JP4863348B2 - 耕深制御装置 - Google Patents
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Description
前記耕深深さ設定手段は、設定耕深位置(目標耕深位置)として、前記耕耘上面カバーに対する前記耕耘リヤカバーの回動角度を設定し、一方、前記耕深位置検出手段は、実耕深位置(検出耕深位置)として、前記耕耘上面カバーに対する前記耕耘リヤカバーの回動角度を検出している。
そして、前記制御手段は、前記検出耕深位置と前記設定耕深位置との偏差に基づいて、前記昇降用アクチュエータの制御条件を算出し、該制御条件に基づき前記検出耕深位置が前記設定耕深位置と一致するように前記昇降用アクチュエータを作動させることで、自動耕深制御を行っている。
これに代えて、若しくは、加えて、前記偏差に対する不感帯幅を設けることや、前記検出耕深位置の入力経路及び/又は前記昇降用アクチュエータへの出力経路にフィルタを介挿させることも提案されている。
従って、例えば、前記制御条件が、前記制御ゲイン「大」、前記不感帯幅「小」及び遮断周波数の範囲「大」に設定されていると、前記偏差が大きい場合に前記耕耘機の昇降量が過大になり、制御の不安定化が生じる。
従って、前輪が坂にさしかかった際や凹凸の多い場所を耕耘する際のように持続的な外乱の入力がある場合に、制御の不安定化を招き、ハンチング現象が生じやすいという問題があった。
又、本発明は、持続的な外乱の入力があった場合であっても、耕耘機の昇降制御の安定化を図り得る構造簡単な耕深制御装置の提供を、他の目的とする。
(1)第1態様の耕深制御装置
リヤカバーの回動角度に基づき、車輌本体に対して昇降可能に連結された耕耘機の検出耕深位置を設定耕深位置に追従させる自動耕深制御を行うように構成された耕深制御装置であって、前記検出耕深位置と前記設定耕深位置との偏差の変化割合の大きさに基づき自動耕深制御における制御ゲインを変更するように構成したことを特徴とする耕深制御装置。
(2)第2態様の耕深制御装置
リヤカバーの回動角度に基づき、車輌本体に対して昇降可能に連結された耕耘機の検出耕深位置を設定耕深位置に追従させる自動耕深制御を行うように構成された耕深制御装置であって、前記検出耕深位置と前記設定耕深位置との偏差の変化割合の大きさに基づき自動耕深制御における不感帯幅を変更するように構成したことを特徴とする耕深制御装置。
(3)第3態様の耕深制御装置
リヤカバーの回動角度に基づき、車輌本体に対して昇降可能に連結された耕耘機の検出耕深位置を設定耕深位置に追従させる自動耕深制御を行うように構成された耕深制御装置であって、前記検出耕深位置と前記設定耕深位置との偏差の変化割合の大きさに基づき自動耕深制御におけるフィルタリング条件を変更するように構成したことを特徴とする耕深制御装置。
例えば、前記偏差の変化割合の大きさが大きくなるに従って前記制御ゲインを小さくすることができる。
これに代えて、前記偏差の変化割合の大きさが所定の閾値以内の場合には前記制御ゲインを所定の制御ゲインと等しいか又は前記所定制御ゲインより大きくし、且つ、前記偏差の変化割合の大きさが所定の閾値よりも大きい場合には前記制御ゲインを前記所定制御ゲインより小さくすることもできる。
これらの構成によれば、前記偏差が大きい場合におけるオーバーシュート現象を有効に防止しつつ、可及的速やかに耕深位置を設定耕深位置に追従させることができ、これにより、自動耕深制御の安定化を図ることができる。
例えば、前記偏差の変化割合の大きさが大きくなるに従って前記不感帯幅を大きくすることができる。
これに代えて、前記偏差の変化割合の大きさが所定の閾値以内の場合には前記不感帯幅を所定の不感帯幅と等しいか又は前記所定不感帯幅より小さくし、且つ、前記偏差の変化割合の大きさが所定の閾値よりも大きい場合には前記不感帯幅を前記所定不感帯幅より大きくすることもできる。
これらの構成によれば、前記偏差が大きい場合におけるオーバーシュート現象を有効に防止しつつ、可及的速やかに耕深位置を設定耕深位置に追従させることができ、これにより、自動耕深制御の安定化を図ることができる。
即ち、制御手段への検出耕深位置の入力経路及び/又は制御手段から昇降用アクチュエータへの出力経路に介挿されるフィルタによって遮断される周波数範囲(遮断周波数範囲)を、前記偏差の変化割合の大きさに基づいて変更することで、該偏差の大小に拘わらず自動耕深制御の安定化を図ることができる。
これに代えて、前記偏差の変化割合が大きくなるに従って前記遮断周波数範囲を小さくしてもよい。この場合においても、前記偏差が小さい場合におけるオーバーシュート現象を防止しつつ、前記偏差が大きい場合における振動的動作を可及的速やかに収束させることができる。
図1は本実施の形態に係る耕深制御装置が適用される作業車輌の一例である農作業用トラクタの概略側面図である。図2は図1に示すトラクタの概略平面図である。図3は図1に示すトラクタにおける耕耘機用昇降機構の概略側面図である。図4は図3に示す耕耘機用昇降機構の概略平面図である。図5はロータリー耕耘機の図2におけるV−V線に沿った概略断面図である。図6は該ロータリー耕耘機の概略背面図である。図7は該トラクタの油圧回路図である。
前記車輌本体50は、走行機体1と、該走行機体1を支持する左右一対の前車輪2及び左右一対の後車輪3と、該走行機体1の前部に搭載されたエンジン4とを備えており、前記エンジン4からの動力によって前記後車輪3及び前記前車輪2を作動的に駆動することにより、前後進走行するように構成されている。なお、図中の符号5は前記エンジン4を覆うボンネット5である。
さらに、前記トラクタ100は、前記走行機体1の上面に設けられたキャビン6を有している。該キャビン6の内部には、操縦座席7と、かじ取りすることによって前記前車輪2の操向方向を左右に動かすように構成された操縦ハンドル(丸ハンドル)8とが設置されている。前記キャビン6の外側部には、作業者が乗降するステップ9が設けられ、該ステップ9より内側で且つ該キャビン6の底部より下側には、前記エンジン4に燃料を供給する燃料タンク10が設けられている。
前記機体フレーム15の後部には、前記エンジン4の回転を適宜変速してそれぞれ後輪軸3a及び前輪軸2aを介して前記後車輪3及び前記前車輪2に伝達するためのミッションケース16が連結されている。前記後車輪3は、前記ミッションケース16の外側面から外向きに突出するように装着された後車軸ケース17を介して取付けられている。
