JP2008305636A - 触媒電極の排水性評価方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、比較的短時間で、精度よく、触媒電極の排水性を評価できる技術を提供することを目的とする。
【解決手段】電解質膜の一方の面に評価用触媒電極を配置して成る評価用膜電極接合体の、評価用触媒電極が配置されている面とは反対側の面である反対面に、加湿窒素を供給して、評価用膜電極接合体に水を含ませる工程(ステップS100)と、評価用触媒電極に、ドライガスを供給して、評価用膜電極接合体から水を持ち去る工程(ステップS120)と、ドライガスを供給し始めてから所定の時間の、評価用膜電極接合体の電気抵抗の変化を測定する工程(ステップS140)と、電気抵抗の変化率に基づいて、評価用触媒電極の排水性を評価する工程(ステップS160)と、を備える触媒電極の排水性評価方法。
【選択図】図2

Description

この発明は、固体高分子型燃料電池を構成する触媒電極の排水性評価方法に関する。
固体高分子型燃料電池の各電極では、以下の電気化学反応がそれぞれ行われる。
アノード:H2→2H++2e-
カソード:(1/2)O2+2H++2e-→H2
すなわち、アノードでは水素分子を水素イオンと電子に分解する電気化学反応が行われ、カソードでは、酸素と水素イオンと電子から水を生成する電気化学反応が行われる。したがって、アノードからカソードに向かって外部回路を移動する電子により起電力が生じると共に、カソード側に水が生成される。
固体高分子型燃料電池では、このような各電極における電気化学反応を迅速に進めるために、例えば、触媒としての白金をカーボンの表面に分散させて担持させた白金担持カーボンを、電極として用いている(以下、触媒電極ともいう)。この触媒電極は、例えば、白金担持カーボン粒子と、撥水兼接着剤としてのフッ素ポリマー粒子と、電解質ポリマーとの混合層であり、多孔質状を成す。反応ガスは、触媒電極の細孔を通って供給され、白金表面で反応して電子の授受を行なう。
したがって、カソードでは水が生成されるため、触媒電極の細孔に水が溜まり易く、それによって、反応ガスの流通が阻害されるおそれがある。反応ガスの流通が阻害されると、燃料電池の電池性能が低下するため、カソード側では排水性の良い触媒電極が求められる。複数の触媒電極の中から、排水性の良い触媒電極を選択するためには、触媒電極の排水性を評価する必要がある。
そこで、従来は、電解質膜の一方の面に触媒電極を接合した膜電極接合体(以下、MEAともいう)を用いて、燃料電池の排水性を評価する方法が提案されていた(例えば、特許文献1参照)。この提案例では、電解質膜と接する第1空間部を有する第1部材と、触媒電極と接する第2空間部を有する第2部材とで、MEAを挟持し、第1空間部に所定の量の水を供給し、第2空間部に所定の流速で乾燥したガスを流す。第2空間部に乾燥したガスを流すことにより、第1空間部から電解質膜を介して第2空間部に移動する水が蒸発して、ガスと共に排出されるため、所定の時間が経過すると、第1空間部に供給された水の量が減少する。その水の減少量に基づいて、燃料電池の排水性を評価する。
特開2002−313380号公報
上記の方法では、第2空間部に乾燥したガスを流すことにより、第1空間部から第2空間部に移動する水が蒸発するが、蒸発する水の量が微少であるため、その水量を測定するには多大な時間を要する。また、例えば、複数の触媒電極の排水性を、比較評価する場合には、蒸発する水の量が微少であるため、測定精度が悪く、有意差が出難いという問題があった。
そこで、本発明は、比較的短時間で、精度よく、触媒電極の排水性を評価できる技術を提供することを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1] 燃料電池を構成する触媒電極の排水性を評価する、触媒電極の排水性評価方法であって、
(a)電解質膜の一方の面に評価用触媒電極を配置して成る評価用膜電極接合体に、水を含ませる工程と、
