JP2021046568A - 過酸化水素生成装置 - Google Patents

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聡樹 平方
Satoki Hirakata
聡樹 平方
貴治 大神田
Takaharu Okanda
貴治 大神田
山中 一郎
Ichiro Yamanaka
一郎 山中
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Abstract

【課題】安全性の向上を図りながら、過酸化水素を良好に生成すること。【解決手段】イオン導電性電解質よりなる膜の一方の面に水の電気分解活性を示す電極触媒からなるアノードを形成し、他方の面に酸素の2電子還元活性を示す電極触媒からなるカソードを形成して成る電気化学素子10と、電気化学素子10のアノードに対して水を供給して電解反応を起こさせる電解容器20と、電気化学素子10のカソードで生じた過酸化水素を水とともに貯留する貯留部34と、電気化学素子10に対する印加電圧を調整する制御部50とを備えている。制御部50は、カソード電位が−0.35V〜−0.15Vとなるよう印加電圧を調整することが好ましい。【選択図】図1

Description

本発明は、過酸化水素生成装置に関するものである。
従来、過酸化水素を生成する反応装置が特許文献1に提案されている。かかる反応装置は、アノード電極、カソード電極及び電解質膜を一体化させたユニット膜により、反応室をアノード室とカソード室とに区画するように構成されている。アノード室には、アノード電極の一部が気相に露出した状態で水が導入され、カソード室には、カソード電極の一部が気相に露出した状態でイオン交換水が導入されている。
そのような反応装置においては、アノード電極及びカソード電極が電子伝導体で外部短絡され、かつアノード室に還元性物質である水素ガスや水素供与体が供給されるとともに、カソード室に酸化性物質である酸素ガスが供給されることにより、アノード電極で下記式(1)の反応が行われ、カソード電極で下記式(2)の反応が行われることで、燃料電池反応を利用して過酸化水素を生成していた。
式(1) H→2H+2e
式(2) O+2H+2e→H
特開2009−68080号公報
ところで、上記特許文献1に提案されている反応装置では、過酸化水素の生成源として可燃性である水素ガスや水素供与体を用いるとともに、支燃性である酸素ガスを用いていたので、取扱いに注意を払う必要があった。
本発明は、上記実情に鑑みて、安全性の向上を図りながら、過酸化水素を良好に生成することができる過酸化水素生成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る過酸化水素生成装置は、イオン導電性電解質よりなる膜の一方の面に水の電気分解活性を示す電極触媒からなるアノードを形成し、他方の面に酸素の2電子還元活性を示す電極触媒からなるカソードを形成して成る電気化学素子と、前記電気化学素子の前記アノードに対して水を供給して電解反応を起こさせる電解部と、前記電気化学素子の前記カソードで生じた過酸化水素を水とともに貯留する貯留部と、前記電気化学素子に対する印加電圧を調整する制御部とを備えたことを特徴とする。
また本発明は、上記過酸化水素生成装置において、前記制御部は、前記カソード電位が−0.35V〜−0.15Vとなるよう前記印加電圧を調整することを特徴とする。
また本発明は、上記過酸化水素生成装置において、前記貯留部における過酸化水素の濃度を検出する濃度検出手段を備え、前記制御部は、前記濃度検出手段による検出結果が所定濃度範囲となるよう前記印加電圧を調整することを特徴とする。
また本発明は、上記過酸化水素生成装置において、前記制御部は、前記濃度検出手段による検出値が目標濃度の下限値以下である場合には、前記印加電圧を増大させる一方、前記濃度検出手段による検出値が目標濃度の上限値以上である場合には、前記印加電圧を減少させることを特徴とする。
また本発明は、上記過酸化水素生成装置において、前記電気化学素子の温度を検出する温度検出手段を備え、前記制御部は、前記温度検出手段による検出結果が予め決められた所定温度範囲となるよう前記印加電圧を調整することを特徴とする。
