JPH11157920A - セラミックヒータ及びその製造方法 - Google Patents

セラミックヒータ及びその製造方法

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JPH11157920A
JPH11157920A JP9342216A JP34221697A JPH11157920A JP H11157920 A JPH11157920 A JP H11157920A JP 9342216 A JP9342216 A JP 9342216A JP 34221697 A JP34221697 A JP 34221697A JP H11157920 A JPH11157920 A JP H11157920A
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JP
Japan
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weight
cao
mgo
ceramic
ceramic heater
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JP9342216A
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English (en)
Inventor
Masayuki Kobayashi
正幸 小林
Akira Fujii
章 藤井
Tadashi Tsuruta
忠志 鶴田
Makoto Shirai
白井  誠
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Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 マイグレーションが発生し難い,セラミック
ヒータ及びその製造方法を提供すること。 【解決手段】 セラミックからなる基部と発熱抵抗体と
よりなる。上記セラミックは,Al2 3 ,SiO2
MgO及びCaOの合計量を100重量%とした場合に
90〜96重量%のAl2 3 ,1〜8重量%のSiO
2 ,0.6〜1.5重量%のMgO及び1.3〜6.8
重量%のCaOを含有し,CaO/MgOが4.5以下
かつMgOとCaOの合計量が1.9重量%以上であ
り,Al2 3 ,SiO2 ,MgO及びCaOの合計量
100重量%に対し,0.2〜20.0重量%のZrO
2 及び0.2〜20.0重量%のY2 3 を含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は,自動車内燃機関の燃焼制御用酸
素センサ等に組付けて使用するセラミックヒータ及びそ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】従来から,自動車内燃機関における排ガス
を浄化するために,該内燃機関の排気系に配置した酸素
センサにより排ガス中の酸素濃度を測定し,該測定値に
基づいて空燃比制御を行っている。上記酸素センサとし
ては,例えば酸素濃度差によって起電力を発生するZr
2 +Y2 3 等の固体電解質体を用いた酸素センサ素
子よりなるもの,酸素濃度差によって電気抵抗が変化す
るTiO2 等の酸化物半導体を用いた酸素センサ素子よ
りなるものが知られている。
【0003】いずれの構成にかかる酸素センサにおいて
も,酸素濃度の測定の際には,酸素センサ素子の温度を
活性化温度まで高める必要がある。この場合の加熱手段
としてはセラミックよりなる絶縁体を基部として,該基
部に発熱抵抗体を埋設した構造を有するセラミックヒー
タが利用されている(後述の図1,図4参照)。
【0004】上記セラミックヒータにかかるセラミック
としては低ソーダアルミナが多く利用されている。ま
た,上記発熱抵抗体としては,Pt等の導電材料に絶縁
性セラミック材料を微量添加したものが多く利用されて
いる。
【0005】
【解決しようとする課題】しかしながら,従来のセラミ
ックヒータには次のような問題があった。従来にかかる
セラミックヒータにおいては,発熱抵抗体の発熱に伴い
セラミック中に含まれるフラックス成分である陽イオン
が,発熱抵抗体の電位の高い側より低い側へと移動し,
