作された場合の前後進クラッチ303の中立の維持のみを行う構成としてもよい。このような構成としても、非作業走行モードである場合には前後進の発進を禁止して転倒を防止することができ、安全に作業を行うことができる。
また、上記した第5実施形態において、安全フレームセンサ144が折り畳み姿勢を検出している場合の処理に、主変速装置302の高速段への切り替えを禁止する処理(図5のステップS204の処理)、前輪増速モードが実行されていると4WDクラッチ301の作動を制限する処理(図6のステップS304、ステップS305の処理)、昇降レバー15の位置によらず、作業機6の所定の高さ以上への上昇を禁止する処理(図7のステップS404、ステップS404の処理)の少なくともいずれかの処理がさらに組み込まれてもよい。
上述してきた実施形態により、以下の作業車両1が実現される。
(1)転倒時に運転者の安全を確保する構造体であり、起立姿勢および折り畳み姿勢が切り替え可能な安全フレーム14を備える作業車両1であって、操舵輪3および駆動輪4と、駆動輪4への回転動力を発生するエンジンEと、エンジンEの回転数を検出するエンジン回転数センサ17と、エンジンEの回転数を制御する制御部100と、安全フレーム14が起立姿勢および折り畳み姿勢のいずれであるかを検出する安全フレームセンサ144と、操舵輪3の操舵角を検出する操舵輪切れ角センサ309とを備え、制御部100は、安全フレームセンサ144が折り畳み姿勢を検出している場合に操舵輪切れ角センサ309が所定の角度以上の操舵輪3の操舵角を検出すると、エンジンEの回転数を所定の回転数以下に制限することを特徴とする作業車両1。
このような作業車両1によれば、安全フレーム14が折り畳み姿勢の状態で転倒した場合は運転者が危険であるため、エンジンEの回転数を所定の回転数以下に制限して旋回速度を規制することにより、転倒を防止することができる。これにより、安全に作業を行うことができる。
(2)上記(1)において、エンジンEからの回転動力を駆動輪へ伝達する動力伝達装置12に組み込まれ、回転動力を低速段および高速段のいずれかに切り替える主変速装置302を備え、制御部100は、安全フレームセンサ144が折り畳み姿勢を検出している場合には、主変速装置302の高速段への切り替えを禁止する作業車両1。
このような作業車両1によれば、上記(1)の効果に加えて、安全フレーム14が折り畳み姿勢の状態で転倒した場合は運転者が危険であるため、主変速装置302の高速段への切り替えを禁止して最高速度を制限する。このように、最高速度を制限することで走行速度を規制することにより、転倒を防止することができる。これにより、さらに安全に作業を行うことができる。
(3)上記(1)または(2)において、操舵輪は、左右一対の前輪3であり、前輪3への回転動力伝達の減速比を切り替えて前輪3の回転数を増加させる前輪増速クラッチ301を備え、制御部100は、操舵輪切れ角センサ309が所定の角度以上の前輪3の操舵角を検出すると前輪増速クラッチ301を作動させて旋回速度を上昇させる前輪増速モードを実行可能であり、安全フレームセンサ144が折り畳み姿勢を検出している場合には、前輪増速モードが実行されていても前輪増速クラッチ301の作動を制限する作業車両1。
このような作業車両1によれば、上記(1)または(2)の効果に加えて、安全フレーム14が折り畳み姿勢の状態で転倒した場合は運転者が危険であるため、前輪増速モードが実行されていても、前輪増速クラッチ301の作動を制限して旋回速度の上昇を規制することにより、転倒を防止することができる。これにより、さらに安全に作業を行うことができる。
(4)上記(1)~(3)のいずれか一つにおいて、操舵輪3および駆動輪4によって走行する走行車体2に取り付けられ、走行車体2の後方に配置される作業機6と、作業機6を昇降させる昇降装置13と、昇降装置13による作業機6の昇降位置を変更する場合に操作される昇降操作具15と、昇降装置13による作業機6の昇降位置を検出する昇降センサ136とを備え、制御部100は、安全フレームセンサ144が折り畳み姿勢を検出している場合には、昇降操作具15が所定の高さ以上に作業機6を上昇させるように操作されても作業機6の所定の高さ以上の上昇を禁止する作業車両1。
このような作業車両1によれば、上記(1)~(3)のいずれか一つの効果に加えて、安全フレーム14が折り畳み姿勢の状態で転倒した場合は運転者が危険であるため、昇降操作具15によって所定の高さ以上に作業機6を上昇させるように操作されても、作業機6の所定の高さ以上の上昇を禁止して重心の上昇を抑えることにより、転倒を防止することができる。これにより、さらに安全に作業を行うことができる。
(5)上記(1)~(4)のいずれか一つにおいて、制御部100は、作業車両1の制御設定を作業時の走行に適した設定とする作業走行モードと、作業車両1の制御設定を非作業時の走行に適した設定とする非作業走行モードとを実行可能であり、作業走行モードおよび非作業走行モードを切り替えるモード切り替えスイッチ16と、作業車両1の前進、後進および停止を前進接続、後進接続および中立で切り替える前後進クラッチ303と、前後進クラッチ303を前進接続、後進接続および中立とする場合に操作される前後進操作具10とを備え、制御部100は、安全フレームセンサ144が折り畳み姿勢を検出しており、かつ、モード切り替えスイッチ16が非作業走行モードに切り替えられている場合には、前後進操作具10により前後進クラッチ303を中立から前進接続または後進接続へと切り替える操作が行われても前後進クラッチ303の中立を維持する作業車両1。
