以下、図1~図9Cを参照して本発明の実施形態について説明する。本発明の実施形態に係る配送管理装置は、ユーザにより預けられた荷物をユーザにより指定された時刻に引き取り場所に配送するような配送サービスを提供するように構成される。図1は、本実施形態に係る配送管理装置を備えるシステム(以下、配送管理システムと呼ぶ)の構成の一例を示す図である。図1に示すように、配送管理システム100は、配送管理装置1と、車載装置4と、事業体端末5と、ユーザ端末6とを備える。
配送管理装置1は、例えばサーバ装置により構成される。配送管理装置1は、通信網2を介して、車載装置4、事業体端末5、およびユーザ端末6と通信可能に構成される。通信網2には、インターネット網や携帯電話網等に代表される公衆無線通信網だけでなく、所定の管理地域ごとに設けられた閉鎖的な通信網、例えば無線LAN、Wi-Fi(登録商標)等も含まれる。
車載装置4は、複数の車両3に搭載される。複数の車両3には車種や色、車体の大きさが異なる車両が含まれてもよいし、車種や色、車体の大きさが同一である車両が含まれてもよい。車両3は、予め登録したICカードを用いて無人で車両の貸し出しを行うカーシェアリングサービスに用いられる共有車両であり、カーシェアリングサービスを提供するカーシェアリング事業体の敷地内やコインパーキング等に駐車される。以下、共有車両が駐車される場所をステーションと呼ぶ。なお、車両3の管理者には、車両3の所有権を有する者に拘わらず、車両3の使用権原を有する者が含まれる。事業体端末5は、カーシェアリング事業体に設けられる。
図2は、本実施形態に係る車載装置4の要部構成を示すブロック図である。車載装置4は、車載端末40と、車載端末40に接続されたアクチュエータ44と読取装置45と測位センサ46とランプ47とを有する。車載端末40は、CPU等の演算部41と、ROM、RAM等の記憶部42と、I/Oインターフェース等の図示しないその他の周辺回路とを有するコンピュータを含んで構成される。車載端末40は、通信部43を有し、通信部43は、通信網2を介して配送管理装置1、事業体端末5、およびユーザ端末6等の外部の装置と無線通信可能に構成される。通信部43は、通信網2を介さずにBluetooth(登録商標)などの近距離無線を介してユーザ端末6と無線通信することもできる。
アクチュエータ44は、車両3のトランクルームに面したドアを解錠、施錠、開閉等するためのトランク用アクチュエータと、車両3の車室内に面した乗降用ドアを解錠、施錠、開閉するためのドア用アクチュエータとを含む。読取装置45は、紙媒体に印刷された画像コードやディスプレイに表示された画像コードを読み取る。
測位センサ46は、例えばGPSセンサであって、GPS衛星から送信された測位信号を受信し、車両3の絶対位置(緯度、経度など)を検出する。なお、測位センサ46には、GPSセンサだけでなく準天頂軌道衛星から送信される電波を利用して測位するセンサも含まれる。ランプ47は、車両3の前後に設置され、点灯と点滅とを可能なように構成される、ランプ47には、ハザードランプが含まれる。
演算部41は、予め記憶部42に記憶されたプログラムを実行することで、ユーザ認証部411、報知制御部412、ロック解錠部413、および位置情報送信部414として機能する。ユーザ認証部411は、読取装置45により読み取られたQRコード(登録商標)等の認証情報を、通信部43を介して配送管理装置1に送信する。認証情報については後述する。
報知制御部412は、ランプ47の点灯および点滅を制御する。例えば、報知制御部412は、通信部43を介して点滅指令を受信すると、車両3のランプ47に対して、点灯指令信号と消灯指令信号とを所定周期で繰り返し所定時間出力する。これにより、車両3のランプ47が所定時間点滅する。ロック解錠部413は、トランクのロックを解錠するためのトランク解錠信号をアクチュエータ44に出力する。これにより、アクチュエータ44が作動し車両3のトランクのロックが解錠される。
位置情報送信部414は、通信部43を介して車両3の位置を示す情報(以下、車両位置情報と呼ぶ)を配送管理装置1に送信する。具体的には、位置情報送信部414は、通信部43を介して配送管理装置1から位置情報の送信指令を受信すると、測位センサ46により検出された車両3の絶対位置を含む車両位置情報を配送管理装置1に送信する。
図3は、事業体端末5の要部構成を示すブロック図である。事業体端末5は、CPU等の演算部51と、ROM、RAM等の記憶部52と、I/Oインターフェース等の図示しないその他の周辺回路とを有するコンピュータを含んで構成される。事業体端末5は、通信部53を有し、通信部53は、通信網2を介して配送管理装置1や車載装置4と無線通信可能に構成される。
演算部51は、予め記憶部52に記憶されたプログラムを実行することで、予約受付部511および計画作成部512として機能する。予約受付部511は、カーシェアリングサービスの利用者から、携帯無線端末(不図示)等を介して共有車両の利用予約の申し込みを受け付ける。以下、共用車両のうち利用予約された車両を予約車両と呼ぶ。
計画作成部512は、車両3の現在および将来の利用計画を作成し、利用計画を記憶部52に記憶する。より具体的には、予約受付部511により車両の利用予約の申し込みが受け付けられると、計画作成部512は、予約車両の利用計画を作成し、これを記憶部52に記憶する。利用計画には、予約車両の利用を開始するステーション(貸出場所)、予約車両を返却するステーション(返却場所)、予約車両の利用を開始する日時(貸出日時)および予約車両の利用を終了する日時(返却日時)が含まれる。
