JP2022059808A - 魚釣用電動リールのパラメータ設定装置及びそれを備えた魚釣用電動リール、パラメータ設定方法、及びパラメータ設定プログラム - Google Patents
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Abstract
Description
上記構成によれば、スプールの回転駆動を開始させてから所定の回転速度に到達させるまでの初動期間における加速度のパラメータについて、ユーザの操作に応じて変更することができる。このようにして加速度のパラメータが変更されることで、自動のさそいの動作におけるはじめのシャクリ具合を変化させることが可能になる。これにより、スプールを回転駆動させて行う自動のさそいの動作を、ユーザの意図に近づけることが可能となる。
上記構成によれば、加速度の変更を、モータ駆動信号のパルス幅のデューティ比の変更によって実現できる。
上記構成によれば、時間経過に従ってデューティ比を変化させることで、初動期間におけるスプールの回転速度変化のバリエーションを多様にすることができる。また、所望の回転速度変化に近づけることも可能となる。
上記構成によれば、ユーザは、例えば加速度に応じた数値によるのではなく、複数段階のうちから1つの段階を選択することで、加速度のパラメータを簡易に設定することが可能になる。
以下、図面を参照して、本実施形態のパラメータ設定装置としての魚釣用電動リール1について説明する。
本実施形態において、スプールの駆動とは、例えばモータ等を駆動して得られる動力によりスプールを回転させることをいう。
また、本実施形態において、スプールの駆動制御とは、スプールの駆動に関する制御をいう。このようなスプールの駆動制御には、スプールを回転させる制御、スプールの回転を停止させる制御、スプールの回転速度を変更する制御等が含まれる。
また、以降の説明において、スプールの「駆動」について、回転の動作を与えることを明確にすることなどを目的として「回転駆動」と記載する場合がある。
なお、以下の説明では、魚釣用電動リール1が両軸受リールである場合を例に挙げる。なお、図1、図2において、各構成部材を視認可能な大きさとするために必要に応じて各構成部材の縮尺を適宜変更している場合がある。
図1、2は、本実施形態の魚釣用電動リール1の外観例を示している。本実施形態の魚釣用電動リール1は、図示しない釣竿に装着可能なリール本体2と、リール本体2に対してハンドル軸線O1回りに回転可能に取り付けられたハンドル3と、リール本体2に対してハンドル軸線O1と平行なスプール軸線O2回りに回転可能とされ、且つ図示しない釣糸が巻かれるスプール4と、クラッチ操作レバー5を有するクラッチ機構6と、を主に備えている。
また、魚釣用電動リール1は、モータ収容筒7を塞ぐようにリール本体2に組み合わされ、リール本体2に対してモータを固定するモータホルダ9と、を備えている。
さらに、前後方向L2においてスプール4から釣糸が繰り出される方向を前方、その反対方向を後方として定義するとともに、魚釣用電動リール1を後方側(釣り人側)から見た視点で左右を定義する。従って、図1は、魚釣用電動リール1を斜め上、左後方から見た斜視図である。
従って、本実施形態の魚釣用電動リール1は、右側ハンドルタイプのリールとされている。なお、第2側壁12は、コネクタ部23等が取り付けられる関係上、第1側壁11よりも下方に向けて突出するように形成されている。
なお、連結部材13における左右方向L1の中央部分には、魚釣用電動リール1を釣竿に装着するための装着脚片14が前後方向L2に沿って延びるように形成されている。
第2サイドカバー22は、右側(RH)に向けて膨らむように形成され、第2側壁12に対して例えばネジ止めされている。
第2サイドカバー22のうち、前方下部に位置する部分には、外部電源からの電力を供給するための電源リールコード、あるいは携帯用バッテリーを接続するためのコネクタ部23が図示しない接続端を下向きにした状態で装着されている。なお各図面では、保護キャップ24によって接続端が保護されている状態を図示している。
