JP2022021240A - 過酸化水素濃度検出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】製造コストの低減化を図ること。【解決手段】イオン導電性電解質よりなる膜である基部21の一方の面に、白金原子を有する触媒金属がコーティングされて構成された検知極22を有する一方、基部21の他方の面に、白金原子を有する触媒金属がコーティングされて構成された対極23を有する電極部20を備え、電極部20は、基部21の膜よりも含水による膨潤率が低くてガラス転移点の高い材料から形成され、かつ対極23の触媒金属からなる層の表面に熱圧着された支持体24を備えてなり、検知極22が過酸化水素を含有する過酸化水素水13に接した状態で電極部20に所定の電圧を印加させることにより、検知極22での過酸化水素の酸化反応の電流値を計測して過酸化水素の濃度検出を行う。【選択図】図1
Description
本発明は、過酸化水素濃度検出装置に関するものである。
従来、過酸化水素の濃度検出を行う装置(過酸化水素濃度検出装置)が特許文献1に提案されている。この特許文献1に提案されている過酸化水素濃度検出装置では、過酸化水素を含有する電解質溶液に浸漬された複数の電極(検知極、対極及び参照極)に電圧を印加させることにより、検知極にて下記式(1)に示されるような過酸化水素の酸化反応を発生させる。そして、かかる過酸化水素濃度検出装置では、上記酸化反応の酸化電流値を計測して過酸化水素の濃度検出を行っている。
式(1) H2O2→2H++O2+2e-
ところで、上記過酸化水素濃度検出装置では、検知極及び対極以外に、電位の安定した参照極を用いており、しかも参照極は例えば白金や金等を含有して構成される高価なものであり、製造コストの増大を招来していた。
本発明は、上記実情に鑑みて、製造コストの低減化を図ることができる過酸化水素濃度検出装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る過酸化水素濃度検出装置は、イオン導電性電解質よりなる膜の一方の面に、白金原子を有する触媒金属がコーティングされて構成された検知極を有する一方、前記膜の他方の面に、白金原子を有する触媒金属がコーティングされて構成された対極を有する電極部を備えた過酸化水素濃度検出装置であって、前記電極部は、前記膜よりも含水による膨潤率が低くてガラス転移点の高い材料から形成され、かつ前記対極の前記触媒金属からなる層の表面に熱圧着された支持体を備えてなり、前記検知極が過酸化水素を含有する溶液に接した状態で前記電極部に所定の電圧を印加させることにより、前記検知極での過酸化水素の酸化反応の電流値を計測して該過酸化水素の濃度検出を行うことを特徴とする。
また本発明は、上記過酸化水素濃度検出装置において、前記検知極の触媒金属は、白金原子、白金黒、白金担持カーボン、白金合金、窒素含有炭素電析白金の少なくとも1つを含有することを特徴とする。
また本発明は、上記過酸化水素濃度検出装置において、前記電極部に0.2V~0.5Vの電圧を印加させることを特徴とする。
また本発明は、上記過酸化水素濃度検出装置において、前記支持体は、金属メッシュ、カーボンペーパー、カーボンクロス、金属多孔体、ポリテトラフルオロエチレンより成るメッシュの少なくとも1つにより形成されたことを特徴とする。
また本発明は、上記過酸化水素濃度検出装置において、前記支持体は、120℃以上の熱圧着処理により構成されたことを特徴とする。
本発明によれば、イオン導電性電解質よりなる膜の一方の面に、白金原子を有する触媒金属がコーティングされて構成された検知極を有する一方、膜の他方の面に、白金原子を有する触媒金属がコーティングされて構成された対極を有する電極部を備え、検知極が過酸化水素を含有する溶液に接した状態で電極部に所定の電圧を印加させることにより、検知極での過酸化水素の酸化反応の電流値を計測して該過酸化水素の濃度検出を行うので、例えば白金や金等で構成される高価な参照極を用いずに過酸化水素の濃度検出を行うことができ、製造コストの低減化を図ることができるという効果を奏する。
しかも、検知極が溶液に接した状態で過酸化水素の酸化反応が起きるようにしているので、検知極の表面全域を過酸化水素の酸化反応に利用することができ、過酸化水素の電解に伴う酸素の発生により生ずる気泡により検知極と溶液との接触面積が低下してしまうことを抑制することができるという効果を奏する。
