JP2022023317A - リフォーム用長尺横葺きモジュール屋根材の屋根材配置方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明はリフォーム用長尺横葺き屋根材の配置方法における技術であり、従来のリフォーム用長尺横葺き屋根材の配置方法は、現場合わせでの屋根材の割り付け及び加工の為、施工に手間が掛かるという課題があった。【解決手段】本発明のリフォーム用長尺横葺き屋根材の屋根への配置方法は、既存屋根材の上にカバー屋根材を配置する配置方法であり、カバー屋根材の働き長さの水平投影寸法が建物の設計単位寸法の整数分の一で、働き幅寸法が働き長さの水平投影寸法の二倍以上の整数倍で、軒先に既存屋根材を覆うカバー軒先部材を設け、カバー軒先部材に水平投影葺き始め設定範囲を有し、カバー屋根材の水平投影葺き始め位置は水平投影棟際寸法にカバー屋根材の働き長さの水平投影寸法の整数倍を加え、かつカバー軒先部材の水平投影葺き始め設定範囲内とし、屋根端部に規格化した形状のカバー屋根材を配置することで、従来技術が有する課題を解決する。【選択図】 図1

Description

本発明は、リフォーム用長尺横葺き屋根材の屋根への配置方法であり、勾配を有する屋根を備える建物の屋根であって、既存屋根材の上にカバー屋根材を桁方向に複数枚並べ、前記カバー屋根材を段方向に複数段並べる前記屋根において、前記カバー屋根材の働き長さの水平投影寸法が前記建物の設計単位寸法の整数分の一であり、前記カバー屋根材の働き幅寸法が前記働き長さの水平投影寸法の二倍以上の整数倍であり、前記屋根の軒先に既存屋根材を覆うカバー軒先部材を設け、前記カバー軒先部材は、前記カバー屋根材の流れ方向における水平投影葺き始め位置を設定するための水平投影葺き始め設定範囲を有し、前記水平投影葺き始め設定範囲は、前記カバー屋根材の働き長さの水平投影寸法とし、前記カバー屋根材の流れ方向における前記水平投影葺き始め位置は、陸棟芯を基準にして、水平投影棟際寸法に前記カバー屋根材の働き長さの水平投影寸法の整数倍を加え、かつ前記カバー軒先部材の前記水平投影葺き始め設定範囲の範囲内の位置とし、陸棟部、隅棟部、ケラバ部、壁際部、三又部、陸棟曲がり部、谷部などの屋根端部に規格化した形状のカバー屋根材を配置する。
従来技術の特許文献1には、特開平8-109708号の瓦及び瓦葺き方法がある。この特許文献では、主に新築の屋根において、専門の職人でなくとも簡単に葺くことのできる瓦及び瓦葺き方法を提供すること。又、葺くときや修理するときに瓦の上を歩き易く、雨水が漏れ難いし、美麗な瓦及び瓦葺き方法を提供する。モジュール長さを1辺とする正方形の瓦本体部と、この水上側の上方接続部と、一側の側方接続部とからなる桟瓦1と、瓦本体部と上方接続部と側方接続部と隅瓦接続部とからなる両桟瓦3と、瓦本体部の半分の半瓦本体部と上方接続部と側方接続部とからなる半瓦2と、半瓦本体部と上方接続部と側方接続部と隅瓦接続部とからなる両桟半瓦4と、瓦本体部の対角線で切断された谷瓦本体部と隅瓦接続部とからなる谷瓦5と、谷瓦本体部と上方接続部と側方接続部とからなる側方接続部付き谷瓦6と、瓦本体部が対角線で折曲された廻り隅瓦7とからなる瓦及びこの瓦の葺き方法という提案がされている。
特開特開平8-109708号公報
特許文献1では瓦本体部(はたらき面)は葺いたときの水平面への投影形状が建物の単位寸法の整数分の一(モジュール)にほぼ等しい長さを1辺とする正方形であるから、この瓦本体部を整数個並べて葺くと建物の単位寸法にほぼ合致する。そして、建物の柱は単位寸法に合わせて設けられ、谷や隅棟はこの柱を通過し、水平面への投影形状が壁面から45°傾斜した傾斜線に沿って設けられるから、瓦を隅棟と隅棟との間に葺く場合には、最初の瓦が瓦本体部であれば最後の瓦が瓦本体部になり、最初の瓦が半瓦本体部であれば最後の瓦が半瓦本体部となる。又、隅棟と谷との間に葺く場合には、谷部分に半瓦本体部の長さだけ開ける必要があるから、最初の瓦が瓦本体部(または半瓦本体部)であれば最後の瓦が半瓦本体部(または瓦本体部)となる。又、谷と谷との間に葺く場合には、両方の谷部分に半瓦本体部の長さだけ開けるから、最初の瓦が瓦本体部であれば最後の瓦が瓦本体部となり、最初の瓦が半瓦本体部であれば最後の瓦が半瓦本体部となる。このように、瓦の割り付けが極めて簡単に出来るという効果を発揮する。
しかし、特許文献1の屋根材は建物の単位寸法の整数分の一(モジュール)にほぼ等しい長さを1辺とする正方形形状であり、屋根面に割り付けるのに多くの屋根材を配置する必要があり、屋根材の施工に手間が掛かるという課題があった。
また、特許文献1は、屋根材を建物の単位寸法で割り付けるためには軒の出寸法を建物の単位寸法で設計する必要があり、既存の屋根を利用して既存の屋根材の上にカバー工法を行う場合には、建物の軒の出寸法を建物の単位寸法で作り直さなければ割付が出来ないという課題があった。
寄棟屋根の陸棟際の端部は三又部や陸棟曲がり部などの瓦の納まりがあるが、特許文献1では三又部や陸棟曲がり部と言った部位での専用の瓦の設定は無く、現場で職人が加工する必要があり、この部位での瓦の加工は難しく、現場での施工に手間が掛かるという課題があった。
瓦の配置方法においては流れ方向にて一段飛ばしで瓦本体と半瓦とを交互に配置するというルールが必要であり、瓦の割り付けにおいてもルールが煩雑で手間が掛かるという課題があった。
さらに、桟瓦だけでなく両桟瓦、半瓦、両桟半瓦、谷瓦、側方接続部付き谷瓦、廻り隅瓦といった多数の専用瓦の設定が必要であり、多品種小ロット生産方式でないと生産が出来ないことによる生産効率が悪いという課題と、多くの品目を在庫管理しなければならないことによる在庫負担の増大などという課題があった。
本発明のリフォーム用長尺横葺き屋根材の屋根への配置方法は、勾配を有する屋根を備える建物の屋根であって、既存屋根材の上にカバー屋根材を桁方向に複数枚並べ、前記カバー屋根材を段方向に複数段並べる前記屋根において、前記カバー屋根材の働き長さの水平投影寸法が前記建物の設計単位寸法の整数分の一であり、前記カバー屋根材の働き幅寸法が前記働き長さの水平投影寸法の二倍以上の整数倍であり、前記屋根の軒先に既存屋根材を覆うカバー軒先部材を設け、前記カバー軒先部材は、前記カバー屋根材の流れ方向における水平投影葺き始め位置を設定するための水平投影葺き始め設定範囲を有し、前記水平投影葺き始め設定範囲は、前記カバー屋根材の働き長さの水平投影寸法とし、前記カバー屋根材の流れ方向における前記水平投影葺き始め位置は、陸棟芯を基準にして、水平投影棟際寸法に前記カバー屋根材の働き長さの水平投影寸法の整数倍を加え、かつ前記カバー軒先部材の前記水平投影葺き始め設定範囲の範囲内の位置とし、陸棟部、隅棟部、ケラバ部、壁際部、三又部、陸棟曲がり部、谷部などの屋根端部に規格化した形状のカバー屋根材を配置することで、従来技術が有する課題を解決する。
請求項1記載の本発明のリフォーム用長尺横葺きモジュール屋根材の屋根材配置方法は、勾配を有する屋根を備える建物の屋根であって、既存屋根材の上にカバー屋根材を桁方向に複数枚並べ、前記カバー屋根材を段方向に複数段並べる前記屋根において、前記カバー屋根材の働き長さの水平投影寸法が前記建物の設計単位寸法の整数分の一であり、前記カバー屋根材の働き幅寸法が前記働き長さの水平投影寸法の二倍以上の整数倍であり、前記屋根の軒先に既存屋根材を覆うカバー軒先部材を設け、前記カバー軒先部材は、前記カバー屋根材の流れ方向における水平投影葺き始め位置を設定するための水平投影葺き始め設定範囲を有し、前記水平投影葺き始め設定範囲は、前記カバー屋根材の働き長さの水平投影寸法とし、前記カバー屋根材の流れ方向における前記水平投影葺き始め位置は、陸棟芯を基準にして、水平投影棟際寸法に前記カバー屋根材の働き長さの水平投影寸法の整数倍を加え、かつ前記カバー軒先部材の前記水平投影葺き始め設定範囲の範囲内の位置とし、陸棟部、隅棟部、ケラバ部、壁際部、三又部、陸棟曲がり部、谷部などの屋根端部に規格化した形状のカバー屋根材を配置することを特徴とする。
請求項2記載の本発明は、請求項1に記載のリフォーム用長尺横葺きモジュール屋根材の屋根材配置方法において、前記屋根は隅棟又は谷を有し、前記カバー屋根材を前記軒先から陸棟にむかって流れ方向で一段毎に配置する際に、前記カバー屋根材は配置する屋根面の桁方向に対して一方の端部からもう一方の端部方向に前記カバー屋根材の働き長さの水平投影寸法の整数倍をずらして配置することを特徴とする。
請求項3記載の本発明は、請求項1又は請求項2に記載のリフォーム用長尺横葺きモジュール屋根材の屋根材配置方法において、前記カバー屋根材を前記軒先から前記陸棟にむかって流れ方向で一段毎に配置する際に、前記カバー屋根材は配置する屋根面の桁方向に対して一方の端部からもう一方の端部方向に前記カバー屋根材の働き長さの水平投影寸法をずらして配置することを特徴とする。
請求項4記載の本発明は、請求項1から請求項3までのいずれか記載のリフォーム用長尺横葺きモジュール屋根材の屋根材配置方法において、前記屋根面における桁方向の寸法調整に用いるカバー調整屋根材の働き幅寸法は、前記カバー屋根材の働き長さの水平投影寸法の整数倍であり、前記カバー調整屋根材を前記カバー屋根材の代わりに配置することで働き幅寸法の差分により前記桁方向の寸法調整を行うことを特徴とする。
請求項5記載の本発明は、請求項1から請求項4までのいずれかに記載のリフォーム用長尺横葺きモジュール屋根材の屋根材配置方法において、前記カバー調整屋根材は複数種類の働き幅寸法を設け、異なる種類の働き幅寸法を有する前記カバー調整屋根材を組み合わせて配置することで前記桁方向の寸法調整を行うことを特徴とする。
請求項6記載の本発明は、請求項1から請求項5までのいずれか記載のリフォーム用長尺横葺きモジュール屋根材の屋根材配置方法において、前記隅棟部に配置する前記規格化した形状のカバー屋根材の働き幅寸法は、前記カバー屋根材の働き長さの水平投影寸法の二倍であることを特徴とする。
請求項7記載の本発明のリフォーム用長尺横葺きモジュール屋根材の屋根材配置方法に用いるカバー軒先部材は、請求項1から請求項6までのいずれか記載のリフォーム用長尺横葺きモジュール屋根材の屋根材配置方法において、前記カバー軒先部材は、前記既存屋根材の軒先裏面を覆う既存屋根材裏面カバー部を有することを特徴とする。
本発明によれば、勾配を有する屋根を備える建物の屋根であって、既存屋根材の上にカバー屋根材を桁方向に複数枚並べ、前記カバー屋根材を段方向に複数段並べる前記屋根において、前記カバー屋根材の働き長さの水平投影寸法が前記建物の設計単位寸法の整数分の一であり、前記カバー屋根材の働き幅寸法が前記働き長さの水平投影寸法の二倍以上の整数倍であり、前記屋根の軒先に既存屋根材を覆うカバー軒先部材を設け、前記カバー軒先部材は、前記カバー屋根材の流れ方向における水平投影葺き始め位置を設定するための水平投影葺き始め設定範囲を有し、前記水平投影葺き始め設定範囲は、前記カバー屋根材の働き長さの水平投影寸法とし、前記カバー屋根材の流れ方向における前記水平投影葺き始め位置は、陸棟芯を基準にして、水平投影棟際寸法に前記カバー屋根材の働き長さの水平投影寸法の整数倍を加え、かつ前記カバー軒先部材の前記水平投影葺き始め設定範囲の範囲内の位置とし、陸棟部、隅棟部、ケラバ部、壁際部、三又部、陸棟曲がり部、谷部などの屋根端部に規格化した形状のカバー屋根材を配置することで、軒の出寸法が前記建物の設計単位寸法で作られていない既存屋根材が葺かれている屋根においても、前記建物の設計単位寸法と連動したカバー屋根材の配置が可能となり、陸棟部、隅棟部、ケラバ部、壁際部、三又部、陸棟曲がり部、谷部など全ての屋根端部においてカバー屋根材の配置がルール化出来る。その結果全ての屋根端部において規格化した形状のカバー屋根材を設定し配置することが出来る。
また、前記カバー屋根材を長尺化することで横方向での施工枚数の減少により施工性を上げることが出来る。
さらに、規格化した形状のカバー屋根材は、前記カバー屋根材をプレカット加工により生産することが可能となり、高い生産性で生産することが出来る。
本発明の実施例による寄棟屋根面のカバー屋根材の割付図及び流れ方向の施工断面図 本発明の実施例による軒先部における流れ方向の施工断面図 本発明の実施例による寄棟切妻混合屋根のカバー屋根材の割付図 本発明の実施例によるカバー軒先部材の投影図 本発明の実施例によるカバー軒先部材の斜視図 本発明の実施例によるカバー屋根材の投影図及び施工断面図 本発明の実施例によるカバー屋根材の斜視図 本発明の実施例による規格化形状屋根材及びカバー調整屋根材の斜視図
本発明の第1の実施の形態における長尺横葺きモジュール屋根材の屋根材配置方法は、勾配を有する屋根を備える建物の屋根であって、既存屋根材の上にカバー屋根材を桁方向に複数枚並べ、前記カバー屋根材を段方向に複数段並べる前記屋根において、前記カバー屋根材の働き長さの水平投影寸法が前記建物の設計単位寸法の整数分の一であり、前記カバー屋根材の働き幅寸法が前記働き長さの水平投影寸法の二倍以上の整数倍であり、前記屋根の軒先に既存屋根材を覆うカバー軒先部材を設け、前記カバー軒先部材は、前記カバー屋根材の流れ方向における水平投影葺き始め位置を設定するための水平投影葺き始め設定範囲を有し、前記水平投影葺き始め設定範囲は、前記カバー屋根材の働き長さの水平投影寸法とし、前記カバー屋根材の流れ方向における前記水平投影葺き始め位置は、陸棟芯を基準にして、水平投影棟際寸法に前記カバー屋根材の働き長さの水平投影寸法の整数倍を加え、かつ前記カバー軒先部材の前記水平投影葺き始め設定範囲の範囲内の位置とし、陸棟部、隅棟部、ケラバ部、壁際部、三又部、陸棟曲がり部、谷部などの屋根端部に規格化した形状のカバー屋根材を配置するものである。本実施の形態によれば、軒の出寸法が前記建物の設計単位寸法で作られていない既存屋根材が葺かれている屋根においても、前記建物の設計単位寸法と連動したカバー屋根材の配置が可能となり、陸棟部、隅棟部、ケラバ部、壁際部、三又部、陸棟曲がり部、谷部など全ての屋根端部においてカバー屋根材の配置がルール化出来る。その結果全ての屋根端部において規格化した形状のカバー屋根材を設定し配置することが出来る。
また、前記カバー屋根材を長尺化することで横方向での施工枚数の減少により施工性を上げることが出来る。
さらに、規格化した形状のカバー屋根材は、前記カバー屋根材をプレカット加工により生産することが可能となり、高い生産性で生産することが出来る。
なお、カバー屋根材の流れ方向における前記水平投影葺き始め位置は、陸棟芯を基準とすると記載しているが、流れ方向の最上段が陸棟部ではなく壁際部の場合は、陸棟芯を壁芯に置き換え、かつ水平投影棟際寸法を水平投影壁際寸法に置き換えることで壁際部の場合においても同様の作用効果を得ることが出来る。
本発明の第2の実施の形態は、第1の実施の形態による長尺横葺きモジュール屋根材の屋根材配置方法において、前記屋根は隅棟又は谷を有し、前記カバー屋根材を前記軒先から陸棟にむかって流れ方向で一段毎に配置する際に、前記カバー屋根材は配置する屋根面の桁方向に対して一方の端部からもう一方の端部方向に前記カバー屋根材の働き長さの水平投影寸法の整数倍をずらして配置するものである。本実施の形態によれば、隅棟部及び谷部は、屋根形状を水平投影した際には一方の桁方向を0度に設定した際には必ず45度に設定されるため、カバー屋根材の配置が一段登るごとにカバー屋根材の働き長さの水平投影寸法分だけ桁方向でずれる。このことを利用し、カバー屋根材の働き幅寸法を働き長さの水平投影寸法の二倍以上の整数倍とし、かつ、カバー屋根材の桁方向での配置の際に屋根材の働き長さの水平投影寸法の整数倍だけ各段でずらす配置ルールにすることで、各段における配置ルールも簡単明瞭で分かりやすく、屋根端部における規格化した形状のカバー屋根材の種類を減らすことが出来る。