このようなボタン111の配置における第2ボタン111-2と第3ボタン111-3は、それぞれ、パラメータ値の変更や項目選択等の操作におけるアップボタン、ダウンボタンとして機能させても、ユーザの操作感覚としてなじみやすい。
巻き上げスイッチ112は、釣糸を自動で巻き上げるための操作が行われるスイッチである。巻き上げスイッチ112は、シーソー式の感圧スイッチであり、上側スイッチ部112aを押下する操作と、下側スイッチ部112bを押下する操作とが可能とされている。
ハンドルアーム51と第1サイドカバー21との間には、ハンドル軸線O1と同軸に配置されたドラグ53(スタードラグ)が設けられている。このドラグ53は、釣糸の巻取りに際して、スプール4に対して任意のドラグ力を付与することでスプール4の回転制動を行い、釣糸の切断抑制に寄与する働きをしている。
なお、本実施形態では、ハンドルアーム51の一端部にハンドルノブ52が装着された、いわゆるシングルハンドルタイプを例に挙げて説明しているが、この場合に限定されるものではない。例えば、ハンドルアーム51の両端部にハンドルノブ52を装着し、且つハンドルアーム51の中央部をハンドル軸部50に回転不能に装着した、いわゆるダブルハンドルタイプの魚釣用電動リール1としても構わない。
スプール4は、スプール軸線O2回りに回転する図示しないスプール回転軸部と、スプール回転軸部と同軸に配置されるとともに、スプール回転軸部と連動して回転する糸巻胴部4aとを備えている。
なお、クラッチ機構6がクラッチオフ状態である場合には、ハンドル3の回転操作に伴う回転トルクがスプール4に伝達されず、該スプール4は自由回転可能な状態(スプールフリーな状態)となる。
本実施形態の魚釣用電動リール1は、電動ジギングモードがオンの状態では、以下のようにしてユーザが行う巻き上げスイッチ112の操作に応じて、釣糸の巻き上げ動作を実行することができる。
つまり、ユーザが上側スイッチ部112aの押圧を開始すると、スプール4の回転駆動が開始され、釣糸の巻き上げも開始される。そのままユーザが上側スイッチ部112aの押圧を継続している間は、スプール4も回転駆動が継続され、釣糸の巻き上げも継続される。ユーザが上側スイッチ部112aの押圧を解除すると、スプール4の回転駆動が停止され、釣糸の巻き上げも停止される。
電動ジギングモードにおいて、はじめに上側スイッチ部112aの押圧が行われたときには、予め設定された最大速度未満のスプールの回転速度(中間巻き上げ速度)で釣糸の巻き上げが行われる。その後において、上側スイッチ部112aの押圧が継続されたままさらに押し込まれるようにして操作が行われると、巻き上げ速度が最大にまで増加した状態で釣糸の巻き上げが行われる。
つまり、ユーザが下側スイッチ部112bを1回押圧する操作(1クリック操作)を行うことに応じて、予め設定された駆動制御情報に従って、或る期間にわたってスプール4が回転駆動され、釣糸を巻き上げる動作が行われる。
巻き上げ長さ[LENGTH]は、1回の自動さそい動作において巻き上げられる釣糸の長さである。
速度[SPEED]は、自動さそい動作において釣糸を巻き上げる際のスプール4の回転速度である。
加速度[ACCEL]は、自動さそい動作においてスプール4が回転を開始してから速度[SPEED]に到達させる際の加速度(角加速度)である。
速度パラメータ値VSは、例えば所定の速度にそれぞれ対応させた所定数の速度段階(例えば、30段階程度)ごとに応じた値とされてよい。
同図においては、加速度パラメータ値VA_Hが設定された場合のスプール挙動GH、加速度パラメータ値VA_Mが設定された場合のスプール挙動GM、加速度パラメータ値VA_Lが設定された場合のスプール挙動GLのそれぞれが示されている。
