JP2022030547A - シートスライド装置及びシートスライド装置の製造方法 - Google Patents

シートスライド装置及びシートスライド装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】アッパレールの側壁を利用して補強部材を取り付けるようにする。【解決手段】スクリュ軸17は、ナット部材19に対して回転することで前後移動し、これに伴いアッパレール3がロアレール1に対して前後移動する。アッパレール3の左右一対の側壁3b,3cに、上下方向に長い左右一対のスリット3gが形成される。左右一対のスリット3gに補強プレート29,31の左右両側縁が嵌合する。スリット3gは、車体前後方向の幅が他の部位よりも大きい円弧部3g2を上部に備える。補強プレート29,31は、アッパレール3の内側から円弧部3g2を通して左右方向外側に突出し、かつ、車体前後方向両側に膨出するかしめ部29a,29bを備える。【選択図】図7C

Description

本発明は、シートを前後移動させるシートスライド装置及びシートスライド装置の製造方法に関する。
電動シートスライド装置は、アッパレールに大きな負荷が作用した場合に、アッパレールに固定されたギヤボックスの破壊を防止するために、アッパレールの内部に補強プレートが設けられている(特許文献1)。補強プレートは、上端の突出部をアッパレールの天壁にかしめ固定している。この場合、アッパレールの天壁に補強プレートのかしめ部が突出するため、シート側の取付ブラケットを溶接によってアッパレールの天壁に直接固定する構造には対応できない。これに対し、補強プレートを、弾性変形可能な保持部材を用いてアッパレールの側壁に取り付ける構造(特許文献2)及び、補強プレートの上端縁をアッパレールの天壁内側にプロジェクション溶接によって固定する構造(特許文献3)が提案されている。
特開2009-241698号公報 特開2018-30475号公報 US2020/0156507A1
特許文献2では、補強プレートをアッパレールに取り付ける際に、保持部材という別部品を使用するため、部品点数の増加を招く。特許文献3では、補強プレートをアッパレールの天壁内側に溶接により取り付けるため、天壁に変形等の悪影響が発生する恐れがあり、シート側の取付ブラケットを天壁外側に取り付ける際の取付作業が困難となる。
そこで、本発明は、部品点数の増加及びアッパレールの変形を抑制しつつ、補強部材をアッパレールの側壁を利用して取り付けられるようにすることを目的としている。
本発明のシートスライド装置は、車体前後方向に沿って延設されるロアレールと、前記ロアレールの長手方向に沿って相対移動するアッパレールと、前記ロアレールと前記アッパレールとのいずれか一方に回転自在に取り付けられ、前記相対移動する方向に沿って延びるスクリュ軸と、前記ロアレールと前記アッパレールとのいずれか他方に取り付けられ、前記スクリュ軸に螺合するナット部材と、前記ロアレールと前記アッパレールとの前記いずれか一方に取り付けられ、前記スクリュ軸が貫通する貫通孔を有する補強部材と、を備えるシートスライド装置であって、前記アッパレールは、左右一対の側壁に、前記補強部材の左右両側縁が嵌合する左右一対の嵌合孔が形成され、前記左右一対の嵌合孔は、車体前後方向の幅に関し、上下方向の一部位に他の部位よりも大きく形成された幅広部を有し、前記補強部材は、前記アッパレールの内側から前記幅広部を通して左右方向外側に突出し、かつ、車体前後方向両側に突出する係止部を有する。
本発明のシートスライド装置の製造方法は、車体前後方向に沿って延設されるロアレールと、前記ロアレールの長手方向に沿って相対移動するアッパレールと、前記ロアレールと前記アッパレールとのいずれか一方に回転自在に取り付けられ、前記相対移動する方向に沿って延びるスクリュ軸と、前記ロアレールと前記アッパレールとのいずれか他方に取り付けられ、前記スクリュ軸に螺合するナット部材と、前記ロアレールと前記アッパレールとの前記いずれか一方に取り付けられ、前記スクリュ軸が貫通する貫通孔を有する補強部材と、を備えるシートスライド装置の製造方法であって、前記アッパレールの左右一対の側壁に形成された左右一対の嵌合孔に前記補強部材の左右両側縁を嵌合させる際に、前記嵌合孔の上下方向の一部位に形成された幅広部に、前記補強部材の突起部を前記アッパレールの内側から左右方向外側に突出させる嵌合工程と、前記嵌合工程で左右方向外側に突出させた前記突起部に対し、左右方向外側から内側に向けて押圧力を付与することで、車体前後方向両側に膨出させて係止部を形成するかしめ工程と、を有する。