記憶部52は、メモリが担う機能的構成として共有車両データベース521を有する。共有車両データベース521には、各車両3を識別する車両IDに対応付けて、各車両3の車種、色、車両番号等の車両固有情報と、各車両3の走行距離や稼働率等の車両状態を表す車両状態情報とが記憶される。また、共有車両データベース521には、計画作成部512により作成された各車両3の利用計画を含む利用計画情報が記憶される。なお、利用計画情報には、各車両3の過去の利用実績が含まれてもよい。また、車両固有情報には、各車両3の年式や車体番号などその他の情報が含まれてもよい。
図4は、ユーザ端末6の要部構成を示すブロック図である。ユーザ端末6は、配送サービスを利用するユーザ8により操作される端末であり、スマートフォンに代表される携帯無線端末により構成される。ユーザ端末6は、CPU等の演算部61と、ROM、RAM等の記憶部62と、入出力部64と、測位センサ65と、I/Oインターフェース等の図示しないその他の周辺回路とを有するコンピュータを含んで構成される。
また、ユーザ端末6は、通信部63を有し、通信部63は、通信網2を介して配送管理装置1や車載装置4等の外部の装置と無線通信可能に構成される。通信部63は、通信網2を介さずにBluetooth(登録商標)などの近距離無線を介して車載装置4と無線通信することもできる。
入出力部64は、各種指令や各種情報を入出力する装置の総称であり、タッチパネル等により構成される。ユーザ8は、入出力部64を介してユーザ情報の入力や、荷物の預入予約の申し込み、変更、キャンセル等の指令を入力することができる。ユーザ情報には、ユーザの住所、氏名、連絡先、決済に必要な情報(例えばクレジットカード番号)等が含まれる。
測位センサ65は、例えばGPSセンサであって、GPS衛星から送信された測位信号を受信し、ユーザ端末6の絶対位置(緯度、経度など)を検出する。なお、測位センサ65には、GPSセンサだけでなく準天頂軌道衛星から送信される電波を利用して測位するセンサも含まれる。
演算部61は、予め記憶部62に記憶されたプログラムを実行することで、情報送信部611、情報受信部612、および情報表示部613として機能する。
情報送信部611は、通信部63を介してユーザ情報を配送管理装置1に送信する。具体的には、情報送信部611は、入出力部64を介してユーザ8によりユーザ情報が入力されると、そのユーザ情報を配送管理装置1に送信する。これにより、ユーザ8は、配送サービスの会員として登録され、配送サービスを利用することが可能となる。
情報送信部611は、通信部63を介して荷物情報を配送管理装置1に送信する。荷物情報は、ユーザ8が入出力部64を介して荷物の配送の予約を行うときにユーザ8により入力される情報である。荷物情報には、ユーザ8により要求される各種情報、例えば、荷物の預け入れ希望位置、預け入れ希望時刻、引き取り希望時刻、および引き取り希望位置の情報が含まれる。なお、荷物情報には、荷物の大きさについてのサイズ情報が含まれていてもよい。
情報送信部611は、測位センサ65により検出されたユーザ端末6の絶対位置を含む位置情報(以下、この位置情報をユーザ位置情報と呼ぶ)を、通信部63を介して配送管理装置1に送信する。情報送信部611は、情報受信部612により配送管理装置1から位置情報の送信指令が受信されると、ユーザ位置情報を配送管理装置1に送信する。
情報受信部612は、通信部63を介して配送管理装置1等の外部装置から各種情報を受信する。例えば、情報受信部612は、通信部63を介して配送管理装置1から位置情報の送信指令を受信したり車両固有情報を受信したりする。
情報表示部613は、入出力部64に各種情報を表示する。例えば、情報表示部613は、情報受信部612により受信された車両固有情報を入出力部64に表示する。
図5は、配送管理装置1の要部構成を示すブロック図である。配送管理装置1は、CPU等の演算部11と、ROM、RAM等の記憶部12と、I/Oインターフェース等の図示しないその他の周辺回路とを有するコンピュータを含んで構成される。また、配送管理装置1は、通信部13を有し、通信部13は、通信網2を介して車載装置4、事業体端末5、ユーザ端末6等の外部の装置と無線通信可能である。
演算部11は、予め記憶部12に記憶されたプログラムを実行することで、情報取得部111、車両決定部112、報知指令部113、解錠指令部114、判定部115、位置検索部116および料金算出部117として機能する。
情報取得部111は、ユーザ端末6から荷物情報とユーザ位置情報とを取得し、事業体端末5から車両情報を取得する。情報取得部111は、記憶部12から、各車両3に収納可能な荷物の大きさを表す収納可能サイズ情報を取得する。情報取得部111は、車載装置4から車両位置情報を取得する。さらに、情報取得部111は、図示しない各種サーバから地図情報を取得する。
情報取得部111は、通信部13を介して、ユーザ端末6から送信される荷物情報を取得する。また、情報取得部111は、通信部13を介して、ユーザ端末6からユーザ位置情報を取得する。具体的には、情報取得部111は、ユーザ位置情報の送信指令をユーザ端末6に送信する。その送信指令を受信したユーザ端末6は、通信部63を介して配送管理装置1へユーザ位置情報を送信する。情報取得部111は、ユーザ端末6から送信されたユーザ位置情報を、通信部13を介して取得する。
情報取得部111は、事業体端末5の共有車両データベース521から車両固有情報と利用計画情報とを含む車両情報を取得する。具体的には、情報取得部111は、通信部13を介して事業体端末5に車両情報の送信指令を送信する。その送信指令を受信した事業体端末5の演算部51は、共有車両データベース521から各車両3の車両固有情報と利用計画情報とを読み出し、通信部53を介して配送管理装置1へ送信する。
図6は、情報取得部111により取得される車両情報の一例を示す図である。図6に示すように、車両情報には、各車両3の車両IDと車両固有情報と利用計画情報とが含まれる。なお、利用計画情報には、利用計画が時系列に格納され、図6に示す利用計画#1は直近の利用計画であり、利用計画#2は利用計画#1の次に作成された利用計画である。
