JP2022087695A - 電極付きハニカム基材およびその製造方法 - Google Patents

電極付きハニカム基材およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】接合信頼性の高い絶縁膜を有する電極付きハニカム基材、また、その製造方法を提供する。【解決手段】電極付きハニカム基材1は、通電によって発熱するハニカム基材2と、ハニカム基材2の外周面に対向して設けられた一対の電極30と、ハニカム基材2および電極30の少なくとも一方を直接覆う絶縁膜4と、を有している。電極付きハニカム基材1では、ハニカム基材2および電極30は、いずれも導電材と絶縁材とを含み、絶縁膜4は、絶縁材により形成されている。絶縁膜4の絶縁材は、ハニカム基材2および電極30のうち絶縁膜4に覆われた方の絶縁材と同じ絶縁成分を含んでいる。ハニカム基材2と電極30と絶縁膜4とは、同時焼結により形成される、あるいは、ハニカム基材2と電極30とが同時焼結により形成された後、絶縁膜4が焼結により形成される。【選択図】図1

Description

本発明は、電極付きハニカム基材およびその製造方法に関する。
従来、エンジン等の内燃機関で生じた排ガスを浄化するための触媒装置では、触媒を担持させたハニカム基材を通電により発熱させる技術が知られている。この場合、ハニカム基材に電圧を印加するため、ハニカム基材の外周面に一対の電極が設けられる。また、ハニカム基材に一対の電極が設けられた電極付きハニカム基材は、通常、排気管の途中に取り付けられたケース筒体内に収容され、ケース筒体との間に配置されたマット状の保持部材によって保持されている。
なお、本願に先行する特許文献1には、SiCを主成分とするハニカム基材と、ハニカム基材の外周面に設けた一対の電極部材と、電極部材の表面に形成されたAlやSiO等からなる耐酸化性の保護膜と、を有する電極付きハニカム基材が開示されている。
特許第6517727号公報
上述した保持部材は、通常、乾燥状態において絶縁材として機能する。そのため、保持部材が乾燥状態にある場合には、電極付きハニカム基材とケース筒体との絶縁を確保することができる。しかしながら、排ガス中に含まれる水蒸気が冷却されて生じた凝縮水により保持部材が被水したり、排ガス中に含まれるカーボン微粒子等の粒子状物質(Particulate Matter:PM)が保持部材に堆積したりした場合には、保持部材の絶縁性が低下する。保持部材の絶縁性の低下は電流漏洩を招き、ハニカム基材の通電加熱が難しくなる。これを防止する手法としては、電極付きハニカム基材を絶縁膜にて覆うことが考えられる。
電極付きハニカム基材は、熱的、熱衝撃的に非常に過酷な環境下で使用される。そのため、電極付きハニカム基材を絶縁膜にて覆う場合には、接合信頼性の高い絶縁膜を形成する技術が必要となる。しかしながら、そのような技術についてはこれまで十分な検討がなされていない。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、接合信頼性の高い絶縁膜を有する電極付きハニカム基材、また、その製造方法を提供しようとするものである。
本発明の一態様は、通電によって発熱するハニカム基材(2)と、
上記ハニカム基材の外周面に対向して設けられた一対の電極(30)と、
上記ハニカム基材および上記電極の少なくとも一方を直接覆う絶縁膜(4)と、を有しており、
上記ハニカム基材および上記電極は、いずれも導電材と絶縁材とを含み、
上記絶縁膜は、絶縁材により形成されており、
上記絶縁膜の絶縁材は、上記ハニカム基材および上記電極のうち上記絶縁膜に覆われた方の絶縁材と同じ絶縁成分を含む、
電極付きハニカム基材(1)にある。
本発明の他の態様は、上記電極付ハニカム基材の製造方法であって、
上記ハニカム基材と上記電極と上記絶縁膜とが同時焼結により形成される、あるいは、
上記ハニカム基材と上記電極とが同時焼結により形成された後、上記絶縁膜が焼結により形成される、
電極付きハニカム基材の製造方法にある。
上記電極付きハニカム基材は、上記構成を有する。そのため、上記電極付きハニカム基材では、その製造時に、ハニカム基材および電極のうち絶縁膜にて覆われた方の絶縁材と絶縁膜の絶縁材との間にて相互焼結による結合が生じる。そのため、上記電極付きハニカム基材によれば、絶縁膜の接合強度が増し、接合信頼性の高い絶縁膜を有する電極付きハニカム基材が得られる。
上記電極付きハニカム基材の製造方法は、上記構成を有する。そのため、上記電極付きハニカム基材の製造方法によれば、接合信頼性の高い絶縁膜を有する電極付きハニカム基材が得られる。
なお、特許請求の範囲および課題を解決する手段に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
図1は、実施形態1に係る電極付きハニカム基材の基材軸方向と直交する直交断面を模式的に示した図である。 図2は、実施形態1に係る電極付きハニカム基材を適用した電気加熱式触媒装置の一例を模式的に示した図である。 図3は、図2におけるIII-III線矢視断面図である。 図4は、絶縁膜の吸水率の測定方法を説明するための図である。 図5は、実施形態2に係る電極付きハニカム基材の基材軸方向と直交する直交断面を模式的に示した図である。 図6は、実験例における、絶縁膜の電気絶縁抵抗の測定方法を説明するための図である。 図7は、実験例において、絶縁膜の吸水率の測定時に絶縁膜に吸水させている状況の一例を示した図である。
(実施形態1)
実施形態1の電極付きハニカム基材について、図1~図4を用いて説明する。本実施形態の電極付きハニカム基材1は、図1~図3に例示されるように、通電によって発熱するハニカム基材2と、一対の電極30と、絶縁膜4と、を有している。
