JP2022082581A - 光学装置用パッケージおよび光学装置 - Google Patents

光学装置用パッケージおよび光学装置 Download PDF

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Abstract

【課題】光学装置の小型化(薄型化)が可能で気密信頼性に優れる光学装置用蓋体を提供する。【解決手段】上面に光学素子200の搭載領域15を有する配線基板10と、内寸が前記搭載領域より大きい枠体21および該枠体21の上面を塞いで第1融点を有するガラスからなる第1接合材23で接合された透光性部材22を有している蓋体20と、前記第1融点よりも低い第2融点を有するガラスからなる第2接合材32が、平面透視で重なるように枠部材本体31の上面および下面のそれぞれに配置されており、前記配線基板10の上面と前記蓋体20の下面との間に配置されている、内寸が前記搭載領域より大きい板状の枠部材30と、を備えている光学装置用パッケージ100。【選択図】図1

Description

本開示は、例えば、発光素子、撮像素子のような光学素子を搭載する光学装置に用いられる光学装置用パッケージおよび光学装置に関するものである。
CCD(Charged-Coupled Device)およびCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)等の撮像素子、光スイッチおよびミラーデバイス等のMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)素子、レーザーダイオード(LD;Laser Diode)およびLED(Light Emitting Diode)等の発光素子のような光学素子を搭載する光学装置用パッケージとして、光学素子が搭載されるセラミック配線基板上に接合されたシールリングを介してカバー部材が接合されたものがある(例えば、特許文献1を参照。)。このカバー部材は、シールリングに接合される金属枠と、金属枠に接合されたセラミックからなる枠体と、枠体の開口を塞いで接合されたとを備えている。枠体および透光性部材が光学素子を気密に封止する蓋体として機能し、この蓋体を金属枠およびシールリングを介して配線基板に接合している。蓋体は属枠の内周部に枠体が接合され、金属枠の外周部がシールリングに接合されている。
特開2015-195330号公報
近年、光学装置を用いた光学機器の小型化に対応するために光学装置も小型化の要求が高まっている。しかしながら、従来の光学装置用パッケージにおいては、金属枠の蓋体より外側に大きくはみ出した部分が配線基板上のシールリングに接合されるので、小型化が困難なものであった。
本開示の一つの態様による光学装置用パッケージは、上面に光学素子の搭載領域を有する配線基板と、枠体および該枠体の上面を塞いで第1融点を有するガラスからなる第1接合材で接合された透光性部材を有している蓋体と、前記第1融点よりも低い第2融点を有するガラスからなる第2接合材が、枠部材本体の上面および下面のそれぞれに配置されており、前記配線基板の上面と前記蓋体の下面との間に配置されている、枠部材と、を備えている。
本開示の一つの態様による光学装置用パッケージは、前記枠部材の内寸が前記搭載領域より大きい。
本開示の一つの態様による光学装置用パッケージは、前記枠部材の内寸が前記枠体の内寸と同じか小さい。
本開示の一つの態様による光学装置は、上記の光学装置用パッケージと、該光学装置用パッケージの前記配線基板の前記搭載領域に第3接合材で固定されて搭載された光学素子とを備えており、前記蓋体と前記配線基板とが前記枠部材の前記第2接合材および前記枠部材本体を介して接合されて、前記光学素子が気密封止されている。
本開示の光学装置用パッケージによれば、蓋体と配線基板とはその間に配置された枠部材の第2接合材で接合されており、第2接合材は枠部材本体の上面および下面のそれぞれに平面透視で重なるように配置されていることから、平面透視で蓋体と枠部材との接合位置と枠部材と配線基板の接合位置は同じ位置であり、平面方向に大きくずれていないので、小型の光学装置を得ることができる。
本開示の光学装置によれば、上記光学装置用パッケージを用いていることから、小型で気密封止性に優れたものとなる。
