JP4661943B2 - Coガスセンサ - Google Patents

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Description

この発明はCOガスセンサに関する。この発明のCOガスセンサは水素ガスリッチな雰囲気中において微量なCOガス濃度を検出するのに適しており、メタノール改質ガスを燃料ガスとして使用する燃料電池等において好適に使用される。
国際公開第WO97/40371号公報において、新規なガスセンサが提案されている。このガスセンサにおいてパルス法を実行するときの原理を図1〜3に基づいて説明する。
図1に示すように、このCOガスセンサは検出電極1と対向電極2との間に電解質膜3を介在させた構成である。センサ制御部5により、検出電極1側に正の電圧を印加する。図2の上段に示すように比較的高いCO酸化電位から比較的低いCO吸着電位まで検出電極に印加する電圧を変化すると、同図下段に示すように、過渡電流(応答電流)が流れる。この応答電流の減少率は被検ガス中のCO濃度に対応している。即ち、CO濃度が高くなるにつれ応答電流の減少率が大きくなる。そこで、図3に示すように、電流減少率とCO濃度との関係を示す検量線を予め求めておき、測定した電流減少率を検量線に対照させることによりCO濃度を特定することができる。
本発明者らは、上記ガスセンサを改良すべく鋭意検討を行ってきた。その結果、上記ガスセンサには次なる解決すべき課題があることに気がついた。
検出電極と対向電極間に流れる応答電流が大きいと素子の劣化が進行し、その性能が低下する。
COガスに対する感度を向上する。
温度や湿度などの環境に鈍感なセンサとする。即ち、広い温度範囲及び湿度範囲で測定が可能なCOセンサを得る。
従来例のCOセンサでは参照電極を用いていた。しかし、部品点数削減による小型軽量化ひいては製造原価を低下させる見地から、この参照電極は省略することが望ましい。
この発明は上記課題の少なくとも1つを解決することを目的とし、その構成は次の通りである。
検出電極と対向電極とで固体電解質膜を挟んでなる検出部と、前記検出電極と対向電極との間に電圧を印加しかつ該電圧を変化させる電圧印加装置とを備えてなるCOガスセンサにおいて、
前記検出電極は
電気化学的に不活性で、導電性を有しかつポーラスな基材と、
該基材に形成された反応層であって、電気化学的に活性な第1の材料を含んでなり、1ng/cm〜100μg/cmの密度で0.3nm〜15μmの厚さを有する反応層と、
を備えてなることを特徴とするCOガスセンサ。
このように構成されたCOガスセンサによれば、検出電極と対向電極との間に流れる電流を可及的に小さくすることができる。従って、センサ内の温度上昇やそれに起因する電解質膜の乾燥を防止でき、センサの寿命が長くなる。電流が小さくできるので、COガスに対する感度も向上する。
また、COガスセンサが有効に動作する温度範囲及び湿度範囲が広くなる。
さらには、参照電極を省略しても安定してCOガスの測定が可能になる。
以下、この発明の実施の形態につき説明する。
図4はこの発明のCOガスセンサ10の基本的な構成を示している。以下、各構成要素について説明する。
検出電極11
検出電極11はポーラスな基材と反応層から構成される。
ここに、基材は導電性でありかつ電気化学的に不活性であれば任意の材料を用いることができる。かかる基材の材料として、導電性カーボン等を挙げることができる。電気化学的に不活性とはセンサ印加電圧の範囲内ではCOや水素との間に電荷の授受がないことをいう。基材をポーラス(多孔質)としたのは、より少ない体積でより多くの表面積を得、もって当該表面により多くの触媒を担持させるためである。
基材の空孔率は10〜90%とすることが好ましい。更に好ましくは20〜60%であり、更に更に好ましくは35〜45%である。