なお、前記ミッションケース16の後端面には、前記ロータリー耕耘機400の駆動力を出力する為のPTO軸18が後向きに突出するように設けられている。
図1及び図3に示すように、前記左右ロワーリンク311,312は、前端側が前記ミッションケース16後部の左右側面のそれぞれにロワーリンクピン313を介して回動可能に連結され、且つ、後端側が前記ロータリー耕耘機400における下リンクフレーム440の前端部に下ヒッチピン314を介して連結されている。
前記トップリンク320は、前端側が下記作業機用昇降機構200の後部のトップリンクヒッチ210にトップリンクピン211を介して連結され、且つ、後端側が下記上リンクフレーム410の前端側に上ヒッチピン321を介して連結されている。
図3及び図4及び図7に示すように、油圧式の作業機用昇降機構200は、昇降用アクチュエータとして作用する単動形の昇降制御油圧シリンダ220と、該油圧シリンダ220におけるピストンによって作動的に回動される左右一対のリフトアーム221,222とを有している。
進行方向に向かって右側の前記リフトアーム222は、右リフトロッド232を介して対応する右側の前記ロワーリンク312に連結されている。
つまり、前記昇降制御油圧シリンダ220によって前記左右一対のリフトアーム221,222が車輌左右方向に沿った前記回動軸回りに揺動することで、前記ロータリー耕耘機400は、前記トップリンク320及び前記一対のロワーリンク311,312の前端部回りに昇降するようになっている。
つまり、前記傾斜制御油圧シリンダ240のピストンロッド241が進退することによって、前記ロータリー耕耘機440は、前記左右一対のリフトロッド231,232の他方(ここでは、左リフトロッド231)と該他方のリフトロッド231に対応したロワーリンク311との連結点(即ち、前記ロータリー耕耘機400の左右方向中心位置Dから一方側へ変位された位置)を支点Q(図2参照)として、傾動するようになっている。
斯かる構成を備えることにより、耕深調節ハンドル439a(図1参照)を回転操作して前記耕深調節軸439を伸縮させると、前記左右一対のロワーリンク311,312及びトップリンク320にて支持される前記ロータリー耕耘機400は、前傾又は後傾姿勢に変化するようになっており、これにより、前記耕耘爪434による耕深位置hD(耕耘深さ)が手動で変更できるように構成されている。
前記PTO軸18からの動力は、前記ギヤケース450に内蔵されたベベルギヤ(図示せず)、前記メインビーム420に内蔵された回転軸(図示せず)、前記チェーンケース431に内蔵されたスプロケット及びチェーン(図示せず)等を介して前記耕耘爪軸433に伝達される。これにより、前記耕耘爪434が図1及び図5において反時計方向に回転される。
さらに、前記耕耘上面カバー435の上面後部には、後方且つ上方へ延びる左右一対のハンガーフレーム441が立設されている。
そして、前記耕耘リヤカバー437の上面後端側と前記左右ハンガーフレーム441の後端側との間には左右一対のハンガー機構460が設けられており、前記耕耘リヤカバー437は、該ハンガー機構460によって、前記枢着軸437a回りに上下動し得るようになっている。
前記各ハンガー機構460は、前記受圧軸体442の前記貫通孔に摺動可能に挿通された細長い丸棒形のハンガーロッド461を有している。
前記ハンガーロッド461は、下端部が、車輌左右方向に沿った支軸461aを介して、前記耕耘リヤカバー437の後部上面に設けられたブラケット462に回動自在に連結されている(図5参照)。
前記ハンガーロッド461には、前記受圧軸体442より上方側において固設された下降規制ピン461bと、前記下降規制ピン461bと前記受圧軸体442との間に位置するように該ハンガーロッド461に軸線方向摺動可能に外挿された下降規制板463と、該ハンガーロッド461の下方側で且つ前記支軸461aより上方側において固設された上昇規制ピン461cと、前記上昇規制ピン461cによって下方への移動が規制された状態で該ハンガーロッド461に軸線方向摺動可能に外挿された下座板465と、前記下座板465及び前記受圧軸体442の間に位置するように該ハンガーロッド461に外挿された鎮圧用圧縮バネ466と、該鎮圧用圧縮バネ466の上端部と係合する上座板464とが設けられている。
即ち、前記昇降用アクチュエータによって前記ロータリー耕耘機400が地面Gから離れるように持上げられると、前記耕耘リヤカバー437の後端側が前記枢着軸437a回りに下方側に回動する。
この際、前記ハンガーロッド461は前記受圧軸体442に案内された状態で下方側へ移動するが、前記下降規制ピン461bが前記下降規制板463に当接し且つ該下降規制板463が前記受圧軸体442に当接することで、該ハンガーロッド461の下方側への移動が停止される。従って、前記耕耘リヤカバー437はその後端側を最下降させた姿勢に維持される。
この際、前記ハンガーロッド461は前記受圧軸体442に案内された状態で上方側へ移動する。斯かるハンガーロッド461の上方側への移動によって、前記上昇規制ピン461c及び前記下座板465を介して前記鎮圧用圧縮バネ466が圧縮される。
即ち、前記耕耘リヤカバー437が前記枢着軸437a回りに上方側へ回動する際には、該耕耘リヤカバー437は前記鎮圧用圧縮バネ466の付勢力に抗して動作することになり、従って、前記耕耘リヤカバー437の後方への土の飛散を有効に防止しつつ、該耕耘リヤカバーによる均平作用を有効に維持することができる。
図7に示すように、前記油圧回路500は、前記エンジン4によって作動的に回転駆動される作業機用油圧ポンプ501と、該油圧ポンプ501の吐出側に流体接続された分流弁505と、該分流弁505によって分岐された一方側油路及び他方側油路にそれぞれ配置された昇降制御用バルブ及び傾斜制御用バルブとを備えている。
本実施の形態においては、前記昇降制御用バルブは、上昇制御電磁弁502及び下降制御電磁弁503を有している。また、前記傾斜制御用バルブは、傾斜制御電磁弁504を有している。
なお、前記油圧回路500は、図7に示すように、リリーフ弁や流量調整弁、チェック弁、オイルクーラ、オイルフィルタ等も備えている。
図1及び図2に示すように、前記操縦ハンドル8は、前記操縦座席7の前方に位置する操縦コラム19上に設けられている。
