JP2021113727A - 過酸化水素濃度検出装置 - Google Patents
過酸化水素濃度検出装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2021113727A JP2021113727A JP2020006166A JP2020006166A JP2021113727A JP 2021113727 A JP2021113727 A JP 2021113727A JP 2020006166 A JP2020006166 A JP 2020006166A JP 2020006166 A JP2020006166 A JP 2020006166A JP 2021113727 A JP2021113727 A JP 2021113727A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- hydrogen peroxide
- electrode
- concentration
- platinum
- voltage
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Testing Resistance To Weather, Investigating Materials By Mechanical Methods (AREA)
Abstract
【課題】製造コストの低減化を図ること。【解決手段】イオン導電性電解質よりなる膜である基部21の一方の面に、白金原子を有する触媒金属がコーティングされて構成された作用極22を有する一方、基部21の他方の面に、白金原子を有する触媒金属がコーティングされて構成された対極23を有する電極部20を備え、作用極22が過酸化水素を含有する電解質溶液13に接した状態で電極部20に0.9V以下の電圧を印加させることにより、作用極22での過酸化水素の酸化反応の電流値を計測して該過酸化水素の濃度検出を行う。【選択図】図1
Description
本発明は、過酸化水素濃度検出装置に関するものである。
従来、過酸化水素の濃度検出を行う装置(過酸化水素濃度検出装置)が特許文献1に提案されている。この特許文献1に提案されている過酸化水素濃度検出装置では、過酸化水素を含有する電解質溶液に浸漬された複数の電極(作用極、対極及び参照極)に電圧を印加させることにより、作用極にて下記式(1)に示されるような過酸化水素の酸化反応を発生させる。そして、かかる過酸化水素濃度検出装置では、上記酸化反応の酸化電流値を計測して過酸化水素の濃度検出を行っている。
式(1) H2O2→2H++O2+2e−
ところで、上記過酸化水素濃度検出装置では、作用極及び対極以外に、電位の安定した参照極を用いており、しかも参照極は例えば白金や金等を含有して構成される高価なものであり、製造コストの増大を招来していた。
本発明は、上記実情に鑑みて、製造コストの低減化を図ることができる過酸化水素濃度検出装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る過酸化水素濃度検出装置は、イオン導電性電解質よりなる膜の一方の面に、白金原子を有する触媒金属がコーティングされて構成された作用極を有する一方、前記膜の他方の面に、白金原子を有する触媒金属がコーティングされて構成された対極を有する電極部を備え、前記作用極が過酸化水素を含有する溶液に接した状態で前記電極部に0.9V以下の電圧を印加させることにより、前記作用極での過酸化水素の酸化反応の電流値を計測して該過酸化水素の濃度検出を行うことを特徴とする。
また本発明は、上記過酸化水素濃度検出装置において、前記作用極の触媒金属は、白金原子、白金黒、白金担持カーボン、白金合金、窒素含有炭素電析白金の少なくとも1つを含有することを特徴とする。
また本発明は、上記過酸化水素濃度検出装置において、前記電極部に0.2V〜0.5Vの電圧を印加させることを特徴とする。
また本発明は、上記過酸化水素濃度検出装置において、前記過酸化水素の検出濃度が500ppm以下の場合、前記電極部に0.5V〜0.6Vの電圧を印加させることを特徴とする。
本発明によれば、イオン導電性電解質よりなる膜の一方の面に、白金原子を有する触媒金属がコーティングされて構成された作用極を有する一方、膜の他方の面に、白金原子を有する触媒金属がコーティングされて構成された対極を有する電極部を備え、作用極が過酸化水素を含有する溶液に接した状態で電極部に0.9V以下の電圧を印加させることにより、作用極での過酸化水素の酸化反応の電流値を計測して該過酸化水素の濃度検出を行うので、例えば白金や金等で構成される高価な参照極を用いずに過酸化水素の濃度検出を行うことができ、製造コストの低減化を図ることができるという効果を奏する。
以下に添付図面を参照して、本発明に係る過酸化水素濃度検出装置の好適な実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態である過酸化水素濃度検出装置の構成を模式的に示す模式図である。ここで例示する過酸化水素濃度検出装置1は、反応容器10を備えている。
反応容器10は、有底円筒状の形態を成しており、底部11に形成された測定孔12が電極部20に閉塞されて構成されている。この反応容器10には、電解質溶液13が貯留されている。電解質溶液13は、希硫酸に過酸化水素を添加して構成され、過酸化水素を含有するものである。
電極部20は、基部21、作用極22及び対極23を備えて構成されている。基部21は、例えばフッ素樹脂製電解質膜等のイオン導電性電解質よりなる膜により構成された平板状のものであり、水素イオンを通過させる性質を有している。
作用極22は、基部21の一面、すなわちイオン導電性電解質よりなる膜の一方の面に形成されている。この作用極22は、触媒金属がコーティングされて構成されている。かかる触媒金属は、白金原子を有するものであり、より詳細には、白金原子、白金黒、白金担持カーボン、白金合金、窒素含有炭素電析白金の少なくとも1つを含有することが好ましい。尚、この作用極22の表面の縁部に集電枠24が設けられている。