また本発明は、上記過酸化水素生成装置において、前記制御部は、前記温度検出手段による検出値が目標温度の下限値以下である場合には、前記印加電圧を増大させる一方、前記温度検出手段による検出値が目標温度の上限値以上である場合には、前記印加電圧を減少させることを特徴とする。
また本発明は、上記過酸化水素生成装置において、前記水の電気分解活性を示す触媒は、白金族系触媒により構成されたことを特徴とする。
また本発明は、上記過酸化水素生成装置において、前記白金族系触媒は、Pt、IrO、IrRu、PtIrの少なくとも1つであることを特徴とする。
また本発明は、上記過酸化水素生成装置において、前記酸素の2電子還元活性を示す触媒は、導電性炭素材料及び金属ポルフィリン触媒の少なくとも1つを含有して構成されたことを特徴とする。
本発明によれば、電気化学素子を構成するアノードが水の電気分解活性を示す電極触媒により形成され、カソードが酸素の2電子還元活性を示す電極触媒から形成されており、電解部によりアノードに対して水を供給して電解反応を起こさせるので、アノードで下記式(3)に示すような水の電気分解が行われるとともに、カソードが晒される空気中の酸素とで該カソードで下記式(4)に示すような過酸化水素の生成が行われ、貯留部で貯留される。これにより、従来のように可燃性の水素ガスや支燃性の酸素ガス等を用いることなく、水と空気中の酸素とを用いることができ、安全性の向上を図りながら、過酸化水素を良好に生成することができるという効果を奏する。
式(3) HO→2H+2e+1/2O
式(4) 2H+O+2e→H
図1は、本発明の実施の形態1である過酸化水素生成装置の構成を模式的に示す模式図である。 図2は、図1に示した電気化学素子における印加電圧と過酸化水素生成速度との関係を示す図表である。 図3は、図1に示した制御部が実施する印加電圧調整制御の処理内容を示すフローチャートである。 図4は、本発明の実施の形態2である過酸化水素生成装置の構成を模式的に示す模式図である。 図5は、図4に示した制御部が実施する印加電圧調整制御の処理内容を示すフローチャートである。
以下に添付図面を参照して、本発明に係る過酸化水素生成装置の好適な実施の形態について詳細に説明する。
<実施の形態1>
図1は、本発明の実施の形態1である過酸化水素生成装置の構成を模式的に示す模式図である。ここで例示する過酸化水素生成装置は、電気化学素子10、電解容器20、生成容器30、濃度検出センサ40及び制御部50を備えている。
電気化学素子10は、基部11、第1電極部12及び第2電極部13を備えて構成してある。基部11は、例えばフッ素樹脂製電解質膜等のイオン導電性電解質よりなる膜により構成された平板状のものであり、水素イオンを通過させる性質を有している。
第1電極部12は、基部11の一面、すなわちイオン導電性電解質よりなる膜の一方の面に形成してある。この第1電極部12は、水の電気分解活性を示す触媒により形成してある。この水の電気分解活性を示す触媒は、白金族系触媒により構成してあり、該白金族系触媒として、Pt、IrO、IrRu、PtIrの少なくとも1つであることが好ましい。また第1電極部12においては、図には明示しないが、外側表面において集電層として金属メッシュが設けてある。
第2電極部13は、基部11の他面、すなわちイオン導電性電解質よりなる膜の他方の面に形成してある。この第2電極部13は、酸素の2電子還元活性を示す触媒により形成してある。この酸素の2電子還元活性を示す触媒は、導電性炭素材料及び金属ポルフィリン触媒の少なくとも1つにより構成してある。
導電性炭素材料としては、電気伝導性を有する種々の炭素材料を用いることができ、活性炭、カーボンブラック、カーボンファイバー等の炭素材料が好ましい。尚、これらの炭素材料は、単独若しくは2種以上の混合物として用いてもよい。金属ポルフィリン触媒としては、例えばコバルトポルフィリン触媒を用いることが好ましい。また第2電極部13においては、図には明示しないが、外側表面において集電層として例えばカーボンペーパー等のカーボン繊維が設けてある。