電極付きハニカム基材1は、例えば、触媒(白金、パラジウム、ロジウム等)が担持された状態で、図2に例示されるように、エンジン等の内燃機関(不図示)などで生じた排ガスFを浄化するために排気管91に設けられた電気加熱式触媒装置9に適用されることができる。なお、図2中、矢印Gの方向が、電極付きハニカム基材1におけるガス流れ方向Gとされる。
具体的には、図2および図3では、排気管91の途中に電気加熱式触媒装置9のケース筒体92が取り付けられ、ケース筒体92内に電極付きハニカム基材1が収容されている例が示されている。電極付きハニカム基材1とケース筒体92との間には保持部材93が配置されており、この保持部材93により電極付きハニカム基材1が保持されている。保持部材93は、例えば、アルミナファイバー等からマット状に構成されており、乾燥状態において絶縁性を有している。
また、図2および図3では、電極付きハニカム基材1における各電極30のそれぞれに電極端子31が電気的に接続されている例が示されている。電極端子31における電極30側とは反対側の端部は、保持部材93の外側に突出している。保持部材93から突出した電極端子31の部分は、ケース筒体92に設けられた電極室921内に配置され、外部より保護されている。また、図2では、バッテリー等の電源94からの電力が、スイッチング回路95、遮断回路96、リード線97を介して一対の電極端子31に給電されるように構成されている例が示されている。本実施形態では、一対の電極端子31を介して一対の電極30間に電圧が印加され、これによる通電によってハニカム基材2が発熱可能とされている。外部電圧の印加方式は、直流方式、交流方式、パルス方式等、いずれの方式であってもよい。なお、電極室921とリード線97との間には、排ガスFのリークを防止するためのガス封止材98が設けられている。ガス封止材98の材料としては、例えば、セラミックス、ガラスなどを例示することができる。
電極付きハニカム基材1において、ハニカム基材2は、図1および図2に例示されるように、複数のセル21を区画形成する隔壁22と、隔壁22の外周を取り囲む外周壁23と、を備える構成とすることができる。セル21は、図2に示される排ガスFが流される流路である。例えば、図1では、隔壁22が、ハニカム基材2の基材軸と直交する直交断面(以下、単に「直交断面」ということがある。)で見て、正方形状の複数のセル21を区画形成する例が示されている。つまり、図1では、隔壁22は、格子状に形成されている。隔壁22は、他にも、六角形状の複数のセル等、公知の形状の複数のセル21を区画形成するように構成されることもできる。なお、図1において、隔壁22は、便宜上、線によって表されており、壁厚等は省略されている。また、基材軸は、図2に示されるガス流れ方向Gと同方向である。
ハニカム基材2は、直交断面で見て、例えば、円形状、楕円状、矩形上、レーストラック形状などの断面形状を有することができる。図1および図2では、円形状の断面形状を有するハニカム基材2の例が示されている。なお、レーストラック形状は、直交断面で見て、外周壁23が、互いに離間された状態で平行に配置された一対の側面部(不図示)と、一対の側面部における同じ側にある端縁間をそれぞれ連結する一対の円形部(不図示)とを有する形状である。
電極付きハニカム基材1において、電極30は、ハニカム基材2の外周面に対向して設けられる。つまり、電極30は、ハニカム基材2における外周壁23の外表面に対向して設けられる。したがって、ハニカム基材2の外周面には、電極30が形成された面部分と、電極30が形成されていない面部分とが存在している。なお、上述した断面形状がレーストラック形状であるハニカム基材2では、外周壁23を構成する各円形部の外周面にそれぞれ電極30を設けることができる。電極30は、図2に例示されるように、ハニカム基材2の外周面上において基材軸方向に延びるように形成されることができる。電極30は、ハニカム基材2の外周面に接合されることができる。なお、上述した電極端子31は、電極30に接合されていてもよいし、接合されていなくてもよい。電極端子31は、電極30の表面における中心に配置されることができる。電極端子31は、例えば、棒状等の形状に形成されることができる。
電極付きハニカム基材1において、絶縁膜4は、ハニカム基材2および電極30の少なくとも一方を直接覆っている。つまり、絶縁膜4は、ハニカム基材2および電極30の少なくとも一方に接している。絶縁膜4は、電極30の表面を直接覆わず、ハニカム基材2の外周面における電極30が形成されていない面部分のみを直接覆っていてもよいし、電極30の表面のみを直接覆っていてもよいし、ハニカム基材2の外周面における電極30が形成されていない面部分と電極30の表面との両方を直接覆っていてもよい。図1および図2では、絶縁膜4が、ハニカム基材2の外周面における電極30が形成されていない面部分と電極30の表面との両方を直接覆っている例が示されている。この構成によれば、絶縁膜4がハニカム基材2および電極30のいずれか一方を直接覆っている場合に比べ、電極付きハニカム基材1とケース筒体92との間の絶縁性を向上させることができる。また、図1~図3では、絶縁膜4が、ハニカム基材2および電極30のみならず、電極端子31も直接覆っている例が示されている。具体的には、絶縁膜4は、電極端子31とリード線97との接続部分を除いて、電極端子31の表面を直接覆うことができる。つまり、絶縁膜4は、ハニカム基材2および電極30のみならず、電極端子31にも接することができる。絶縁膜4が、ハニカム基材2、電極30、および、電極端子31を直接覆っている構成によれば、絶縁膜4が電極端子31を直接覆っていない場合に比べ、電極付きハニカム基材1とケース筒体92との間の絶縁性を向上させることができる。なお、絶縁膜4によって覆われる各部位は、各部位の全体が絶縁膜4により覆われていてもよいし、各部位が部分的に絶縁膜4により覆われていてもよい。好ましくは、前者である。また、絶縁膜4は、さらに、ハニカム基材2の端面、具体的には、ハニカム基材2の端面における隔壁22の表面などを覆っていてもよい。
