JP2006156175A - 燃料電池のガス状態測定 - Google Patents

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Abstract

【課題】 燃料電池の触媒層におけるガス状態をより正確に測定する。
【解決手段】 燃料電池は、電解質膜110と、電解質膜110を隔てて設けられた第1の電極体200と第2の電極体300とを備えている。第1の電極体200に設けられ電解質膜110に接する触媒層210には、測定プローブ400の測定用電解質体が接している。この測定プローブ400は、測定用電解質体に接する測定電極を有し、測定用電解質体と測定電極との界面が第1の電極体200内部に存在するように構成されている。そして、燃料電池が備える電気化学特性測定部510は、燃料電池が有する基準電極と、測定電極との間に接続され、基準電極に対する測定電極の電位を所定の電位に制御するとともに、測定電極と基準電極との間を流れる反応電流を測定する。
【選択図】 図1

Description

この発明は、燃料電池内部におけるガスの状態を測定する技術に関する。
燃料電池の運転状態は、燃料電池の触媒層における反応ガスの状態に依存する。そのため、燃料電池の運転状態を把握するため、触媒層に近接したガス流路溝に細管を挿入し、挿入した細管から採取した反応ガスを分析することにより触媒層での反応ガス状態を測定することが行われている(特許文献1参照)。
特開平8−222260号公報 特開平11−260388号公報 特開平9−223512号公報 特開2003−151108号公報
しかしながら、細管から反応ガスを採取する場合、生成水の触媒層等での滞留により、採取した反応ガスの状態と触媒層での反応ガスの状態とが異なり、触媒層での反応ガス状態が正確に測定できないおそれがある。
本発明は、上述した従来の課題を解決するためになされたものであり、燃料電池の触媒層におけるガス状態をより正確に測定することを目的とする。
上記目的の少なくとも一部を達成するために、本発明の燃料電池は、電解質膜と、前記電解質膜と接する触媒層を有し、前記電解質膜の一方の側に接して設けられた第1の電極体と、前記電解質膜の他方の側に接して設けられた第2の電極体と、測定電極と、前記触媒層と前記測定電極とのそれぞれに接する測定用電解質体とを有し、前記測定電極と前記測定用電解質体との界面が前記第1の電極体内部に存在するように構成された測定プローブと、基準電極と、前記測定電極と前記基準電極との間に接続され、前記基準電極に対する前記測定電極の電位を制御するとともに、前記測定電極と前記基準電極との間を流れる反応電流を測定する電気化学特性測定部と、を備えることを特徴とする。
この構成によれば、ガス状態を測定するための測定用電解質体が触媒層に接しているので、触媒層におけるガス状態をより正確に測定することができる。
前記触媒層は、その内部で燃料電池反応による生成水を発生させるものとしてもよい。
この構成によれば、生成水が発生する触媒層でのガス状態が測定できるので、生成水の滞留によるガス状態の変動の検出が容易となる。
前記基準電極は、前記第2の電極体に電気的に接続されているものとしてもよい。
例えば、基準電極を第1の電極体に接続した場合、基準電極付近での生成水の滞留によりガス濃度が低下し、基準電極電位が変動するおそれがある。これに対し、この構成のように、基準電極を生成水が生じない第2の電極体に接続すると、基準電極電位の変動を抑制できるので、ガス状態をより正確に測定することができる。
前記測定プローブは、前記測定電極を被覆する絶縁性被覆を備え、前記絶縁性被覆は、前記第1の電極体内部に開口部を有し、前記測定用電解質体は、前記開口部を覆うように設けられているものとしてもよい。
この構成によれば、測定用電解質体で覆われた絶縁性被覆の開口部がガス状態測定の測定点となるので、触媒層の任意の位置のガス状態を測定することができる。
前記第1の電極体は、前記触媒層側に凸部と凹部とを有する電極基材を備え、前記測定用電解質体は、前記触媒層のうち、前記電極基材の凸部と前記電解質膜との間に挟まれた部分に接するように設けられているものとしてもよい。