前記キャビン6内には、前記操縦座席7,前記操縦ハンドル8及び前記操縦コラム19に加えて、前記エンジン4の回転数(出力)を調節するためのスロットルレバー617と、前記走行機体1を制動操作するための左右ブレーキペダル20と、前記エンジンから前記前車輪2及び前記後車輪3への動力伝達の係脱操作を行う為のクラッチペダル21と、車輌本体50の走行速度を変速操作する為の走行変速レバー24と、前記エンジン4から前記後車輪3への動力伝達経路に介挿されるディファレンシャル機構をロック操作する為のデフロックペダル25と、前記PTO軸18からの出力回転数を変速操作する為のPTO変速レバー23とが配置されている。
図8に、前記ロータリー耕耘機400の模式側面図を示す。なお、図8(a)は自動耕深制御時のロータリー耕耘機400の昇降状態を示しており、図8(b)は自動高さ制御時のロータリー耕耘機400の昇降状態を示している。
前記作業機昇降レバー22は、前記ロータリー耕耘機400の設定高さ位置(目標高さ位置)hS(図8(b)参照)を手動で変更操作するための上下位置操作手段として作用する。
前記上下位置操作手段は、前記設定高さ位置として、前記リフトアーム221,222の設定リフト角度(目標リフト角度)θS(図8(b)参照)を設定し得るように構成される。
図9に、前記ロータリー耕耘機400の模式背面図を示す。
前記傾斜設定器623は、前記ロータリー耕耘機400の傾斜状態tSを設定する傾斜設定手段として作用する。具体的には、図9に示すように、前記車輌本体50に対する前記ロータリー耕耘機400の左右方向に関する相対的な設定左右傾斜角度(目標左右傾斜角度)φsを予め設定する為のものであり、例えば、可変抵抗器を含み得る。
前記耕深設定器626は、前記ロータリー耕耘機400における耕耘爪434の設定耕深位置(目標耕深位置)hR(図8(a)参照)を設定する耕深深さ設定手段として作用する。
詳細は後述するが、前記ロータリー耕耘機400の耕深位置は、前記耕耘上面カバー435に対する前記耕耘リヤカバー437の回動角度に基づいて制御されるようになっている。従って、前記耕深深さ設定手段は、前記設定耕深位置として、前記耕耘上面カバー435に対する前記耕耘リヤカバー437の設定回動角度(目標回動角度)θR(図8(a)参照)を設定し得るように構成され、例えば、可変抵抗器を含み得る。なお、前記設定回動角度θRは、例えば、鉛直Vを基準にした回動角度とすることができる。
次に、本発明に係る耕深制御装置の第1実施形態について説明する。
図10は、第1実施形態に係る耕深制御装置のブロック図である。
該耕深制御装置は、前記耕耘リアカバー437の回動角度に基づき、前記車輌本体50に対して昇降可能に連結された前記ロータリー耕耘機400の検出耕深位置hDを前記耕深設定器626による設定耕深位置hRに追従させる自動耕深制御を行うように構成されている。
即ち、前記ロータリー耕耘機400の耕深位置hD(図8(a)参照)に応じて、前記耕耘上面カバー435に対する前記耕耘リヤカバー437の回動位置が変化する。従って、前記リヤカバーセンサ624によって、前記耕耘上面カバー435に対する前記耕耘リヤカバー437の回動位置を検出することによって、前記ロータリー耕耘機400の耕深位置hDを検出することができる。
詳しくは、前記リヤカバーセンサ624は、前記耕耘上面カバー435に対する前記耕耘リヤカバー437の回動位置として、前記耕耘上面カバー435に対する前記耕耘リヤカバー437の回動角度θD(図8(a)参照)を検出し得るように構成され、この検出回動角度θDは、例えば、鉛直Vを基準にした回動角度とすることができる。
本実施の形態においては、該リヤカバーセンサ624は、前記耕耘上面カバー435の後部上面に配置されたポテンショメータ型とされている(図2、図5、図6及び図8参照)。
なお、前記リヤカバーセンサ624と前記耕耘リヤカバー437とは、センサアーム437b及びセンサリンク437c等を介して連結されている(図2参照)。
即ち、該耕深制御コントローラ600は、図10に示すように、入力系が前記耕深設定器626,前記リヤカバーセンサ624に電気的に接続されると共に、出力系が前記上昇制御電磁弁502及び前記下降制御電磁弁503に電気的に接続されている。
斯かる耕深制御コントローラ600は電源印加用キースイッチ611を介してバッテリ612に接続されている。なお、前記キースイッチ611は、前記エンジン4を始動するためのスタータ613に接続される。
斯かるフィルタ部625を設けることにより、前記リアカバーセンサ624の検出感度変化の影響を抑制することができる。これについては後ほど詳述する。
該電子ガバナコントローラ614には、前記エンジン4の燃料を調節するガバナ615と、前記エンジン4の回転数を検出するエンジン回転センサ616とが接続されている。
具体的には、図10に示すように、該耕深制御装置は、前記構成に加えて、前記上下位置設定手段として作用する前記作業機昇降レバー22と、前記ロータリー耕耘機400の前記車輌本体に対する上下位置を検出する上下位置検出手段とを備えている。
本実施の形態においては、前記上下位置検出手段としてリフト角センサ627が備えられている。
該リフト角センサ627は、前記ロータリ耕耘機400の対機体高さ(前記車輌本体50に対する前記ロータリ耕耘機400の相対高さ)hLを検出し得るように構成されている。
具体的には、該リフト角センサ627は、前記リフトアーム221,222のリフト角度θL(図8(b)参照)を検出するように構成されており、例えば、ポテンショメータ型のものが使用され得る。
該リフト角センサ627は、前記作業機用昇降機構200と前記左リフトアーム221との連結箇所に配置されている(図3及び図4参照)。
具体的には、該耕深制御コントローラ600は、前記上下位置設定手段及び前記上下位置検出手段からの信号を入力して、前記昇降用アクチュエータへ制御信号を出力するように構成されている。
即ち、該耕深制御コントローラ600は、図10に示すように、入力系が前記作業機昇降レバー22及び前記リフト角センサ627にも電気的に接続されている。
具体的には、図10に示すように、該耕深制御装置は、前記構成に加えて、前記傾動用アクチュエータとして作用する前記傾斜制御油圧シリンダ240と、前記傾斜設定手段として作用する前記傾斜設定器623と、前記ロータリー耕耘機400の傾斜状態を検出する作業機傾斜状態検出手段として作用する作業機ポジションセンサ622とを備えている。
該作業機ポジションセンサ622は、詳細は図示していないが、例えば、前記耕耘上面カバー435の上方に位置する前記メインビーム420の左右中央箇所に配置され得る。
