JP2022026729A - 生中華麺及びその製造方法並びに生中華麺の保存臭抑制方法及び生中華麺の保存臭抑制剤 - Google Patents

生中華麺及びその製造方法並びに生中華麺の保存臭抑制方法及び生中華麺の保存臭抑制剤 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、常温または冷蔵で長期保存した際に発生する保存臭が抑制された生中華麺を提供することを課題とする。【解決手段】酒石酸ナトリウム及びクエン酸ナトリウムを含む生中華麺により解決する。該生中華麺は、主原料粉に、酒石酸ナトリウム及びクエン酸ナトリウムとかんすいを溶解した練り水を加えてミキサーで混捏し、麺生地を作製した後、製麺することにより製造できる。生中華麺に含まれる酒石酸ナトリウムとクエン酸ナトリウムの重量の比は、1:3~3:1が好ましく、または含有量としては、主原料粉1kgに対して2~30gが好ましい。【選択図】なし

Description

本発明は、生中華麺及びその製造方法並びに生中華麺の保存臭抑制方法及び生中華麺の保存臭抑制剤に関する。
従来、小麦粉などの主原料粉とかんすいを含む練り水とを混捏し、作製した麺生地から製麺した生中華麺が多数上市されている。これらは、ラーメン店等ですぐに消費されるものもあれば、10℃以下の冷蔵で1月程度の賞味期限を有するチルド生中華麺や、乾燥や低加水によって常温で2月程度の賞味期限を有するお土産用の生中華麺などがある。
このうち、チルド生中華麺や常温保存であるお土産用の生中華麺は、保存期間が長くなるほど、刺激臭を放つようになり、特にお土産用の生中華麺では、顕著に感じる。
ところで、酒石酸ナトリウムやクエン酸ナトリウムを麺に使用する技術として、特許文献1~3が開示されている。
特許文献1は、粘弾性のある良好な食感を有する麺類及び麺皮類を提供することができる方法として、麺生地の製造に用いる水分に、pH5.6~6.0の、有機酸及び有機酸塩の水溶液を用いることを特徴とする麺類または麺皮類の製造方法が記載されている。しかしながら、特許文献1の方法は、麺生地の製造に用いる水分のpHを酸性にする必要があり、かんすいを含む中華麺では、かんすいにより麺生地の製造に用いる水分のpHが高くなるため、中華麺での使用は困難である。また、生中華麺の保存臭を抑制できることについて記載されていない。
特許文献2は、比較的平易な方法で且つ、麺類の本来の風味を変質させることなく、風味、良好な麺類が得られる、麺類生地用油脂組成物及び麺類生地用油脂を提供する方法として、アスコルビン酸、エリソルビン酸、乳酸、酒石酸、及びリンゴ酸、並びにこれらの塩からなる群から選ばれた少なくとも1種の有機酸又はその塩を2重量ppm~1500重量ppm含有する、麺類生地用油脂組成物について記載されている。しかしながら、特許文献2の方法は、これらの有機酸または有機酸塩を油脂と共に麺生地に添加する必要があり、添加量を多くすることが困難である。また、生中華麺の保存臭を抑制できることについて記載されていない。
特許文献3は、発明は、pHがアルカリ性であるという特徴をもつ中華麺類用保存剤及び保存性に優れた中華麺類の製造方法を提供する方法として、塩基性蛋白・ペプチド、グリシン及びクエン酸ナトリウムを含有する中華麺用保存剤について記載されている。しかしながら、特許文献3の方法は、中華麺の微生物やカビの発生や変色を抑えるためのものであり、生中華麺の保存臭を抑制できることについて記載されていない。
特許第6523541号公報 特開2016-26479号公報 特許第3002958号公報
本発明は、常温または冷蔵で長期保存した際に発生する保存臭が抑制された生中華麺を提供することを目的とする。
発明者は、チルド生中華麺やお土産用の常温保存の生中華麺を長期保存した際に発生する刺激臭(保存臭)を抑制する方法について鋭意研究した結果、偶然にも本発明を見出し本発明に至った。
すなわち、酒石酸ナトリウム及びクエン酸ナトリウムを含むことを特徴とする生中華麺である。
また、本発明に係る生中華麺に含まれる酒石酸ナトリウムとクエン酸ナトリウムの重量比は1:3~3:1であることが好ましく、酒石酸ナトリウムとクエン酸ナトリウムの合計の含有重量は、主原料粉1Kgに対して2~30gであることが好ましい。
また、本発明に係る生中華麺においては、クエン酸ナトリウムの含有量が主原料粉1Kgに対して1~15gであるが好ましい。