時刻t0において、ユーザにより巻き上げスイッチ112の下側スイッチ部112bを1回押圧する操作が行われたことに応じて、魚釣用電動リール1は、スプールの回転駆動を開始させる。つまり、魚釣用電動リール1は、時刻t0からモータを駆動するための電圧(モータ駆動信号)の印加を開始する。ただし、時刻t0にてスプールの回転駆動を開始させたとしても、スプール4に回転が伝達されるまでには或る一定のタイムラグ(遅延)が生じる。このため、スプール4は、時刻t0から或る時間を経た時刻t1から回転を開始する。
この場合にも、時刻t0において、ユーザにより巻き上げスイッチ112の下側スイッチ部112bを1回押圧する操作が行われたことに応じて、スプールの回転駆動を開始させるためのモータ駆動信号の印加が開始される。そして、時刻t0から或る一定の時間を経た時刻t1からスプール4が回転を開始する。
この場合にも、時刻t0において、ユーザにより巻き上げスイッチ112の下側スイッチ部112bを1回押圧する操作が行われると、モータ駆動信号の印加が開始された時刻t0から或る一定のタイムラグ(遅延)を経た時刻t1からスプール4の回転が開始される。
また、加速度パラメータ値VAが異なることに応じて、巻き取られた釣糸の長さが巻き上げ長さVLに達する時刻t3は異なりうるものであり、スプール4が回転を停止する時刻t4も異なりうる。しかしながら、同図においては図示を分かりやすくする便宜から、加速度パラメータ値VAにかかわらず、スプール挙動GH、GM、GLの時刻t3、t4を同じタイミングとした例を示している。
時刻t2(1)以降においては、スプール4の回転速度を検出し、検出した回転速度が目標回転速度vtgとなるように定速対応デューティ比dsを変化させるフィードバック制御が行われる。同図では、図示を明解なものとすることの便宜上、定速対応デューティ比dsが事件経過に応じて変化せずに一定の状態デ示されているが、定速対応デューティ比dsはフィードバック制御により変動する。例えば、目標回転速度vtgを保たせるための定速対応デューティ比dsは、水中の仕掛けの状態や、糸巻径に応じたスプール4の一回転あたりの糸巻長さ等の影響で変動する。
しかしながら、例えば実際にユーザが釣竿を動かしながら行うさそい動作においては、状況に応じて、さそいにおけるはじめのシャクリの鋭さを変えることが釣果につながる場合がある。そこで、本実施形態のように加速度[ACCEL]の駆動制御パラメータを設けるようにすれば、自動さそい動作において、上記のようなさそいにおけるシャクリはじめの鋭さをユーザの意図に応じて変更できる。
次に、自動さそい動作に対応する駆動制御パラメータ(巻き上げ長さ[LENGTH]、速度[SPEED]、及び加速度[ACCEL])の各パラメータ値(巻き上げ長さパラメータ値VL、速度パラメータ値VS、加速度パラメータ値VA)の設定操作の手順例について説明する。本実施形態において、自動さそい動作に対応する駆動制御パラメータの設定操作は、電動ジギングモードがオンとされた状態のもとで行うことが可能とされている。
本実施形態における駆動制御パラメータの設定は、パラメータ値の変更対象とする駆動制御パラメータの選択と、変更対象として選択された駆動制御パラメータのパラメータ値の変更とを含む。
速度エリアAR10は、現在において設定されているスプール4の回転速度が段階数により表示されるエリアである。
水深エリアAR20は、現在において仕掛けが位置している水深を表示するエリアである。
巻き上げ長さ表示エリアAR31-1は、現在において設定されている巻き上げ長さパラメータ値VLが表示されるエリアである。
速度表示エリアAR31-2は、現在において設定されている速度パラメータ値VSが表示されるエリアである。
加速度表示エリアAR31-3は、現在において設定されている加速度パラメータ値VAが表示されるエリアである。
パラメータ表示エリアAR30は、駆動制御パラメータ(巻き上げ長さ[LENGTH]、速度[SPEED]、及び加速度[ACCEL])のいずれが変更対象として選択されているかに応じて、巻き上げ長さ表示エリアAR31-1、速度表示エリアAR31-2、加速度表示エリアAR31-3のうちのいずれかが強調表示されている状態にある。