電位の低い部分において集中偏析するという現象が発生
する。この現象をマイグレーションというが,該マイグ
レーションの発生は発熱抵抗体の抵抗値変動の原因とな
り,発熱抵抗体の断線の原因となる。
【0006】ところで,上記問題を解決するために様々
な方法が提案されている。例えば,マイグレーションの
要因となるフラックス成分をセラミックス中より減量
し,該セラミックスを高純度とする方法である。しかし
ながら,不純物としてのフラックス成分の混入は避けら
れず,根本的解決とならない上,高純度化により原料コ
ストが高くなってしまう問題がある。
【0007】他の方法として,マイグレーションを抑制
するためのダミーパターンを形成する方法が提案されて
いるが,限られたスペース内にダミーパターンを追加し
なければならず,製造上のバラツキを考慮すると実用化
は困難である。
【0008】本発明は,かかる問題点に鑑み,マイグレ
ーションが発生し難い,セラミックヒータ及びその製造
方法を提供しようとするものである。
【0009】
【課題の解決手段】請求項1の発明は,セラミックから
なる基部と,該基部内に少なくとも発熱部が埋設された
発熱抵抗体とよりなるセラミックヒータにおいて,上記
セラミックは,Al2 3 ,SiO2 ,MgO及びCa
Oの合計量を100重量%とした場合に,90〜96重
量%のAl2 3 ,1〜8重量%のSiO2 ,0.6〜
1.5重量%のMgO及び1.3〜6.8重量%のCa
Oを含有し,更に,上記MgOと上記CaOの重量比
(CaO/MgO)が4.5以下かつ上記MgOと上記
CaOの合計量が1.9重量%以上であり,また,上記
Al2 3 ,SiO2 ,MgO及びCaOの合計量10
0重量%に対し,0.2〜20.0重量%のZrO2
び0.2〜20.0重量%のY2 3 を含有することを
特徴とするセラミックヒータにある。
【0010】上記Al2 3 が90重量%未満である場
合には,マイグレーションの原因となるフラックス成分
量が多く,耐久性が劣化するおそれがある。一方,96
重量%より大である場合には,充分に緻密な焼結体が得
られず,実用レベルを満たす抗折強度にならないおそれ
がある。上記SiO2 が1重量%未満である場合には,
抗折強度が低下するおそれがある。一方,8重量%より
大である場合には,耐久性及び電気絶縁性が劣化するお
それがある。
【0011】上記MgOが0.6重量%未満である場合
には,MgOの特徴であるアルミナの粒成長抑制効果が
充分発揮されないため,緻密な焼結体が得られないおそ
れがある。一方,1.5重量%より大である場合には,
耐久性の劣化が生じるおそれがある。上記CaOが1.
3重量%未満である場合には,抗折強度が低下するおそ
れがある。一方,6.8重量%より大である場合には,
耐久性の劣化するおそれがある。
【0012】また,上記MgOと上記CaOの重量比が
CaO/MgO≦4.5である場合には,アルミナの粒
界において複雑な構造をもつモンチセライト結晶層(C
aMgSiO4 )が生成することから,陽イオンの移動
を妨げマイグレーション抑制効果が大きくなる。これに
より,耐久性の優れたセラミックヒータが得られる。
【0013】上記重量比が4.5より大の場合は,モン
チセライト結晶層の生成割合が少なくマイグレーション
抑制効果が充分でないため,耐久性が劣るおそれがあ
る。また,上記MgOと上記CaOの合計量が1.9重
量%以上の場合,上記モンチセライト結晶層がアルミナ
の結晶粒をコーティングし,マイグレーション抑制層と
しての効果を最も発揮できる。上記合計量が1.9重量
%未満の場合は,アルミナ粒界をコーティングするのに
充分なモンチセライト結晶層が生成せず,マイグレーシ
ョン抑制効果が充分でないおそれがある。
【0014】また,上記ZrO2 が0.2〜20.0重
量%である場合,アルミナ粒界の結晶化(マイグレーシ
ョン抑制層の形成)を促進するため,マイグレーション
を抑制し,耐久性が向上する。上記ZrO2 が0.2重
量%未満及び20.0重量%より大である場合には,い
ずれも抗折強度の低下及び耐久性の劣化が起きるおそれ
がある。同様に,上記Y2 3 が0.2〜20.0重量
%である場合,アルミナ粒界の結晶化(マイグレーショ
ン抑制層の形成)を促進するため,マイグレーションを
抑制し,耐久性が向上する。上記Y2 3 が0.2重量
