JP3716605B2 - 農業機械のローリング制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、作業車両に左右傾動可能に連結された作業機の左右傾き姿勢を制御する農業機械のローリング制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
トラクタ等の作業車両には、作業車両自体もしくはこれに左右傾動可能に連結された作業機の左右傾斜を一定周期ごとに検出し、その検出結果に基づき作業機の作業車両に対する左右傾き姿勢を変更するローリング制御装置を備えたものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
例えば、上記ローリング制御装置を備えたトラクタに作業機を連結して圃場の枕地で作業を行う場合、枕地は地面が荒れているため、トラクタの車輪が土の固まりに乗り上げたり窪みに落ち込んだりすることにより、トラクタ車体が頻繁に前後方向の軸回りに回動(ローリング)し、トラクタもしくは作業機の左右傾斜の検出値にばらつきが生じる。そのばらつきのある検出値に逐次応答して作業機の作業車両に対する左右傾き姿勢を変更するように制御すると、過剰制御となりハンチングにつながりやすい。そこで、安定したローリング制御を行わせるために、本発明は次のように構成した。
【0004】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明にかかる農業機械のローリング制御装置は、作業車両もしくはこれに左右傾動可能に連結された作業機の左右傾斜を一定周期ごとに検出し、その検出結果に基づき作業機の左右傾き姿勢を変更する農業機械のローリング制御装置において、作業車両もしくは作業機の左右傾斜の検出値を記憶する記憶手段と、作業車両もしくは作業機の左右の揺れを検出する揺れ検出手段とを設け、前記揺れ検出手段によって検出される揺れが一定以上である場合、前記記憶手段に記憶されている最新の過去データに基づき作業機の左右傾き姿勢を変更するようにしたことを特徴としている。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は作業車両であるトラクタ1に作業機2としてロータリ耕耘機を連結して作業を行う状態を表している。
【0006】
トラクタ1は、前輪3,3及び後輪4,4を備えた四輪駆動車両で、車体前部にエンジン5が搭載され、その後方にクラッチケース6とミッションケース7が設けられている。ミッションケース7の上側に座席9が設置され、その前方に操向ハンドル10が設けられている。座席9の横には、ローリング制御をはじめとする各種制御を行う後記コントローラ12を収容した制御ボックス13が設けられている。この制御ボックス13には、ローリング制御モードを切り替えるモード切替スイッチ14、作業機の左右傾き姿勢を設定する傾斜設定器15等が取り付けられている。
【0007】
また、ミッションケース6の上面の左右中央位置付近には、車体の左右傾斜を検出する傾斜センサ17と、その左右傾斜の揺れ速度を検出する揺れ検出手段である揺れセンサ18とが設けられている。揺れセンサ18は前後方向の軸回りの角速度を検出する構成であり、これを上記位置に設けることにより、トラクタの車輪が土の固まりに乗り上げたり窪みに落ち込んだりすることで生じる揺れを左右バランスより検出することができる。
【0008】
トラクタの車体後部には油圧昇降シリンダ20で上下回動させるリフトアーム21,21が設けられており、このリフトアームの先端部と作業機連結用のロワリンク22,22の中間部とがリフトロッド23,23で連結されている。リフトアーム21,21を上げ作動及び下げ作動させることにより、ロワリンク22,22とトップリンク24とで構成される三点リンク機構により支持される作業機2が昇降する。左側のリフトロッド23Lは左右傾動用の油圧ローリングシリンダになっており、該シリンダを伸縮させることにより、作業機の左右傾斜が変更される。このローリングシリンダ23Lのピストン移動量はストロークセンサ25で検出される。
【0009】
図2はローリング制御装置のブロック図で、コントローラ12の入力側に前記モード切替スイッチ14、傾斜設定器15、傾斜センサ17、揺れセンサ18、及びストロークセンサ25が接続され、コントローラ12の出力側に前記ローリングシリンダ23Lを制御するソレノイドバルブの伸び用及び縮み用ソレノイド27A,27Bが接続されている。モード切替スイッチ14は、ローリング制御を行わないOFFモードと、傾斜設定器15の設定値(通常は水平)に基づき作業機の左右傾き姿勢を変更する自動モードと、地面の傾斜に応じて作業機の左右傾き姿勢を変更する傾斜モードとに切り替えられるようになっている。
【0010】
コントローラ12では、図3のフローチャートに示す順序で制御を行う。まず、揺れセンサ17の検出値が一定未満である揺れがほとんどない状態であり、かつ揺れセンサ17の検出値が一定未満である状態が規定時間を超えたならば、傾斜モード時における傾斜基準値としての制御使用値SPBnを下記の要領で設定し、これを記憶手段であるメモリ12aに記憶する。揺れセンサ18の検出値が一定以上であるとき、及び揺れセンサ18の検出値が一定以上である状態が規定時間を超えていないときは、上記制御使用値の設定及び記憶を行わない。
【0011】
上記制御使用値SPBnは次のように設定する。すなわち、10msec程度のサイクルで傾斜センサ値を読み込み、現在傾斜センサ値SPLnとそれを遡る過去7回分の傾斜センサ値SPLn−1,…,SPLn−7の平均値SPLbnを算出し、それに係数Xを掛けたものを制御使用値SPBnとする。数回(本例では8回)の傾斜センサ値を平均して制御に使用することにより、安定したデータが得られる。ここで、係数X=0.7〜0.9とし、制御使用値SPBnを現在傾斜センサ値SPLnよりも小さく設定するようにしている。これは、傾斜地で耕耘作業を行う場合、耕耘された土が谷側に流れるため、予め耕耘機を傾斜地に対し山側がやや深くなるようにしておくことで、作業後の耕耘深さが山側と谷側とでほぼ等しくなるようにするためである。
【0012】
