JP2007124905A - 姿勢制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】自動高さ制御と自動耕深制御と自動傾き制御とを行うように構成された姿勢制御装置は、車輌本体50の車速vが所定の閾値車速vSより高速の場合には、自動傾き制御の制御精度を緩和させると共に、閾値車速vSを設定高さ位置hSに応じて変更するように構成されている。
【選択図】図15
Description
一方、前記自動傾き制御は、前記自動高さ制御又は前記自動耕深制御の何れの制御モードが作動しているかに拘わらず、作動するようになっている。
斯かる観点から、前記車輌本体が所定の閾値車速を超えた高速走行時には、前記自動傾き制御の制御精度を緩和させることが提案されている。
このような自動傾き制御の規制は、前記車輌本体の速度が前記閾値車速よりも高速の場合には非耕耘作業状態にあると擬制して、前記自動傾き制御の制御性を悪化させるものであり、車輌本体が高速走行時において、前記耕耘機が意に反して左右方向へ傾動することを有効に防止できる点で有用である。
即ち、例えば、圃場内の一方側から他方側へ向けて車輌本体を略直進させつつ連続的な耕耘作業を行った後に該圃場の他方側端部の方向転換場所(枕地)にて前記車輌本体を方向転換させる際や、前記連続的な耕耘作業の終了後にその圃場における前記枕地に対して耕耘作業を行うべく該車輌本体を移動させる際には、作業者は、前記耕耘機の上昇時間や下降時間の節約を図る為に、通常、前記耕耘機を前記自動傾き制御が解除される最上昇位置まで上昇させることなく、前記上下位置操作手段によって前記耕耘機を耕耘地面から若干上昇させた状態で、車輌本体の走行を行う。
このような圃場内の走行時には、通常、前記車輌本体は前記閾値車速よりも低速走行される。
従って、前記従来の自動傾き制御の規制方法では、前記耕耘機を地面よりは上方で且つ最上昇位置よりも下方に位置させた状態で、圃場内を走行する際に、前記耕耘機が作業者の意に反して大きく左右に傾動されることが起こり得る。
このような他の圃場への移動の際に、前記自動傾き制御によって前記耕耘機が意に反して大きく左右に傾動すると、車輌本体のバランスが崩れ、場合によっては該耕耘機が路上に接触して、該耕耘機の破損を招く虞もある。
(1)第1の姿勢制御装置
車輌本体に対して昇降可能且つ左右に傾動可能に連結された耕耘機の検出上下位置を設定高さ位置に追従させる自動高さ制御と、前記耕耘機の検出耕深位置を設定耕深位置に追従させる自動耕深制御と、前記耕耘機の前記車輌本体に対する検出傾斜状態を設定傾斜状態に追従させる自動傾き制御とを行うように構成された姿勢制御装置であって、前記車輌本体の車速が所定の閾値車速より高速の場合には、前記自動傾き制御の制御精度を緩和させると共に、前記閾値車速を前記設定高さ位置に応じて変更するように構成したことを特徴とする姿勢制御装置。
前記自動傾き制御の制御精度の緩和の程度は、前記閾値車速に応じて変更されるように構成されていることが好ましい。斯かる具体的態様として、前記車輌本体の車速が前記閾値車速より高速の場合には、該車速が大きくなるに従って前記自動傾き制御の制御精度の緩和の程度を大きくする態様を例示できる。
(2)第2の姿勢制御装置
車輌本体に対して昇降可能且つ左右に傾動可能に連結された耕耘機の検出上下位置を設定高さ位置に追従させる自動高さ制御と、前記耕耘機の検出耕深位置を設定耕深位置に追従させる自動耕深制御と、前記耕耘機の前記車輌本体に対する検出傾斜状態を設定傾斜状態に追従させる自動傾き制御とを行うように構成された姿勢制御装置であって、前記車輌本体の車速が所定の閾値車速より高速の場合には、前記自動傾き制御を停止するように構成したことを特徴とする姿勢制御装置。
車輌本体に対して昇降可能且つ左右に傾動可能に連結された耕耘機の検出上下位置を設定高さ位置に追従させる自動高さ制御と、前記耕耘機の検出耕深位置を設定耕深位置に追従させる自動耕深制御と、前記耕耘機の前記車輌本体に対する検出傾斜状態を設定傾斜状態に追従させる自動傾き制御とを行うように構成された姿勢制御装置であって、前記自動高さ制御の際には、前記自動傾き制御の制御精度を緩和させるように構成したことを特徴とする姿勢制御装置。
前記第3態様の姿勢制御装置では、前記自動傾き制御の制御精度を緩和させる具体的態様として、制御ゲインの低減化、不感帯幅の拡大又はフィルタリング条件の変更の少なくとも何れか一の手段によって、前記自動傾き制御の制御精度を緩和させるように構成されている態様を例示できる。
前記自動傾き制御の制御精度の緩和の程度は、前記設定高さ位置に応じて変更されるように構成されていることが好ましい。斯かる具体的態様として、前記設定高さ位置が接地位置より高い場合には、該設定高さ位置が高くなるに従って前記自動傾き制御の制御精度の緩和の程度を大きくする態様を例示できる。
車輌本体に対して昇降可能且つ左右に傾動可能に連結された耕耘機の検出上下位置を設定高さ位置に追従させる自動高さ制御と、前記耕耘機の検出耕深位置を設定耕深位置に追従させる自動耕深制御と、前記耕耘機の前記車輌本体に対する検出傾斜状態を設定傾斜状態に追従させる自動傾き制御とを行うように構成された姿勢制御装置であって、前記自動高さ制御の際には、前記自動傾き制御を停止するように構成したことを特徴とする姿勢制御装置。
従って、車輌本体の走行バランスを良好に維持できると共に、前記耕耘機が地面等に接触する等の不都合を防止できる。
従って、前記耕耘機を最上昇位置よりは下方で且つ地面よりは上方に位置させた非耕耘作業状態での圃場内又は路上での走行時に、車輌本体の走行バランスを良好に維持できると共に、前記耕耘機が地面等に接触するという不都合を防止できる。
従って、前記自動傾き制御の意に反する作動を確実に防止することができる。
従って、車輌本体の走行バランスを良好に維持できると共に、前記耕耘機が地面等に接触する等の不都合を防止できる。