本開示の光学装置の製造方法によれば、第2接合材を有する枠部材を用いて配線基板と蓋体とを接合することから、封止空間内が汚染されて光学特性が低下する可能性が低減され、光学素子の固定より後の工程における、第2接合材により蓋体、枠部材および蓋体を接合する第2温度の方が、第3接合材により光学素子を固定する第1温度よりも低く、蓋体の枠体と透光性部材とを接合している第1接合材の第1融点よりも低いことから、光学素子が位置ずれすることなく搭載されるので、気密封止性および光学特性に優れた光学装置を製造することができる。
光学装置用パッケージの一例を示す斜視図である。 光学装置の一例を示す斜視図である。 (a)は図2に示す光学装置の上面図であり、(b)は(a)のB-B線における断面図である。 光学装置の製造方法の一例における一つの工程を示す斜視図である。 光学装置の製造方法の一例における一つの工程を示す斜視図である。 光学装置の製造方法の一例における一つの工程を示す斜視図である。
以下、本開示の光学装置用パッケージ、光学装置および光学装置の製造方法について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明における上下の区別は便宜的なものであり、実際に光学装置等が使用されるときの上下を限定するものではない。図1は光学装置用パッケージの一例を示す斜視図である。図2は図1に示す光学装置用パッケージを用いた光学装置の一例を示す斜視図である。図3(a)は図2に示す光学装置の上面図であり、図3(b)は図3(a)のB-B線における断面図である。図4~図6は光学装置の製造方法の一例における各工程を示す斜視図であり、図4、図5、図6は工程順に沿った順序である。また、各斜視図においては、区別しやすいように第1接合材23、第2接合材32、および第3接合材210にドット状の網掛けを施している。
本開示の一つの態様による光学装置用パッケージ100は、図1~図3に示す例のように、上面に光学素子200の搭載領域15を有する配線基板10と、内寸が搭載領域15より大きい枠体21および枠体21の上面を塞いで第1融点を有するガラスからなる第1接合材23で接合された透光性部材22を有している蓋体20と、第1融点よりも低い第2融点を有するガラスからなる第2接合材32が、平面透視で重なるように枠部材本体31上面および下面のそれぞれに配置されており、配線基板10の上面と前記蓋体20の下面との間に配置されている、内寸が搭載領域15より大きい板状の枠部材30と、を備えている。
本開示の光学装置用パッケージ100によれば、蓋体20と配線基板10とはその間に配置された枠部材30の第2接合材32で接合されており、第2接合材32は枠部材本体31の上面および下面のそれぞれに平面透視で重なるように配置されていることから、平面透視で蓋体20と枠部材30との接合位置と枠部材30と配線基板10の接合位置は同じ位置にあって、平面方向に大きくずれていないので、小型の光学装置300を得ることができる。また、第1接合材23および第2接合材32はガラスからなるものであることから樹脂接合材を用いたものに比較して気密封止性に優れた光学装置300を得ることができる。
配線基板10は、絶縁基板11に配線が設けられたものである。配線は上面の光学素子200の搭載領域15に設けられた接続電極12、上面の搭載領域15および枠部材30が接合される領域より外側に設けられた外部電極13および絶縁基板11の内部に配置され、これらを接続する接続配線14を含んでいる。接続電極12は、光学素子200の電極201と接続部材220で電気的に接続されるものである。絶縁基板11は、配線基板10の基本的な部分であり、複数の接続電極12等の配線を互いに電気的に絶縁させて配置するための電気絶縁体として機能する。また、絶縁基板11は、例えば、光学素子200を搭載して固定するための基体として機能する部分である。絶縁基板11は例えばセラミックからなるものを用いることができる。
蓋体20は、枠部材30および第2接合材32によって配線基板10の上面に接合されるものである。配線基板10の搭載領域15に搭載される光学素子200を覆い、配線基板10、枠部材30とともに光学素子200を収容する空間を形成し、この空間を気密封止する機能を有するものである。蓋体20は、光学素子200から放射される光または光学素子200が受光する光を透過させる必要があるので、枠体21と枠体21の上面を塞いで接合された透光性部材22を有している。枠体21の上面と透光性部材22とは第1融点を有するガラスからなる第1接合材23で接合されている。枠体21は、光学素子200を収容する空間を形成するために、板状の枠部材30に対して筒状になっている。図1~図3に示す例の枠体21は上面が下面および側面に対して傾斜しているが、上面が下面と平行であってもよい。