この構成によれば、反応ガスが拡散しにくい電極基材凸部に近い触媒層でのガス状態の測定ができるので、触媒層でのガス状態の変動をより容易に検出することができる。
前記第1の電極体は、前記触媒層側に凸部と凹部とを有する電極基材と、前記電極基材の前記触媒層とは反対の側から前記凸部を通り前記触媒層に到達する貫通孔と、を有し、前記測定プローブは、前記貫通孔を通して配置されているものとしてもよい。
この構成によれば、凹部よりも電極基材の強度が高い凸部に貫通孔が設けられるので、電極基材の破損を抑制することができる。
前記電気化学特性測定部は、前記測定電極を所定の初期電位から所定の測定電位に遷移させる電位遷移部と、前記初期電位から前記測定電位への遷移後の前記反応電流の時間変化を測定する応答測定部と、前記時間変化から前記測定用電解質体周囲の反応ガスの状態を表すガス状態パラメータを算出するガス状態パラメータ算出部と、を備えるものとしてもよい。
この構成によれば、反応電流の応答特性からガス状態パラメータが算出されるので、より正確なガス状態パラメータを取得することができる。
前記ガス状態パラメータは、前記反応ガスに含まれ燃料電池反応に使用される反応成分の前記測定用電解質体内での濃度に依存する値と、前記測定用電解質体内での前記反応成分の拡散係数に依存する値とを有する、燃料電池。
この構成によれば、ガス状態パラメータを用いて反応ガスの状態を判断することがより容易となる。
前記電気化学特性測定部は、前記測定用電解質体と前記測定電極との界面において水の電気分解が起きないように前記測定電極の電位を制御する、燃料電池。
この構成によれば、測定用電解質体内での反応成分の生成を抑制できるので、ガス状態の測定をより正確に行うことができる。
前記燃料電池は、さらに、前記反応ガスの加湿量と、前記反応ガスの流量と、前記反応ガスの圧力と、前記燃料電池の温度とのうちの少なくとも1つを調整することにより、前記ガス状態パラメータが予め定められた目標値となるように燃料電池を制御する燃料電池制御部を備えるものとしてもよい。
この構成によれば、触媒層における反応ガスの状態をより適切な状態に制御できる。
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、燃料電池のガス状態測定装置および測定方法、その測定装置や測定方法を利用した燃料電池とその制御装置および制御方法、また、その燃料電池を利用した発電装置およびその燃料電池を搭載した電気自動車等の態様で実現することができる。
次に、本発明を実施するための最良の形態を実施例に基づいて以下の順序で説明する。
A.実施例:
B.変形例:
A.実施例:
図1は、本発明の実施例としての燃料電池を構成するセル100の構造を示す断面模式図である。燃料電池は、セル100が積層された燃料電池スタックを有している。セル100は、電解質膜110と、電解質膜110を両側から挟み込むカソード200とアノード300と、を備えている。なお、これらのカソード200とアノード300とはいずれもセル100に設けられた電極であるので、本明細書においては、これらのそれぞれを「電極体」とも呼ぶ。
カソード200は、カソード触媒層210と、カソード拡散層220と、カソードセパレータ230と、を備えている。アノード300は、アノード触媒層310と、アノード拡散層320と、アノードセパレータ330と、を備えている。これらのセパレータ230,330は、いずれも触媒層210,310やガス拡散層220,320よりも強度が高い部材(例えば、ステンレス鋼)で構成されている。このため、セパレータ230,330は、電極基材と呼ぶことができる。
電解質膜110は、ナフィオン(デュポン社の商標)などのフッ素系樹脂材料で形成されており、湿潤状態において良好な導電性を有するプロトン伝導性のイオン交換膜である。触媒層210,310は、白金または白金と他の金属からなる合金を担持したカーボン粉を作成し、このカーボン粉を適当な有機溶剤に分散させ、電解質(例えばナフィオン)を適量添加してペースト化し、電解質膜上にスクリーン印刷することにより形成されている。ガス拡散層220,320は、触媒層210,310よりも気孔率が高い導電性の多孔質材料(例えば、発泡金属)で形成されている。なお、本実施例では、電極体200,300は、ガス拡散層220,320をそれぞれ有するものとしているが、これらのガス拡散層220,320はいずれも省略することができる。