本発明の第3の実施の形態は、第1又は第2の実施の形態による長尺横葺きモジュール屋根材の屋根材配置方法において、前記カバー屋根材を前記軒先から前記陸棟にむかって流れ方向で一段毎に配置する際に、前記カバー屋根材は配置する屋根面の桁方向に対して一方の端部からもう一方の端部方向に前記カバー屋根材の働き長さの水平投影寸法をずらして配置するものである。本実施の形態によれば、カバー屋根材の配置が一段登るごとにカバー屋根材の働き長さの水平投影寸法分だけ桁方向でずれるため、カバー屋根材の働き長さの水平投影寸法分だけずらして配置するルールにすることで各段における配置ルールがさらに簡単明瞭で分かりやすくなり、隅棟における一方の隅棟端部における規格化した形状のカバー屋根材が1種類の形状となり、規格化した形状のカバー屋根材の種類をさらに減らすことが出来る。
本発明の第4の実施の形態は、第1から第3のいずれか実施の形態による長尺横葺きモジュール屋根材の屋根材配置方法において、前記屋根面における桁方向の寸法調整に用いるカバー調整屋根材の働き幅寸法は、前記カバー屋根材の働き長さの水平投影寸法の整数倍であり、前記カバー調整屋根材を前記カバー屋根材の代わりに配置することで働き幅寸法の差分により前記桁方向の寸法調整を行うものである。本実施の形態によれば、前記カバー調整屋根材を入れることで桁方向の寸法を調整することが出来、隅棟部、谷部などの斜めカット加工が必要な屋根端部において斜めカット加工した規格化した形状のカバー屋根材の種類を減らすことが出来る。また、前記カバー屋根材の働き幅寸法は前記働き長さの水平投影寸法の整数倍だが、前記整数倍の倍率が大きい場合、屋根端部の規格化した形状のカバー屋根材の種類が増えてしまうが、適切な働き幅寸法のカバー調整屋根材を入れることで屋根端部の規格化した形状のカバー屋根材種類が増えるのを抑えることが出来る。
本発明の第5の実施の形態は、第1から第4のいずれか実施の形態による長尺横葺きモジュール屋根材の屋根材配置方法において、前記カバー調整屋根材は複数種類の働き幅寸法を設け、異なる種類の働き幅寸法を有する前記カバー調整屋根材を組み合わせて配置することで前記桁方向の寸法調整を行うものである。本実施の形態によれば、前記カバー調整屋根材の働き幅寸法の種類を減らすことが出来る。
本発明の第6の実施の形態は、第1から第5のいずれかの実施の形態による長尺横葺きモジュール屋根材の屋根材配置方法において、前記隅棟部に配置する前記規格化した形状のカバー屋根材の働き幅寸法は、前記カバー屋根材の働き長さの水平投影寸法の二倍とするものである。本実施の形態によれば、三又部に配置する三又規格化形状屋根材の種類を減らすことが出来る。
本発明の第7の実施の形態におけるリフォーム用長尺横葺きモジュール屋根材の屋根材配置方法に用いるカバー軒先部材は、第1から第6のいずれかの実施の形態による長尺横葺きモジュール屋根材の屋根材配置方法において、前記カバー軒先部材は、前記既存屋根材の軒先裏面を覆う既存屋根材裏面カバー部を有するものである。本実施の形態によれば、前記カバー軒先部材の既存屋根材裏面カバー部にて既存屋根材の裏面を覆うことで美観を向上させることが出来る。
また、台風や竜巻などの強風が吹いた時でも、カバー軒先部材の頭側に設けた既存屋根材裏面カバー部が既存屋根材の裏面と係合するため、屋根への固定力が増大し、カバー軒先部材の飛散を防ぐことが出来る。
以下本発明の実施例によるリフォーム用長尺横葺きモジュール屋根材の屋根材配置方法について説明する。
図1は実施例による寄棟屋根面におけるカバー屋根材2の屋根伏せ割付図及び流れ方向14の施工断面図である。
図1は勾配4を有する屋根3を備える建物の屋根3であって、既存屋根材1の上にカバー屋根材2を桁方向13に複数枚並べ、前記カバー屋根材2を段方向に複数段並べた、寄棟屋根面におけるカバー屋根材2の屋根伏せ割付図である。
図1(a)は、寄棟屋根の三角面にカバー屋根材2と屋根端部15に規格化形状屋根材16とカバー調整屋根材17と軒先5にカバー軒先部材6を割り付けた屋根伏せ割り付け図である。
図1(b)は、図1(a)の軒先5の中央部にA-A断面図の指示を記した軒先側における流れ方向14の施工断面図である。
図1(c)は、図1(a)の陸棟芯9にB-B断面図の指示を記した陸棟側における流れ方向14の施工断面図である。
建物の設計単位寸法Pは尺モジュールであり、設計単位寸法Pは910mmである。
カバー屋根材2の働き長さの水平投影寸法Lhは、建物の設計単位寸法Pの四分の一の227.5mmであり、カバー屋根材2の働き幅寸法Wは、働き長さの水平投影寸法Lhの8倍にあたる1820mmとする。
軒の出寸法18は600mmである。
桁方向13の軒桁間の寸法は9Pの8190mmであり、軒先5の桁寸法は軒の出寸法18の600mmを左右足すと8190+1200=9390mmとなる。
先ず、図1(a)寄棟屋根の三角面にカバー屋根材2と屋根端部15に規格化形状屋根材16とカバー調整屋根材17と軒先5にカバー軒先部材6を割り付けた屋根伏せ割り付け図における配置方法を説明する。
軒先5に既存屋根材1を覆うようにカバー軒先部材6を設ける。
カバー軒先部材6は、カバー屋根材2の流れ方向14における水平投影葺き始め位置7を設定するための水平投影葺き始め設定範囲Rhを有している。
水平投影葺き始め設定範囲Rhは227.5mmであり、前記カバー屋根材2の働き長さの水平投影寸法Lhとする。
前記カバー屋根材2の流れ方向14における軒先側の水平投影葺き始め位置7は、陸棟芯9を基準にして、水平投影棟際寸法MLhにカバー屋根材2の働き長さの水平投影寸法Lhの整数倍を加え、かつカバー軒先部材6の水平投影葺き始め設定範囲Rhの範囲内の位置とする。
具体的には、水平投影棟際寸法MLhは247.5mmであり、カバー屋根材2の働き長さの水平投影寸法Lhである227.5mmに端部隙間寸法21の20mmが足された寸法である。
屋根面の軒桁までの流れ長さの水平投影寸法が4.5Pの4095mm、軒の出寸法18が600mmであり、陸棟芯9から軒先5までの水平投影距離が4695mmとなる。
カバー軒先部材6の水平投影葺き始め設定範囲Rhが227.5mmなので、陸棟芯9から軒先5までの水平投影距離の4695mmから水平投影棟際寸法MLhの247.5mmを引き、カバー屋根材2の働き長さの水平投影寸法Lhの227.5mmで割り、小数点以下を切り捨てた整数値がカバー屋根材2の施工段数となる。
よって本実施例におけるカバー屋根材2の流れ方向14における軒先側の水平投影葺き始め位置7は、次の計算式により求めることが出来る。
(4695-247.5)÷227.5=19.549・・・
切り捨てて19段で計算。
4695-247.5-227.5×19=125mm
水平投影葺き始め位置7は軒先5から125mmの位置となり、カバー軒先部材6の水平投影葺き始め設定範囲Rhの範囲内の位置となる。
カバー屋根材2は、軒先5から125mmの位置を水平投影葺き始め位置7として1段目を配置する。
カバー屋根材2の配置方向は、屋根面の桁方向13に対して右の隅棟部15bから左の隅棟部15bに向かった方向とする。
隅棟部15bには隅棟規格化形状屋根材16bを配置する。
隅棟規格化形状屋根材16bの働き幅寸法は、カバー屋根材2の働き長さの水平投影寸法Lhの二倍にあたる455mmとする。
右の隅棟規格化形状屋根材16bと左の隅棟規格化形状屋根材16bの働き幅寸法は同じ455mmとする。
右側の隅棟規格化形状屋根材16bを右の隅棟部15bに配置し、その左隣にカバー屋根材2を配置し、順次左側の隅棟部15bに向かってカバー屋根材2を配置する。
軒先5から1段毎登るに際に、桁方向13に対して右側の隅棟部15bから左側の隅棟部15bに向かう方向でカバー屋根材2をカバー屋根材2の働き長さの水平投影寸法Lh分の227.5mmだけずらして配置する。
本実施例では桁方向13の寸法調整を行うために、カバー屋根材2の働き長さの水平投影寸法Lhの2倍の455mm、4倍の910mmの働き幅寸法を有したカバー調整屋根材17を2種類配置する。
軒先5の桁寸法が9390mmであり、軒先5から125mmの位置が水平投影葺き始め位置7なので、水平投影葺き始め位置7における桁方向13の寸法は左右で125mmずつマイナスになるため、9390-125×2=9140mmとなる。
ただし、隅棟10の芯からカバー屋根材2の葺き始めには桁方向13で20mm隙間を設ける。
これは、陸棟芯9と陸棟規格化形状屋根材16aの端部との隙間となる流れ方向14における端部隙間寸法21が20mmであることから、桁方向13における隅棟部15での端部隙間寸法21も20mmとなる。
カバー屋根材2の1段目は、桁方向の端部隙間寸法21が左右に20mmあり、続いて働き幅455mmの隅棟規格化形状屋根材16bが左右にある。
カバー屋根材2の1段目は、水平投影葺き始め位置7における桁方向13の寸法が9140mmであり、桁方向13の端部隙間寸法21が左右で40mm、隅棟規格化形状屋根材16bが左右で910mm、カバー屋根材2の働き幅寸法Wの1820mmで割ると4.5枚となる。
(9140-40-910)÷1820=4.5枚
つまり、カバー屋根材2が4枚入り、残りの桁方向13の寸法が1820mm×0.5枚=910mmとなり、働き幅寸法が910mmのカバー調整屋根材17を入れることで規格形状屋根材16により屋根3を納めることが出来る。
2段目は1段目と比較して、桁方向13の寸法は片側でカバー屋根材2の働き長さの水平投影寸法Lh分だけ短くなり、両側ではカバー屋根材2の働き長さの水平投影寸法Lhの2倍の寸法だけ短くなる。
カバー屋根材2の働き長さの水平投影寸法Lhは227.5mmなので、2倍の455mm分だけ桁方向13の寸法が短くなる。
よって、2段目の桁方向13の寸法調整に用いるカバー調整屋根材17は働き幅寸法が455mmのものを配置することになる。
3段目以降も同様に桁方向13の寸法が1段登るごとに455mm短くなり、カバー調整屋根材17によって桁方向13の寸法を調整する。
3段目は455mmのカバー調整屋根材17を入れないことにより桁方向13の寸法を調整する。
4段目はカバー調整屋根材17の働き幅寸法が1820-455=1365mmになるが、実施例では455mmのカバー調整屋根材17と910mmのカバー調整屋根材を合わせて入れることで1365mmの働き幅として桁方向13の寸法を調整する。
以後1段目から4段目と同じカバー調整屋根材17の配置の仕方で納めることが出来る。
19段目はカバー屋根材2もカバー調整屋根材17も配置せず、左右の隅棟規格化形状屋根材16bだけを配置する。
最上段の20段目の三又部15eは、三又規格化形状屋根材16eを配置する。
図1(b)は、図1(a)の軒先5の中央部にA-A断面図の指示を記した軒先側における流れ方向の施工断面図である。
屋根3には、既存屋根材1が施工されていて、カバー屋根材2は既存屋根材1の上を覆う形で配置する。
既存屋根材1の上にカバー屋根材2を施工するカバー工法の場合は、既存屋根材1の上に下葺き材22を施工し、その上からカバー屋根材2を施工する施工仕様が一般的である。
実施例では、既存屋根材1はJIS A 5423の住宅屋根用化粧スレートをあらわしている。
この住宅屋根用化粧スレートは西暦2000年以前の日本における商品ではアスベストが含有されている製品仕様のものが多く、葺き替えするにはアスベストの飛散防止策が必要となる。
そのため既存屋根材1の上からカバー屋根材2として軽量な金属屋根材を重ね葺きする施工方法はリフォーム時のアスベスト飛散防止にもつながり、近年リフォーム市場においてニーズが高まっている。
既存屋根材1は、雨水の伝わりを考慮して野地から20から60mm程度、屋根材先端を出して施工する。
軒先5に使用するカバー軒先部材6は、既存屋根材1の表面から裏面までを覆う形状となっている。
カバー軒先部材6は、既存屋根材1の軒先裏面を覆う既存屋根材裏面カバー部8を有している。
実施例のカバー軒先部材6では、既存屋根材1の軒先裏面を覆う部分はコの字状の形状になっていて、既存屋根材裏面カバー部8は既存屋根材1の裏面とほぼ平行になり、既存屋根材1を飲み込むようにして設置する。
カバー軒先部材6はカバー屋根材2の流れ方向14における水平投影葺き始め位置7を設定するための水平投影葺き始め設定範囲Rhを有している。
実施例では、水平投影葺き始め設定範囲Rhは、カバー屋根材2の働き長さの水平投影寸法Lhの227.5mmであり、カバー屋根材2の流れ方向14における水平投影葺き始め位置7は125mmである。
リフォームにおいては軒の出寸法18が建物の設計単位寸法Pを考慮せずに決めるため、カバー軒先部材6の水平投影葺き始め設定範囲RHの範囲内で建物の設計単位寸法Pとカバー屋根材2の働き長さの水平投影寸法Lhが関連するようにカバー屋根材2の葺き始め位置を調整する。
屋根勾配4は、4寸勾配であり水平投影寸法に対して流れ寸法の勾配伸び率は1.077となり、カバー屋根材2の軒先5からの屋根面における葺き始め位置は、125mmに4寸勾配の勾配伸び率1.077を掛けることで求めることが出来る。
図示しているように屋根面における葺き始め位置は、134.6mmとなる。
カバー屋根材2の屋根面における働き長さ寸法Lは、働き長さの水平投影寸法Lhの227.5mmに4寸勾配の勾配伸び率1.077を掛けた寸法の245mmとなる。
図1(c)は、図1(a)の陸棟芯9にB-B断面図の指示を記した陸棟側における流れ方向の施工断面図である。
陸棟部15aでは、陸棟規格化形状屋根材16aを配置する。
実施例では、陸棟芯9と陸棟規格化形状屋根16aの端部との端部隙間寸法21は水平投影寸法で20mmとしている。
陸棟芯9から陸棟規格化形状屋根16aまでの水平投影寸法を水平投影棟際寸法MLhとする。水平投影棟際寸法MLhはカバー屋根材2の働き長さの水平投影寸法Lhに端部隙間寸法21を足した寸法なので227.5mm+20mm=247.5mmとなる。
屋根面での寸法は4寸勾配の勾配伸び率1.077を掛けた寸法の266.6mmとなる。
図2は実施例による軒先部における流れ方向14の施工断面図である。
図2(a)は、カバー軒先部材6の水平投影葺き始め設定範囲Rhにおいて、カバー屋根材2の流れ方向14における水平投影葺き始め位置7が最小の軒先納まりを表した施工断面図である。
水平投影葺き始め位置7における軒先5からの距離は0である。
図2(b)は、カバー軒先部材6の水平投影葺き始め設定範囲Rhにおいて、カバー屋根材2の流れ方向14における水平投影葺き始め位置7が軒先5から125mmの際の軒先納まりを表した施工断面図であり、図1(b)の軒先部における流れ方向14の施工断面図を拡大した図である。
図2(c)は、カバー軒先部材6の水平投影葺き始め設定範囲Rhにおいて、カバー屋根材2の流れ方向14における水平投影葺き始め位置7が最大の軒先納まりを表した施工断面図である。
水平投影葺き始め位置7における軒先5からの距離は227.5mmである。
建物の設計単位寸法Pは尺モジュールであり、設計単位寸法Pは910mm、カバー屋根材2の働き長さの水平投影寸法Lhは、建物の設計単位寸法Pの四分の一の227.5mm、勾配4は4寸勾配であり、図1(b)と同様な軒先5の納まりを表している。
屋根勾配4は、4寸勾配であり水平投影寸法に対して流れ寸法の勾配伸び率は1.077となり、カバー屋根材2の軒先5からの屋根面における葺き始め位置は、水平投影葺き始め位置7に4寸勾配の勾配伸び率1.077を掛けることで求めることが出来る。
カバー屋根材2の軒先5からの屋根面における葺き始め位置は、図2(a)は0、図2(b)は134.6mm、図2(c)は245mmとなる。
カバー屋根材2の屋根面における働き長さ寸法Lは、働き長さの水平投影寸法Lhの227.5mmに4寸勾配の勾配伸び率1.077を掛けた寸法の245mmとなる。