透光性部材22は、透光性材料すなわち光を透過する材料からなる板状体である。ここでいう光は、光学装置用パッケージ100に搭載される光学素子200が発光または受光する光であり、主には可視光である。
枠部材30は、配線基板10の上面と蓋体20の下面との間に配置され、これらを接合するためのものである。枠部材30は、第1融点よりも低い第2融点を有するガラスからなる第2接合材32を有している。第2接合材32は、枠部材本体31の上面および下面のそれぞれに融着している。第2接合材32によって、枠部材本体31の下面と配線基板10の上面とが接合され、枠部材本体31の上面と蓋体20の下面とが接合される。枠部材30(枠部材本体31)の上面の第2接合材32と下面の第2接合材32は平面透視で重なるように配置されている。枠部材30の内寸は配線基板10の搭載領域15より一回り大きいので、搭載領域15に搭載された光学素子200、接続部材220および接続電極12を取り囲むことができる。また、枠部材30の内寸は蓋体20の枠体21の内寸と同じか一回り小さい。これにより、第2接合材32で蓋体20の枠体21の下面を枠部材30の上面に接合しやすい。
光学装置300は、上記のような光学装置用パッケージ100と、光学装置用パッケージ100の配線基板10の搭載領域15に第3接合材210で固定されて搭載された光学素子200とを備えており、蓋体20と配線基板10とが枠部材30の第2接合材32および枠部材本体31を介して接合されて、光学素子200が気密封止されている。このような光学装置300によれば、上記光学装置用パッケージ100を用いていることから、小型で気密封止性に優れたものとなる。
光学装置用パッケージ100は、上述したように、配線基板10と、蓋体20と、配線基板10の上面と蓋体20の下面との間に配置される、枠部材30とを備えているものである。そして、光学装置300に用いられる際、つまり光学装置300を製造する際に、枠部材30の枠部材本体31の下面の第2接合材32で配線基板10の上面と枠部材本体31の下面とが接合されるとともに、枠部材本体31の上面の第2接合材32で蓋体20の枠体21の下面と枠部材本体31の上面とが接合されることで、光学装置用パッケージ100として機能するものである。
このような光学装置の製造方法は、第2融点よりも高い第1温度での加熱処理によって、配線基板10の搭載領域15に光学素子200を第3接合材210で固定して搭載する工程と、配線基板10の搭載領域15を囲むようにして第2接合材32を有する枠部材30を配線基板10の上面に載置する工程と、配線基板10上の枠部材30の上に蓋体20を載置する工程と、第1温度および第1融点よりも低い第2温度での加熱処理によって第2接合材32で配線基板10と枠部材本体31および枠部材本体31と前記蓋体とを接合して、光学素子200を気密封止する工程と、を備えている。
以下、各工程について詳細に説明する。まず、図4に示す例のように、配線基板10の搭載領域15に光学素子200を第3接合材210で固定して搭載する。また、光学素子200の電極201と配線基板10の接続電極12とを接続部材220で電気的に接続する。
配線基板10の絶縁基板11は、平面視(上面視)で方形状(正方形状または長方形状)の平板である。例えば、一辺の長さが15mm~35mmの方形状で、厚みが0.7mm~2.5mmの板状である。ここで、方形状とは厳密な方形だけでなく、角が丸められた、あるいは面取りされたものも含むことを意味している。絶縁基板11は、例えば、複数の絶縁層が積層されてなるものである。図1~図6に示す例では配線基板10の絶縁基板11の上面に凹部が設けられているが、これは必ずしも必要ではない。光学素子200を搭載する面を研磨加工等によって平坦化することで光学素子の光軸の精度を高めることができる。凹部の底面を研磨加工等によって平坦化すると、接続電極12を損傷することなく平坦化しやすい。光学素子200を搭載する面を平坦化するための凹部であれば、光学素子200全体が収容される深さの凹部でなくてもよく、配線基板10(絶縁基板11)をより薄いものとすることができる。