従って、前記耕耘機を最上昇位置よりは下方で且つ地面よりは上方に位置させた非耕耘作業状態での圃場内又は路上での走行時に、車輌本体の走行バランスを良好に維持できると共に、前記耕耘機が地面等に接触するという不都合を防止できる。
従って、車輌本体の走行バランスを良好に維持できると共に、前記耕耘機が地面等に接触する等の不都合を防止できる。
従って、前記耕耘機を最上昇位置よりは下方で且つ地面よりは上方に位置させた非耕耘作業状態での圃場内又は路上での走行時に、車輌本体の走行バランスを良好に維持できると共に、前記耕耘機が地面等に接触するという不都合を防止できる。
従って、車輌本体の走行バランスを良好に維持できると共に、前記耕耘機が地面等に接触する等の不都合を防止できる。
図1は本実施の形態に係る姿勢制御装置が適用される作業車輌の一例である農作業用トラクタの概略側面図である。図2は図1に示すトラクタの概略平面図である。図3は図1に示すトラクタにおける耕耘機用昇降機構の概略側面図である。図4は図3に示す耕耘機用昇降機構の概略平面図である。図5はロータリ耕耘機の図2におけるV−V線に沿った概略断面図である。図6は該ロータリ耕耘機の概略背面図である。図7は該トラクタの油圧回路図である。
前記車輌本体50は、走行機体1と、該走行機体1を支持する左右一対の前車輪2及び左右一対の後車輪3と、該走行機体1の前部に搭載されたエンジン4とを備えており、前記エンジン4からの動力によって前記後車輪3及び前記前車輪2を作動的に駆動することにより、前後進走行するように構成されている。なお、図中の符号5は前記エンジン4を覆うボンネット5である。
さらに、前記トラクタ100は、前記走行機体1の上面に設けられたキャビン6を有している。該キャビン6の内部には、操縦座席7と、かじ取りすることによって前記前車輪2の操向方向を左右に動かすように構成された操縦ハンドル(丸ハンドル)8とが設置されている。前記キャビン6の外側部には、作業者が乗降するステップ9が設けられ、該ステップ9より内側で且つ該キャビン6の底部より下側には、前記エンジン4に燃料を供給する燃料タンク10が設けられている。
前記機体フレーム15の後部には、前記エンジン4の回転を適宜変速してそれぞれ後輪軸3a及び前輪軸2aを介して前記後車輪3及び前記前車輪2に伝達するためのミッションケース16が連結されている。前記後車輪3は、前記ミッションケース16の外側面から外向きに突出するように装着された後車軸ケース17を介して取付けられている。
なお、前記ミッションケース16の後端面には、前記ロータリ耕耘機400の駆動力を出力する為のPTO軸18が後向きに突出するように設けられている。
図1及び図3に示すように、前記左右ロワーリンク311,312は、前端側が前記ミッションケース16後部の左右側面のそれぞれにロワーリンクピン313を介して回動可能に連結され、且つ、後端側が前記ロータリ耕耘機400における下リンクフレーム440の前端部に下ヒッチピン314を介して連結されている。
前記トップリンク320は、前端側が下記作業機用昇降機構200の後部のトップリンクヒッチ210にトップリンクピン211を介して連結され、且つ、後端側が下記上リンクフレーム410の前端側に上ヒッチピン321を介して連結されている。
図3及び図4及び図7に示すように、油圧式の作業機用昇降機構200は、昇降用アクチュエータとして作用する単動形の昇降制御油圧シリンダ220と、該油圧シリンダ220におけるピストンによって作動的に回動される左右一対のリフトアーム221,222とを有している。
進行方向に向かって右側の前記リフトアーム222は、右リフトロッド232を介して対応する右側の前記ロワーリンク312に連結されている。
つまり、前記昇降制御油圧シリンダ220によって前記左右一対のリフトアーム221,222が車輌左右方向に沿った前記回動軸回りに揺動することで、前記ロータリ耕耘機400は、前記トップリンク320及び前記一対のロワーリンク311,312の前端部回りに昇降するようになっている。
つまり、前記傾斜制御油圧シリンダ240のピストンロッド241が進退することによって、前記ロータリ耕耘機440は、前記左右一対のリフトロッド231,232の他方(ここでは、左リフトロッド231)と該他方のリフトロッド231に対応したロワーリンク311との連結点(即ち、前記ロータリ耕耘機400の左右方向中心位置Dから一方側へ変位された位置)を支点Q(図2参照)として、傾動するようになっている。
斯かる構成を備えることにより、耕深調節ハンドル439a(図1参照)を回転操作して前記耕深調節軸439を伸縮させると、前記左右一対のロワーリンク311,312及びトップリンク320にて支持される前記ロータリ耕耘機400は、前傾又は後傾姿勢に変化するようになっており、これにより、前記耕耘爪434による耕深位置hD(耕耘深さ)が手動で変更できるように構成されている。
前記PTO軸18からの動力は、前記ギヤケース450に内蔵されたベベルギヤ(図示せず)、前記メインビーム420に内蔵された回転軸(図示せず)、前記チェーンケース431に内蔵されたスプロケット及びチェーン(図示せず)等を介して前記耕耘爪軸433に伝達される。これにより、前記耕耘爪434が図1及び図5において反時計方向に回転される。
さらに、前記耕耘上面カバー435の上面後部には、後方且つ上方へ延びる左右一対のハンガーフレーム441が立設されている。
そして、前記耕耘リヤカバー437の上面後端側と前記左右ハンガーフレーム441の後端側との間には左右一対のハンガー機構460が設けられており、前記耕耘リヤカバー437は、該ハンガー機構460によって、前記枢着軸437a回りに上下動し得るようになっている。
前記各ハンガー機構460は、前記受圧軸体442の前記貫通孔に摺動可能に挿通された細長い丸棒形のハンガーロッド461を有している。
前記ハンガーロッド461は、下端部が、車輌左右方向に沿った支軸461aを介して、前記耕耘リヤカバー437の後部上面に設けられたブラケット462に回動自在に連結されている(図5参照)。