基材の平均空孔径は1nm〜100μmとすることが好ましい。更に好ましくは1nm〜1μmであり、更に更に好ましくは10nm〜0.3μmである。
反応層は電気化学的に活性な第1の材料を含む第1の触媒を含んでいる。かかる触媒表面においてセンサ印加電圧の範囲内でCOの吸着、酸化及びHの酸化が行われている。従って、触媒が実質的な電極の働きをしている。この点、従来技術(WO97/40371号公報)に開示の検出電極では白金そのものを電極の基材とした例も開示されている。本願発明で触媒を用いるのは、より小さな重量でより大きな電気化学的に活性な面積、即ちCOやHを電気化学的に吸着、酸化できる面積を得るためである。これにより、高重量でかつ高価な第1の触媒
材料の使用量を少なくすることができる。
第1の触媒を構成する第1の材料にはPt、Au、Cu、Ni、Pd、Ag、Rh、Ruから選ばれる1種以上の金属又は選ばれた1種以上の金属の合金を含んでなるものを使用できる。中でも、Ptが好ましい。
かかる材料の微粉末であれば、触媒として販売されていなくても、本願発明でいうところの触媒に含まれる。即ち、金属単体からなる電極に比べて、基材に担持させることにより、より小さな重量でより大きな電気化学的に活性な面積、即ちCOやHを電気化学的に吸着、酸化できる面積を得られるものであればよい。
第1の触媒の密度は、本発明者らの検討によれば、1ng/cm〜10mg/cmとすることが好ましい。第1の触媒の密度が1ng/cm未満であると応答電流が安定せず、また10mg/cmを超えると応答電流が大きくなりすぎてそれぞれ好ましくない。第1の触媒の更に好ましい密度は10ng/cm〜1mg/cmであり、更に更に好ましくは0.1μg/cm〜10μg/cmである。
なお、上記解決手段では100μg/cmを第1の触媒の密度の上限としているが、これは、比較例との対比において求めた値である。COセンサとしての実用を考えると、既述のように、1ng/cm〜10mg/cmとすることが好ましい。
第1の触媒の担持量でより重要なことは、その総担持量、即ちその総面積を制御することによりセンサに流れる応答電流の量を制御することである。COに対する感度、耐久性等を向上するためには応答電流を小さくすることが好ましい。従って、検出電極11においてその電気化学的に有効な電極面積を規定する第1の触媒の担持量は少ないほど良いこととなる。
上記においては、触媒の担持量を基材の単位面積当たりの重量、即ち密度で規定した。触媒によっては、その単位重量当たりの表面積が異なる場合があるので、以下、表面積を基準にその配合量を規定すると次のようになる。
即ち、基材に対する反応層の比表面積は基材:触媒=1:0.001〜100であることが好ましい。更に好ましくは比表面積を基材:触媒=1:0.01〜10とする。更に更に好ましくは比表面積を基材:触媒=1:0.1〜1とする。
ここで、比表面積とは基材の単位面積と該単位面積当たりに担持されている触媒の総表面積との比である。
反応層の厚さは0.3nm〜1cmとすることが好ましい。反応層の厚さが0.3nm未満であると、反応層を構成する触媒によっても電気化学的に活性な表面積が充分に得られない。また反応層の厚さが1cmを超えると、反応層内へ被検ガスが充分に拡散しないおそれがある。即ち、CO濃度が変化したときにもその被検ガスが反応層内へ迅速かつ均一に拡散しないおそれがある。反応層の更に好ましい厚さは1μm〜1mmであり、更に更に好ましくは5μm〜10μmである。
なお、上記解決手段では反応層の厚さを0.3nm〜15μmとしているが、これは比較例との対比において定められた数値である。このように検出電極11の反応層を薄くすることにより、検出電極11の表面積(担持されている触媒の総面積)を小さくする作用もある。COガスセンサとしての実用を考えると、既述のように検出電極11の反応層の厚さは0.3nm〜1cmとすることが好ましい。
対向電極12