そのような電気化学素子10は、第1電極部12と第2電極部13とが、それぞれ導線2を介して電源1に電気的に接続されて構成してある。すなわち、第1電極部12が電源1の正極に電気的に接続され、第2電極部13が電源1の負極に電気的に接続されることで、第1電極部12がアノード、第2電極部13がカソードを構成している。つまり、電源1は、電気化学素子10の第1電極部12をアノードとし第2電極部13をカソードとする態様で、両電極間に直流電圧を印加するものである。
電解容器20は、一部の壁が第1電極部12により構成された電解室21を有する容器であり、この電解室21と外部とを連通する連通部22を通じて供給された水を第1電極部12に接した状態で貯留するものである。つまり、電解容器20は、電気化学素子10のアノードに対して水を供給して電解反応を起こさせる電解部を構成している。
生成容器30は、一部の壁が第2電極部13により構成された生成室31を有する容器である。この生成容器30には、生成室31に空気を流入させるための流入部32と、生成室31で生成した過酸化水素や水を流出させる流出部33とが設けてある。この生成容器30の下方には、流出部33を通じて流出する過酸化水素等を貯留する貯留部34が設けてある。
濃度検出センサ40は、貯留部34に設けてあり、貯留部34に貯留される過酸化水素の濃度を検出する濃度検出手段である。この濃度検出センサ40は、検出結果である濃度検出値を検出信号として制御部50に与えるものである。
制御部50は、電源1及び濃度検出センサ40に電気的に接続してある。この制御部50は、電源1等と同様に電気的に接続された記憶部51に記憶されたプログラムやデータに従って過酸化水素生成装置の動作を統括的に制御するものである。
尚、制御部50は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等の処理装置にプログラムを実行させること、すなわち、ソフトウェアにより実現してもよいし、IC(Integrated Circuit)等のハードウェアにより実現してもよいし、ソフトウェア及びハードウェアを併用して実現してもよい。
この制御部50は、濃度検出センサ40の検出結果に応じて電源1による印加電圧を調整するものであり、第2電極部13の電位(カソード電位)が−0.35V〜−0.15Vとなるように印加電圧を調整するものである。より詳細に説明すると、制御部50は、印加電圧を1.8V〜2Vにすることでカソード電位を−0.15V〜−0.35Vにし、より好ましくは、印加電圧を1.8V〜1.9Vにすることでカソード電位を−0.15V〜−0.25Vにする。
以上のような構成を有する過酸化水素生成装置においては、制御部50から与えられる指令により、電源1から第1電極部12と第2電極部13との間に直流電圧が印加されて電流が供給されると、第1電極部12では、下記式(5)に示すように、水の電気分解反応が起こる。
式(5) HO→2H+2e+1/2O
一方、第2電極部13では、第1電極部12で生じて基部11を通過した水素イオンと、生成室31の空気中に含まれる酸素分子とで、下記式(6)及び下記式(7)の反応が起こる。
式(6) 2H+2e+1/2O→H
式(7) 2H+O+2e→H
つまり、第2電極部13では、水の生成反応が起こりつつ、酸素の2電子還元反応により、過酸化水素を生成することができる。
そして、制御部50が印加電圧を1.8V〜2Vにすることで、図2に示したように、過酸化水素生成速度を良好なものとすることができ、特に印加電圧を1.8V〜1.9V(カソード電位を−0.15V〜−0.25V)にすることで過酸化水素生成速度を良好なものとすることができる。尚、図2は、電気化学素子10における印加電圧と過酸化水素生成速度との関係を示す図表である。
図3は、図1に示した制御部50が実施する印加電圧調整制御の処理内容を示すフローチャートである。かかる印加電圧調整制御について説明しながら、過酸化水素生成装置の動作について説明する。尚、この印加電圧調整制御においては、制御部50は、印加電圧を1.8V〜1.9V(カソード電位を−0.15V〜−0.25V)の間で調整するものとする。
この印加電圧調整制御において、制御部50は、濃度検出センサ40が過酸化水素の濃度を検出したか否かを判断する(ステップS101)。濃度検出センサ40が過酸化水素の濃度を検出していないと判断した場合(ステップS101:No)、制御部50は、かかるステップS101の処理を繰り返す。