前記ハンガーロッド461には、前記受圧軸体442より上方側において固設された下降規制ピン461bと、前記下降規制ピン461bと前記受圧軸体442との間に位置するように該ハンガーロッド461に軸線方向摺動可能に外挿された下降規制板463と、該ハンガーロッド461の下方側で且つ前記支軸461aより上方側において固設された上昇規制ピン461cと、前記上昇規制ピン461cによって下方への移動が規制された状態で該ハンガーロッド461に軸線方向摺動可能に外挿された下座板465と、前記下座板465及び前記受圧軸体442の間に位置するように該ハンガーロッド461に外挿された鎮圧用圧縮バネ466と、該鎮圧用圧縮バネ466の上端部と係合する上座板464とが設けられている。
即ち、前記昇降用アクチュエータによって前記ロータリ耕耘機400が地面Gから離れるように持上げられると、前記耕耘リヤカバー437の後端側が前記枢着軸437a回りに下方側に回動する。
この際、前記ハンガーロッド461は前記受圧軸体442に案内された状態で下方側へ移動するが、前記下降規制ピン461bが前記下降規制板463に当接し且つ該下降規制板463が前記受圧軸体442に当接することで、該ハンガーロッド461の下方側への移動が停止される。従って、前記耕耘リヤカバー437はその後端側を最下降させた姿勢に維持される。
この際、前記ハンガーロッド461は前記受圧軸体442に案内された状態で上方側へ移動する。斯かるハンガーロッド461の上方側への移動によって、前記上昇規制ピン461c及び前記下座板465を介して前記鎮圧用圧縮バネ466が圧縮される。
即ち、前記耕耘リヤカバー437が前記枢着軸437a回りに上方側へ回動する際には、該耕耘リヤカバー437は前記鎮圧用圧縮バネ466の付勢力に抗して動作することになり、従って、前記耕耘リヤカバー437の後方への土の飛散を有効に防止しつつ、該耕耘リヤカバーによる均平作用を有効に維持することができる。
図7に示すように、前記油圧回路500は、前記エンジン4によって作動的に回転駆動される作業機用油圧ポンプ501と、該油圧ポンプ501の吐出側に流体接続された分流弁505と、該分流弁505によって分岐された一方側油路及び他方側油路にそれぞれ配置された昇降制御用バルブ及び傾斜制御用バルブとを備えている。
本実施の形態においては、前記昇降制御用バルブは、上昇制御電磁弁502及び下降制御電磁弁503を有している。また、前記傾斜制御用バルブは、傾斜制御電磁弁504を有している。
なお、前記油圧回路500は、図7に示すように、リリーフ弁や流量調整弁、チェック弁、オイルクーラ、オイルフィルタ等も備えている。
図1及び図2に示すように、前記操縦ハンドル8は、前記操縦座席7の前方に位置する操縦コラム19上に設けられている。
前記キャビン6内には、前記操縦座席7,前記操縦ハンドル8及び前記操縦コラム19に加えて、前記エンジン4の回転数(出力)を調節するためのスロットルレバー617と、前記走行機体1を制動操作するための左右ブレーキペダル20と、前記エンジンから前記前車輪2及び前記後車輪3への動力伝達の係脱操作を行う為のクラッチペダル21と、車輌本体50の走行速度を変速操作する為の走行変速レバー24と、前記エンジン4から前記後車輪3への動力伝達経路に介挿されるディファレンシャル機構をロック操作する為のデフロックペダル25と、前記PTO軸18からの出力回転数を変速操作する為のPTO変速レバー23とが配置されている。
図8に、前記ロータリ耕耘機400の模式側面図を示す。なお、図8(a)は自動耕深制御時のロータリ耕耘機400の昇降状態を示しており、図8(b)は自動高さ制御時のロータリ耕耘機400の昇降状態を示している。
前記作業機昇降レバー22は、前記ロータリ耕耘機400の設定高さ位置(目標高さ位置)hS(図8(b)参照)を手動で変更操作するための上下位置操作手段として作用する。
前記上下位置操作手段は、前記設定高さ位置として、前記リフトアーム221,222の設定リフト角度(目標リフト角度)θS(図8(b)参照)を設定し得るように構成される。
図9に、前記ロータリ耕耘機400の模式背面図を示す。
前記傾斜設定器623は、前記ロータリ耕耘機400の傾斜状態tSを設定する傾斜設定手段として作用する。具体的には、図9に示すように、前記車輌本体50に対する前記ロータリ耕耘機400の左右方向に関する相対的な設定左右傾斜角度(目標左右傾斜角度)φsを予め設定する為のものであり、例えば、可変抵抗器を含み得る。
前記耕深設定器626は、前記ロータリ耕耘機400における耕耘爪434の設定耕深位置(目標耕深位置)hR(図8(a)参照)を設定する耕深深さ設定手段として作用する。
詳細は後述するが、前記ロータリ耕耘機400の耕深位置は、前記耕耘上面カバー435に対する前記耕耘リヤカバー437の回動角度に基づいて制御されるようになっている。従って、前記耕深深さ設定手段は、前記設定耕深位置として、前記耕耘上面カバー435に対する前記耕耘リヤカバー437の設定回動角度(目標回動角度)θR(図8(a)参照)を設定し得るように構成され、例えば、可変抵抗器を含み得る。なお、前記設定回動角度θRは、例えば、鉛直Vを基準にした回動角度とすることができる。
次に、本発明に係る姿勢制御装置の第1実施形態について説明する。
図10は、第1実施形態に係る姿勢制御装置のブロック図である。
該姿勢制御装置は、前記車輌本体50に対して昇降可能且つ左右に傾動可能に連結された前記ロータリ耕耘機400の自動高さ制御、自動耕深制御及び自動傾き制御を行うように構成されている。
即ち、前記ロータリ耕耘機400の耕深位置hD(図8(a)参照)に応じて、前記耕耘上面カバー435に対する前記耕耘リヤカバー437の回動位置が変化する。従って、前記リヤカバーセンサ624によって、前記耕耘上面カバー435に対する前記耕耘リヤカバー437の回動位置を検出することによって、前記ロータリ耕耘機400の耕深位置hDを検出することができる。