図6に示す例では、車両IDが1である車両3が、日時DT11にステーションst_1で貸し出され日時DT12にステーションst_3に返却される。したがって、荷物7の預け入れ希望位置がステーションst_1から所定距離内であり、預け入れ希望時刻が日時DT11より前であれば、車両IDが1である車両3にステーションst_1で荷物7を預け入れることができる。また、荷物7の引き取り希望位置がステーションst_3から所定距離内であり、引き取り希望時刻が返却日時DT12以降であり次の貸出日時DT13より前であれば、ステーションst_3で車両IDが1である車両3から荷物7を引き取ることができる。
情報取得部111は、事業体端末5(共有車両データベース521)から取得した各車両3の車両固有情報に含まれる車種の情報に基づいて、各車両3に対応する収納可能サイズ情報を記憶部12から取得する。記憶部12には、予め、車種ごとの収納可能サイズ情報が記憶されている。なお、各車両3の収納可能サイズ情報を共有車両データベース521に予め記憶させてもよく、その場合、情報取得部111は、共有車両データベース521から収納可能サイズ情報を取得する。
情報取得部111は、通信部13を介して車載装置4から車両位置情報を取得する。具体的には、情報取得部111は、車載装置4に車両位置情報の送信指令を送信する。その送信指令を受信した車載装置4は、通信部43を介して配送管理装置1へ車両位置情報を送信する。情報取得部111は、車載装置4から送信された車両位置情報を、通信部13を介して取得する。
情報取得部111は、通信網2を介して図示しない各種サーバと通信し、それらのサーバから地図情報を定期的に、あるいは任意のタイミングで取得する。地図情報には、車両3が走行する道路地図の情報と道路地図上の交通渋滞情報とが含まれる。
車両決定部112は、情報取得部111により取得された荷物情報と各車両3の車両情報に含まれる利用計画情報とに基づいて、荷物7を預け入れ可能な候補車両を決定する。具体的には、車両決定部112は、各車両3の利用計画情報に基づいて、預け入れ希望時刻に預け入れ希望位置に存在し、かつ引き取り希望時刻に引き取り希望位置に存在する車両3を検索し、検索された車両3を候補車両に決定する。
車両決定部112は、候補車両が見つからなかったときは、通信部13を介してユーザ端末6に候補車両が見つからなかったことを通知する情報を送信する。ユーザ端末6は、通信部63を介して受信したその情報を入出力部64に表示する。これにより、ユーザ8は候補車両が見つからなかったことを認識することができる。
車両決定部112は、検索された車両3に荷物7を収容可能であるか否かを判定し、検索された車両3に荷物7を収容可能でないと判定すると、候補車両が見つからなかったことを通知する情報をユーザ端末6に送信する。
より詳細には、情報取得部111は、取得した荷物情報にサイズ情報が含まれる場合に、検索された車両3の車種に対応する収納可能サイズ情報を記憶部12から取得する。車両決定部112は、そのサイズ情報と情報取得部111により取得された収納可能サイズ情報とに基づいて、検索された車両3に荷物7を収容可能であるか否かを判定する。検索された車両3が複数存在する場合には、車両決定部112は、それぞれの車両3に対して判定を行う。判定の結果、検索された車両3のいずれにも荷物7を収容可能でないとき、車両決定部112は、候補車両が見つからなかったことを通知する情報をユーザ端末6に送信する。
車両決定部112は、決定した候補車両の車両固有情報を、通信部13を介してユーザ端末6に送信する。このとき、車両決定部112は、候補車両の車両固有情報とともに、候補車両のトランクを解錠する際に必要となる認証情報をユーザ端末6に送信する。認証情報は、例えばQRコード(登録商標)である。なお、車両決定部112は、決定した候補車両の車両固有情報とともに車両IDをユーザ端末6に送信してもよい。
なお、候補車両が複数決定された場合、ユーザ8は、複数の候補車両の中から荷物7を収納する車両3を決定する。車両決定部112は、候補車両が複数決定された場合、候補車両の一覧を含む情報を、通信部13を介してユーザ端末6に送信する。候補車両の一覧とは、例えば、候補車両の車両固有情報の一覧である。ユーザ端末6の情報表示部613は、情報受信部612により候補車両の一覧を含む情報が受信されると、その情報に基づいて入出力部64に候補車両の一覧を表示する。その後、通信部13が、候補車両の一覧の中からユーザ8により選択された候補車両の情報をユーザ端末6から受信すると、車両決定部112は、その候補車両に対応する認証情報をユーザ端末6に送信する。
ユーザ8は、預け入れ希望エリアおよび引き取り希望エリアで候補車両を探す際、ユーザ端末6の入出力部64を操作して、候補車両のランプ47を点滅させる指令をユーザ端末6に入力する。以下、この指令を報知指令と呼ぶ。ユーザ端末6の情報送信部611は、入出力部64を介してユーザ8により入力された報知指令を、候補車両の車両IDとともに配送管理装置1に送信する。
報知指令部113は、通信部13を介してユーザ端末6から報知指令を受信すると、報知指令に付随する車両IDに対応する車両3の車載装置4に対して、ランプ47の点滅指令を送信する。車載装置4の車載端末40(報知制御部412)は、通信部43を介してランプ47の点滅指令を受信すると、車両3のランプ47に対して、点灯指令信号と消灯指令信号とを所定周期で繰り返し所定時間出力する。これにより、候補車両のランプ47が所定時間点滅し、ユーザ8に候補車両の位置が報知される。したがって、候補車両が大型の駐車場に駐車されていて候補車両の周りに他の車両が多数存在する場合でも、ユーザ8は候補車両を容易に見つけることができる。
