以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係るタイヤ1のタイヤ幅方向断面を示す図である。図中、符号S1は、タイヤ赤道面である。タイヤ赤道面S1は、タイヤ回転軸(タイヤ子午線)に直交する面で、かつタイヤ幅方向中心に位置する面である。
ここで、タイヤ幅方向とは、タイヤ回転軸に平行な方向であり、図1の断面図における紙面左右方向である。図1においては、タイヤ幅方向Wとして図示されている。そして、タイヤ幅方向内側とは、タイヤ赤道面S1に近づく方向である。タイヤ幅方向外側とは、タイヤ赤道面S1から離れる方向である。また、タイヤ径方向とは、タイヤ回転軸に垂直な方向であり、図1における紙面上下方向である。図1においては、タイヤ径方向Rとして図示されている。そして、タイヤ径方向外側とは、タイヤ回転軸から離れる方向であり、図1においては、紙面上側である。タイヤ径方向内側とは、タイヤ回転軸に近づく方向であり、図1においては、紙面下側である。
なお、図1の断面図は、タイヤを規定リムに装着して規定内圧を充填した無負荷状態のタイヤ幅方向断面図(タイヤ子午線を含む断面図)である。なお、規定リムとは、タイヤサイズに対応してJATMAに定められた標準となるリムを指す。また、規定内圧とは、例えばタイヤが乗用車用である場合には180kPaである。
本実施形態のタイヤ1は、タイヤ幅方向両側に設けられた一対のビード2と、ビード2の各々からタイヤ径方向外側に延びるサイドウォール3と、サイドウォール3の各々のタイヤ径方向外側に連なって路面との接地面である踏面を構成するタイヤの周方向に延びる環状のトレッド4と、を備える。
図2は、図1のタイヤを矢印IIの方向で見た矢視図であり、タイヤ1の側面、すなわちサイドウォール3のタイヤ表面5を、タイヤ幅方向外側かつタイヤ径方向外側の位置から斜めに見たときの部分斜視図である。
サイドウォール3は、サイドブロック6を備える。サイドブロック6は、サイドウォール3のタイヤ表面5から隆起して設けられている。
サイドブロック6は、第1ブロック11と、第2ブロック12と、第3ブロック13と、第4ブロック14と、を備える。そして、第1ブロック11、第2ブロック12、第3ブロック13、および第4ブロック14は、サイドブロック群10を形成する。このサイドブロック群を構成している第1ブロック11~第4ブロック14の構成については、追って詳細に説明する。
図3は、図1のタイヤ1を矢印IIIの方向で見た矢視図であり、タイヤ1の側面、すなわちサイドウォール3のタイヤ表面5を、タイヤ幅方向外側から見たときの部分側面図である。
サイドブロック6は、複数のサイドブロック群10により構成される。図3に示すように、サイドウォール3のタイヤ表面5には、複数のサイドブロック群10がタイヤ周方向Cに間隔をあけて配置されている。図3には、複数のサイドブロック群10として、第1サイドブロック群10Aと、第2サイドブロック群10Bと、第3サイドブロック群10Cの一部と、が示されている。第1サイドブロック群10Aと、第2サイドブロック群10Bと、第3サイドブロック群10Cはそれぞれ、第1ブロック11と、第2ブロック12と、第3ブロック13と、第4ブロック14と、を備える。複数のサイドブロック群10は、サイドウォール3のタイヤ表面5において、タイヤ周方向Cに沿って一周に亘って並んで配置されている。
図1に示すように、トレッド4のタイヤ幅方向外側には、ショルダー部50が形成されている。図2および図3には、ショルダー部50の一部が示されている。ショルダー部50は、複数のショルダーブロック51を有する。複数のショルダーブロック51は、タイヤ周方向Cに所定間隔で設けられている複数のショルダー溝55によってショルダー部50が分割されることによって形成されている。複数のショルダーブロック51は、第1ショルダーブロック51Aと、第2ショルダーブロック51Bとを備える。第1ショルダーブロック51Aおよび第2ショルダーブロック51Bは、タイヤ周方向Cに交互に配置されている。第1ショルダーブロック51Aは、タイヤ幅方向外側に突出する2つの第1突出平面部52Aを有する。2つの第1突出平面部52Aは、タイヤ周方向Cに並んで離間して配置されている。第2ショルダーブロック51Bは、タイヤ幅方向外側に突出する2つの第2突出平面部52Bを有する。2つの第2突出平面部52Bは、タイヤ周方向Cに並んで離間して配置されている。なお、第2突出平面部52Bは、第1突出平面部52Aと若干異なる形状を有しており、突出した平面のタイヤ径方向外側およびタイヤ径方向内側には、タイヤ幅方向外側に張り出す斜面53を有する。なお、本実施形態においては、第1ショルダーブロック51Aと第2ショルダーブロック51Bは異なる形状となっているが、第1ショルダーブロック51Aと第2ショルダーブロック51Bは同じ形状であってもよい。
ショルダー部50とサイドウォール3の境界には、タイヤ周方向Cに延びる突条60が設けられている。突条60は、タイヤ周方向Cに延びる稜線を有する。突条60は、タイヤ幅方向外側の稜線に向かって先細り形状となっている断面略三角形の突部である。突条60は、トレッド4を成型するための金型とサイドウォール3を成型するための金型との型割り位置(パーティングライン)によって形成されてもよい。