屋根面における葺き始め設定範囲Rは、水平投影葺き始め設定範囲Rhに4寸勾配の勾配伸び率1.077を掛けて算出するので働き長さ寸法Lと同じ245mmとなる。
既存屋根材1の上には下葺き材22を施工する。
カバー軒先部材6は、既存屋根材1の先端を覆うように係合させ、尻側に留め付け材28で屋根下地に留め付ける。
カバー軒先部材6は、頭側における既存屋根材1への係合と尻側における留め付け材28の屋根下地材への留め付けでしっかりと屋根3へ固定することが出来る。
カバー屋根材2は、水平投影葺き始め位置7より施工する。
1段目のカバー屋根材2は、頭側係合部24は屋根下地に固定した係合部と係合させ、尻側係合部25は屋根下地に尻側留め付け材28で屋根下地に固定する。
2段目以降は、下段の尻側係合部25と上段の頭側係合部24を係合させ、尻側係合部25は屋根下地に尻側留め付け材28で屋根下地に固定することで屋根3へしっかりと固定することが出来る。
実施例のカバー屋根材2は、頭見附部23を所定の寸法で設けることで頭側係合部24と尻側係合部25の係合構造を流れ方向の製品重なり内に設けることが出来る。
図3は実施例による寄棟切妻混合屋根のカバー屋根材2の割付図である。
図3(a)は上屋におけるカバー屋根材2の割付図である。
図3(b)は下屋におけるカバー屋根材2の割付図である。
建物の設計単位寸法Pは尺モジュールであり、設計単位寸法Pは910mmである。
カバー屋根材2の働き長さの水平投影寸法Lhは、建物の設計単位寸法Pの四分の一の227.5mmであり、カバー屋根材2の働き幅寸法Wは、働き長さの水平投影寸法Lhの8倍にあたる1820mmとする。
軒の出寸法18は600mm、破風の出寸法は910mmである。
図3(a)の上屋における割付方法について記載する。
軒先5に既存屋根材1を覆うようにカバー軒先部材6を設ける。
カバー軒先部材6は、カバー屋根材2の流れ方向14における水平投影葺き始め位置7を設定するための水平投影葺き始め設定範囲Rhを有している。
水平投影葺き始め設定範囲Rhは227.5mmであり、前記カバー屋根材2の働き長さの水平投影寸法Lhとする。
前記カバー屋根材2の流れ方向14における軒先側の水平投影葺き始め位置7は、陸棟芯9を基準にして、水平投影棟際寸法MLhにカバー屋根材2の働き長さの水平投影寸法Lhの整数倍を加え、かつカバー軒先部材6の水平投影葺き始め設定範囲Rhの範囲内の位置とする。
図示はしていないが、本実施例の水平投影棟際寸法MLhは227.5mmであり、カバー屋根材2の働き長さの水平投影寸法Lhである227.5mmと同一寸法である。
つまり、陸棟部15aにおける端部隙間寸法21は0mmとなる。
2本の陸棟12は曲がり部15gでつながっているので、上屋の5つの屋根面は軒桁までの流れ長さの水平投影寸法及び陸棟芯9から軒先5までの流れ長さの水平投影寸法が同一となる。
屋根面の軒桁までの流れ長さの水平投影寸法は3Pの2730mm、軒の出寸法18が600mmであり、陸棟芯9から軒先5までの水平投影寸法が3330mmとなる。
カバー軒先部材6の水平投影葺き始め設定範囲Rhが227.5mmなので、陸棟芯9から軒先5までの水平投影寸法の3330mmから水平投影棟際寸法MLhの227.5mmを引き、カバー屋根材2の働き長さの水平投影寸法Lhの227.5mmで割り、小数点以下を切り捨てた整数値がカバー屋根材2の施工段数となる。
よって本実施例におけるカバー屋根材2の流れ方向14における軒先側の水平投影葺き始め位置7は、次の計算式により求めることが出来る。
(3330-227.5)÷227.5=13.637・・・
切り捨てて13段で計算。
3330-227.5-227.5×13=145mm
水平投影葺き始め位置7は軒先5から145mmの位置となり、カバー軒先部材6の水平投影葺き始め設定範囲Rhの範囲内の位置となる。
図3(a)寄棟切妻混合屋根の台形面にカバー屋根材2と屋根端部15に規格化形状屋根材16とカバー調整屋根材17と軒先5にカバー軒先部材6を割り付けた屋根伏せ割り付け図における配置方法を説明する。
カバー屋根材2は、軒先5から145mmの位置を水平投影葺き始め位置7として1段目を配置する。
カバー屋根材2の配置方向は、屋根面の桁方向13に対して右の隅棟部15bから左の隅棟部15bに向かった方向とする。
隅棟部15bには隅棟規格化形状屋根材16bを配置する。
隅棟規格化形状屋根材16bの働き幅寸法は、カバー屋根材2の働き長さの水平投影寸法Lhの二倍にあたる455mmとする。
右の隅棟規格化形状屋根材16bと左の隅棟規格化形状屋根材16bの働き幅寸法は同じ455mmとする。
右側の隅棟規格化形状屋根材16bを右の隅棟部15bに配置し、その左隣にカバー屋根材2を配置し、順次左側の隅棟部15bに向かってカバー屋根材2を配置する。
軒先5から1段毎登るに際に、桁方向13に対して右側の隅棟部15bから左側の隅棟部15bに向かう方向でカバー屋根材2をカバー屋根材2の働き長さの水平投影寸法Lh分の227.5mmだけずらして配置する。
桁方向13の寸法調整を行うために、カバー屋根材2の働き長さの水平投影寸法Lhの2倍の455mm、4倍の910mmの働き幅寸法を有したカバー調整屋根材17を2種類配置する。
軒先5の桁寸法が9100mmに左右の軒の出寸法18の600mmずつを足した10300mmであり、軒先5から145mmの位置が水平投影葺き始め位置7なので、水平投影葺き始め位置7における桁方向13の寸法は左右で145mmずつマイナスになるため、10300-145×2=10010mmとなる。
カバー屋根材2の1段目は、水平投影葺き始め位置7における桁方向13の寸法が10010mmであり、隅棟規格化形状屋根材16bが左右で910mm、カバー屋根材2の働き幅寸法Wの1820mmで割ると5枚となる。
(10010-910)÷1820=5枚
つまり、隅棟規格化形状屋根材16bを左右1枚ずつにカバー屋根材2が5枚を入れることで規格形状屋根材16により屋根3を納めることが出来る。
2段目は1段目と比較して、桁方向13の寸法は片側でカバー屋根材2の働き長さの水平投影寸法Lh分だけ短くなり、両側ではカバー屋根材2の働き長さの水平投影寸法Lhの2倍の寸法だけ短くなる。
カバー屋根材2の働き長さの水平投影寸法Lhは227.5mmなので、2倍の455mm分だけ桁方向13の寸法が短くなる。
よって、2段目の桁方向13の寸法調整に用いるカバー調整屋根材17の働き幅寸法が1820-455=1365mmになるが、本実施例では455mmのカバー調整屋根材17と910mmのカバー調整屋根材を合わせて入れることで1365mmの働き幅として桁方向13の寸法を調整する。
3段目以降も同様に桁方向13の寸法が1段登るごとに455mm短くなり、働き幅寸法が910mmのカバー調整屋根材17によって桁方向13の寸法を調整する。
4段目は働き幅寸法が455mmのカバー調整屋根材17によって桁方向13の寸法を調整する。
5段目以降は、1段目から4段目と同じカバー調整屋根材17の配置の仕方で納めることが出来る。
最上段の14段目は、三又部15eに三又規格化形状屋根材16e、陸棟部15aに陸棟規格化形状屋根16aを配置する。
なお、14段目の葺き仕舞いは、2段目の桁方向13の寸法調整と同じ1365mmの桁方向13における寸法調整となるため、働き幅が455mmと910mmのカバー調整屋根材17がベースとなった陸棟規格化形状屋根16aを配置して納める。
図3(a)の左側の屋根面は、桁方向13からみて右側に隅棟部15bがあり、左側にケラバ部15cがある寄棟切妻混合屋根の屋根面である。
この屋根面では、隅棟10は右側にしかないため、1段目と2段目の桁方向13の寸法差はカバー屋根材2の働き長さの水平投影寸法Lhの1倍となる。
片側にしか隅棟10が存在しない屋根面においてはカバー調整屋根材17の働き幅寸法は、カバー屋根材2の働き長さの水平投影寸法Lhの1倍以上の整数倍となる。
片側に隅棟部15bがあり、もう一方にケラバ部15cがあり、カバー屋根材2の働き幅寸法Wがカバー屋根材2の働き長さの水平投影寸法Lhの8倍である図3(a)の屋根面の場合では、ケラバ規格化屋根材16cがカバー屋根材2の働き長さの水平投影寸法Lhの1倍から8倍の8種類が必要となる。
しかし、本実施例ではカバー屋根材2の働き長さの水平投影寸法Lhの1倍の227.5mmと2倍の455mmと4倍の910mmと1820mmの4種類の働き幅寸法を持つケラバ規格化屋根材16c又はカバー調整屋根材17を組み合わせることで、227.5mmずつ変化する8種類の桁方向13の寸法調整を行っている。
隅棟部15bとケラバ部15cを有する屋根面は、軒先5から陸棟12に向かって1段登るに際に、桁方向13に対して隅棟部15bからケラバ部15cに向かう方向にカバー屋根材2をカバー屋根材2の働き長さの水平投影寸法Lh分の227.5mmだけずらして配置する。
1段目は桁方向13に対して右側の隅棟部15bに、台形面と同様の隅棟規格化形状屋根材16bを配置し、隅棟規格化形状屋根材16bの左方向に順次カバー屋根材2を配置し、ケラバ部15cには働き幅寸法が910mmのケラバ規格化形状屋根材16cを配置する。
2段目は隅棟規格化形状屋根材16b及びカバー屋根材2を配置し、ケラバ部15cに働き幅寸法が227.5mmのケラバ規格化屋根材16cと働き幅寸法が455mmのカバー調整屋根材17を配置する。
3段目は隅棟規格化形状屋根材16b及びカバー屋根材2を配置し、ケラバ部15cに働き幅寸法が455mmのケラバ規格化屋根材16cを配置する。
4段目は隅棟規格化形状屋根材16b及びカバー屋根材2を配置し、ケラバ部15cに働き幅寸法が227.5mmのケラバ規格化屋根材16cを配置する。
5段目は隅棟規格化形状屋根材16b及びカバー屋根材2を配置し、ケラバ部15cに働き幅寸法が1820mmのケラバ規格化屋根材16cを配置する。
6段目は隅棟規格化形状屋根材16b及びカバー屋根材2を配置し、ケラバ部15cに働き幅寸法が227.5mmのケラバ規格化屋根材16cと働き幅寸法が455mmと910mmのカバー調整屋根材17を配置する。
7段目は隅棟規格化形状屋根材16b及びカバー屋根材2を配置し、ケラバ部15cに働き幅寸法が455mmのケラバ規格化屋根材16cと働き幅寸法が910mmのカバー調整屋根材17を配置する。
8段目は隅棟規格化形状屋根材16b及びカバー屋根材2を配置し、ケラバ部15cに働き幅寸法が227.5mmのケラバ規格化屋根材16cと働き幅寸法が910mmのカバー調整屋根材17を配置する。
9段目以降は1段目から8段目までの配置方法の繰り返しとなる。
図3(a)の台形面の右側に位置する三角面は台形面と基本的には同様なカバー屋根材2の配置になる。
ただし、13段目と14段目は台形面と異なり、13段目は隅棟規格化形状屋根材16bが配置され、14段目は三又部15eに三又規格化形状屋根材16eが配置される。
図3(a)の台形面の陸棟12の反対側に位置する平行四辺形面は隅棟10と谷11が平行に位置している。
平行四辺形面のカバー屋根材2と規格化形状屋根材16の配置方法は、隅棟部15bに台形面と同様の隅棟規格化形状屋根材16bを配置し、谷部15fに谷規格化形状屋根材16fを配置し、その間にカバー屋根材2と働き幅寸法が910mmのカバー調整屋根材17を配置する。
軒先5から陸棟12に向かって1段登るに際に、桁方向13に対して隅棟部15bから谷部15fに向かう方向にカバー屋根材2をカバー屋根材2の働き長さの水平投影寸法Lh分の227.5mmだけずらして配置する。
図3(a)の台形面の上側に位置する谷部15fとケラバ部15cを有する屋根面は、軒先5から陸棟12に向かって1段登るに際に、桁方向13に対してケラバ部15cから谷部15fに向かう方向にカバー屋根材2をカバー屋根材2の働き長さの水平投影寸法Lh分の227.5mmだけずらして配置する。
1段目は桁方向13に対して左側の谷部15fに谷規格化形状屋根材16fを配置し、谷規格化形状屋根材16fの右方向にカバー屋根材2を配置する。
2段目は谷規格化形状屋根材16f及びカバー屋根材2を配置し、ケラバ部15cに働き幅寸法が227.5mmのケラバ規格化屋根材16cを配置する。
3段目は谷規格化形状屋根材16f及びカバー屋根材2を配置し、ケラバ部15cに働き幅寸法が455mmのケラバ規格化屋根材16cを配置する。
4段目は谷規格化形状屋根材16f及びカバー屋根材2を配置し、ケラバ部15cに働き幅寸法が227.5mmのケラバ規格化屋根材16cと455mmのカバー調整屋根材17を配置する。
5段目は谷規格化形状屋根材16f及びカバー屋根材2を配置し、ケラバ部15cに働き幅寸法が910mmのケラバ規格化屋根材16cを配置する。
6段目は谷規格化形状屋根材16f及びカバー屋根材2を配置し、ケラバ部15cに働き幅寸法が227.5mmのケラバ規格化屋根材16cと910mmのカバー調整屋根材17を配置する。
7段目は谷規格化形状屋根材16f及びカバー屋根材2を配置し、ケラバ部15cに働き幅寸法が455mmのケラバ規格化屋根材16cと910mmのカバー調整屋根材17を配置する。
8段目は谷規格化形状屋根材16f及びカバー屋根材2を配置し、ケラバ部15cに働き幅寸法が227.5mmのケラバ規格化屋根材16cと455mmと910mmのカバー調整屋根材17を配置する。
9段目以降は1段目から8段目までの配置方法の繰り返しとなる。
図3(b)は、寄棟切妻混合屋根の下屋の屋根割り付け図であり、基本的には図3(a)の割り付けと同じルールにて配置している。
下屋における特徴的な納まりは屋根面の頂部が建物の壁と接する壁際部15dである。
壁際部15dにおけるカバー屋根材2の配置方法についてだが、桁方向13と平行な壁際部15dについては陸棟部15aと同様の納まりとなり、壁の厚みや納まりにより例外はあるが基本的には陸棟規格化形状屋根材15aが壁際規格化形状屋根材15dとして共用できる。
桁方向13と平行な壁際部15dは平行壁際という名称で呼ばれる。
また、流れ方向14と平行な壁際部15dについてはケラバ部15cと同様の納まりとなり、壁の厚みや納まりにより例外はあるが基本的にはケラバ規格化形状屋根材15cが壁際規格化形状屋根材15dとして共用できる。
流れ方向14と平行な壁際部15dは流れ壁という名称で呼ばれる。
なお、カバー屋根材2の流れ方向14における前記水平投影葺き始め位置7は、陸棟芯9を基準とすると記載しているが、流れ方向14の最上段が陸棟部15aではなく壁際部15dの場合は、陸棟芯9を壁芯に置き換え、かつ水平投影棟際寸法MLhを水平投影壁際寸法に置き換えることで壁際部15dの場合においても同様の作用効果を得ることが出来る。
図4は実施例によるカバー軒先部材6の投影図である。三面図として形状を表している。
図4(a)はカバー軒先部材6を正面図、平面図、右側面図の三面図であらわした製品図面である。
カバー軒先部材6の全幅寸法は1870mmで、図示はしていないが横重なり寸法20を50mm程度とするので、働き幅寸法は1820mmとしている。
全長さ寸法は302mmとする。
軒先側に既存屋根材裏面カバー部8を設け、既存屋根材1の軒先裏面を覆うことができる。
既存屋根材1が軒先5で重なって施工されるため、既存屋根材1の重なり厚み寸法以上の頭見附部23の寸法としている。
実施例では、6mmの既存屋根材1が2枚重なった厚み寸法以上の頭見附部23の寸法が必要であり、頭見附部23の厚み寸法は19mmとしている。
既存屋根材裏面カバー部8をコの字形状にすることで施工が容易に行える。
また、施工後の強風時にも、コの字形状で既存屋根材1の裏面と係合することで耐風性能を発揮することが出来る。
図4(b)は図4(a)を約2.7倍に拡大した三面図であり、正面図と平面図は省略線により省略して記載している。
平面図と右側面図には、勾配4が4寸勾配の時の働き長さ寸法とカバー屋根材2の葺き始めを行う範囲である葺き始め設定範囲Rを記載している。