ユーザ8は、候補車両を見つけると、ユーザ端末6を操作して、配送管理装置1から受信した認証情報(QRコード(登録商標))を入出力部64(タッチパネル)に表示させて、候補車両の車載装置4の読取装置45に入出力部64を近づける。車載端末40(ユーザ認証部411)は、読取装置45を介して読み取った認証情報を、通信部43を介して配送管理装置1に送信する。なお、読取装置45は、車両3の外部など、入出力部64に表示された認証情報を読み取り可能な位置に設置される。
解錠指令部114は、通信部13を介して候補車両の車載装置4から受信した認証情報と、車両決定部112がユーザ端末6に送信した認証情報とを照合して両者が一致すると、候補車両の車載装置4に解錠指令を送信する。その際、現在時刻が、候補車両が共有車両としてカーシェアリングサービスにおいて利用されている時間帯に含まれる場合には、解錠指令部114は、解錠指令を送信しない。
候補車両の車載端末40(ロック解錠部413)は、通信部43を介して配送管理装置1から解錠指令を受信すると、トランクの解錠信号をアクチュエータ44に出力する。これにより、候補車両のトランクのロックが解錠され、ユーザ8は、荷物7を候補車両のトランクに収納することが可能となる。
判定部115は、情報取得部111により取得された荷物情報に含まれる引き取り希望時刻に引き取り希望位置でユーザ8が荷物7を引き取り可能であるか否かを判定する。
より詳細には、判定部115は、ユーザ8が荷物7を預け入れてから現在時点までに情報取得部111により取得されたユーザ位置情報の時系列データに基づき、ユーザ8の現在位置から引き取り希望位置までの移動速度および移動経路を予測する。判定部115は、その予測結果に基づいて、引き取り希望時刻に引き取り希望位置にユーザ8が到着可能であるか否かを判定する。また、判定部115は、ユーザ8が荷物7を預け入れてから現在時点までに情報取得部111により取得された車両位置情報の時系列データに基づき、荷物7が収納された車両3の現在位置から引き取り希望位置までの移動速度および移動経路を予測する。判定部115は、その予測結果に基づき、荷物7が収納された車両3が引き取り希望時刻に引き取り希望位置に到着可能であるか否かを判定する。そして、判定部115は、引き取り希望時刻に引き取り希望位置にユーザ8または車両3が到着可能でない場合、引き取り希望時刻に引き取り希望位置でユーザ8が荷物7を引き取り可能でないと判定する。
なお、判定部115は、予測した車両3の移動速度および移動経路に加えて、情報取得部111により取得された地図情報に含まれる交通渋滞情報に基づいて、引き取り希望時刻に引き取り希望位置に車両3が到着可能であるか否かを判定してもよい。例えば、車両3の移動経路上における交通渋滞の度合いに応じた係数を、予測した車両3の移動速度に乗算して、引き取り希望時刻に引き取り希望位置に車両3が到着可能であるか否かを判定してもよい。上記係数には、車両3の移動経路上における交通渋滞が発生していないとき、すなわち交通渋滞の度合いが0であるときに1が設定され、交通渋滞の度合いが大きいほど小さい値が設定される。
位置検索部116は、新たな引き取り希望位置を検索する。具体的には、判定部115により引き取り希望時刻に引き取り希望位置でユーザ8が荷物7を引き取り可能でないと判定されると、引き取り希望時刻にユーザ8が荷物7を引き取り可能な位置、すなわち新たな引き取り希望位置を検索する。以下、この検索処理を、引取位置検索処理と呼ぶ。
引取位置検索処理において、位置検索部116は、ユーザ8および車両3の現在位置と、判定部115により予測されたユーザ8および車両3の移動速度とに基づいて、ユーザ8と車両3がともに引き取り希望時刻に到着可能な位置を検索する。そして、位置検索部116は、検索した位置を新たな引き取り希望位置に決定する。
なお、新たな引き取り希望位置は、車両3を停車可能な場所であれば、ステーション以外であってもよい。また、新たな引き取り希望位置が複数検索された場合、位置検索部116は、情報取得部111により取得された地図情報に含まれる交通渋滞情報に基づいて、交通渋滞の度合いがより低い位置を優先的に新たな引き取り希望位置に決定してもよい。また、位置検索部116は、ユーザ8の移動速度および移動経路に基づいてユーザ8が電車で移動していると判断した場合には、電車の駅により近い位置を優先的に新たな引き取り希望位置に決定してもよい。
位置検索部116は、決定した新たな引き取り希望位置をユーザ端末6と車載装置4とに通知する。より具体的には、位置検索部116は、新たな引き取り希望位置を含む情報を、通信部13を介してユーザ端末6と車載装置4とに送信する。ユーザ端末6の情報表示部613は、通信部63を介して受信したその情報を入出力部64に表示する。車載装置4の車載端末40(演算部41)は、通信部43を介して受信したその情報を車両3に搭載されたカーナビゲーション装置のディスプレイ(図示せず)等に表示する。
なお、位置検索部116は、道路地図の情報に基づいて、ユーザ8が引き取り希望時刻に新たな引き取り希望位置に到着可能な移動経路を導出し、導出した移動経路を含む情報をユーザ端末6に送信してもよい。また、位置検索部116は、道路地図の情報に基づいて、車両3が引き取り希望時刻に新たな引き取り希望位置に到着可能な移動経路を導出し、導出した移動経路を含む情報を車載装置4に送信してもよい。
料金算出部117は、情報取得部111により取得された荷物情報に基づいて、荷物の預け入れ希望時刻から引き取り希望時刻までの保管時間および荷物の預け入れ希望位置から引き取り希望位置までの移動距離を算出する。料金算出部117は、保管時間、移動距離、および荷物情報に含まれるサイズ情報の少なくとも1つに基づいて、ユーザ8に請求する利用料金を算出する。料金算出部117は、通信部13を介して、算出した利用料金を含む情報をユーザ端末6に送信する。