次に、図4A~図4E、図5、図6も用いて、サイドブロック群10を構成する第1ブロック11、第2ブロック12、第3ブロック13、および第4ブロック14の詳細について説明する。1つのサイドブロック群10を構成する第1ブロック11、第2ブロック12、第3ブロック13、および第4ブロック14は、タイヤ周方向Cに沿って連続して形成されている。本実施形態においては、1つのサイドブロック群10を構成する第1ブロック11、第2ブロック12、第3ブロック13、および第4ブロック14は、隙間なく連結された状態で、一体的に形成されている。
第1ブロック11は、サイドウォール3のタイヤ表面5から隆起高さH1で隆起して設けられている。第2ブロック12は、第1ブロック11とタイヤ周方向Cに連続し、タイヤ表面5から第1ブロック11とは異なる隆起高さH2で隆起して設けられている。第3ブロック13は、第2ブロック12とタイヤ周方向Cに連続し、タイヤ表面5から第2ブロック12とは異なる隆起高さH3で隆起して設けられている。第4ブロック14は、第3ブロック13とタイヤ周方向Cに連続し、タイヤ表面5から第3ブロック13とは異なる隆起高さH4で隆起して設けられている。
本実施形態においては、第1ブロック11のタイヤ表面5からの隆起高さH1および第3ブロック13のタイヤ表面5からの隆起高さH3は、第2ブロック12のタイヤ表面5からの隆起高さH2および第4ブロック14のタイヤ表面5からの隆起高さH4よりも低い。例えば、隆起高さH1および隆起高さH3は1mm程度であり、隆起高さH2および隆起高さH4は2mm程度である。
まず、図4Aを用いて、第1ブロック11の形状を説明する。第1ブロック11は、前述のとおり、サイドウォール3のタイヤ表面5から隆起高さH1で隆起して設けられている。以下の説明では、タイヤ周方向Cにおける反時計回りの方向を第1の周方向C1とする。タイヤ周方向Cにおける時計回りの方向を第2の周方向C2とする。
第1ブロック11は、タイヤ径方向外側の外縁として、第1の外縁11E1を有する。第1の外縁11E1は、タイヤ周方向に延びる。第1の外縁11E1は、第1ブロック11のタイヤ径方向外側に配置されている突条60との境界を形成している。本実施形態においては、第1の外縁11E1は、突条60と連結している。第1ブロック11の第1の外縁11E1は、サイドブロック群10の、タイヤ径方向外側の外縁を構成している。
第1ブロック11は、タイヤ表面5から隆起してタイヤ表面5との境界を形成する外縁として、第2の外縁11E2~第7の外縁11E7を有する。なお、周囲から隆起して形成された外縁は、周囲から立ち上がる壁の上部を形成する。
第1ブロック11の第2の外縁11E2は、第1の外縁11E1の第1の周方向C1側の端部である第1の頂点11P1からタイヤ径方向内側に延びる。第1の外縁11E1と第2の外縁11E2のなす角は略直角である。
第1ブロック11の第3の外縁11E3は、第2の外縁11E2のタイヤ径方向内側端である第2の頂点11P2から、第1の周方向C1側に傾斜してタイヤ径方向内側に延びる。
第1ブロック11の第4の外縁11E4は、第3の外縁11E3のタイヤ径方向内側端である第3の頂点11P3から、第2の周方向C2側に傾斜してタイヤ径方向内側に延びる。
第1ブロック11の第5の外縁11E5は、第4の外縁11E4のタイヤ径方向内側端である第4の頂点11P4から第2の周方向C2側に延びる。図4Aに示すように、第5の外縁11E5とタイヤ周方向Cとのなす角は、第4の外縁11E4とタイヤ周方向Cとのなす角よりも小さい。第5の外縁11E5が延びる方向は、第2の周方向C2と略一致していてもよいが、図4Aに示すように、タイヤ径方向内側に少し傾斜していてもよい。
第1ブロック11の第6の外縁11E6は、第1の外縁11E1の第2の周方向C2側の端部である第5の頂点11P5からタイヤ径方向内側に延びる。第1の外縁11E1と第6の外縁11E6のなす角は略直角である。第6の外縁11E6は、第2の外縁11E2と略平行である。
第1ブロック11の第7の外縁11E7は、第6の外縁11E6のタイヤ径方向内側端である第6の頂点11P6から、第1の周方向C1側に傾斜してタイヤ径方向内側に延びる。第7の外縁11E7は、第3の外縁11E3と略平行である。第7の外縁11E7は、第6の頂点11P6と、第7の外縁11E7のタイヤ径方向内側端である第7の頂点11P7を結ぶ。
なお、第1ブロック11は、後述の第2ブロック12との境界をさらに有している。
ここで、第3の外縁11E3および第4の外縁11E4は、第1の角部11Qを形成する。第1の角部11Qは、第1ブロック11の第1の周方向C1側に配置される。第1の角部11Qは、タイヤ表面5から隆起して形成される。第1の角部11Qは、平面視で第1の周方向C1に向かって先細りとなる形状を有している。第1の角部11Qは、第3の外縁11E3と第4の外縁11E4の交点、すなわち第3の頂点11P3を頂点とした角部である。第1の角部11Qの角度α1、すなわち第3の外縁11E3と第4の外縁11E4のなす角α1は、90度以下であることが好ましい。第1の角部11Qの角度α1は、より好ましくは鋭角である。これにより、悪路において泥等をかき分けて排出する効果が高まる。
次に、図4Bを用いて、第2ブロック12の形状を説明する。第2ブロック12は、前述のとおり、第1ブロック11とタイヤ周方向Cに連続し、第1ブロック11とは異なる隆起高さH2で隆起して設けられている。本実施形態においては、第2ブロック12の隆起高さH2は、第1ブロック11の隆起高さH1よりも高い。また、第2ブロック12の隆起高さH2は、後述の第3ブロック13の隆起高さH3よりも高い。
第2ブロック12は平面視で略五角形である。より詳細には、第2ブロック12は、矩形の一辺に三角形の底辺を接続したような形状であり、いわゆるホームベース状の略五角形である。