葺き始め設定範囲Rを平面図上に点線であらわしているが、この葺き始め設定範囲Rは屋根3の勾配4が変わることで変化する相対的な範囲であり、実際に形状として製品に表されてはいない。
例えば勾配4が3寸勾配であれば、働き長さ寸法と葺き始め設定範囲Rは3寸勾配の勾配伸び率により変化する。
3寸勾配の勾配伸び率は1.044なので働き長さの水平投影寸法Lh227.5mmに1.044を掛け働き長さ寸法と葺き始め設定範囲Rは237.5mmとなる。
カバー軒先部材6の尻端部には尻端部折り曲げ26を設ける。
尻端部折り曲げ26は、180度で折り返すことにより雨水の浸入を防ぎながら、厚みを出さないことでカバー屋根材2を施工する際にもカバー屋根材2と干渉することがない。
カバー軒先部材6の既存屋根材裏面カバー部8は、頭見附部23を17mm、裏面カバー部の20mmを2mmのテーパーとすることで、既存屋根材1の厚みが水和膨張などの経年変化により厚みが増した場合においても、既存屋根材裏面カバー部8を差し込みやすく、かつ既存屋根材裏面カバー部8と既存屋根材1とのクリアランスを少なくすることが出来る。
図5は実施例によるカバー軒先部材6の斜視図であり、図4の三面図の形状を斜視図にしている。
図5(a)はカバー軒先部材6を頭見附部23側の上面方向から見た斜視図である。
図5(b)はカバー軒先部材6を右側面の上面方向から見た斜視図である。
図6は実施例によるカバー屋根材2の投影図及び施工断面図である。
図6の製品における製品設計モジュールは尺モジュールであり、建物の設計単位寸法Pも尺モジュールであり、1P=910mmである。
図6(a)はカバー屋根材2を6面図であらわしている。
図6(b)は図6(a)を拡大して幅方向を省略線で省略した3面図である。
図6(c)は図6(b)を更に拡大して上下段の施工状態をあらわした施工断面図である。
図6(a)の実施例の製品は、建物の勾配4を有する屋根3で既存屋根材1の上に段葺きで葺かれるカバー屋根材2である。
尻側係合部25はカバー屋根材2の本体と別パーツになっており、アセンブリされた状態の図面である。
カバー屋根材2の働き長さの水平投影寸法Lhは建物の設計単位寸法Pである910mmの四分の一であり、227.5mmである。
図6の製品は、勾配4を4寸勾配で設定した寸法であり、働き長さ寸法Lは働き長さの水平投影寸法Lhに4寸勾配の勾配伸び率を掛けた寸法である。
4寸勾配の勾配伸び率である1.077を227.5mmに掛けると働き長さ寸法Lは245mmとなる。
カバー屋根材2の働き幅寸法Wは1820mmであり、カバー屋根材2の働き長さの水平投影寸法Lhである227.5mmの8倍の関係である。
カバー屋根材2は本体と尻側係合部25のパーツで構成され、本体の頭側に頭側係合部24を設けた構成になっている。
さらに本体の尻側6に尻側係合部25のパーツを設け、前記尻側係合部25のパーツは、尻側に設けた尻端部折り曲げ26と合わせた位置に設けた構成となっている。
カバー屋根材2の全長さLは285mmであり、流れ重なり寸法19は40mmである。
カバー屋根材2の全幅WAは1900mmであり、横重なり寸法20は80mmである。
尻側係合部25のパーツの全幅WAは1820mmであり、カバー屋根材2の働き幅Wと同一寸法である。
前記尻側係合部25のパーツは、平面図での本体右端と尻側係合部25のパーツ右端を合わせた位置に設けるので本体の左端と尻側係合部25のパーツの左端との間に横重なり寸法20の80mmが存在する。
正面図では、頭側係合部24の右端下端部を横重なり寸法20である80mmと同寸法の頭側切り欠き部が存在する。
カバー屋根材2の尻側に本体の一方の側端から他方の側端まで連続して一定高さを有した尻端部折り曲げ26を設ける。
実施例では、本体の尻側端部に垂直に立ち上げた尻端部折り曲げ26を頭側からみて右側端から左側端まで連続して一定高さで設ける。
製品の裏面には、裏面断熱バックアップ材を設ける。
裏面断熱バックアップ材は全幅WAが1820mmであり、平面図での本体左端と裏面断熱バックアップ材の左端を合わせた位置に設けるので、横重なり寸法20である80mmの範囲は横隣のカバー屋根材2が重なるため裏面断熱バックアップ材は存在しない。
図6(b)は図6(a)を拡大して幅方向を省略線で省略した3面図であり、カバー屋根材2の正面図、平面図、右側面図である。
正面図での右側には頭側切り欠き部を設ける。
頭側切り欠き部の側端は、横葺きする際の位置決め基準として機能する。
右側面図では、本体の裏面に設けた裏面断熱バックアップ材は尻側から頭側に向かって厚みを増しているが、この厚みを増す角度はカバー屋根材2の屋根に施工した際のカバー屋根材2の戻り勾配とほぼ同じ角度になっていて、施工の際には裏面断熱バックアップ材でカバー屋根材2と屋根下地との間の空間を埋めることが出来るので、施工の際に荷重がかかっても変形しにくい。
図6(c)は図6(b)を更に拡大して上下段の施工状態をあらわした施工断面図であり、段葺きの際に上段の頭側係合部24と下段の尻側係合部25のパーツを留め付け材28で固定する施工状況をあらわしている。
本体の尻側に設けた尻側係合部25のパーツは、尻側に設けた尻端部折り曲げ26と合わせた位置に設けた構成となっている。
尻側係合部25のパーツは、Z形状の断面形状である。
この尻側係合部25は、カバー屋根材2の働き長さ寸法Lを可変させる機能を有し、段葺きの際に上段の頭側係合部24と下段の尻側係合部25を当て止めさせることでカバー屋根材2の働き長さ寸法Lを決定する。
尻側係合部25のパーツは、勾配4ごとに長さを設定することで本体の寸法を変えることなく勾配4ごとの働き長さ寸法Lを設定することが出来る。
本体の尻側で尻側係合部25のパーツを留め付け材28で共打ちすることで屋根下地に固定する。
尻側係合部25のパーツを固定する工程で本体を同時に固定するため施工手間を省くことが出来る。
実施例の本体は、表面に塗装を施した塗装溶融55%アルミニウム-亜鉛合金めっき鋼板の基材厚み寸法で0.35mm~0.6mm程度の薄板鋼板が好ましい。
実施例の尻側係合部25のパーツの材質はアルミニウムで厚さ1.5mmの押出成形品としているが、本体と同じ塗装溶融55%アルミニウム-亜鉛合金めっき鋼板の薄板を使用しても良い。
薄板鋼板を用いる場合は、基材の厚みを厚くするとか、二重折りで製作するなどの耐風強度を上げるための工夫が必要となる。
図7は図6の実施例によるカバー屋根材2の斜視図である。
図7(a)は製品全体を上面側から見た斜視図である。
尻側係合部25のパーツは、留め付け材28で留め付けるための穴加工を施している。
尻側係合部25のパーツに留め付け材28固定用の穴をあらかじめ設けておくことで、留め付けピッチ、留め付け本数などを現場で確実に実施することが出来る。
留め付け材28で本体の尻側と尻側係合部25のパーツを共打ち固定することで固定強度が向上し、かつ施工性が向上する。
図7(b)は本体の頭側を拡大した斜視図である。
頭側係合部24は頭見附部23から連続しており曲げ加工し製作する。
頭側係合部24の先端部に折り返しを設ける。
折り返しは潰し形状とせずにR形状で加工することにより尻側係合部25のパーツとの連結時に面で固定できる。また、潰し形状とせずにR形状とすることで塗膜層やメッキ層のクラック防止にも役立つ。
図2(c)は本体と尻側係合部25のパーツがアセンブリされている尻部を拡大した斜視図である。
本体の尻側端部を立ち上げた尻端部折り曲げ26を水返しとしての防水機能と同時に働き長さの位置決め基準としての位置決め機能としても利用している。
尻端部折り曲げ26の立ち上がり部と尻側係合部25のパーツを当て止めすることで、施工現場で測定などをすることなく簡易に位置決めをすることが出来る。
尻側係合部25のパーツの長さを勾配4ごとに設定することで、本体は1種類で複数種類の勾配4に適した働き長さ寸法Lにすることが出来る。
図8は図1の実施例による規格化形状屋根材16及びカバー調整屋根材17の斜視図である。
図8(a)は軒先5から見て左の隅棟部15bに配置する隅棟左規格化形状屋根材16bである。
右隣りの屋根材に横重なり部で上から被さるので、頭側切り欠き部を有している。
働き幅寸法は、カバー屋根材2の働き長さの水平投影寸法Lhの二倍の455mmであり、全幅寸法も働き幅寸法と同じ寸法である。
頭側には頭見附部23、尻端部には尻端部折り曲げ26を設ける。
図8(b)は軒先5から見て右の隅棟部15bに配置する隅棟右規格化形状屋根材16bである。
左隣りの屋根材に横重なり部で下に重なるので、横重なり寸法20分だけ全幅寸法が働き幅寸法より長い。
働き幅寸法は、カバー屋根材2の働き長さの水平投影寸法Lhの二倍の455mmであり、全幅寸法は横重なり寸法20である80mmだけ長いため535mmとなる。
頭側には頭見附部23、尻端部には尻端部折り曲げ26を設ける。
図8(c)は寄棟三角屋根面の頂部の三又部15eに配置する三又規格化形状屋根材16eである。
働き幅寸法は、カバー屋根材2の働き長さの水平投影寸法Lhの二倍の455mmであり、全幅寸法も働き幅寸法と同じ寸法である。
頭側には頭見附部23を設ける。
図8(d)は桁方向13の寸法調整の際に配置するカバー調整屋根材17である。
図1(a)の実施例では桁方向13の寸法調整を行うカバー調整屋根材17は、働き長さの水平投影寸法Lhの2倍の455mm、4倍の910mmの働き幅寸法を有した2種類を示しているが、図8(d)の斜視図は働き幅寸法が455mmの製品のみを図示している。
右隣りの屋根材に横重なり部で上から被さるので、頭側切り欠き部を有し、左隣りの屋根材に横重なり部で下に重なるので、横重なり寸法20の分だけ全幅寸法が働き幅寸法より長い。
図示されている製品の働き幅寸法は455mmであり、全幅寸法は横重なり寸法20である80mmだけ長い535mmとなる。
頭側には頭見附部23、尻端部には尻端部折り曲げ26を設ける。
本発明は、実施例においては既存屋根材1を住宅屋根用化粧スレートとし、カバー屋根材2を金属製のリフォーム用長尺横葺きモジュール屋根材として記載したが、既存屋根材1及びカバー屋根材2は実施例における屋根材の素材に限定するものではない。
既存屋根材1及びカバー屋根材2の素材としては、セメント、セラミックス、アスファルト系素材、樹脂系素材などの屋根材に広く適用することが出来る。
また、建物の設計単位寸法Pは実施例では尺モジュールだけの記載だが、建物の設計単位寸法Pはメーターモジュールでもインチモジュールでも利用できる。
1 既存屋根材
2 カバー屋根材
3 屋根
4 勾配
5 軒先
6 カバー軒先部材
7 水平投影葺き始め位置
8 既存屋根材裏面カバー部
9 陸棟芯
10 隅棟
11 谷
12 陸棟
13 桁方向
14 流れ方向
15 屋根端部
15a 陸棟部
15b 隅棟部
15c ケラバ部
15d 壁際部
15e 三又部
15f 谷部
15g 曲がり部
16 規格化形状屋根材
16a 陸棟規格化形状屋根材
16b 隅棟規格化形状屋根材
16c ケラバ規格化形状屋根材
16d 壁際規格化形状屋根材
16e 三又規格化形状屋根材
16f 谷規格化形状屋根材
16g 曲がり規格化形状屋根材
17 カバー調整屋根材
18 軒の出寸法
19 流れ重なり寸法
20 横重なり寸法
21 端部隙間寸法
22 下葺き材
23 頭見附部
24 頭側係合部
25 尻側係合部
26 尻端部折り曲げ
27 横重なり部
28 留め付け材
Lh カバー屋根材の働き長さの水平投影寸法
L カバー屋根材の働き長さ寸法
W カバー屋根材の働き幅寸法
WA カバー屋根材の全幅寸法
Rh 水平投影葺き始め設定範囲
R 葺き始め設定範囲
MLh 水平投影棟際寸法
P 建物の設計単位寸法
本発明は、リフォーム用長尺横葺き屋根材の屋根への配置方法であり、勾配を有する屋根を備える建物の屋根であって、既存屋根材の上にカバー屋根材を桁方向に複数枚並べ、前記カバー屋根材を段方向に複数段並べる前記屋根において、前記カバー屋根材の働き長さの水平投影寸法が前記建物の設計単位寸法の整数分の一であり、前記カバー屋根材の働き幅寸法が前記働き長さの水平投影寸法の二倍以上の整数倍であり、前記屋根の軒先に既存屋根材を覆うカバー軒先部材を設け、前記カバー軒先部材は、前記カバー屋根材の流れ方向における水平投影葺き始め位置を設定するための水平投影葺き始め設定範囲を有し、前記水平投影葺き始め設定範囲は、前記カバー屋根材の働き長さの水平投影寸法とし、前記カバー屋根材の流れ方向における前記水平投影葺き始め位置は、陸棟芯を基準にして、水平投影棟際寸法に前記カバー屋根材の働き長さの水平投影寸法の整数倍を加え、かつ前記カバー軒先部材の前記水平投影葺き始め設定範囲の範囲内の位置とし、陸棟部、隅棟部、ケラバ部、壁際部、三又部、陸棟曲がり部、谷部などの屋根端部に規格化した形状のカバー屋根材を配置する。
従来技術の特許文献1には、特開平8-109708号の瓦及び瓦葺き方法がある。この特許文献では、主に新築の屋根において、専門の職人でなくとも簡単に葺くことのできる瓦及び瓦葺き方法を提供すること。又、葺くときや修理するときに瓦の上を歩き易く、雨水が漏れ難いし、美麗な瓦及び瓦葺き方法を提供する。モジュール長さを1辺とする正方形の瓦本体部と、この水上側の上方接続部と、一側の側方接続部とからなる桟瓦1と、瓦本体部と上方接続部と側方接続部と隅瓦接続部とからなる両桟瓦3と、瓦本体部の半分の半瓦本体部と上方接続部と側方接続部とからなる半瓦2と、半瓦本体部と上方接続部と側方接続部と隅瓦接続部とからなる両桟半瓦4と、瓦本体部の対角線で切断された谷瓦本体部と隅瓦接続部とからなる谷瓦5と、谷瓦本体部と上方接続部と側方接続部とからなる側方接続部付き谷瓦6と、瓦本体部が対角線で折曲された廻り隅瓦7とからなる瓦及びこの瓦の葺き方法という提案がされている。
特開特開平8-109708号公報
特許文献1では瓦本体部(はたらき面)は葺いたときの水平面への投影形状が建物の単位寸法の整数分の一(モジュール)にほぼ等しい長さを1辺とする正方形であるから、この瓦本体部を整数個並べて葺くと建物の単位寸法にほぼ合致する。そして、建物の柱は単位寸法に合わせて設けられ、谷や隅棟はこの柱を通過し、水平面への投影形状が壁面から45°傾斜した傾斜線に沿って設けられるから、瓦を隅棟と隅棟との間に葺く場合には、最初の瓦が瓦本体部であれば最後の瓦が瓦本体部になり、最初の瓦が半瓦本体部であれば最後の瓦が半瓦本体部となる。又、隅棟と谷との間に葺く場合には、谷部分に半瓦本体部の長さだけ開ける必要があるから、最初の瓦が瓦本体部(または半瓦本体部)であれば最後の瓦が半瓦本体部(または瓦本体部)となる。又、谷と谷との間に葺く場合には、両方の谷部分に半瓦本体部の長さだけ開けるから、最初の瓦が瓦本体部であれば最後の瓦が瓦本体部となり、最初の瓦が半瓦本体部であれば最後の瓦が半瓦本体部となる。このように、瓦の割り付けが極めて簡単に出来るという効果を発揮する。
しかし、特許文献1の屋根材は建物の単位寸法の整数分の一(モジュール)にほぼ等しい長さを1辺とする正方形形状であり、屋根面に割り付けるのに多くの屋根材を配置する必要があり、屋根材の施工に手間が掛かるという課題があった。
また、特許文献1は、屋根材を建物の単位寸法で割り付けるためには軒の出寸法を建物の単位寸法で設計する必要があり、既存の屋根を利用して既存の屋根材の上にカバー工法を行う場合には、建物の軒の出寸法を建物の単位寸法で作り直さなければ割付が出来ないという課題があった。
寄棟屋根の陸棟際の端部は三又部や陸棟曲がり部などの瓦の納まりがあるが、特許文献1では三又部や陸棟曲がり部と言った部位での専用の瓦の設定は無く、現場で職人が加工する必要があり、この部位での瓦の加工は難しく、現場での施工に手間が掛かるという課題があった。
瓦の配置方法においては流れ方向にて一段飛ばしで瓦本体と半瓦とを交互に配置するというルールが必要であり、瓦の割り付けにおいてもルールが煩雑で手間が掛かるという課題があった。