更に対極の表面に、膜よりも含水による膨潤率が低くてガラス転移点の高い材料から形成された支持体が熱圧着されているので、電極部が膨潤により構造変化してしまうことを抑制することができるという効果を奏する。
以下に添付図面を参照して、本発明に係る過酸化水素濃度検出装置の好適な実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態である過酸化水素濃度検出装置の構成を模式的に示す模式図である。ここで例示する過酸化水素濃度検出装置1は、反応容器10を備えている。
反応容器10は、有底円筒状の形態を成しており、底部11に形成された測定孔12が電極部20に閉塞されて構成してある。この反応容器10には、過酸化水素を含有する溶液である過酸化水素水13が貯留してある。
電極部20は、基部21、検知極22及び対極23を備えて構成してある。基部21は、例えばフッ素樹脂製電解質膜等のイオン導電性電解質よりなる膜により構成された平板状のものであり、水素イオンを通過させる性質を有している。
検知極22は、基部21の一面、すなわちイオン導電性電解質よりなる膜の一方の面に形成してある。この検知極22は、触媒金属がコーティングされて構成してある。かかる触媒金属は、白金原子を有するものであり、より詳細には、白金原子、白金黒、白金担持カーボン、白金合金、窒素含有炭素電析白金の少なくとも1つを含有することが好ましい。尚、この検知極22の表面の縁部に集電枠25が設けてある。
対極23は、基部21の他面、すなわちイオン導電性電解質よりなる膜の他方の面に形成してある。この対極23は、検知極22と同様に、白金原子を有する触媒金属がコーティングされて構成してある。
そのような対極23の表面には支持体24が設けてある。支持体24は、基部21を構成するイオン導電性電解質よりなる膜よりも含水による膨潤率が低く、かつ該膜よりもガラス転移点の高い材料から形成され、金属メッシュ、カーボンペーパー、カーボンクロス、金属多孔体、ポリテトラフルオロエチレンより成るメッシュの少なくとも1つにより形成されることが好ましい。本実施の形態においては、支持体24は、カーボンペーパーにより形成されているものとする。かかる支持体24は、例えば120℃以上の熱圧着処理により、対極23の表面に熱圧着されて設けてある。尚、この支持体24の表面の縁部に集電枠26が設けてある。
ここで支持体24を形成する材料が基部21を構成する膜よりもガラス転移点が高いので、例えば120℃以上の熱圧着処理で破壊されることなく対極23の表面に良好に設けることができる。しかも、熱圧着処理での最低温度である120℃は、基部21を構成する膜(イオン導電性電解質)のガラス転移温度であり、この温度以上で熱圧着処理を行うことにより、検知極22、基部21、対極23及び支持体24を良好に圧着させることができる。
そのような電極部20は、検知極22が過酸化水素水13に接する態様で測定孔12を閉塞している。そして、電極部20は、検知極22と対極23とがそれぞれ導線27を介して外部電源装置30に電気的に接続してある。より詳細に説明すると、検知極22が外部電源装置30の正極に電気的に接続され、対極23が外部電源装置30の負極に電気的に接続してある。
外部電源装置30は、例えばポテンショスタットにより構成されており、検知極22の電気化学反応を制御して、その電位・電流を測定するものである。より詳細に説明すると、外部電源装置30は、電極部20に所定の電圧(例えば0.2V~0.5Vの電圧)を印加することで、検知極22と対極23との電位差が0.2V~0.5Vとなるように制御するものである。この外部電源装置30による測定結果等は、電気的に接続された上位機器40に送出される。
以上のような構成を有する過酸化水素濃度検出装置1においては、外部電源装置30により電極部20に0.2V~0.5Vの電圧(例えば0.4Vの電圧)が印加された場合、検知極22では下記式(2)の酸化反応が発生し、対極23では空気中の酸素を利用して、下記式(3)の水生成反応が発生する。
式(2) H2O2→2H++O2+2e-
式(3) 2H++1/2O2+2e-→H2O
式(3) 2H++1/2O2+2e-→H2O
つまり、上記過酸化水素濃度検出装置1においては、検知極22にて過酸化水素の酸化反応を発生させ、この酸化反応の電流値を計測することにより、過酸化水素の濃度検出を行うことができる。