電極付きハニカム基材1において、ハニカム基材2および電極30は、いずれも導電材と絶縁材とを含んでいる。具体的には、ハニカム基材2および電極30は、導電材と絶縁材とを含むセラミックスにより形成されることができる。一方、絶縁膜4は、絶縁材により形成されている。具体的には、絶縁膜4は、セラミックスからなる絶縁材により形成されることができる。また、電極端子31は、導電材と絶縁材とを含む構成とすることができる。具体的には、電極端子31は、導電材と絶縁材とを含むセラミックスにより形成されることができる。なお、電極端子31は、上記以外にも、例えば、金属等により形成されることもできる。
ハニカム基材2、電極30、および、電極端子31に含まれる導電材としては、例えば、シリコン(Si)、シリコンとホウ素(B)とを含む酸化物、Si等の導電性元素がドープされた炭化ケイ素(SiC)、金属シリサイド等のシリサイド化合物やニッケルクロム合金等をはじめとする各種抵抗体などを例示することができる。これらは1種または2種以上含まれていてもよい。ハニカム基材2、電極30、および、電極端子31に含まれる絶縁材としては、例えば、アルミナ(Al)、チタニア(TiO)、シリカ(SiO、溶融シリカも含む)、コーディエライト、マグネシア(MgO)、ジルコニア(ZrO)、ムライト、炭化ケイ素(SiC)などを例示することができる。これらは1種または2種以上含まれていてもよい。なお、ハニカム基材2と電極30とは、同じ材料から形成されていてもよいし、異なる材料から形成されていてもよい。また、電極30と電極端子31とは、同じ材料から形成されていてもよいし、異なる材料から形成されていてもよい。絶縁膜4を形成する絶縁材としては、例えば、アルミナ(Al)、チタニア(TiO)、シリカ(SiO、溶融シリカも含む)、コーディエライト、マグネシア(MgO)、ジルコニア(ZrO)、炭化ケイ素(SiC)などを例示することができる。これらは1種または2種以上含まれていてもよい。
ここで、絶縁膜4の絶縁材は、ハニカム基材2および電極30のうち絶縁膜4に覆われた方の絶縁材と同じ絶縁成分を含んでいる。つまり、絶縁膜4がハニカム基材2のみを覆っている場合には、絶縁膜4の絶縁材とハニカム基材2の絶縁材とは、同じ絶縁成分を含んでいる。絶縁膜4が電極30のみを覆っている場合には、絶縁膜4の絶縁材と電極30の絶縁材とは、同じ絶縁成分を含んでいる。本実施形態のように、絶縁膜4がハニカム基材2と電極30の両方を覆っている場合には、絶縁膜4の絶縁材とハニカム基材2の絶縁材と電極30の絶縁材とは、同じ絶縁成分を含んでいる。
「同じ絶縁成分を含む」について具体例を用いて説明する。ここでは、絶縁膜4がハニカム基材2と電極30の両方を覆っている場合を例に用いて説明する。a1、a2、a3を、絶縁材を構成する互いに異なる絶縁成分とする。例えば、ハニカム基材2の絶縁材がa1からなり、電極30の絶縁材がa1からなる場合において、絶縁膜4の絶縁材がa1からなるときには、絶縁膜4の絶縁材は、ハニカム基材2の絶縁材および電極30の絶縁材と同じ絶縁成分を含むといえる。また、例えば、ハニカム基材2の絶縁材がa1、a2からなり、電極30の絶縁材がa1、a2からなる場合において、絶縁膜4の絶縁材がa1からなるとき、絶縁膜4の絶縁材がa2からなるとき、絶縁膜4の絶縁材がa1、a2からなるときには、絶縁膜4の絶縁材は、ハニカム基材2の絶縁材および電極30の絶縁材と同じ絶縁成分を含むといえる。また、例えば、ハニカム基材2の絶縁材がa1、a2、a3からなり、電極30の絶縁材がa1、a2からなる場合において、絶縁膜4の絶縁材がa1からなるとき、絶縁膜4の絶縁材がa2からなるとき、絶縁膜4の絶縁材がa1、a2からなるときには、絶縁膜4の絶縁材は、ハニカム基材2の絶縁材および電極30の絶縁材と同じ絶縁成分を含むといえる。また、この場合において、絶縁膜4の絶縁材がa3からなるときには、絶縁膜4の絶縁材は、ハニカム基材2の絶縁材と同じ絶縁成分を含むといえるが、電極30の絶縁材と同じ絶縁成分を含むとはいえない。
絶縁膜4の絶縁材が、ハニカム基材2および電極30のうち絶縁膜4に覆われた方の絶縁材と同じ絶縁成分を含むことにより、電極付きハニカム基材1の製造時に、ハニカム基材2および電極30のうち絶縁膜4にて覆われた方の絶縁材と絶縁膜4の絶縁材との間にて相互焼結による結合を生じさせることができる。つまり、ハニカム基材2および電極30のうち絶縁膜4に覆われた方と絶縁膜4とは、相互焼結により一体化されることができる。より具体的には、ハニカム基材2および電極30のうち絶縁膜4に覆われた方の絶縁材と絶縁膜4の絶縁材とは、相互焼結により一体化されることができる。また、絶縁膜4の絶縁材が、ハニカム基材2および電極30のうち絶縁膜4に覆われた方の絶縁材と同じ絶縁成分を含むことにより、ハニカム基材2および電極30のうち絶縁膜4にて覆われた方と絶縁膜4との熱膨張差を小さくすることもできる。