%未満及び20.0重量%より大である場合には,いず
れも抗折強度の低下及び耐久性の劣化が起きるおそれが
ある。
【0015】本発明の作用につき,以上に説明する。本
発明にかかるセラミックヒータのセラミックは上述した
ごとき組成であり,所定のCaOとMgOの重量比及び
合計量を有し,所定量のZrO2 及びY2 3 を含有し
ている。この所定重量比のCaO及びMgOにより,ア
ルミナの粒界において複雑な構造をもつモンチセライト
結晶層を生成することができる。
【0016】更に,CaO及びMgOの所定合計量によ
り,上記モンチセライト結晶層がアルミナ結晶粒をコー
ティング可能となる充分な生成量を得ることができ,マ
イグレーション抑制層としての効果が顕著となる。即
ち,後述する図2(a)に示すごとく,上記セラミック
の組織3はアルミナ結晶粒31より構成され,該アルミ
ナ結晶粒を取り囲むようにモンチセライト結晶層32が
存在する。仮にCaO及びMgOの合計量が少ない場合
の組織39は,図2(b)に示すごとく,アルミナ結晶
粒31の全てを取り囲むようにモンチセライト結晶層3
2が形成されず,部分的にガラス層33が形成されてし
まう。
【0017】また,所定量のZrO2 及びY2 3 によ
り,アルミナの粒界に存在するフラックス成分の網目構
造における架橋陰イオンが切断され,上記フラックス成
分の結晶化を促進することができる。このため,アルミ
ナの粒界において陽イオンが移動し難い複雑な構造を持
つモンチセライト結晶層をより多く生成することが可能
となり,マイグレーションの抑制効果を飛躍的に向上す
ることができる。
【0018】以上のように,本発明によれば,マイグレ
ーションが発生し難い,セラミックヒータ及びその製造
方法を提供することができる。
【0019】なお,本発明にかかるセラミックヒータと
しては,後述する図1に示すごとき積層板状型のセラミ
ックヒータ,あるいは図3〜図5に示すごとき棒状のセ
ラミックヒータを挙げることができる。
【0020】また,請求項2の発明は,セラミックから
なる基部と,該基部内に少なくとも発熱部が埋設された
発熱抵抗体とよりなるセラミックヒータであって,上記
セラミックは,Al2 3 ,SiO2 ,MgO及びCa
Oの合計量を100重量%とした場合に,90〜96重
量%のAl2 3 ,1〜8重量%のSiO2 ,0.6〜
1.5重量%のMgO及び1.3〜6.8重量%のCa
Oを含有し,更に,上記MgOと上記CaOの重量比
(CaO/MgO)が4.5以下かつ上記MgOと上記
CaOの合計量が1.9重量%以上であり,また,上記
Al2 3 ,SiO2 ,MgO及びCaOの合計量10
0重量%に対し,0.2〜20.0重量%のZrO2
び0.2〜20.0重量%のY2 3 を含有するセラミ
ックヒータを製造するに当たり,上記セラミック用の原
料を還元雰囲気中,焼成温度1480℃〜1540℃に
て焼成することを特徴とするセラミックヒータの製造方
法にある。
【0021】本発明にかかる製造方法によれば,請求項
1に示すごとき,セラミックの組織中の結晶粒界を陽イ
オンが移動し難く,マイグレーションを生じ難いセラミ
ックよりなるセラミックヒータを得ることができる。
【0022】なお,上記還元雰囲気としては,水素ガス
及び窒素ガスよりなる雰囲気等を挙げることができる。
また,上記焼成温度が1480℃未満である場合には,
充分に緻密な焼結体が得られず,実用レベルを満たす抗
折強度にならないおそれがある。一方,上記焼成温度が
1540℃より大である場合には,発熱材料が過焼成と
なり,局部的な粒成長が発生するため耐久性が低下して
しまうおそれがある。
【0023】また,上記セラミック用の原料としては,
精製された合成原料,不純物を含む天然原料等,幅広く
選択することができる。また,上記セラミック用の原料
としては,Al2 3 ,SiO2 ,MgO及びCaOの
合計量を100重量%とした場合に,90〜96重量%
のAl2 3 ,1〜8重量%のSiO2 ,0.6〜1.
5重量%のMgO及び1.3〜6.8重量%のCaOを
含有し,更に,上記MgOと上記CaOの重量比(Ca
O/MgO)が4.5以下かつ上記MgOと上記CaO
の合計量が1.9重量%以上であり,また,上記Al2
3 ,SiO2 ,MgO及びCaOの合計量100重量
%に対し,0.2〜20.0重量%のZrO2 及び0.