具体的には、該耕深制御コントローラ600は、前記傾斜設定手段623及び前記作業機傾斜状態検出手段622からの信号を入力して、前記傾動用アクチュエータ240へ制御信号を出力するように構成されている。
即ち、該耕深制御コントローラ600は、図10に示すように、入力系が前記傾斜設定器623及び前記作業機ポジションセンサ622にも電気的に接続されると共に、出力系が前記傾斜制御電磁弁504に電気的に接続されている。
本実施の形態においては、該機体ローリングセンサ621は、前記作業機用昇降機構200の上面で且つ前記操縦座席7の後方の箇所に配置されている(図1〜図4参照)。
前記ピッチング角センサ629は、前記車輌本体50の前後方向に関する傾斜角度を検出する為のものであり、例えば、振子式のものが使用され得る。
また該車速センサ628は、前後四輪2,3の回転速度(走行速度)を検出するためのものである。
前記「偏差Δhの大きさによる制御ゲインの選択」に代えて、若しくは、加えて、該耕深制御コントローラ600は、前記タイマにて前記偏差Δhの大きさの所定時間内における積分値に基づき前記自動耕深制御における制御ゲインKp、Ki,Kdを変更するように構成されている。即ち、前記偏差Δhの積分値の大きさによって制御ゲインを選択するように構成されている(図11(b)参照)。
前記「偏差Δhの大きさによる制御ゲインの選択」及び/又は前記「偏差Δhの積分値の大きさによる制御ゲインの選択」に代えて、若しくは、加えて、該耕深制御コントローラ600は、前記偏差Δhの変化割合の大きさに基づき前記自動耕深制御における制御ゲインKp、Ki,Kdを変更するように構成されている。即ち、前記偏差Δhの微分値の大きさによって制御ゲインを選択するように構成されている(図11(c)参照)。
ここで、Kは制御ゲインであり、添字pのゲインは比例ゲイン、添字iのゲインは積分ゲイン、添字dのゲインは微分ゲインを示す。
本実施の形態においては、前記偏差Δh及び/又は前記偏差Δhの微分値の大きさが大きくなるに従って前記制御ゲインKp、Ki,Kdを小さくすることで、前記偏差Δhが大きい場合におけるオーバーシュート現象を有効に防止しつつ、可及的速やかに耕深位置hDを設定耕深位置hRに追従させることができるようになっている。これにより、自動耕深制御の安定化を図ることができる。
また、前記偏差Δhの積分値の大きさが所定の閾値以内の場合には前記制御ゲインKp、Ki,Kdを所定の制御ゲインと等しいか又は前記所定制御ゲインより大きくし、且つ、前記偏差Δhの積分値の大きさが前記所定閾値よりも大きい場合には前記制御ゲインKp、Ki,Kdを前記所定制御ゲインより小さくすることで、前記偏差Δhが大きい場合におけるオーバーシュート現象を有効に防止しつつ、可及的速やかに耕深位置hDを設定耕深位置hRに追従させることができるようにもなっている。これにより、自動耕深制御の安定化を図ることができる。また、この場合、持続的な外乱の入力があった場合であっても、前記ロータリ耕耘機400の昇降制御の安定化を図ることができる。
前記ROM602には、例えば、前記制御ゲインKpと前記偏差Δhの大きさとの関係を示す制御ゲイン演算用関係式又は制御ゲインマップが予め記憶されている。
この制御ゲイン演算用関係式を制御ゲインマップとした場合を図12に示している。図12では、前記偏差Δhの大きさを横軸に採り、制御ゲインKpを縦軸に採っている。
なお、前記偏差Δhの大きさとこれに対応する制御ゲインKpとが関連づけられたデータを、テーブルマップとして前記ROM602に予め記憶させるようにしてもよい。
また、前記制御ゲインKp,Ki,Kdと前記偏差Δhの所定時間内(又は所定サンプリング数)における積分値(若しくは平均値)の大きさとの関係を得るための手段は、例えば、前記偏差Δhの所定時間内(又は所定サンプリング数)における積分値(若しくは平均値)の大きさとこれに対応する制御ゲインKp,Ki,Kdとが関連づけられた関係式又は制御ゲインマップ或いはテーブルマップであってもよい。
前記制御ゲインKp,Ki,Kdと前記偏差Δhの変化割合(微分値)の大きさとの関係を得るための手段は、例えば、前記偏差Δhの変化割合(微分値)の大きさとこれに対応する制御ゲインKp,Ki,Kdとが関連づけられた関係式又は制御ゲインマップ或いはテーブルマップであってもよい。
これらの関係は各制御ゲインKp,Ki,Kd共通でも独立でもかまわない。本実施形態では、各制御ゲインKp,Ki,Kd共通としている。なお、各制御ゲインKp,Ki,Kdのうち何れかのゲインを0「ゼロ」として不使用にすることができる。
斯かる構成を備えることにより、前記耕深制御コントローラ600は、前記偏差Δhの微分値の大きさが大きくなるに従って前記制御ゲインKp,Ki,Kdを小さくする。
斯かる構成を備えることにより、前記耕深制御コントローラ600は、前記偏差Δhの積分値の大きさが前記閾値偏差Δht以内の場合には前記制御ゲインKp,Ki,Kdを元の制御ゲインと等しいか又は大きく(ここでは等しく)し、且つ、前記積分値の大きさが前記閾値偏差Δhtより大きい場合には前記制御ゲインKp,Ki,Kdを元の制御ゲインより小さくする。
なお、前記閾値偏差Δht、前記閾値カウンタCt及び前記目標範囲Δhdは、前記ROM602に予め記憶されている。
(偏差Δhの大きさによる制御ゲインの選択)
先ず、第1実施形態に係る自動耕深制御において前記偏差Δhの大きさによって前記制御ゲインKp,Ki,Kdを選択する場合について説明する。
図13に、第1実施形態に係る自動耕深制御において前記偏差Δhの大きさによって前記制御ゲインKp,Ki,Kdを選択するためのフローチャートを示す。
具体的には、次の式(1)に示すように、偏差の累積値Δhiに前記偏差Δhを加算するとともに、次の式(2)に示すように、前記偏差Δhから前回の偏差Δh1(但し初期値は「0」)を差し引いた前回偏差との差Δhdを算出する。
Δhi=Δhi+Δh・・・式(1)
Δhd=Δh−Δh1・・・式(2)
具体的には、前記ステップS2で得られた偏差Δhと、前記ステップS4で得られた制御ゲインKp,Ki,Kdと、前記ステップS5で得られた偏差の累積値Δhi及び前回偏差との差Δhdとを次の式(3)に代入して、出力値Yを算出する。
Y=KpΔh+KiΔhi+KdΔhd・・・式(3)