第2ブロック12は、タイヤ径方向内側に第1の頂点12P1を有する。第2ブロック12が矩形と三角形を接続したようなホームベース状の五角形である場合、第1の頂点12P1は、矩形から張り出した三角形の頂点に対応する。
第2ブロック12は、第1の頂点12P1に対向する辺として、第1の外縁12E1および第2の外縁12E2を有する。第1の外縁12E1および第2の外縁12E2は、一直線上に配置されていてもよいが、図4Bに示すように、後述のスリット12Sを境に少しずれた状態で配置されていてもよい。
第2ブロック12は、第1ブロック11から隆起して第1ブロック11との境界を形成する外縁として、前述の第1の外縁12E1に加えて、第3の外縁12E3および第4の外縁12E4を有する。
第2ブロック12の第1の外縁12E1は、第1ブロック11の第7の頂点11P7の位置から、タイヤ径方向外側に傾斜して第1の周方向C1側に延びる。第2ブロック12の第1の外縁12E1は、第1ブロック11の第4の外縁11E4と略平行である。
第2ブロック12の第3の外縁12E3は、第1の外縁12E1の第1の周方向C1側の端部である第2の頂点12P2から、第1の周方向C1側に傾斜してタイヤ径方向内側に延びる。第1の外縁12E1と第3の外縁12E3のなす角は略直角である。第2ブロック12の第3の外縁12E3は、第1ブロック11の第3の外縁11E3と略平行である。
第2ブロック12の第4の外縁12E4は、第3の外縁12E3のタイヤ径方向内側端である第3の頂点12P3から、第2の周方向C2側に傾斜してタイヤ径方向内側に延びる。
ここで、第3の外縁12E3および第4の外縁12E4は、第2の角部12Qを形成する。第2の角部12Qは、第2ブロック12の第1の周方向C1側に配置される。第2の角部12Qは、第1ブロック11から隆起して形成される。第2の角部12Qは、平面視で第1の周方向C1に向かって先細りとなる形状を有している。第2の角部12Qは、第3の外縁12E3と第4の外縁12E4の交点、すなわち第3の頂点12P3を頂点とした角部である。第2の角部12Qの角度α2、すなわち第3の外縁12E3と第4の外縁12E4のなす角α2は、図4Bに示すように鈍角であってもよいし、鋭角であってもよい。第1ブロック11の第1の角部11Qおよび第2ブロック12の第2の角部12Qは、タイヤ周方向に隣接して配置されている。第1の角部11Qの角度α1および第2の角部12Qの角度α2の少なくともいずれか一方は、鋭角をなすように周囲から隆起して形成されていることが好ましい。これにより、悪路において泥等をかき分けて排出する効果が高まる。
第2ブロック12は、第3ブロック13から隆起して第3ブロック13との境界を形成する外縁として、前述の第2の外縁12E2に加えて、第5の外縁12E5とを有する。
第2ブロック12の第2の外縁12E2は、第1の外縁12E1とともに、第1の頂点12P1に対向する辺として形成される。第2の外縁12E2は、第1の外縁12E1と略平行である。
第2ブロック12の第5の外縁12E5は、第2の外縁12E2の第2の周方向C2側の端部である第4の頂点12P4から第1の周方向C1側に傾斜してタイヤ径方向内側に延びる。第2の外縁12E2と第5の外縁12E5のなす角は略直角である。第5の外縁12E5は、第3の外縁12E3と略平行である。
第2ブロック12は、タイヤ表面5から隆起してタイヤ表面5との境界を形成する外縁として、第6の外縁12E6および第7の外縁12E7を有する。
第2ブロック12の第6の外縁12E6は、第4の外縁12E4と連続して形成された外縁である。第4の外縁12E4および第6の外縁12E6によって形成される外縁は、第1の頂点12P1と、第3の頂点12P3とを結ぶ。
第2ブロック12の第7の外縁12E7は、第1の頂点12P1と、第5の外縁12E5のタイヤ径方向内側端である第5の頂点12P5とを結ぶ。第2ブロック12の第7の外縁12E7は、タイヤ周方向に延びる。第2ブロック12の第7の外縁12E7は、サイドブロック群10の、タイヤ径方向内側の外縁を構成する。
第2ブロック12は、前述のとおり平面視で略五角形であり、その略五角形の第1の頂点12P1が、タイヤ径方向内側に向けて配置されている。そして、第2ブロック12には、この第1の頂点12P1と対向する外縁から、タイヤ径方向内側に延びるスリット12Sが形成されている。本実施形態においては、スリット12Sは、第1の周方向C1側に傾斜してタイヤ径方向内側に延びている。このスリット12Sは、第1の頂点12P1と対向する外縁の中心付近、すなわち、第1の外縁12E1と、第2の外縁12E2との間から、第1の周方向C1側に傾斜してタイヤ径方向内側に延びている。
スリット12Sは、第1の周方向C1側の壁と、第2の周方向C2側の壁と、タイヤ径方向内側の壁と、を有する。第1の周方向C1側の壁の上部を形成する第8の外縁12E8は、第1ブロック11の第7の外縁11E7と平面視で略一直線上に形成されている。第2の周方向C2側の壁の上部を形成する第9の外縁12E9は、後述の第3ブロック13の第1の外縁13E1と平面視で略一直線に形成されている。タイヤ径方向内側の壁を形成する第10の外縁12E10は、第2ブロック12の中心付近に形成されている。なお、タイヤ幅方向外側からスリット12Sを見たとき、タイヤ表面5と同じ高さの面が細く露出している。