対向電極12は導電性のポーラスな基材に電気化学的に活性な第2の材料を含む第2の触媒を担持させた構成である。
基材には検出電極と同じものを使用できる。また、部品の共通化の点から基材は検出電極と同じもの用いることが好ましい。
第2の触媒を構成する第2の材料には、第1の触媒を構成する第1の材料と同様に、Pt、Au、Cu、Ni、Pd、Ag、Rh、Ruから選ばれる1種以上の金属又は選ばれた1種以上の金属の合金を用いることができる。かかる触媒は基材へ全体的に分散しても良いし、第1の触媒と同様に、基材上に反応層を形成する構成としても良い。
この第2の触媒も、検出電極における第1の触媒と同様に、その表面において図1に示すように電荷の授受が行われる。従って、第2の触媒は実質的な電極の働きをしている。本願発明で触媒を用いるのは、より小さな体積でより大きな電気化学的に活性な面積、即ちHを電気化学的に還元できる面積を得るためである。これにより、高重量でかつ高価な第2の触媒材料の使用量を少なくすることができる。
対向電極に担持される第2の触媒はCOを吸着し難いものとすることが好ましい。図1に示すように、水素の還元が行われる対向電極表面にCOが吸着していると、当該還元作用の妨げになるからである。かかる第2の触媒としてPt−Ru触媒を用いることができる。
第2の触媒の担持量は、本発明者らの検討によれば、1ng/cm〜10mg/cmの範囲から任意に選択することができる。第2の触媒の担持量が少ないと、応答電流が安定しなくなるおそれがある。そこで、この発明では、第2の触媒の担持量(総量)を検出電極11における第1の触媒の担持量(総量)との比較でみることとした。
本発明者らの検討によれば、対向電極12に担持されるPt−Ru等の第2の触媒の総重量:検出電極11に担持される第1の触媒の総重量=0.1〜100000:1とすることが好ましい。更に好ましくは1〜10000:1であり、更に更に好ましくは10〜1000:1である。
これはまた、対向電極12の電気化学的に有効(活性)な表面積と検出電極11における電気化学的に有効(活性)な表面積との関係でもある。即ち、各電極に担持される触媒の単位重量当たりの表面積が等しいと仮定して、対向電極12の電気化学的に有効な表面積:検出電極11の電気化学的に有効な表面積=0.1〜100000:1とすることが好ましい。更に好ましい面積比は1〜10000:1であり、更に更に好ましくは10〜1000:1である。
電解質膜13
電解質膜13は固体高分子材料、例えばフッ素系樹脂により形成されたプロトン伝導性のイオン交換膜である。例えば、ナフィオン(商品名:デュポン社)膜などを用いることができる。この電解質膜13はプロトンを移動させるため、湿潤状態が維持される必要がある。従って、COガスセンサ10を流れる電流が大きくなると発熱が生じ、電解質膜13が過度に乾燥するおそれがあるので好ましくない。また、COガスセンサ10の置かれる雰囲気の湿度も電解質膜13の湿潤状態を維持する観点から重要である。
この電解質膜13の膜厚は特に限定されない。
電解質膜13の代わりに、硫酸水溶液などの電解液を用いることもできる。この場合は、電解液中に検出電極と対向電極とを浸漬することとなる。
拡散制御膜14(図5参照)
図5に示すように、拡散制御膜14を、反応層を覆うようにして、検出電極11の表面に設けることもできる。この拡散制御膜14には多孔質膜(例えば基材と同じポーラスカーボン)若しくは液膜(硫酸水溶液)を採用することができ、その膜厚は任意である。
このような拡散制御膜14を設けることにより、センサの検出速度の律速を検出電極11の反応層上でのガス拡散速度に依存させることができる。この拡散制御膜14を省略した場合、検出環境の温度や湿度がナフィオン膜に影響し、当該ナフィオン膜でのイオン伝導速度がセンサの検出速度を規定するおそれがある。既述のようにこの発明は検出電極の反応層を最適化することによりセンサの能力を向上させようとするものであるので、反応層のパフォーマンスがセンサ全体のパフォーマンスに直接影響するようにすることが好ましい。