本発明によれば、部品点数の増加及びアッパレールの変形を抑制しつつ、補強部材をアッパレールの側壁を利用して取り付けることができる。
実施形態に係わるシートスライド装置の分解斜視図である。 図1とは前後方向を逆にした状態のシートスライド装置の斜視図である。 図2のIII-III断面図である。 図2のシートスライド装置の駆動部周辺の斜視図である。 図1に示されるアッパレールの側面図である。 図5Aの平面図である。 図5Aのスリットの円弧部周辺を示す拡大図である。 図1のシートスライド装置に使用される補強プレートの正面図である。 図6Aの補強プレートの右側面図である。 図6Aの補強プレートの平面図である。 補強プレートをアッパレールに取り付ける作業順序を示す説明図で、補強プレートをアッパレールの下方からスリットに挿入する作業を示す。 図7Aに対し、補強プレートをアッパレールのスリットに挿入した状態を示す作業説明図である。 図7Bに対し、補強プレートの突起部に対しかしめ作業を実施した後の状態を示す作業説明図である。 図1のシートスライド装置に使用されるナット部材の取付状態を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。なお、図中の矢印FRで示す方向が車体前方、矢印RRで示す方向が車体後方、矢印LHで示す方向が車体左方、矢印RHで示す方向が車体右方である。図1と図2とでは車体前後方向が逆となっている。以下の説明での「前後方向」及び「左右方向」は、特に断りがない限り、それぞれ「車体の前後方向」及び「車体の左右方向」に対応している。
自動車に搭載される電動シートスライド装置は、図1及び図2に示すように、車体床面に固定されて車両前後方向に沿って延設されるロアレール1と、ロアレール1の内部において長手方向に沿って相対移動するアッパレール3とを備えている。アッパレール3は、図示しないシートの下面に取り付けられる。したがって、シートは、アッパレール3とともに、車体床面に取り付けられたロアレール1に対して前後方向に移動する。ロアレール1とアッパレール3とでレール体を構成している。
ロアレール1は、図3に示すように、底壁1aの左右両端から外側斜め上方に延びる傾斜壁1b,1cが形成され、傾斜壁1b,1cの上端から上方に向けて延びる左右の側壁1d,1eが形成されている。左右の側壁1d,1eの上端からは内側に向けて延びる上壁1f,1gが形成され、上壁1f,1gの内側端部から下方に向けて、側壁1d,1eとほぼ平行に延びる内側壁1h,1iが形成されている。ロアレール1は、底壁1aが図示しない複数の取付具を介して車体の床面に固定される。
アッパレール3は、天壁3aの左右両側から下方に延びる左右の側壁3b,3cが形成され、左右の側壁3b,3cの下端から外側に向けて屈曲する折り返し部3d,3eが形成されている。折り返し部3d,3eは、側壁3b,3cの下端から外側上方に向けて延びる下ボール保持部3d1,3e1と、下ボール保持部3d1,3e1から外側斜め上方に向けて延びる傾斜部3d2,3e2と、傾斜部3d2,3e2から内側上方に向けて延びる上ボール保持部3d3,3e3と、を備えている。アッパレール3は、天壁3aがシート側の図示しない複数の取付具を介してシートの下面に固定される。
アッパレール3の下ボール保持部3d1,3e1及び上ボール保持部3d3,3e3と、ロアレール1との間に、下ガイドボール5,7及び上ガイドボール9,11がそれぞれ転動自在に収容されている。下ガイドボール5,7及び上ガイドボール9,11は、ボールリテーナ13,15に支持されている。下ボール保持部3d1,3e1及び上ボール保持部3d3,3e3は、下ガイドボール5,7及び上ガイドボール9,11側が、凹状に湾曲している。アッパレール3がロアレール1に対して前後方向に移動する際に、下ガイドボール5,7及び上ガイドボール9,11が回転することで、レール相互間の摩擦が抑制されて円滑な移動が可能となる。