セパレータ230,330は、ステンレス鋼などのガス不透性と導電性とを有する材料をプレス成形することにより形成されている。セパレータ230,330には、それぞれガス拡散層220,320に面した側に凹部が設けられている。カソードセパレータ230に設けられた凹部とカソード拡散層220とで形成される空間(カソード流路)には、酸素を含む酸化ガスが供給される。アノードセパレータ330に設けられた凹部とアノード拡散層320とで形成される空間(アノード流路)には、水素を含む燃料ガスが供給される。なお、これらの酸化ガスと燃料ガスとはいずれも燃料電池反応に用いられるガスであるので、これらのガスは併せて「反応ガス」とも呼ばれ、酸化ガス中の酸素と燃料ガス中の水素とは、いずれも反応ガス中の「反応成分」とも呼ばれる。
なお、本実施例では、セパレータ230,330として、ガス拡散層220,320側に反応ガスの流路を形成するための凹部を有するものを使用しているが、ガス拡散層220,320側に凹凸のないセパレータを使用することもできる。この場合、ガス拡散層220,320が反応ガスの流路となる。
セル100には、カソード200内での酸化ガスの状態を測定するための白金プローブ400が設けられている。白金プローブ400は、カソードセパレータ230とカソード拡散層220とに設けられた貫通穴を通して、カソード200外部からカソード触媒層210の位置まで導入されている。白金プローブ400とアノードセパレータ330とは、それぞれ導線520,530を介してポテンショスタット510に接続されている。
ポテンショスタット510は、基準電極に対する測定電極の電位を制御する電位制御部512と、基準電極と測定電極との間に流れる電流値を測定する電流測定部514と、を備える周知の電気化学特性測定装置である。
アノード300に形成されたアノード流路に供給された水素分子は、アノード拡散層320を透過してアノード触媒層310に到達する。アノード触媒層310では、水素分子が電子とプロトンとに解離する。解離によって生じたプロトンは、電解質膜110を通してカソード触媒層210に移動する。また、解離によって生じた電子は、アノード拡散層320とアノードセパレータ330を介して外部の導体に供給される。
カソード200に形成されたカソード流路に供給された酸素分子は、カソード拡散層220を透過してカソード触媒層210に到達する。カソード触媒層210では、カソード拡散層220を通して供給された酸素分子と、電解質膜110を通して供給されたプロトンと、外部の導体からカソードセパレータ230とカソード拡散層220とを通して供給された電子との燃料電池反応により水が生成される。
図2は、白金プローブ400の構成を説明する説明図である。白金プローブ400は、細い(半径数μm〜50μm)白金線410(以下、「白金電極410」とも呼ぶ)と、絶縁性被覆412と、電解質体420と、を備えている。白金電極410は、絶縁性被覆412と電解質体420とにより被覆されることにより、カソード200各部と絶縁されている。そのため、アノードセパレータ330(図1)に対する白金電極410の電位(以下、単に「白金電極電位」とも呼ぶ)は、白金電極410に接続されたポテンショスタット510により任意の値に設定することができる。
なお、白金電極電位は、電解質体420内部での酸素や水素の発生を抑制するため、白金電極410と電解質体420との界面での水の電気分解が起きないような電位に維持されるのが好ましい。この場合、電解質体420の外部に対する白金電極410の電位が、水の電解電位(0V vs RHE(可逆水素電極電位)以下もしくは1.5V vs RHE以上)とならないように白金電極電位が制御される。なお、このような白金電極電位は、例えば、基準電極に対する電解質体420の外部の電位を実験的に求めることによって決定することができる。