また、本発明に係る生中華麺の製造方法としては、主原料粉に、かんすい並びに酒石酸ナトリウム及びクエン酸ナトリウムを含む練り水を添加し、混捏して麺生地を作製する工程と、作製した前記麺生地を常法により製麺し、生麺を作製する工程と、を含むことが好ましい。
また、本発明に係る生中華麺の保存臭抑制方法は、生中華麺に酒石酸ナトリウム及びクエン酸ナトリウムを添加すること特徴とする。
また、本発明に係る生中華麺の保存臭抑制剤は、酒石酸ナトリウム及びクエン酸ナトリウムを含むことを特徴とする。
本発明により、常温または冷蔵で長期保存した際に発生する保存臭が抑制された生中華麺を提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の記載に限定されるものではない。また、本発明に係る生中華麺は、蒸しや茹でなどの加熱処理がされていない冷蔵保存または常温保存の生中華麺を指す。また、本発明に係る生中華麺は、乾燥処理をした水分が14重量%よりも高いいわゆる半乾麺も含む。
1.麺原料配合
本発明に係る生中華麺には、通常の中華麺の原料が使用できる。すなわち、主原料粉としては、小麦粉並びに馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、小麦澱粉及びコーンスターチ等の各種澱粉が挙げられ、単独で使用しても、または混合して使用してもよい。前記澱粉として、生澱粉、α化澱粉、並びにアセチル化澱粉、エーテル化澱粉及び架橋澱粉等の加工澱粉を使用することもできる。
また、本発明では、これら主原料粉に対して中華麺の製造において一般に使用されている食塩、かんすいなどのアルカリ剤、各種増粘剤、グルテン、卵白、麺質改良剤、食用油脂、カロチン色素等の各種色素及びアルコール等の保存料等を添加することができる。これらは、主原料粉と一緒に粉体で添加しても、練り水に溶かすか懸濁させて添加してもよい。このうち、かんすいとして、中華麺独特の風味を付与し、腰のある食感を出すために、炭酸ナトリウムや炭酸カリウムなどの炭酸塩を使用することが好ましく、主原料粉に対して1~2重量%添加することが好ましい。また、麺のpHを高くし、保存性を向上させるために、かんすいに加えて焼成カルシウムなどのアルカリ剤を添加することもできる。生中華麺としてのpHは8~11が好ましい。pHについては、麺生地の10倍希釈(重量)した懸濁液を測定する。pHが低すぎると中華麺としての風味が少なく、保存性が悪くなる。pHが高いと風味や保存性は良くなるが、長期保存による保存臭の発生が強くなる。
また、本発明の生中華麺においては、酒石酸ナトリウム(L-酒石酸ナトリウム)及びクエン酸ナトリウム(クエン酸三ナトリウム)を添加する。これらの有機酸塩は、一般的に食品においてpH調整剤や酸味料、調味料、保存料として使用されているが、本発明においては、生中華麺の長期保存時に発生する刺激臭である保存臭を抑制する目的で使用する。中華麺の風味や食感への影響が少なく、保存臭を抑制する点においては、他の有機酸塩よりも酒石酸ナトリウムやクエン酸ナトリウムが優れている。しかしながら、酒石酸ナトリウムまたはクエン酸ナトリウム単体だけでは、生中華麺の食感や風味に影響を及ぼすため、酒石酸ナトリウムとクエン酸ナトリウムを併用することが好ましい。これらを併用することで、食感や風味への影響を抑え、効率的に保存臭を抑制できる。
酒石酸ナトリウムとクエン酸ナトリウムの重量比としては、1:3~3:1が好ましい。酒石酸ナトリウムが多くなると、長期保存時の食感に影響があり、クエン酸ナトリウムが多くなると風味に影響がある。含有量としては、酒石酸ナトリウムとクエン酸ナトリウムの合計で主原料粉1kgに対して2~30g程度が好ましい。特に、冷蔵保存の生中華麺においては、保存臭はさほど発生しないため、2~5g程度が好ましい。また、常温保存の生中華麺においては、10~30g程度が好ましい。ただし、クエン酸ナトリウムに関しては、含有するほど麺に酸味や苦みが出るため、含有量としては、主原料粉1kgに対して15g以下、好ましくは、1~10g程度が好ましい。酒石酸ナトリウムとクエン酸ナトリウムについては、予め混合して生中華麺の保存臭抑制剤とすることができる。
2.混捏工程
本発明に係る麺生地(ドウ)の作製方法は、常法に従って行えばよい。すなわち、バッチミキサー、フロージェットミキサー、真空ミキサー等で、主原料粉と、かんすい並びに酒石酸ナトリウム及びクエン酸ナトリウムを溶解した練り水とが均一に混ざるように混捏すればよく、そぼろ状のドウを作製すればよい。
3.製麺工程