次に、図4Cを用いて、第3ブロック13の形状を説明する。第3ブロック13は、前述のとおり、第2ブロック12とタイヤ周方向Cに連続し、第2ブロック12とは異なる隆起高さH3で隆起して設けられている。本実施形態においては、第3ブロック13の隆起高さH3は、第2ブロック12の隆起高さH2よりも低い。また、第3ブロック13の隆起高さH3は、後述の第4ブロック14の隆起高さH4よりも低い。
第3ブロック13は、タイヤ表面5から隆起してタイヤ表面5との境界を形成する外縁として、第1の外縁13E1~第10の外縁13E10を有する。
第3ブロック13の第1の外縁13E1は、第2ブロック12のスリット12Sの縁部を規定する第9の外縁12E9と平面視で略一直線に形成されている。第3ブロック13の第1の外縁13E1は、第1ブロック11の第7の外縁11E7と略平行である。
第3ブロック13の第2の外縁13E2は、第2ブロック12の第7の外縁12E7と平面視で略一直線に形成されている。第3ブロック13の第2の外縁13E2は、第2ブロック12の第7の外縁12E7と略平行である。
第3ブロック13の第3の外縁13E3は、第2の外縁13E2の第2の周方向C2側の端部である第1の頂点13P1から、タイヤ径方向外側に傾斜して第2の周方向C2側に延びる。第3ブロック13の第3の外縁13E3は、第2ブロック12の第5の外縁12E5と略平行である。
第3ブロック13の第4の外縁13E4は、第3の外縁13E3の第2の周方向C2側の端部である第2の頂点13P2から、タイヤ径方向内側に傾斜して第2の周方向C2側に延びる。第3の外縁13E3と第4の外縁13E4のなす角は略直角である。第3ブロック13の第4の外縁13E4は、第2ブロック12の第2の外縁12E2と略平行である。
第3ブロック13の第5の外縁13E5は、第4の外縁13E4の第2の周方向C2側の端部である第3の頂点13P3から、タイヤ径方向外側に傾斜して第2の周方向C2側に延びる。第4の外縁13E4と第5の外縁13E5のなす角は略直角である。第3ブロック13の第5の外縁13E5は、第3ブロック13の第3の外縁13E3と略平行である。
第3ブロック13の第6の外縁13E6は、第5の外縁13E5の第2の周方向C2側の端部である第4の頂点13P4から、タイヤ径方向内側に傾斜して第2の周方向C2側に延びる。第5の外縁13E5と第6の外縁13E6のなす角は略直角である。第3ブロック13の第6の外縁13E6は、第3ブロック13の第4の外縁13E4と略平行である。
第3ブロック13の第7の外縁13E7は、第6の外縁13E6の第2の周方向C2側の端部である第5の頂点13P5から、第2の周方向C2側に延びる。図4Cに示すように、第7の外縁13E7とタイヤ周方向Cとのなす角は、第6の外縁13E6とタイヤ周方向Cとのなす角よりも小さい。第7の外縁13E7が延びる方向は、第2の周方向C2と略一致していてもよいが、図4Cに示すように、タイヤ径方向内側に少し傾斜していてもよい。第3ブロック13の第7の外縁13E7は、第1ブロック11の第5の外縁11E5と略平行である。
第3ブロック13の第8の外縁13E8は、第7の外縁13E7の第2の周方向C2側の端部である第6の頂点13P6から、タイヤ径方向外側に延びる。第3ブロック13の第8の外縁13E8は、第2ブロック12の第6の外縁12E6と略平行である。
第3ブロック13の第9の外縁13E9は、第8の外縁13E8のタイヤ径方向外側端である第7の頂点13P7から、第1の周方向C1側に延びる。第3ブロック13の第9の外縁13E9は、第3ブロック13の第7の外縁13E7と略平行である。また、第3ブロック13の第9の外縁13E9は、第1ブロック11の第5の外縁11E5と略平行である。
第3ブロック13の第10の外縁13E10は、第9の外縁13E9の第1の周方向C1側の端部である第8の頂点13P8から、タイヤ径方向外側に傾斜して第1の周方向C1側に延びる。第3ブロック13の第10の外縁13E10は、第3ブロック13の第6の外縁13E6と略平行である。すなわち、第3ブロック13の第10の外縁13E10は、第1ブロック11の第4の外縁11E4と略平行である。
なお、第3ブロック13は、前述の第2ブロック12との境界および、後述の第4ブロック14との境界をさらに有している。
第3ブロック13は、タイヤ周方向で隣のサイドブロック群に向かう方向に延びるリブ13Rを有する。リブ13Rは、タイヤ表面5から隆起して形成される。リブ13Rは、前述の第6の外縁13E6、第7の外縁13E7、第8の外縁13E8、第9の外縁13E9、および第10の外縁13E10によって外縁が形成されている。リブ13Rは、第3ブロック13の第2の周方向C2側に配置される。図4Cに示すように、リブ13Rは、矢印RD1で示すタイヤ径方向視において、隣のサイドブロック群を構成する第1ブロック11と少なくとも一部が重なるように、タイヤ周方向に延びている。これにより、高い耐カット性が得られる。
リブ13Rは、先端付近で屈曲している。リブ13Rは、第3ブロック13の第6の外縁13E6および第10の外縁13E10によって画定されるリブ13Rの第1部分13R1と、第3ブロック13の第7の外縁13E7、第8の外縁13E8および第9の外縁13E9によって画定されるリブ13Rの第2部分13R2とを有する。そして、リブ13Rの第2部分13R2の向く方向とタイヤ周方向Cとのなす角は、リブ13Rの第1部分13R1の延びる方向とタイヤ周方向Cとのなす角よりも小さい。すなわち、リブ13Rの先端付近は、第5の頂点13P5および第8の頂点13P8を屈曲点として、タイヤ周方向Cに近い方向を向くように屈曲している。