この場合、ユーザは、操作部101における第1ボタン111-1を押圧した状態を継続させる。つまり、ユーザは、第1ボタン111-1について押圧操作が継続される操作継続状態とする。これにより、魚釣用電動リール1は、第2ボタン111-2または第3ボタン111-3に対する操作を、パラメータ値を変更する操作として受け付け可能となる。
また、ユーザは、巻き上げ長さパラメータ値VLを減少させる場合には、第1ボタン111-1を押圧した状態を継続させながら、第3ボタン111-3を操作する。第3ボタン111-3が1回押圧されるごとに、巻き上げ長さパラメータ値VLがデクリメントされるように減少する。
これにより、スプール4が回転中の状態において駆動制御パラメータが変更されることによりスプール4の回転が不安定となることを防ぐことができる。
ユーザは、電動ジギングモードにおいて、第1ボタン111-1については押圧せずに、第2ボタン111-2または第3ボタン111-3に対する操作を行う。
そのうえで、上記の駆動制御パラメータのパラメータ値を変更する操作は、電動ジギングモードがオンとされている状態のもとで行われる。つまり、ユーザは、例えば電動ジギングモードから駆動制御パラメータを変更する設定モードに変更する操作を行うことなく、電動ジギングモードのもとで駆動制御パラメータのパラメータ値を変更する操作を行うことができる。これにより、ユーザは、実釣中においても自動さそい動作の駆動制御パラメータを迅速に変更できる。
図6を参照して、魚釣用電動リール1の機能構成例について説明する。同図において、図1、図2と同一部分には、同一符号を付して適宜説明を省略する。
同図の魚釣用電動リール1は、操作部101、表示部102、制御部103、記憶部104、モータ駆動回路105、モータ8、スプール4、回転センサ106を備える。
制御部103は、パラメータ設定部131、及びスプール駆動制御部132を備える。
パラメータ設定部131は、操作部101に対して行われた操作に応じて、駆動制御パラメータの各パラメータ値を設定する。
スプール駆動制御部132は、駆動制御情報に基づいて、スプール4の駆動制御を実行する。
なお、デューティ比記憶部142は、速度パラメータ値VSごとに対応して定速対応デューティ比が定められている場合には、速度パラメータ値VSごとに定速対応デューティ比を対応付けて記憶してもよい。
図7のフローチャートを参照して、魚釣用電動リール1が、自動さそい動作に対応する駆動制御パラメータを設定するための処理手順例について説明する。同図の処理は、電動ジギングモードがオンとされている状態のもとで実行される。
パラメータ設定部131は、インクリメントしたパラメータ値を、例えばRAM(Random Access Memory)やレジスタ等に暫定値として記憶させてよい。
また、パラメータ設定部131は、インクリメントにより変更されたパラメータ値が、対応の個別パラメータ表示エリアAR31にて表示されるように表示制御を実行する。
なお、ステップS103に至った段階で、現在のパラメータ値が既に最大値である場合には、ステップS103の処理はスキップされてよい。この場合、第2ボタン111-2は1回の押圧操作が行われたのであるが、パラメータ値は最大のまま変化しない。あるいは、ステップS103に至った段階で、現在のパラメータ値が既に最大値である場合には、巡回して最小のパラメータ値に変更されるようにしてもよい。
駆動制御パラメータには選択順が設定されている。当該ステップS104において、パラメータ設定部131は、これまで変更対象として選択されていた駆動制御パラメータに対して選択順が1つ逆順となる駆動制御パラメータを、新たに変更対象として選択する。