詳しくは、前記リヤカバーセンサ624は、前記耕耘上面カバー435に対する前記耕耘リヤカバー437の回動位置として、前記耕耘上面カバー435に対する前記耕耘リヤカバー437の回動角度θD(図8(a)参照)を検出し得るように構成され、この検出回動角度θDは、例えば、鉛直Vを基準にした回動角度とすることができる。
本実施の形態においては、該リヤカバーセンサ624は、前記耕耘上面カバー435の後部上面に配置されたポテンショメータ型とされている(図2、図5、図6及び図8参照)。
なお、前記リヤカバーセンサ624と前記耕耘リヤカバー437とは、センサアーム437b及びセンサリンク437c等を介して連結されている(図2参照)。
該リフト角センサ627は、前記ロータリ耕耘機400の対機体高さ(前記車輌本体50に対する前記ロータリ耕耘機400の相対高さ)hL(図8(b)参照)を検出し得るように構成されている。
具体的には、該リフト角センサ627は、前記リフトアーム221,222のリフト角度θL(図8(b)参照)を検出するように構成されており、例えば、ポテンショメータ型のものが使用され得る。
該リフト角センサ627は、前記作業機用昇降機構200と前記左リフトアーム221との連結箇所に配置されている(図3及び図4参照)。
該作業機ポジションセンサ622は、詳細は図示していないが、例えば、前記耕耘上面カバー435の上方に位置する前記メインビーム420の左右中央箇所に配置され得る。
なお、前記作業機ポジションセンサ622は、該作業機ポジションセンサ622の出力の中から限定された帯域の信号出力を取り出すためのフィルタ部625を介して、前記姿勢制御コントローラ600に電気的に接続されている。
斯かるフィルタ部625を設けることにより、前記作業機ポジションセンサ622の検出感度変化の影響を抑制することができる。これについては後ほど詳述する。
即ち、該姿勢制御コントローラ600は、図10に示すように、入力系が前記傾斜設定器623,前記耕深設定器626,前記機体ローリングセンサ621,前記作業機ポジションセンサ622,前記リフト角センサ627、前記リヤカバーセンサ624、前記作業機昇降レバー22及び前記リフト角センサ627等が電気的に接続されると共に、出力系が前記上昇制御電磁弁502,前記下降制御電磁弁503及び前記傾斜制御電磁弁504に電気的に接続されている。
斯かる姿勢制御コントローラ600は電源印加用キースイッチ611を介してバッテリ612に接続されている。なお、前記キースイッチ611は、前記エンジン4を始動するためのスタータ613に接続される。
該電子ガバナコントローラ614には、前記エンジン4の燃料を調節するガバナ615と、前記エンジン4の回転数を検出するエンジン回転センサ616とが接続されている。
該機体ローリングセンサ621は、前記車輌本体50の左右方向に関する傾斜角度を検出する為のものであり、例えば、振子式のものが使用され得る。
本実施の形態においては、該機体ローリングセンサ621は、前記作業機用昇降機構200の上面で且つ前記操縦座席7の後方の箇所に配置されている(図1〜図4参照)。
即ち、前記ロータリ耕耘機400が最上昇位置に位置している状態から前記作業機昇降レバー22を下降操作した際や、前記ロータリ耕耘機400の耕耘作業状態から前記作業機昇降レバー22を上昇操作した際に、該自動高さ制御が実行される。
該自動高さ制御の実行時には、前記姿勢制御コントローラ600は、前記リフト角センサ627の検出リフト角度θLに基づく検出高さ位置hLが前記作業機昇降レバー22にて設定された設定高さ位置hSとなるように前記昇降制御油圧シリンダ220の自動高さ制御量を算出し、該算出された自動高さ制御量を用いて前記昇降制御油圧シリンダ220を駆動させる。
例えば、前記ロータリ耕耘機400が最上昇位置に位置している状態から前記作業機昇降レバー22を下降操作することにより、前記自動高さ制御にて下降する該ロータリ耕耘機400が接地すると、若しくは、前記耕深設定器626によって設定された設定耕深位置hRに到達すると、前記自動高さ制御から該自動耕深制御に移行される。
該自動耕深制御の実行時には、前記姿勢制御コントローラ600は、前記リヤカバーセンサ624の検出回動角度θDに基づく検出耕深位置hDが前記耕深設定器626にて設定された設定耕深位置hRとなるように前記昇降制御油圧シリンダ220の自動耕深制御量を算出し、該算出された自動耕深制御量を用いて前記昇降制御油圧シリンダ220を駆動させる。
即ち、前記自動高さ制御又は前記自動耕深制御の何れが実行されているかに拘わらず、該自動傾き制御は実行される。
該自動傾き制御の実行時には、前記姿勢制御コントローラ600は、前記作業機ポジションセンサ622の検出傾斜角度φに基づく検出傾斜位置tが前記傾斜設定器623にて設定された設定傾斜状態tSとなるように前記傾斜制御油圧シリンダ240の自動傾き制御量を算出し、該算出された自動傾き制御量を用いて前記傾斜制御油圧シリンダ240を駆動させる。
即ち、前記車輌本体50の車速vが所定の閾値車速vSより高速の場合には非耕耘状態にあると擬制して、前記自動傾き制御の制御精度を緩和させる。これにより、前記自動傾き制御の制御性を悪化させ、前記車輌本体50が高速走行時において、前記ロータリ耕耘機400が意に反して左右方向へ傾動するという不都合を防止し得るようになっている。
なお、前記自動傾き制御の制御精度の緩和は、自動傾き制御ゲインGaを低減化する「制御ゲインの低減化」、前記自動傾斜制御を行う際の不感帯幅δを拡大する「不感帯幅の拡大」、又は前記フィルタ部625のフィルタリング条件を変更する「フィルタリング条件の変更」のうち、少なくとも何れか一の手段を行うことによって実行される。
即ち、本実施の形態においては、前記作業機昇降レバー22の設定高さ位置hSに応じて、前記閾値車速vSを変更するようになっており、これにより、前記ロータリ耕耘機400を最上昇位置よりは下方で且つ地面Gよりは上方に位置させた非耕耘作業状態での前記車輌本体50の走行時に、前記自動傾き制御によって前記ロータリ耕耘機400が意に反して大きく傾動することを有効に防止できる。