なお、電極付きハニカム基材1が導電材と絶縁材とを含む電極端子31を有しており、ハニカム基材2、電極30、および、電極端子31を絶縁膜4が覆っている場合、絶縁膜4の絶縁材は、ハニカム基材2の絶縁材、電極30の絶縁材、および、電極端子31の絶縁材と同じ絶縁成分を含む構成とすることができる。この構成によれば、電極付きハニカム基材1の製造時に、ハニカム基材2、電極30、および、電極端子31の絶縁材と絶縁膜4の絶縁材との間にて相互焼結による結合を生じさせることができる。そのため、この構成によれば、絶縁膜4が電極端子31を覆っていない場合に比べ、絶縁膜4の接合強度が増し、絶縁膜4の接合信頼性をより高くすることができる。この場合の「同じ絶縁成分を含む」については上述した説明を準用することができる。
絶縁膜4がハニカム基材2を直接覆っている場合、絶縁膜4の絶縁材は、ハニカム基材2の絶縁材を構成する絶縁成分のうち最も含有量が多い成分を含んでいるとよい。この構成によれば、ハニカム基材2の外周面における電極30が形成されていない面部分と絶縁膜4との間にて相互焼結した部位を増やすことができるので、接合信頼性の高い絶縁膜4を確保しやすくなる。また、電極付きハニカム基材1では、通常、電極30の面積よりも、ハニカム基材2の外周面における電極30が形成されていない面部分の面積の方が大きい。そのため、上記構成によれば、絶縁膜4が電極30のみを直接覆っている場合に比べ、上記効果を得やすくなる利点がある。また、絶縁膜4の接合強度向上などの観点から、好ましくは、絶縁膜4の絶縁材を構成する絶縁成分のうち最も含有量が多い成分と、ハニカム基材2の絶縁材を構成する絶縁成分のうち最も含有量が多い成分とは、同じ成分であるとよい。
また、絶縁膜4がハニカム基材2および電極30を直接覆っている場合、ハニカム基材2の絶縁材を構成する絶縁成分のうち最も含有量が多い成分と、電極30の絶縁材を構成する絶縁成分のうち最も含有量が多い成分とが同じ成分であり、絶縁膜4の絶縁材は、当該同じ成分を含んでいるとよい。この構成によれば、ハニカム基材2の外周面における電極30が形成されていない面部分と絶縁膜4との間、および、電極30と絶縁膜4との間にて相互焼結した部位を増やすことができるので、接合信頼性の高い絶縁膜4を確保しやすくなる。また、この構成によれば、絶縁膜4がハニカム基材2のみを直接覆っている場合や電極30のみを直接覆っている場合に比べ、上記効果を得やすくなる利点がある。また、絶縁膜4の接合強度向上などの観点から、好ましくは、絶縁膜4の絶縁材を構成する絶縁成分のうち最も含有量が多い成分と、ハニカム基材2の絶縁材を構成する絶縁成分のうち最も含有量が多い成分と、電極30の絶縁材を構成する絶縁成分のうち最も含有量が多い成分とは、同じ成分であるとよい。
また、絶縁膜4がハニカム基材2、電極30、および、電極端子31を直接覆っている場合、ハニカム基材2の絶縁材を構成する絶縁成分のうち最も含有量が多い成分と、電極30の絶縁材を構成する絶縁成分のうち最も含有量が多い成分と、電極端子31の絶縁材を構成する絶縁成分のうち最も含有量が多い成分とが同じ成分であり、絶縁膜4の絶縁材は、当該同じ成分を含んでいるとよい。この構成によれば、ハニカム基材2の外周面における電極30が形成されていない面部分と絶縁膜4との間、電極30と絶縁膜4との間、および、電極端子31と絶縁膜4との間にて相互焼結した部位を増やすことができるので、接合信頼性の高い絶縁膜4を確保しやすくなる。また、この構成によれば、絶縁膜4がハニカム基材2および電極30のみを直接覆っている場合に比べ、上記効果を得やすくなる利点がある。また、絶縁膜4の接合強度向上などの観点から、好ましくは、絶縁膜4の絶縁材を構成する絶縁成分のうち最も含有量が多い成分と、ハニカム基材2の絶縁材を構成する絶縁成分のうち最も含有量が多い成分と、電極30の絶縁材を構成する絶縁成分のうち最も含有量が多い成分と、電極端子31の絶縁材を構成する絶縁成分のうち最も含有量が多い成分とは、同じ成分であるとよい。
なお、各絶縁材を構成する絶縁成分のうち最も含有量が多い成分は、絶縁材の化学組成(質量%)を測定することによって把握することができる。
各絶縁材を構成する絶縁成分は、具体的には、SiOを含む構成とすることができる。この構成によれば、コーディエライト等に比べ、焼成時に溶けやすいため、絶縁膜4中の気孔を塞ぎやすくなり、後述する絶縁膜4の吸水率を低くしやすくなる。また、この構成によれば、全体的な熱膨張率を下げられる、強度を向上させることができるなどの利点がある。好ましくは、各絶縁材を構成する絶縁成分のうち最も含有量が多い成分は、SiOであるとよい。この構成によれば、上記効果を確実なものとすることができる。
電極付きハニカム基材1において、絶縁膜4の膜厚は、100μm以上とすることができる。絶縁膜4の膜厚が100μm以上になると、通常であれば、厚膜化によって絶縁膜4に発生する応力が大きくなるため、より強固な絶縁膜4が必要とされる。これに対し、本開示によれば、絶縁膜4の膜厚が100μm以上と厚い場合であっても、絶縁膜4の接合強度が高いため、亀裂の発生を抑制することができる。また、絶縁膜4の膜厚を100μm以上とすることにより、電気絶縁抵抗の高い絶縁膜を得ることができる。絶縁膜4の膜厚は、絶縁膜の接合信頼性、電気絶縁抵抗の向上、機械的強度などの観点から、好ましくは、100μm超、より好ましくは、150μm以上、さらに好ましくは、200μm以上とすることができる。なお、絶縁膜4の膜厚は、絶縁膜の接合信頼性などの観点から、好ましくは、500μm以下、より好ましくは、450μm以下、さらに好ましくは、400μm以下とすることができる。なお、絶縁膜4の膜厚は、ハニカム基材2の基材軸と直交する直交断面において、任意の10か所について測定した絶縁膜4の厚み測定値の算術平均値である。