図1、図2に示すように、ロアレール1の前後両端部付近の左右及び、ロアレール1の中間部付近の左右には、それぞれ固定ストッパ1sが形成されている。固定ストッパ1sは、ボールリテーナ13,15に係合して、複数の下ガイドボール5,7及び上ガイドボール9,11の下ボール保持部3d1,3e1及び上ボール保持部3d3,3e3からの外れ及び前後方向の位置ずれを抑えている。
アッパレール3の内部には、アッパレール3の移動方向に沿って延びるスクリュ軸17が配置されている。スクリュ軸17は、アッパレール3とほぼ同じ長さであり、アッパレール3に支持されている。一方、ロアレール1の長手方向中央よりやや後側の底壁1aには、ナット部材19が取り付けられている。ナット部材19は、スクリュ軸17の雄ねじ部17aが螺合する雌ねじ部19aを備えている。すなわち、スクリュ軸17が回転することで、スクリュ軸17(アッパレール3)がナット部材19(ロアレール1)に対して前後方向に移動する。
図2、図4に示すように、スクリュ軸17は、モータ21及びギヤボックス23を備えた駆動部25によって回転駆動される。なお、駆動部25は図1では省略している。駆動部25は、図4に示すように、アッパレール3の長手方向の前側端部に形成された左右一対の取付板3fに取り付けられる。取付板3fに形成された取付孔3fh(図1)と締結具27(かしめピンやボルトナット等)とによって、駆動部25が取付板3fに取り付けられる。
図1に示すように、スクリュ軸17の前側の端部には、セレーション17bが形成されている。セレーション17bをギヤボックス23内に回転可能に支持された図示しないウォームホイールに噛合わせることで、スクリュ軸17と駆動部25とが連結される。モータ21を除く電動シートスライド装置は、シートの左右位置にそれぞれ設けられている。シートのいずれか一方の電動シートスライド装置に設けられた単一のモータ21の出力軸が、図示しない連結部材により他方の電動シートスライド装置のギヤボックス23の図示しない入力軸に連結される。これにより、左右の電動シートスライド装置のスクリュ軸17が同期して駆動される。
アッパレール3の前方側及び後方側には、補強部材としての補強プレート29,31が取り付けられている。補強プレート29,31は、スクリュ軸17に直交するほぼ板状に形成され、アッパレール3の左右の側壁3b,3c間を跨ぐようにしてアッパレール3の内部に取り付けられている。補強プレート29,31は、アッパレール3の側壁3b,3cに形成された嵌合孔としてのスリット3gに、上端部の係止部としての左右のかしめ部29a,29bがかしめられて取り付けられる。
スリット3gは、図5Aに示すように上下方向に長く形成されている。スリット3gは、上端が天壁3aの近くに位置し、下端が下ボール保持部3d1,3e1にまで達している。スリット3gの上端部は、水平な平坦部3g1に形成されている。平坦部3g1の前後両端から下方に延びる幅広部としての円弧部3g2が形成されている。円弧部3g2は、互いに対向する内縁部が凹となるように湾曲している。
図5Cに示すように、円弧部3g2は、平坦部3g1よりやや下部を中心Pとする仮想円Cの一部を構成している。仮想円Cは、上端が天壁3aの上面とほぼ同じ位置にあり、下端が上ボール保持部3d3,3e3の上端縁とほぼ同じ位置にある。円弧部3g2より下部のスリット3gは、上下方向に長い長方形状部3g3となっている。円弧部3g2の前後方向(図5A中で左右方向)の幅Lは、長方形状部3g3の前後方向(図5A中で左右方向)の幅Mより広く形成されている(L>M)。
図6A、図6B、図6Cは、スリット3gに取り付けられる前後二つの補強プレート29,31のうち前側の補強プレート29を示している。二つの補強プレート29,31は同一形状なので、補強プレート29についてのみ説明する。図6A、図6B、図6Cに示す補強プレート29は、図3のようにアッパレール3にかしめにより取り付けられる前の状態を示している。