さらに、桟瓦だけでなく両桟瓦、半瓦、両桟半瓦、谷瓦、側方接続部付き谷瓦、廻り隅瓦といった多数の専用瓦の設定が必要であり、多品種小ロット生産方式でないと生産が出来ないことによる生産効率が悪いという課題と、多くの品目を在庫管理しなければならないことによる在庫負担の増大などという課題があった。
本発明のリフォーム用長尺横葺き屋根材の屋根への配置方法は、勾配を有する屋根を備える建物の屋根であって、既存屋根材の上にカバー屋根材を桁方向に複数枚並べ、前記カバー屋根材を段方向に複数段並べる前記屋根において、前記カバー屋根材の働き長さの水平投影寸法が前記建物の設計単位寸法の整数分の一であり、前記カバー屋根材の働き幅寸法が前記働き長さの水平投影寸法の二倍以上の整数倍であり、前記屋根の軒先に既存屋根材を覆うカバー軒先部材を設け、前記カバー軒先部材は、前記カバー屋根材の流れ方向における水平投影葺き始め位置を設定するための水平投影葺き始め設定範囲を有し、前記水平投影葺き始め設定範囲は、前記カバー屋根材の働き長さの水平投影寸法とし、前記カバー屋根材の流れ方向における前記水平投影葺き始め位置は、陸棟芯を基準にして、水平投影棟際寸法に前記カバー屋根材の働き長さの水平投影寸法の整数倍を加え、かつ前記カバー軒先部材の前記水平投影葺き始め設定範囲の範囲内の位置とし、陸棟部、隅棟部、ケラバ部、壁際部、三又部、陸棟曲がり部、谷部などの屋根端部に規格化した形状のカバー屋根材を配置することで、従来技術が有する課題を解決する。
請求項1記載の本発明のリフォーム用長尺横葺きモジュール屋根材の屋根材配置方法は、勾配を有する屋根を備える建物の屋根であって、既存屋根材の上にカバー屋根材を桁方向に複数枚並べ、前記カバー屋根材を段方向に複数段並べる前記屋根において、前記カバー屋根材の働き長さの水平投影寸法が前記建物の設計単位寸法の整数分の一であり、前記カバー屋根材の働き幅寸法が前記働き長さの水平投影寸法の二倍以上の整数倍であり、前記屋根の軒先に既存屋根材を覆うカバー軒先部材を設け、前記カバー軒先部材は、前記カバー屋根材の流れ方向における水平投影葺き始め位置を設定するための水平投影葺き始め設定範囲を有し、前記水平投影葺き始め設定範囲は、前記カバー屋根材の働き長さの水平投影寸法とし、前記カバー屋根材の流れ方向における前記水平投影葺き始め位置は、陸棟芯を基準にして、水平投影棟際寸法に前記カバー屋根材の働き長さの水平投影寸法の整数倍を加え、かつ前記カバー軒先部材の前記水平投影葺き始め設定範囲の範囲内の位置とし、陸棟部、隅棟部、ケラバ部、壁際部、三又部、陸棟曲がり部、谷部などの屋根端部に規格化した形状のカバー屋根材を配置することを特徴とする。
請求項2記載の本発明は、請求項1に記載のリフォーム用長尺横葺きモジュール屋根材の屋根材配置方法において、前記屋根は隅棟又は谷を有し、前記カバー屋根材を前記軒先から陸棟にむかって流れ方向で一段毎に配置する際に、前記カバー屋根材は配置する屋根面の桁方向に対して一方の端部からもう一方の端部方向に前記カバー屋根材の働き長さの水平投影寸法の整数倍をずらして配置することを特徴とする。
請求項3記載の本発明は、請求項1又は請求項2に記載のリフォーム用長尺横葺きモジュール屋根材の屋根材配置方法において、前記カバー屋根材を前記軒先から前記陸棟にむかって流れ方向で一段毎に配置する際に、前記カバー屋根材は配置する屋根面の桁方向に対して一方の端部からもう一方の端部方向に前記カバー屋根材の働き長さの水平投影寸法をずらして配置することを特徴とする。
請求項4記載の本発明は、請求項1から請求項3までのいずれか記載のリフォーム用長尺横葺きモジュール屋根材の屋根材配置方法において、前記屋根面における桁方向の寸法調整に用いるカバー調整屋根材の働き幅寸法は、前記カバー屋根材の働き長さの水平投影寸法の整数倍であり、前記カバー調整屋根材を前記カバー屋根材の代わりに配置することで働き幅寸法の差分により前記桁方向の寸法調整を行うことを特徴とする。
請求項5記載の本発明は、請求項1から請求項4までのいずれかに記載のリフォーム用長尺横葺きモジュール屋根材の屋根材配置方法において、前記カバー調整屋根材は複数種類の働き幅寸法を設け、異なる種類の働き幅寸法を有する前記カバー調整屋根材を組み合わせて配置することで前記桁方向の寸法調整を行うことを特徴とする。
請求項6記載の本発明は、請求項1から請求項5までのいずれか記載のリフォーム用長尺横葺きモジュール屋根材の屋根材配置方法において、前記隅棟部に配置する前記規格化した形状のカバー屋根材の働き幅寸法は、前記カバー屋根材の働き長さの水平投影寸法の二倍であることを特徴とする。
本発明によれば、勾配を有する屋根を備える建物の屋根であって、既存屋根材の上にカバー屋根材を桁方向に複数枚並べ、前記カバー屋根材を段方向に複数段並べる前記屋根において、前記カバー屋根材の働き長さの水平投影寸法が前記建物の設計単位寸法の整数分の一であり、前記カバー屋根材の働き幅寸法が前記働き長さの水平投影寸法の二倍以上の整数倍であり、前記屋根の軒先に既存屋根材を覆うカバー軒先部材を設け、前記カバー軒先部材は、前記カバー屋根材の流れ方向における水平投影葺き始め位置を設定するための水平投影葺き始め設定範囲を有し、前記水平投影葺き始め設定範囲は、前記カバー屋根材の働き長さの水平投影寸法とし、前記カバー屋根材の流れ方向における前記水平投影葺き始め位置は、陸棟芯を基準にして、水平投影棟際寸法に前記カバー屋根材の働き長さの水平投影寸法の整数倍を加え、かつ前記カバー軒先部材の前記水平投影葺き始め設定範囲の範囲内の位置とし、陸棟部、隅棟部、ケラバ部、壁際部、三又部、陸棟曲がり部、谷部などの屋根端部に規格化した形状のカバー屋根材を配置することで、軒の出寸法が前記建物の設計単位寸法で作られていない既存屋根材が葺かれている屋根においても、前記建物の設計単位寸法と連動したカバー屋根材の配置が可能となり、陸棟部、隅棟部、ケラバ部、壁際部、三又部、陸棟曲がり部、谷部など全ての屋根端部においてカバー屋根材の配置がルール化出来る。その結果全ての屋根端部において規格化した形状のカバー屋根材を設定し配置することが出来る。
また、前記カバー屋根材を長尺化することで横方向での施工枚数の減少により施工性を上げることが出来る。
さらに、規格化した形状のカバー屋根材は、前記カバー屋根材をプレカット加工により生産することが可能となり、高い生産性で生産することが出来る。
本発明の実施例による寄棟屋根面のカバー屋根材の割付図及び流れ方向の施工断面図 本発明の実施例による軒先部における流れ方向の施工断面図 本発明の実施例による寄棟切妻混合屋根のカバー屋根材の割付図 本発明の実施例によるカバー軒先部材の投影図 本発明の実施例によるカバー軒先部材の斜視図 本発明の実施例によるカバー屋根材の投影図及び施工断面図 本発明の実施例によるカバー屋根材の斜視図 本発明の実施例による規格化形状屋根材及びカバー調整屋根材の斜視図
本発明の第1の実施の形態における長尺横葺きモジュール屋根材の屋根材配置方法は、勾配を有する屋根を備える建物の屋根であって、既存屋根材の上にカバー屋根材を桁方向に複数枚並べ、前記カバー屋根材を段方向に複数段並べる前記屋根において、前記カバー屋根材の働き長さの水平投影寸法が前記建物の設計単位寸法の整数分の一であり、前記カバー屋根材の働き幅寸法が前記働き長さの水平投影寸法の二倍以上の整数倍であり、前記屋根の軒先に既存屋根材を覆うカバー軒先部材を設け、前記カバー軒先部材は、前記カバー屋根材の流れ方向における水平投影葺き始め位置を設定するための水平投影葺き始め設定範囲を有し、前記水平投影葺き始め設定範囲は、前記カバー屋根材の働き長さの水平投影寸法とし、前記カバー屋根材の流れ方向における前記水平投影葺き始め位置は、陸棟芯を基準にして、水平投影棟際寸法に前記カバー屋根材の働き長さの水平投影寸法の整数倍を加え、かつ前記カバー軒先部材の前記水平投影葺き始め設定範囲の範囲内の位置とし、陸棟部、隅棟部、ケラバ部、壁際部、三又部、陸棟曲がり部、谷部などの屋根端部に規格化した形状のカバー屋根材を配置するものである。本実施の形態によれば、軒の出寸法が前記建物の設計単位寸法で作られていない既存屋根材が葺かれている屋根においても、前記建物の設計単位寸法と連動したカバー屋根材の配置が可能となり、陸棟部、隅棟部、ケラバ部、壁際部、三又部、陸棟曲がり部、谷部など全ての屋根端部においてカバー屋根材の配置がルール化出来る。その結果全ての屋根端部において規格化した形状のカバー屋根材を設定し配置することが出来る。
また、前記カバー屋根材を長尺化することで横方向での施工枚数の減少により施工性を上げることが出来る。
さらに、規格化した形状のカバー屋根材は、前記カバー屋根材をプレカット加工により生産することが可能となり、高い生産性で生産することが出来る。
なお、カバー屋根材の流れ方向における前記水平投影葺き始め位置は、陸棟芯を基準とすると記載しているが、流れ方向の最上段が陸棟部ではなく壁際部の場合は、陸棟芯を壁芯に置き換え、かつ水平投影棟際寸法を水平投影壁際寸法に置き換えることで壁際部の場合においても同様の作用効果を得ることが出来る。
本発明の第2の実施の形態は、第1の実施の形態による長尺横葺きモジュール屋根材の屋根材配置方法において、前記屋根は隅棟又は谷を有し、前記カバー屋根材を前記軒先から陸棟にむかって流れ方向で一段毎に配置する際に、前記カバー屋根材は配置する屋根面の桁方向に対して一方の端部からもう一方の端部方向に前記カバー屋根材の働き長さの水平投影寸法の整数倍をずらして配置するものである。本実施の形態によれば、隅棟部及び谷部は、屋根形状を水平投影した際には一方の桁方向を0度に設定した際には必ず45度に設定されるため、カバー屋根材の配置が一段登るごとにカバー屋根材の働き長さの水平投影寸法分だけ桁方向でずれる。このことを利用し、カバー屋根材の働き幅寸法を働き長さの水平投影寸法の二倍以上の整数倍とし、かつ、カバー屋根材の桁方向での配置の際に屋根材の働き長さの水平投影寸法の整数倍だけ各段でずらす配置ルールにすることで、各段における配置ルールも簡単明瞭で分かりやすく、屋根端部における規格化した形状のカバー屋根材の種類を減らすことが出来る。
本発明の第3の実施の形態は、第1又は第2の実施の形態による長尺横葺きモジュール屋根材の屋根材配置方法において、前記カバー屋根材を前記軒先から前記陸棟にむかって流れ方向で一段毎に配置する際に、前記カバー屋根材は配置する屋根面の桁方向に対して一方の端部からもう一方の端部方向に前記カバー屋根材の働き長さの水平投影寸法をずらして配置するものである。本実施の形態によれば、カバー屋根材の配置が一段登るごとにカバー屋根材の働き長さの水平投影寸法分だけ桁方向でずれるため、カバー屋根材の働き長さの水平投影寸法分だけずらして配置するルールにすることで各段における配置ルールがさらに簡単明瞭で分かりやすくなり、隅棟における一方の隅棟端部における規格化した形状のカバー屋根材が1種類の形状となり、規格化した形状のカバー屋根材の種類をさらに減らすことが出来る。
本発明の第4の実施の形態は、第1から第3のいずれか実施の形態による長尺横葺きモジュール屋根材の屋根材配置方法において、前記屋根面における桁方向の寸法調整に用いるカバー調整屋根材の働き幅寸法は、前記カバー屋根材の働き長さの水平投影寸法の整数倍であり、前記カバー調整屋根材を前記カバー屋根材の代わりに配置することで働き幅寸法の差分により前記桁方向の寸法調整を行うものである。本実施の形態によれば、前記カバー調整屋根材を入れることで桁方向の寸法を調整することが出来、隅棟部、谷部などの斜めカット加工が必要な屋根端部において斜めカット加工した規格化した形状のカバー屋根材の種類を減らすことが出来る。また、前記カバー屋根材の働き幅寸法は前記働き長さの水平投影寸法の整数倍だが、前記整数倍の倍率が大きい場合、屋根端部の規格化した形状のカバー屋根材の種類が増えてしまうが、適切な働き幅寸法のカバー調整屋根材を入れることで屋根端部の規格化した形状のカバー屋根材種類が増えるのを抑えることが出来る。
本発明の第5の実施の形態は、第1から第4のいずれか実施の形態による長尺横葺きモジュール屋根材の屋根材配置方法において、前記カバー調整屋根材は複数種類の働き幅寸法を設け、異なる種類の働き幅寸法を有する前記カバー調整屋根材を組み合わせて配置することで前記桁方向の寸法調整を行うものである。本実施の形態によれば、前記カバー調整屋根材の働き幅寸法の種類を減らすことが出来る。
本発明の第6の実施の形態は、第1から第5のいずれかの実施の形態による長尺横葺きモジュール屋根材の屋根材配置方法において、前記隅棟部に配置する前記規格化した形状のカバー屋根材の働き幅寸法は、前記カバー屋根材の働き長さの水平投影寸法の二倍とするものである。本実施の形態によれば、三又部に配置する三又規格化形状屋根材の種類を減らすことが出来る。
以下本発明の実施例によるリフォーム用長尺横葺きモジュール屋根材の屋根材配置方法について説明する。
図1は実施例による寄棟屋根面におけるカバー屋根材2の屋根伏せ割付図及び流れ方向14の施工断面図である。
図1は勾配4を有する屋根3を備える建物の屋根3であって、既存屋根材1の上にカバー屋根材2を桁方向13に複数枚並べ、前記カバー屋根材2を段方向に複数段並べた、寄棟屋根面におけるカバー屋根材2の屋根伏せ割付図である。
図1(a)は、寄棟屋根の三角面にカバー屋根材2と屋根端部15に規格化形状屋根材16とカバー調整屋根材17と軒先5にカバー軒先部材6を割り付けた屋根伏せ割り付け図である。
図1(b)は、図1(a)の軒先5の中央部にA-A断面図の指示を記した軒先側における流れ方向14の施工断面図である。
図1(c)は、図1(a)の陸棟芯9にB-B断面図の指示を記した陸棟側における流れ方向14の施工断面図である。
建物の設計単位寸法Pは尺モジュールであり、設計単位寸法Pは910mmである。
カバー屋根材2の働き長さの水平投影寸法Lhは、建物の設計単位寸法Pの四分の一の227.5mmであり、カバー屋根材2の働き幅寸法Wは、働き長さの水平投影寸法Lhの8倍にあたる1820mmとする。
軒の出寸法18は600mmである。
桁方向13の軒桁間の寸法は9Pの8190mmであり、軒先5の桁寸法は軒の出寸法18の600mmを左右足すと8190+1200=9390mmとなる。
先ず、図1(a)寄棟屋根の三角面にカバー屋根材2と屋根端部15に規格化形状屋根材16とカバー調整屋根材17と軒先5にカバー軒先部材6を割り付けた屋根伏せ割り付け図における配置方法を説明する。
軒先5に既存屋根材1を覆うようにカバー軒先部材6を設ける。
カバー軒先部材6は、カバー屋根材2の流れ方向14における水平投影葺き始め位置7を設定するための水平投影葺き始め設定範囲Rhを有している。
水平投影葺き始め設定範囲Rhは227.5mmであり、前記カバー屋根材2の働き長さの水平投影寸法Lhとする。
前記カバー屋根材2の流れ方向14における軒先側の水平投影葺き始め位置7は、陸棟芯9を基準にして、水平投影棟際寸法MLhにカバー屋根材2の働き長さの水平投影寸法Lhの整数倍を加え、かつカバー軒先部材6の水平投影葺き始め設定範囲Rhの範囲内の位置とする。
具体的には、水平投影棟際寸法MLhは247.5mmであり、カバー屋根材2の働き長さの水平投影寸法Lhである227.5mmに端部隙間寸法21の20mmが足された寸法である。
屋根面の軒桁までの流れ長さの水平投影寸法が4.5Pの4095mm、軒の出寸法18が600mmであり、陸棟芯9から軒先5までの水平投影距離が4695mmとなる。
カバー軒先部材6の水平投影葺き始め設定範囲Rhが227.5mmなので、陸棟芯9から軒先5までの水平投影距離の4695mmから水平投影棟際寸法MLhの247.5mmを引き、カバー屋根材2の働き長さの水平投影寸法Lhの227.5mmで割り、小数点以下を切り捨てた整数値がカバー屋根材2の施工段数となる。