一方、濃度検出センサ40が過酸化水素の濃度を検出したと判断した場合(ステップS101:Yes)、制御部50は、記憶部51より該記憶部51に記憶された目標濃度の上限値及び下限値を読み出して、濃度検出センサ40が検出した濃度検出値と、目標温度の上限値及び下限値とを比較する(ステップS102,ステップS103)。ここで記憶部51に記憶された目標温度は、貯留部34に貯留される過酸化水素の濃度が所定濃度範囲に維持されるために予め決められたものである。
濃度検出値が目標濃度の上限値以上である場合(ステップS102:Yes)、制御部50は、印加電圧を1.8Vに近似するよう減少させ(ステップS104)、その後に手順をリターンさせて今回の処理を終了する。
これによれば、印加電圧が1.8V(カソード電位が−0.15V)に近似するよう減少することで、第2電極部13での過酸化水素生成速度が低下し、貯留部34における過酸化水素の濃度を低減させる方向に推移させることができる。
濃度検出値が目標濃度の下限値以下である場合(ステップS102:No,ステップS103:Yes)、制御部50は、印加電圧を1.9Vに近似するよう増大させ(ステップS105)、その後に手順をリターンさせて今回の処理を終了する。
これによれば、印加電圧が1.9V(カソード電位が−0.25V)に近似するよう増大することで、第2電極部13での過酸化水素生成速度が増加し、貯留部34における過酸化水素の濃度を増大させる方向に推移させることができる。
濃度検出値が目標温度の下限値より大きくて上限値より小さい場合(ステップS102:No,ステップS103:No)、制御部50は、印加電圧を維持し(ステップS106)、その後に手順をリターンさせて今回の処理を終了する。
以上説明したように、本発明の実施の形態1である過酸化水素生成装置によれば、電気化学素子10を構成する第1電極部(アノード)12が水の電気分解活性を示す触媒により形成され、第2電極部(カソード)13が酸素の2電子還元活性を示す触媒により形成されており、電解容器20により第1電極部12に対して水を供給して電解反応を起こさせるとともに、第2電極部13で生成室31の空気中の酸素で過酸化水素の生成が行われて貯留部34で貯留するので、従来のように可燃性の水素ガスや支燃性の酸素ガス等を用いることなく、水と空気中の酸素とを用いることができ、安全性の向上を図りながら、過酸化水素を良好に生成することができる。しかも、制御部50が、カソード電位が−0.35V〜−0.15Vとなるよう印加電圧を調整するので、過酸化水素の生成速度を良好なものとすることができる。
上記過酸化水素生成装置によれば、貯留部34における過酸化水素の濃度に応じて制御部50が電源1に対する印加電圧を調整するので、貯留部34における過酸化水素の濃度調整を良好に行うことができる。
<実施の形態2>
図4は、本発明の実施の形態2である過酸化水素生成装置の構成を模式的に示す模式図である。尚、上述した実施の形態1である過酸化水素生成装置と同一の構成要素については、同一の符号を付して重複した説明を適宜省略する。ここで例示する過酸化水素生成装置は、電気化学素子10、電解容器20、生成容器30、温度検出センサ60及び制御部70を備えている。
温度検出センサ60は、電気化学素子10に設けてあり、電気化学素子10の温度を検出する温度検出手段である。この温度検出センサ60は、検出結果である温度検出値を検出信号として制御部70に与えるものである。
制御部70は、電源1及び温度検出センサ60に電気的に接続してある。この制御部70は、電源1等と同様に電気的に接続された記憶部71に記憶されたプログラムやデータに従って過酸化水素生成装置の動作を統括的に制御するものである。
尚、制御部70は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等の処理装置にプログラムを実行させること、すなわち、ソフトウェアにより実現してもよいし、IC(Integrated Circuit)等のハードウェアにより実現してもよいし、ソフトウェア及びハードウェアを併用して実現してもよい。