補強プレート29は、板状部29cの中央に貫通孔29dが形成され、貫通孔29dにスクリュ軸17が挿通される。貫通孔29dの内径は、スクリュ軸17の外径より大きい。したがって、スクリュ軸17は、貫通孔29dに挿通された状態で、補強プレート29に対して回転自在である。スクリュ軸17が、回転によってアッパレール3とともにナット部材19(ロアレール1)に対して前後に移動する際には、図5Aに示すアッパレール突起3pが、図1に示す前後一対のロアレール突起1pに当接する。これにより、アッパレール3の前後方向の移動が規制される。
アッパレール突起3pは、図5Aに示すように、アッパレール3前後方向中央よりやや後方側において、下方に向けて突出している。アッパレール突起3pは、図3に示すように、左右側壁3b,3cと折り返し部3d,3eとの間の部分を曲げずに残すことによって、左右側壁3b,3cから連続するようにして下方に向けて突出しており、左右両側にそれぞれ形成している。前後に設けられたロアレール突起1pは、図1及び図3に示すように、ロアレール1の底壁1aを上方に向けて切り起こして形成したもので、左右のアッパレール突起3pに対応して左右両側に形成している。
前方の補強プレート29の前方側には軸受けナット33が、後方の補強プレート31の後方側には軸受けナット35が、それぞれ配置されている。軸受けナット33,35は、予めねじ山の一部を潰したロックナットであり、スクリュ軸17の雄ねじ部17aの所定位置までねじ込むことでその位置に固定される。なお、通常のナットをスクリュ軸17の雄ねじ部17aの所定位置にねじ込んだ状態で、ナットの外周部から軸心へ向かって複数個所を押圧することで、ナットをスクリュ軸17にかしめにより固定するようにしてもよい。
車両の衝突等により車体前方へ向かう衝撃荷重がアッパレール3に作用した場合、車体前方の補強プレート29が車体前方へ移動するため、補強プレート29が車体前方の軸受けナット33に衝突する。したがって、アッパレール3から、アッパレール3に結合されたギヤボックス23へ直接に衝撃荷重が伝達するのを抑制できる。これにより、ギヤボックス23へ衝撃荷重が伝達されることによりギヤボックス23をスクリュ軸17から引き離す衝撃荷重が作用するのを抑制できる。このとき、スクリュ軸17には引張力が作用する。
車体後方へ向かう衝撃荷重がアッパレール3に作用した場合は、車体後方の補強プレート31が車体後方の軸受けナット35に衝突する。したがって、アッパレール3からアッパレール3に結合されたギヤボックス23へ直接に衝撃荷重が伝達されることを抑制できる。これにより、ギヤボックス23へ衝撃荷重が伝達されてギヤボックス23がスクリュ軸17を押圧するのが抑制される。このときも、スクリュ軸17には引張力が作用する。
スクリュ軸17は、アッパレール3内に配置された状態で、後方側の後端部17cがエンドキャップ37の軸受け部37aに回転自在に支持される。エンドキャップ37は、軸受け部37aの外周部に設けてある左右一対の係合爪37bによって、アッパレール3の側壁3b,3cに形成してある係合孔3hに係合して取り付けられる。スクリュ軸17のセレーション17bよりもさらに前方側の前端部17dには、雄ねじが形成されている。図4に示すように、該雄ねじにナット36がねじ込まれることで、スクリュ軸17がギヤボックス23内の図示しないウォームホイールに軸方向に対して固定される。
図6Aに示すように、補強プレート29は、板状部29cの左右方向両側の上部に、左右方向の外側に突出する突起部29e,29fが形成されている。突起部29e,29fは、図3におけるかしめ部29a,29bとなる部分である。板状部29cの突起部29e,29fを含む左右方向の両側縁部は、図6Cに示すように、後方(図6C中で上方)に向けて屈曲する屈曲部29g,29hが形成されている。
屈曲部29g,29hを含む板状部29cの左右方向両側縁部の前後方向の幅H1は、スリット3gの長方形状部3g3の幅Mよりも僅かに狭く形成してある。これにより、屈曲部29g,29hを含む板状部29cの左右方向両側縁部が、スリット3gの長方形状部3g3に嵌め込まれる。板状部29cの左右方向の幅H2は、図3に示すアッパレール3の側壁3b,3cの外側の面相互間の寸法Jとほぼ同等である。したがって、図3に示すように、補強プレート29をアッパレール3に取り付けた状態では、側壁3b,3cの外側の面と、板状部29cの突起部29e,29fを除く左右方向の端部とは、ほぼ同一面となる。
