JP2022016012A - 車両前部構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】接近通報音の伝達特性を向上させることが可能な車両前部構造を得る。
【解決手段】車両前後方向に沿って、ロアグリル18と接近通報音用スピーカ42との間に柱状構造物40が設けられている。柱状構造物40は、接近通報音用スピーカ42側を開口としているため、接近通報音用スピーカ42から発せられた接近通報音の音波は、一旦柱状構造物40の凹部内に侵入し、その後、接近通報音用スピーカ42側へ反射する。このため、反射した接近通報音の音波と接近通報音用スピーカ42から発せられた接近通報音の音波は、互いに干渉することになる。これにより、接近通報音の音波の波長を複雑化させ、周波数を分散させることができる。その結果、接近通報音の伝達特性を向上させることができる。
【選択図】図5
【解決手段】車両前後方向に沿って、ロアグリル18と接近通報音用スピーカ42との間に柱状構造物40が設けられている。柱状構造物40は、接近通報音用スピーカ42側を開口としているため、接近通報音用スピーカ42から発せられた接近通報音の音波は、一旦柱状構造物40の凹部内に侵入し、その後、接近通報音用スピーカ42側へ反射する。このため、反射した接近通報音の音波と接近通報音用スピーカ42から発せられた接近通報音の音波は、互いに干渉することになる。これにより、接近通報音の音波の波長を複雑化させ、周波数を分散させることができる。その結果、接近通報音の伝達特性を向上させることができる。
【選択図】図5
Description
本発明は、車両前部構造に関する。
下記特許文献1には、接近通報音を車外に発生させて、車両の存在を周囲に知らせる車両接近通報装置に関する技術が開示されている。この先行技術では、車両接近通報装置を構成する音波スピーカ(接近通報音用スピーカ)が、車両前端部に設けられたフロントグリルの車両後方側に配置されている。そして、フロントグリルを構成し車両上下方向に沿って配列された複数のグリルバーが、車両前方側に向かって湾曲突出する湾曲凸部と、この湾曲凸部の上側から車両後方へ伸びる上側の帯板部と、でそれぞれ構成されており、湾曲凸部の下側から車両後方へ伸びる下側の帯板部はカットされた形状とされている。
先行技術では、グリルバーのこのような形状により、音波スピーカから車両前方へ向けて放射された音波が、グリルバーを通過する際、グリルバーの下方側に向きを変え、下方側のグリルバーの外面で再び車両前方に向きを変えて、音波が車両前方へ向けて伝播されるようになっている。そして、これにより、先行技術では、フロントグリルの意匠性を妨げることなく、フロントグリルによる音波スピーカの性能低下を防ぐというものである。
しかしながら、上記先行技術では、例えば、接近通報音において、使用周波数の範囲内で特定の周波数領域で音圧レベルの落込みが発生した場合、当該接近通報音が法規計測位置まで伝播されない可能性がある。この場合、音波スピーカの音量を上げる必要が生じるが、音波スピーカの音量を上げると、車室内の静粛性が悪化する。
本発明は、上記事実を考慮し、接近通報音の伝達特性を向上させることが可能な車両前部構造を得ることが目的である。
請求項1に記載の車両前部構造は、車両前端部に設けられ、車両前部に設けられたパワーユニット内に空気を取り込む通気口が形成されたフロントグリルと、前記フロントグリルの車両前後方向の後方側に配置され、車両の接近を知らせるための接近通報音を発する接近通報音用スピーカと、車両前後方向に沿って前記フロントグリルと前記接近通報音用スピーカとの間に設けられ、当該接近通報音用スピーカから発せられた前記接近通報音の音波を反射させ、反射した接近通報音の音波と前記接近通報音用スピーカから発せられた前記接近通報音の音波を干渉させる柱状構造物と、を有している。
請求項1に記載の車両前部構造では、フロントグリルと、接近通報音用スピーカと、柱状構造物と、を含んで構成されている。フロントグリルは、車両前端部に設けられており、当該フロントグリルには通気口が形成され、この通気口を通じて、車両前部に設けられたパワーユニット内に空気が取り込まれる。
