JP2022009335A - 横葺き外装構造に用いられる横葺き外装材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】断熱材2が隙間なく敷設され、断熱材2の外側に敷設される横葺き外装材1であって、断熱材2は、水下端に突出部を備え、当該横葺き外装材1は、面板部11と、面板部11の水上側に位置して断熱材2に沿わせる固定片部14と、その水下側に位置して水下側が開放する横溝、断熱材2の突出部に嵌合する嵌合部132を備える水上側成形部と、面板部11の水下側に位置して裏面側に折り返して水上側へ延在させて外装材1の横溝に係合可能な差し込み片、外装材1の嵌合部132の外側に重合させる重合部を備える水下側成形部12とを有し、水下側に隣り合う横葺き外装材1,1の水上側成形部に、水下側成形部12の差し込み片を係合させると共に重合状に敷設する。
【選択図】図1
Description
まず、第1の方法として、特許文献1のように横葺き屋根の裏面に断熱材を貼り付ける又は嵌め込み、屋根材と断熱材と一体化して施工する工法がある。
また、第2の方法として、屋根材を施工しつつその裏面側に断熱材を葺き込んでいく工法がある。
さらに、第3の方法として、断熱材を敷き込んだ上から横葺き屋根を施工する工法も知られている。
また、前記第2の方法では、屋根材を固定するまで断熱材が固定されず、強風等による断熱材のズレや飛散の恐れがあった。
さらに、前記第3の方法では、断熱材を固定した後、更に屋根材を吊子やビスで固定する必要があるため、施工の手間がかかるという問題があった。
なお、上記表層部分とは、水下端における厚み方向の上方部分を指す。
前記突出部は、水下端の表層部分、即ち水下端における厚み方向の上方部分が水下側へ延出する部分であって、横葺き外装材の水上側成形部(嵌合部)を嵌合させる嵌合受部の役割を果たす。また、この突出部は、水下側へ延出するので、その下方には空間が形成され、後述する横葺き外装材の横溝の配置空間となる。この突出部としては、特にその形状を限定するものではなく、例えば嵌合部と略同様の形状とし、圧縮状に弾性変形させて嵌合させてもよい。
この断熱材を下地表面に敷設して固定する手段を特に限定するものではないが、一般的に流れ方向よりも左右(横)方向に広く形成される断熱材であるから、例えば左右方向に2箇所以上のビス固定を行うことが望ましい。
また、前記下側重合部における前記固定用凸部は、その上面が水上側の断熱材の突出部の裏面と当接するため、後述する図示実施例(図6)に示すように横葺き外装材の固定片部から固定具を打ち込む部位としても適している。このように、この態様では、固定片部から固定用凸部へ固定具を安定に打ち込むことができ、横葺き外装材の固定を下地表面へ固定するばかりでなく、流れ方向に隣り合う断熱材同士を接続(連結)する役割も果たす。
なお、前記第3の態様における多数の島状部は、例えば後述する図示実施例のように流れ方向や左右(横)方向にそれぞれ複数列に設けるようにしてもよい。また、この島状部は、例えば後述する図示実施例のように太矢印の頭部状に形成してもよいし、結露水等を滞留させない形状であれば特に限定するものではないし、複数種(後述する図示実施例では2種)の島状部を用いるようにしても良い。この島状部の上面(頂面)は、横葺き外装材の面板部の裏面(又は裏面に添設した裏張り材)と近接しているので、正荷重が作用した際に面板部が撓んで当接(受支)した際に面板部の変形を防止する役割を果たす。
このような横葺き外装材としては、特にその素材や形状を限定するものではなく、代表的には概ね0.4~1.6mm程度の表面化粧鋼板、ラミネート鋼板、メッキ鋼板、ステンレス鋼板、アルミ合金板、チタン合金板、銅板等の公知の金属素材をロール成形、押し出し成形その他の手段で所定の形状に成形したものを適宜に用いることができる。さらに、新設外装材の裏面には、結露防止、防音、防火対策上の理由により、必要に応じてポリエチレンフォーム、グラスウールシート等の裏貼り材を添装しても良い。