以下に実験例について説明する。基部21を「ナフィオン(登録商標)117」(ケマーズ製)により形成し、検知極22として、白金黒よりなる触媒金属(徳力本店製)を基部21の一面にコーティングして形成し、対極23として、白金担持カーボン(田中貴金属製)を基部21の他面にコーティングして形成し、支持体24として、撥水層付きのカーボンペーパーを対極23の表面に120℃以上の熱圧着処理により熱圧着することにより電極部20を構成した。そして、過酸化水素水13の濃度を5~2500ppmの範囲で変化させ、該電極部20に0.4Vの電圧を印加し、濃度別の過酸化水素の電解電流値を計測した。過酸化水素水13の濃度(ppm)と電解電流(mA)との関係を図2に示す。
この図2に示すように、過酸化水素水13における過酸化水素の濃度が大きくなると電解電流が大きくなるという正の相関があることが理解される。しかも、0.4Vの印加電圧の折れ線については、近似直線からのずれを示す決定係数R2が「0.9974」となり、非常に高い直線性を有することが理解される。
このように非常に高い直線性を有することから、外部電源装置30により測定される電流値から過酸化水素の濃度を算出することができる。
以上説明したように、本発明の実施の形態である過酸化水素濃度検出装置1によれば、上記構成を有する電極部20に対して所定の電圧(0.2V~0.5Vの電圧)を印加させることにより、検知極22での過酸化水素の酸化反応の電流値を計測して該過酸化水素の濃度検出を行うので、例えば白金や金等で構成される高価な参照極を用いずに過酸化水素の濃度検出を行うことができ、製造コストの低減化を図ることができる。
しかも、基部21の一面に触媒金属がコーティングされて構成された検知極22が過酸化水素水13に接した状態で過酸化水素の酸化反応が起きるようにしているので、検知極22の表面全域を過酸化水素の酸化反応に利用することができ、過酸化水素の電解に伴う酸素の発生により生ずる気泡により検知極22と過酸化水素水13との接触面積が低下してしまうことを抑制することができる。
更に対極23の表面に、基部21を構成する膜よりも含水による膨潤率が低くてガラス転移点の高い材料から形成された支持体24が熱圧着されているので、電極部20が膨潤により構造変化してしまうことを抑制することができる。
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、かかる実施の形態で図示した各構成は概略的なものであり、必ずしも物理的に図示の構成をしてあることを要しない。すなわち、各構成要素の分散・統合の形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を各種の使用状況等に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。
1…過酸化水素濃度検出装置、10…反応容器、11…底部、12…測定孔、13…過酸化水素水、20…電極部、21…基部、22…検知極、23…対極、24…支持体、25,26…集電枠、27…導線、30…外部電源装置、40…上位機器。
Claims (5)
- イオン導電性電解質よりなる膜の一方の面に、白金原子を有する触媒金属がコーティングされて構成された検知極を有する一方、前記膜の他方の面に、白金原子を有する触媒金属がコーティングされて構成された対極を有する電極部を備えた過酸化水素濃度検出装置であって、
前記電極部は、前記膜よりも含水による膨潤率が低くてガラス転移点の高い材料から形成され、かつ前記対極の前記触媒金属からなる層の表面に熱圧着された支持体を備えてなり、
前記検知極が過酸化水素を含有する溶液に接した状態で前記電極部に所定の電圧を印加させることにより、前記検知極での過酸化水素の酸化反応の電流値を計測して該過酸化水素の濃度検出を行うことを特徴とする過酸化水素濃度検出装置。 - 前記検知極の触媒金属は、白金原子、白金黒、白金担持カーボン、白金合金、窒素含有炭素電析白金の少なくとも1つを含有することを特徴とする請求項1に記載の過酸化水素濃度検出装置。
- 前記電極部に0.2V~0.5Vの電圧を印加させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の過酸化水素濃度検出装置。
- 前記支持体は、金属メッシュ、カーボンペーパー、カーボンクロス、金属多孔体、ポリテトラフルオロエチレンより成るメッシュの少なくとも1つにより形成されたことを特徴とする請求項1~3のいずれか1つに記載の過酸化水素濃度検出装置。
- 前記支持体は、120℃以上の熱圧着処理により構成されたことを特徴とする請求項1~4のいずれか1つに記載の過酸化水素濃度検出装置。
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