さらに、料金算出部117は、保管時間、移動距離、および荷物情報に含まれるサイズ情報の少なくとも1つに基づいて、車両決定部112により決定された候補車両の管理者に与える報酬を決定する。料金算出部117は、通信部13を介して、決定した報酬を含む情報を事業体端末5に送信する。このように、候補車両の管理者に報酬を与えることにより、配送管理サービスへの車両の提供をカーシェアリング事業体などに対して働き掛けることができる。またそれにより、荷物の預け入れ先として利用可能な車両の台数を増やすことができ、ユーザの利便性が向上されるとともに、配送管理サービスをさらに普及させることができる。
図7は、予め定められたプログラムに従い配送管理装置1の演算部11で実行される処理の一例を示すフローチャートである。このフローチャートに示す処理は、配送管理装置1の情報取得部111が通信部13を介してユーザ端末6から荷物情報を取得すると開始される。
まず、ステップS11で、事業体端末5の共有車両データベース521から各車両3の車両情報を取得する。次いで、ステップS12で、取得した荷物情報と、ステップS11で取得した車両情報に含まれる利用計画情報とに基づいて、各車両3の中から荷物7を収納する候補車両を検索する。
次いで、ステップS13で、候補車両が検索されたか否かを判定する。ステップS13で否定されると、ステップS19で、ユーザ端末6に候補車両が見つからなかったことを通知する情報をユーザ端末6に送信して、処理を終了する。ステップS13で肯定されると、ステップS14で、荷物情報に含まれるサイズ情報と、ステップS12で候補車両として検索された車両3の収納可能サイズ情報とに基づいて、その車両3のトランクに荷物を収納可能であるか否かを判定する。なお、ステップS13で候補車両として検索された車両3が複数存在するときは、候補車両として検索された複数の車両3の中に、トランクに荷物を収納可能な車両3が存在するか否かを判定する。
ステップS14で否定されると、ステップS19に進み、処理を終了する。一方、ステップS14で肯定されると、ステップS15で、ステップS14で荷物を収納可能と判定された候補車両が複数存在するか否かを判定する。
ステップS15で肯定されると、ステップS16で、ステップS14で荷物を収納可能と判定された車両3の一覧(候補車両の一覧)を含む情報と候補車両の選択指令とを、通信部13を介してユーザ端末6に送信する。ユーザ端末6の情報表示部613は、通信部63を介して候補車両の一覧を含む情報と候補車両の選択指令とが受信されると、入出力部64に候補車両選択画面を表示する。候補車両選択画面にはステップS14で荷物を収納可能と判定された車両3の一覧が表示され、ユーザ8は入出力部64を操作してその一覧の中から所望の車両3を選択する。情報送信部611は、候補車両選択画面を介してユーザ8により選択された車両3の車両固有情報を配送管理装置1に送信する。なお、このとき配送管理装置1に送信される情報は、選択された車両3を特定可能な情報であればよく、車両3の車両固有情報の一部(車両番号のみ)や車両IDであってもよい。
ステップS17で、通信部13を介して車両固有情報を受信すると、その車両固有情報に対応する車両3を候補車両に決定する。一方、ステップS15で否定されると、ステップS17に進み、ステップS14で荷物を収納可能と判定された車両3を候補車両に決定する。
最後に、ステップS18で、ステップS17で決定された候補車両の車両固有情報とともに、候補車両のトランクを解錠する際に必要となる認証情報をユーザ端末6へ送信する。ユーザ8は、預け入れ希望位置に到着すると、ステップS18でユーザ端末6により受信された車両固有情報をもとに車両3を探す。ユーザ8は、車両3を見つけると、入出力部64に認証情報を表示させたユーザ端末6を車両3の車載装置4の読取装置45に近づけて、車両3のトランクを解錠し、荷物7を車両3のトランクに収納する。これにより、ユーザ8はスーツケース等の比較的大きな荷物7を持っている場合でも、手ぶらで観光したり買い物したりしながら引き取り希望位置まで移動することが可能となる。
図8は、予め定められたプログラムに従い配送管理装置1の演算部11で実行される引取位置検索処理の一例を示すフローチャートである。引取位置検索処理は、図7のフローチャートに示す処理が実行され、候補車両が決定された後に実行される。より詳細には、決定された候補車両にユーザ8が荷物7を預け入れると開始され、所定周期で繰り返される。なお、ユーザ8が荷物7を車両3に預け入れたか否かは、例えば、預け入れ希望位置にてユーザ端末6を介して車両3のトランクのロックが解錠されたか否かにより判定可能である。
まず、ステップS21で、ユーザ端末6にユーザ位置情報の送信指令を送信し、この送信指令に応じてユーザ端末6から送信されるユーザ位置情報を、通信部13を介して取得する。次いで、ステップS22で、車載装置4に車両位置情報の送信指令を送信し、この送信指令に応じて車載装置4から送信される車両位置情報を、通信部13を介して取得する。次いで、ステップS23で、通信網2を介して図示しない各種サーバから交通渋滞情報を含む地図情報を取得する。
次いで、ステップS24で、荷物情報に含まれる引き取り希望時刻に引き取り希望位置でユーザ8が荷物7を引き取り可能であるか否かを判定する。ステップS24で肯定されると、処理を終了する。ステップS24で否定されると、ステップS25で、ユーザ8と車両3がともに引き取り希望時刻に到着可能な位置を検索する。最後に、ステップS26で、検索した位置を新たな引き取り希望位置に決定し、新たな引き取り希望位置を含む情報をユーザ端末6と車載装置4とに送信する。