よって本実施例におけるカバー屋根材2の流れ方向14における軒先側の水平投影葺き始め位置7は、次の計算式により求めることが出来る。
(4695-247.5)÷227.5=19.549・・・
切り捨てて19段で計算。
4695-247.5-227.5×19=125mm
水平投影葺き始め位置7は軒先5から125mmの位置となり、カバー軒先部材6の水平投影葺き始め設定範囲Rhの範囲内の位置となる。
カバー屋根材2は、軒先5から125mmの位置を水平投影葺き始め位置7として1段目を配置する。
カバー屋根材2の配置方向は、屋根面の桁方向13に対して右の隅棟部15bから左の隅棟部15bに向かった方向とする。
隅棟部15bには隅棟規格化形状屋根材16bを配置する。
隅棟規格化形状屋根材16bの働き幅寸法は、カバー屋根材2の働き長さの水平投影寸法Lhの二倍にあたる455mmとする。
右の隅棟規格化形状屋根材16bと左の隅棟規格化形状屋根材16bの働き幅寸法は同じ455mmとする。
右側の隅棟規格化形状屋根材16bを右の隅棟部15bに配置し、その左隣にカバー屋根材2を配置し、順次左側の隅棟部15bに向かってカバー屋根材2を配置する。
軒先5から1段毎登るに際に、桁方向13に対して右側の隅棟部15bから左側の隅棟部15bに向かう方向でカバー屋根材2をカバー屋根材2の働き長さの水平投影寸法Lh分の227.5mmだけずらして配置する。
本実施例では桁方向13の寸法調整を行うために、カバー屋根材2の働き長さの水平投影寸法Lhの2倍の455mm、4倍の910mmの働き幅寸法を有したカバー調整屋根材17を2種類配置する。
軒先5の桁寸法が9390mmであり、軒先5から125mmの位置が水平投影葺き始め位置7なので、水平投影葺き始め位置7における桁方向13の寸法は左右で125mmずつマイナスになるため、9390-125×2=9140mmとなる。
ただし、隅棟10の芯からカバー屋根材2の葺き始めには桁方向13で20mm隙間を設ける。
これは、陸棟芯9と陸棟規格化形状屋根材16aの端部との隙間となる流れ方向14における端部隙間寸法21が20mmであることから、桁方向13における隅棟部15での端部隙間寸法21も20mmとなる。
カバー屋根材2の1段目は、桁方向の端部隙間寸法21が左右に20mmあり、続いて働き幅455mmの隅棟規格化形状屋根材16bが左右にある。
カバー屋根材2の1段目は、水平投影葺き始め位置7における桁方向13の寸法が9140mmであり、桁方向13の端部隙間寸法21が左右で40mm、隅棟規格化形状屋根材16bが左右で910mm、カバー屋根材2の働き幅寸法Wの1820mmで割ると4.5枚となる。
(9140-40-910)÷1820=4.5枚
つまり、カバー屋根材2が4枚入り、残りの桁方向13の寸法が1820mm×0.5枚=910mmとなり、働き幅寸法が910mmのカバー調整屋根材17を入れることで規格形状屋根材16により屋根3を納めることが出来る。
2段目は1段目と比較して、桁方向13の寸法は片側でカバー屋根材2の働き長さの水平投影寸法Lh分だけ短くなり、両側ではカバー屋根材2の働き長さの水平投影寸法Lhの2倍の寸法だけ短くなる。
カバー屋根材2の働き長さの水平投影寸法Lhは227.5mmなので、2倍の455mm分だけ桁方向13の寸法が短くなる。
よって、2段目の桁方向13の寸法調整に用いるカバー調整屋根材17は働き幅寸法が455mmのものを配置することになる。
3段目以降も同様に桁方向13の寸法が1段登るごとに455mm短くなり、カバー調整屋根材17によって桁方向13の寸法を調整する。
3段目は455mmのカバー調整屋根材17を入れないことにより桁方向13の寸法を調整する。
4段目はカバー調整屋根材17の働き幅寸法が1820-455=1365mmになるが、実施例では455mmのカバー調整屋根材17と910mmのカバー調整屋根材を合わせて入れることで1365mmの働き幅として桁方向13の寸法を調整する。
以後1段目から4段目と同じカバー調整屋根材17の配置の仕方で納めることが出来る。
19段目はカバー屋根材2もカバー調整屋根材17も配置せず、左右の隅棟規格化形状屋根材16bだけを配置する。
最上段の20段目の三又部15eは、三又規格化形状屋根材16eを配置する。
図1(b)は、図1(a)の軒先5の中央部にA-A断面図の指示を記した軒先側における流れ方向の施工断面図である。
屋根3には、既存屋根材1が施工されていて、カバー屋根材2は既存屋根材1の上を覆う形で配置する。
既存屋根材1の上にカバー屋根材2を施工するカバー工法の場合は、既存屋根材1の上に下葺き材22を施工し、その上からカバー屋根材2を施工する施工仕様が一般的である。
実施例では、既存屋根材1はJIS A 5423の住宅屋根用化粧スレートをあらわしている。
この住宅屋根用化粧スレートは西暦2000年以前の日本における商品ではアスベストが含有されている製品仕様のものが多く、葺き替えするにはアスベストの飛散防止策が必要となる。
そのため既存屋根材1の上からカバー屋根材2として軽量な金属屋根材を重ね葺きする施工方法はリフォーム時のアスベスト飛散防止にもつながり、近年リフォーム市場においてニーズが高まっている。
既存屋根材1は、雨水の伝わりを考慮して野地から20から60mm程度、屋根材先端を出して施工する。
軒先5に使用するカバー軒先部材6は、既存屋根材1の表面から裏面までを覆う形状となっている。
カバー軒先部材6は、既存屋根材1の軒先裏面を覆う既存屋根材裏面カバー部8を有している。
実施例のカバー軒先部材6では、既存屋根材1の軒先裏面を覆う部分はコの字状の形状になっていて、既存屋根材裏面カバー部8は既存屋根材1の裏面とほぼ平行になり、既存屋根材1を飲み込むようにして設置する。
カバー軒先部材6はカバー屋根材2の流れ方向14における水平投影葺き始め位置7を設定するための水平投影葺き始め設定範囲Rhを有している。
実施例では、水平投影葺き始め設定範囲Rhは、カバー屋根材2の働き長さの水平投影寸法Lhの227.5mmであり、カバー屋根材2の流れ方向14における水平投影葺き始め位置7は125mmである。
リフォームにおいては軒の出寸法18が建物の設計単位寸法Pを考慮せずに決めるため、カバー軒先部材6の水平投影葺き始め設定範囲RHの範囲内で建物の設計単位寸法Pとカバー屋根材2の働き長さの水平投影寸法Lhが関連するようにカバー屋根材2の葺き始め位置を調整する。
屋根勾配4は、4寸勾配であり水平投影寸法に対して流れ寸法の勾配伸び率は1.077となり、カバー屋根材2の軒先5からの屋根面における葺き始め位置は、125mmに4寸勾配の勾配伸び率1.077を掛けることで求めることが出来る。
図示しているように屋根面における葺き始め位置は、134.6mmとなる。
カバー屋根材2の屋根面における働き長さ寸法Lは、働き長さの水平投影寸法Lhの227.5mmに4寸勾配の勾配伸び率1.077を掛けた寸法の245mmとなる。
図1(c)は、図1(a)の陸棟芯9にB-B断面図の指示を記した陸棟側における流れ方向の施工断面図である。
陸棟部15aでは、陸棟規格化形状屋根材16aを配置する。
実施例では、陸棟芯9と陸棟規格化形状屋根16aの端部との端部隙間寸法21は水平投影寸法で20mmとしている。
陸棟芯9から陸棟規格化形状屋根16aまでの水平投影寸法を水平投影棟際寸法MLhとする。水平投影棟際寸法MLhはカバー屋根材2の働き長さの水平投影寸法Lhに端部隙間寸法21を足した寸法なので227.5mm+20mm=247.5mmとなる。
屋根面での寸法は4寸勾配の勾配伸び率1.077を掛けた寸法の266.6mmとなる。
図2は実施例による軒先部における流れ方向14の施工断面図である。
図2(a)は、カバー軒先部材6の水平投影葺き始め設定範囲Rhにおいて、カバー屋根材2の流れ方向14における水平投影葺き始め位置7が最小の軒先納まりを表した施工断面図である。
水平投影葺き始め位置7における軒先5からの距離は0である。
図2(b)は、カバー軒先部材6の水平投影葺き始め設定範囲Rhにおいて、カバー屋根材2の流れ方向14における水平投影葺き始め位置7が軒先5から125mmの際の軒先納まりを表した施工断面図であり、図1(b)の軒先部における流れ方向14の施工断面図を拡大した図である。
図2(c)は、カバー軒先部材6の水平投影葺き始め設定範囲Rhにおいて、カバー屋根材2の流れ方向14における水平投影葺き始め位置7が最大の軒先納まりを表した施工断面図である。
水平投影葺き始め位置7における軒先5からの距離は227.5mmである。
建物の設計単位寸法Pは尺モジュールであり、設計単位寸法Pは910mm、カバー屋根材2の働き長さの水平投影寸法Lhは、建物の設計単位寸法Pの四分の一の227.5mm、勾配4は4寸勾配であり、図1(b)と同様な軒先5の納まりを表している。
屋根勾配4は、4寸勾配であり水平投影寸法に対して流れ寸法の勾配伸び率は1.077となり、カバー屋根材2の軒先5からの屋根面における葺き始め位置は、水平投影葺き始め位置7に4寸勾配の勾配伸び率1.077を掛けることで求めることが出来る。
カバー屋根材2の軒先5からの屋根面における葺き始め位置は、図2(a)は0、図2(b)は134.6mm、図2(c)は245mmとなる。
カバー屋根材2の屋根面における働き長さ寸法Lは、働き長さの水平投影寸法Lhの227.5mmに4寸勾配の勾配伸び率1.077を掛けた寸法の245mmとなる。
屋根面における葺き始め設定範囲Rは、水平投影葺き始め設定範囲Rhに4寸勾配の勾配伸び率1.077を掛けて算出するので働き長さ寸法Lと同じ245mmとなる。
既存屋根材1の上には下葺き材22を施工する。
カバー軒先部材6は、既存屋根材1の先端を覆うように係合させ、尻側に留め付け材28で屋根下地に留め付ける。
カバー軒先部材6は、頭側における既存屋根材1への係合と尻側における留め付け材28の屋根下地材への留め付けでしっかりと屋根3へ固定することが出来る。
カバー屋根材2は、水平投影葺き始め位置7より施工する。
1段目のカバー屋根材2は、頭側係合部24は屋根下地に固定した係合部と係合させ、尻側係合部25は屋根下地に尻側留め付け材28で屋根下地に固定する。
2段目以降は、下段の尻側係合部25と上段の頭側係合部24を係合させ、尻側係合部25は屋根下地に尻側留め付け材28で屋根下地に固定することで屋根3へしっかりと固定することが出来る。
実施例のカバー屋根材2は、頭見附部23を所定の寸法で設けることで頭側係合部24と尻側係合部25の係合構造を流れ方向の製品重なり内に設けることが出来る。
図3は実施例による寄棟切妻混合屋根のカバー屋根材2の割付図である。
図3(a)は上屋におけるカバー屋根材2の割付図である。
図3(b)は下屋におけるカバー屋根材2の割付図である。
建物の設計単位寸法Pは尺モジュールであり、設計単位寸法Pは910mmである。
カバー屋根材2の働き長さの水平投影寸法Lhは、建物の設計単位寸法Pの四分の一の227.5mmであり、カバー屋根材2の働き幅寸法Wは、働き長さの水平投影寸法Lhの8倍にあたる1820mmとする。
軒の出寸法18は600mm、破風の出寸法は910mmである。
図3(a)の上屋における割付方法について記載する。
軒先5に既存屋根材1を覆うようにカバー軒先部材6を設ける。
カバー軒先部材6は、カバー屋根材2の流れ方向14における水平投影葺き始め位置7を設定するための水平投影葺き始め設定範囲Rhを有している。
水平投影葺き始め設定範囲Rhは227.5mmであり、前記カバー屋根材2の働き長さの水平投影寸法Lhとする。
前記カバー屋根材2の流れ方向14における軒先側の水平投影葺き始め位置7は、陸棟芯9を基準にして、水平投影棟際寸法MLhにカバー屋根材2の働き長さの水平投影寸法Lhの整数倍を加え、かつカバー軒先部材6の水平投影葺き始め設定範囲Rhの範囲内の位置とする。
図示はしていないが、本実施例の水平投影棟際寸法MLhは227.5mmであり、カバー屋根材2の働き長さの水平投影寸法Lhである227.5mmと同一寸法である。
つまり、陸棟部15aにおける端部隙間寸法21は0mmとなる。
2本の陸棟12は曲がり部15gでつながっているので、上屋の5つの屋根面は軒桁までの流れ長さの水平投影寸法及び陸棟芯9から軒先5までの流れ長さの水平投影寸法が同一となる。
屋根面の軒桁までの流れ長さの水平投影寸法は3Pの2730mm、軒の出寸法18が600mmであり、陸棟芯9から軒先5までの水平投影寸法が3330mmとなる。
カバー軒先部材6の水平投影葺き始め設定範囲Rhが227.5mmなので、陸棟芯9から軒先5までの水平投影寸法の3330mmから水平投影棟際寸法MLhの227.5mmを引き、カバー屋根材2の働き長さの水平投影寸法Lhの227.5mmで割り、小数点以下を切り捨てた整数値がカバー屋根材2の施工段数となる。
よって本実施例におけるカバー屋根材2の流れ方向14における軒先側の水平投影葺き始め位置7は、次の計算式により求めることが出来る。
(3330-227.5)÷227.5=13.637・・・
切り捨てて13段で計算。
3330-227.5-227.5×13=145mm
水平投影葺き始め位置7は軒先5から145mmの位置となり、カバー軒先部材6の水平投影葺き始め設定範囲Rhの範囲内の位置となる。
図3(a)寄棟切妻混合屋根の台形面にカバー屋根材2と屋根端部15に規格化形状屋根材16とカバー調整屋根材17と軒先5にカバー軒先部材6を割り付けた屋根伏せ割り付け図における配置方法を説明する。
カバー屋根材2は、軒先5から145mmの位置を水平投影葺き始め位置7として1段目を配置する。
カバー屋根材2の配置方向は、屋根面の桁方向13に対して右の隅棟部15bから左の隅棟部15bに向かった方向とする。
隅棟部15bには隅棟規格化形状屋根材16bを配置する。
隅棟規格化形状屋根材16bの働き幅寸法は、カバー屋根材2の働き長さの水平投影寸法Lhの二倍にあたる455mmとする。
右の隅棟規格化形状屋根材16bと左の隅棟規格化形状屋根材16bの働き幅寸法は同じ455mmとする。
右側の隅棟規格化形状屋根材16bを右の隅棟部15bに配置し、その左隣にカバー屋根材2を配置し、順次左側の隅棟部15bに向かってカバー屋根材2を配置する。
軒先5から1段毎登るに際に、桁方向13に対して右側の隅棟部15bから左側の隅棟部15bに向かう方向でカバー屋根材2をカバー屋根材2の働き長さの水平投影寸法Lh分の227.5mmだけずらして配置する。
桁方向13の寸法調整を行うために、カバー屋根材2の働き長さの水平投影寸法Lhの2倍の455mm、4倍の910mmの働き幅寸法を有したカバー調整屋根材17を2種類配置する。
軒先5の桁寸法が9100mmに左右の軒の出寸法18の600mmずつを足した10300mmであり、軒先5から145mmの位置が水平投影葺き始め位置7なので、水平投影葺き始め位置7における桁方向13の寸法は左右で145mmずつマイナスになるため、10300-145×2=10010mmとなる。
カバー屋根材2の1段目は、水平投影葺き始め位置7における桁方向13の寸法が10010mmであり、隅棟規格化形状屋根材16bが左右で910mm、カバー屋根材2の働き幅寸法Wの1820mmで割ると5枚となる。
(10010-910)÷1820=5枚
つまり、隅棟規格化形状屋根材16bを左右1枚ずつにカバー屋根材2が5枚を入れることで規格形状屋根材16により屋根3を納めることが出来る。
2段目は1段目と比較して、桁方向13の寸法は片側でカバー屋根材2の働き長さの水平投影寸法Lh分だけ短くなり、両側ではカバー屋根材2の働き長さの水平投影寸法Lhの2倍の寸法だけ短くなる。
カバー屋根材2の働き長さの水平投影寸法Lhは227.5mmなので、2倍の455mm分だけ桁方向13の寸法が短くなる。