絶縁基板11は、例えば、酸化アルミニウム質焼結体、ガラスセラミック焼結体、窒化アルミニウム質焼結体またはムライト質焼結体等のセラミック焼結体によって形成されている。絶縁基板11は、例えば酸化アルミニウム質焼結体からなる場合であれば、次のようにして製作することができる。まず、酸化アルミニウムおよび酸化ケイ素等の原料粉末を適当な有機バインダーおよび有機溶剤とともにシート状に成形して四角シート状のセラミックグリーンシートを作製する。その後、このセラミックグリーンシートを適当な寸法に切断、成形したセラミックグリーンシートを複数枚積層し、この積層した積層体を1300℃~1600℃の温度で焼成することによって絶縁基板11を製作することができる。焼成された複数のセラミックグリーンシートのそれぞれが、絶縁基板11を形成する絶縁層になる。絶縁基板11が上面に凹部15aを有する場合は、セラミックグリーンシートに凹部15a形状に対応する貫通孔等を設けておけばよい。あるいは、平板状の絶縁基板11を研削および研磨加工して凹部を形成することもできる。
絶縁基板11には配線が設けられている。上述したように、図3等に示す例では、配線は上面の光学素子200の搭載領域15に設けられた接続電極12、上面の搭載領域15および枠部材30が接合される領域より外側に設けられた外部電極13および絶縁基板11の内部に配置され、これらを接続する接続配線14を含んでいる。図3に示す例では、接続配線14は絶縁層間の導体層と絶縁層を貫通する貫通導体とを有している。
外部電極13は、絶縁基板11の下面に設けることもできる。これにより、配線基板10を小型化することができる。図3等に示す例のように、外部電極13を上面に設けると、実装面である絶縁基板11の下面を研磨加工等でより平坦にすることができる。例えば、光学素子200としてレーザーダイオードを用いた場合には、レーザーダイオードから放出される光の光軸の精度が要求される。この光軸の精度には光学素子200の実装時の傾きばらつきが影響する。絶縁基板11の下面に外部電極13を設けてはんだ等で外部回路基板に実装すると外部回路基板の表面に対して配線基板10の下面が傾斜して実装される場合がある。配線基板10(絶縁基板11)の下面を平坦にして、接合材による固定の際に押圧するなどすることで、外部回路基板の表面に対して下面の傾斜を極めて小さくすることができる。絶縁基板11の下面に外部電極13を設ける場合には、配線基板10を小型化することができるので、光学装置用パッケージ100および光学装置300を小型化することができる。
配線基板10の配線は、例えば、タングステン、モリブデン、マンガン、銅、銀、パラジウム、金、白金、ニッケルまたはコバルト等の金属材料、またはこれらの金属材料を含む合金材料等によって形成されている。このような金属材料等は、メタライズ層またはめっき膜あるいは薄膜等の金属層として、絶縁基板11に設けられている。
接続電極12、外部電極13および接続配線14の導体層は、例えば、タングステンのメタライズ層である場合には、タングステンの粉末を有機溶剤および有機バインダーと混合して作製した金属ペーストを絶縁層となる上記セラミックグリーンシートの表面にスクリーン印刷法等の方法で印刷して、その後セラミックグリーンシートと同時焼成する方法で形成することができる。また、接続配線14の貫通導体の部分は、絶縁層となるセラミックグリーンシートに貫通孔をあらかじめ形成しておき、このセラミックグリーンシートの貫通孔内に上記の金属ペーストをスクリーン印刷法等の方法で充填し、同時焼成することによって形成することができる。セラミックグリーンシートの貫通孔は、機械的な孔あけ加工またはレーザー加工等の方法で形成することができる。絶縁基板11が凹部を有さない場合は、例えば、メタライズで接続配線14が形成された絶縁基板11の上面を研磨加工等で平坦化した後に、研磨された上面に薄膜で接続電極12および外部電極13を形成することができる。
接続電極12および外部電極13の外表面に露出する部分は、上記のメタライズ層に、電解めっき法または無電解めっき法等の方法でニッケルおよび金等のめっき層がさらに被着されたものであってもよい。配線等の腐食防止および接続部材220または外部回路との接続部材の接合性向上のためである。
光学素子200は、例えばレーザーダイオードもしくはLED等の発光素子であり、プロジェクターや自動車のヘッドライト等の光源となる。図2および図3に示す例では、1つの光学素子200が搭載されているが、複数の光学素子200を搭載することができる。例えば、発光色がR(赤)、G(緑)、B(青)のように異なる光学素子200である。発光素子以外の光学素子200としては、CCDおよびCMOS等の撮像素子、光スイッチおよびミラーデバイス等のMEMS素子等も用いることができる。搭載する光学素子200の数、および光の色や種類は、光学装置に応じたものとすればよい。