これにより、耕深制御の際には、前記ステップS6で得られた出力値Yと、前記リヤカバーセンサ624で読み込まれた検出上下回動角度θDに基づく検出耕深位置hDとにより、該検出耕深位置hDが前記耕深設定器626の設定回動角度θRに基づく設定耕深位置hRとなるように前記昇降制御油圧シリンダ220の自動昇降制御量が算出される。こうして算出された自動昇降制御量にて前記上昇制御電磁弁502又は前記下降制御電磁弁503が作動され、前記昇降制御油圧シリンダ220による前記ロータリー耕耘機400の下降又は上昇の動作が実行される。
次に、第1実施形態に係る自動耕深制御において前記偏差Δhの積分値の大きさによって前記制御ゲインKp,Ki,Kdを選択する場合について説明する。
図14に、第1実施形態に係る自動耕深制御において前記偏差Δhの積分値の大きさによって前記制御ゲインKp,Ki,Kdを選択するためのフローチャートを示す。
図14に示すフローチャートは、図13に示すフローチャートにおいて、前記ステップS1〜S4の代わりに前記偏差Δhの積分値を求めるステップS101〜S114を設けている。図14に示すフローチャートは、ステップS101〜S114以外は図13のフローチャートと実質的に同じものである。従って、ここでは、これらのステップを中心に説明する。
前記リヤカバーセンサ624による検出上下回動角度θDを読み込み(ステップS104)、該読み込まれた検出上下回動角度θDに基づく前記ロータリー耕耘機400の検出耕深位置hDと前記耕深設定器626による設定耕深位置hRとの偏差Δhを算出する(ステップS105)。
具体的には、前記偏差Δhが前記閾値偏差Δhtより大きいと判断した場合には、ステップS107に移行する一方、前記偏差Δhが前記閾値偏差Δhtと等しいか又は前記閾値偏差Δhtより小さいと判断した場合には、ステップS108に移行する。
前記ステップS106で前記偏差Δhが前記閾値偏差Δhtより大きいと判断した場合、前記カウンタCに1を加算する(ステップS107)。
具体的には、前記カウンタCが前記閾値カウンタCtより大きいと判断した場合には、ステップS109に移行する一方、前記カウンタCが前記閾値カウンタCtと等しいか又は前記閾値カウンタCtより小さいと判断した場合には、ステップS110に移行する。
前記ステップS108で前記カウンタCが前記閾値カウンタCtより大きいと判断した場合、前記制御ゲインKpに係数α(但し0<α<1、例えば、α=0.5)を掛ける(ステップS109)。
具体的には、前記偏差Δhが前記目標範囲Δhd内にあると判断した場合には、ステップS111に移行する一方、前記偏差Δhが前記目標範囲Δhd内にないと判断した場合には、ステップS113に移行する。
前記ステップS110で前記偏差Δhが前記目標範囲Δhd内にあると判断した場合、前記カウンタCを「0」にリセットする(ステップS111)。前記制御ゲインKpに前記変数Kp’の値を代入して該制御ゲインKpを元に戻し(ステップS112)、ステップS113に移行する。
具体的には、所定時間経過していないと判断した場合には、ステップS104に戻る一方、所定時間経過したと判断した場合には、ステップS114に移行する。
そして、前記ステップS6において前記ステップS101〜S114で得られた偏差Δh及び制御ゲインKp,Ki,Kdと、前記ステップS5で得られた偏差の累積値Δhi及び前回偏差との差Δhdとを前記式(3)に代入して、出力値Yを算出する。
次に、第1実施形態に係る自動耕深制御において前記偏差Δhの微分値の大きさによって前記制御ゲインKp,Ki,Kdを選択する場合について説明する。
図15に、第1実施形態に係る自動耕深制御において前記偏差Δhの微分値の大きさによって前記制御ゲインKp,Ki,Kdを選択するためのフローチャートを示す。
図15に示すフローチャートは、図13に示すフローチャートにおいて、前記ステップS3及びS4の代わりにそれぞれステップS30及びS40を設け、ステップS2とS30との間にステップS21を、またステップS40とS5との間にステップS41を追加している。図14に示すフローチャートは、ステップS30,S40,S21及びS41以外は図13のフローチャートと実質的に同じものである。従って、ここでは、これらのステップを中心に説明する。
Δhj=|Δh−Δh2|・・・式(4)
そして、前記ステップS6において、前記ステップS2で得られた偏差Δhと、前記ステップS40で得られた制御ゲインKp,Ki,Kdと、前記ステップS5で得られた偏差の累積値Δhi及び前回偏差との差Δhdとを前記式(3)に代入して、出力値Yを算出する。
これについて、次の第2の実施形態を参照しながら説明する。
以下、本発明に係る耕深制御装置の第2実施形態について説明する。
この第2実施形態に係る耕深制御装置は、図10に示す耕深制御装置とは耕深制御コントローラ600が異なる以外は実質的に同じものである。従って、第2実施形態に係る耕深制御装置のブロック図を図10に示すブロック図に代用させ、その詳細な説明を省略する。なお、耕深制御コントローラ600aの参照符号は図10に示す耕深制御コントローラ600の後の括弧内に付してある。後述する第3実施形態についても同様である。
前記「偏差Δhの大きさによる不感帯幅の選択」に代えて、若しくは、加えて、該耕深制御コントローラ600aは、前記タイマにて前記偏差Δhの所定時間内における積分値の大きさに基づき前記自動耕深制御における不感帯幅δを変更するように構成されている。即ち、前記偏差Δhの積分値の大きさによって不感帯幅を選択するように構成されている(図16(b)参照)。
前記「偏差Δhの大きさによる不感帯幅の選択」及び/又は前記「偏差Δhの積分値の大きさによる不感帯幅の選択」に代えて、若しくは、加えて、該耕深制御コントローラ600aは、前記偏差Δhの変化割合の大きさに基づき前記自動耕深制御における不感帯幅δを変更するように構成されている。即ち、前記偏差Δhの微分値の大きさによって不感帯幅を選択するように構成されている(図16(c)参照)。
本実施の形態においては、前記偏差Δh及び/又は前記偏差Δhの微分値の大きさが大きくなるに従って前記不感帯幅δを大きくすることで、前記偏差Δhが大きい場合におけるオーバーシュート現象を有効に防止しつつ、可及的速やかに耕深位置hDを設定耕深位置hRに追従させることができるようになっている。これにより、自動耕深制御の安定化を図ることができる。
また、前記偏差Δhの積分値の大きさが所定の閾値以内の場合には前記不感帯幅δを所定の不感帯幅と等しいか又は前記所定不感帯幅より小さくし、且つ、前記偏差Δhの積分値の大きさが前記所定閾値よりも大きい場合には前記不感帯幅δを前記所定不感帯幅より大きくすることで、前記偏差Δhが大きい場合におけるオーバーシュート現象を有効に防止しつつ、可及的速やかに耕深位置hDを設定耕深位置hRに追従させることができるようにもなっている。これにより、自動耕深制御の安定化を図ることができる。また、この場合、持続的な外乱の入力があった場合であっても、前記ロータリ耕耘機400の昇降制御の安定化を図ることができる。