このような作業車両1によれば、上記(1)~(4)のいずれか一つの効果に加えて、圃場から次の圃場に移動する場合の路上走行を想定した制御設定である非作業走行モードにおいて、安全フレーム14が折り畳み姿勢の状態で転倒した場合は運転者が危険であるため、非作業走行モードである場合には前後進の発進を禁止して転倒を防止することができる。これにより、さらに安全に作業を行うことができる。
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
1 作業車両(トラクタ)
2 走行車体
3 操舵輪(前輪)
4 駆動輪(後輪)
5 ボンネット
6 作業機
7 PTO装置
8 運転席
9 ステアリングホイール
10 前後進操作具(前後進レバー)
11 主変速操作具(主変速レバー)
12 動力伝達装置
13 昇降装置
14 安全フレーム
15 昇降操作具(昇降レバー)
16 モード切り替えスイッチ
17 エンジン回転数センサ
31 前車軸
41 後車軸
61 耕耘爪
71 PTO軸
100 制御部
101 エンジンECU
102 走行系ECU
103 作業機昇降系ECU
131 昇降シリンダ
132 リフトアーム
133 リフトロッド
134 ロワリンク
135 トップリンク
136 昇降センサ(リフトアームセンサ)
141 下部フレーム
142 上部フレーム
143 ヒンジ部
144 安全フレームセンサ
301 前輪増速クラッチ(4WDクラッチ)
302 主変速装置
303 前後進クラッチ
304 副変速装置
305 後輪差動歯車装置
306 ブレーキ装置
307 変速軸
308 前輪差動歯車装置
309 操舵輪切れ角センサ(前輪切れ角センサ)
310 ステアリングシリンダ
311 ブレーキペダル
312 ブレーキソレノイド
313 比例調圧弁
314 油圧ポンプ
315 リリーフバルブ
316 PTOクラッチ
317 ブレーキシリンダ
E エンジン

Claims (5)

  1. 転倒時に運転者の安全を確保する構造体であり、起立姿勢および折り畳み姿勢が切り替え可能な安全フレームを備える作業車両であって、
    操舵輪および駆動輪と、
    前記駆動輪への回転動力を発生するエンジンと、
    前記エンジンの回転数を検出するエンジン回転数センサと、
    前記エンジンの回転数を制御する制御部と、
    前記安全フレームが前記起立姿勢および前記折り畳み姿勢のいずれであるかを検出する安全フレームセンサと、
    前記操舵輪の操舵角を検出する操舵輪切れ角センサと
    を備え、
    前記制御部は、
    前記安全フレームセンサが前記折り畳み姿勢を検出している場合に前記操舵輪切れ角センサが所定の角度以上の前記操舵輪の操舵角を検出すると、前記エンジンの回転数を所定の回転数以下に制限すること
    を特徴とする作業車両。
  2. 前記エンジンからの回転動力を前記駆動輪へ伝達する動力伝達装置に組み込まれ、前記回転動力を低速段および高速段のいずれかに切り替える主変速装置を備え、
    前記制御部は、
    前記安全フレームセンサが前記折り畳み姿勢を検出している場合には、前記主変速装置の高速段への切り替えを禁止すること
    を特徴とする請求項1に記載の作業車両。
  3. 前記操舵輪は、左右一対の前輪であり、
    前記前輪への回転動力伝達の減速比を切り替えて前記前輪の回転数を増加させる前輪増速クラッチを備え、
    前記制御部は、
    前記操舵輪切れ角センサが所定の角度以上の前記前輪の操舵角を検出すると前記前輪増速クラッチを作動させて旋回速度を上昇させる前輪増速モードを実行可能であり、
    前記安全フレームセンサが前記折り畳み姿勢を検出している場合には、前記前輪増速モードが実行されていても前記前輪増速クラッチの作動を制限すること
    を特徴とする請求項1または2に記載の作業車両。
  4. 前記操舵輪および前記駆動輪によって走行する走行車体に取り付けられ、前記走行車体の後方に配置される作業機と、
    前記作業機を昇降させる昇降装置と、
    前記昇降装置による前記作業機の昇降位置を変更する場合に操作される昇降操作具と、
    前記昇降装置による前記作業機の昇降位置を検出する昇降センサと
    を備え、
    前記制御部は、
    前記安全フレームセンサが前記折り畳み姿勢を検出している場合には、前記昇降操作具が所定の高さ以上に前記作業機を上昇させるように操作されても前記作業機の前記所定の高さ以上の上昇を禁止すること
    を特徴とする請求項1~3のいずれか一つに記載の作業車両。
  5. 前記制御部は、
    前記作業車両の制御設定を作業時の走行に適した設定とする作業走行モードと、前記作業車両の制御設定を非作業時の走行に適した設定とする非作業走行モードとを実行可能であり、
    前記作業走行モードおよび前記非作業走行モードを切り替えるモード切り替えスイッチと、
    前記作業車両の前進、後進および停止を前進接続、後進接続および中立で切り替える前後進クラッチと、
    前記前後進クラッチを前進接続、後進接続および中立とする場合に操作される前後進操作具と
    を備え、
    前記制御部は、
    前記安全フレームセンサが前記折り畳み姿勢を検出しており、かつ、前記モード切り替えスイッチが前記非作業走行モードに切り替えられている場合には、前記前後進操作具により前記前後進クラッチを中立から前進接続または後進接続へと切り替える操作が行われても前記前後進クラッチの中立を維持すること
    を特徴とする請求項1~4のいずれか一つに記載の作業車両。
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