光学素子200を配線基板10の上面に固定する第3接合材210は、例えば、錫を18wt%含む金錫合金(AuSn18)ろう材である。例えば、このAuSn18ろう材のプリフォームを350℃の温度で加熱処理する。このとき、光学素子200が傾かないように押圧しながら固定することができる。この加熱処理の温度が第1温度であり、第1温度は、第2接合材の第2融点よりも高い温度である。
接続部材220は、例えばボンディングワイヤであり、金やアルミのワイヤーを用いることができる。上述した光軸の精度には光学素子200の配線基板10への搭載時の傾きばらつきも影響する。はんだを用いたフリップチップ実装では、はんだ量のばらつき等に起因して、配線基板10の表面に対して光学素子200が傾斜して実装される場合がある。配線基板10(絶縁基板11)の搭載領域15における光学素子200が固定される面を平坦にして、接合材による固定の際に押圧するなどすることで、配線基板10の表面に対する光学素子200の傾斜を極めて小さくすることができる。光学素子200を配線基板10にフリップチップ実装する場合でも、上記と同様の理由で光学素子200を押圧しながら固定することができる。しかしながら、光学素子200の実装信頼性のためにエポキシ等の樹脂を含むアンダーフィル材を用いると、後工程の枠部材30の加熱温度の自由度が小さくなる。
次に、図5に示す例のように、配線基板10の搭載領域15を囲むようにして第2接合材32を有する枠部材30を配線基板10の上面に載置する。
枠部材30は、上述したように枠部材本体31の上面および下面のそれぞれに第2接合材32が融着しているものである。
枠部材本体31は、平面視(上面視)で方形状(正方形状または長方形状)の平板である。例えば、外寸が一辺の長さが15mm~30mmの方形状で、内寸が10mm~25mmの方形状で、厚みが例えば0.4mm~1.5mmの板状である。
枠部材本体31は、配線基板10の絶縁基板11と同程度の熱膨張係数を有するものであると、熱応力により第2接合材32にクラック等が発生して気密性が低下する可能性が低減される。そのため、枠部材本体31は、配線基板10の絶縁基板11と同様のセラミック材料からなるものとすることができる。上記のセラミック材料であれば、熱膨張係数の違いは大きくないので、配線基板10の絶縁基板11と同じ材料でなくてもよい。例えば、酸化アルミニウム質焼結体から成る場合であれば、以下のようにして作製することができる。まず、アルミナ(Al)またはシリカ(SiO)、カルシア(CaO)、マグネシア(MgO)等の原料粉末に適当な有機溶剤、溶媒等を添加混合して泥漿状とし、これを周知のスプレードライ法等を用いて顆粒を作製する。次に、この顆粒を周知の乾式プレス法を用いて所定形状の成形体を得る。その後、この成形体を、例えば、約1600(℃)の温度で焼成することにより枠部材本体31が製作される。あるいは、配線基板10の絶縁基板11と同様に、セラミックグリーンシートを所定形状にして焼成することができる。
第2接合材32は、蓋体20の枠体21と透光性部材22とを接合する第1接合材23の融点(第1融点)よりも低い融点を有するものである。このような第2接合材32を用いるので、あらかじめ第1接合材23で枠体21と透光性部材22とが接合された蓋体20を第2接合材32で接合することができる。このような、第2接合材32としては、例えば融点が320℃の鉛系ガラスを用いることができる。また、枠部材本体31等との熱膨張係数を近似させるために、セラミック粉末等をフィラーとして含むものを用いることもできる。
枠部材本体31への第2接合材32の融着は、上記ガラスの粉末およびバインダーや溶媒等の有機成分を含むガラスペーストを枠部材本体31の上下面に塗布して、加熱することで行なうことができる。このときの加熱温度が高すぎ、加熱時間が長すぎると融着した第2接合材32が結晶化して後の工程での第2接合材32による接合が困難となる場合がある。そのため、例えば、第2接合材32のガラスの融点(第2融点)+10℃で5分以下の加熱とするなど、第2接合材32に応じて適宜、加熱条件を調整することができる。
図5に示す例のように、枠部材30(枠部材本体31)の一つの端面と配線基板10の一つの端面とで位置合わせして、枠部材30を配線基板10上に載置することができる。このように位置合わせしたときに、枠部材本体31が配線基板10の搭載領域15を囲むように載置される。そのため、枠部材本体31の開口は必ずしも枠部材本体31の外形に対して中心に位置していなくてもよい。
次に、図6に示す例のように、配線基板10上に載置された枠部材30の上に蓋体20を載置する。
