JP2022007666A - 車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】長期に亘って優れた水分不透過性および適度な密着力(密着性および可剥離性)を有する塗装が施された車両の提供を目的とする。【解決手段】車両1は、表面に塗装が施された塗装部101を有する車両であって、塗装部101は、金属構造物11と、金属構造物11上に設けられた第1の塗装膜21と、第1の塗装膜21上に設けられた第2の塗装膜31とを備え、第2の塗装膜31は、第1の塗装膜21の表面s21に接するように配置された内層31Bと、この内層31Bを挟んで第1の塗装膜21と反対側に配置された外層31Aとを有し、外層31Aは、樹脂a1とフィラ粒子bとを含み、内層31Bは、樹脂a2を含みかつフィラ粒子を含まない。【選択図】図1

Description

本発明は、車両に関する。
例えば、自動車や鉄道などの車両は、製造から使用までの間の輸送や保管時において、異物の付着や太陽光線、物理的な損傷などから車両表面の塗装を保護する必要がある。
このような塗装の保護を行う手法として、例えば、アクリル系共重合体エマルジョンを含有する可剥離性コーティング剤水分散物を用いて塗装表面に保護膜を形成する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
上記技術によれば、保護膜に適度な密着力を付与することで、輸送や保管時の密着性と、使用する際の可剥離性とを両立させながら、車両の塗装を保護する効果が期待される。
特開平9-286934号公報
上述したような従来の技術を用いて塗装膜上に保護膜を形成する場合、保管期間が1年程度の比較的短い場合は概ねその目的を達成することができる。しかしながら、1年を超えるような長期に亘る保管条件下(特に、高温高湿環境下)では、大気中の水蒸気が保護膜を浸透して塗装膜を変質させることで膨れやシミが発生したり、日光などの照射により保護膜自体が劣化して適度な密着力(密着性や可剥離性)が損なわれることがある。
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであり、その目的は、長期に亘って優れた水分不透過性および適度な密着力(密着性や可剥離性)を有する塗装(保護膜)が施された車両を提供することにある。
本開示の一態様は、
表面に塗装が施された塗装部を有する車両であって、
前記塗装部は、
金属構造物と、
前記金属構造物上に設けられた第1の塗装膜と、
前記第1の塗装膜上に設けられた第2の塗装膜とを備え、
前記第2の塗装膜は、前記第1の塗装膜の表面に接するように配置された内層と、この内層を挟んで前記第1の塗装膜と反対側に配置された外層とを有し、
前記外層は、樹脂とフィラ粒子とを含み、
前記内層は、樹脂を含みかつフィラ粒子を含まないものである。
本発明は、長期に亘って優れた水分不透過性および適度な密着力(密着性や可剥離性)を有する塗装(保護膜)が施された車両を提供することができる。
第1の実施形態を示す塗装膜の概略的断面図である。 図1の第2の塗装膜の外層を拡大して示す概略的断面図である。 第2の実施形態を示す塗装膜の概略的断面図である。 比較例1の塗装膜の概略的断面図である。 比較例2の塗装膜の概略的断面図である。 相対透湿度の測定結果を示す図である。 相対剥離強度の測定結果を示す図である。
本開示の車両は、表面に塗装が施された塗装部を有する車両であって、上記塗装部は、金属構造物と、上記金属構造物上に設けられた第1の塗装膜と、上記第1の塗装膜上に設けられた第2の塗装膜とを備え、上記第2の塗装膜は、上記第1の塗装膜の表面に接するように配置された内層と、この内層を挟んで上記第1の塗装膜と反対側に配置された外層とを有し、上記外層は、樹脂とフィラ粒子とを含み、上記内層は、樹脂を含みかつフィラ粒子を含まない。
以下、本発明の第1および第2の実施形態について図面を参照して説明するが、本発明は、当該図面に記載の実施形態にのみ限定されるものではない。また、当該車両における塗装部以外の構成は、公知技術に係る車両の構成と同様であるので、その詳細な説明を省略する。
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態を示す塗装膜の概略的断面図である。当該車両1は、表面に塗装が施された塗装部101を有する車両であって、塗装部101は、図1に示すように、概略的に、金属構造物11と、第1の塗装膜21と、第2の塗装膜31とにより構成されている。
金属構造物11は、例えば、金属材料を目的物の形状に見合うように成形した板金などで構成されている。
金属構造物11を構成する金属材料としては、特に限定されない。上記金属材料としては、例えば、鋼、アルミニウム合金、ステンレス鋼、ジュラルミン、CFRP(炭素強化プラスティック)等が挙げられる。
第1の塗装膜21は、金属構造物11上に設けられた塗装膜である。第1の塗装膜21は、当該車両1の使用時(後述する第2の塗装膜31の剥離時)において、最表部(外気gに接する部位)に配置される。第1の塗装膜21としては、例えば、金属構造物11の腐食を防ぐための防食機能を有する塗料や、金属構造物11表面の凹凸形状を修正するために比較的厚く塗られたパテなどの下地塗料と、この下地塗料上に形成される滑らかで鮮やかな色彩を有する塗料と、を有するように構成することができる。第1の塗装膜21は、一層で構成されていてもよく、複数の層で構成されていてもよい。
第1の塗装膜21は、金属構造物11から容易に剥離しないように、金属構造物11に強固に固着される。第1の塗装膜21と金属構造物11との剥離強度としては、例えば、JIS-K5600に規定の付着性試験(クロスカット法)に準拠した粘着テープ剥離法による剥離試験において、4N/cm以上の剥離強度を有するように構成することができる。