ここで、リブ13Rの先端は、第8の外縁13E8により形成される。リブ13Rのタイヤ径方向外側外縁は、第9の外縁13E9および第10の外縁13E10によって形成される。リブ13Rのタイヤ径方向内側外縁は、第6の外縁13E6および第7の外縁13E7によって形成される。
そして、リブ13Rのタイヤ径方向外側外縁13E9、13E10は、隣のサイドブロック群の第1ブロック11と間隙を介して配置されている。リブ13Rの先端13E8は、隣のサイドブロック群の第2ブロック12と間隙を介して配置されている。
例えば、第1サイドブロック群10Aを構成する第3ブロック13は、第2サイドブロック群10Bに向かう方向に延びるリブ13Rを有している。第1サイドブロック群10Aのリブ13Rのタイヤ径方向外側外縁13E9、13E10は、第2サイドブロック群10Bの第1ブロック11と間隙を介して配置され、第1サイドブロック群10Aのリブ13Rの先端13E8は、第2サイドブロック群10Bの第2ブロック12と間隙を介して配置されている。これにより、悪路における泥等の排出性を確保しつつ、高い耐カット性が得られる。
次に、図4Dを用いて、第4ブロック14の形状を説明する。第4ブロック14は、前述のとおり、第3ブロック13とタイヤ周方向Cに連続し、第3ブロック13とは異なる隆起高さH4で隆起して設けられている。本実施形態においては、第4ブロック14の隆起高さH4は、第3ブロック13の隆起高さH3よりも高い。
第4ブロック14は平面視で略五角形である。より詳細には、第4ブロック14は、矩形の一辺に三角形の底辺を接続したような形状であり、いわゆるホームベース状の略五角形である。
第4ブロック14は、タイヤ径方向外側に第1の頂点14P1を有する。第4ブロック14が矩形と三角形を接続したようなホームベース状の五角形である場合、第1の頂点14P1は、矩形から張り出した三角形の頂点に対応する。
第4ブロック14は、第1の頂点14P1に対向する辺として、第1の外縁14E1および第2の外縁14E2を有する。第1の外縁14E1および第2の外縁14E2は、一直線上に配置されていてもよいが、図4Dに示すように、後述のスリット14Sを境に少しずれた状態で配置されていてもよい。
第4ブロック14は、第3ブロック13から隆起して第3ブロック13との境界を形成する外縁として、前述の第1の外縁14E1および第2の外縁14E2に加えて、第3の外縁14E3を有する。
第4ブロック14の第1の外縁14E1および第2の外縁14E2は、第2ブロック12の第2の外縁12E2と略平行である。また、第4ブロック14の第1の外縁14E1および第2の外縁14E2は、第3ブロック13の第4の外縁13E4とも略平行である。
第4ブロック14の第3の外縁14E3は、第2の外縁14E2の第2の周方向C2側の端部である第2の頂点14P2から第2の周方向C2側に傾斜してタイヤ径方向外側に延びる。第2の外縁14E2と第3の外縁14E3のなす角は略直角である。第4ブロック14の第3の外縁14E3は、第3ブロック13の第5の外縁13E5と略平行である。
第4ブロック14は、タイヤ表面5から隆起してタイヤ表面5との境界を形成する外縁として、第4の外縁14E4~第6の外縁14E6を有する。
第4ブロック14の第4の外縁14E4は、第3の外縁14E3と連続して形成された外縁である。第3の外縁14E3および第4の外縁14E4により形成される外縁は、第2の頂点14P2と、第4の外縁14E4のタイヤ径方向外側端である第3の頂点14P3とを結ぶ。第4ブロック14の第4の外縁14E4は、第1ブロック11の第3の外縁11E3と略平行である。
第4ブロック14の第5の外縁14E5は、第1の頂点14P1と、第3の頂点14P3とを結ぶ。第4ブロック14の第5の外縁14E5は、タイヤ径方向に延びる。第4ブロック14の第5の外縁14E5は、第1ブロック11の第2の外縁11E2と略平行である。
第4ブロック14の第6の外縁14E6は、第1の外縁14E1の第1の周方向C1側の端部である第4の頂点14P4から第2の周方向C2に傾斜してタイヤ径方向外側に延びる。第4ブロック14の第6の外縁14E6は、第3ブロック13の第1の外縁13E1と平面視で略一直線に形成されている。第4ブロック14の第6の外縁14E6は、第3ブロック13の第1の外縁13E1と略平行である。
第4ブロック14は、タイヤ径方向外側の外縁として、第7の外縁14E7を有する。第7の外縁14E7は、タイヤ周方向に延びる。第7の外縁14E7は、第1の頂点14P1と、第6の外縁14E6のタイヤ径方向外側端である第5の頂点14P5とを結ぶ。第7の外縁14E7は、第4ブロック14のタイヤ径方向外側に配置されている突条60との境界を形成している。本実施形態においては、第7の外縁14E7は、突条60と連結している。第4ブロック14の第7の外縁14E7は、第1ブロック11の第1の外縁11E1とともに、サイドブロック群10の、タイヤ径方向外側の外縁を構成している。
第4ブロック14は、前述のとおり平面視で略五角形であり、その略五角形の第1の頂点14P1が、タイヤ径方向外側に向けて配置されている。そして、第4ブロック14には、この第1の頂点14P1と対向する外縁から、タイヤ径方向外側に延びるスリット14Sが形成されている。本実施形態においては、スリット14Sは、第2の周方向C2側に傾斜してタイヤ径方向外側に延びている。このスリット14Sは、第1の頂点14P1と対向する外縁の中心付近、すなわち、第1の外縁14E1と、第2の外縁14E2との間から、第2の周方向C2側に傾斜してタイヤ径方向外側に延びている。