2〜20.0重量%のY23 という組成を持った材料
を使用する。
【0024】次に,請求項3の発明のように,セラミッ
ク用の原料の一部として,カオリン,タルクの少なくと
も一種を使用することが好ましい。上記カオリン,タル
クは安価な天然原料であり,これにより,セラミックヒ
ータの製造コストを減じることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】実施形態例1 本発明の実施形態例にかかるセラミックヒータ及びその
製造方法につき,図1,図2を用いて説明する。本例の
セラミックヒータ1は,図1(a),(b)に示すごと
く,セラミックからなる基部と,該基部内に発熱部13
1が埋設された発熱抵抗体13とよりなる。
【0026】上記セラミックは,Al2 3 ,Si
2 ,MgO及びCaOの合計量を100重量%とした
場合に,90〜96重量%のAl2 3 ,1〜8重量%
のSiO2 ,0.6〜1.5重量%のMgO及び1.3
〜6.8重量%のCaOを含有し,更に,上記MgOと
上記CaOの重量比(CaO/MgO)が4.5以下か
つ上記MgOと上記CaOの合計量が1.9重量%以上
であり,また,上記Al23 ,SiO2 ,MgO及び
CaOの合計量100重量%に対し,0.2〜20.0
重量%のZrO2 及び0.2〜20.0重量%のY2
3 を含有する。
【0027】まず,本例にかかるセラミックヒータ1の
構造につき説明する。図1(a),(b)に示すごと
く,本例はヒータ基板11と該ヒータ基板11に設けた
発熱抵抗体13と両者を被覆する被覆基板12とよりな
る積層型のセラミックヒータ1である。上記ヒータ基板
11及び被覆基板12がセラミックよりなる基部であ
る。
【0028】上記発熱抵抗体13は通電により発熱する
発熱部131,リード線19と導通する端子部133,
該端子部133と発熱部131とを結ぶリード部132
とよりなる。また,上記セラミックヒータ1の側部18
には上記端子部133と電気的に導通した導体部190
が設けてある。上記導体部190に対し,リード線19
がロー付けされてなる。上記リード線19は通電用の電
源に接続されている。
【0029】上記セラミックヒータ1の製造方法につき
説明する。アルミナ92重量%,カオリン2.5重量
%,タルク3.0重量%及び炭酸カルシウム3.0重量
%よりなる混合物を作製し,更に該混合物の合計量10
0重量%に対して,ジルコニア1.1重量%及びイット
リア5.l重量%を添加して,セラミック用の原料を作
製する。
【0030】なお,上記セラミック用の原料の組成は,
Al2 3 93.0重量%,SiO2 2.5重量%,M
gO1.0重量%,CaO3.5重量%であり,また,
Al2 3 ,SiO2 ,MgO及びCaOの合計量10
0重量%に対して,ZrO21.0重量%,Y2
3 5.0重量%が添加してある。
【0031】上記セラミック用の原料に適当量のバイン
ダを添加し,溶剤中で混合してスラリーを作製する。得
られたスラリーをドクターブレード法により成形し,グ
リーンシートを得た。
【0032】次に,上記グリーンシートにV,Mo等を
主成分とした発熱抵抗体用ペーストをスクリーン印刷
し,発熱抵抗体13用の印刷パターンを形成した。これ
がヒータ基板11用のグリーンシートとなる。更に,上
記グリーンシートを被覆するように被覆基板12用のグ
リーンシートを積層し,両者を圧着接合する。得られた
接合体の側面18に導体部190を形成した後,還元雰
囲気(水素ガス及び窒素ガス),温度1520℃にて焼
成した。
【0033】得られた焼成体の導体部190にニッケル
メッキ(1次メッキ)を施した後,Au−Cuロー及び
Cuロー等を用いてリード線19をロー付けした。その
後,再度ニッケルメッキ(2次メッキ)を施した。ただ
し,導体部190への1次メッキは省略することができ
る。以上によりセラミックヒータ1を得た。
【0034】次に,本例にかかるセラミックヒータ1の
性能につき試験し,その結果を表1に記載した。上記試
験に使用した試料1〜17にかかるセラミックヒータ
は,これを構成するセラミックの組成を表1に示すごと
く変化させて,それぞれ作製したものである。なお,同
表にかかるAl2 3 ,SiO2 ,MgO,CaOの量