従って、前記車輌本体50の走行バランスを良好に維持できると共に、前記ロータリ耕耘機400が地面G等に接触する等の不都合を防止できる。
斯かる構成によれば、従来の自動傾き制御が実行されていたような低速走行時においても、該自動傾き制御による前記ロータリ耕耘機400の傾動量を抑えることができる。
従って、前記ロータリ耕耘機400を最上昇位置よりは下方で且つ地面Gよりは上方に位置させた非耕耘作業状態での圃場内又は路上での走行時に、前記車輌本体50の走行バランスを良好に維持できると共に、前記ロータリ耕耘機400が地面等に接触するという不都合を防止できる。
具体的には、前記ROM602には、前記閾値車速vSと、前記作業機昇降レバー22の設定高さ位置hSとの関係を示す第1関係式又は制御マップが予め記憶されている。
この場合の前記第1関係式としては、例えば、基準となる閾値車速(基準閾値車速)をvS’とすると、設定高さ位置hSが接地位置hEと同一又は接地位置hEより低い場合には、vS=vS’とし、且つ、設定高さ位置hSが前記接地位置hEより高い場合には、vS=A1×hS+B1(但しhS>hE)となるような関係式を挙げることができる。ここで、A1は比例定数、B1は定数である。
なお、図11は、この第1関係式を制御マップとした場合のグラフである。図11では、前記作業機昇降レバー22の設定高さ位置hSを横軸に採り、前記閾値車速vSを縦軸に採っている。
なお、前記作業機昇降レバー22の設定高さ位置hSとこれに対応する前記閾値車速vSとが関連づけられたデータを、テーブルマップとして前記ROM602に予め記憶させるようにしてもよい。
即ち、前記車輌本体50の車速vが前記閾値車速vSより高速の場合には、該車速vが大きくなるに従って前記自動傾き制御の制御精度の緩和の程度を大きくするように構成することができる。
例えば、前記「制御ゲインの低減化」によって前記自動傾き制御の制御精度の緩和を行う場合には、前記ROM602には、自動傾き制御ゲインGaと、前記車輌本体50の車速vとの関係を示す第2関係式又は制御マップが予め記憶されている。
この場合の前記第2関係式としては、例えば、基準となる自動傾き制御ゲイン(基準自動傾き制御ゲイン)をGa’とすると、前記車輌本体50の車速vが閾値車速vSと同速又は前記車速vSより低速の場合には、Ga=Ga’とし、且つ、前記車輌本体50の車速vが前記閾値車速vSより高速の場合には、Ga=A2×v+B2(但しv>vS)となるような関係式を挙げることができる。ここで、A2は比例定数、B2は定数である。
この第2関係式を制御マップとした場合を、図12に示している。図12では、前記車輌本体50の車速vを横軸に採り、前記自動傾き制御ゲインGaを縦軸に採っている。
なお、前記車輌本体50の車速vとこれに対応する自動傾き制御ゲインGaとが関連づけられたデータを、テーブルマップとして前記ROM602に予め記憶させるようにしてもよい。
前記「制御ゲインの低減化」に代えて、若しくは、加えて、前記「不感帯幅の拡大」によって前記自動傾き制御の制御精度の緩和を行う場合には、前記ROM602には、前記自動傾き制御の際に用いる不感帯の幅δと、前記車輌本体50の車速vとの関係を示す第3関係式又は制御マップが予め記憶される。
この場合の前記第3関係式としては、例えば、基準となる不感帯の幅(基準不感帯幅)をδ’とすると、前記車輌本体50の車速vが閾値車速vSと同速又は前記車速vSより低速の場合には、δ=δ’とし、且つ、前記車輌本体50の車速vが前記閾値車速vSより高速の場合には、δ=A3×v+B3(但しv>vS)となるような関係式を挙げることができる。ここで、A3は比例定数、B3は定数である。
この第3関係式を制御マップとした場合を、図13に示している。図13では、前記車輌本体50の車速vを横軸に採り、前記不感帯の幅δを縦軸に採っている。
なお、前記車輌本体50の車速vとこれに対応する不感帯の幅δとが関連づけられたデータを、テーブルマップとして前記ROM602に予め記憶させるようにしてもよい。
ここで、不感帯とは、前記ロータリ耕耘機400の検出傾斜位置tが前記傾斜設定器623による設定傾斜位置tsを中心とする所定の上下幅範囲内にあれば、傾斜制御油圧シリンダ240を非駆動とし、検出傾斜位置tが前記上下幅範囲から外れていれば、傾斜制御油圧シリンダ240を昇降動させて前記ロータリ耕耘機400の傾斜状態を設定傾斜状態tSに近付ける動作隙間のことをいう。
前記「制御ゲインの低減化」及び/又は前記「不感帯幅の拡大」に代えて、若しくは、加えて、前記「フィルタリング条件の変更」によって前記自動傾き制御の制御精度の緩和を行う場合には、前記ROM602には、前記フィルタ部625の遮断周波数fcと、前記車輌本体50の車速vとの関係を示す第4関係式又は制御マップが予め記憶されている。
この場合の前記第4関係式としては、例えば、基準となる遮断周波数(基準遮断周波数)をfc’とすると、前記車輌本体50の車速vが閾値車速vSと同速又は前記車速vSより低速の場合には、fc=fc’とし、且つ、前記車輌本体50の車速vが前記閾値車速vSより高速の場合には、fc=A4×v+B4(但しv>vS)となるような関係式を挙げることができる。ここで、A4は比例定数、B4は定数である。
この第4関係式を制御マップとした場合を、図14に示している。図14では、前記車輌本体50の車速vを横軸に採り、前記遮断周波数fcを縦軸に採っている。
斯かる構成を備えることにより、前記姿勢制御コントローラ600は、前記車輌本体50の車速vが閾値車速vSと同速又は閾値車速vSより低速の場合には、遮断周波数fcを前記基準遮断周波数fc’に設定し、且つ、前記車輌本体50の車速vが閾値車速vSより高速の場合には、前記車輌本体50の車速vが「低速」→「高速」になるに連れて遮断周波数fcを低くする。
なお、前記車輌本体50の車速vSとこれに対応する遮断周波数fcとが関連づけられたデータを、テーブルマップとして前記ROM602に予め記憶させるようにしてもよい。