対極23は、基部21の他面、すなわちイオン導電性電解質よりなる膜の他方の面に形成されている。この対極23は、作用極22と同様に、白金原子を有する触媒金属がコーティングされて構成されている。尚、この対極23の表面の縁部に集電枠25が設けられている。
そのような電極部20は、作用極22が電解質溶液13に接する態様で測定孔12を閉塞している。そして、電極部20は、作用極22と対極23とがそれぞれ導線26を介して外部電源装置30に電気的に接続されている。より詳細に説明すると、作用極22が外部電源装置30の正極に電気的に接続され、対極23が外部電源装置30の負極に電気的に接続されている。
外部電源装置30は、例えばポテンショスタットにより構成されており、作用極22の電気化学反応を制御して、その電位・電流を測定するものである。より詳細に説明すると、外部電源装置30は、電極部20に0.9V以下の電圧を印加することで、作用極22と対極23との電位差が0.9V以下となるように制御するものである。この外部電源装置30による測定結果等は、電気的に接続された上位機器40に送出される。
以上のような構成を有する過酸化水素濃度検出装置1においては、外部電源装置30により電極部20に0.9V以下の電圧が印加された場合、作用極22では下記式(2)の酸化反応が発生し、対極23では空気中の酸素を利用して、下記式(3)の水生成反応が発生する。
式(2) H2O2→2H++O2+2e−
式(3) 2H++1/2O2+2e−→H2O
式(3) 2H++1/2O2+2e−→H2O
つまり、上記過酸化水素濃度検出装置1においては、作用極22にて過酸化水素の酸化反応を発生させ、この酸化反応の電流値を計測することにより、過酸化水素の濃度検出を行うことができる。
以下においては、電極部20への印加電圧が0.9V以下で、過酸化水素の濃度検出を行うことができる理由について説明する。
基部21を「ナフィオン(登録商標)117」(ケマーズ製)により形成し、作用極22として、白金黒よりなる触媒金属(徳力本店製)を基部21の一面にコーティングして形成し、対極23として、白金担持カーボン(田中貴金属製)を基部21の他面にコーティングして形成することにより電極部20を構成した。そして、電解質溶液13の濃度を(イ)2500ppm、(ロ)1750ppm、(ハ)1000ppm、(ニ)300ppm、(ホ)30ppm、(ヘ)3ppmとした場合の、印加電圧(V)と電解電流(mA)との関係を図2に示す。この図2から明らかなように、印加電圧が0.9V以下においては、電解質濃度が大きくなると電解電流が大きくなる関係があるが、印加電圧が0.9Vを超えると、複数の曲線が交差し、上記関係が崩れている。これは、作用極22において、上記酸化反応の他に、下記式(4)の水の電気分解反応が発生したためと考えられる。
式(4) H2O→1/2O2+2H++2e−
つまり、電極部20に対する印加電圧が0.9V以下であれば、水の電気分解反応が発生せずに過酸化水素の酸化反応を生じさせることができ、その電流値を計測することにより、過酸化水素の濃度検出を行うことができる。
また、図2での各データについて、印加電圧が(a)0.6V、(b)0.5V、(c)0.4V、(d)0.3V、(e)0.2Vの場合の濃度(ppm)と電解電流(mA)との関係を図3に示す。この図3に示すように、各印加電圧の折れ線は、濃度が大きくなると電解電流が大きくなるという正の相関があることが理解される。
そして、印加電圧の折れ線について、それぞれの近似直線からのずれを示す決定係数R2は、(a)0.6Vが「0.9291」、(b)0.5Vが「0.9858」、(c)0.4Vが「0.9974」、(d)0.3Vが「0.9881」、(e)0.2Vが「0.9821」となり、いずれの折れ線も非常に高い直線性を有することが理解される。
このように非常に高い直線性を有することから、外部電源装置30により測定される電流値から過酸化水素の濃度を算出することができる。特に、電極部20に対する印加電圧が0.2V〜0.5Vのときには、決定係数R2が0.98以上となることから、極めて直線性を有し、電極部20に0.2V〜0.5Vの電圧を印加させることが好ましく、更に電極部20に0.4Vの電圧を印加させることがより好ましい。
ところで、図3での各データについて、濃度が(α)全濃度(3ppm〜2500ppm)、(β)低濃度(3ppm〜300ppm)、(γ)高濃度(300〜2500ppm)の場合の印加電圧(V)と直線性を示す決定係数R2との関係を図4に示す。この図4に示すように、低濃度の場合、電極部20に対する印加電圧が0.5V〜0.6Vのときに特に高い直線性を示すことが明らかであり、これにより、過酸化水素濃度検出装置1においては、過酸化水素の検出濃度が500ppm以下の場合、電極部20に0.5V〜0.6Vの電圧を印加させることが好ましい。
以上説明したように、本発明の実施の形態である過酸化水素濃度検出装置1によれば、上記構成を有する電極部20に対して0.9V以下の電圧を印加させることにより、作用極22での過酸化水素の酸化反応の電流値を計測して該過酸化水素の濃度検出を行うので、例えば白金や金等で構成される高価な参照極を用いずに過酸化水素の濃度検出を行うことができ、製造コストの低減化を図ることができる。
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、かかる実施の形態で図示した各構成は概略的なものであり、必ずしも物理的に図示の構成をされていることを要しない。すなわち、各構成要素の分散・統合の形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を各種の使用状況等に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。
1…過酸化水素濃度検出装置、10…反応容器、11…底部、12…測定孔、13…電解質溶液、20…電極部、21…基部、22…作用極、23…対極、24,25…集電枠、26…導線、30…外部電源装置、40…上位機器。
Claims (4)
- イオン導電性電解質よりなる膜の一方の面に、白金原子を有する触媒金属がコーティングされて構成された作用極を有する一方、前記膜の他方の面に、白金原子を有する触媒金属がコーティングされて構成された対極を有する電極部を備え、