次いで作製したドウから麺線を作製する。作製方法としては、常法に従って行えばよく、エクストルーダ等を用いてドウを押し出して麺線を作製する方法や、ドウをロールにより粗麺帯とした後、複合等により麺帯化し、さらにロールにより複数回圧延し、所定の麺帯厚とした後、切刃と呼ばれる切出しロールにより麺帯を切出し、麺線を作製する方法が挙げられる。麺帯を作製してから麺線を作製する場合、エクストルーダを用いて麺帯を作製した後、圧延、切出しを行ってもよく、また、複数の麺帯を合わせて多層構造を持つ麺帯を作製した後、圧延、切出しを行ってもよい。エクストルーダ等を用いて押出し麺帯又は押出し麺線を作製する場合は、減圧下で行うことが好ましい。
4.その他
作製した生麺は、必要により打ち粉を行うか、麺を乾燥し水分を低下させた後、ポリエチレンやポリプロピレン等の袋に封入し、冷蔵保存のチルド生中華麺や常温保存の生中華麺とすることができる。袋に封入した生麺は、スープや具材と共に袋や箱に入れ、店頭で販売することができる。
以下に実施例を挙げて本実施形態をさらに詳細に説明する。
<実験1>スクリーニング試験
中力粉1000gからなる主原料粉1Kgに卵白粉10g、グルテン5g、焼成カルシウム1.5gを粉体混合し、有機酸塩無添加又は下記表1の各種有機酸塩10g、かんすい製剤(炭酸ナトリウム6:炭酸カリウム4)12g、70%アルコール製剤50g、60%乳酸ナトリウム15g、トレハロース5g、クチナシ色素1gを水280gに溶解した練り水を加え、常圧ミキサーにて15分間混捏し、ドウを作製した。
作製したドウを複合して麺帯を作製し、20分熟成した後、ロール圧延にて1.5mmまで麺帯を圧延し、16番角のロール切刃にて麺帯を切断し、麺線とした。
次いで作製した麺線1食110gに対してサゴ澱粉の酸化澱粉からなる打ち粉4gをし、ポリエチレンの袋に密封し、生中華麺サンプルを作製した。
作製した生中華麺サンプルを作製直後のサンプルと、劣化加速試験として40℃で1週間保存したサンプルについて開封時の匂いについて評価を行った。なお、有機酸無添加(試験例1)、酒石酸ナトリウム(試験例2)、クエン酸ナトリウム(試験例3)、リンゴ酸ナトリウム(試験例4)を添加したサンプルについては、40℃で2週間保存、3週間保存したサンプルについても開封時の匂いについて評価を行った。
開封時の匂いの官能評価は、作製直後のサンプルについては、中華麺独特のかんすい臭について行い、有機酸塩無添加(試験例1)と比べ同等なものを5、やや劣るが良好なものを4、概ね可なものを3、劣るものを2、著しく劣るものを1とした。また、40℃1週間保存、2週間保存及び3週間保存したサンプルについては、保存臭(刺激臭)及び保存臭以外の異臭が無く非常に良好なものを5、保存臭及び異臭が少なく良好なものを4、保存臭または異臭を感じるが概ね可なものを3、保存臭または異臭を感じ劣るものを2、保存臭または異臭を感じ著しく劣るものを1とした。なお、保存臭は、鼻を刺すような刺激臭であり、微生物による腐敗臭ではない。何れのサンプルについても微生物による腐敗はなかった。また、異臭は、かんすい臭や保存臭と異なる違和感のある臭いとした。評価結果を下記表1に示す。
Figure 2022026729000001
表1で示すように、有機酸塩無添加(試験例1)では、40℃1週間の保存試験で保存臭である刺激臭を強く感じ、40℃3週間の保存試験では、強烈な刺激臭を感じた。それに対し、酒石酸ナトリウム(試験例2)、クエン酸ナトリウム(試験例3)、リンゴ酸ナトリウム(試験例4)を添加した試験区では、作製直後の麺の風味に影響を与えることなく、40℃1~3週間の保存試験において、試験例1と比較し保存臭が抑えられていた。しかしながら、リンゴ酸ナトリウムに関しては、40℃2週間から薬品臭のような異臭を感じるようになり、40℃3週間の保存試験では、かなり薬品臭を感じるようになった。フマル酸ナトリウム(試験例5)、酢酸ナトリウム(試験例6)については、作製直後の中華麺独特の臭いであるかんすい臭が弱くなり、40℃1週間の保存試験では、フマル酸ナトリウムは、有機酸塩無添加のものと同等の保存臭が発生し、酢酸ナトリウムについては、保存臭は感じないもののエビのような異臭が発生した。以上の結果から、酒石酸ナトリウムとクエン酸ナトリウムについてさらに検討を行うこととした。
<実験2>酒石酸ナトリウムとクエン酸ナトリウムについての検討