(b)前記工程(a)の後に、前記評価用膜電極接合体の前記評価用触媒電極に、第1のガスを供給して、前記第1のガスによって前記評価用膜電極接合体から前記水を持ち去る工程と、
(c)前記工程(b)において前記第1のガスを供給し始めてから所定の時間の、前記評価用膜電極接合体の電気抵抗の変化を求める工程と、
(d)前記工程(c)において求めた前記電気抵抗の前記所定の時間における変化率に基づいて、前記評価用触媒電極の排水性を評価する工程と、
を、備えることを特徴とする触媒電極の排水性評価方法。
評価用膜電極接合体としては、例えば、電解質膜の一方の面に評価用触媒電極を配置し、他方の面には何も配置しないものや、他方の面には、評価用触媒電極よりも薄い触媒電極を配置したものや、電解質膜の両面に評価用触媒電極を配置したもの等を用いることができる。
工程(a)では、例えば、評価用膜電極接合体を、流路が形成された流路形成部材で挟持して、その流路に水を流すことによって、評価用膜電極接合体に含水させることができる。
工程(c)では、例えば、評価用膜電極接合体の両面に金属板を配置して、交流電流を印加し、LCRメータ等を用いて評価用膜電極接合体の電気抵抗を測定したり、周知の交流インピーダンス法によって電気抵抗を求めることができる。
本発明の触媒電極の排水性評価方法では、評価用触媒電極に第1のガスを流すことによって、評価用触媒電極から水を持ち去っている。すなわち、電解質膜の含水量も低下する。評価用膜電極接合体の電気抵抗は、電解質膜の含水量の変化に応じて変化する。電解質膜の含水量が低下すると、評価用膜電極接合体の電気抵抗は大きくなる。そのため、評価用膜電極接合体の電気抵抗を測定することによって、電解質膜の含水量低下状態がわかる。すなわち、電解質膜の含水量が低下したということは、電解質膜中の水が、触媒電極を介して排出されたということになる。
複数の種類の異なる触媒電極の排水性を評価する場合に、同じ電解質膜を用いて、評価用膜電極接合体を作成して、本発明の触媒電極の排水性評価方法を実施すると、評価用膜電極接合体の電気抵抗の増加率が相対的に大きいものは、電解質膜から水が持ち去られる速度が速いということであるため、相対的に触媒電極の排水性がよいと、判断することができる。上記したように、評価用膜電極接合体の電気抵抗は、周知の方法によって測定できるため、容易に、触媒電極の排水性を評価することができる。また、評価用膜電極接合体の電気抵抗は、電解質膜の含水量の変化に応じて変化するため、比較的短時間で、精度よく、触媒電極の排水性を評価することができる。
[適用例2] 適用例1に記載の触媒電極の排水性評価方法であって、
前記工程(a)において、
前記評価用膜電極接合体の少なくとも一方の面に、第2のガスを供給して、前記第2のガス中の水を、前記評価用膜電極接合体に含ませることを特徴とする触媒電極の排水性評価方法。
第2のガスとして、水(水蒸気)を含むガスを用いると、評価用膜電極接合体の第2のガスと接触する面から、水が吸収され、評価用膜電極接合体に含水させることができる。このようにすると、加湿ガスを用いて、容易に評価用膜電極接合体に含水させることができる。
[適用例3] 適用例1または2に記載の触媒電極の排水性評価方法であって、
(e)前記電解質膜の、前記評価用触媒電極が配置されている面とは反対側の面である反対面から、前記水が持ち去られることを制限する工程を、さらに備えることを特徴とする触媒電極の排水性評価方法。
本発明では、評価用膜電極接合体の電気抵抗の変化に基づいて、電解質膜の含水量の変化を判断し、触媒電極の排水性を評価している。電解質膜の反対面から、水が持ち去られると、その含水量の低下分が、評価用膜電極接合体の電気抵抗の増加率に影響を及ぼす。そうすると、精度よく、触媒電極の評価をすることができない。
そこで、適用例3のようにすると、電解質膜の反対面から、水が持ち去られることによる、評価用膜電極接合体の電気抵抗の増加に及ぼす影響を排除することができるため、評価用触媒電極の排水性を、より精度よく評価することができる。