蓋体20は、上述したように、枠体21と枠体21の上面を塞いで第1接合材23で接合された透光性部材22を有している。
枠体21は、枠部材30の枠部材本体31と同程度の熱膨張係数を有するものであると、熱応力により第2接合材32にクラック等が発生して気密性が低下する可能性が低減される。そのため、枠体21は、枠部材本体31と同様に、配線基板10の絶縁基板11と同様のセラミック材料からなるものとすることができる。上記のセラミック材料であれば、熱膨張係数の違いは大きくないので、配線基板10の絶縁基板11と同じ材料でなくてもよい。
枠体21は、例えば、酸化アルミニウム質焼結体から成る場合であれば、枠部材本体31と同様に、以下のようにして作製することができる。まず、アルミナ(Al)またはシリカ(SiO)、カルシア(CaO)、マグネシア(MgO)等の原料粉末に適当な有機溶剤、溶媒等を添加混合して泥漿状とし、これを周知のスプレードライ法等を用いて顆粒を作製する。次に、この顆粒を周知の乾式プレス法を用いて所定形状の成形体を得る。その後、この成形体を、例えば、約1600(℃)の温度で焼成することにより枠体21が製作される。あるいは、配線基板10の絶縁基板11と同様に、セラミックグリーンシートを所定形状にして焼成することができる。図1等に示す例のように上面が下面に対して傾斜している枠体21の場合は、粉体プレスによる方法の方が作製が容易である。
透光性部材22は、例えば、ソーダガラスまたはホウケイ酸ガラス等の透明なガラス材料からなる板材であり、光の透過率の高いガラス材料が好ましい。なお、透光性部材22と枠体21との接合部に加わる熱応力で透光性部材22が破壊することがないように、互いの熱膨張係数を、近似した値にすることができる。例えば、枠体21がアルミナ質焼結体(熱膨張係数約7.2×10-6/℃)の場合であれば、透光性部材22は例えば、BK7(HOYA社製、熱膨張係数が約7.5×10-6/℃)またはD263(ショット社製、熱膨張係数が約7.2×10-6/℃)等のガラス材料のような、互いの熱膨張係数の差が0.5×10-6/℃以下となるようなものを用いることができる。
透光性部材22は、例えば、上記のような透光性材料からなる大型の板材を切断して所定の大きさの矩形状の板材(以下、矩形板体とも呼ぶ。)に加工することで作製される。例えば、大型の板材の主面に、レーザーやダイシング等で溝を形成し、溝に機械応力や熱応力を加えることで切断することができる。この切断により得た矩形板体の側面は、ほぼ平面で形成されたものとなる。このまま透光性部材22として使用してもよいが、矩形板体の両主面と側面のなす直角の角部、側面同士のなす直角に対して45°の角度で角部を研磨によってC面を形成した場合には、角部に欠けが発生し難くなり、透光性部材22に応力が加わった場合にも割れ難くなる。
また、透光性部材22の上面および下面の少なくとも一方に光学膜を備えているものとすることができる。光学装置用パッケージ100の光学特性をさらに向上させることができる。光学フィルタ膜は、例えば、反射防止膜(ARコーディング:Anti-Reflection Coating)、UV(Ultra Violet:紫外線)カットフィルタやIR(infrared rays:赤外線)カットフィルタ等の光学フィルタ膜、あるいは遮光膜である。反射防止膜や光学フィルタ膜は、用途に応じて、例えばフッ化マグネシウム(MgF)、二酸化珪素(SiO)、フッ化ランタン(LaO)、酸化ランタン(La)、五酸化タンタル(Ta)、五酸化チタン(Ti)、五酸化ニオブ(Nb)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化チタン(TiO)、またはZrO+TiO等の混合物等の誘電体単層膜あるいは多層膜で形成することができる。遮光膜は、例えばクロム(Cr)、酸化クロム(CrO)等の金属膜やカーボンを添加して黒色に着色したエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂等で形成することができる。
第1接合材23は、第2接合材32の融点(第2融点)よりも高い第1融点を有するガラスからなるものである。例えば第1融点が460℃のビスマス系鉛フリーガラスを用いることができる。
図6に示す例のように、蓋体20(の枠体21)一つの側面と枠部材30(枠部材本体31)の一つの端面とで位置合わせして、蓋体20を枠部材30上に載置することができる。図6に示す例では、枠部材本体31の開口が、枠部材本体31の外形の中心に対して蓋体20との位置合わせをした端面側位置しているので、枠部材本体31は蓋体20からはみ出ている。この例に限られるものではなく、例えば、枠部材本体31と枠体21とは同じ寸法であってもよい。