実験1の結果から、酒石酸ナトリウムとクエン酸ナトリウムについて、更に検討を行った。表2の有機酸塩の配合に従い、実験1の方法に従って生中華麺サンプルを作製した。作製したサンプルは、実験1と同様に劣化加速試験として40℃1週間、2週間、3週間の保存試験を行い、開封後の臭いについて実験1同様に評価を行った。
また、実験2では、各サンプルについて調理し、麺の風味、食感についても評価を行った。調理方法は、各生中華麺サンプルを沸騰水1500ml入れ、3分間茹で調理し、湯切りした後、予め用意した醤油ラーメンスープに喫食し、評価を行った。有機酸塩無添加(試験例1)のサンプルの作製直後のサンプルを基準し、同等のものを5、やや劣るが良好なものを4、劣るが概ね可なものを3、劣るものを2、著しく劣るものを1とした。なお、風味については作製直後のサンプルのみ評価を行った。評価結果を下記表2に示す。
Figure 2022026729000002
表2で示すように酒石酸ナトリウムのみを添加した試験例7では、作製後の臭いや風味には影響はないが、食感が柔らかくなった。また、40℃の保存試験では、1週間目では感じないが2週間目以降になると添加したアルコールの臭いが目立つようになった。食感については、有機酸塩無添加の試験例1と同様に保存期間が長くなるにつれ、硬脆いつながりのない食感となっていった。
また、クエン酸ナトリウムのみを添加した試験例11では、作製直後の臭いには影響がないが、麺に酸っぱさや苦みがあり、また食感も固めとなった。保存期間が長くなるにつれて保存臭は良好に抑えられ、食感もほとんど変わらなかった。
それに対し、酒石酸ナトリウムとクエン酸ナトリウムを組み合わせた試験区8~10では、作製直後の食感や風味が良好以上となり、通常の40℃1週間の保存期間においてもなお、臭い、食感ともに良好以上となった。したがって、酒石酸ナトリウムとクエン酸ナトリウムのバランスとしては、1:3~3:1の範囲で組み合わせて使用することが良いことが示唆された。
また、試験例12、13で示すように酒石酸ナトリウムとクエン酸ナトリウムの添加量が少なくなると保存臭の発生や経時的な食感の劣化を抑える力が弱くなり、逆に添加しすぎるとクエン酸ナトリウムの風味を感じるようになった。よって好ましくは、クエン酸ナトリウムの添加量は主原料粉1kgに対して15g以下、より好ましくは10g以下が好ましいと考える。また、酒石酸ナトリウム及びクエン酸ナトリウムの合計の添加量としては、主原料粉1kgに対して30g以下が好ましいと考える。
<実験3>チルド生中華麺での検討
下記表3の配合に従い、実験1の方法に従って生中華麺サンプルを作製し、10℃の恒温庫で30日間保存した。作製直後、保存試験サンプルについて、実験2同様に臭い、食感、風味について評価を行った。評価結果を下記表3に示す。
Figure 2022026729000003
表3で示すように、有機酸塩無添加の試験例1は、冷蔵保存の場合、実験2の劣化加速試験と比べ保存臭の発生が少ないが臭いは発生した。それに対し、試験例12及び14で示すように、酒石酸ナトリウム及びクエン酸ナトリウムを添加することで保存臭が抑えられるだけでなく、食感の劣化(硬脆さ)も抑制された。試験例12及び14で示すように、添加量を増やしてもあまり効果は変わらず、チルド生中華麺であれば、酒石酸ナトリウム及びクエン酸ナトリウムの合計で主原料粉1kgに対して2g以上添加すれば、十分保存臭を抑制する効果を得られると考える。

Claims (6)

  1. 酒石酸ナトリウム及びクエン酸ナトリウムを含むことを特徴とする生中華麺。
  2. 前記生中華麺に含まれる前記酒石酸ナトリウム及び前記クエン酸ナトリウムの重量比が1:3~3:1であり、前記酒石酸ナトリウム及び前記クエン酸ナトリウムの合計の含有重量が主原料粉1Kgに対して2~30gであることを特徴とする請求項1記載の生中華麺。
  3. 前記クエン酸ナトリウムの含有量が主原料粉1Kgに対して1~15gであることを特徴とする請求項1または2記載の生中華麺。
  4. 主原料粉に、かんすい並びに酒石酸ナトリウム及びクエン酸ナトリウムを含む練り水を添加し、混捏して麺生地を作製する工程と、
    作製した前記麺生地を常法により製麺し、生麺を作製する工程と、を含むことを特徴とする特徴とする生中華麺の製造方法。
  5. 酒石酸ナトリウム及びクエン酸ナトリウムを添加することを特徴とする生中華麺の保存臭抑制方法。
  6. 酒石酸ナトリウム及びクエン酸ナトリウムを含むことを特徴とする生中華麺の保存臭抑制剤。
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