つまり、前記フィルタ部625の遮断周波数fcは、前記車輌本体50の車速vに対応する制御情報に応じて可変となっている。即ち、前記車輌本体50の車速vの制御情報に基づき遮断周波数fcを演算し、この演算結果の制御情報を前記フィルム部625に伝送することにより、遮断周波数をfcとするフィルタ部125が形成される。
本実施の形態では、前記フィルタ部625で採用される遮断周波数fcは可変となっている。この可変の構成としては、例えば、LCフィルタ(コイルとコンデンサとからなるフィルタ)の場合は、可変コンデンサを使用することで実現できる。また、RCフィルタ(抵抗とコンデンサとからなるフィルタ)の場合は、可変抵抗と可変コンデンサとの組合せで実現できる。
この姿勢制御装置では、前記作業機昇降レバー22が前記ロータリ耕耘機400が最上昇位置よりも下方位置に位置するように操作したとき、或いは、図示しない自動制御スイッチをON操作したときに姿勢制御動作を開始する。
先ず、前記ロータリ耕耘機400の検出高さ位置hLが設定高さ位置hSより高いか否かを判断する(ステップS1)。
具体的には、前記リフト角センサ627で読み込まれた検出リフト角度θLに基づく検出高さ位置hLが前記作業機昇降レバー22の設定リフト角度θSに基づく設定高さ位置hSより高いと判断した場合には、ステップS2に移行する一方、前記検出高さ位置hLが前記設定高さ位置hS以下であると判断した場合には、ステップS6に移行する。
具体的には、前記自動耕深制御中でないと判断した場合には、ステップS3に移行する一方、前記自動耕深制御中であると判断した場合には、ステップS4に移行する。
具体的には、前記リヤカバーセンサ624で読み込まれた検出上下回動角度θDに基づく検出耕深位置hDが前記耕深設定器626の設定回動角度θRに基づく設定耕深位置hRより深いと判断した場合には、ステップS4に移行する一方、前記検出耕深位置hDが前記設定耕深位置hRと同じか前記設定耕深位置hRより浅いと判断した場合には、ステップS6に移行する。
具体的には、前記リヤカバーセンサ624で読み込まれた検出上下回動角度θDに基づく検出耕深位置hDが前記耕深設定器626の設定回動角度θRに基づく設定耕深位置hRと等しくなるように、前記上昇制御電磁弁502又は前記下降制御電磁弁503を作動させ、前記昇降制御油圧シリンダ220による前記ロータリ耕耘機400の下降又は上昇の動作を実行し、ステップS5に移行する。
具体的には、前記基準自動傾き制御ゲインGa’、前記基準不感帯幅δ’及び前記基準遮断周波数fc’を前記ROM602から読み出し、該読み出された基準遮断周波数fc’とする前記フィルタ部625を形成する。次に、該形成されたフィルタ部625を介して、前記基準自動傾き制御ゲインGa’と、前記作業機ポジションセンサ622による検出傾斜角度φに基づく検出傾斜位置tとにより該検出傾斜位置tが前記傾斜設定器623にて設定された設定傾斜位置tSとなるように前記傾斜制御油圧シリンダ240の自動傾き制御量を算出する。そして、前記ロータリ耕耘機400の検出傾斜位置tと前記傾斜設定器623による設定傾斜位置tsとの差量が該基準不感帯幅δ’内にあれば、傾斜制御油圧シリンダ240を非駆動とし、該差量が該基準不感帯幅δ’から外れていれば、該算出された自動傾き制御量を用いて前記傾斜制御油圧シリンダ240を駆動させ、ステップS11に移行する。
具体的には、前記リフト角センサ627で読み込まれた検出リフト角度θLに基づく検出高さ位置hLが前記作業機昇降レバー22の設定リフト角度θSに基づく設定高さ位置hSと等しくなるように、前記上昇制御電磁弁502又は前記下降制御電磁弁503を作動させ、前記昇降制御油圧シリンダ220による前記ロータリ耕耘機400の下降又は上昇の動作を実行し、ステップS7に移行する。
具体的には、前記第1関係式又は制御マップを前記ROM602から読み出し、該読み出された第1関係式又は制御マップを用いて、前記作業機昇降レバー22による設定高さ位置hSに対応した前記閾値車速vSを算出する。この場合の前記閾値車速vSは、前記作業機昇降レバー22の設定高さ位置hSが接地位置hEと同位置又は接地位置hEより低い場合には、前記基準閾値車速vS’となり、前記設定高さ位置hSが接地位置hEより高い場合には、前記設定高さ位置hSが「低い」→「高い」になるに連れて低速とされた値になる(図11参照)。
具体的には、前記車速センサ628にて検出された前記車輌本体50の検出車速vが前記ステップS7で算出された閾値車速vSより高速であると判断した場合には、ステップS9に移行する一方、前記検出車速vが前記閾値車速vSと同速又は該閾値車速vSより低速であると判断した場合には、ステップS10に移行する。
具体的には、前記基準自動傾き制御ゲインGa’、前記基準不感帯幅δ’及び前記基準遮断周波数fc’を前記ROM602から読み出し、該読み出された基準遮断周波数fc’とする前記フィルタ部625を形成する。次に、該形成されたフィルタ部625を介して、前記基準自動傾き制御ゲインGa’と、前記作業機ポジションセンサ622による検出傾斜角度φに基づく検出傾斜位置tとにより該検出傾斜位置tが前記傾斜設定器623にて設定された設定傾斜位置tSとなるように前記傾斜制御油圧シリンダ240の自動傾き制御量を算出する。そして、前記ロータリ耕耘機400の検出傾斜位置tと前記傾斜設定器623による設定傾斜位置tsとの差量が該基準不感帯幅δ’内にあれば、傾斜制御油圧シリンダ240を非駆動とし、該差量が該基準不感帯幅δ’から外れていれば、該算出された自動傾き制御量を用いて前記傾斜制御油圧シリンダ240を駆動させ、ステップS11に移行する。
以下、本発明に係る姿勢制御装置の第2実施形態について説明する。
この第2実施形態に係る姿勢制御装置は、図10に示す姿勢制御装置とは姿勢制御コントローラ600が異なる以外は実質的に同じものである。従って、第2実施形態に係る姿勢制御装置のブロック図を図10に示すブロック図に代用させ、その詳細な説明を省略する。