[適用例4] 適用例3に記載の触媒電極の排水性評価方法であって、
前記工程(e)において、
前記電解質膜の前記反対面に、第3のガスを供給して、前記第3のガス中の水を前記評価用膜電極接合体に補給することによって、前記評価用膜電極接合体から前記水が持ち去られることを制限することを特徴とする触媒電極の排水性評価方法。
このようにすると、電解質膜の反対面から、第3のガスによって水が補給されるため、反対面からは水が持ち去られない。したがって、上記したように、触媒電極の排水性を精度よく評価することができる。
A.実施例:
図1は、本発明の好適な一実施例としての触媒電極の排水性評価方法を実施する際に用いる電気抵抗測定装置100を模式的に示す説明図である。本実施例では、図1に示すように、電解質膜12の一方の面に、評価用触媒電極10(評価対象となる触媒電極)を塗布して成る評価用MEA30を用いて、触媒電極の排水性を評価する。
電気抵抗測定装置100は、図1に示すように、ガス拡散層14、16、ドライ側流路形成部18、加湿側流路形成部20、集電板22、24、交流電流発生器42、およびLCRメータ40を、主に備える。ここで、LCRメータとは、L(インダクタンス)、C(キャパシタンス)、R(レジスタンス)、Z(インピーダンス)を、測定することができる装置である。
本実施例において、触媒電極の排水性評価方法を実施するときは、図1に示すように、評価用MEA30の両面に、ガス拡散層14、16が、それぞれ配置される。そして、ガス拡散層14に当接してドライ側流路形成部18が、ガス拡散層16に当接して加湿側流路形成部20が、それぞれ配置される。さらに、ドライ側流路形成部18に当接して集電板22が、加湿側流路形成部20に当接して集電板24が、それぞれ配置される。
ドライ側流路形成部18には、評価用MEA30に対して、ドライ窒素を供給するための、流路182が形成されている。また、ドライ側流路形成部18には、ドライ窒素を流路182に供給するためのドライ側窒素供給管52と、流路182から外へ排出するためのドライ側窒素排出管54と、が接続されている。本実施例において、ドライ窒素としては、露点0℃の窒素が用いられる。
加湿側流路形成部20には、評価用MEA30に対して、加湿窒素を供給するための、流路202が形成されている。また、加湿側流路形成部20には、加湿窒素を流路202に供給するための加湿側窒素供給管56と、流路202から外へ排出するための加湿側窒素排出管58と、が接続されている。本実施例において、加湿窒素は、露点60℃となるように、バブラー式加湿装置(図示しない)を通して加湿されている。バブラー式加湿装置(以下、「バブラー」ともいう。)は、温度管理された水の中に乾燥ガスを通すことによって、加湿ガスを作り出す装置である。バブラーによって作られた加湿ガスは、露点温度がバブラーの水温と等しくなる。
なお、ドライ側流路形成部18、加湿側流路形成部20には、冷却水流路(図示しない)が形成されており、ドライ側流路形成部18、加湿側流路形成部20に冷却水を循環させることによって、評価用MEA30の温度は、約80℃に保たれている。
交流電流発生器42およびLCRメータ40は、集電板22、24に接続されている。交流電流発生器42によって、所定の交流電流が集電板22、24間に印加された場合に、LCRメータ40によって、集電板22、24間の抵抗を測定することができる。
では、細孔容積の異なる2種類の触媒電極の排水性を比較評価する場合を例に挙げて、本発明の触媒電極の排水性評価方法について、図1ないし図3に基づいて説明する。図2は、本実施例の触媒電極の排水性評価方法の流れを示すフローチャート、図3は、本実施例の触媒電極の排水性評価方法における電解質膜の電気抵抗の測定結果を、加湿窒素、ドライ窒素の供給タイミングと共に示す説明図である。図3では、横軸に時間を、縦軸に電気抵抗をとり、集電板22、24間の電気抵抗の経時変化を折れ線グラフに示し、その下に、横軸の時間に合わせて、加湿窒素、ドライ窒素の供給タイミングおよび交流電流を印加するタイミングを示している。