スリット14Sは、第1の周方向C1側の壁と、第2の周方向C2側の壁と、タイヤ径方向外側の壁と、を有する。第1の周方向C1側の壁の上部を形成する第8の外縁14E8は、第2ブロック12の第5の外縁12E5と平面視で略一直線上に形成されている。第2の周方向C2側の壁の上部を形成する第9の外縁14E9は、第3ブロック13の第3の外縁13E3と平面視で略一直線に形成されている。タイヤ径方向外側の壁を形成する第10の外縁14E10は、第4ブロック14の中心付近に形成されている。なお、タイヤ幅方向外側からスリット14Sを見たとき、隆起高さH3の第3ブロック13の表面が細く露出している。
次に、図2、図3、図4A~図4Dに加えて、図4Eも用いて、サイドブロック6に形成された溝について説明する。図2、図3に示すように、サイドブロック6には、複数のサイドブロック群10間を分断する溝32が形成されている。また、サイドブロック群10には、第1ブロック11と、第3ブロック13および第4ブロック14とを分断する溝31が形成されている。
まず、サイドブロック群10に形成された、第1ブロック11と、第3ブロック13および第4ブロック14とを分断する溝31について説明する。溝31は、図4Eに示すように、第1部分31Aと、第2部分31Bと、を有する。
第1部分31Aは、第1ブロック11の第6の外縁11E6を上縁とする壁と、第4ブロック14の第6の外縁14E6を上縁とする壁とにより囲まれて形成される。第1部分31Aの溝幅は、タイヤ径方向内側に向かうにつれて漸減している。
第2部分31Bは、第1部分31Aと連続するように形成されている。第2部分31Bは、第1ブロック11の第7の外縁11E7を上縁とする壁と、第3ブロック13の第1の外縁13E1を上縁とする壁とにより囲まれて形成される。第2部分31Bの溝幅は、略一定である。
第1部分31Aおよび第2部分31Bによって構成された溝31は、第1ブロック11と、第3ブロック13および第4ブロック14とを分断するように、タイヤ径方向に延びている。なお、本実施形態においては、溝31は、突条60から、第1の周方向C1側に傾斜して、タイヤ径方向内側に延びている。そして、前述のとおり、第2ブロック12にはスリット12Sが形成されている。このスリット12Sは、溝31と連続するようにタイヤ径方向に延びている。本実施形態においては、スリット12Sは、第1の周方向C1側に傾斜して、タイヤ径方向内側に延びている。これにより、サイドブロック群10のタイヤ径方向外側端から、第2ブロック12の中心付近まで延びる、略直線状の溝31およびスリット12Sが形成される。このように、凹凸が適切に形成されることにより、タイヤの側面でのトラクション性能を確保しつつ、タイヤ側面の耐カット性を高めることができる。タイヤの側面でのトラクション性能を高めることができる。また、放熱性が高まり、ゴム内部への蓄熱を抑制することができる。
なお、図2および図3に示すように、溝31の第1部分31Aのタイヤ径方向外側端のタイヤ周方向位置は、ショルダー溝55のタイヤ周方向位置と一致していてもよい。また、溝31の第1部分31Aのタイヤ径方向外側端の溝幅は、ショルダー溝55のタイヤ径方向内側端の溝幅と略一致していてもよい。
なお、溝31およびスリット12Sの底部(露出面)は、タイヤ表面5と同じ高さとなっている。
次に、複数のサイドブロック群10間を分断する溝32について説明する。溝32は、図4Eに示すように、第1部分32Aと、第2部分32Bと、第3部分32Cと、第4部分32Dと、第5部分32Eと、を有する。第1部分32A~第5部分32Eは繋がっている。
第1部分32Aは、第4ブロック14の第5の外縁14E5を上縁とする壁と、隣のサイドブロック群10の第1ブロック11の第2の外縁11E2を上縁とする壁とにより囲まれて形成される。第1部分32Aは、突条60からタイヤ径方向内側に延びている。第1部分32Aのタイヤ径方向外側端の溝幅は、溝32の他の部分の溝幅よりも広く形成されている。
第2部分32Bは、第4ブロック14の第4の外縁14E4を上縁とする壁と、隣のサイドブロック群10の第1ブロック11の第3の外縁11E3を上縁とする壁とにより囲まれて形成される。第2部分32Bは、第1の周方向C1側に傾斜して、タイヤ径方向内側に延びている。第2部分32Bのタイヤ径方向内側端の溝幅は、第1部分32Aのタイヤ径方向外側端の溝幅よりも狭く形成されている。
第3部分32Cは、第3ブロック13の第10の外縁13E10を上縁とする壁と、隣のサイドブロック群10の第1ブロック11の第4の外縁11E4を上縁とする壁とにより囲まれて形成される。第3部分32Cは、タイヤ径方向内側に傾斜して、第2の周方向C2側に延びている。第2部分32Bの延在方向と第3部分32Cの延在方向とのなす角は略直角である。第3部分32Cのタイヤ径方向内側端の溝幅は、略一定であり、第1部分32Aのタイヤ径方向外側端の溝幅よりも狭くなっている。
第4部分32Dは、第3ブロック13の第9の外縁13E9を上縁とする壁と、隣のサイドブロック群10の第1ブロック11の第5の外縁11E5を上縁とする壁とにより囲まれて形成される。第4部分32Dは、第2の周方向C2側に延びている。第4部分32Dのタイヤ径方向内側端の溝幅は、第3部分32Cの溝幅と略等しい。
第5部分32Eは、第3ブロック13の第8の外縁13E8を上縁とする壁と、隣のサイドブロック群10の第2ブロック12の第6の外縁12E6を上縁とする壁とにより囲まれて形成される。第5部分32Eは、タイヤ径方向内側に延びている。第4部分32Dのタイヤ径方向内側端の溝幅は、第1部分32Aのタイヤ径方向外側端の溝幅よりも狭くなっている。