を表す数値は重量%である。また,Y2 3 ,ZrO2
の量は,Al2 3 ,SiO2 ,MgO,CaOの合計
量を100重量%とした場合の,該合計量に対する重量
%で記載した。
【0035】このような試料1〜17についてそれぞれ
の抗折強度と断線時間とを測定し,評価した。上記抗折
強度は,実車搭載時に必要となる実用強度である80N
を上回ることを判定基準とした。測定は3点曲げ試験
(JIS R1601)に基づいて実施した。上記断線
時間は,試料1〜試料17の発熱部131の表面温度が
1100℃となるよう発熱抵抗層13に通電し,これが
断線に至るまでの時間を計測した。また,判定基準とし
ては,実車搭載時の信頼性を充分に保証するための基準
となる1100℃での加速耐久試験において,断線時間
が1000時間を上回ることとした。以上の測定結果を
表1に記載した。
【0036】表1によれば,セラミックの組成が本発明
にかかる範囲内にある試料2〜試料6及び試料11〜試
料14の抗折強度はいずれも80N以上でありセラミッ
クヒータに要求される必要強度を満たしていることが分
かった。また,断線時間も1000時間を超えており基
準を満たしていることが分かった。
【0037】一方,試料1では,Al2 3 の量が少な
く,SiO2 の量が多いため,マイグレーションの抑制
効果が充分発揮できず,断線時間が短くなった。更に,
試料7ではAl2 3 の量が多くSiO2 の量が少ない
ため,本例にかかる焼成温度1520℃では充分に緻密
化しなかった。つまり,抗折強度が低く,実用的な強度
を有するセラミックとならなかった。
【0038】また,試料8,試料9は,実用強度は基準
を上回っているが,CaOとMgOの重量比若しくは合
計量が本発明の範囲から外れているため,マイグレーシ
ョンの抑制効果が不充分で,断線時間が短くなった。
【0039】また,ZrO2 とY2 3 の量が本発明の
範囲から外れている試料10,試料15は,抗折強度,
断線時間がいずれも基準に達しなかった。また,ZrO
2 とY2 3 のいずれか一方を添加していない試料1
6,試料17は,マイグレーションにより短時間で断線
に至っていることが分かった。
【0040】次に,本例における作用効果につき説明す
る。本発明にかかるセラミックヒータ1のセラミック
は,上述したごとき組成であり,所定のCaOとMgO
の重量比及び合計量を有し,所定量のZrO2 及びY2
3 を含有している。この所定重量比のCaO及びMg
Oにより,アルミナの粒界において複雑な構造をもつモ
ンチセライト結晶層を生成することができる。
【0041】更に,CaO及びMgOの所定合計量によ
り,上記モンチセライト結晶層がアルミナ結晶粒をコー
ティング可能となる充分な生成量を得ることができ,マ
イグレーションの抑制層としての効果が顕著となる。即
ち,図2(a)に示すごとく,上記セラミックの組織3
はアルミナ結晶粒31より構成され,該アルミナ結晶粒
を取り囲むようにモンチセライト結晶層32が存在す
る。仮にCaO及びMgOの合計量が少ない場合の組織
39は,図2(b)に示すごとく,アルミナ結晶粒31
の全てを取り囲むようにモンチセライト結晶層32が形
成されず,部分的にガラス層33が形成されてしまう。
【0042】また,所定量のZrO2 及びY2 3 によ
り,アルミナの粒界に存在するフラックス成分の網目構
造における架橋陰イオンが切断され,上記フラックス成
分の結晶化を促進することができる。このため,アルミ
ナの粒界において,陽イオンが移動し難い複雑な構造を
持つモンチセライト結晶層をより多く生成することが可
能となり,マイグレーションの抑制効果を飛躍的に向上
することができる。
【0043】以上のように,本例によれば,マイグレー
ションが発生し難い,セラミックヒータ及びその製造方
法を提供することができる。
【0044】
【表1】
【0045】実施形態例2 本例は,図3〜図5に示すごとく,棒状のセラミックヒ
ータについて示すものである。図3に示すごとく,上記
棒状のセラミックヒータ2は,発熱抵抗体23が設けら
れた被覆シート21と,図4に示すごとく,該被覆シー
ト21が巻回されるセラミック心棒22とよりなる。上
記発熱抵抗体23は通電により発熱する発熱部231,
リード線29と導通する端子部233,該端子部233