一方、接近通報音用スピーカは、フロントグリルの車両前後方向の後方側に配置されており、車両の接近を知らせるための接近通報音を発する。また、柱状構造物は、車両前後方向に沿ってフロントグリルと接近通報音用スピーカとの間に設けられており、接近通報音用スピーカから発せられた接近通報音の音波を反射させ、反射した接近通報音の音波と接近通報音用スピーカから発せられた接近通報音の音波を干渉させるように設定されている。
ここで、音波スピーカから発せされた音波は、フロントグリルを経て車両外側へ伝播された際、音波同士の干渉により、接近通報音の使用周波数の範囲内において、特定の周波数で接近通報音の音圧レベルの落込みが発生する場合がある。
このため、本発明では、前述のように、接近通報音用スピーカから発せられた接近通報音の音波を柱状構造物によって反射させ、反射した接近通報音の音波と接近通報音用スピーカから発せられた接近通報音の音波とを干渉させることによって、接近通報音用スピーカから発せられた接近通報音の音波の波長を複雑化させる。これにより、接近通報音の周波数を分散させ(ばらつかせ)、特定の周波数による接近通報音の音圧レベルの落込みを抑制することが可能となる。
以上説明したように、本発明に係る車両前部構造は、特定の周波数による接近通報音の音圧レベルの落込みを抑制することで、結果的に接近通報音の伝達特性を向上させることができる、という優れた効果を有する。
以下、図面を用いて、本発明の実施形態に係る車両前部構造について説明する。なお、各図において適宜示される矢印FRは、車両前後方向の前側を示しており、矢印UPは、車両上下方向の上側を示している。また、矢印RHは、車両幅方向の右側を示している。以下、単に前後、上下、左右の方向を用いて説明する場合は、特に断りのない限り、車両前後方向の前後、車両上下方向の上下、車両左右方向(車幅方向)の左右を示すものとする。
(車両前部構造の構成)
まず、本実施の形態に係る車両前部構造が適用された車両の構成について説明する。
まず、本実施の形態に係る車両前部構造が適用された車両の構成について説明する。
図1には、本実施形態に係る車両前部構造が適用された車両10の車両前部12を車両左斜め前方側から見た斜視図が示されている。図1に示されるように、車両10の前端部(車両前端部)14には、アッパグリル16とロアグリル(フロントグリル)18が車両上下に設けられており、当該アッパグリル16及びロアグリル18は、車両10の意匠面を形成するバンパカバー20と一体に形成されている。つまり、アッパグリル16及びロアグリル18は、バンパカバー20と共に車両10の意匠面を形成する。
なお、本実施形態では、バンパカバー20、アッパグリル16及びロアグリル18は、例えば、樹脂で形成されているが、当該樹脂はCFRPやGFRP等の繊維強化樹脂でもよく、また、これらの部材は樹脂に限らず金属で形成されてもよい。
当該バンパカバー20は、バンパ上部22とバンパ下部24を含んで構成されている。バンパ上部22は、ロアグリル18の車両上下方向の上方側、つまり、アッパグリル16とロアグリル18の間に設けられており、バンパ下部24は、ロアグリル18の車両上下方向の下方側に設けられている。
当該アッパグリル16及びロアグリル18は、車両正面視で車両幅方向を長手方向とした略矩形状にそれぞれ形成されており、アッパグリル16、ロアグリル18の車両幅方向の中心が車両10の車両幅方向の中心と略同一となるようにそれぞれ配置されている。なお、アッパグリル16の車両幅方向の中央部にはエンブレム26が設けられている。
また、アッパグリル16及びロアグリル18は、パワーユニットルーム23(図2参照)内に外気を流入させるため、当該アッパグリル16及びロアグリル18には、アッパグリル開口部28、ロアグリル開口部(通気口)30がそれぞれ形成されている。なお、アッパグリル開口部28は、本実施形態では、エンブレム26によって左右に分断されているが、連続して形成されてもよい。