前記作用極が過酸化水素を含有する溶液に接した状態で前記電極部に0.9V以下の電圧を印加させることにより、前記作用極での過酸化水素の酸化反応の電流値を計測して該過酸化水素の濃度検出を行うことを特徴とする過酸化水素濃度検出装置。 - 前記作用極の触媒金属は、白金原子、白金黒、白金担持カーボン、白金合金、窒素含有炭素電析白金の少なくとも1つを含有することを特徴とする請求項1に記載の過酸化水素濃度検出装置。
- 前記電極部に0.2V〜0.5Vの電圧を印加させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の過酸化水素濃度検出装置。
- 前記過酸化水素の検出濃度が500ppm以下の場合、前記電極部に0.5V〜0.6Vの電圧を印加させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の過酸化水素濃度検出装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020006166A JP2021113727A (ja) | 2020-01-17 | 2020-01-17 | 過酸化水素濃度検出装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020006166A JP2021113727A (ja) | 2020-01-17 | 2020-01-17 | 過酸化水素濃度検出装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2021113727A true JP2021113727A (ja) | 2021-08-05 |
Family
ID=77076851
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2020006166A Pending JP2021113727A (ja) | 2020-01-17 | 2020-01-17 | 過酸化水素濃度検出装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2021113727A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2023100593A1 (ja) * | 2021-11-30 | 2023-06-08 | 栗田工業株式会社 | 過酸化水素濃度の測定方法及び過酸化水素検出および濃度測定用トランジスタ型センサ |
-
2020
- 2020-01-17 JP JP2020006166A patent/JP2021113727A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2023100593A1 (ja) * | 2021-11-30 | 2023-06-08 | 栗田工業株式会社 | 過酸化水素濃度の測定方法及び過酸化水素検出および濃度測定用トランジスタ型センサ |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US9793560B2 (en) | Estimation of the state of charge of a positive electrolyte solution of a working redox flow battery cell without using any reference electrode | |
US11913903B1 (en) | Systems and methods for testing and measuring compounds | |
CN104155355A (zh) | 氧传感器 | |
JP2021113727A (ja) | 過酸化水素濃度検出装置 | |
JP5377651B2 (ja) | 一酸化炭素濃度を決定する装置および関連する方法 | |
JPH10311815A (ja) | 電気化学式一酸化炭素ガスセンサの劣化判定方法および校正方法 | |
Beck et al. | Oxygen Overvoltage in Concentrated Acid Solutions: I. Perchloric Acid | |
JP2022021240A (ja) | 過酸化水素濃度検出装置 | |
JPH06236767A (ja) | 燃料電池構成部材の電位監視方法 | |
JP5587724B2 (ja) | 被膜劣化評価方法 | |
JP6373850B2 (ja) | 電気化学還元装置および、芳香族化合物の水素化体の製造方法 | |
JP2005129237A (ja) | 燃料電池システムの水処理装置 | |
JP4101000B2 (ja) | 遊離塩素濃度測定方法 | |
JP7303513B2 (ja) | 過酸化水素濃度検出装置 | |
JP3945343B2 (ja) | 水分検出器 | |
Cabot et al. | Hydrogen reaction at open circuit in alkaline media on Pt in a gas-diffusion electrode | |
US20040222107A1 (en) | Sensor for analysing oxidising gas, method for producing said gas and method for determining the concentration of the oxidising gas | |
JP6137920B2 (ja) | 除湿素子劣化検出装置および除湿素子劣化検出方法 | |
JP2011058917A (ja) | 電気化学式coセンサ | |
JPS5834353A (ja) | 酸素計 | |
JPS58143263A (ja) | ガスセンサ | |
JP2023028397A (ja) | 電気化学測定装置、電気化学測定方法 | |
JP2021046568A (ja) | 過酸化水素生成装置 | |
JP4840796B2 (ja) | 一体型動的水素電極装置 | |
JPH0769302B2 (ja) | ガルバニ電池式可燃性ガスセンサ |