と発熱部231とを結ぶリード部232とよりなる。
【0046】また,図5に示すごとく,上記セラミック
ヒータ2の側部28には外側端子部234が設けてあ
る。上記端子部233と上記外側端子部234との間は
導体の充填されたスルーホール235により接続されて
いる。上記外側導体部234にはニッケルめっき290
が施され,これに対しリード線29がロー291を用い
て接続されており,更にニッケルめっき292が施され
ている。上記リード線29は通電用の電源に接続されて
いる。
【0047】また,上記被覆シート21及びセラミック
心棒22は,実施形態例1にかかるセラミックと同じ組
成である。その他は実施形態例1と同様である。また,
実施形態例1と同様の作用効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例1にかかる,(a)セラミックヒー
タの展開説明図,(b)セラミックヒータの斜視図。
【図2】実施形態例1にかかる,(a)セラミックの組
織の状態を示す説明図,(b)CaO及びMgOの合計
量が少ないセラミック組織の状態を示す説明図。
【図3】実施形態例2にかかる,棒状セラミックヒータ
の展開説明図。
【図4】実施形態例2にかかる,棒状セラミックヒータ
の説明図。
【図5】実施形態例2にかかる,棒状セラミックヒータ
の要部断面説明図。
【符号の説明】
1,2...セラミックヒータ, 13,23...発熱抵抗体, 131,231...発熱部,
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 白井 誠 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミックからなる基部と,該基部内に
    少なくとも発熱部が埋設された発熱抵抗体とよりなるセ
    ラミックヒータにおいて,上記セラミックは,Al2
    3 ,SiO2 ,MgO及びCaOの合計量を100重量
    %とした場合に,90〜96重量%のAl2 3 ,1〜
    8重量%のSiO2 ,0.6〜1.5重量%のMgO及
    び1.3〜6.8重量%のCaOを含有し,更に,上記
    MgOと上記CaOの重量比(CaO/MgO)が4.
    5以下かつ上記MgOと上記CaOの合計量が1.9重
    量%以上であり,また,上記Al2 3 ,SiO2 ,M
    gO及びCaOの合計量100重量%に対し,0.2〜
    20.0重量%のZrO2 及び0.2〜20.0重量%
    のY2 3 を含有することを特徴とするセラミックヒー
    タ。
  2. 【請求項2】 セラミックからなる基部と,該基部内に
    少なくとも発熱部が埋設された発熱抵抗体とよりなるセ
    ラミックヒータであって,上記セラミックは,Al2
    3 ,SiO2 ,MgO及びCaOの合計量を100重量
    %とした場合に,90〜96重量%のAl2 3 ,1〜
    8重量%のSiO2 ,0.6〜1.5重量%のMgO及
    び1.3〜6.8重量%のCaOを含有し,更に,上記
    MgOと上記CaOの重量比(CaO/MgO)が4.
    5以下かつ上記MgOと上記CaOの合計量が1.9重
    量%以上であり,また,上記Al2 3 ,SiO2 ,M
    gO及びCaOの合計量100重量%に対し,0.2〜
    20.0重量%のZrO2 及び0.2〜20.0重量%
    のY2 3 を含有するセラミックヒータを製造するに当
    たり,上記セラミック用の原料を還元雰囲気中,焼成温
    度1480℃〜1540℃にて焼成することを特徴とす
    るセラミックヒータの製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項2において,セラミック用の原料
    の一部として,カオリン,タルクの少なくとも一種を使
    用することを特徴とするセラミックヒータの製造方法。
JP9342216A 1997-11-26 1997-11-26 セラミックヒータ及びその製造方法 Pending JPH11157920A (ja)

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