左右のアッパグリル開口部28内の車両上下方向の略中央部には、当該アッパグリル開口部28の側壁間を車両幅方向に沿って横リブ32がそれぞれ架け渡されている。さらに、左右のアッパグリル開口部28内には、当該横リブ32と略直交してアッパグリル開口部28の上壁と下壁の間に縦リブ34がそれぞれ架け渡されている。このように、アッパグリル開口部28内において、横リブ32及び縦リブ34が設けられることによって、アッパグリル16の剛性を向上させている。
また、ロアグリル開口部30内には、当該ロアグリル開口部30の側壁間を車両幅方向に沿って複数の横リブ36が架け渡されている。これらの横リブ36は、車両上下方向に沿って略等間隔で配列されている。さらに、ロアグリル開口部30内には、これらの横リブ36と略直交してロアグリル開口部30の上壁と下壁の間に複数の縦リブ38が架け渡されている。このように、ロアグリル開口部30内において、横リブ36及び縦リブ38が複数設けられることによって、ロアグリル18の剛性を向上させている。
一方、図2には、図1に示すA-A線に沿って切断したときの概略断面図が示されており、図3には、本実施形態における車両前部12の一部を構成するロアグリル18、後述する柱状構造物40及び接近通報音用スピーカ42について、車両左斜め後方側から見た概略斜視図が示されている。
図1~図3に示されるように、本実施形態では、ロアグリル18の車両前後方向の後方側に柱状構造物40が配置されており、柱状構造物40の車両前後方向の後方側には、車両10の接近を知らせるための接近通報音を発する接近通報音用スピーカ42が配置されている。つまり、車両前後方向に沿って、ロアグリル18と接近通報音用スピーカ42との間に柱状構造物40が設けられている。
また、本実施形態では、柱状構造物40及び接近通報音用スピーカ42は、例えば、車両幅方向の略中央部に配置されており、車両10の正面視で、柱状構造物40は接近通報音用スピーカ42と略重なる位置に配置される。なお、柱状構造物40は、車両10の正面視で、ロアグリル開口部30内の縦リブ38と重ならない位置に配置されている。
ここで、本実施形態では、柱状構造物40は、例えば、樹脂で形成されており、図2に示されるように、樹脂製の取付部材44、46を介して、車両10側に固定される。例えば、取付部材44の一方は、例えば、樹脂製のボルト、リベット等の固定部材により柱状構造物40の上端部40Aに固定されており、取付部材44の他方は、当該固定部材によりバンパ上部22側に固定されている。また、取付部材46の一方は、当該固定部材により柱状構造物40の下端部40Bに固定されており、取付部材46の他方は、当該固定部材によりバンパ下部24側に固定されている。
このように、柱状構造物40は、バンパ上部22とバンパ下部24の間に配置されるが、取付部材44、46を介して、柱状構造物40が車両10側に固定された状態で、当該柱状構造物40は、バンパ上部22とバンパ下部24の間に架け渡された状態となる。
なお、取付部材44、46の形状については、バンパ上部22、バンパ下部24等の形状によって異なるため、特に限定するものではない。また、本実施形態では、取付部材44、46は樹脂で形成されているが、バンパ上部22及びバンパ下部24の材質に対応して、その材質は適宜変更可能である。また、バンパ上部22、バンパ下部24に対して、柱状構造物40が直接固定される場合、取付部材44、46は不要となる。
また、図2、図3に示されるように、柱状構造物40は、接近通報音用スピーカ42側を開口48とする車両上下方向を長手方向とする矩形箱状を成している。当該柱状構造物40は、車両上下方向に沿って、二つの仕切り部40Cが略等間隔に設けられており、これにより、柱状構造物40には、矩形箱状の3つの凹部50が形成されている。当該3つの凹部50は、全て略同じ容量とされている。