供試体1は、電解質膜12として、フッ素系の高分子電解質膜を用い、電解質膜12の一方の面に、白金担持カーボン(カーボンの表面に白金を担持させたもの)と電解質膜溶液を含む触媒液をスプレー塗工して評価用触媒電極10を形成して成る評価用MEA30である。供試体2は、電解質膜12として、供試体1と同様に、フッ素系の高分子電解質膜を用い、電解質膜12の一方の面に、白金担持カーボンと電解質膜溶液を含む触媒液をスプレー塗工した後、プレス加工して評価用触媒電極10を形成して成る評価用MEA30である。すなわち、供試体2の評価用触媒電極10は、プレス加工することにより、供試体1の評価用触媒電極10に比べて、細孔容積が小さくなっている。
まず、評価用MEA30として、供試体1を用いる。図2に示すように、最初に、加湿側流路形成部20に、流量2000cm3/minで、加湿窒素を供給する(ステップS100)。加湿側流路形成部20に加湿窒素を供給すると、加湿窒素は、流路202を流通しつつ、ガス拡散層16に供給され、ガス拡散層16内に拡散されつつ、流通し、加湿側窒素排出管58を通って排出される。加湿窒素がガス拡散層16を流通する際に、加湿窒素に含まれる水蒸気が、電解質膜に吸収される。したがって、加湿側流路形成部20に加湿窒素を供給することによって、電解質膜12に水を含有させることができる。本実施例におけるステップ100が、請求項における工程(a)に相当する。
加湿側流路形成部20に加湿窒素を供給し続けて、約30分が経過した後(図3のグラフにおける時刻A)、ドライ側流路形成部18に、ドライ窒素を供給する(図2のステップS120)。このとき、電解質膜12に含有される水がガス拡散層16側から持ち去られるのを抑制するために、加湿側流路形成部20には、加湿窒素を供給し続けている。したがって、加湿側流路形成部20に加湿窒素を供給して30分経過した以降は、加湿側流路形成部20には加湿窒素が、ドライ側流路形成部18にはドライ窒素が、それぞれ、供給され続ける。すなわち、図3において、時刻Aまでは、加湿窒素のみが供給されており、時刻A以降は、加湿窒素とドライ窒素の両方が供給されている。本実施例におけるステップS120が、請求項における工程(b)に相当する。また、ドライ窒素が請求項における第1のガスに相当し、加湿窒素が、請求項における第2のガスおよび第3のガスに相当する。
ドライ側流路形成部18にドライ窒素を供給すると、流路182をドライ窒素が流通して、ガス拡散層14を介して拡散されつつ、評価用触媒電極10に供給される。評価用触媒電極10にドライ窒素が供給されると、評価用触媒電極10内をドライ窒素が流通する際に、電解質膜に含まれる水が水蒸気となってドライ窒素に持ち去られ、ドライ窒素と共にドライ側窒素排出管54を通って、排出される。すなわち、ドライ側流路形成部18にドライ窒素が供給されることによって、電解質膜12の含水量が低下する。
ところで、図3に示すように、上記した加湿窒素を供給している間中、集電板22、24の間には、交流電流発生器42によって微弱な交流電流が印加されている。そして、LCRメータ40を用いて、集電板22、24間の抵抗(インピーダンス)を測定している(図2におけるステップS140)。本実施例におけるステップS140が、請求項における工程(c)に相当する。
ここで、集電板22、24間の電気抵抗としては、集電板22、24間に配置されている部材間における接触抵抗に起因するものと、それら各部材そのものが有する抵抗とがある。これらの抵抗の内、電解質膜12の抵抗(以下、膜抵抗ともいう)は、電解質膜12の含水量が変化することで値が変動する。電解質膜12の含水量が低下すると、膜抵抗が大きくなる。
図3に示すように、供試体1の電気抵抗は、時刻Aまでは、ほぼ一定の低い値を示している。これは、時刻Aまでは、加湿側流路形成部20に加湿窒素を供給し、ドライ側流路形成部18には、何も供給していないため、電解質膜12の含水量が充分な状態であり、膜抵抗が一定の低い値を示しているためと考えられる。