このとき、突起部29e,29fは、スリット3gの円弧部3g2が形成された部分に嵌入され、突起部29e,29fより下側の部分は、長方形状部3g3に嵌入される。円弧部3g2が形成された部分に嵌入された突起部29e,29fは、スリット3gから左右方向の外側に突出した状態となる。スリット3gから左右方向の外側に突出した状態の突起部29e,29fを、左右方向の外側から図示しない治具により押圧してかしめ作業を実施する。
補強プレート29は、板状部29cの前側から前方に向けて突出する規制部29iを備えている。規制部29iは、屈曲部29g,29hが形成された部分より内側の板状部29cから前方に向けて突出している。規制部29iは、前方から見て矩形状であり、左右方向両側に規制面29i1,29i2が形成される。規制面29i1,29i2は、図3のように補強プレート29をアッパレール3に取り付けた状態で、アッパレール3の側壁3b,3cの内面にほぼ接触する。これにより、補強プレート29は、アッパレール3に対し左右方向の移動が規制される。
図7A、図7B、図7Cは、補強プレート29をアッパレール3に取り付ける作業順序を示している。図7Aのように、補強プレート29をアッパレール3の下方からスリット3gに挿入する。このとき、補強プレート29の突起部29e,29fがスリット3gの円弧部3g2から外側に突出する。この状態でかしめ作業を実施する。かしめ作業時には、突起部29e,29fの前後方向のほぼ中央を、左右両側方から治具により押圧してかしめ部29a,29bを形成する。押圧時には、上方から下方を見た平面視でほぼV字形状の凹みが形成されるようにする。治具は、例えば、V字形状を形成するための突起と、突起の両側に位置し、かしめ部29a,29bの前後方向に膨出する部位を押さえる平坦面と、を備える形状とする。
これにより、図7C及び図4に示すように、突起部29e,29fが前後方向に膨出してかしめ部29a,29bとなり、補強プレート29がアッパレール3に取り付けられる。この場合、かしめ部29a,29bは、アッパレール3の天壁3a側には突出せず、側壁3b,3c側に突出する。突起部29e,29fを押圧することで形成したかしめ部29a,29bの左右方向の厚さは、かしめ前の突起部29e,29fの左右方向の厚さよりも薄くなる。補強プレート31も補強プレート29と同様にしてアッパレール3に取り付けられる。
次に、ナット部材19のロアレール1に対する取付構造について説明する。
ナット部材19は、図8に示すように、ブラケット39によりロアレール1に取り付けられる。ブラケット39は、ナット部材19の上側を覆う第1ブラケット41と、ナット部材19の下側を覆う第2ブラケット43とを備える。第1ブラケット41及び第2ブラケット43と、ナット部材19との間には弾性部材45が介在されている。弾性部材45は、ゴムなどの弾性変形可能な材料で構成されており、内部が空洞となっている。
ナット部材19は、上面19b、下面19c、左側面19d、右側面19e、前面19f及び後面19gを備え、全体としてほぼ直方体形状である。前面19fと後面19gとの間を前後方向に貫通する雄ねじ部19aが形成されている。左側面19dの前面19f側及び後面19g側には、前方及び後方に向けてそれぞれ突出する規制突起19hが形成されている。
右側面19eの前面19f側及び後面19g側には、前方及び後方に向けてそれぞれ突出する規制突起19iが形成されている。各規制突起19h,19iは、ナット部材19の上下方向の全長にわたり形成されている。規制突起19h,19iは、ナット部材19が弾性部材45の内部に配置された状態で、弾性部材45を左右両側から挟むようにして配置される。
第1ブラケット41は、ナット部材19の上面に対向する第1平面41aと、第1平面41aの前後方向の両端から下方に延び、ナット部材19の前面および後面にそれぞれ対向する一対の第1壁面41bとを備える。第1ブラケット41は、一対の第1壁面41bの下端から互いに離れる方向(前後方向)に延びる一対の第1取付面41cを備える。