前述のように、柱状構造物40は、接近通報音用スピーカ42側を開口48として配置されている。したがって、当該3つの凹部50は、それぞれ接近通報音用スピーカ42と対向して配置される。このため、接近通報音用スピーカ42から発せられた接近通報音の音波は、一旦凹部50内に侵入した後、接近通報音用スピーカ42側へ反射する。
なお、本実施形態では、柱状構造物40には3つの凹部50が形成されているが、凹部50の数はこれに限るものではない。また、3つの凹部50は、必ずしも全てが略同じ容量である必要はなく、形状についても矩形箱状に限るものではない。
(車両前部構造の作用及び効果)
次に、本実施の形態に係る車両前部構造が適用された車両の作用及び効果について説明する。
次に、本実施の形態に係る車両前部構造が適用された車両の作用及び効果について説明する。
図2、図3に示されるように、本実施形態では、車両前後方向に沿って、ロアグリル18と接近通報音用スピーカ42との間に柱状構造物40が設けられている。また、本実施形態では、柱状構造物40及び接近通報音用スピーカ42は、例えば、車両幅方向の略中央部に配置され、車両10の正面視で、柱状構造物40は接近通報音用スピーカ42と略重なる位置に配置されている。
このため、接近通報音用スピーカ42から発せられた接近通報音の音波は、柱状構造物40側及び柱状構造物40の車両幅方向の外側を回り込んで柱状構造物40の車両前後方向の前方側へ伝播される。
ここで、比較例として、図9には、ロアグリル100及び接近通報音用スピーカ102の作用を説明するための模式図が示されており、図10には、接近通報音の周波数と音圧レベルの関係を示すグラフが示されている。
図9に示されるように、比較例では、車両前後方向に沿って、ロアグリル100と接近通報音用スピーカ102の間に柱状構造物40(図2参照)が設けられていない場合について説明する。比較例において、図10に示されるように、接近通報音用スピーカ102から発せられた接近通報音において、使用周波数の範囲内の特定の周波数(AHz)で音圧レベルの落込みが発生する場合がある。この原因の一つとして、図9に示されるように、接近通報音用スピーカ102から発せされた音波がフロントグリル100を経て車両外側へ伝播された際、当該音波同士が干渉(干渉部104)するためであると考えられる。
このように、接近通報音において、使用周波数の範囲内の特定の周波数で音圧レベルの落込みが発生した場合、当該接近通報音が法規計測位置(マイクM)まで伝播されない可能性がある。この場合、接近通報音用スピーカ42の音量を上げる必要が生じるが、前述したように、接近通報音用スピーカ42の音量を上げると、車室内の静粛性が悪化するという問題が生じる。
以上のことを踏まえ、本実施形態では、接近通報音において、特定の周波数領域で音圧レベルの落込みが発生しないようにしている。このため、本実施形態では、車両前後方向に沿って、ロアグリル18と接近通報音用スピーカ42との間に柱状構造物40を配置している。
ここで、図4には、当該柱状構造物40及び接近通報音用スピーカ42の作用を説明するための模式図が示されている。また、図5には、ロアグリル18、柱状構造物40及び接近通報音用スピーカ42の作用を説明するための模式図が示されている。
図4、図5に示されるように、本実施形態では、前述のように、車両前後方向に沿って、ロアグリル18と接近通報音用スピーカ42との間に柱状構造物40を配置している。このため、接近通報音用スピーカ42から発せられた接近通報音の音波は、柱状構造物40側及び柱状構造物40の車両幅方向を含み柱状構造物40の外側から回り込んで柱状構造物40の車両前後方向の前方側へ伝播される。
まず、柱状構造物40側へ向かう接近通報音の音波について説明する。図4に示されるように、当該柱状構造物40は、接近通報音用スピーカ42側を開口48としているため、接近通報音用スピーカ42から発せられた接近通報音の音波は、一旦凹部50内に侵入し、その後、接近通報音用スピーカ42側へ反射する。このため、反射した接近通報音の音波と当該接近通報音用スピーカ42から発せられた接近通報音の音波は、互いに干渉(干渉部52)することになる。