具体的に、駆動制御パラメータの選択順は、図5に例示した巻き上げ長さ表示エリアAR31-1、速度表示エリアAR31-2、加速度表示エリアAR31-3の順に応じて、巻き上げ長さ[LENGTH]、速度[SPEED]、及び加速度[ACCEL]の順で設定されてよい。この場合、例えば、これまで速度[SPEED]が変更対象として選択されていた場合、ステップS104によっては、巻き上げ長さ[LENGTH]が新たに変更対象として選択されることになる。
なお、選択順が1番目の巻き上げ長さ[LENGTH]が選択された状態のもとでステップS104に至った場合、パラメータ設定部131は、駆動制御パラメータの選択を変更せずに巻き上げ長さ[LENGTH]のままとしてもよいし、選択順を巡回して、選択順が最後(3番目)の加速度[ACCEL]を新たに選択してもよい。
パラメータ設定部131は、デクリメントしたパラメータ値を、例えばRAMやレジスタ等に暫定値として記憶させてよい。
また、パラメータ設定部131は、デクリメントにより変更されたパラメータ値が、対応の個別パラメータ表示エリアAR31にて表示されるように表示制御を実行する。
なお、ステップS107に至った段階で、現在のパラメータ値が既に最小値である場合には、ステップS107の処理はスキップされてよい。この場合、第3ボタン111-3は1回の押圧操作が行われたのであるが、パラメータ値は最小のまま変化しない。あるいは、ステップS103に至った段階で、現在のパラメータ値が既に最小値である場合には、巡回して最大のパラメータ値に変更されるようにしてもよい。
なお、選択順が最後(3番目)の加速度[ACCEL]が選択された状態のもとでステップS108に至った場合、パラメータ設定部131は、駆動制御パラメータの選択を変更せずに加速度[ACCEL]のままとしてもよいし、選択順を巡回して、選択順が1番目の巻き上げ長さ[LENGTH]を新たに選択してもよい。
第1ボタン111-1について押圧が解除された状態に変化していないと判定された場合には、ステップS101に処理が戻される。
なお、ステップS109にて第1ボタン111-1について押圧が解除された状態に変化したと判定されたとき、駆動制御情報記憶部141に記憶されているパラメータ値と、個別パラメータ表示エリアAR31にて表示されているパラメータ値とが同じであった場合には、ステップS110はスキップされてよい。ステップS110の処理の後は、ステップS101に処理が戻される。
加速度パラメータ値VAが[VA_H]であると判定された場合には、同図の処理を終了し、ステップS105に移行する。
なお、加速度パラメータ値VAが[VA_H]であると判定された場合に、パラメータ設定部131は、巡回して、加速度パラメータ値VAを[VA_L]に変更してもよい。
加速度パラメータ値VAが[VA_L]であると判定された場合には、同図の処理を終了し、ステップS109に移行する。
なお、加速度パラメータ値VAが[VA_L]であると判定された場合に、パラメータ設定部131は、巡回して、加速度パラメータ値VAを[VA_H]に変更してもよい。
ステップS201:魚釣用電動リール1においてスプール駆動制御部132は、巻き上げスイッチ112における上側スイッチ部112aに対する押圧操作が開始されたか否かを判定する。電動ジギングモードにおいては、前述のように、上側スイッチ部112aに対する押圧が継続されている間において、スプール4が回転駆動され、釣糸の巻き上げが行われる。
第1ボタン111-1が押圧された状態にないと判定された場合には、ステップS208に処理が遷移する。この場合には、次に説明するステップS203がスキップされることになるため、スプール4が回転駆動されないため、釣糸の巻き上げは行われない。つまり、スプール駆動制御部132は、第1ボタン111-1が押圧された状態のもとでは、上側スイッチ部112aを押圧する操作を、スプール4を回転させる操作として受け付けないようにされる。
上側スイッチ部112aの押圧された状態が解除されていないと判定された場合には、ステップS204に処理が戻される。
下側スイッチ部112bを1回押圧する操作が行われないと判定された場合には、ステップS201に処理が戻される。