第1部分32A~第5部分32Eによって構成された溝32は、複数のサイドブロック群10間を分断する。例えば、溝32は、第1サイドブロック群10Aと、第2サイドブロック群10Bとを分断する。溝32は、複数の屈曲部を有しながら、複数のサイドブロック群10を分断している。よって、悪路における泥等の排出性を確保しつつ、高い耐カット性が得られる。また、凹凸が適切に形成されることにより、タイヤの側面でのトラクション性能を高めることができる。また、放熱性が高まり、ゴム内部への蓄熱を抑制することができる。
なお、図2および図3に示すように、溝32の第1部分32Aのタイヤ径方向外側端のタイヤ周方向位置は、ショルダー溝55のタイヤ周方向位置と一致していてもよい。また、溝32の第1部分32Aのタイヤ径方向外側端の溝幅は、ショルダー溝55のタイヤ径方向内側端の溝幅と略一致していてもよい。
なお、溝32の底部(露出面)は、タイヤ表面5と同じ高さとなっている。
なお、図4Aに示すように、第1ブロック11および第2ブロック12は、矢印CDで示すタイヤ周方向視において少なくとも一部が重なり、かつ矢印RD2で示すタイヤ径方向視においても少なくとも一部が重なるように、タイヤ周方向に並んで配置されている。また、第2ブロック12および第3ブロック13は、矢印CDで示すタイヤ周方向視において少なくとも一部が重なり、かつ矢印RD3で示すタイヤ径方向視においても少なくとも一部が重なるように、タイヤ周方向に並んで配置されている。また、第3ブロック13および第4ブロック14は、矢印CDで示すタイヤ周方向視において少なくとも一部が重なり、かつ矢印RD4で示すタイヤ径方向視においても少なくとも一部が重なるように、タイヤ周方向に並んで配置されている。これにより、高い耐カット性が得られる。
次に、本実施形態における、サイドブロック群10を構成する第1ブロック11~第4ブロック14の隆起高さの関係を、図5および図6を参照して説明する。図5は、図3のV-V断面を模式的に示す断面図である。図5は、面取り形状等の詳細は省略した、隆起高さの関係を説明するための模式的な断面図である。図6は、図3のVI部を斜めから見た時の拡大斜視図であり、第1ブロック11~第4ブロック14の隆起高さの関係を立体的に示す図である。図6には、隆起高さの関係を立体的に把握しやすくするために、タイヤ幅方向外側かつタイヤ径方向内側の位置から少し斜めに見上げるような視線でサイドブロック6を見たときの図が示されている。
図5に示すように、第1ブロック11は、サイドウォール3のタイヤ表面5から隆起高さH1で隆起して設けられている。第2ブロック12は、タイヤ表面5から第1ブロック11とは異なる隆起高さH2で隆起して設けられている。第3ブロック13は、タイヤ表面5から第2ブロック12とは異なる隆起高さH3で隆起して設けられている。第4ブロック14は、タイヤ表面5から第3ブロック13とは異なる隆起高さH4で隆起して設けられている。本実施形態においては、第1ブロック11のタイヤ表面5からの隆起高さH1および第3ブロック13のタイヤ表面5からの隆起高さH3は、第2ブロック12のタイヤ表面5からの隆起高さH2および第4ブロック14のタイヤ表面5からの隆起高さH4よりも低い。例えば、隆起高さH1と、隆起高さH3とは、略同じ高さであってもよい。また、隆起高さH2と、隆起高さH4とは、略同じ高さであってもよい。
なお、図5の断面図に示すように、第2ブロック12においてスリット12Sが形成されている部分の底面(露出面)は、タイヤ表面5と同じ高さとなっている。また、第4ブロック14のスリット14Sが形成されている部分の底面(露出面)は、第3ブロック13の表面、すなわち隆起高さH3と同じ高さとなっている。
このように、隣り合うブロックの隆起高さを異ならせることにより、タイヤ表面5から隆起するブロックの領域を広く確保しつつ、適切に凹凸が形成されるため、タイヤの側面でのトラクション性能を確保しつつ、タイヤ側面の耐カット性を高めることができる。また、適切に凹凸が形成されるため、悪路における泥等の排出性も高めることができる。また、放熱性が高まり、ゴム内部への蓄熱を抑制することができる。
例えば、隆起高さH1は、0.5mm以上2mm以下であることが好ましい。隆起高さH2は、隆起高さH1よりも高く、かつ1.5mm以上4mm以下であることが好ましい。隆起高さH1と隆起高さH2の差は、0.5mm以上であることが好ましい。隆起高さH3は、隆起高さH2よりも低く、かつ0.5mm以上2mm以下であることが好ましい。隆起高さH2と隆起高さH3の差は、0.5mm以上であることが好ましい。隆起高さH4は、隆起高さH3よりも高く、かつ1.5mm以上4mm以下であることが好ましい。隆起高さH3と隆起高さH4の差は、0.5mm以上であることが好ましい。例えば、隆起高さH1は、隆起高さH2の25%以上75%以下であることが好ましい。隆起高さH3は、隆起高さH2の25%以上75%以下であり、かつ隆起高さH4の25%以上75%以下であることが好ましい。これにより、上述の効果が得られる。ただし、隆起高さH1~H4の関係はこれらの構成に限定されない。例えば、隆起高さH1、隆起高さH2、隆起高さH3、隆起高さH4の順に、高くなるような態様であってもよい。これによっても、タイヤの側面でのトラクション性能を確保しつつ、タイヤ側面の耐カット性を高めることができる。また、悪路における泥等の排出性も高めることができる。
なお、本実施形態のサイドブロック6は、両方のサイドウォール3に配置されていてもよいが、少なくとも一方のサイドウォール3の側面に配置されていればよい。