即ち、前記車輌本体50の車速vが所定の閾値車速vSより高速の場合には非耕耘状態にあると擬制して、前記自動傾き制御を停止する。これにより、前記自動傾き制御の意に反する作動を確実に防止することができる。
即ち、本実施の形態においては、前記作業機昇降レバー22の設定高さ位置hSに応じて、前記閾値車速vSを変更するようになっており、これにより、前記ロータリ耕耘機400を最上昇位置よりは下方で且つ地面Gよりは上方に位置させた非耕耘作業状態での前記車輌本体50の走行時に、前記自動傾き制御によって前記ロータリ耕耘機400が意に反して傾動することを確実に防止できる。
従って、前記車輌本体50の走行バランスを良好に維持できると共に、前記ロータリ耕耘機400が地面G等に接触する等の不都合を防止できる。
従って、前記ロータリ耕耘機400を最上昇位置よりは下方で且つ地面Gよりは上方に位置させた非耕耘作業状態での圃場内又は路上での走行時に、車輌本体50の走行バランスを良好に維持できると共に、前記ロータリ耕耘機400が地面等に接触するという不都合を防止できる。
次に、図16を参照しながら第2実施形態に係る姿勢制御装置による前記ロータリ耕耘機400の姿勢制御動作の一例を以下に説明する。
図16に示す制御プログラムP2の処理フローは、図15に示す制御プログラムP1の処理フローにおいて、前記ステップS9の代わりにステップS9aを設けている。図16の処理フローは、ステップS9a以外は図15の処理フローと実質的に同じものである。従って、ここではステップS9aを中心に説明する。
以下、本発明に係る姿勢制御装置の第3実施形態について説明する。
第3実施形態に係る姿勢制御装置の姿勢制御コントローラ600bは、前記第1実施形態に係る姿勢制御装置の姿勢制御コントローラ600において前記ROM602の代わりにROM602bを備えている。
即ち、該姿勢制御コントローラ600bは、前記自動高さ制御の際には、非耕耘状態にあると擬制して、前記自動傾き制御の制御精度を緩和させる。これにより、前記ロータリ耕耘機400を最上昇位置よりは下方で且つ地面Gよりは上方に位置させた非耕耘作業状態での前記車輌本体50の走行時に、前記自動傾き制御によって前記ロータリ耕耘機400が意に反して大きく傾動することを有効に防止できる。
従って、前記車輌本体50の走行バランスを良好に維持できると共に、前記ロータリ耕耘機400が地面等に接触する等の不都合を防止できる。
従って、前記ロータリ耕耘機400を最上昇位置よりは下方で且つ地面Gよりは上方に位置させた非耕耘作業状態での圃場内又は路上での走行時に、前記車輌本体50の走行バランスを良好に維持できると共に、前記ロータリ耕耘機400が地面等に接触するという不都合を防止できる。
本実施形態においては、該姿勢制御コントローラ600bは、前記自動高さ制御での設定高さ位置hSが前記接地位置hEより高い場合には、該設定高さ位置hSが高くなるに従って前記自動傾き制御の制御精度の緩和の程度を大きくするように構成されている。
例えば、前記「制御ゲインの低減化」によって前記自動傾き制御の制御精度の緩和を行う場合には、前記ROM602bには、自動傾き制御ゲインGaと、前記作業機昇降レバー22の設定高さ位置hSとの関係を示す第5関係式又は制御マップが予め記憶されている。
この場合の前記第5関係式としては、例えば、基準となる自動傾き制御ゲイン(基準自動傾き制御ゲイン)をGa’とすると、前記作業機昇降レバー22の設定高さ位置hSが接地位置hEと同位置又は接地位置hEより低い場合には、Ga=Ga’とし、且つ、前記設定高さ位置hSが接地位置hEより高い場合には、Ga=A5×hS+B5(但しhS>hE)となるような関係式を挙げることができる。ここで、A5は比例定数、B5は定数である。
この第5関係式を制御マップとした場合を、図17に示している。図17では、前記作業機昇降レバー22の設定高さ位置hSを横軸に採り、前記自動傾き制御ゲインGaを縦軸に採っている。
なお、前記作業機昇降レバー22の設定高さ位置hSとこれに対応する自動傾き制御ゲインGaとが関連づけられたデータを、テーブルマップとして前記ROM602bに予め記憶させるようにしてもよい。
前記「制御ゲインの低減化」に代えて、若しくは、加えて、前記「不感帯幅の拡大」によって前記自動傾き制御の制御精度の緩和を行う場合には、前記ROM602bには、前記自動傾き制御の際に用いる不感帯の幅δと、前記作業機昇降レバー22の設定高さ位置hSとの関係を示す第6関係式又は制御マップが予め記憶されている。
この場合の前記第6関係式としては、例えば、基準となる不感帯の幅(基準不感帯幅)をδ’とすると、前記作業機昇降レバー22の設定高さ位置hSが接地位置hEと同位置又は接地位置hEより低い場合には、δ=δ’とし、且つ、前記設定高さ位置hSが接地位置hEより高い場合には、δ=A6×hS+B6(但しhS>hE)となるような関係式を挙げることができる。ここで、A6は比例定数、B6は定数である。
この第6関係式を制御マップとした場合を、図18に示している。図18では、前記作業機昇降レバー22の設定高さ位置hSを横軸に採り、前記不感帯の幅δを縦軸に採っている。
斯かる構成を備えることにより、前記姿勢制御コントローラ600bは、前記作業機昇降レバー22の設定高さ位置hSが接地位置hEと同位置又は接地位置hEより低い場合には、不感帯の幅δを前記基準不感帯幅δ’に設定し、且つ、前記設定高さ位置hSが接地位置hEより高い場合には、前記設定高さ位置hSが「低い」→「高い」になるに連れて不感帯の幅δを広くする。
なお、前記作業機昇降レバー22の設定高さ位置hSとこれに対応する不感帯の幅δとが関連づけられたデータを、テーブルマップとして前記ROM602bに予め記憶させるようにしてもよい。
前記「制御ゲインの低減化」及び/又は前記「不感帯幅の拡大」に代えて、若しくは、加えて、前記「フィルタリング条件の変更」によって前記自動傾き制御の制御精度の緩和を行う場合には、前記ROM602bには、前記フィルタ部625の遮断周波数fcと、前記作業機昇降レバー22の設定高さ位置hSとの関係を示す第7関係式又は制御マップが予め記憶されている。