白金電極410を被覆している電解質体420は、白金電極410と電解質体420との界面(以下、「白金電極表面」とも呼ぶ)と、電解質体420の外周との距離(厚み)が例えば50μm〜100μmとなるように形成される。このような電解質体420としては、例えば、ナフィオン溶液の液滴を白金電極410に付着させた後、ナフィオン溶液を乾燥させることにより形成することができる。
電解質体420は、電解質膜110(図1)や触媒層210,310中の電解質と同様にプロトン伝導性を有している。ここで、電解質体420が触媒層210,310中の電解質と同一の物質で構成されていれば、電解質体420中のプロトン濃度は、触媒層210,310中の電解質のプロトン濃度と同程度となる。なお、電解質体420の内部での酸素濃度は、電解質体420の雰囲気が酸素を含む酸化ガスであるため、電解質体420内部の外周部で最大となる。この電解質体420外周部における酸素濃度(以下、「外周部酸素濃度」とも呼ぶ)は、電解質体420周囲の酸化ガス中の酸素濃度(ガス中酸素濃度)と電解質体420の酸素透過率によって定まる。
図3(a)は、白金電極電位を開回路電圧(OCV≒1V)から所定の測定電位に遷移させたときの酸素濃度分布の時間変化を示している。図3(a)の横軸は、白金電極表面からの距離を示し、図3(a)の縦軸は、酸素濃度を示している。なお、所定の測定電位は、白金電極表面での酸素濃度が十分下げられるような電位(例えば、0.4V)に適宜設定される。
白金電極電位が開回路電圧に設定されている場合、白金電極410には燃料電池反応を起こす電流(以下、単に「反応電流」とも呼ぶ)が流れないため、白金電極表面での燃料電池反応は進行しない。そのため、電解質体420内の全領域で、プロトン濃度は周囲のカソード触媒層210でのプロトン濃度となる。同様に、電解質体420内の全領域で、酸素濃度は外周部酸素濃度となる。
白金電極電位を測定電位にすると、白金電極410に反応電流が流れ、白金電極表面において、酸素とプロトンから水が生成される燃料電池反応が進行する。ここで、電解質体420中のプロトン濃度は、白金電極表面での燃料電池反応が電解質体420の表面からの酸素の拡散速度により律速されるような濃度である必要がある。
図3(a)に示すように、白金電極電位を遷移させた瞬間(t=0)においては、白金電極表面(x=0)での酸素濃度がほぼ0で、他の位置での酸素濃度はほぼ一定の値となっている。その後、時間の経過に従って、酸素濃度の分布は、白金電極表面からの距離に応じてなだらかに変化するようになる。このとき、白金電極410に流れる反応電流は次の(1)式(Cottrellの式と呼ばれる)で表される。
Figure 2006156175
ここで、i(t)[A]は、白金電極410を流れる反応電流である。また、n[=4]は燃料電池反応で授受される電子数を、F[=96500C/mol]はファラデー定数を、D[cm2/s]は電解質体420内での酸素の拡散係数(以下、単に「酸素拡散係数」とも呼ぶ)を、C[mol/cm2]は外周部酸素濃度を、r[cm]は白金電極410の半径をそれぞれ表している。
(1)式の右辺の括弧内の第1項は、時間tの平方根の逆数で表される反応電流の応答特性を表している。また、右辺の括弧内の第2項は、白金電極電位の遷移から十分時間が経過した平衡状態で一定の反応電流が流れることを表している。
図3(b)は、反応電流i(t)の時間変化のようすを示している。図3(b)の横軸は時間tを表し、縦軸は反応電流i(t)を表している。なお、図3(b)では、電流の正方向を白金電極表面から電解質体420に向かって流れる方向としている。
図3(b)に示されるように、反応電流i(t)は、白金電極電位の遷移の瞬間(t=0)でピークを示し、その後一定値に近づいていく。この反応電流i(t)の値は、所定の時間間隔(例えば、100ms)でサンプリングされる。
(1)式で示されるように、反応電流の時間に依存する項は、t-1/2の定数倍となっている。そのため、(1)式はt-1/2をパラメータとして次の(2)式のように表すことができる。
Figure 2006156175
(2)式は、反応電流i(t)がt-1/2をパラメータとすることにより、切片がAで傾きがBの直線となることを示している。