この制御部70は、温度検出センサ60の検出結果に応じて電源1による印加電圧を調整するものである。より詳細には、制御部70は、温度検出センサ60の検知結果により、電気化学素子10が所定温度以下(例えば35℃以下)となるように印加電圧を調整するもので、好ましくは、電気化学素子10が所定温度範囲(4℃〜6℃)となるように印加電圧を調整するものである。尚、制御部70による印加電圧の調整範囲であるが、実施の形態1における制御部50と同様に、印加電圧を1.8V〜2Vの範囲で調整することが好ましい。
以上のような構成を有する過酸化水素生成装置においては、制御部70から与えられる指令により、電源1から第1電極部12と第2電極部13との間に直流電圧が印加されて電流が供給されると、第1電極部12では、下記式(8)に示すように、水の電気分解反応が起こる。
式(8) HO→2H+2e+1/2O
一方、第2電極部13では、第1電極部12で生じて基部11を通過した水素イオンと、生成室31の空気中に含まれる酸素分子とで、下記式(9)及び下記式(10)の反応が起こる。
式(9) 2H+2e+1/2O→H
式(10) 2H+O+2e→H
つまり、第2電極部13では、水の生成反応が起こりつつ、酸素の2電子還元反応により、過酸化水素を生成することができる。
このような水の電気分解反応と過酸化水素の生成反応との反応熱により、電気化学素子10の温度が上昇する。電気化学素子10の温度上昇に伴い、第2電極部13で生じた過酸化水素が該第2電極部13で逐次還元されやすくなり、結果的に、過酸化水素の収率が低下する虞れがある。そこで、制御部70は、次のような印加電圧調整制御を行う。
図5は、図4に示した制御部70が実施する印加電圧調整制御の処理内容を示すフローチャートである。かかる印加電圧調整制御について説明しながら、過酸化水素生成装置の動作について説明する。尚、この印加電圧調整制御においては、制御部70は、印加電圧を1.8V〜2Vの間で調整するものとする。
この印加電圧調整制御において、制御部70は、温度検出センサ60が電気化学素子10の温度を検出したか否かを判断する(ステップS201)。温度検出センサ60が電気化学素子10の温度を検出していないと判断した場合(ステップS201:No)、制御部70は、かかるステップS201の処理を繰り返す。
一方、温度検出センサ60が電気化学素子10の温度を検出したと判断した場合(ステップS201:Yes)、制御部70は、記憶部71より該記憶部71に記憶された目標温度の上限値及び下限値を読み出して、温度検出センサ60が検出した温度検出値と、目標温度の上限値及び下限値とを比較する(ステップS202,ステップS203)。ここで記憶部71に記憶された目標温度は、貯留部34に貯留される電気化学素子10の温度が所定温度範囲に維持されるために予め決められたものである。
温度検出値が目標温度の上限値以上である場合(ステップS202:Yes)、制御部70は、印加電圧を1.8Vに近似するよう減少させ(ステップS204)、その後に手順をリターンさせて今回の処理を終了する。
これによれば、印加電圧が1.8Vに近似するよう減少することで、電気化学素子10の温度を低減させることができる。
温度検出値が目標温度の下限値以下である場合(ステップS202:No,ステップS203:Yes)、制御部70は、印加電圧を2Vに近似するよう増大させ(ステップS205)、その後に手順をリターンさせて今回の処理を終了する。
これによれば、印加電圧が2Vに近似するよう増大することで、電気化学素子10の温度を増大させることができる。
温度検出値が目標温度の下限値より大きくて上限値より小さい場合(ステップS202:No,ステップS203:No)、制御部70は、印加電圧を維持し(ステップS206)、その後に手順をリターンさせて今回の処理を終了する。
以上説明したように、本発明の実施の形態2である過酸化水素生成装置によれば、電気化学素子10を構成する第1電極部(アノード)12が水の電気分解活性を示す触媒により形成され、第2電極部(カソード)13が酸素の2電子還元活性を示す触媒により形成されており、電解容器20により第1電極部12に対して水を供給して電解反応を起こさせるとともに、第2電極部13で生成室31の空気中の酸素で過酸化水素の生成が行われて貯留部34で貯留するので、従来のように可燃性の水素ガスや支燃性の酸素ガス等を用いることなく、水と空気中の酸素とを用いることができ、安全性の向上を図りながら、過酸化水素を良好に生成することができる。