本実施形態に係る配送管理装置1による動作をまとめると以下のようになる。図9Aに示すように、ユーザ8がホテルHTから観光地SAに寄りながら駅Aを経由して駅Bに向かう場合を想定する。なお、図9Aに示す駅A,B,Cは同じ路線に存在する駅であり、駅Aは、観光地SAの最寄りの駅である。ユーザ8は、ホテルHTから観光地SAまで徒歩またはタクシーで移動し、観光地SAを見学した後、駅Aから電車に乗って駅Bに向かう。図9Aに示す一点鎖線の矢印は、ユーザ8の移動経路を表す。なお、駅Aと駅Bの間および駅Bと駅Cの間には、他の駅が存在してもよい。
図9Aに示す例において、荷物7の預け入れ希望時刻は9:50、預け入れ希望位置はホテルHTである。荷物7の引き取り希望時刻は15:00、引き取り希望位置は駅Bである。共有車両SCの貸出日時は10:00、貸出場所はホテルHTの最寄りのステーション(以下、単にホテルHTと記す)、返却日時は15:00、返却場所は駅Bの最寄りのステーション(以下、単に駅Bと記す)である。図9Aに示す実線矢印は、共有車両SCの移動経路を表す。
ユーザ8は、預入希望時刻にホテルHTで共有車両SCのトランクに荷物7を預け入れると、観光地SAと駅Aを経由して駅Bに向かう。一方、カーシェアリングサービスの利用者は、荷物7が収納された共有車両SCを運転して、返却場所である駅Bに向かう。ユーザ8および共有車両SCがホテルHTから駅Bに向かう間、所定周期で、ユーザ8の位置情報と共有車両SCの位置情報と交通渋滞情報とが取得される(ステップS21~S23)。そして、取得された情報に基づいて、ユーザ8が引き取り希望時刻に引き取り希望位置で荷物7を引き取り可能であるか否かが判断される(ステップS24)。図9Aに示す例では、共有車両SCが返却日時である15:00までに駅Bに返却され、ユーザ8が引き取り希望時刻である15:00までに駅Bに到着すれば、ユーザ8は、共有車両SCのトランクから荷物7を引き取ることができる。
一方、図9Aのユーザ8が、引き取り希望時刻までに駅Bに到着できない場合、例えば、ユーザ8が観光地SAを当初の予定より遅く出発した場合、引き取り希望時刻に引き取り場所にユーザ8が到着できないと判断される(ステップS24)。そして、ユーザ8と共有車両SCとがともに引き取り希望時刻に到着可能な新たな引き取り希望位置が検索される(ステップS25)。新たな引き取り希望位置として駅Aが検索されると、ユーザ端末6と共有車両SCの車載装置4とに新たな引き取り希望位置の情報として駅Aの位置情報が通知される。共有車両SCを運転するカーシェアリングサービスの利用者は、共有車両SCのナビゲーション装置のディスプレイにその通知が表示されると、引き取り希望位置が変更されたことを認識し、図9Bに示すように新たな引き取り希望位置である駅Aに向かう。一方、ユーザ8は、ユーザ端末6の入出力部64にその通知が表示されると、引き取り希望位置が駅Aに変更されたことを認識する。例えば、ユーザ8が観光地SAから駅Aに歩いて向かっている途中において引き取り希望位置が駅Aに変更されたことを認識した場合には、ユーザ8は、駅Aで電車に乗る前に共有車両SCを探し、共有車両SCから荷物7を引き取る。これにより、ユーザ8は、引き取り希望時刻に駅Aで荷物7を引き取ることができる。
また、図9Aに示す共有車両SCが、引き取り希望時刻に駅Bに到着できない場合、例えば、共有車両SCが駅Bに向かう経路において渋滞が発生した場合、共有車両SCが引き取り希望時刻に引き取り場所に到着できないと判断される(ステップS24)。そして、共有車両SCとユーザ8とがともに引き取り希望時刻に到着可能な引取位置が検索される(ステップS25)。駅Cが新たな引き取り希望位置として検索されると、ユーザ端末6と共有車両SCの車載装置4とに新たな引き取り希望位置として駅Cが通知される。共有車両SCを運転するカーシェアリングサービスの利用者は、共有車両SCのナビゲーション装置のディスプレイにその通知が表示されると、引き取り希望位置が変更されたことを認識し、図9Cに示すように新たな引き取り希望位置である駅Cに向かう。一方、ユーザ8は、ユーザ端末6の入出力部64にその通知が表示されると、引き取り希望位置が駅Cに変更されたことを認識する。例えば、ユーザ8が駅Aから駅Bに電車で向かっている途中で引き取り希望位置が駅Cに変更されたことを認識した場合には、ユーザ8は、駅Bで下車せずに駅Cに向かう。ユーザ8は、駅Cで下車して共有車両SCを探し、共有車両SCから荷物7を引き取る。これにより、ユーザ8は、引き取り希望時刻に駅Cで荷物7を引き取ることができる。
本実施形態によれば以下のような作用効果を奏することができる。
(1)荷物を車両3に収納して配送する配送サービスを提供する配送管理装置1は、ユーザ端末6を介してユーザにより要求される、荷物の引き取り希望位置と引き取り希望時刻を含む荷物情報を取得する情報取得部111と、情報取得部111により取得された荷物情報に含まれる引き取り希望時刻に引き取り希望位置でユーザが荷物を引き取り可能であるか否かを判定する判定部115と、判定部115により引き取り可能でないと判定されると、引き取り希望時刻にユーザが荷物を引き取り可能な位置を検索する位置検索部116と、位置検索部116により検索された位置を荷物の新たな引き取り希望位置としてユーザ端末6に送信する通信部13と、を有する(図5)。これにより、ユーザ8が引き取り希望時刻に引き取り希望位置で荷物を引き取ることができない場合でも、引き取り希望時刻に新たな引き取り希望位置で荷物を引き取ることが可能となる。したがって、荷物を時間どおりにユーザに配送することができ、荷物の配送を効率よく行うことができる。
(2)ユーザ端末6は、ユーザにより携帯される携帯無線端末であり、情報取得部111は、ユーザ端末6の位置情報をさらに得する。判定部115は、情報取得部111により取得されたユーザ端末6の位置情報に基づいて、引き取り希望時刻に引き取り希望位置でユーザが荷物を引き取り可能であるか否かを判定する。これにより、ユーザが引き取り希望時刻に引き取り希望位置に到着できない場合でも、荷物を時間どおりにユーザに配送することができ、荷物の配送を効率よく行うことができる。