電極付きハニカム基材1において、絶縁膜4の吸水率は、10%以下とすることができる。この構成によれば、絶縁膜4の周囲に水がある状況下であっても絶縁膜4が水を吸収し難いため、絶縁膜4の電気絶縁抵抗の低下を抑制しやすくなる。絶縁膜4の吸水率は、好ましくは、8%以下、より好ましくは、7%以下、さらに好ましくは、6%以下、さらにより好ましくは、5%以下とすることができる。
絶縁膜4の吸水率は、以下のようにして測定することができる。図4(a)に示されるように、電極付きハニカム基材1から絶縁膜4の一部を含むサンプルS1を切り出す。例えば、絶縁膜4がハニカム基材2を直接覆っている場合には、サンプルS1は、絶縁膜4の一部とハニカム基材2の一部を含む。なお、図4(a)では、サンプルS1における絶縁膜4が省略されているが、サンプルS1の上面側に絶縁膜4が形成されているものとする。次いで、サンプルS1の質量を測定する。次いて、図4(b)に示されるように、ピペットPを用いてサンプルS1の上面側の表面に蒸留水Wを滴下する。次いで、20mm×20mmの面積に蒸留水Wを延ばし、室温下にて10分間放置する。次いで、図4(c)に示されるように、紙製のウエスKを用い、サンプルS1の表面に吸水されずに残っている蒸留水Wをふき取る。次いで、サンプルS1の質量を再び測定する。そして、サンプルS1の質量増加分を絶縁膜4の吸水質量とする。絶縁膜4の吸水率(%)は、100×(サンプルS1による絶縁膜4の吸水質量)/(サンプルS1による絶縁膜4の吸水前の質量)の式より算出することができる。なお、絶縁膜4の吸水前の質量は、次の式により算出することができる。絶縁膜4の吸水前の質量=絶縁膜4の真密度×(1-絶縁膜4の気孔率/100)×サンプルS1上の絶縁膜4の被覆面積×絶縁膜4の平均膜厚。この式において、絶縁膜4の真密度は、サンプルS1上から剥離させた一部の絶縁膜4のサンプルを用いてピクノメーターにより測定した値を用いる。絶縁膜4の気孔率は、同サンプルを用いて水銀圧入法により測定し得られた気孔体積から算出した値を用いる。サンプルS1上の絶縁膜4の被覆面積は、幾何学計算により算出した値を用いる。絶縁膜4の平均膜厚は、サンプルS1の側面4断面についてマイクロスコープ観察を実施し、各断面9点の膜厚の算術平均値である。
電極付きハニカム基材1において、ハニカム基材2および電極30の電気抵抗の和は、例えば、車両に搭載される車両搭載電源にて効率的に昇温することができるなどの観点から、好ましくは、1Ω以上100Ω以下、より好ましくは、1Ω以上80Ω以下、さらに好ましくは、1Ω以上60Ω以下とすることができる。上記のような電気抵抗を持つ電極付きハニカム基材1は、車両搭載電源の電圧仕様で効率的に昇温することができるため、変圧機等を要せず、経済的に早期の触媒活性化を図ることができる。
(実施形態2)
実施形態2の電極付きハニカム基材について、図5を用いて説明する。なお、実施形態2以降において用いられる符号のうち、既出の実施形態において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、既出の実施形態におけるものと同様の構成要素等を表す。
図5に例示されるように、本実施形態の電極付きハニカム基材1は、絶縁膜4が、ハニカム基材2および電極30を直接覆っており、電極端子31を覆っていない例である。その他の構成は、実施形態1と同様である。この場合についても、実施形態1の電極付きハニカム基材1ほどではないが、電極付きハニカム基材1とケース筒体92との間の絶縁性を向上させることができる。その他の作用効果は、実施形態1と同様である。
(実施形態3)
実施形態3の電極付きハニカム基材の製造方法について説明する。
本実施形態の電極付きハニカム基材の製造方法は、上述した実施形態1または実施形態2の電極付きハニカム基材を製造することができる製造方法である。本実施形態の電極付きハニカム基材の製造方法では、ハニカム基材と電極と絶縁膜とが同時焼結により形成される。以下、これについて詳説する。
ハニカム基材と電極と絶縁膜とを同時焼結により形成する方法としては、例えば、仮焼(仮焼成)されたハニカム基材に電極形成用材料を塗布し、次いで、絶縁膜形成用材料を塗布し、次いで、必要に応じて脱脂のための焼成を行い、次いで、仮焼されたハニカム基材と電極形成用材料と絶縁膜形成用材料とを同時焼結する方法などを例示することができる。なお、絶縁膜形成用材料の塗布は、仮焼されたハニカム基材の外周面の表面のうち電極形成用材料が塗布されずに露出した部分、および、塗布された電極形成用材料の表面のうち少なくとも一方である。なお、電極端子の表面に絶縁膜を形成する場合には、成形した電極端子形成用材料を電極形成用材料に貼り付け、電極端子形成用材料の表面にも絶縁膜形成用材料を塗布すればよい。この場合、ハニカム基材と電極と絶縁膜と電極端子とが同時焼結により形成されることができる。絶縁膜を形成する部位の詳細については、実施形態1および実施形態2を適宜参照することができる。
仮焼されたハニカム基材は、仮焼成されているが、未だ本焼結がなされていない。仮焼されたハニカム基材は、例えば、ハニカム基材形成用材料をハニカム状に成形し、得られたハニカム成形体を乾燥後、必要に応じて脱脂のために焼成し、アルゴン雰囲気下、1000℃以上1300℃以下の温度、好ましくは、1250℃以上1300℃以下の温度にて仮焼することなどにより準備することができる。脱脂のための焼成は、有機分を除去するために行う焼成であり(以下同様)、例えば、酸化雰囲気下、500℃以上800℃以下、好ましくは、600℃以上700℃以下の温度などにて実施することができる。