センサ制御部15
電圧印加装置としてのセンサ制御部15は、直流電源16、電圧変更回路17及び電流計18を備えている。電圧変更回路17は直流電源16の電圧を、例えば図2の上段に示す矩形波パルスのように、変更する。その高電位側がCO酸化電位にあり、その低電位側がCO吸着電位にあればパルス波形は特に制限されない。WO97/40371号公報に示される三角波や正弦波なども採用することができる。かかる電圧変更回路17には周知のパルス波形成回路を用いることができる。電流計18は、電圧がCO酸化電位からCO吸着電位に変化したときに流れる応答電流を検出する。
このようにして得られた応答電流からCO濃度を演算により求める。演算を実行するときの原理としては(1)汎用検量線法、(2)ラングミュア型CO吸着の検量線法、(3)一定の電流減少率に達する時間の逆数とCO濃度の関係による検量線法、(4)初期電流減少速度とCO濃度との関係による検量線法などがある。詳しくはWO97/40371号公報を参照されたい。
勿論、サイクリック・ボルタンメトリー法を実行することもできる。この場合は、電圧変更回路17により電圧を所定範囲内で掃引する。
得られた応答電流からCO濃度を特定するためのCO濃度演算装置20を図6に示す。CO濃度演算装置20は応答電流減少率演算回路21、CPU23及びメモリ25を備えてなる。応答電流減少率演算回路21は電流計18で検出された応答電流の波形を解析し、その所定時間当たりの減少率を演算する。メモリ25には上記(1)〜(4)のいずれかの検量線法を実行するために必要な検量線(図3参照)が例えばデータテーブルの形式で保存されている。メモリ25には、CPU23の動作を規定するコントロールプログラムも保存されている。CPU23はメモリ25に保存されている電流減少率−CO濃度のデータテーブルを参照して応答電流減少率演算回路21で演算された電流減少率からCO濃度を特定する。特定されたCO濃度はディスプレイや印刷装置などからなる表示装置27に表示される。また、CO濃度演算装置20が燃料電池装置に組み付けられているときには、得られたCO濃度が当該燃料電池装置の制御部に送られる。
図7には、この発明のCOガスセンサ10を燃料電池装置に組み付けた例を示す。図7に示す燃料電池装置では、メタノールタンク31からポンプ32によりメタノールが、一方水タンク30からポンプ36により水がそれぞれ水/メタノールタンク35へ導入され、該タンク35から原料として水/メタノールがポンプ34により改質装置33に導入され、ここでメタノール改質ガス(H2 :75%、CO2 :25%、CO:数100ppm)に改質される。改質ガスはCO選択酸化部37へ送られて当該改質ガス中のCOが選択的に酸化され、燃料電池38へ送られる。CO選択酸化部37から排出された燃料ガスの一部はCOガスセンサ10へ送られてそこで燃料ガス中のCO濃度が測定される。COガスセンサ10で検出された応答電流に基づきCO濃度演算装置20がCO濃度を演算する。得られたCO濃度は燃料電池装置の主制御部39へ送られる。得られたCO濃度に基づき主制御部39はCO選択酸化部37のCO酸化反応条件などを制御する。また、CO濃度が所定の閾値を超えた場合には、燃料電池38への燃料ガスの供給を停止する。
次に、この発明のCOガスセンサの好ましい実施例について説明する。なお、以下の説明で比較例としたCOガスセンサであっても、充分実用に耐え得るものであり、その構成は本発明の従来例となるものではないことをはじめに断っておく。
実施例のCOガスセンサと比較例のCOガスセンサの構成は図4に示すものであり、各構成要素のスペックは表1に示す通りである。
Figure 0004661943
表において、各電極の比表面積は、電極の基材の単位面積に担持されている触媒の総表面積を示す。