次いで、モード切替スイッチ14の操作位置を判定し、自動モードならば傾斜センサ基準値として傾斜設定器15の設定値をセットし、また傾斜モードならば傾斜センサ基準値として前記制御使用値SPBnをセットして、以下のローリング制御を行う。モード切替スイッチ14がOFFモードならば、ローリング制御は行わない。
【0013】
ローリング制御は次のように行う。上記の如くセットされた傾斜センサ基準値と現在傾斜センサ値SPLnの差よりストローク目標値を演算し、そのストローク目標値と現在ストロークセンサ値の差を算出する。そして、その差が不感帯内であるときはソレノイド27A,27Bへの出力をOFFにし、その差が不感帯外であるときは作業機の左右傾き姿勢を傾斜センサ基準値に近づけるための出力要求にしたがってソレノイド27A(或は27B)に出力する。なお、傾斜センサ17の検出値より判定される作業機の傾斜方向と揺れセンサ18の検出値より判定される作業機の揺れ方向が逆向きである場合は、出力要求があっても出力せず、過剰な動きを抑制するようにしている。
【0014】
自動モードにすれば、傾斜センサ値と傾斜設定器15の設定値に基づき制御するので、作業機の左右傾き姿勢に常に一定に保たれる。このため、例えば畝等のある圃場で、トラクタは傾斜させたまま、作業機は地面に平行にして作業を行うことができる。また、傾斜モードにすれば、傾斜設定器15の設定値に関わりなく、作業機の左右傾き姿勢を揺れがほとんどない時の傾斜センサ値に合わせるように制御するので、斜度変化のある傾斜地で作業機の左右傾き姿勢を安定させることができる。両モードは、モード切替スイッチ14で容易に切り替えられる。
【0015】
モード切替スイッチ14の操作位置に関係なく、傾斜モード時の制御使用値SPBnを常時設定するようにしているので、他のモードから傾斜モードに切り替えても、すぐに制御を開始することができる。
【0016】
実際には、図4のフローチャートに示すように、ストローク目標値と現在ストロークセンサ値の差が不感帯から大きくはずれている時は連続出力によって速い速度で作動させ、その差が不感帯に近づいたならパルス出力によって遅い速度で作動させるようにしている。このパルス出力のパルスONタイムは、バルブの特性や作動油の粘性等に起因する応答遅れを加味して次のようにして決定する。すなわち、出力停止時のストロークセンサ値TN0(或はTT0)と出力停止直後から一定時間(100msec程度)経過時のストロークセンサ値TNn(或はTTn)を記憶しておき、両者の差TNn−TN0(或はTTn−TT0)から補正値tn0N (或はtt0N )を決定する。そして、次回パルス出力時に、所定の基本パルスONタイムに上記補正値tn0N (或はtt0N )を加算して補正するのである。このように、ローリングシリンダ23Lのピストンが出力停止後どれだけ動いたかを実測し、それに基づいて補正値を決定するため、実情に即した精度の高い補正を行うことができる。
【0017】
また、ローリングシリンダ23Lは片ロッド複動形であり、ピストン両側のシリンダ室の有効断面積にピストンロッド分だけ差があるため、伸び作動と縮み作動とで動作速度が異なっている。そこで、出力停止後のピストン移動量を伸び側と縮み側でそれぞれ実測して、伸び作動の補正値tn0N と縮み作動の補正値tt0N を別々に決め、正しい補正を行うようにしている。
【0018】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明にかかる農業機械のローリング制御装置は、作業車両もしくは作業機の左右の揺れがほとんどない時の作業車両もしくは作業機の左右傾斜の検出値に基づき作業機の左右傾き姿勢を変更するように制御するので、作業機の左右傾き姿勢が安定するようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】作業機を連結したトラクタの側面図である。
【図2】ローリング制御装置のブロック図である。
【図3】ローリング制御のフローチャートである。
【図4】ローリング制御の出力補正のフローチャートである。
【符号の説明】
1 トラクタ(作業車両)
2 作業機
12 コントローラ
12a メモリ(記憶手段)
14 モード切替スイッチ
15 傾斜設定器
17 傾斜センサ
18 揺れセンサ(揺れ検出手段)
23L ローリングシリンダ
25 ストロークセンサ
27A 伸び用ソレノイド
27B 縮み用ソレノイド
Claims (1)
- 作業車両もしくはこれに左右傾動可能に連結された作業機の左右傾斜を一定周期ごとに検出し、その検出結果に基づき作業機の左右傾き姿勢を変更する農業機械のローリング制御装置において、作業車両もしくは作業機の左右傾斜の検出値を記憶する記憶手段と、作業車両もしくは作業機の左右の揺れを検出する揺れ検出手段とを設け、前記揺れ検出手段によって検出される揺れが一定以上である場合、前記記憶手段に記憶されている最新の過去データに基づき作業機の左右傾き姿勢を変更するようにしたことを特徴とする農業機械のローリング制御装置。
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JP07654398A JP3716605B2 (ja) | 1998-03-09 | 1998-03-09 | 農業機械のローリング制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP07654398A JP3716605B2 (ja) | 1998-03-09 | 1998-03-09 | 農業機械のローリング制御装置 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH11253005A JPH11253005A (ja) | 1999-09-21 |
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Family Applications (1)
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JP07654398A Expired - Fee Related JP3716605B2 (ja) | 1998-03-09 | 1998-03-09 | 農業機械のローリング制御装置 |
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