この面板部の左右方向の端縁には、接続用凸部と凹部からなる構成の継手用側縁部が形成され、左右方向に隣り合う横葺き外装材の接続部分にて、それぞれ接続用凸部と凹部とが噛み合うように突き合わされて接続される。なお、前記接続用凸部は、面板部の端縁から裏面側へ段状に延在して外方へ突出している爪状片であって、該爪状片の形成間隔が前記凹部に相当する。そして、何れか一方の接続用凸部が他方の凹部に突き合わされると共に一方の爪状片が他方の面板部の裏面側に沿う状態で接続される。
また、前記固定片部は、前述のように前記面板部の水上側(端)に設けられるものであって、前記断熱材(突出部)に沿わせてビス等の固定具を用いて固定される部位であって、特にその具体的構成を限定するものではないが、後述する図示実施例のように水上端に設けられる横片状であることが多い。
前記横溝は、水下側成形部に設ける差し込み片を係合させる部位であって、特にその具体的構成を限定するものではないが、後述する図示実施例のように横向き折返し片状に形成してもよい。
前記嵌合部は、前記断熱材の突出部(嵌合受部)に嵌合させる部位であって、特にその具体的構成を限定するものではなく、前述のように前記突出部と略同様の形状とし、前記突出部を密着状に嵌合させるようにしてもよいが、後述する図示実施例のようにこれらの横溝と嵌合部を上下に隣接させて形成することにより、前記横溝の長さ寸法とこの嵌合部の長さ寸法を略等しく形成してもよい。
前記差し込み片は、面板部の水下端を裏面側に折り返して水上側へ延在させて前記横溝に係合可能である部位であって、特にその具体的構成を限定するものではないが、後述する図示実施例のように横片状に形成してもよい。配設状態からの脱離を防止する目的で、差し込んだ状態で弾性が作用するように予め配設状態より成形角度を小さく形成しておく方が望ましい。
前記重合部は、前記嵌合部(被重合部)の外側に重合させる部位であって、特にその具体的構成を限定するものではないが、後述する図示実施例のようにこれらの重合部を差し込み片とを上下に隣接させて形成することにより、弾性係合(弾性嵌合)が果たされるようにすることが望ましい。
なお、この水下側成形部の左右方向の端縁は、一方が他方に嵌合状に組み合わされるように形成されていることが望ましい。その場合、左右方向に隣り合う横葺き外装材の接続(継手)作業に際し、この水下側成形部の嵌合部分を、後述する図9(b)のように何れか一方の横葺き外装材を回動させるための軸とすることができる。
そのため、固定片部に打ち込んだビス等の固定具を、その水上側の横葺き外装材の面板部が覆うため、当該固定具は雨水の浸入箇所にはならず、防水性を有する外装面が形成される。
まず、第1の工程として、水下端に表層部分が水下側へ延出する突出部を備える非透水性の断熱材を、下地表面に沿って複数敷設して隙間無い断熱層を形成する。
次に、第2の工程として、前記第1の工程にて形成された断熱層の外側に、前記横葺き外装材を、水下側から順に敷設する。
前記第2の工程における前記横葺き外装材の敷設に際し、前記水上側成形部を、前記断熱材の突出部に嵌合させると共に、更にその外側に前記水下側成形部を重合させ、前記断熱材に沿わせた固定片部を固定する。
そして、形成された断熱層の外側に横葺き外装材を敷設した外装面が形成され、該外装面も防水性を有するので、断熱層と外装面とで二重の防水が果たされるものとなる。
この実施例1の断熱材2は、図3(b)に示すように本体部21が水下側(図面左側)から水上側(図面右側)へ次第に肉薄になるように成形され、その水下端の表層部分が延出する突出部(上側重合部)22が形成されている。
この実施例1の横葺き外装材1は、図3(a)に示すように略平坦状の面板部11の水上端(図面右端)に、前記断熱材2に沿わせる固定片部14と、その水下側(図面右側)に水上側成形部13と、面板部11の水下側(図面左側)に水下側成形部12と、を形成した金属成形板である。
まず、第1の工程として、図1(a)及び図2(a)に示すように水下端に表層部分が水下側へ延出する突出部22を備える前記構成の非透水性の断熱材2を、下地4表面に沿って複数敷設して隙間無い断熱層(断熱防水層)を形成する。