ハニカム基材形成用材料は、ハニカム基材を形成するための材料である。ハニカム基材形成用材料は、具体的には、例えば、導電材と絶縁材とバインダーとを含む坏土状に調製されることができる。電極形成用材料は、電極を形成するための材料である。電極形成用材料は、具体的には、例えば、導電材と絶縁材とバインダーとを含むペースト状に調製されることができる。電極端子形成用材料は、電極端子を形成するための材料である。電極端子形成用材料は、具体的には、例えば、導電材と絶縁材とバインダーとを含む坏土状に調製されることができる。絶縁膜形成用材料は、絶縁膜を形成するための材料である。絶縁膜形成用材料は、具体的には、例えば、絶縁材とバインダーとを含むペースト状に調製されることができる。
絶縁膜形成用材料は、ハニカム基材形成用材料および電極形成用材料のうち絶縁膜形成用材料に覆われる方の絶縁材と同じ絶縁成分を含むことができる。つまり、絶縁膜形成用材料がハニカム基材形成用材料のみを覆う場合には、絶縁膜形成用材料の絶縁材とハニカム基材形成用材料の絶縁材とが、同じ絶縁成分を含むように構成することができる。絶縁膜形成用材料が電極形成用材料のみを覆う場合には、絶縁膜形成用材料の絶縁材と電極形成用材料の絶縁材とが、同じ絶縁成分を含むように構成することができる。絶縁膜形成用材料がハニカム基材形成用材料と電極形成用材料の両方を覆う場合には、絶縁膜形成用材料の絶縁材とハニカム基材形成用材料の絶縁材と電極形成用材料の絶縁材とが、同じ絶縁成分を含むように構成することができる。また、電極端子形成用材料の表面を絶縁膜形成用材料にて覆う場合には、例えば、絶縁膜形成用材料の絶縁材とハニカム基材形成用材料の絶縁材と電極形成用材料の絶縁材と電極端子形成用材料の絶縁材とが、同じ絶縁成分を含むように構成することができる。
上記同時焼結は、仮焼温度よりも高い温度で行うことができる。上記同時焼結の温度は、好ましくは、仮焼温度よりも10℃以上高い温度とすることができる。上記同時焼結は、具体的には、アルゴン雰囲気下、1300℃以上の温度、好ましくは、1325℃以上1375℃以下の温度にて実施することができる。
本実施形態の電極付きハニカム基材の製造方法によれば、同時焼結により、ハニカム基材および電極のうち絶縁膜にて覆われた方の絶縁材と絶縁膜の絶縁材との間にて相互焼結による結合が生じる。そのため、本実施形態の電極付きハニカム基材の製造方法によれば、絶縁膜の接合強度が増し、接合信頼性の高い絶縁膜を有する電極付きハニカム基材が得られる。また、本実施形態の電極付きハニカム基材の製造方法は、後述する実施形態4の電極付きハニカム基材の製造方法に比べ、上記同時焼結により、より吸水率が低い絶縁膜を有する電極付きハニカム基材を得ることができる。
(実施形態4)
実施形態4の電極付きハニカム基材の製造方法について説明する。
本実施形態の電極付きハニカム基材の製造方法は、上述した実施形態1または実施形態2の電極付きハニカム基材を製造することができる製造方法である。本実施形態の電極付きハニカム基材の製造方法では、ハニカム基材と電極とが同時焼結により形成された後、絶縁膜が焼結により形成される。つまり、本実施形態では、ハニカム基材と電極とが先に同時焼結により形成された後、絶縁膜が後焼結により形成される。以下、これについて詳説する。
ハニカム基材と電極とを同時焼結により形成した後、絶縁膜を焼結により形成する方法としては、例えば、仮焼成されたハニカム基材に電極形成用材料を塗布し、次いで、必要に応じて脱脂のための焼成を行い、次いで、仮焼されたハニカム基材と電極形成用材料とを同時焼結し、次いで、絶縁膜形成用材料を塗布し、次いで、必要に応じて脱脂のための焼成を行い、次いで、絶縁膜形成用材料を焼結する方法などを例示することができる。その他の構成については、実施形態3を適宜参照することができる。
本実施形態の電極付きハニカム基材の製造方法によれば、実施形態3の電極付きハニカム基材の製造方法ほどではないが、絶縁膜の接合強度が増し、接合信頼性の高い絶縁膜を有する電極付きハニカム基材が得られる。
(実験例)
-試料1-1~試料1-5の作製-
導電材としてのシリコン粉末とホウ酸と、絶縁材としてのシリカ粉末とを、18:6:76の質量比で混合し、得られた混合物にバインダーとしてメチルセルロースを4質量%添加し、水を加え、十分に混練することにより坏土状のハニカム基材形成用材料を調製した。
また、導電材としてのシリコン粉末とホウ酸と、絶縁材としてのシリカ粉末とを、40:10:50の質量比で混合し、得られた混合物にバインダーとしてメチルセルロースを1.87質量%添加し、水を加え、十分に混合することによりペースト状の電極形成用材料を調製した。
また、絶縁材としてのシリカ粉末にバインダーとしてメチルセルロースを1.87質量%添加し、水を加え、十分に混合することによりペースト状の絶縁膜形成用材料を調製した。
上記ハニカム基材形成用材料を押出成形にてハニカム状に成形することによりハニカム成形体を得た。次いで、このハニカム成形体を乾燥させた後、大気雰囲気下、600℃の温度にて脱脂焼成した。次いで、脱脂焼成したハニカム成形体を、アルゴン雰囲気下、1250℃の温度にて仮焼することにより、仮焼されたハニカム基材を得た。次いで、仮焼されたハニカム基材の外周面に電極形成用材料を塗布した後、さらに、絶縁膜形成用材料を塗布した。本例では、絶縁膜形成用材料の塗布は、仮焼されたハニカム基材の外周面の表面のうち電極形成用材料が塗布されずに露出した部分、および、塗布された電極形成用材料の表面の両方とした。なお、本例では、試験簡略化のため、電極端子の形成は省略した。次いで、電極形成用材料および絶縁膜形成用材料が塗布された、仮焼されたハニカム基材を、大気雰囲気下、600℃の温度にて脱脂焼成した。次いで、脱脂焼成したハニカム基材を、アルゴン雰囲気下、1350℃の温度にて本焼成することにより、電極付きハニカム基材を得た。つまり、本例では、ハニカム基材と電極と絶縁膜とを同時焼結により形成した。また、絶縁膜の絶縁材は、ハニカム基材および電極の絶縁材と同じ絶縁成分を含んでいる。