なお、実施例及び比較例においては、各電極の基材にPt触媒若しくはPt−Ru触媒を常法により塗布して基材の表面に反応層を形成する。その後、検出電極及び対向電極の各対向面間にナフィオン膜を挟み、全体をホットプレスしてセンサ検出部を形成する。各電極をセンサ制御部につないで図4の構成のCOセンサとした。
実施例と比較例との対比において、COガスセンサの検出電極のPt触媒の担持量は100μg/cm以下とすることが好ましい。同じく検出電極の厚さは15μm以下とすることが好ましい。対向電極に担持させる触媒はPt−Ruとすることが好ましい。
図8は、実施例の構成において、検出電極のPt触媒担持量を変化させた場合の応答電流の値を示す。印加したCO吸着電圧の電位は0.2Vである。図8の結果からPt触媒の担持量は100μg/cm以下とすることが好ましいことがわかる。更に好ましくは30μg/cm以下であり、更に更に好ましくは1μg/cm以下である。
図9は実施例と比較例のCOガスセンサにおける応答電流のプロファイルである。なお、COガス濃度は100ppm、温度90℃、湿度20mol%、圧力1.5気圧、流量100リットル/分の条件下で図9の結果は得られたものである。
図9から明らかなように、実施例のCOガスセンサの応答電流の値は0.1mA/cm〜0.1A/cmであり、比較例のそれに比べて1/10〜1/1000の大きさである。
COガスセンサには少なくとも1〜2Ω程度の内部抵抗があると考えられるが、このように応答電流の値が小さくなると、センサに内部抵抗があったとしてもIR損が殆どなくなる。図10は比較例と実施例のCOガスセンサの印加電圧のプロファイルと過電圧のプロファイルとを示す。比較例の場合は、応答電流の値が大きいので印加した電圧のプロファイルとIR損に起因する過電圧のプロファイルとで大きな乖離が見られる。このように、両者に乖離があると、CO酸化やCO吸着に必要な電位が設計通りに印加されないおそれがある。これを回避するため従来例では参照電極を追加していた。ところが、実施例の場合は、印加した電圧のプロファイルと過電圧のプロファイルがほぼ一致する。その結果、対向電極の電位が安定し、参照電極の省略が可能になった。
電流が小さくなってIR損が無くなれば、COガスセンサ内での発熱も殆どなくなる。そのため、電解質膜の乾燥やその劣化を防止でき、COガスセンサの寿命を延ばすことが可能になる。
図11は比較例のCOガスセンサと実施例のCOガスセンサとにおける検量線の例を示す。図からわかるように、比較例のCOガスセンサの定量限界がほぼ20ppmであるのに対し、実施例のCOガスセンサの定量限界はほぼ1ppmである。
図12は比較例のCOガスセンサと実施例のCOガスセンサとの温度依存性を示す。図から明らかなように、比較例のCOガスセンサでは90℃を超えるとセンサ出力が低下して使用に耐えなくなる。一方、実施例のCOガスセンサでは100℃までセンサ出力が安定している。
図12において、縦軸のセンサ出力変化(%)は、各温度において最初に矩形パルスを印加したときの応答電流減少率を、90℃のときの減少率を基準(100%)として相対的に表したものである。図12の測定条件はCO濃度:100ppm、湿度:20mol%、圧力:1.5気圧、流量:100リットル/分である。
図13は比較例のCOガスセンサと実施例のCOガスセンサとの湿度依存性を示す。図から明らかなように、比較例のCOガスセンサでは40%RH未満となるとセンサ出力が低下して使用に耐えなくなる。一方、実施例のCOガスセンサでは20%RHまでセンサ出力が安定している。
図13において、縦軸のセンサ出力変化(%)は、各湿度において最初に矩形パルスを印加したときの応答電流減少率を、65%RHのときの減少率を基準(100%)として相対的に表したものである。図13の測定条件はCO濃度:100ppm、温度:90℃、圧力:1.5気圧、流量:100リットル/分である。