この第1の工程については、特に施工方向を限定するものではないが、水下側の上側重合部を兼ねる突出部22を上方に、水上側の下側重合部23を下方に配して接続する。形成された重合層は、前述のように本体部21は、水下側から水上側へ次第に肉薄になるように成形されているものの、その上面部分は図示するように水上側から水下側へ傾斜しているため、仮に降雨があっても水下側へ流下させることができる。しかも、下側重合部23の先端には、前述のように水返し凸部231が設けられているため、この重合状の接続部分からの水の浸入を防止できる。なお、それぞれの断熱材2は、固定具2bにて下地4に固定しているため、例えば突風等が生じても断熱材2が外れたり飛散することがない断熱層を形成している。
このように、固定片部14に打ち込んだビス等の固定具1bを、その水上側の横葺き外装材1の面板部11が覆うため、当該固定具1bは雨水の浸入箇所にはならず、防水性を有する外装面が形成される。なお、図2(b)には図示していないが、図1(b)に示すように固定具1bを打ち込んでも何ら支障はない。
この断熱材2'は、表面側に排水溝211,212を形成したものであって、詳しくは水上側から水下側へ長く延在する排水溝211と、水下側から水下端に至る短い排水溝212とを側端から交互に設けている。これらの排水溝211,212は、横葺き外装材1の敷設前、或いは敷設後の結露水等を断熱材2'上に滞留させることなく水下側に排出させることができる。
この断熱材8は、本体部81の表面側に多数の島状部811を設けた形成間隔(間隙)を排水溝812とするものであって、前記島状部811として、平面視を太矢印の頭部状に形成した2種(図中には幅広の島状部を811a、やや幅狭の島状部を811bと表記した)を、流れ方向に3列、長さ方向(左右方向)に合計15列形成している。なお、幅広の島状部811aにて形成される流れ方向の1列と、やや幅狭の凸上部811bにて形成される1列とは交互に形成され、左右方向の15列のうち、中央を含む7列が幅広の島状部811aの列であり、左右の側端を含む8列がやや幅狭の島状部811bの列である。また、前記排水溝812は、幅広の島状部811a,811a間、やや幅広の島状部811b,811b間にも形成されるので、網目状に形成されているものである。
また、前記島状部811の左右方向の列間、即ち幅広の島状部811aの列とやや幅狭の島状部811bの列との間には、前記島状部811の高さ寸法より僅かに高く形成される継手用凸部813が流れ方向に3列形成され、長さ方向には合計16列の継手用凸部813が形成されている。なお、この継手用凸部813は、平面視を楕円状に形成している。
さらに、この断熱材8の本体部81の水上側(図面の上方側)の下側重合部83は左右方向に連続状に形成されているが、水下側(図面の下方側)へ延出する突出部(上側重合部)82は、左右方向の島状部811の15列の水下側にそれぞれ突出状片に形成されている。この突出部82のうち、幅広の島状部811aの列の水下側に位置する突出状片の水上側には三角状の印(窪み)84xや円状の印(窪み)84yが形成されている。
また、図7(a)は、前記断熱材8を用いた横葺き外装構造を軒先に適用した一例であって、これらの横葺き装構造における横葺き外装材1"は図7(c)に示すように、面板部11"が略平坦状ではなく略へ字状であり、裏面側に裏張り材1cが添着されており、その他、前記断熱材8の構成に応じて各部位(水下側成形部12"、水上側成形部13"、及び固定片部14")の形状がそれぞれ異なる構成である。
このように押釦状凸部832は、水上側に隣接する断熱材8の突出部82と隙間無い相じゃくり接続部分を形成するように組み合わされ、該部分に固定具1bを打ち込むので、安定に固定具1bを打ち込むことができる。また、固定具1bを打ち込む位置は、幅広の島状部811aの列に形成された三角状の印(窪み)84xにて容易に視認できるため、容易に適正な施工を行うことができる。