図3(c)は、図3(b)に示す反応電流i(t)をt-1/2を横軸としてプロットしたグラフである。図3(c)の直線は、白丸で示される所定の時間間隔でサンプリングされた反応電流i(t)値の回帰直線である。このように、反応電流i(t)をt-1/2をパラメータとしてプロットすることにより切片Aと傾きBを求めることができる。酸素拡散係数Dと外周部酸素濃度Cとは、この直線の切片Aと傾きBとを用いて、以下の(3)式および(4)式により算出することができる。
Figure 2006156175
このように、白金電極電位を開回路電圧(初期電位)から測定電位に遷移させ、遷移後の反応電流を測定することにより外周部酸素濃度Cと酸素拡散係数Dとが算出される。上述したように、外周部酸素濃度Cは、電解質体420の周囲のガス中酸素濃度と電解質体420の物性とによって定まるため、外周部酸素濃度Cを用いてガス中酸素濃度を求めることができる。また、酸素拡散係数Dは、電解質体420の水分含有量が高いほど小さくなる。電解質体420の水分含有量は電解質体420の周囲の酸化ガス中の水分濃度に依存するので、酸素拡散係数Dを用いて酸化ガス中の水分濃度を求めることができる。
なお、本実施例では、白金電極電位の遷移後の反応電流の応答を測定しているが、白金電極電位を所定の電位に維持した状態での反応電流を測定しても良い。この場合、反応電流からは外周部酸素濃度Cと酸素拡散係数Dとの積が算出される。そして、酸素拡散係数Dがほぼ一定値であると仮定すれば、算出された外周部酸素濃度Cと酸素拡散係数Dとの積から外周部酸素濃度C(ガス中酸素濃度)を求めることができる。
このように、外周部酸素濃度Cと酸素拡散係数Dとは、電解質体420の周囲の酸化ガスの酸素濃度と水分濃度とを表すパラメータとなる。そのため、外周部酸素濃度Cと酸素拡散係数Dとを所定の値となるように、酸化ガスの流量・加湿量、燃料ガスの流量・水素濃度、燃料電池温度等を制御することにより、酸化ガス中の酸素濃度や水分濃度を燃料電池の運転に適した状態となるように燃料電池の制御を行うことができる。
B.変形例:
なお、この発明は上記実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
B1.変形例1:
上記実施例では、測定電極として白金電極410を用いているが、電解質体420と接する部分が燃料電池反応の触媒としての活性を有するものであれば種々のものが測定電極として利用できる。測定電極としては、例えば、白金の合金やパラジウム(Pd)等の線や、電解質体420と接する部分に白金をメッキした銅(Cu)線を利用することも可能である。
B2.変形例2:
上記実施例では、白金電極410を被覆する絶縁性被覆412は、白金電極410のカソード触媒層210端に開口部を有しているが、絶縁性被覆412の開口部を他の位置に設けることも可能である。この場合、絶縁性被覆412の開口部を電解質体420で被覆することにより、その開口部付近における酸化ガス中の酸素濃度と水分濃度を測定することができる。
B3.変形例3:
上記実施例では、電解質膜110と電解質体420とをいずれもプロトン伝導性の固体高分子を用いて形成しているが、一般に、電解質膜110と電解質体420とは、同一種のイオンについて伝導性があればよい。例えば、電解質膜110をプロトン伝導性の固体高分子で形成し電解質体420をプロトン伝導性の固体酸化物で形成することもできる。また、電解質膜110と電解質体420とのいずれもをアニオン伝導性の電解質で形成することもできる。この場合、電解質体420はアノード触媒層(燃料電池反応により水が生成される側の触媒層)内に設けられ、ガス状態が測定される反応ガスは燃料ガスとなる。
B4.変形例4:
上記実施例では、アノードセパレータ330を基準電極にしているが、基準電極は、セル100との間で電気的に接続されていればよい。例えば、カソードセパレータ230やガス拡散層220,320を基準電極としてもよい。また、電解質膜110表面に蒸着やメッキをすることにより形成された電極を基準電極とすることもできる。なお、基準電極は、生成水の滞留による基準電極電位の変動を抑制するため、アノード300と接続されるのが好ましい。
B5.変形例5:
上記実施例では、電解質体420をカソード触媒層210とカソード拡散層220との界面に設けているが、一般に、電解質体420は、カソード触媒層210と接するように設けられていればよい。この場合、カソード触媒層210と電解質体420とが接することにより、電解質体420にプロトンが供給される。
B6.変形例6:
上記実施例では、カソードセパレータ230の凸部と電解質膜110との間のカソード触媒層210に接するように電解質体420を設けているが、電解質体420を他の位置に設けることもできる。なお、カソード触媒層210での酸化ガスが拡散しにくいカソードセパレータ230の凸部に近い領域では、カソード触媒層210での酸化ガス状態が変動するおそれが高いので、電解質体420は、カソードセパレータ230の凸部と電解質膜110との間のカソード触媒層210に接するように設けられるのが好ましい。
B7.変形例7:
上記実施例では、白金電極410を絶縁性被覆412で被覆することにより白金電極410とカソード200を絶縁しているが、白金電極410とカソード200とが絶縁できればよい。例えば、白金電極410を導入する穴を十分大きくすることにより、カソード200と白金電極410が接触しないようにするものとしてもよい。
B8.変形例8:
上記実施例では、白金電極410を被覆する絶縁性被覆412は、白金電極410のカソード触媒層210端に開口を有しているが、絶縁性被覆412の開口を他の位置に設けることも可能である。この場合、開口部をカソード触媒層210に接する電解質体420で被覆することにより、カソード触媒層210の任意の位置での酸化ガスの状態の測定が可能となる。
B9.変形例9:
上記実施例では、カソード200の電極基材であるカソードセパレータ230と、カソード拡散層220とに貫通穴を設け、その貫通穴を通して白金電極410を配置しているが、他の方法により白金電極410を配置することもできる。例えば、白金電極をカソード触媒層210とカソード拡散層220との間に配置し、単セルの外周部から白金電極を引き出すものとしてもよい。
また、カソードセパレータ230とカソード拡散層220とに設けられた貫通穴は、カソードセパレータ230の凸部を通るように設けられているが、貫通穴を他の位置に設けるものとしてもよい。なお、貫通穴は、カソードセパレータ230の破損を抑制することができるので、カソードセパレータ230の強度が高い凸部に設けられるのが好ましい。
本発明の実施例としての燃料電池を構成するセル100の構造を示す断面模式図。 白金プローブ400の構成を説明する説明図。 酸化ガスのガス状態測定原理を説明するグラフ。
符号の説明
100…セル
110…電解質膜
200…カソード
210…カソード触媒層
220…カソード拡散層
230…カソードセパレータ
300…アノード
310…アノード触媒層
320…アノード拡散層
330…アノードセパレータ
400…白金プローブ
410…白金電極
412…絶縁性被覆
420…電解質体
510…ポテンショスタット
512…電位制御部
514…電流測定部
520,530…導線

Claims (12)

  1. 電解質膜と、
    前記電解質膜に接する触媒層を有し、前記電解質膜の一方の側に接して設けられた第1の電極体と、
    前記電解質膜の他方の側に接して設けられた第2の電極体と、
    測定電極と、前記触媒層と前記測定電極とのそれぞれに接する測定用電解質体とを有し、前記測定電極と前記測定用電解質体との界面が前記第1の電極体内部に存在するように構成された測定プローブと、
    基準電極と、
    前記測定電極と前記基準電極との間に接続され、前記基準電極に対する前記測定電極の電位を制御するとともに、前記測定電極と前記基準電極との間を流れる反応電流を測定する電気化学特性測定部と、
    を備える、燃料電池。
  2. 請求項1記載の燃料電池であって、
    前記触媒層は、その内部で燃料電池反応による生成水を発生させる、燃料電池。
  3. 請求項2記載の燃料電池であって、
    前記基準電極は、前記第2の電極体に電気的に接続されている、燃料電池。
  4. 請求項1ないし3のいずれか記載の燃料電池であって、