時間A〜Bの間に、供試体1の電気抵抗は、急激に増大している。これは、ドライ窒素を供給することにより、電解質膜12の評価用触媒電極10と当接している面から、水が持ち去られ、電解質膜12の含水量が低下したためと考えられる。
時刻B以降は、供試体1の電気抵抗は、徐々に増加した後、ほぼ一定の値を示す。これは、ドライ側流路形成部18にドライ窒素が供給されている間中、加湿側流路形成部20には、加湿窒素が供給されているためと考えられる。例えば、ドライ側流路形成部18にドライ窒素が供給されている間、加湿側流路形成部20に加湿窒素が供給されていないとすると、電解質膜12は、急激に乾燥していくため、供試体1の電気抵抗は、時間B以降も、大きく増加すると考えられる。しかしながら、本実施例では、ドライ側流路形成部18にドライ窒素が供給されている間中、加湿側流路形成部20に、加湿窒素が供給されているため、電解質膜12のガス拡散層16と当接する面から電解質膜に水が供給され、電解質膜12から持ち去られる水の量と、電解質膜12に供給される水の量とが、所定の平衡状態に近づいていくと考えられる。
続いて、評価用MEA30として、供試体2を用いて、上記したように、加湿窒素およびドライ窒素を供給すると共に、交流電流を印加して、集電板22、24間の電気抵抗を測定する。図3に示すように、供試体2の電気抵抗は、時間A〜Bの間に、大きく増加し、時刻B以降緩やかに増加しつつ、ほぼ一定の値を示すようになっている。
その後、供試体1、2それぞれについて、時間A〜B間の電解質膜の電気抵抗の増加率を求めて、触媒電極の排水性を評価する(図2におけるステップS160)。本実施例におけるステップS160が、請求項における工程(d)に相当する。
図3に示すように、時間A〜B間の増加率は、供試体1の方が、供試体2に比べて大きい。上記したように、電解質膜の含水量が低下すると、電気抵抗が大きくなるため、図3に示した結果から、供試体1の方が、供試体2よりも電解質膜12が早く乾いたといえる。すなわち、供試体1の触媒電極の方が、供試体2の触媒電極よりも、排水性が良いと評価することができる。
上記したように、電解質膜12の電気抵抗の増加率を比較することによって、触媒電極の排水性を評価することができる。本実施例において、時間A〜B間は、約60秒であるため、短時間で触媒電極の排水性を評価することができるといえる。したがって、例えば、複数の触媒電極の排水性を比較評価する場合でも、比較的短時間で評価をすることができる。
また、従来の燃料電池の排水性を評価する方法では、背景技術に述べたように、電解質膜を介して触媒電極側に移動し、ガスによって水蒸気として排出された水の量に基づいて、触媒電極の排水性を評価しているが、ガス中に含まれる水蒸気量は微少であるため、測定精度が悪く、複数の触媒電極を比較評価する場合には、有意差が出難いという問題があった。本実施例の触媒電極の排水性評価方法によれば、膜抵抗の変化に基づいて、触媒電極の排水性を評価しており、膜抵抗は、電解質膜の含水量の変化に伴って変化するため、有意差が出易く、精度よく、触媒電極の排水性を評価することができる。
B.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
(1)上記した実施例では、供試体として、電解質膜12の一方の面に評価用触媒電極10を配置し、他方の面には、何も配置しない評価用MEA30を用いたが、電解質膜12の他方の面に、評価用触媒電極10と同様の触媒電極を配置してもよい。このようにしても、電解質膜12の他方の面に配置された触媒電極には、加湿ガスが供給されるため、その触媒を介して電解質膜12に含まれる水が蒸発して持ち去られるという問題は生じない。したがって、評価用触媒電極10の排水性の評価に影響を及ぼさない。