上記過酸化水素生成装置によれば、電気化学素子10の温度に応じて制御部70が電源1に対する印加電圧を調整するので、電気化学素子10の温度を、過酸化水素が逐次還元されにくい好適な所定温度範囲に維持させることができ、過酸化水素の収率の向上を図ることができる。
以上、本発明の好適な実施の形態1及び実施の形態2について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、種々の変更を行うことができる。
上述した実施の形態1では、カソード電位を−0.35V〜−0.15Vとなるように印加電圧を1.8V〜2Vの間で調整していたが、本発明においては、カソード電位を−0.35V〜−0.15Vに調整できるのであれば、印加電圧は、1.8V〜2Vの間に限られるものではない。
上述した実施の形態2では特に言及していないが、電気化学素子10の温度を低下させるために、ヒートパイプやペルチェ素子等の冷却手段を用いてもよい。
1…電源、2…導線、10…電気化学素子、11…基部、12…第1電極部、13…第2電極部、20…電解容器、21…電解室、30…生成容器、31…生成室、34…貯留部、40…濃度検出センサ、50…制御部。

Claims (9)

  1. イオン導電性電解質よりなる膜の一方の面に水の電気分解活性を示す電極触媒からなるアノードを形成し、他方の面に酸素の2電子還元活性を示す電極触媒からなるカソードを形成して成る電気化学素子と、
    前記電気化学素子の前記アノードに対して水を供給して電解反応を起こさせる電解部と、
    前記電気化学素子の前記カソードで生じた過酸化水素を水とともに貯留する貯留部と、
    前記電気化学素子に対する印加電圧を調整する制御部と
    を備えたことを特徴とする過酸化水素生成装置。
  2. 前記制御部は、前記カソード電位が−0.35V〜−0.15Vとなるよう前記印加電圧を調整することを特徴とする請求項1に記載の過酸化水素生成装置。
  3. 前記貯留部における過酸化水素の濃度を検出する濃度検出手段を備え、
    前記制御部は、前記濃度検出手段による検出結果が所定濃度範囲となるよう前記印加電圧を調整することを特徴とする請求項2に記載の過酸化水素生成装置。
  4. 前記制御部は、前記濃度検出手段による検出値が目標濃度の下限値以下である場合には、前記印加電圧を増大させる一方、前記濃度検出手段による検出値が目標濃度の上限値以上である場合には、前記印加電圧を減少させることを特徴とする請求項3に記載の過酸化水素生成装置。
  5. 前記電気化学素子の温度を検出する温度検出手段を備え、
    前記制御部は、前記温度検出手段による検出結果が予め決められた所定温度範囲となるよう前記印加電圧を調整することを特徴とする請求項1に記載の過酸化水素生成装置。
  6. 前記制御部は、前記温度検出手段による検出値が目標温度の下限値以下である場合には、前記印加電圧を増大させる一方、前記温度検出手段による検出値が目標温度の上限値以上である場合には、前記印加電圧を減少させることを特徴とする請求項5に記載の過酸化水素生成装置。
  7. 前記水の電気分解活性を示す触媒は、白金族系触媒により構成されたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の過酸化水素生成装置。
  8. 前記白金族系触媒は、Pt、IrO、IrRu、PtIrの少なくとも1つであることを特徴とする請求項7に記載の過酸化水素生成装置。
  9. 前記酸素の2電子還元活性を示す触媒は、導電性炭素材料及び金属ポルフィリン触媒の少なくとも1つを含有して構成されたことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載の過酸化水素生成装置。
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