第1壁面41bには、スクリュ軸17が挿入される挿入孔41bhが形成されている。挿入孔41bhの内径は、スクリュ軸17の外径よりも大きい。第1取付面41cには、第1ブラケット41を第2ブラケット43とともにロアレール1の底壁1aに取り付けるための取付孔41chが形成されている。
第2ブラケット43は、ナット部材19の下面に対向する第2平面43aと、第2平面43aの軸方向両端から下方に延びる一対の第2壁面43bとを備える。一対の第2壁面43bは、第1ブラケット41の一対の第1壁面41bの下部側の一部にそれぞれわずかな隙間を有して対向している(接触していていもよい)。第2ブラケット43は、一対の第2壁面43bの下端から互いに離れる方向(前後方向)に延びる一対の第2取付面43cを備える。一対の第2取付面43cは、第1ブラケット41の一対の第1取付面41cとロアレール1の底壁1aとの間に位置する。
第2平面43aには位置決め孔43ahが形成されている。位置決め孔43ahには、弾性部材45の後述する一対の位置決め突起45f,45g(図8)が嵌入される。位置決め突起45f,45gは、左右方向に長い矩形状となっている。第2取付面43cには、第2ブラケット43を第1ブラケット41とともにロアレール1の底壁1aに取り付けるための取付孔43chが形成されている。図8に示すように、第2ブラケット43の第2取付面43cの上に、第1ブラケット41の第1取付面41cを重ねた状態で、固定具47としてかしめピンを取付孔41ch及び取付孔43chに下方から挿入し、第1取付面41c側からかしめにより固定する。
第1ブラケット41及び第2ブラケット43は金属板で形成されており、第2ブラケット43の板厚は、第1ブラケット41の板厚よりも薄い。図1Bに示すように、第2ブラケット43の第2平面43aと一対の第2壁面43bとの間の角部には、V字形状に凹ませた凹部43dを形成している。凹部43dを形成することで補強部として機能する。第1ブラケット41と第2ブラケット43とは、左右方向の幅寸法がほぼ同等である。
弾性部材45は、図8に示すように、第1ブラケット41の第1平面41aとナット部材19の上面19bとの間に位置するダンパ上面45aを備えている。ダンパ上面45aの前側の端縁及び後側の端縁から、それぞれ下方に向けて延びるダンパ前面45b及びダンパ後面45cが形成されている。ダンパ前面45b及びダンパ後面45cには、前後方向に貫通するダンパ貫通孔45bh及び45chがそれぞれ形成されている。ダンパ貫通孔45bh及び45chにはスクリュ軸17が挿入される。ダンパ貫通孔45bh及び45chの内径は、スクリュ軸17の外径よりも大きく、第1ブラケット41の挿入孔41bhとほぼ同等である。
ダンパ前面45b及びダンパ後面45cの左右方向の端縁は、ダンパ上面45aの左右方向の端縁よりも左右方向の内側に位置している。換言すれば、ダンパ上面45aの左右両側の端縁は、ダンパ前面45b及びダンパ後面45cの左右両側の端縁よりも左右方向の外側にそれぞれ突出している。
ダンパ前面45b及びダンパ後面45cの下端から互いに対向する側に向けて延びる、ダンパ前側下面45d及びダンパ後側下面45eがそれぞれ形成されている。ダンパ前側下面45d及びダンパ後側下面45eの先端部相互は、僅かな隙間を有して離間している。ダンパ前側下面45d及びダンパ後側下面45eの前後方向の先端部において、左右方向の中央には下方に向けて突出する位置決め突起45f,45gが形成されている。位置決め突起45f,45gは、互いに対向する面がほぼ接触した状態であり、接触状態で第2ブラケット43の位置決め孔43ahに嵌入されて位置決めされる。ダンパ前側下面45d及びダンパ後側下面45eの左右両側の端縁は、ダンパ上面45aの左右方向の端縁とほぼ同じ位置にある。
次に、本実施形態の作用効果を説明する。
本実施形態のシートスライド装置は、車体前後方向に沿って延設されるロアレール1と、ロアレール1の長手方向に沿って相対移動するアッパレール3と、ロアレール1とアッパレール3とのいずれか一方に回転自在に取り付けられ、前記相対移動する方向に沿って延びるスクリュ軸17と、ロアレール1とアッパレール3とのいずれか他方に取り付けられ、スクリュ軸17に螺合するナット部材19と、ロアレール1とアッパレール3との前記いずれか一方に取り付けられ、スクリュ軸17が貫通する貫通孔29dを有する補強プレート29,31と、を備える。