これにより、本実施形態では、干渉部52において、接近通報音の音波の波長を複雑化させ、接近通報音の周波数を分散させ(ばらつかせ)ることができる。その結果、本実施形態では、特定の周波数による接近通報音の音圧レベルの落込みを抑制することが可能となる。なお、当該干渉部52では、主に車両前後方向に沿って接近通報音の音波同士がぶつかる。
一方、図5に示されるように、例えば、柱状構造物40の車両幅方向の外側を回り込んで柱状構造物40の車両前後方向の前方側へ伝播される接近通報音の音波は、柱状構造物40の車両前後方向の前方側で互いに干渉(干渉部54)する。
これにより、本実施形態では、干渉部54において、接近通報音の音波の波長を複雑化させ、接近通報音の周波数を分散させることができる。なお、当該干渉部54では、主に車両幅方向に沿って接近通報音の音波同士がぶつかる。
さらに、比較例(図9参照)と同様に、本実施形態では、図5に示されるように、接近通報音用スピーカ42から発せられた接近通報音の音波は、ロアグリル18を経て車両外側へ伝播された際、互いに干渉(干渉部56)する。
これにより、干渉部56において、接近通報音の音波の波長を複雑化させ、接近通報音の周波数を分散させることができる。なお、当該干渉部56では、主に車両上下方向に沿って接近通報音の音波同士がぶつかる。
以上のように、本実施形態では、接近通報音の音波同士を干渉させることによって、接近通報音の音波の波長を複雑化させ、接近通報音の周波数を分散させることができる。また、本実施形態では、接近通報音の音波について、車両前後方向、車両幅方向及び車両上下方向に沿った方向で干渉させることにより、当該接近通報音の音波の波長をより複雑化させ、接近通報音の周波数をより効果的に分散させることができる。
ここで、図6には、本実施形態における接近通報音の周波数と音圧レベルの関係が示されている。図6の点線で示されるように、本実施形態では、接近通報音において、特定の周波数(AHz)による音圧レベルの落込みを抑制することが可能である。
近年、例えば、図示はしないが、コネクティッドカーでは、運転中、クラウドに常時接続しながら車室内の会話機能により、情報サービスの提供を得る。このため、マルチメディアの開発では音声認識性能の向上が望まれる。このように、音声認識性能の向上を図るためには、会話をより明瞭にセンサーマイクで検知できることが必要となる。
すなわち、センサーマイクによる検知の障害となる車内騒音レベルを低減させることが必須となる。このため、コネクティッドカーでは、接近通報音自体を必要最小限に抑えることで、車室内に極力音を侵入させないようにすることが求められる。
また、自動運転車両では、快適な移動空間要素の中に乗員同士が明瞭に会話できる車室内空間の確保が求められる。自動運転化が進むと、車室内空間がリラクゼーションや仕事スペース等の移動空間と考える等、静粛性に対してユーザの期待値が高まる。車室内の乗客にとって、接近通報音は騒音であり、それを極力抑えた車両の開発が望まれる。
一方、電気自動車(EV車)では、駆動源がエンジンである自動車(所謂コンベ車)と比較すると、車両から放出される音が小さいため、車室内の乗員が接近通報音に気が付きやすい。
本実施形態では、前述のように、図5に示す接近通報音用スピーカ42から発せられた接近通報音の音波同士を干渉させることによって、接近通報音の音波の波長を複雑化させ、接近通報音の周波数を分散させる。これにより、本実施形態では、特定の周波数による接近通報音の音圧レベルの落込みを抑制することができ、接近通報音の伝達特性を向上させることができる。その結果、本実施形態では、接近通報音用スピーカ42から発せられる接近通報音の音圧レベルを下げることが可能となり、車内の快適性及び静粛性を確保することができる。
また、本実施形態では、図2に示されるように、柱状構造物40は、取付部材44、46を介して、バンパ上部22及びバンパ下部24に固定され、バンパ上部22とバンパ下部24の間に架け渡されている。これにより、バンパ上部22及びバンパ下部24の剛性を強化することが可能となる。