前記ROM602aには、例えば、前記不感帯幅δと前記偏差Δhの大きさとの関係を示す不感帯幅演算用関係式又は不感帯マップが予め記憶されている。
この不感帯幅演算用関係式関係式を不感帯マップとした場合を図17に示している。図17では、前記偏差Δhの大きさを横軸に採り、前記不感帯幅δを縦軸に採っている。
なお、前記偏差Δhの大きさとこれに対応する不感帯幅δとが関連づけられたデータを、テーブルマップとして前記ROM602aに予め記憶させるようにしてもよい。
ここで、不感帯とは、前記ロータリー耕耘機400の検出耕深位置hDが前記耕深設定器626による設定耕深位置hRを中心とする所定の上下幅範囲内にあれば、前記昇降制御油圧シリンダ220を非駆動とし、検出耕深位置hDが前記上下幅範囲から外れていれば、前記昇降制御油圧シリンダ220を昇降動させて前記ロータリ耕耘機400の耕深位置を設定耕深位置hRに近付ける動作隙間のことをいう。
また、前記不感帯幅δと前記偏差Δhの所定時間内(又は所定サンプリング数)における積分値(若しくは平均値)の大きさとの関係を得るための手段は、例えば、前記偏差Δhの所定時間内(又は所定サンプリング数)における積分値(若しくは平均値)の大きさとこれに対応する不感帯幅δとが関連づけられた関係式又は不感帯マップ或いはテーブルマップであってもよい。
前記不感帯幅δと前記偏差Δhの変化割合(微分値)の大きさとの関係を得るための手段は、例えば、前記偏差Δhの変化割合(微分値)の大きさとこれに対応する不感帯幅δとが関連づけられた関係式又は不感帯マップ或いはテーブルマップであってもよい。
斯かる構成を備えることにより、前記耕深制御コントローラ600aは、前記偏差Δhの微分値の大きさが大きくなるに従って前記不感帯幅δを大きくする。
斯かる構成を備えることにより、前記耕深制御コントローラ600aは、前記偏差Δhの積分値の大きさが閾値偏差Δht’以内の場合には前記不感帯幅δを元の不感帯幅と等しいか又は大きく(ここでは等しく)し、且つ、前記積分値の大きさが前記閾値偏差Δht’より大きい場合には前記不感帯幅δを元の不感帯幅より大きくする。
なお、図19のフローチャートで用いる閾値偏差Δht’、閾値カウンタCt’及び目標範囲Δhd’は、前記ROM602aに予め記憶されている。
(偏差Δhの大きさによる不感帯幅の選択)
先ず、第2実施形態に係る自動耕深制御において前記偏差Δhの大きさによって前記不感帯幅δを選択する場合について説明する。
図18に、第2実施形態に係る自動耕深制御において前記偏差Δhの大きさによって前記不感帯幅δを選択するためのフローチャートを示す。
具体的には、該読み出された不感帯幅演算用関係式又は不感帯マップと、前記ステップS2で算出された偏差Δhとに基づき、前記偏差Δhの大きさに応じた不感帯幅δを求める。この場合の前記不感帯幅δは、前記偏差Δhの大きさが大きくなるに従って大きい値になる(図17参照)。
これにより、耕深制御の際には、前記検出耕深位置hDと前記設定耕深位置hRとの差量が前記偏差Δhの大きさに応じた不感帯幅δ内にあれば、前記昇降制御油圧シリンダ220が非駆動とされ、該差量が該不感帯幅δから外れていれば、前記自動傾き制御量にて前記昇降制御油圧シリンダ220が駆動される。
次に、第2実施形態に係る自動耕深制御において前記偏差Δhの積分値の大きさによって前記不感帯幅δを選択する場合について説明する。
図19に、第2実施形態に係る自動耕深制御において前記偏差Δhの積分値の大きさによって前記不感帯幅δを選択するためのフローチャートを示す。
図19に示すフローチャートは、図14に示すフローチャートにおいて、前記ステップS102、S103,S106,S108〜S110,S112及びS114の代わりにそれぞれステップS102’、S103’,S106’,S108’〜S110’,S112’及びS114’を設けている。図19に示すフローチャートは、ステップS102’、S103’,S106’,S108’〜S110’,S112’及びS114’以外は図14に示すフローチャートと実質的に同じものである。従って、ここでは、これらのステップを中心に説明する。
ステップS103’では、前記不感帯幅δの値を変数δ’に代入する。
具体的には、前記偏差Δhが前記閾値偏差Δht’より大きいと判断した場合には、ステップS107に移行する一方、前記偏差Δhが前記閾値偏差Δht’と等しいか又は前記閾値偏差Δht’より小さいと判断した場合には、ステップS108’に移行する。
具体的には、前記カウンタCが前記閾値カウンタCt’より大きいと判断した場合には、ステップS109’に移行する一方、前記カウンタCが前記閾値カウンタCt’と等しいか又は前記閾値カウンタCt’より小さいと判断した場合には、ステップS110’に移行する。
ステップS109’では、前記不感帯幅δに係数β1(但しβ1>1、例えば、β1=2)を掛ける。
具体的には、前記偏差Δhが前記目標範囲Δhd’内にあると判断した場合には、ステップS111に移行する一方、前記偏差Δhが前記目標範囲Δhd’内にないと判断した場合には、ステップS113に移行する。
ステップS112’では、前記不感帯幅δに前記変数δ’の値を代入して該不感帯幅δを元に戻し、ステップS113に移行する。
具体的には、所定時間経過後の前記偏差Δhの積分値の大きさに応じた不感帯幅δを得る。
これにより、耕深制御の際には、前記検出耕深位置hDと前記設定耕深位置hRとの差量が前記偏差Δhの積分値の大きさに応じた不感帯幅δ内にあれば、前記昇降制御油圧シリンダ220が非駆動とされ、該差量が該不感帯幅δから外れていれば、前記自動傾き制御量にて前記昇降制御油圧シリンダ220が駆動される。
次に、第2実施形態に係る自動耕深制御において前記偏差Δhの微分値の大きさによって前記不感帯幅δを選択する場合について説明する。
図20に、第2実施形態に係る自動耕深制御において前記偏差Δhの微分値の大きさによって前記不感帯幅δを選択するためのフローチャートを示す。
図20に示すフローチャートは、図15に示すフローチャートにおいて、前記ステップS30及びS40の代わりにそれぞれステップS30’及びS40’を設けている。図20に示すフローチャートは、ステップS30’及びS40’以外は図15に示すフローチャートと実質的に同じものである。従って、ここでは、これらのステップを中心に説明する。