アッパレール3は、左右一対の側壁3b,3cに、補強プレート29,31の左右両側縁が嵌合する左右一対のスリット3gが形成され、左右一対のスリット3gは、車体前後方向の幅に関し、上下方向の一部位である上部に他の部位よりもよりも大きく形成された円弧部3g2を有し、補強プレート29,31は、アッパレール3の内側から円弧部3g2を通して左右方向外側に突出し、かつ、車体前後方向両側に突出するかしめ部29a,29bを有する。
本実施形態のシートスライド装置の製造方法は、アッパレール3の左右一対の側壁3b,3cに形成された左右一対のスリット3gに補強プレート29,31の左右両側縁を嵌合させる際に、スリット3gの上下方向の一部位に形成された円弧部3g2に、補強プレート29,31の突起部29e,29fをアッパレール3の内側から左右方向外側に突出させる嵌合工程と、嵌合工程で左右方向外側に突出させた突起部29e,29fに対し、左右方向外側から内側に向けて押圧力を付与することで、車体前後方向両側に膨出させてかしめ部29a,29bを形成するかしめ工程と、を有する。
本実施形態によるシートスライド装置及び、シートスライド装置の製造方法は、アッパレール3の側壁3b,3cに形成したスリット3gに、補強プレート29,31の左右両側縁を嵌合させることで、補強プレート29,31をアッパレール3に取り付けるようにしている。その際、スリット3gの円弧部3g2から外側に突出した突起部29e,29fを内側に向けて押圧して車体前後方向に膨出させてかしめ部29a,29bを形成している。
この場合、かしめ部29a,29bは、アッパレール3の天壁3a側には突出せず、側壁3b,3c側に突出した状態となる。すなわち、補強プレート29,31は、側壁3b,3cを利用してアッパレール3に取り付けられ、取り付ける際に、突起や孔を天壁3aに設ける必要がない。このため、図示しないシート側の取付ブラケットを溶接によってアッパレール3の天壁3aに直接固定する構造に対応できる。かしめ部29a,29bは、車体前後方向両側に膨出するようにして形成される。このため、アッパレール3の側壁3b,3cの特に左右方向の変形が抑制され、補強プレート29,31を取り付けるときにアッパレール3が変形等の悪影響を受けることを抑制できる。
本実施形態の円弧部3g2は、車体前後方向の両内縁部が凹となるよう湾曲している。この場合、かしめ作業時に、補強プレート29,31の突起部29e,29fがかしめ部29a,29bとして膨出する際に、前後二箇所の円弧部3g2の上下四隅にかしめ部29a,29bが強固に係合する。このため、かしめ部29a,29bの前後方向及び上下方向のガタ付きを抑制できる。
本実施形態の補強プレート29,31は、アッパレール3の左右両側壁3b,3cの内面に当接し、アッパレール3に対して左右方向の移動を規制する規制部29iを備えている。この場合、補強プレート29,31は、規制部29iの規制面29i1,29i2がアッパレール3の側壁3b,3cの内面に当接することで、左右方向の移動が規制される。このため、補強プレート29,31は安定した状態でアッパレール3に取り付けられる。補強プレート29,31のアッパレール3への組付け時に、規制面29i1,29i2を側壁3b,3cの内面に当接させることで、位置決めが行える。このため、組み付け作業を容易となる。
本実施形態のかしめ工程は、押圧力を突起部29e,29fの車体前後方向中央に付与することで、上下方向から見てV字形状となる凹部を形成し、当該凹部を形成することで、突起部29e,29fが車体前後方向両側に膨出してかしめ部29a,29bが形成される。この場合、アッパレール3に対し左右方向両側からのかしめ作業によって容易にかしめ部29a,29bを形成することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、これらの実施形態は本発明の理解を容易にするために記載された単なる例示に過ぎず、本発明は当該実施形態に限定されるものではない。本発明の技術的範囲は、上記実施形態で開示した具体的な技術事項に限らず、そこから容易に導きうる様々な変形、変更、代替技術なども含む。