ここで、図7(A)、(B)には、NASTRANにより求められた振動機能を示す解析結果が示されている。図7(A)には、比較例における車両108による解析結果が示されており、図7(B)には、本実施形態における車両10による解析結果が示されている。図7(A)、(B)では、振動レベルの大きさに応じてドットの濃度が変化しており、振動レベルが低くなるにつれてドットが薄くなるように図示されている。
図7(B)に示されるように、本実施形態では、比較例である図7(A)と比較して、少なくともバンパ下部24ではドットの濃度が薄くなっている。したがって、本実施形態では、少なくともバンパ下部24において、車両10の走行時における振動レベルの低減が図られることが分かる。
すなわち、本実施形態では、柱状構造物40(図2参照)によって、バンパ上部22とバンパ下部24とが架け渡されることによって、バンパ上部22及びバンパ下部24の剛性を強化することができ、その結果、車両10の走行時における振動レベルを低減することが可能となる。
以上のように、車両10の走行時における振動レベルが低減されることによって、車両10の走行時において、バンパ下部24の振動に伴って生じる車両10の床下を流動する風の乱れが小さくなる。したがって、バンパからボデーに伝わる振動が低減する。
例えば、図8には、フロアの振動効果を示す周波数と振動レベルの関係を示すグラフが示されており、実線は比較例としての現行の車両における振動レベルが示され、点線は本実施形態における車両における振動レベルが示されている。
図8に示されるように、フロアの振動は、所定の周波数(BHz)を越えると、振動レベルが高くなる傾向にある。本実施形態では、所定の周波数(BHz)よりも低い周波数領域(矢印で示すBHz未満の所定の領域)において、振動レベルが比較例よりも高くなっているものの、所定の周波数(BHz)よりも高い周波数領域(矢印で示すBHz以上の所定の領域)では、ハッチング部で示されるように、振動レベルが比較例よりも概ね低くなっていることが分かる。なお、BHz以上の矢印で示す周波数領域は、一般の人にとって不快だと感じる周波数領域である。
つまり、本実施形態では、一般の人にとって不快だと感じる周波数において振動レベルを下げることができる。これにより、本実施形態では、効果的に振動レベルを低減することができ、十分な効果が得られることになる。このように、本実施形態では、車両10の振動レベルを下げることにより、接近通報音用スピーカ42から発せられる接近通報音の音圧レベルを下げることが可能となり、車内の快適性及び静粛性をさらに向上させることができる。
以上、本発明の実施形態の一例について説明したが、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更して実施できる。また、本発明の権利範囲が上記実施形態に限定されないことは勿論である。
10 車両
12 車両前部
14 前端部(車両前端部)
18 ロアグリル(フロントグリル)
40 柱状構造物
42 接近通報音用スピーカ
12 車両前部
14 前端部(車両前端部)
18 ロアグリル(フロントグリル)
40 柱状構造物
42 接近通報音用スピーカ
Claims (1)
- 車両前端部に設けられ、車両前部に設けられたパワーユニットルーム内に空気を取り込む通気口が形成されたフロントグリルと、
前記フロントグリルの車両前後方向の後方側に配置され、車両の接近を知らせるための接近通報音を発する接近通報音用スピーカと、
車両前後方向に沿って前記フロントグリルと前記接近通報音用スピーカとの間に設けられ、当該接近通報音用スピーカから発せられた前記接近通報音の音波を反射させ、反射した接近通報音の音波と前記接近通報音用スピーカから発せられた前記接近通報音の音波を干渉させる柱状構造物と、
を有する車両前部構造。
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