よって、2段目の桁方向13の寸法調整に用いるカバー調整屋根材17の働き幅寸法が1820-455=1365mmになるが、本実施例では455mmのカバー調整屋根材17と910mmのカバー調整屋根材を合わせて入れることで1365mmの働き幅として桁方向13の寸法を調整する。
3段目以降も同様に桁方向13の寸法が1段登るごとに455mm短くなり、働き幅寸法が910mmのカバー調整屋根材17によって桁方向13の寸法を調整する。
4段目は働き幅寸法が455mmのカバー調整屋根材17によって桁方向13の寸法を調整する。
5段目以降は、1段目から4段目と同じカバー調整屋根材17の配置の仕方で納めることが出来る。
最上段の14段目は、三又部15eに三又規格化形状屋根材16e、陸棟部15aに陸棟規格化形状屋根16aを配置する。
なお、14段目の葺き仕舞いは、2段目の桁方向13の寸法調整と同じ1365mmの桁方向13における寸法調整となるため、働き幅が455mmと910mmのカバー調整屋根材17がベースとなった陸棟規格化形状屋根16aを配置して納める。
図3(a)の左側の屋根面は、桁方向13からみて右側に隅棟部15bがあり、左側にケラバ部15cがある寄棟切妻混合屋根の屋根面である。
この屋根面では、隅棟10は右側にしかないため、1段目と2段目の桁方向13の寸法差はカバー屋根材2の働き長さの水平投影寸法Lhの1倍となる。
片側にしか隅棟10が存在しない屋根面においてはカバー調整屋根材17の働き幅寸法は、カバー屋根材2の働き長さの水平投影寸法Lhの1倍以上の整数倍となる。
片側に隅棟部15bがあり、もう一方にケラバ部15cがあり、カバー屋根材2の働き幅寸法Wがカバー屋根材2の働き長さの水平投影寸法Lhの8倍である図3(a)の屋根面の場合では、ケラバ規格化屋根材16cがカバー屋根材2の働き長さの水平投影寸法Lhの1倍から8倍の8種類が必要となる。
しかし、本実施例ではカバー屋根材2の働き長さの水平投影寸法Lhの1倍の227.5mmと2倍の455mmと4倍の910mmと1820mmの4種類の働き幅寸法を持つケラバ規格化屋根材16c又はカバー調整屋根材17を組み合わせることで、227.5mmずつ変化する8種類の桁方向13の寸法調整を行っている。
隅棟部15bとケラバ部15cを有する屋根面は、軒先5から陸棟12に向かって1段登るに際に、桁方向13に対して隅棟部15bからケラバ部15cに向かう方向にカバー屋根材2をカバー屋根材2の働き長さの水平投影寸法Lh分の227.5mmだけずらして配置する。
1段目は桁方向13に対して右側の隅棟部15bに、台形面と同様の隅棟規格化形状屋根材16bを配置し、隅棟規格化形状屋根材16bの左方向に順次カバー屋根材2を配置し、ケラバ部15cには働き幅寸法が910mmのケラバ規格化形状屋根材16cを配置する。
2段目は隅棟規格化形状屋根材16b及びカバー屋根材2を配置し、ケラバ部15cに働き幅寸法が227.5mmのケラバ規格化屋根材16cと働き幅寸法が455mmのカバー調整屋根材17を配置する。
3段目は隅棟規格化形状屋根材16b及びカバー屋根材2を配置し、ケラバ部15cに働き幅寸法が455mmのケラバ規格化屋根材16cを配置する。
4段目は隅棟規格化形状屋根材16b及びカバー屋根材2を配置し、ケラバ部15cに働き幅寸法が227.5mmのケラバ規格化屋根材16cを配置する。
5段目は隅棟規格化形状屋根材16b及びカバー屋根材2を配置し、ケラバ部15cに働き幅寸法が1820mmのケラバ規格化屋根材16cを配置する。
6段目は隅棟規格化形状屋根材16b及びカバー屋根材2を配置し、ケラバ部15cに働き幅寸法が227.5mmのケラバ規格化屋根材16cと働き幅寸法が455mmと910mmのカバー調整屋根材17を配置する。
7段目は隅棟規格化形状屋根材16b及びカバー屋根材2を配置し、ケラバ部15cに働き幅寸法が455mmのケラバ規格化屋根材16cと働き幅寸法が910mmのカバー調整屋根材17を配置する。
8段目は隅棟規格化形状屋根材16b及びカバー屋根材2を配置し、ケラバ部15cに働き幅寸法が227.5mmのケラバ規格化屋根材16cと働き幅寸法が910mmのカバー調整屋根材17を配置する。
9段目以降は1段目から8段目までの配置方法の繰り返しとなる。
図3(a)の台形面の右側に位置する三角面は台形面と基本的には同様なカバー屋根材2の配置になる。
ただし、13段目と14段目は台形面と異なり、13段目は隅棟規格化形状屋根材16bが配置され、14段目は三又部15eに三又規格化形状屋根材16eが配置される。
図3(a)の台形面の陸棟12の反対側に位置する平行四辺形面は隅棟10と谷11が平行に位置している。
平行四辺形面のカバー屋根材2と規格化形状屋根材16の配置方法は、隅棟部15bに台形面と同様の隅棟規格化形状屋根材16bを配置し、谷部15fに谷規格化形状屋根材16fを配置し、その間にカバー屋根材2と働き幅寸法が910mmのカバー調整屋根材17を配置する。
軒先5から陸棟12に向かって1段登るに際に、桁方向13に対して隅棟部15bから谷部15fに向かう方向にカバー屋根材2をカバー屋根材2の働き長さの水平投影寸法Lh分の227.5mmだけずらして配置する。
図3(a)の台形面の上側に位置する谷部15fとケラバ部15cを有する屋根面は、軒先5から陸棟12に向かって1段登るに際に、桁方向13に対してケラバ部15cから谷部15fに向かう方向にカバー屋根材2をカバー屋根材2の働き長さの水平投影寸法Lh分の227.5mmだけずらして配置する。
1段目は桁方向13に対して左側の谷部15fに谷規格化形状屋根材16fを配置し、谷規格化形状屋根材16fの右方向にカバー屋根材2を配置する。
2段目は谷規格化形状屋根材16f及びカバー屋根材2を配置し、ケラバ部15cに働き幅寸法が227.5mmのケラバ規格化屋根材16cを配置する。
3段目は谷規格化形状屋根材16f及びカバー屋根材2を配置し、ケラバ部15cに働き幅寸法が455mmのケラバ規格化屋根材16cを配置する。
4段目は谷規格化形状屋根材16f及びカバー屋根材2を配置し、ケラバ部15cに働き幅寸法が227.5mmのケラバ規格化屋根材16cと455mmのカバー調整屋根材17を配置する。
5段目は谷規格化形状屋根材16f及びカバー屋根材2を配置し、ケラバ部15cに働き幅寸法が910mmのケラバ規格化屋根材16cを配置する。
6段目は谷規格化形状屋根材16f及びカバー屋根材2を配置し、ケラバ部15cに働き幅寸法が227.5mmのケラバ規格化屋根材16cと910mmのカバー調整屋根材17を配置する。
7段目は谷規格化形状屋根材16f及びカバー屋根材2を配置し、ケラバ部15cに働き幅寸法が455mmのケラバ規格化屋根材16cと910mmのカバー調整屋根材17を配置する。
8段目は谷規格化形状屋根材16f及びカバー屋根材2を配置し、ケラバ部15cに働き幅寸法が227.5mmのケラバ規格化屋根材16cと455mmと910mmのカバー調整屋根材17を配置する。
9段目以降は1段目から8段目までの配置方法の繰り返しとなる。
図3(b)は、寄棟切妻混合屋根の下屋の屋根割り付け図であり、基本的には図3(a)の割り付けと同じルールにて配置している。
下屋における特徴的な納まりは屋根面の頂部が建物の壁と接する壁際部15dである。
壁際部15dにおけるカバー屋根材2の配置方法についてだが、桁方向13と平行な壁際部15dについては陸棟部15aと同様の納まりとなり、壁の厚みや納まりにより例外はあるが基本的には陸棟規格化形状屋根材15aが壁際規格化形状屋根材15dとして共用できる。
桁方向13と平行な壁際部15dは平行壁際という名称で呼ばれる。
また、流れ方向14と平行な壁際部15dについてはケラバ部15cと同様の納まりとなり、壁の厚みや納まりにより例外はあるが基本的にはケラバ規格化形状屋根材15cが壁際規格化形状屋根材15dとして共用できる。
流れ方向14と平行な壁際部15dは流れ壁という名称で呼ばれる。
なお、カバー屋根材2の流れ方向14における前記水平投影葺き始め位置7は、陸棟芯9を基準とすると記載しているが、流れ方向14の最上段が陸棟部15aではなく壁際部15dの場合は、陸棟芯9を壁芯に置き換え、かつ水平投影棟際寸法MLhを水平投影壁際寸法に置き換えることで壁際部15dの場合においても同様の作用効果を得ることが出来る。
図4は実施例によるカバー軒先部材6の投影図である。三面図として形状を表している。
図4(a)はカバー軒先部材6を正面図、平面図、右側面図の三面図であらわした製品図面である。
カバー軒先部材6の全幅寸法は1870mmで、図示はしていないが横重なり寸法20を50mm程度とするので、働き幅寸法は1820mmとしている。
全長さ寸法は302mmとする。
軒先側に既存屋根材裏面カバー部8を設け、既存屋根材1の軒先裏面を覆うことができる。
既存屋根材1が軒先5で重なって施工されるため、既存屋根材1の重なり厚み寸法以上の頭見附部23の寸法としている。
実施例では、6mmの既存屋根材1が2枚重なった厚み寸法以上の頭見附部23の寸法が必要であり、頭見附部23の厚み寸法は19mmとしている。
既存屋根材裏面カバー部8をコの字形状にすることで施工が容易に行える。
また、施工後の強風時にも、コの字形状で既存屋根材1の裏面と係合することで耐風性能を発揮することが出来る。
図4(b)は図4(a)を約2.7倍に拡大した三面図であり、正面図と平面図は省略線により省略して記載している。
平面図と右側面図には、勾配4が4寸勾配の時の働き長さ寸法とカバー屋根材2の葺き始めを行う範囲である葺き始め設定範囲Rを記載している。
葺き始め設定範囲Rを平面図上に点線であらわしているが、この葺き始め設定範囲Rは屋根3の勾配4が変わることで変化する相対的な範囲であり、実際に形状として製品に表されてはいない。
例えば勾配4が3寸勾配であれば、働き長さ寸法と葺き始め設定範囲Rは3寸勾配の勾配伸び率により変化する。
3寸勾配の勾配伸び率は1.044なので働き長さの水平投影寸法Lh227.5mmに1.044を掛け働き長さ寸法と葺き始め設定範囲Rは237.5mmとなる。
カバー軒先部材6の尻端部には尻端部折り曲げ26を設ける。
尻端部折り曲げ26は、180度で折り返すことにより雨水の浸入を防ぎながら、厚みを出さないことでカバー屋根材2を施工する際にもカバー屋根材2と干渉することがない。
カバー軒先部材6の既存屋根材裏面カバー部8は、頭見附部23を17mm、裏面カバー部の20mmを2mmのテーパーとすることで、既存屋根材1の厚みが水和膨張などの経年変化により厚みが増した場合においても、既存屋根材裏面カバー部8を差し込みやすく、かつ既存屋根材裏面カバー部8と既存屋根材1とのクリアランスを少なくすることが出来る。
図5は実施例によるカバー軒先部材6の斜視図であり、図4の三面図の形状を斜視図にしている。
図5(a)はカバー軒先部材6を頭見附部23側の上面方向から見た斜視図である。
図5(b)はカバー軒先部材6を右側面の上面方向から見た斜視図である。
図6は実施例によるカバー屋根材2の投影図及び施工断面図である。
図6の製品における製品設計モジュールは尺モジュールであり、建物の設計単位寸法Pも尺モジュールであり、1P=910mmである。
図6(a)はカバー屋根材2を6面図であらわしている。
図6(b)は図6(a)を拡大して幅方向を省略線で省略した3面図である。
図6(c)は図6(b)を更に拡大して上下段の施工状態をあらわした施工断面図である。
図6(a)の実施例の製品は、建物の勾配4を有する屋根3で既存屋根材1の上に段葺きで葺かれるカバー屋根材2である。
尻側係合部25はカバー屋根材2の本体と別パーツになっており、アセンブリされた状態の図面である。
カバー屋根材2の働き長さの水平投影寸法Lhは建物の設計単位寸法Pである910mmの四分の一であり、227.5mmである。
図6の製品は、勾配4を4寸勾配で設定した寸法であり、働き長さ寸法Lは働き長さの水平投影寸法Lhに4寸勾配の勾配伸び率を掛けた寸法である。
4寸勾配の勾配伸び率である1.077を227.5mmに掛けると働き長さ寸法Lは245mmとなる。
カバー屋根材2の働き幅寸法Wは1820mmであり、カバー屋根材2の働き長さの水平投影寸法Lhである227.5mmの8倍の関係である。
カバー屋根材2は本体と尻側係合部25のパーツで構成され、本体の頭側に頭側係合部24を設けた構成になっている。
さらに本体の尻側6に尻側係合部25のパーツを設け、前記尻側係合部25のパーツは、尻側に設けた尻端部折り曲げ26と合わせた位置に設けた構成となっている。
カバー屋根材2の全長さLは285mmであり、流れ重なり寸法19は40mmである。
カバー屋根材2の全幅WAは1900mmであり、横重なり寸法20は80mmである。
尻側係合部25のパーツの全幅WAは1820mmであり、カバー屋根材2の働き幅Wと同一寸法である。
前記尻側係合部25のパーツは、平面図での本体右端と尻側係合部25のパーツ右端を合わせた位置に設けるので本体の左端と尻側係合部25のパーツの左端との間に横重なり寸法20の80mmが存在する。
正面図では、頭側係合部24の右端下端部を横重なり寸法20である80mmと同寸法の頭側切り欠き部が存在する。
カバー屋根材2の尻側に本体の一方の側端から他方の側端まで連続して一定高さを有した尻端部折り曲げ26を設ける。
実施例では、本体の尻側端部に垂直に立ち上げた尻端部折り曲げ26を頭側からみて右側端から左側端まで連続して一定高さで設ける。
製品の裏面には、裏面断熱バックアップ材を設ける。
裏面断熱バックアップ材は全幅WAが1820mmであり、平面図での本体左端と裏面断熱バックアップ材の左端を合わせた位置に設けるので、横重なり寸法20である80mmの範囲は横隣のカバー屋根材2が重なるため裏面断熱バックアップ材は存在しない。
図6(b)は図6(a)を拡大して幅方向を省略線で省略した3面図であり、カバー屋根材2の正面図、平面図、右側面図である。
正面図での右側には頭側切り欠き部を設ける。
頭側切り欠き部の側端は、横葺きする際の位置決め基準として機能する。
右側面図では、本体の裏面に設けた裏面断熱バックアップ材は尻側から頭側に向かって厚みを増しているが、この厚みを増す角度はカバー屋根材2の屋根に施工した際のカバー屋根材2の戻り勾配とほぼ同じ角度になっていて、施工の際には裏面断熱バックアップ材でカバー屋根材2と屋根下地との間の空間を埋めることが出来るので、施工の際に荷重がかかっても変形しにくい。
図6(c)は図6(b)を更に拡大して上下段の施工状態をあらわした施工断面図であり、段葺きの際に上段の頭側係合部24と下段の尻側係合部25のパーツを留め付け材28で固定する施工状況をあらわしている。
本体の尻側に設けた尻側係合部25のパーツは、尻側に設けた尻端部折り曲げ26と合わせた位置に設けた構成となっている。
尻側係合部25のパーツは、Z形状の断面形状である。
この尻側係合部25は、カバー屋根材2の働き長さ寸法Lを可変させる機能を有し、段葺きの際に上段の頭側係合部24と下段の尻側係合部25を当て止めさせることでカバー屋根材2の働き長さ寸法Lを決定する。
尻側係合部25のパーツは、勾配4ごとに長さを設定することで本体の寸法を変えることなく勾配4ごとの働き長さ寸法Lを設定することが出来る。
本体の尻側で尻側係合部25のパーツを留め付け材28で共打ちすることで屋根下地に固定する。
尻側係合部25のパーツを固定する工程で本体を同時に固定するため施工手間を省くことが出来る。
実施例の本体は、表面に塗装を施した塗装溶融55%アルミニウム-亜鉛合金めっき鋼板の基材厚み寸法で0.35mm~0.6mm程度の薄板鋼板が好ましい。
実施例の尻側係合部25のパーツの材質はアルミニウムで厚さ1.5mmの押出成形品としているが、本体と同じ塗装溶融55%アルミニウム-亜鉛合金めっき鋼板の薄板を使用しても良い。
薄板鋼板を用いる場合は、基材の厚みを厚くするとか、二重折りで製作するなどの耐風強度を上げるための工夫が必要となる。