例えば、上記実施形態では、スクリュ軸17をアッパレール3に取り付け、ナット部材19をロアレール1に取り付けているが、スクリュ軸17をロアレール1に取り付け、ナット部材19をアッパレール3に取り付けてもよい。この場合、補強プレート29,31はロアレール1側に取り付けられる。
補強プレート29,31は、突起部29e,29fが上部に設けられているが、上部に限ることはなく、下部を含む上下方向のどの位置に設けられていてもよい。突起部29e,29fは、上部と下部との二か所に設けてもよい。
1 ロアレール
3 アッパレール
3b,3c アッパレールの側壁
3g アッパレールのスリット(嵌合孔)
3g2 スリットの円弧部(幅広部)
17 スクリュ軸
19 ナット部材
29,31 補強プレート(補強部材)
29a,29b 補強プレートのかしめ部(係止部)
29d 補強プレートの貫通孔
29i 補強プレートの規制部

Claims (5)

  1. 車体前後方向に沿って延設されるロアレールと、
    前記ロアレールの長手方向に沿って相対移動するアッパレールと、
    前記ロアレールと前記アッパレールとのいずれか一方に回転自在に取り付けられ、前記相対移動する方向に沿って延びるスクリュ軸と、
    前記ロアレールと前記アッパレールとのいずれか他方に取り付けられ、前記スクリュ軸に螺合するナット部材と、
    前記ロアレールと前記アッパレールとの前記いずれか一方に取り付けられ、前記スクリュ軸が貫通する貫通孔を有する補強部材と、を備えるシートスライド装置であって、
    前記アッパレールは、左右一対の側壁に、前記補強部材の左右両側縁が嵌合する左右一対の嵌合孔が形成され、
    前記左右一対の嵌合孔は、車体前後方向の幅に関し、上下方向の一部位に他の部位よりも大きく形成された幅広部を有し、
    前記補強部材は、前記アッパレールの内側から前記幅広部を通して左右方向外側に突出し、かつ、車体前後方向両側に突出する係止部を有することを特徴とするシートスライド装置。
  2. 前記幅広部は、車体前後方向の両内縁部が凹となるよう湾曲していることを特徴とする請求項1に記載のシートスライド装置。
  3. 前記補強部材は、前記アッパレールの左右両側壁の内面に当接し、前記アッパレールに対して左右方向の移動を規制する規制部を備えていることを特徴とする請求項1または2に記載のシートスライド装置。
  4. 車体前後方向に沿って延設されるロアレールと、
    前記ロアレールの長手方向に沿って相対移動するアッパレールと、
    前記ロアレールと前記アッパレールとのいずれか一方に回転自在に取り付けられ、前記相対移動する方向に沿って延びるスクリュ軸と、
    前記ロアレールと前記アッパレールとのいずれか他方に取り付けられ、前記スクリュ軸に螺合するナット部材と、
    前記ロアレールと前記アッパレールとの前記いずれか一方に取り付けられ、前記スクリュ軸が貫通する貫通孔を有する補強部材と、を備えるシートスライド装置の製造方法であって、
    前記アッパレールの左右一対の側壁に形成された左右一対の嵌合孔に前記補強部材の左右両側縁を嵌合させる際に、前記嵌合孔の上下方向の一部位に形成された幅広部に、前記補強部材の突起部を前記アッパレールの内側から左右方向外側に突出させる嵌合工程と、
    前記嵌合工程で左右方向外側に突出させた前記突起部に対し、左右方向外側から内側に向けて押圧力を付与することで、車体前後方向両側に膨出させて係止部を形成するかしめ工程と、を有することを特徴とするシートスライド装置の製造方法。
  5. 前記かしめ工程は、前記押圧力を前記突起部の車体前後方向中央に付与することで、上下方向から見てV字形状となる凹部を形成し、当該凹部を形成することで、前記突起部が車体前後方向両側に膨出して前記係止部が形成されることを特徴とする請求項4に記載のシートスライド装置の製造方法。
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