本実施形態のタイヤ1によれば、以下の効果を奏する。
(1)本実施形態に係るタイヤ1は、タイヤ側面に配置されたサイドブロック6を備え、サイドブロック6は、タイヤ表面5から隆起する第1ブロック11と、第1ブロック11とタイヤ周方向で連続し、タイヤ表面5から第1ブロックとは異なる隆起高さで隆起する第2ブロック12と、第2ブロック12とタイヤ周方向で連続し、タイヤ表面5から第2ブロック12とは異なる隆起高さで隆起する第3ブロック13と、第3ブロック13とタイヤ周方向で連続し、タイヤ表面5から第3ブロック13とは異なる隆起高さで隆起する第4ブロック14と、を備える。このように、隣り合うブロックの隆起高さを異ならせることにより、タイヤ表面5から隆起するブロックの領域を広く確保しつつ、適切に凹凸が形成されるため、タイヤの側面でのトラクション性能を確保しつつ、タイヤ側面の耐カット性を高めることができる。また、適切に凹凸が形成されるため、悪路における泥等の排出性も高めることができる。また、放熱性が高まり、ゴム内部への蓄熱を抑制することができる。
(2)本実施形態に係るタイヤ1のサイドブロック6は、複数のサイドブロック群10により構成され、複数のサイドブロック群10はそれぞれ、第1ブロック11と、第2ブロック12と、第3ブロック13と、第4ブロック14と、を備え、複数のサイドブロック群10は、タイヤ周方向に間隔をあけて配置されている。これにより、タイヤの側面でのトラクション性能を確保しつつ、タイヤ側面の耐カット性を高めることができる。また、複数のサイドブロック群10が間隔をあけて配置されているため、悪路における泥等の排出性も高めることができる。また、放熱性が高まり、ゴム内部への蓄熱を抑制することができる。
(3)本実施形態に係るタイヤ1の第3ブロック13は、タイヤ周方向で隣のサイドブロック群に向かって延びるリブ13Rを有し、リブ13Rは、タイヤ径方向視において、隣のサイドブロック群を構成する第1ブロック11と少なくとも一部が重なるように、タイヤ周方向に延びる。これにより、高い耐カット性が得られる。
(4)本実施形態に係るタイヤ1のリブ13Rは、先端と、タイヤ径方向外側外縁と、タイヤ径方向内側外縁と、を有し、リブ13Rのタイヤ径方向外側外縁は、隣のサイドブロック群の第1ブロック11と間隙を介して配置され、リブ13Rの先端は、隣のサイドブロック群の第2ブロック12と間隙を介して配置されている。これにより、悪路における泥等の排出性を確保しつつ、高い耐カット性を得ることができる。
(5)本実施形態に係るタイヤ1における、第1ブロック11および第3ブロック13のタイヤ表面5からの隆起高さは、第2ブロック12および第4ブロック14のタイヤ表面5からの隆起高さよりも低い。これにより、タイヤの側面でのトラクション性能を確保しつつ、タイヤ側面の耐カット性を高めることができる。また、適切に凹凸が形成されるため、悪路における泥等の排出性も高めることができる。また、放熱性が高まり、ゴム内部への蓄熱を抑制することができる。
(6)本実施形態に係るタイヤ1の第1ブロック11は、タイヤ周方向における一方の周方向側に配置された第1の角部11Qを有し、第2ブロック12は、タイヤ周方向における一方の周方向側に配置された第2の角部12Qを有し、第1の角部11Qおよび第2の角部12Qは、タイヤ周方向に隣接して配置されている。これにより、悪路において泥等をかき分けて排出する効果が高まる。
(7)本実施形態に係るタイヤ1の第1の角部11Qおよび第2の角部12Qの少なくともいずれか一方は、鋭角をなすように周囲から隆起して形成されている。これにより、悪路において泥等をかき分けて排出する効果が高まる。
(8)本実施形態に係るタイヤ1の第1ブロック11と、第3ブロック13および第4ブロック14は、タイヤ径方向に延びる溝31を介して分断され、第2ブロック12は、溝31と連続するタイヤ径方向に延びるスリット12Sを有する。これにより、タイヤの側面でのトラクション性能を確保しつつ、タイヤ側面の耐カット性を高めることができる。
(9)本実施形態に係るタイヤ1の第2ブロック12は、平面視で略五角形であり、その略五角形の頂点12P1が、タイヤ径方向内側に向けて配置され、スリット12Sは、頂点12P1と対向する外縁12E1、12E2から、タイヤ径方向内側に延びるように形成されている。これにより、タイヤの側面でのトラクション性能を確保しつつ、タイヤ側面の耐カット性を高めることができる。
(10)本実施形態に係るタイヤ1の第1ブロック11および第2ブロック12は、タイヤ周方向視において少なくとも一部が重なり、かつタイヤ径方向視においても少なくとも一部が重なるように、タイヤ周方向に並んで配置されている。これにより、高い耐カット性が得られる。
(11)本実施形態に係るタイヤ1の第2ブロック12および第3ブロック13は、タイヤ周方向視において少なくとも一部が重なり、かつタイヤ径方向視においても少なくとも一部が重なるように、タイヤ周方向に並んで配置されている。これにより、高い耐カット性が得られる。
(12)本実施形態に係るタイヤ1の第3ブロック13および第4ブロック14は、タイヤ周方向視において少なくとも一部が重なり、かつタイヤ径方向視においても少なくとも一部が重なるように、タイヤ周方向に並んで配置されている。これにより、高い耐カット性が得られる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の目的を達成できる範囲で変形、改良などを行っても、本発明の範囲に含まれる。