また、電解質膜12の一方の面に評価用触媒電極10を配置し、他方の面に評価用触媒電極10よりも薄く形成された触媒電極を配置してもよい。このようにしても、上記したように、その触媒電極を介して電解質膜12に含まれる水が蒸発して持ち去られるという問題は生じないため、評価用触媒電極10の排水性の評価に影響を及ぼさない。電解質膜12の他方の面に、評価用触媒電極10と同様の触媒電極を配置する場合と比べると、薄く形成された触媒電極を配置した方が、加湿ガスが電解質膜12表面に早く到達するため、電解質膜12に早く含水させることができるようになる。
(2)上記した実施例では、電解質膜12のガス拡散層16と当接する面から、水が持ち去られるのを抑制するために、ドライ側流路形成部18にドライ窒素を供給し始めてからも、加湿側流路形成部20には加湿窒素を流し続けているが、その他の方法で、電解質膜12のガス拡散層16と当接する面からの水の持ち去りを抑制してもよい。例えば、ドライ側流路形成部18にドライ窒素を供給し始めたら、加湿側流路形成部20の加湿窒素供給口および加湿窒素排出口(図示しない)を密封してもよい。このようにしても、加湿側流路形成部20から、水が排出されないため、電解質膜12のガス拡散層16と当接する面からの水の持ち去りを抑制することができる。
(3)上記した実施例では、評価用MEA30に含水させるための加湿ガスおよび、評価用MEA30から水を持ち去るためのドライガスとして、窒素を用いているが、例えば、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスや、水素、空気等を用いてもよい。但し、例えば、水素と空気を用いると、電気化学反応を起こす可能性があるため、ドライ側流路形成部18、加湿側流路形成部20それぞれに、同種のガスを供給するのが好ましい。また、一酸化炭素や二酸化炭素等は、触媒を被毒させるおそれがあるため、用いない方がよい。
(4)上記した実施例では、ドライ側流路形成部18にドライ窒素を供給すると共に、加湿側流路形成部20に加湿窒素を供給しているが、ドライ側流路形成部18、加湿側流路形成部20の両側にドライ窒素を供給するようにしてもよい。このようにする場合には、電解質膜12の両面に評価用触媒電極10を配置した評価用MEAを用いれば、電解質膜12の両面から、同じように水が持ち去られるため、1つの触媒電極の排水性を評価する際には、電気抵抗の増加率を1/2にすればよい。また、複数の触媒電極について比較評価する場合には、他の評価用MEA30も、電解質膜12の両面に評価用触媒電極10を配置すれば、同じ条件で触媒電極の排水性を評価することができる。
(5)上記した実施例では、一定の時間、加湿側流路形成部20にのみ、加湿窒素を供給することによって、電解質膜12に含水させているが、ドライ側流路形成部18および加湿側流路形成部20の両方に、加湿窒素を供給してもよい。このようにすることによって、短時間で電解質膜12に含水させることができる。例えば、約15分間、ドライ側流路形成部18および加湿側流路形成部20の両方に、加湿窒素を供給した後、ドライ側流路形成部18には、加湿窒素に代えてドライ窒素を供給し、加湿側流路形成部20には続けて加湿窒素を供給するようにしてもよい。
(6)上記した実施例では、加湿側流路形成部20に加湿窒素を約30分間供給することによって、電解質膜12に含水させているが、加湿窒素を供給する時間は、この時間に限定されず、電解質膜12に充分に含水させることができる時間であればよい。例えば、加湿側流路形成部20に加湿窒素を供給し、集電板22、24間の電気抵抗を連続して測定して、電気抵抗がほぼ一定の低い値になったら、電解質膜12の含水量が充分であると判断し、ドライ側流路形成部18にドライ窒素を供給するようにしてもよい。
(7)上記した実施例において、加湿窒素として露点60℃の窒素、ドライ窒素として、露点0℃の窒素を用いているが、窒素の湿度は、これに限定されない。加湿窒素としては、加湿窒素を加湿側流路形成部20に供給することによって、電解質膜12に含水させることができるものであればよいし、ドライ窒素としては、ドライ窒素をドライ側流路形成部18に供給することによって、電解質膜12から水を持ち去ることができるものであればよい。