具体的には、該読み出された不感帯幅演算用関係式又は不感帯マップと、前記ステップS21で算出された変数Δhjとに基づき、前記偏差Δhの微分値Δhj(変化割合)の大きさに応じた不感帯幅δを求める。この場合の前記不感帯幅δは、前記偏差Δhの微分値の大きさが大きくなるに従って大きい値になる。
これにより、耕深制御の際には、前記検出耕深位置hDと前記設定耕深位置hRとの差量が前記偏差Δhの微分値の大きさに応じた不感帯幅δ内にあれば、前記昇降制御油圧シリンダ220が非駆動とされ、該差量が該不感帯幅δから外れていれば、前記自動傾き制御量にて前記昇降制御油圧シリンダ220が駆動される。
これについて、次の第3の実施形態を参照しながら説明する。
以下、本発明に係る耕深制御装置の第3実施形態について説明する。
この第3実施形態に係る耕深制御装置は、図10に示す耕深制御装置とは耕深制御コントローラ600が異なる以外は実質的に同じものである。
前記「偏差Δhの大きさによる遮断周波数範囲の選択」に代えて、若しくは、加えて、該耕深制御コントローラ600bは、前記タイマにて前記偏差Δhの所定時間内における積分値の大きさに基づき前記自動耕深制御における遮断周波数Fcの範囲を変更するように構成されている。即ち、前記偏差Δhの積分値の大きさによって遮断周波数範囲を選択するように構成されている(図21(b)参照)。
前記「偏差Δhの大きさによる遮断周波数範囲の選択」及び/又は前記「偏差Δhの積分値の大きさによる遮断周波数範囲の選択」に代えて、若しくは、加えて、該耕深制御コントローラ600bは、前記偏差Δhの変化割合の大きさに基づき前記自動耕深制御における遮断周波数の範囲を変更するように構成されている。即ち、前記偏差Δhの微分値の大きさによって遮断周波数範囲を選択するように構成されている(図21(c)参照)。
本実施の形態においては、前記偏差Δh及び/又は前記偏差Δhの微分値の大きさが大きくなるに従って前記遮断周波数Fcの範囲を小さくすることで、前記偏差Δhが大きい場合におけるオーバーシュート現象を有効に防止しつつ、可及的速やかに耕深位置hDを設定耕深位置hRに追従させることができるようになっている。これにより、自動耕深制御の安定化を図ることができる。
また、前記偏差Δhの積分値の大きさが所定の閾値以内の場合には前記遮断周波数Fcの範囲を所定の遮断周波数範囲と等しいか又は前記所定遮断周波数範囲より大きくし、且つ、前記偏差Δhの積分値の大きさが前記所定閾値よりも大きい場合には前記遮断周波数Fcの範囲を前記所定遮断周波数範囲より小さくすることで、前記偏差Δhが大きい場合におけるオーバーシュート現象を有効に防止しつつ、可及的速やかに耕深位置hDを設定耕深位置hRに追従させることができるようにもなっている。これにより、自動耕深制御の安定化を図ることができる。また、この場合、持続的な外乱の入力があった場合であっても、前記ロータリ耕耘機400の昇降制御の安定化を図ることができる。
本実施の形態では、既述のとおり、前記フィルタ部625bで採用される遮断周波数Fcは可変となっているが、この可変の構成としては、例えば、LCフィルタ(コイルとコンデンサとからなるフィルタ)の場合は、可変コンデンサを使用することで実現できる。また、RCフィルタ(抵抗とコンデンサとからなるフィルタ)の場合は、可変抵抗と可変コンデンサとの組合せで実現できる。
前記ROM602bには、例えば、前記遮断周波数Fcと前記偏差Δhの大きさとの関係を示す遮断周波数範囲演算用関係式又は遮断周波数範囲マップが予め記憶されている。
この遮断周波数範囲演算用関係式を遮断周波数範囲マップとした場合を図22に示している。図22では、前記偏差Δhの大きさを横軸に採り、前記遮断周波数Fcを縦軸に採っている。
なお、前記偏差Δhの大きさとこれに対応する遮断周波数Fcとが関連づけられたデータを、テーブルマップとして前記ROM602bに予め記憶させるようにしてもよい。
また、前記遮断周波数Fcと前記偏差Δhの所定時間内(又は所定サンプリング数)における積分値(若しくは平均値)の大きさとの関係を得るための手段は、例えば、前記偏差Δhの所定時間内(又は所定サンプリング数)における積分値(若しくは平均値)の大きさとこれに対応する遮断周波数Fcとが関連づけられた関係式又は遮断周波数範囲マップ或いはテーブルマップであってもよい。
前記遮断周波数Fcと前記偏差Δhの変化割合(微分値)の大きさとの関係を得るための手段は、例えば、前記偏差Δhの変化割合(微分値)の大きさとこれに対応する遮断周波数Fcとが関連づけられた関係式又は遮断周波数範囲マップ或いはテーブルマップであってもよい。
斯かる構成を備えることにより、前記耕深制御コントローラ600bは、前記偏差Δhの微分値の大きさが大きくなるに従って前記遮断周波数Fcの範囲を小さくする(本実施の形態では遮断周波数Fcを高くする)。
斯かる構成を備えることにより、前記耕深制御コントローラ600bは、前記偏差Δhの積分値の大きさが閾値偏差Δht”以内の場合には前記遮断周波数Fcの範囲を元の遮断周波数の範囲と等しいか又は大きく(本実施の形態では遮断周波数Fcを等しく)し、且つ、前記積分値の大きさが前記閾値偏差Δht”より大きい場合には前記遮断周波数Fcの範囲を元の遮断周波数の範囲より小さくする(本実施の形態では遮断周波数Fcを高くする)。
なお、図24のフローチャートで用いる閾値偏差Δht”、閾値カウンタCt”及び目標範囲Δhd”は、前記ROM602bに予め記憶されている。
(偏差Δhの大きさによる遮断周波数範囲の選択)
先ず、第3実施形態に係る自動耕深制御において前記偏差Δhの大きさによって前記遮断周波数Fcの範囲を選択する場合について説明する。
図23に、第3実施形態に係る自動耕深制御において前記偏差Δhの大きさによって前記遮断周波数Fcの範囲を選択するためのフローチャートを示す。
具体的には、該読み出された遮断周波数範囲演算用関係式又は遮断周波数範囲マップと、前記ステップS2で算出された偏差Δhとに基づき、前記偏差Δhの大きさに応じた遮断周波数Fcを求める。この場合の前記遮断周波数Fcは、前記偏差Δhの大きさが大きくなるに従って高い値に(換言すれば遮断周波数Fcの範囲は小さく)なる(図22のハッチング部参照)。