上記電極付きハニカム基材の作製では、絶縁膜形成用材料の塗布厚を変化させることにより、膜厚50μmの試料1-1の電極付きハニカム基材(ハニカム基材および電極の電気抵抗の和:8.0Ω)、膜厚100μmの試料1-2の電極付きハニカム基材(ハニカム基材および電極の電気抵抗の和:8.3Ω)、膜厚200μmの試料1-3の電極付きハニカム基材(ハニカム基材および電極の電気抵抗の和:8.7Ω)、膜厚300μmの試料1-4の電極付きハニカム基材(ハニカム基材および電極の電気抵抗の和:8.1Ω)、膜厚400μmの試料1-5の電極付きハニカム基材(ハニカム基材および電極の電気抵抗の和:8.5Ω)を得た。
-試料2-1~試料2-3の作製-
試料1-1等の電極付きハニカム基材の作製と同様にして各材料を準備するとともに、仮焼されたハニカム基材を形成した。次いで、仮焼されたハニカム基材の外周面に電極形成用材料を塗布した後、アルゴン雰囲気下、1350℃の温度にて焼成することにより、ハニカム基材と電極とを同時焼結させた。次いで、ハニカム基材の外周面の表面のうち電極が形成されずに露出した部分、および、電極の表面の両方に、絶縁膜形成用材料を塗布した。次いで、これを大気雰囲気下、600℃の温度にて脱脂焼成した後、アルゴン雰囲気下、1350℃の温度にて焼成することにより、絶縁膜を焼結させ、電極付きハニカム基材を得た。つまり、本例では、ハニカム基材と電極とを先に同時焼結により形成した後、絶縁膜を後焼結により形成した。また、絶縁膜の絶縁材は、ハニカム基材および電極の絶縁材と同じ絶縁成分を含んでいる。
上記電極付きハニカム基材の作製では、絶縁膜形成用材料の塗布厚を変化させることにより、膜厚50μmの試料2-1の電極付きハニカム基材(ハニカム基材および電極の電気抵抗の和:8.1Ω)、膜厚100μmの試料2-2の電極付きハニカム基材(ハニカム基材および電極の電気抵抗の和:8.3Ω)、膜厚200μmの試料2-3の電極付きハニカム基材(ハニカム基材および電極の電気抵抗の和:8.3Ω)を得た。
-試料1C-1~試料1C-3の作製-
絶縁材としてのアルミナ粉末にバインダーとしてメチルセルロースを1.34質量%添加し、水を加え、十分に混合することによりペースト状の絶縁膜形成用材料を調製した。試料1-1等の電極付きハニカム基材の作製において、絶縁材としてシリカを用いた絶縁膜形成用材料に代えて、絶縁材としてアルミナを用いた絶縁膜形成用材料を用いた点以外は同様にして、電極付きハニカム基材を得た。つまり、本例では、ハニカム基材と電極と絶縁膜とを同時焼結により形成した。しかし、絶縁膜の絶縁材は、ハニカム基材および電極の絶縁材と同じ絶縁成分を含んでいない。
上記電極付きハニカム基材の作製では、絶縁膜形成用材料の塗布厚を変化させることにより、膜厚50μmの試料1C-1の電極付きハニカム基材(ハニカム基材および電極の電気抵抗の和:7.9Ω)、膜厚100μmの試料1C-2の電極付きハニカム基材(ハニカム基材および電極の電気抵抗の和:8.3Ω)、膜厚200μmの試料1C-3の電極付きハニカム基材(ハニカム基材および電極の電気抵抗の和:8.4Ω)を得た。
-絶縁膜の接合信頼性-
作製した各電極付きハニカム基材における絶縁膜を目視にて確認し、亀裂の有無を確認した。絶縁膜に亀裂が無かった場合を、絶縁膜の接合強度が高く、接合信頼性が高いと判断した。一方、絶縁膜に亀裂が有った場合を、絶縁膜の接合強度が低く、接合信頼性に劣ると判断した。
-絶縁膜の電気絶縁抵抗の測定-
図6に示されるように、電極付きハニカム基材から絶縁膜の一部を含むサンプルS2を切り出す。なお、サンプルS2の厚みは10mmとした。また、図6では、サンプルS2における絶縁膜が省略されているが、サンプルS2の上面側に絶縁膜が形成されているものとする。次いで、サンプルS2における絶縁膜が形成された部分に、撥水加工テープ(マスキング材料)を用いて枠状にマスキングMを行うことにより、20mm×30mmの枠取りをした。次いで、枠取りした部分およびその部分と反対側のサンプルS2の上面側の表面に、蒸留水を十分に含浸させた脱脂綿Cを押し当て、直流500V印加した際における絶縁膜の電気絶縁抵抗を、絶縁抵抗計Rを用いて測定した。電気絶縁抵抗が1.0MΩ以上であった場合には、絶縁膜の電気絶縁抵抗に優れると判断した。電気絶縁抵抗が0.1MΩ以上1.0MΩ未満であった場合には、絶縁膜の電気絶縁抵抗が良好である判断した。電気絶縁抵抗が0.1MΩ未満であった場合には、絶縁膜の電気絶縁抵抗が低く、絶縁性が悪いと判断した。
-絶縁膜の吸水率の測定-
上述した方法により、各電極付きハニカム基材における絶縁膜の吸水率を測定した。なお、サンプルS1の厚みは3mmとした。また、図7に、絶縁膜の吸水率の測定時において、サンプルS1における20mm×20mmの面積に蒸留水を延ばし、室温下にて10分間放置している様子を示す。
-総合評価-
絶縁膜に亀裂が無く、かつ、電気絶縁抵抗が1.0MΩ以上であった場合に、総合評価「A」とした。絶縁膜に亀裂が無く、かつ、電気絶縁抵抗が0.1MΩ以上1.0MΩ未満であった場合に、総合評価「B」とした。絶縁膜に亀裂が有る、および/または、電気絶縁抵抗が0.1MΩ未満であった場合に、総合評価「C」とした。
表1に、上記試験結果をまとめて示す。
Figure 2022087695000002