(8)上記した実施例では、供試体1、2を用いて、触媒電極の排水性を比較評価しているが、所定の基準値に基づいて排水性を評価するようにしてもよい。例えば、上記した実施例における供試体2の電気抵抗の増加率(時間A〜B)を、基準値とし、評価したい触媒電極について、上記した実施例と同一の条件で試験を行い、その増加率が基準値より大きければ、排水性が良い、基準値より小さければ排水性が悪いと評価するようにしてもよい。
(9)触媒電極の排水性評価に供する供試体は、上記した実施例の供試体に限定されない。例えば、電解質膜として、炭化水素系の高分子電解質膜等のフッ素系以外の高分子電解質膜を用いてもよい。また、触媒電極の触媒としては、白金にバナジウム、クローム、鉄、コバルト、ニッケル等を混合した白金合金を用いてもよい。さらに、電解質膜に当接して触媒電極を配置する方法としては、転写法等のスプレー塗布以外の方法によって配置してもよい。
本発明の好適な一実施例としての触媒電極の排水性評価方法を実施する際に用いる電気抵抗測定装置100を模式的に示す説明図である。 本実施例の触媒電極の排水性評価方法の流れを示すフローチャートである。 本実施例の触媒電極の排水性評価方法における電解質膜の電気抵抗の測定結果を加湿窒素ドライ窒素の供給タイミングと共に示す説明図である。
符号の説明
10…評価用触媒電極
12…電解質膜
14、16…ガス拡散層
18…ドライ側流路形成部
20…加湿側流路形成部
22、24…集電板
30…評価用MEA
42…交流電流発生器
52…ドライ側窒素供給管
54…ドライ側窒素排出管
56…加湿側窒素供給管
58…加湿側窒素排出管
100…電気抵抗測定装置
182、202…流路

Claims (4)

  1. 燃料電池を構成する触媒電極の排水性を評価する、触媒電極の排水性評価方法であって、
    (a)電解質膜の一方の面に評価用触媒電極を配置して成る評価用膜電極接合体に、水を含ませる工程と、
    (b)前記工程(a)の後に、前記評価用膜電極接合体の前記評価用触媒電極に、第1のガスを供給して、前記第1のガスによって前記評価用膜電極接合体から前記水を持ち去る工程と、
    (c)前記工程(b)において前記第1のガスを供給し始めてから所定の時間の、前記評価用膜電極接合体の電気抵抗の変化を求める工程と、
    (d)前記工程(c)において求めた前記電気抵抗の前記所定の時間における変化率に基づいて、前記評価用触媒電極の排水性を評価する工程と、
    を、備えることを特徴とする触媒電極の排水性評価方法。
  2. 請求項1に記載の触媒電極の排水性評価方法であって、
    前記工程(a)において、
    前記評価用膜電極接合体の少なくとも一方の面に、第2のガスを供給して、前記第2のガス中の水を、前記評価用膜電極接合体に含ませることを特徴とする触媒電極の排水性評価方法。
  3. 請求項1または2に記載の触媒電極の排水性評価方法であって、
    (e)前記電解質膜の、前記評価用触媒電極が配置されている面とは反対側の面である反対面から、前記水が持ち去られることを制限する工程を、さらに備えることを特徴とする触媒電極の排水性評価方法。
  4. 請求項3に記載の触媒電極の排水性評価方法であって、
    前記工程(e)において、
    前記電解質膜の前記反対面に、第3のガスを供給して、前記第3のガス中の水を前記評価用膜電極接合体に補給することによって、前記評価用膜電極接合体から前記水が持ち去られることを制限することを特徴とする排水性評価方法。
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CN112307597A (zh) * 2020-09-29 2021-02-02 清华大学 一种电絮凝水处理装置的性能评价方法

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