そして、第1温度および第1融点よりも低い第2温度での加熱処理によって第2接合材32で配線基板10と枠部材本体31および枠部材本体31と蓋体20(の枠体21の下面)とを接合して、光学素子200を気密封止する。光学素子200を実装してから、第2接合材32となるガラスペーストを塗布して接合すると、加熱時のガラス粉末の飛散、ペースト中の有機成分によるガスで封止空間内が汚染される可能性がある。この汚染によって、光学装置300の光学特性に悪影響をおよぼす可能性がある。あらかじめ枠部材本体31に融着させた、有機成分を含まない第2接合材32による接合のため、このような汚染が発生する可能性が十分に低減されて、光学特性に優れた光学装置300を得ることができる。また、第2接合材32を溶融させて接合するための第2温度は、光学素子200を接合する際の加熱処理の第1温度(第3接合材210の融点程度)よりも低いことから、光学素子200が位置ずれすることがなく、光学特性に優れた光学装置300を得ることができる。さらに、第2温度は蓋体20の枠体21と透光性部材22とを接合している第1接合材23の融点より低いので、第1接合材23が溶融して気密性が損なわれることもない。
枠部材30を用いずに、蓋体20の枠体21の下面にあらかじめ第2接合材32を直接融着させておいたとしても、透光性部材22の表面が汚染される可能性がある。蓋体20の枠体21の下面にあらかじめ第2接合材32を融着させてから透光性部材22を枠体21上面に接合すると、透光性部材22を接合する際の加熱によって第2接合材32が結晶化してしまい、その後に蓋体20を配線基板10上に接合することが困難になる可能性がある。また、光学素子200を配線基板10に搭載する前に第2接合材32を配線基板10上に融着させた場合もまた、光学素子200を搭載する際の加熱によって第2接合材32が結晶化してしまい、その後に蓋体20を接合することが困難になる可能性がある。
このように、本開示の光学装置の製造方法によれば、第2接合材32を有する枠部材30を用いて配線基板10と蓋体20とを接合することから、封止空間内が汚染されて光学特性が低下する可能性が低減され、光学素子200の固定より後の工程における、第2接合材32により蓋体20、枠部材30および蓋体20を接合する第2温度の方が、第3接合材210により光学素子200を固定する第1温度よりも低く、蓋体20の枠体21と透光性部材22とを接合している第1接合材の第1融点よりも低いことから、光学素子200が位置ずれすることなく搭載される。そのため、気密封止性および光学特性に優れた光学装置300を製造することができる。
10・・・配線基板
11・・・絶縁基板
12・・・接続電極
13・・・外部電極
14・・・接続配線
15・・・搭載領域
20・・・蓋体
21・・・枠体
22・・・透光性部材
23・・・第1接合材
30・・・枠部材
31・・・枠部材本体
32・・・第2接合材
100・・・光学装置用パッケージ
200・・・光学素子
201・・・(光学素子の)電極
210・・・第3接合材
220・・・接続部材(ボンディングワイヤ)
300・・・光学装置

Claims (4)

  1. 上面に光学素子の搭載領域を有する配線基板と、
    枠体および該枠体の上面を塞いで第1融点を有するガラスからなる第1接合材で接合された透光性部材を有している蓋体と、
    前記第1融点よりも低い第2融点を有するガラスからなる第2接合材が、枠部材本体の上面および下面のそれぞれに配置されており、前記配線基板の上面と前記蓋体の下面との間に配置されている、枠部材と、
    を備えている光学装置用パッケージ。
  2. 前記枠部材の内寸が前記搭載領域より大きい、請求項1に記載の光学装置用パッケージ。
  3. 前記枠部材の内寸が前記枠体の内寸と同じか小さい、請求項1または請求項2に記載の光学装置用パッケージ。
  4. 請求項1から3の何れか1項に記載の光学装置用パッケージと、該光学装置用パッケージの前記配線基板の前記搭載領域に第3接合材で固定されて搭載された光学素子とを備えており、前記蓋体と前記配線基板とが前記枠部材の前記第2接合材および前記枠部材本体を介して接合されて、前記光学素子が気密封止されている光学装置。
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