この場合の前記第7関係式としては、例えば、基準となる遮断周波数(基準遮断周波数)をfc’とすると、前記作業機昇降レバー22の設定高さ位置hSが接地位置hEと同位置又は接地位置hEより低い場合には、fc=fc’とし、且つ、前記設定高さ位置hSが接地位置hEより高い場合には、fc=A7×v+B7(但しhS>hE)となるような関係式を挙げることができる。ここで、A7は比例定数、B7は定数である。
この第7関係式を制御マップとした場合を、図19に示している。図19では、前記作業機昇降レバー22の設定高さ位置hSを横軸に採り、前記遮断周波数fcを縦軸に採っている。
斯かる構成を備えることにより、前記姿勢制御コントローラ600bは、前記作業機昇降レバー22の設定高さ位置hSが接地位置hEと同位置又は接地位置hEより低い場合には、遮断周波数fcを基準遮断周波数fc’に設定し、且つ、前記設定高さ位置hSが接地位置hEより高い場合には、前記設定高さ位置hSが「低い」→「高い」になるに連れて遮断周波数fcを低くする。
なお、前記作業機昇降レバー22の設定高さ位置hSとこれに対応する遮断周波数fcとが関連づけられたデータを、テーブルマップとして前記ROM602bに予め記憶させるようにしてもよい。
以下、本発明に係る姿勢制御装置の第4実施形態について説明する。
第4実施形態に係る姿勢制御装置の姿勢制御コントローラ600cは、前記第3実施形態に係る姿勢制御装置の姿勢制御コントローラ600bにおいて前記ROM602bの代わりにROM602cを備えている。
従って、前記車輌本体50の走行バランスを良好に維持できると共に、前記ロータリ耕耘機400が地面G等に接触する等の不都合を防止できる。
図21に示す制御プログラムP4の処理フローは、図20に示す制御プログラムP3の処理フローにおいて、前記ステップS9bの代わりにステップS9cを設けている。図21の処理フローは、ステップS9c以外は図20の処理フローと実質的に同じものである。従って、ここではステップS9cのみについて説明する。
400…耕耘機 600…制御手段 622…傾斜状態検出手段
623…傾斜設定手段 624…耕耘位置検出手段 626…耕深深さ設定手段
hD…検出耕深位置 hL…検出上下位置 hS…設定高さ位置 t…検出傾斜状態
tS…設定傾斜状態 v…車速 vS…閾値車速
Claims (10)
- 車輌本体に対して昇降可能且つ左右に傾動可能に連結された耕耘機の検出上下位置を設定高さ位置に追従させる自動高さ制御と、前記耕耘機の検出耕深位置を設定耕深位置に追従させる自動耕深制御と、前記耕耘機の前記車輌本体に対する検出傾斜状態を設定傾斜状態に追従させる自動傾き制御とを行うように構成された姿勢制御装置であって、
前記車輌本体の車速が所定の閾値車速より高速の場合には、前記自動傾き制御の制御精度を緩和させると共に、前記閾値車速を前記設定高さ位置に応じて変更するように構成したことを特徴とする姿勢制御装置。 - 前記設定高さ位置が接地位置より高い場合には、該設定高さ位置が高くなるに従って前記閾値車速を低速とすることを特徴とする請求項1に記載の姿勢制御装置。
- 制御ゲインの低減化、不感帯幅の拡大又はフィルタリング条件の変更の少なくとも何れか一の手段によって、前記自動傾き制御の制御精度を緩和させるように構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の姿勢制御装置。
- 前記自動傾き制御の制御精度の緩和の程度が、前記作業車輌の車速に応じて変更されるように構成されていることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の姿勢制御装置。
- 車輌本体に対して昇降可能且つ左右に傾動可能に連結された耕耘機の検出上下位置を設定高さ位置に追従させる自動高さ制御と、前記耕耘機の検出耕深位置を設定耕深位置に追従させる自動耕深制御と、前記耕耘機の前記車輌本体に対する検出傾斜状態を設定傾斜状態に追従させる自動傾き制御とを行うように構成された姿勢制御装置であって、
前記車輌本体の車速が所定の閾値車速より高速の場合には、前記自動傾き制御を停止するように構成したことを特徴とする姿勢制御装置。 - 前記閾値車速を前記設定高さ位置に応じて変更するように構成したことを特徴とする請求項5に記載の姿勢制御装置。
- 車輌本体に対して昇降可能且つ左右に傾動可能に連結された耕耘機の検出上下位置を設定高さ位置に追従させる自動高さ制御と、前記耕耘機の検出耕深位置を設定耕深位置に追従させる自動耕深制御と、前記耕耘機の前記車輌本体に対する検出傾斜状態を設定傾斜状態に追従させる自動傾き制御とを行うように構成された姿勢制御装置であって、
前記自動高さ制御の際には、前記自動傾き制御の制御精度を緩和させるように構成したことを特徴とする姿勢制御装置。 - 制御ゲインの低減化、不感帯幅の拡大又はフィルタリング条件の変更の少なくとも何れか一の手段によって、前記自動傾き制御の制御精度を緩和させるように構成されていることを特徴とする請求項7に記載の姿勢制御装置。
- 前記自動傾き制御の制御精度の緩和の程度が、前記設定高さ位置に応じて変更されるように構成されていることを特徴とする請求項7又は8に記載の姿勢制御装置。
- 車輌本体に対して昇降可能且つ左右に傾動可能に連結された耕耘機の検出上下位置を設定高さ位置に追従させる自動高さ制御と、前記耕耘機の検出耕深位置を設定耕深位置に追従させる自動耕深制御と、前記耕耘機の前記車輌本体に対する検出傾斜状態を設定傾斜状態に追従させる自動傾き制御とを行うように構成された姿勢制御装置であって、
前記自動高さ制御の際には、前記自動傾き制御を停止するように構成したことを特徴とする姿勢制御装置。
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