第1ボタン111-1が押圧された状態にあったことが判定された場合には、ステップS201に処理が戻される。つまり、スプール駆動制御部132は、第1ボタン111-1が押圧された状態のもとでは、下側スイッチ部112bを1回押圧する操作を、自動さそい動作の実行を指示する操作として受け付けないようにされる。
ステップS2101:スプール駆動制御部132は、現在設定されている加速度パラメータ値VAに対応する初期デューティ比を、デューティ比記憶部142から取得する。
ステップS2102:スプール駆動制御部132は、取得した初期デューティ比によりモータ8の駆動を開始させる。図4(A)、図4(B)に示されるように、時刻t0にてモータ8の駆動が開始されることに応じて、タイムラグを経た時刻t1からスプール4が回転を開始する。
ステップS2103:また、ステップS2102によるモータ8の駆動の開始とともに、スプール駆動制御部132は、スプール4の回転に応じて巻き上げられる釣糸の長さ(実巻き上げ長さL)の検出を開始する。
スプールの回転速度vspが目標回転速度vtgに到達していないと判定された場合には、ステップS2104に処理が戻される。
以下、本実施形態の変形例について説明する。
[第1変形例]
図4(A)では、スプール4が回転を開始してから目標回転速度vtgに到達する期間t1~t2(t2(1)、t2(2)、t2(3))において、等加速度(変化率一定)でスプールの回転速度が増加していくようなイメージが示されている。
しかしながら、例えば図12(A)に示されるように、期間t1~t2での時間経過に応じて加速度が変化するようにしてスプール4が回転駆動されてよい。同図では、スプール挙動GH、GM、GLのそれぞれについて、二次曲線的に速度が上昇していくようにされた態様を示している。
一例として、図12(B)に示すように、デューティ比遷移DH、DM、DLのそれぞれについて、時刻t0から一定時間を経過するごとに段階的に高くしてくようにしてよい。
なお、期間t0~t2においてデューティ比を変化させる段階数や経過時間については特に限定されるものではなく、適宜変更されてよい。
なお、期間t0~t2においてデューティ比を段階的に減少させていくようにしてもよい。
なお、期間t0~t2における段階ごとのデューティ比の増減量は適宜変更されてよい。
なお、デューティ比を変化させる段階数、経過時間、増減量等は、デューティ比遷移DH、DM、DLの間で適宜異ならせるようにされてよい。
上記実施形態の駆動制御情報において、第3ボタン111-3の操作に応じて開始されたスプール4の回転を停止させる条件の判定に用いられる条件判定値としての駆動制御パラメータは、巻き上げ長さ[LENGTH]である。
しかしながら、条件判定値としての駆動制御パラメータは、巻き上げ長さ[LENGTH]以外に、例えば、駆動時間[TIME]であってよい。駆動時間[TIME]は、スプール4を回転駆動させる時間である。具体的には、駆動時間[TIME]は、例えば第3ボタン111-3の操作が検知されてスプール4を駆動するモータ8への電流の供給を開始してから、モータ8への電流の供給を停止させるまでの時間であってよい。
また、ユーザの操作により、条件判定値である駆動制御パラメータとして、巻き上げ長さ[LENGTH]と駆動時間[TIME]とのいずれかを選択可能なようにされてもよい。
上記実施形態において、変更対象のパラメータの選択や変更対象の駆動制御パラメータのパラメータ値の変更の操作には、2つの第2ボタン111-2及び第3ボタン111-3がそれぞれアップボタン、ダウンボタンとして用いられていた。
しかしながら、変更対象のパラメータの選択や変更対象の駆動制御パラメータのパラメータ値の変更の操作に用いられる操作子の数は、2つに限定されるものではなく、例えば1つであってもよい。