    前記測定プローブは、前記測定電極を被覆する絶縁性被覆を備え、
    前記絶縁性被覆は、前記第1の電極体内部に開口部を有し、
    前記測定用電解質体は、前記開口部を覆うように設けられている、燃料電池。
  5. 請求項1ないし4のいずれか記載の燃料電池であって、
    前記第1の電極体は、前記触媒層側に凸部と凹部とを有する電極基材を備え、
    前記測定用電解質体は、前記触媒層のうち、前記電極基材の凸部と前記電解質膜との間に挟まれた部分に接するように設けられている、燃料電池。
  6. 請求項1ないし5のいずれか記載の燃料電池であって、
    前記第1の電極体は、前記触媒層側に凸部と凹部とを有する電極基材と、前記電極基材の前記触媒層とは反対の側から前記凸部を通り前記触媒層に到達する貫通孔と、を有し、
    前記測定プローブは、前記貫通孔を通して配置されている、燃料電池。
  7. 請求項1ないし6のいずれか記載の燃料電池であって、
    前記電気化学特性測定部は、
    前記測定電極を所定の初期電位から所定の測定電位に遷移させる電位遷移部と、
    前記初期電位から前記測定電位への遷移後の前記反応電流の時間変化を測定する応答測定部と、
    前記時間変化から前記測定用電解質体周囲の反応ガスの状態を表すガス状態パラメータを算出するガス状態パラメータ算出部と、
    を備える、燃料電池。
  8. 請求項7記載の燃料電池であって、
    前記ガス状態パラメータは、前記反応ガスに含まれ燃料電池反応に使用される反応成分の前記測定用電解質体内での濃度に依存する値と、前記測定用電解質体内での前記反応成分の拡散係数に依存する値とを有する、燃料電池。
  9. 請求項7または8記載の燃料電池であって、
    前記電気化学特性測定部は、前記測定用電解質体と前記測定電極との界面において水の電気分解が起きないように前記測定電極の電位を制御する、燃料電池。
  10. 請求項7ないし9のいずれか記載の燃料電池であって、さらに、
    前記反応ガスの加湿量と、前記反応ガスの流量と、前記反応ガスの圧力と、前記燃料電池の温度とのうちの少なくとも1つを調整することにより、前記ガス状態パラメータが予め定められた目標値となるように燃料電池を制御する燃料電池制御部を備える、燃料電池。
  11. 燃料電池のガス状態測定方法であって、
    前記燃料電池は、
    電解質膜と、
    前記電解質膜に接する触媒層を有し、前記電解質膜の一方の側に接して設けられた第1の電極体と、
    前記電解質膜の他方の側に接して設けられた第2の電極体と、
    前記触媒層に接し、測定電極と、前記触媒層と前記測定電極との間に設けられた測定用電解質体と、を有する測定プローブと、
    基準電極と、
    を備え、
    前記ガス状態測定方法は、
    (a)前記基準電極に対する前記測定電極の電位を制御する工程と、
    (b)前記測定電極と前記基準電極との間を流れる反応電流を測定する工程と、
    を備える、ガス状態測定方法。
  12. 請求項11記載のガス状態測定方法であって、
    前記工程(a)は、前記測定電極を所定の初期電位から所定の測定電位に遷移させる工程を含み、
    前記工程(b)は、
    前記初期電位から前記測定電位への遷移後の前記反応電流の時間変化を測定する工程と、
    前記時間変化から前記測定用電解質体周囲の反応ガスの状態を表すガス状態パラメータを算出する工程と、
    を含む、ガス状態測定方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013217737A (ja) * 2012-04-06 2013-10-24 Honda Motor Co Ltd 燃料電池内部用酸素濃度測定装置
JP2015153545A (ja) * 2014-02-13 2015-08-24 株式会社日本自動車部品総合研究所 燃料電池の電位測定装置及びこれを適用した燃料電池の酸素量測定装置

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