表1によれば、以下のことがわかる。試料1C-1~試料1C-3では、絶縁膜にて覆われたハニカム基材および電極の絶縁成分はシリカ(SiO)であるが、絶縁膜がアルミナ(Al)より形成されている。つまり、絶縁膜の絶縁材は、絶縁膜にて覆われたハニカム基材および電極の絶縁成分と同じ絶縁成分を含んでいない。そのため、試料1C-1~試料1C-3は、ハニカム基材と電極と絶縁膜とを同時焼結により形成しても、接合信頼性の高い絶縁膜を形成することができなかった。また、絶縁膜の電気絶縁抵抗も低かった。
これに対し、試料1-1~試料1-5、試料2-1~試料2-2では、絶縁膜にて覆われたハニカム基材および電極の絶縁成分はシリカであり、絶縁膜もシリカより形成されている。つまり、絶縁膜の絶縁材は、絶縁膜にて覆われたハニカム基材および電極の絶縁成分と同じ絶縁成分を含んでいる。そのため、試料1-1~試料1-5、試料2-1~試料2-2では、絶縁膜の接合強度が増し、接合信頼性の高い絶縁膜を有する電極付きハニカム基材が得られた。これは、ハニカム基材と電極と絶縁膜の各絶縁材の間にて相互焼結による結合が生じたためである。
また、試料1-1~試料1-5、試料2-1~試料2-2の結果を比較した場合、ハニカム基材と電極とを先に同時焼結により形成した後、絶縁膜を後焼結により形成するよりも、ハニカム基材と電極と絶縁膜とを同時焼結により形成した方が、より接合信頼性の高い絶縁膜を有する電極付きハニカム基材が得られることが確認された。
また、試料1-1~試料1-5、試料2-1~試料2-2の結果によれば、絶縁膜4の膜厚を100μm以上とすることにより、接合信頼性が高く、かつ、電気絶縁抵抗の良好な絶縁膜を有する電極付きハニカム基材が得られることがわかる。なお、絶縁膜4の膜厚が600μm以上になると、厚膜化によって絶縁膜4に発生する応力が過度に大きくなり、絶縁膜の接合信頼性の確保に不利となる傾向が見られた。そのため、絶縁膜4の膜厚は、好ましくは、500μm以下であるとよい。
また、試料1-1~試料1-5、試料2-1~試料2-2の結果によれば、上記同時焼結により、より吸水率が低い絶縁膜を有する電極付きハニカム基材が得られることが確認された。
本発明は、上記各実施形態、各実験例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。また、各実施形態、各実験例に示される各構成は、それぞれ任意に組み合わせることができる。
1 電極付きハニカム基材
2 ハニカム基材
30 電極
4 絶縁膜

Claims (10)

  1. 通電によって発熱するハニカム基材(2)と、
    上記ハニカム基材の外周面に対向して設けられた一対の電極(30)と、
    上記ハニカム基材および上記電極の少なくとも一方を直接覆う絶縁膜(4)と、を有しており、
    上記ハニカム基材および上記電極は、いずれも導電材と絶縁材とを含み、
    上記絶縁膜は、絶縁材により形成されており、
    上記絶縁膜の絶縁材は、上記ハニカム基材および上記電極のうち上記絶縁膜に覆われた方の絶縁材と同じ絶縁成分を含む、
    電極付きハニカム基材(1)。
  2. 上記絶縁膜は、上記ハニカム基材および上記電極を直接覆っており、
    上記ハニカム基材の絶縁材を構成する絶縁成分のうち最も含有量が多い成分と、上記電極の絶縁材を構成する絶縁成分のうち最も含有量が多い成分とが同じ成分であり、当該同じ成分を、上記絶縁膜の絶縁材が含む、
    請求項1に記載の電極付きハニカム基材。
  3. 上記絶縁膜は、上記ハニカム基材を直接覆っており、
    上記絶縁膜の絶縁材は、上記ハニカム基材の絶縁材を構成する絶縁成分のうち最も含有量が多い成分を含む、
    請求項1に記載の電極付きハニカム基材。
  4. 各上記絶縁材を構成する絶縁成分のうち最も含有量が多い成分は、SiOである、
    請求項2または請求項3に記載の電極付きハニカム基材。
  5. 上記絶縁膜の膜厚が100μm以上である、
    請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の電極付きハニカム基材。
  6. 上記絶縁膜の吸水率が10%以下である、
    請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の電極付きハニカム基材。
  7. 一対の上記電極のそれぞれに電気的に接続された一対の電極端子(31)を有しており、
    上記絶縁膜は、上記ハニカム基材、上記電極、および、上記電極端子を直接覆っている、
    請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の電極付きハニカム基材。
  8. 上記電極端子は、導電材と絶縁材とを含み、
    上記絶縁膜の絶縁材は、上記ハニカム基材の絶縁材、上記電極の絶縁材、および、上記電極端子の絶縁材と同じ絶縁成分を含む、
    請求項7に記載の電極付きハニカム基材。
  9. 上記ハニカム基材および上記電極の電気抵抗の和が、1Ω以上100Ω以下の範囲にある、
    請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の電極付きハニカム基材。
  10. 請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の電極付ハニカム基材の製造方法であって、
    上記ハニカム基材と上記電極と上記絶縁膜とが同時焼結により形成される、あるいは、
    上記ハニカム基材と上記電極とが同時焼結により形成された後、上記絶縁膜が焼結により形成される、
    電極付きハニカム基材の製造方法。
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