この軒納め材6は、下地4の軒先端へ取り付けられる略コ字状の取付部61の上片611が、水上側へ長く延在して下地4の上面に沿っているが、断熱材8'を固定する固定具(当該図では一点鎖線にて示している)2bがこの上片611に至っている。また、この軒納め材6には、前記取付部61の軒先側に立ち上げられた縦片62の上端に最軒先の横葺き外装材1"の水下側成形部12を係合させる略T字状の保持部63と、前記縦片62の途中から軒先側へ延在して更に下方へ向かう略L字状の化粧部64とが設けられている。
前記継手捨板9は、図8(b)に示すように略平板状の面板部91の左右に複数の水返し部911,911が流れ方向に形成され、略中央には位置確認用の隆状部912が形成されている。また、その水上端92が表面側へ折曲され、その水下端93は裏面側へ折曲される構成である。
この継手捨板9は、断熱材8の水下側から水上側に向かって、継手用凸部813,813間に嵌合するように配設するが、その水上端92を、図8(a)中に拡大して示すように断熱材8のL字状凸部833に当接するように配設する。
このようにL字状凸部833は、継手捨板9の水上端と当接するように組み合わされ、該部分に図8(c)に示すように横葺き外装材1"の側端部を配設するものである。
なお、前記横葺き外装材1"は、前記継手捨板9の隆状部912に側縁が沿うように目視にて位置を調整しつつ配置すればよく、適正位置に配設することができる。
図9(b)は、一方(図面の左方)側の横葺き外装材1"に対して他方(図面の右方)側の横葺き外装材1"を回動させる状況を示し、左方の横葺き外装材1"の継手用側縁部15に対して右方の横葺き外装材1"の継手用接続部16を接続する状態が示されている。即ち継手用側縁部15の爪状の接続用凸部15aは、接続用側縁部16の凹部16bの裏面側に配置され、継手用側縁部16の爪状の接続用凸部16aは、接続用側縁部15の凹部15bの裏面側に配置され、図9(c)に示す継手接続構造が形成できる。
例えば断熱材に形成する突出部としては、横葺き外装材に形成する嵌合部と略同様の形状とし、圧縮状に弾性変形させて嵌合させてもよいことを既に説明し、前記実施例や前記態様等でも示しているが、それらに限定されることなく、当該図10(a),(b)における断熱材2C,2C'や横葺き外装材1Dの態様を採るようにしてもよい。
当該態様における突出部22c,22c'は、嵌合部132dより短く形成されているので、突出部22c,22c'に嵌合部132dを嵌合させた状態で、突出部22c,22c'の先端には空間部133が形成されている。換言すると、前記実施例等に示すように嵌合部に対して充満状となるような突出部を形成してもよいし、当該態様のように突出部の先端に空間部が形成されるように突出長さ(横寸法)が短い突出部を形成してもよい。
11,11" 面板部
12 水下側成形部
121 差し込み片
122 重合部
13 水上側成形部
131 横溝
132,132d 嵌合部
14.14" 固定片部
1b 固定具
1c 裏張り材
2,2',2C,2C',8 断熱材
21,81 本体部
211,212 排水溝
22,22c,22c',82 突出部(上側重合部)
220 下方空間
23,83 下側重合部
231 水返し凸部
2b,8b 固定具
3 構造材
4 断熱材(下地)
5 外壁材
6 軒納め材
7 軒樋
9 継手捨板
Claims (1)
- 下地表面に複数の断熱材が隙間なく敷設され、前記断熱材の外側に敷設される横葺き外装材であって、
前記断熱材は、水下端に表層部分が水下側へ延出する突出部を備える非透水性であり、
当該横葺き外装材は、面板部と、該面板部の水上側に位置して前記断熱材に沿わせる固定片部と、該固定片部の水下側に位置して水下側が開放する横溝、前記断熱材の突出部に嵌合する嵌合部を備える水上側成形部と、前記面板部の水下側に位置して裏面側に折り返して水上側へ延在させて前記横溝に係合可能な差し込み片、前記嵌合部の外側に重合させる重合部を備える水下側成形部と、を有してなり、
敷設状態において、水下側に隣り合う横葺き外装材の水上側成形部に、水下側成形部の差し込み片を係合させると共に重合状に敷設することを特徴とする横葺き外装材。
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