(3)情報取得部111は、車両3の位置情報をさらに取得する。判定部115は、情報取得部111により取得された車両3の位置情報に基づいて、引き取り希望時刻に引き取り希望位置でユーザが荷物を引き取り可能であるか否かを判定する。これにより、車両3が引き取り希望時刻に引き取り希望位置に到着できない場合でも、荷物を時間どおりにユーザに配送することができ、荷物の配送を効率よく行うことができる。
(4)情報取得部111は、道路地図の情報と道路地図上の交通渋滞情報とを含む地図情報をさらに取得する。判定部115は、情報取得部111により取得された地図情報に含まれる交通渋滞情報に基づいて、引き取り希望時刻に引き取り希望位置でユーザが荷物を引き取り可能であるか否かを判定する。これにより、道路の渋滞によって車両3が引き取り希望時刻に引き取り希望位置に到着できない場合でも、荷物を時間どおりにユーザに配送することができ、荷物の配送を効率よく行うことができる。
(5)通信部13は、位置検索部116により検索された位置をユーザ端末6と車両3に搭載された車載端末40とに送信する。これにより、引き取り希望位置や預け入れ希望位置に変更があった場合に、車両3を運転するドライバが、新たな引き取り希望位置や新たな預け入れ希望位置を認識することができる。
(6)本実施形態の配送管理装置1は、配送管理方法として用いることもできる。荷物を車両に収納して配送する配送サービスを提供する配送管理方法においては、ユーザ端末6を介してユーザにより要求される、荷物の引き取り希望位置と引き取り希望時刻を含む荷物情報を取得するステップと、取得された荷物情報に含まれる引き取り希望時刻に引き取り希望位置でユーザが荷物を引き取り可能であるか否かを判定するステップ(ステップS21~S24)と、引き取り可能でないと判定されると、引き取り希望時刻にユーザが荷物を引き取り可能な位置を検索するステップ(ステップS25)と、検索された引き取り可能な位置を荷物の新たな引き取り希望位置としてユーザ端末6に送信するステップ(ステップS26)とを、コンピュータ(演算部11)により実行することを含む(図8)。これにより、荷物を時間どおりにユーザに配送することができ、荷物の配送を効率よく行うことができる。
上記実施形態は種々の形態に変形することができる。以下、変形例について説明する。上記実施形態では、荷物7の引き取り希望位置を変更する場合を例にした。しかし、ユーザ8が荷物7の預け入れ希望時刻に預け入れ希望位置に到着できない場合には、預け入れ希望位置を変更するようにしてもよい。その場合、判定部115は、情報取得部111により取得されたユーザ端末6の位置情報に基づいて、預け入れ希望時刻に預け入れ希望位置でユーザが荷物を預け入れ可能であるか否かを判定する。位置検索部116は、判定部115により荷物を預け入れ可能でないと判定されると、預け入れ希望時刻にユーザが荷物を預け入れ可能な位置を検索し、通信部13は、位置検索部116により検索された位置をユーザ端末6に送信する。これにより、ユーザ8が預け入れ希望時刻に預け入れ希望位置に到着できない場合でも、預け入れ希望時刻に新たな預け入れ希望位置で荷物を預け入れることが可能となる。
また、上記実施形態では、情報取得部111が、荷物情報取得部としてユーザ端末6から荷物の引き取り希望位置と引き取り希望時刻を含む荷物情報を取得するようにしたが、荷物情報にはその他の情報が含まれていてもよい。例えば、荷物に関する情報(例えば、生もの、割れ物)が含まれていてもよい。
また、上記実施形態では、情報取得部111が、ユーザ位置情報取得部としてユーザ端末6にユーザ位置情報の送信指令を送信して、ユーザ端末6からユーザ位置情報を取得するようにしたが、ユーザ位置情報取得部の構成はこれに限らない。例えば、ユーザ端末6が定期的にユーザ端末6の位置情報を送信している場合には、その位置情報をユーザ位置情報として取得してもよい。
また、上記実施形態では、情報取得部111が、車両位置情報取得部として車載装置4に車両位置情報の送信指令を送信して、車載装置4から車両位置情報を取得するようにしたが、車両位置情報取得部の構成はこれに限らない。例えば、車載装置4が定期的に車両3の位置情報を送信している場合には、その位置情報をユーザ位置情報として取得してもよい。また、車両位置情報取得部は、車両3に搭載されたナビゲーション装置から車両3が引き取り希望位置に到着する時刻の情報を取得してもよい。そして、判定部115は、その時刻の情報に基づいて、引き取り希望時刻に引き取り希望位置でユーザが荷物を引き取り可能であるか否かを判定してもよい。
また、上記実施形態では、情報取得部111が、地図情報取得部として道路地図の情報と道路地図上の交通渋滞情報とを含む地図情報を取得するようにしたが、地図情報取得部の構成はこれに限らない。例えば、道路地図の情報を予め記憶部12に記憶させておき、地図情報取得部は、記憶部12から道路地図の情報を取得してもよい。
また、上記実施形態では、認証情報の照合により候補車両のトランクを解錠するようにしたが、その他の方法により候補車両のトランクを解錠してもよい。例えば、解錠指令部114は、ユーザ端末6の位置が候補車両の位置と一致していると判断したときに、候補車両の車載装置4に解錠指令を送信するようにしてもよい。より詳細には、解錠指令部114は、情報取得部111により取得されたユーザ位置情報および車両位置情報により示される互いの位置が所定距離内にあるときに、互いの位置が一致していると判断し、候補車両の車載装置4に解錠指令を送信する。また、システムによる認証を行わない場合は、車両の運転者によってトランクを開錠することも可能である。