図7は図6の実施例によるカバー屋根材2の斜視図である。
図7(a)は製品全体を上面側から見た斜視図である。
尻側係合部25のパーツは、留め付け材28で留め付けるための穴加工を施している。
尻側係合部25のパーツに留め付け材28固定用の穴をあらかじめ設けておくことで、留め付けピッチ、留め付け本数などを現場で確実に実施することが出来る。
留め付け材28で本体の尻側と尻側係合部25のパーツを共打ち固定することで固定強度が向上し、かつ施工性が向上する。
図7(b)は本体の頭側を拡大した斜視図である。
頭側係合部24は頭見附部23から連続しており曲げ加工し製作する。
頭側係合部24の先端部に折り返しを設ける。
折り返しは潰し形状とせずにR形状で加工することにより尻側係合部25のパーツとの連結時に面で固定できる。また、潰し形状とせずにR形状とすることで塗膜層やメッキ層のクラック防止にも役立つ。
図2(c)は本体と尻側係合部25のパーツがアセンブリされている尻部を拡大した斜視図である。
本体の尻側端部を立ち上げた尻端部折り曲げ26を水返しとしての防水機能と同時に働き長さの位置決め基準としての位置決め機能としても利用している。
尻端部折り曲げ26の立ち上がり部と尻側係合部25のパーツを当て止めすることで、施工現場で測定などをすることなく簡易に位置決めをすることが出来る。
尻側係合部25のパーツの長さを勾配4ごとに設定することで、本体は1種類で複数種類の勾配4に適した働き長さ寸法Lにすることが出来る。
図8は図1の実施例による規格化形状屋根材16及びカバー調整屋根材17の斜視図である。
図8(a)は軒先5から見て左の隅棟部15bに配置する隅棟左規格化形状屋根材16bである。
右隣りの屋根材に横重なり部で上から被さるので、頭側切り欠き部を有している。
働き幅寸法は、カバー屋根材2の働き長さの水平投影寸法Lhの二倍の455mmであり、全幅寸法も働き幅寸法と同じ寸法である。
頭側には頭見附部23、尻端部には尻端部折り曲げ26を設ける。
図8(b)は軒先5から見て右の隅棟部15bに配置する隅棟右規格化形状屋根材16bである。
左隣りの屋根材に横重なり部で下に重なるので、横重なり寸法20分だけ全幅寸法が働き幅寸法より長い。
働き幅寸法は、カバー屋根材2の働き長さの水平投影寸法Lhの二倍の455mmであり、全幅寸法は横重なり寸法20である80mmだけ長いため535mmとなる。
頭側には頭見附部23、尻端部には尻端部折り曲げ26を設ける。
図8(c)は寄棟三角屋根面の頂部の三又部15eに配置する三又規格化形状屋根材16eである。
働き幅寸法は、カバー屋根材2の働き長さの水平投影寸法Lhの二倍の455mmであり、全幅寸法も働き幅寸法と同じ寸法である。
頭側には頭見附部23を設ける。
図8(d)は桁方向13の寸法調整の際に配置するカバー調整屋根材17である。
図1(a)の実施例では桁方向13の寸法調整を行うカバー調整屋根材17は、働き長さの水平投影寸法Lhの2倍の455mm、4倍の910mmの働き幅寸法を有した2種類を示しているが、図8(d)の斜視図は働き幅寸法が455mmの製品のみを図示している。
右隣りの屋根材に横重なり部で上から被さるので、頭側切り欠き部を有し、左隣りの屋根材に横重なり部で下に重なるので、横重なり寸法20の分だけ全幅寸法が働き幅寸法より長い。
図示されている製品の働き幅寸法は455mmであり、全幅寸法は横重なり寸法20である80mmだけ長い535mmとなる。
頭側には頭見附部23、尻端部には尻端部折り曲げ26を設ける。
本発明は、実施例においては既存屋根材1を住宅屋根用化粧スレートとし、カバー屋根材2を金属製のリフォーム用長尺横葺きモジュール屋根材として記載したが、既存屋根材1及びカバー屋根材2は実施例における屋根材の素材に限定するものではない。
既存屋根材1及びカバー屋根材2の素材としては、セメント、セラミックス、アスファルト系素材、樹脂系素材などの屋根材に広く適用することが出来る。
また、建物の設計単位寸法Pは実施例では尺モジュールだけの記載だが、建物の設計単位寸法Pはメーターモジュールでもインチモジュールでも利用できる。
1 既存屋根材
2 カバー屋根材
3 屋根
4 勾配
5 軒先
6 カバー軒先部材
7 水平投影葺き始め位置
8 既存屋根材裏面カバー部
9 陸棟芯
10 隅棟
11 谷
12 陸棟
13 桁方向
14 流れ方向
15 屋根端部
15a 陸棟部
15b 隅棟部
15c ケラバ部
15d 壁際部
15e 三又部
15f 谷部
15g 曲がり部
16 規格化形状屋根材
16a 陸棟規格化形状屋根材
16b 隅棟規格化形状屋根材
16c ケラバ規格化形状屋根材
16d 壁際規格化形状屋根材
16e 三又規格化形状屋根材
16f 谷規格化形状屋根材
16g 曲がり規格化形状屋根材
17 カバー調整屋根材
18 軒の出寸法
19 流れ重なり寸法
20 横重なり寸法
21 端部隙間寸法
22 下葺き材
23 頭見附部
24 頭側係合部
25 尻側係合部
26 尻端部折り曲げ
27 横重なり部
28 留め付け材
Lh カバー屋根材の働き長さの水平投影寸法
L カバー屋根材の働き長さ寸法
W カバー屋根材の働き幅寸法
WA カバー屋根材の全幅寸法
Rh 水平投影葺き始め設定範囲
R 葺き始め設定範囲
MLh 水平投影棟際寸法
P 建物の設計単位寸法
請求項1記載の本発明のリフォーム用長尺横葺きモジュール屋根材の屋根材配置方法は、勾配を有する屋根を備える建物の屋根であって、既存屋根材の上にカバー屋根材を桁方向に複数枚並べ、前記カバー屋根材を段方向に複数段並べる前記屋根において、前記カバー屋根材の働き長さの水平投影寸法が前記建物の設計単位寸法の整数分の一であり、前記カバー屋根材の働き幅寸法が前記働き長さの水平投影寸法の二倍以上の整数倍であり、前記屋根の軒先に既存屋根材を覆うカバー軒先部材を設け、前記カバー軒先部材は、前記カバー屋根材の流れ方向における水平投影葺き始め位置を設定するための水平投影葺き始め設定範囲を有し、前記水平投影葺き始め設定範囲は、前記カバー屋根材の働き長さの水平投影寸法とし、前記カバー屋根材の流れ方向における前記水平投影葺き始め位置は、陸棟芯を基準にして、水平投影棟際寸法に前記カバー屋根材の働き長さの水平投影寸法の整数倍を加え、かつ前記カバー軒先部材の前記水平投影葺き始め設定範囲の範囲内の位置とし、陸棟部、隅棟部、ケラバ部、壁際部、三又部、陸棟曲がり部、谷部などの全ての屋根端部に規格化した形状のカバー屋根材を配置することを特徴とする。
本発明の第1の実施の形態における長尺横葺きモジュール屋根材の屋根材配置方法は、勾配を有する屋根を備える建物の屋根であって、既存屋根材の上にカバー屋根材を桁方向に複数枚並べ、前記カバー屋根材を段方向に複数段並べる前記屋根において、前記カバー屋根材の働き長さの水平投影寸法が前記建物の設計単位寸法の整数分の一であり、前記カバー屋根材の働き幅寸法が前記働き長さの水平投影寸法の二倍以上の整数倍であり、前記屋根の軒先に既存屋根材を覆うカバー軒先部材を設け、前記カバー軒先部材は、前記カバー屋根材の流れ方向における水平投影葺き始め位置を設定するための水平投影葺き始め設定範囲を有し、前記水平投影葺き始め設定範囲は、前記カバー屋根材の働き長さの水平投影寸法とし、前記カバー屋根材の流れ方向における前記水平投影葺き始め位置は、陸棟芯を基準にして、水平投影棟際寸法に前記カバー屋根材の働き長さの水平投影寸法の整数倍を加え、かつ前記カバー軒先部材の前記水平投影葺き始め設定範囲の範囲内の位置とし、陸棟部、隅棟部、ケラバ部、壁際部、三又部、陸棟曲がり部、谷部などの全ての屋根端部に規格化した形状のカバー屋根材を配置するものである。本実施の形態によれば、軒の出寸法が前記建物の設計単位寸法で作られていない既存屋根材が葺かれている屋根においても、前記建物の設計単位寸法と連動したカバー屋根材の配置が可能となり、陸棟部、隅棟部、ケラバ部、壁際部、三又部、陸棟曲がり部、谷部など全ての屋根端部においてカバー屋根材の配置がルール化出来る。その結果全ての屋根端部において規格化した形状のカバー屋根材を設定し配置することが出来る。
また、前記カバー屋根材を長尺化することで横方向での施工枚数の減少により施工性を上げることが出来る。
さらに、規格化した形状のカバー屋根材は、前記カバー屋根材をプレカット加工により生産することが可能となり、高い生産性で生産することが出来る。
なお、カバー屋根材の流れ方向における前記水平投影葺き始め位置は、陸棟芯を基準とすると記載しているが、流れ方向の最上段が陸棟部ではなく壁際部の場合は、陸棟芯を壁芯に置き換え、かつ水平投影棟際寸法を水平投影壁際寸法に置き換えることで壁際部の場合においても同様の作用効果を得ることが出来る。
請求項3記載の本発明は、請求項2に記載のリフォーム用長尺横葺きモジュール屋根材の屋根材配置方法において、前記カバー屋根材を前記軒先から前記陸棟にむかって流れ方向で一段毎に配置する際に、前記カバー屋根材は配置する屋根面の桁方向に対して一方の端部からもう一方の端部方向に前記カバー屋根材の働き長さの水平投影寸法をずらして配置することを特徴とする。
請求項4記載の本発明は、請求項2又は請求項3のいずれか記載のリフォーム用長尺横葺きモジュール屋根材の屋根材配置方法において、前記屋根面における桁方向の寸法調整に用いるカバー調整屋根材の働き幅寸法は、前記カバー屋根材の働き長さの水平投影寸法の整数倍であり、前記カバー調整屋根材を前記カバー屋根材の代わりに配置することで働き幅寸法の差分により前記桁方向の寸法調整を行うことを特徴とする。
請求項5記載の本発明は、請求項4に記載のリフォーム用長尺横葺きモジュール屋根材の屋根材配置方法において、前記カバー調整屋根材は複数種類の働き幅寸法を設け、異なる種類の働き幅寸法を有する前記カバー調整屋根材を組み合わせて配置することで前記桁方向の寸法調整を行うことを特徴とする。
本発明の第3の実施の形態は、第2の実施の形態による長尺横葺きモジュール屋根材の屋根材配置方法において、前記カバー屋根材を前記軒先から前記陸棟にむかって流れ方向で一段毎に配置する際に、前記カバー屋根材は配置する屋根面の桁方向に対して一方の端部からもう一方の端部方向に前記カバー屋根材の働き長さの水平投影寸法をずらして配置するものである。本実施の形態によれば、カバー屋根材の配置が一段登るごとにカバー屋根材の働き長さの水平投影寸法分だけ桁方向でずれるため、カバー屋根材の働き長さの水平投影寸法分だけずらして配置するルールにすることで各段における配置ルールがさらに簡単明瞭で分かりやすくなり、隅棟における一方の隅棟端部における規格化した形状のカバー屋根材が1種類の形状となり、規格化した形状のカバー屋根材の種類をさらに減らすことが出来る。
本発明の第4の実施の形態は、第2又は第3のいずれか実施の形態による長尺横葺きモジュール屋根材の屋根材配置方法において、前記屋根面における桁方向の寸法調整に用いるカバー調整屋根材の働き幅寸法は、前記カバー屋根材の働き長さの水平投影寸法の整数倍であり、前記カバー調整屋根材を前記カバー屋根材の代わりに配置することで働き幅寸法の差分により前記桁方向の寸法調整を行うものである。本実施の形態によれば、前記カバー調整屋根材を入れることで桁方向の寸法を調整することが出来、隅棟部、谷部などの斜めカット加工が必要な屋根端部において斜めカット加工した規格化した形状のカバー屋根材の種類を減らすことが出来る。また、前記カバー屋根材の働き幅寸法は前記働き長さの水平投影寸法の整数倍だが、前記整数倍の倍率が大きい場合、屋根端部の規格化した形状のカバー屋根材の種類が増えてしまうが、適切な働き幅寸法のカバー調整屋根材を入れることで屋根端部の規格化した形状のカバー屋根材種類が増えるのを抑えることが出来る。
本発明の第5の実施の形態は、第4の実施の形態による長尺横葺きモジュール屋根材の屋根材配置方法において、前記カバー調整屋根材は複数種類の働き幅寸法を設け、異なる種類の働き幅寸法を有する前記カバー調整屋根材を組み合わせて配置することで前記桁方向の寸法調整を行うものである。本実施の形態によれば、前記カバー調整屋根材の働き幅寸法の種類を減らすことが出来る。

Claims (7)

  1. 勾配を有する屋根を備える建物の屋根であって、既存屋根材の上にカバー屋根材を桁方向に複数枚並べ、前記カバー屋根材を段方向に複数段並べる前記屋根において、
    前記カバー屋根材の働き長さの水平投影寸法が前記建物の設計単位寸法の整数分の一であり、
    前記カバー屋根材の働き幅寸法が前記働き長さの水平投影寸法の二倍以上の整数倍であり、
    前記屋根の軒先に既存屋根材を覆うカバー軒先部材を設け、
    前記カバー軒先部材は、前記カバー屋根材の流れ方向における水平投影葺き始め位置を設定するための水平投影葺き始め設定範囲を有し、
    前記水平投影葺き始め設定範囲は、前記カバー屋根材の働き長さの水平投影寸法とし、
    前記カバー屋根材の流れ方向における前記水平投影葺き始め位置は、陸棟芯を基準にして、水平投影棟際寸法に前記カバー屋根材の働き長さの水平投影寸法の整数倍を加え、かつ前記カバー軒先部材の前記水平投影葺き始め設定範囲の範囲内の位置とし、
    陸棟部、隅棟部、ケラバ部、壁際部、三又部、陸棟曲がり部、谷部などの屋根端部に規格化した形状のカバー屋根材を配置することを特徴とするリフォーム用長尺横葺きモジュール屋根材の屋根材配置方法。
  2. 前記屋根は隅棟又は谷を有し、前記カバー屋根材を前記軒先から陸棟にむかって流れ方向で一段毎に配置する際に、前記カバー屋根材は配置する屋根面の桁方向に対して一方の端部からもう一方の端部方向に前記カバー屋根材の働き長さの水平投影寸法の整数倍をずらして配置することを特徴とする請求項1記載のリフォーム用長尺横葺きモジュール屋根材の屋根材配置方法。
  3. 前記カバー屋根材を前記軒先から前記陸棟にむかって流れ方向で一段毎に配置する際に、前記カバー屋根材は配置する屋根面の桁方向に対して一方の端部からもう一方の端部方向に前記カバー屋根材の働き長さの水平投影寸法をずらして配置することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のリフォーム用長尺横葺きモジュール屋根材の屋根材配置方法。
  4. 前記屋根面における桁方向の寸法調整に用いるカバー調整屋根材の働き幅寸法は、前記カバー屋根材の働き長さの水平投影寸法の整数倍であり、前記カバー調整屋根材を前記カバー屋根材の代わりに配置することで働き幅寸法の差分により前記桁方向の寸法調整を行うことを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかに記載のリフォーム用長尺横葺きモジュール屋根材の屋根材配置方法。
  5. 前記カバー調整屋根材は複数種類の働き幅寸法を設け、異なる種類の働き幅寸法を有する前記カバー調整屋根材を組み合わせて配置することで前記桁方向の寸法調整を行うことを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか記載のリフォーム用長尺横葺きモジュール屋根材の屋根材配置方法。
  6. 前記隅棟部に配置する前記規格化した形状のカバー屋根材の働き幅寸法は、前記カバー屋根材の働き長さの水平投影寸法の二倍であることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか記載のリフォーム用長尺横葺きモジュール屋根材の屋根材配置方法。
  7. 請求項1から請求項6のいずれかに記載のリフォーム用長尺横葺きモジュール屋根材の屋根材配置方法において、
    前記カバー軒先部材は、前記既存屋根材の軒先裏面を覆う既存屋根材裏面カバー部を有することを特徴とする長尺横葺きモジュール屋根材の屋根材配置方法に用いるカバー軒先部材。
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