これにより、耕深制御の際には、前記フィルタ部625bにおいて、前記偏差Δhの大きさに応じた遮断周波数Fcとするフィルタが形成され、該フィルタ部625bを介して前記リヤカバーセンサ624で検出上下回動角度θDに基づく検出耕深位置hDが検出され、この検出耕深位置hDが記耕深設定器626にて設定された設定耕深位置hRとなるように前記昇降制御油圧シリンダ220の自動昇降制御量が算出される。こうして算出された自動昇降制御量にて前記昇降制御油圧シリンダ220が駆動される。
次に、第3実施形態に係る自動耕深制御において前記偏差Δhの積分値の大きさによって前記遮断周波数Fcの範囲を選択する場合について説明する。
図24に、第3実施形態に係る自動耕深制御において前記偏差Δhの積分値の大きさによって前記遮断周波数Fcの範囲を選択するためのフローチャートを示す。
図24に示すフローチャートは、図14に示すフローチャートにおいて、前記ステップS102、S103,S106,S108〜S110,S112及びS114の代わりにそれぞれステップS102”、S103”,S106”,S108”〜S110”,S112”及びS114”を設けている。図24に示すフローチャートは、ステップS102”、S103”,S106”,S108”〜S110”,S112”及びS114”以外は図14に示すフローチャートと実質的に同じものである。従って、ここでは、これらのステップを中心に説明する。
ステップS103”では、前記遮断周波数Fcの値を変数Fc’に代入する。
具体的には、前記偏差Δhが前記閾値偏差Δht”より大きいと判断した場合には、ステップS107に移行する一方、前記偏差Δhが前記閾値偏差Δht”と等しいか又は前記閾値偏差Δht”より小さいと判断した場合には、ステップS108”に移行する。
具体的には、前記カウンタCが前記閾値カウンタCt”より大きいと判断した場合には、ステップS109”に移行する一方、前記カウンタCが前記閾値カウンタCt”と等しいか又は前記閾値カウンタCt”より小さいと判断した場合には、ステップS110”に移行する。
ステップS109”では、前記遮断周波数Fcに係数β2(但しβ2>1、例えば、β2=2)を掛ける。
具体的には、前記偏差Δhが前記目標範囲Δhd”内にあると判断した場合には、ステップS111に移行する一方、前記偏差Δhが前記目標範囲Δhd”内にないと判断した場合には、ステップS113に移行する。
ステップS112”では、前記遮断周波数Fcに前記変数Fc’の値を代入して該遮断周波数Fcを元に戻し、ステップS113に移行する。
具体的には、所定時間経過後の前記偏差Δhの積分値の大きさに応じた遮断周波数Fcを得る。
これにより、耕深制御の際には、前記フィルタ部625bにおいて、前記偏差Δhの積分値の大きさに応じた遮断周波数Fcとするフィルタが形成され、該フィルタ部625bを介して前記リヤカバーセンサ624で検出上下回動角度θDに基づく検出耕深位置hDが検出され、この検出耕深位置hDが記耕深設定器626にて設定された設定耕深位置hRとなるように前記昇降制御油圧シリンダ220の自動昇降制御量が算出される。こうして算出された自動昇降制御量にて前記昇降制御油圧シリンダ220が駆動される。
次に、第3実施形態に係る自動耕深制御において前記偏差Δhの微分値の大きさによって前記遮断周波数Fcの範囲を選択する場合について説明する。
図25に、第3実施形態に係る自動耕深制御において前記偏差Δhの微分値の大きさによって前記遮断周波数Fcの範囲を選択するためのフローチャートを示す。
図25に示すフローチャートは、図15に示すフローチャートにおいて、前記ステップS30及びS40の代わりにそれぞれステップS30”及びS40”を設けている。図25に示すフローチャートは、ステップS30”及びS40”以外は図15に示すフローチャートと実質的に同じものである。従って、ここでは、これらのステップを中心に説明する。
具体的には、該読み出された遮断周波数範囲演算用関係式又は遮断周波数範囲マップと、前記ステップS21で算出された変数Δhjとに基づき、前記偏差Δhの微分値Δhj(変化割合)の大きさに応じた前記遮断周波数Fcを求める。この場合の前記遮断周波数Fcは、前記偏差Δhの微分値の大きさが大きくなるに従って高い値に(換言すれば遮断周波数Fcの範囲は小さく)なる。
これにより、耕深制御の際には、前記フィルタ部625bにおいて、前記偏差Δhの微分値の大きさに応じた遮断周波数Fcとするフィルタが形成され、該フィルタ部625bを介して前記リヤカバーセンサ624で検出上下回動角度θDに基づく検出耕深位置hDが検出され、この検出耕深位置hDが記耕深設定器626にて設定された設定耕深位置hRとなるように前記昇降制御油圧シリンダ220の自動昇降制御量が算出される。こうして算出された自動昇降制御量にて前記昇降制御油圧シリンダ220が駆動される。
624…リヤカバー 626…耕深深さ設定手段 hD…検出耕深位置
hR…設定耕深位置
Claims (4)
- リヤカバーの回動角度に基づき、車輌本体に対して昇降可能に連結された耕耘機の検出耕深位置を設定耕深位置に追従させる自動耕深制御を行うように構成された耕深制御装置であって、
前記検出耕深位置と前記設定耕深位置との偏差の変化割合の大きさが大きくなるに従って、自動耕深制御における制御ゲインを小さくするように構成したことを特徴とする耕深制御装置。 - リヤカバーの回動角度に基づき、車輌本体に対して昇降可能に連結された耕耘機の検出耕深位置を設定耕深位置に追従させる自動耕深制御を行うように構成された耕深制御装置であって、
前記検出耕深位置と前記設定耕深位置との偏差の変化割合の大きさが大きくなるに従って、自動耕深制御における不感帯幅を大きくするように構成したことを特徴とする耕深制御装置。 - リヤカバーの回動角度に基づき、車輌本体に対して昇降可能に連結された耕耘機の検出耕深位置を設定耕深位置に追従させる自動耕深制御を昇降用アクチュエータを利用して行うように構成された耕深制御装置であって、
前記検出耕深位置の入力経路及び/又は前記昇降用アクチュエータへの出力経路に介挿されるフィルタを備え、
前記検出耕深位置と前記設定耕深位置との偏差の変化割合の大きさが大きくなるに従って、自動耕深制御における、前記フィルタによって遮断される周波数範囲を小さくするように構成したことを特徴とする耕深制御装置。 - 前記偏差の変化割合の大きさは、所定時間内における平均値又は積分値であることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の耕深制御装置。
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