また、上記実施形態では、車両決定部112が認証情報とともに、候補車両の車両固有情報をユーザ端末6に送信するようにしたが、車両決定部112は、認証情報ととともに、候補車両の車両固有情報と位置情報をユーザ端末6に送るようにしてもよい。例えば、車両決定部112は、情報取得部111により事業体端末5から取得された利用計画情報に含まれる貸出場所または返却場所の情報を候補車両の位置情報として、認証情報と候補車両の車両固有情報とともにユーザ端末6に送信する。また例えば、車両決定部112は、情報取得部111により候補車両の車載装置4から取得された車両位置情報を候補車両の位置情報として、認証情報と候補車両の車両固有情報とともにユーザ端末6に送信する。これにより、例えば、図9Aに示す例において預け入れ希望エリアであるホテルHTから所定距離内にステーションが複数存在する場合でも、ユーザ8は、ホテルHTから共有車両SCが駐車されているステーションへ迷わずに向かうことができる。
また、上記実施形態では、候補車両のトランクに荷物を収納する例を示したが、候補車両の車室内に荷物を収納するようにしてもよい。その場合、車載装置4の車載端末40(ロック解錠部413)は、通信部43を介して配送管理装置1から解錠指令を受信すると、車両3の車室内に面した乗降用ドアのロックを解錠するためのドア解錠信号をアクチュエータ44に出力する。これにより、アクチュエータ44が作動し車両3の乗降用ドアのロックが解錠される。なお、ロック解錠部413はトランク解錠信号とドア解錠信号との両方をアクチュエータ44に出力して、候補車両のトランクと車室内とに荷物を収納可能なようにしてもよい。
また、上記実施形態では、車両決定部112が、候補車両の車両固有情報をユーザ端末6に送信するようにした。しかし、各車両3の外観の画像データが、共有車両データベース521に記憶されている場合には、車両決定部112は、候補車両の外観の画像データを共有車両データベース521から取得し、車両固有情報とともにユーザ端末6に送信するようにしてもよい。そして、ユーザ端末6は、受信したその画像データに基づき、入出力部64に候補車両の外観の画像を表示してもよい。ユーザ8は、その画像を見ながら候補車両を探すことで、候補車両をさらに見つけやすくなる。
また、上記実施形態では、ユーザ端末6は、入出力部64を介してユーザ8により入力された報知指令を車両IDとともに配送管理装置1に送信するようにしたが、ユーザ端末6は、報知指令を車両IDとともに事業体端末5に送信してもよい。その場合、事業体端末5は、受信した報知指令に付随する車両IDに対応する車両3の車載装置4に対して、ランプ47の点滅指令を送信する。
また、上記実施形態では、位置検索部116は、ユーザ8および車両3の現在位置と、ユーザ8および車両3の移動速度とに基づいて、新たな引き取り希望位置を決定した。しかし、位置検索部116は、さらに車両3の次の貸出日時に基づいて新たな引き取り希望位置を決定してもよい。例えば、図9Bおよび図9Cに示す例において共有車両SCの次の貸出日時が15:30である場合、位置検索部116は、車両3が返却場所(次の貸出場所)である駅Bに15:30までに到着可能なように、新たな引き取り希望位置を決定する。
また、上記実施形態では、ユーザ8の荷物が1つである場合を例にしたが、ユーザ8の荷物は、複数の荷物を含んでもよい。その場合、ユーザ8は、入出力部64を介して複数の荷物の大きさの合計値を荷物情報として入力する。情報送信部611は、入出力部64を介してユーザ8により入力された荷物の大きさの合計値を配送管理装置1に送信する。荷物の大きさの合計値は、ユーザ8が複数の荷物を所望の並べ方で並べた場合や所望の積み方で積んだ場合の縦、横および高さの合計値である。なお、荷物の大きさの合計値は、複数の荷物の大きさを判断可能な値であればその他の値であってもよい。
また、上記実施形態では、車両3がカーシェアリングサービスに用いられる共有車両である場合を例にしたが、車両3には、自家用車両や営業用の車両等の共有車両以外の車両が含まれてもよい。例えば、自家用車両の所有者が駅の近くのコインパーキングにその車両を駐車して電車で長時間出掛ける場合に、その所有者は、荷物預入サービスを利用して、コインパーキングに駐車する自家用車両を荷物の預け入れ先として提供してもよい。その場合、その所有者は、自身の携帯無線端末等を操作して、自家用車両の車両情報、すなわち車両固有情報および利用計画情報を配送管理装置1に送信する。情報取得部111は、その所有者の携帯無線端末等から送信された車両情報を、通信部13を介して受信する。そして、車両決定部112は、情報取得部111により取得された荷物情報と、その自家用車両を含む各車両3の利用計画情報とに基づいて、荷物を預け入れ可能な候補車両を決定する。このように、自家用車両等を荷物の預け入れ先として使用することで車両3の台数を増やすことができ、荷物預入サービスを利用するユーザの利便性をさらに向上させることができる。なお、車両についても、四輪自動車に限らず、荷物の積載量は減少するが、オートバイや自転車等の二輪車両であってもよい。
また、上記実施形態では、携帯無線端末により構成されるユーザ端末6が、ユーザ機器として荷物情報等を配送管理装置1に送信するようにした。しかし、ユーザ機器は、パーソナルコンピュータ等、携帯無線端末以外の機器により構成されてもよく、入出力部64は、キーボード、マウス、モニタ等により構成されてもよい。
さらに、上記実施形態では、配送管理装置1の機能を1つのサーバ装置に搭載したが、配送管理装置1の機能の一部を他の装置に搭載させるようにしてもよい。
以上の説明はあくまで一例であり、本発明の特徴を損なわない限り、上述した実施形態および変形例により本発明が限定されるものではない。上記実施形態と変形例の一つまたは複数を任意に組み合わせることも可能であり、変形例同士を組み合わせることも可能である。