温度範囲、湿度範囲の拡大は応答電流の低減、検出電極の厚さの制限、対向電極の金属触媒の選択のいずれか1つ若しくは2つ以上がその要因として考えられる。
この発明は、上記発明の実施の形態及び実施例の説明に何ら限定されるものではない。特許請求の範囲の記載を逸脱せず、当業者が容易に想到できる範囲で種々の変形態様もこの発明に含まれる。
以下、次の事項を開示する。
(21) COガスセンサ用の検出電極であって、
0.3nm〜1cmの厚さの反応層を有する、ことを特徴とする検出電極。
(22) 前記反応層の厚さが1μm〜1mmである、ことを特徴とする(21)に記載の検出電極。
(23) 前記反応層の厚さが5μm〜10μmである、ことを特徴とする(21)に記載の検出電極。
(24) 前記反応層はPt、Au、Cu、Ni、Pd、Ag、Rh、Ruから選ばれる1種以上の金属又は選ばれた1種以上の金属の合金を含んでなる、ことを特徴とする(21)〜(23)のいずれかに記載の検出電極。
(25) 前記反応層はPtを含んでなる、ことを特徴とする(24)に記載の検出電極。
(31) COガスセンサ用の検出電極であって、その基材が電気化学的に不活性で、導電性を有しかつポーラスな材料からなり、該基材の空孔率は10〜90%であり、平均空孔径は1nm〜100μmであることを特徴とする検出電極。
(32) 前記空孔率は20〜60%であり、平均空孔径は1nm〜1μmであることを特徴とする(31)に記載の検出電極。
(33) 前記空孔率は35〜45%であり、平均空孔径は10nm〜0.3μmであることを特徴とする(31)に記載の検出電極。
(34) 前記基材は導電性カーボンからなる、ことを特徴とする(31)〜(33)のいずれかに記載の検出電極。
(41) COガスセンサ用の検出電極であって、該検出電極は電気化学的に不活性で、導電性を有しかつポーラスな材料からなる基材と、該基材に1ng/cm〜10mg/cm担持された電気化学的に活性な第1の材料とを備えてなる、ことを特徴とする検出電極。
(42) 前記第1の材料の担持量は10ng/cm〜1mg/cmである、ことを特徴とする(41)に記載の検出電極。
(43) 前記第1の材料の担持量は0.1μg/cm〜10μg/cmである、ことを特徴とする(41)に記載の検出電極。
(44) COガスセンサ用の検出電極であって、該検出電極は電気化学的に不活性で、導電性を有しかつポーラスな材料からなる基材と、電気化学的に活性な第1の材料を含んでなる第1の反応層とを備えてなり、前記基材に対する前記第1の反応層の比表面積は基材:第1の材料=1:0.001〜100である、ことを特徴とする検出電極。
(45) 前記比表面積は基材:第1の材料=1:0.01〜10である、ことを特徴とする(44)に記載の検出電極。
(46) 前記比表面積は基材:第1の材料=1:0.1〜1である、ことを特徴とする(44)に記載の検出電極。
(47) 前記第1の材料はPt、Au、Cu、Ni、Pd、Ag、Rh、Ruから選ばれる1種以上の金属又は選ばれた1種以上の金属の合金を含んでなる、ことを特徴とする(41)〜(46)のいずれかに記載の検出電極。
(48) 前記第1の材料はPtを含んでなる、ことを特徴とする(47)に記載の検出電極。
(51) (21)〜(25)の記載から選ばれる1つの要件、(31)〜(33)の記載から選ばれる1つの要件、(41)〜(48)の記載から選ばれる1つの要件のうちの少なくとも2つの要件を具備してなる検出電極。
(52) (21)〜(51)のいずれかに記載の検出電極を備えてなるCOセンサ。
(53) (52)に記載のCOセンサを備えてなる燃料電池装置。
(61) COガスセンサ用の対向電極であって、該対向電極は電気化学的に不活性で、導電性を有しかつポーラスな基材と、該基材に担持された比較的COを吸着しがたい第2の材料とを備えてなり、前記第2の材料は、(41)〜(48)のいずれかに記載の第1の材料と比較して、総重量比で0.1〜100000倍配合されている、ことを特徴とする対向電極。