操作子が1つである場合として、当該操作子がボタンである場合には、1回押圧操作されるごとに、選択される変更対象のパラメータ、あるいはパラメータ値が巡回的に変更されるようにしてよい。また、当該操作子がレバー等である場合には、所定の一方向にレバーを位置させることに応じて正順で変更対象のパラメータ、あるいはパラメータ値が変更され、もう1つの方向にレバーを位置させることに応じて逆順で変更対象のパラメータ、あるいはパラメータ値が変更されてよい。
上記実施形態においては、ボタン111(第1ボタン111-1、第2ボタン111-2、第3ボタン111-3)は、物理的な操作子として設けられた例を挙げている。しかしながら、ボタン111は、例えばタッチパネルとしての表示部102において表示される画像としての操作子であってよい。
なお、魚釣用電動リール1は、外部の端末装置と通信可能に接続されてよい。魚釣用電動リール1と外部の端末装置との通信は、無線であっても有線であってもよい。また、外部の端末装置は、例えば魚群探知の情報をユーザに向けて表示するようなものであってもよいし、魚釣用電動リール1を用いた釣りに関して所定のサポートを行うアプリケーションが動作するスマートフォン等であってもよい。
そのうえで、本実施形態の自動さそい動作に対応する駆動制御情報や中間巻き上げ速度の情報は、外部の端末装置に記憶されるようにしてもよい。この場合、駆動制御情報における駆動制御パラメータや中間巻き上げ速度の変更に関する操作が、外部の端末装置に対する操作として可能なようにされてよい。
このように駆動制御情報や中間巻き上げ速度の情報を外部の端末装置が記憶する場合、自動さそい動作や中間巻き上げ速度によるスプール4の駆動制御を実行させるためには、外部の端末装置の制御によって魚釣用電動リール1に駆動制御情報や中間巻き上げ速度の情報が設定される。魚釣用電動リール1は、設定された駆動制御情報や中間巻き上げ速度の情報に基づいてスプール4を駆動制御することで、自動さそい動作を行う。
Claims (7)
- モータによって回転駆動されるスプールに所定の回転状態を与えるための所定の複数のパラメータのうち、前記スプールの回転駆動を開始させてから所定の回転速度に到達させるまでの初動期間における前記スプールの回転の加速度のパラメータを、操作に応じて変更するパラメータ設定部
を備える魚釣用電動リールのパラメータ設定装置。 - 前記スプールの回転を開始させてから所定の回転速度に到達させるまでの初動期間において前記モータに印加するモータ駆動信号の周期ごとのパルス幅のデューティ比を、前記加速度のパラメータの値に基づいて設定するスプール駆動制御部を備える
請求項1に記載のパラメータ設定装置。 - 前記スプール駆動制御部は、前記加速度のパラメータに対応させて、前記初動期間における時間経過に従って所定のパターンで前記デューティ比を変化させる
請求項2に記載のパラメータ設定装置。 - 前記パラメータ設定部は、操作に応じて、複数の段階ごとに対応する複数の加速度のパラメータのうちから1の加速度のパラメータを選択することで、加速度のパラメータを変更する
請求項1から3のいずれか一項に記載のパラメータ設定装置。 - 請求項1から4のいずれか一項に記載のパラメータ設定装置を備えた魚釣用電動リール。
- モータによって回転駆動されるスプールに所定の回転状態を与えるための所定の複数のパラメータのうち、前記スプールの回転駆動を開始させてから所定の回転速度に到達させるまでの初動期間における前記スプールの回転の加速度のパラメータを、操作に応じて変更するパラメータ設定ステップ
を備える魚釣用電動リールのパラメータ設定方法。 - 魚釣用電動リールのパラメータ設定装置としてのコンピュータを、
モータによって回転駆動されるスプールに所定の回転状態を与えるための所定の複数のパラメータのうち、前記スプールの回転駆動を開始させてから所定の回転速度に到達させるまでの初動期間における前記スプールの回転の加速度のパラメータを、操作に応じて変更するパラメータ設定部
として機能させるためのパラメータ設定プログラム。
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