(62) 前記総重量比が1〜10000倍である、ことを特徴とする(61)に記載の対向電極。
(63) 前記総重量比が10〜1000倍である、ことを特徴とする(61)に記載の対向電極。
(64) COガスセンサ用の対向電極であって、該対向電極は電気化学的に不活性で、導電性を有しかつポーラスな基材と、該基材に担持された比較的COを吸着しがたい第2の材料とを備えてなり、該対向電極において電気化学的に活性な表面積は、(41)〜(48)のいずれかに記載の検出電極と比較して、面積比で0.1〜100000倍である、ことを特徴とする対向電極。
(65) 前記面積比が1〜10000倍である、ことを特徴とする(64)に記載の対向電極。
(66) 前記面積比が10〜1000倍である、ことを特徴とする(65)に記載の対向電極。
(67) 前記第2の材料はPt−Ru触媒からなる、ことを特徴とする(61)〜(66)のいずれかに記載の対向電極。
(71) (61)〜(67)のいずれかに記載の対向電極を備えるCOセンサ。
(72) (71)に記載のCOセンサを備える燃料電池装置。
図1はCOガスセンサの動作原理を説明する図である。 図2はパルス法における印加電圧と応答電流の関係を示す。 図3はCO濃度と応答電流の減少率との検量線を示す。 図4はこの発明のCOガスセンサの概略構成図である。 図5は同じく他のタイプのCOガスセンサの概略構成図である。 図6はCO濃度演算装置の構成を示すブロック図である。 図7はこの発明のCOガスセンサを組付けた燃料電池装置の構成を示すブロック図である。 図8は実施例のCOガスセンサにおけるPt触媒担持量と応答電流の大きさの関係を示すグラフである。 図9は比較例のCOガスセンサと実施例のCOガスセンサとの応答電流の大きさを比較した図である。 図10は比較例のCOガスセンサと実施例のCOガスセンサにおける印加電圧と過電圧のプロファイルを比較した図である。 図11は比較例のCOガスセンサと実施例のCOガスセンサの感度の違いを示すためにそれぞれの検量線を併記した図である。 図12は比較例のCOガスセンサと実施例のCOガスセンサのそれぞれの温度依存性を示すグラフである。 図13は比較例のCOガスセンサと実施例のCOガスセンサのそれぞれの湿度依存性を示すグラフである。
符号の説明
1、11 検出電極
2、12 対向電極
3、13 電解質膜
5、15 センサ制御部
10 COガスセンサ
14 拡散制御膜
20 CO濃度演算装置

Claims (4)

  1. 検出電極と対向電極とで固体電解質膜を挟んでなる検出部と、
    前記検出電極と対向電極との間にCO酸化電位とCO吸着電位とを印加する電圧印加装置とを備えてなるCOガスセンサにおいて、前記検出電極は、前記CO酸化電位から前記CO吸着電位に変化させたとき前記検出電極と前記対向電極との間に流れる電流値が0.001mA/cm〜1A/cmである導電性のポーラスな基材と反応層からなることを特徴とするCOガスセンサ。
  2. 前記検出電極の反応層は、前記基材の表面に電気化学的に活性な第1の触媒を1ng/cm 〜100μg/cm の密度で0.3nm〜15μmの厚さに担持されており、前記対向電極は導電性のポーラスな基材に、電気化学的に活性な第2の触媒が担持されていることを特徴とする請求項1に記載のCOガスセンサ。
  3. 前記電流値が0.01mA/cm 〜0.1A/cm であることを特徴とする請求項1に記載のCOガスセンサ。
  4. 前記電流値が0.1mA/cm 〜0.01A/cm であることを特徴とする請求項1に記載のCOガスセンサ。
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