第1の塗装膜21の厚みは、第1の塗装膜21の種類等に応じて適宜選択することができる。例えば、第1の塗装膜21が金属構造物の防錆とデザイン性向上を目的とする塗装膜である場合、10μm~1000μmの厚みを有していてもよい。
第2の塗装膜31は、第1の塗装膜21上に設けられた塗装膜である。第2の塗装膜31は、例えば、第1の塗装膜21を保護するための保護膜であり、当該車両1を製造する際、第1の塗装膜21を覆うように形成される。第2の塗装膜31は、当該車両1を使用する際、第1の塗装膜21から剥離される。
第2の塗装膜31は、外層と内層とを有する二以上の層で構成することができる。本実施形態では、第2の塗装膜31として、外層31Aと内層31Bとの二つの層で構成されたものが例示されている。
外層31Aは、樹脂a1とフィラ粒子bとを含む層である。外層31Aは、後述する内層31Bを挟んで第1の塗装膜21と反対側に位置するように配置されている。
外層31Aに含まれる樹脂a1としては、例えば、アクリル系共重合体などのエマルジョン等を用いて硬化させたもの等が挙げられる。
アクリル系共重合体エマルジョンとしては、例えば、
アルキルアクリル酸エステルの一種もしくは二種以上および/またはアルキルメタアクリル酸エステルの一種もしくは二種以上と、これらアルキルアクリル酸エステルおよび/またはアルキルメタクリル酸エステルと共重合可能な、酢酸ビニルまたはヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、アリルアルコールなどの水酸基含有ビニル単量体、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレートなどのエポキシ基含有ビニル単量体、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、エチルスチレン、ブチルスチレン、ベンジルスチレンなどの芳香族ビニル単量体等のビニル単量体の一種もしくは二種以上と、の共重合体エマルジョン;
アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸等のカルボキシル基含有ビニル単量体と、上記アクリル酸エステルおよび/またはメタクリル酸エステルと共重合可能なビニル単量体の一種もしくは二種以上と、の共重合体エマルジョン等が挙げられる。
樹脂a1としてアクリル系共重合体エマルジョンを用いて硬化させたものを用いることで、フィラ粒子bどうしを確実に接着することができる。また、樹脂a1を形成する際、高温処理を用いて硬化させることが好ましい。なお、上記重合体は1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
フィラ粒子bは、樹脂a1中に分散される粒子である。フィラ粒子bの形状としては、例えば、板状、球状、不定形状等を採用することができる。
フィラ粒子bは、水分不透過性の物質で形成されていることが好ましい。フィラ粒子bを構成する材料としては、例えば、銀などの金属材料;アルミナなどのセラミック材料;マイカなどの鉱物材料等が挙げられる。
これらの中では、マイカが好ましい。フィラ粒子bを上記材料で構成することで、後述する外層31Aの水分不透過性および遮光性をより高めることができる。
ここで、外層31Aにフィラ粒子bが含まれている理由について説明する。外層31Aにフィラ粒子bが含まれているのは、水分不透過性および遮光性を高めるためである。
まず、外層31Aが水分不透過性を発現する仕組みを説明する。外層31Aにおける水分不透過性は、以下に示す表面効果と内部効果とが関連しているものと推察される。
表面効果は、外部の水分(外気g中の湿気など)が外層31Aに侵入するのを阻止する効果である。外層31Aは、樹脂a1とフィラ粒子bとが例えばランダムに混在した状態となっている。このため、フィラ粒子bが外層31Aの表面s31の少なくとも一部を占有している分、その占有割合に応じて水分が外層31A内部に侵入するのが阻止され、この外層31Aに水分不透過性を発現させる。
内部効果は、外層31Aに侵入した水分が外層31Aの内部を浸透するのを阻止する効果である。外層31A中にはフィラ粒子bが含まれているため、侵入した水分はフィラ粒子bの妨害により内層31Bに向かって直線的に浸透することができない。このため、内層31Bに向かって水分が浸透する際、水分が通過する水分浸透経路L1が直線的な浸透に比べてより長くなり(図1の外層31A中の実線参照)、結果として水分の浸透が抑制される。
このように、外層31Aが存在することで、上述した表面効果と内部効果とにより優れた水分不透過性が発現すると考えられる。
次に、外層31Aが遮光性を発現する仕組みを説明する。外層31Aにはフィラ粒子bが含まれており、このフィラ粒子bが、例えば日光などのような外部からの光線を反射したり吸収する。このため、光線が内層31Bに到達するのを抑制することができ、後述する内層31B中の樹脂a2が劣化するのを防止することで長期に亘って適度な密着力(密着性および可剥離性)を維持することができる。
なお、フィラ粒子bは、板状の粒子を含んでいることが好ましい。板状のフィラ粒子bは、図2に示すように、その長辺方向が、概して第2の塗装膜31の表面s31(第1の塗装膜21と反対側の面)の面方向と同じ方向に配向する傾向にある。このため、外部からの水分が通過する水分浸透経路L1の長さが長くなり、水分不透過性を高めることができる。
かかる場合、板状のフィラ粒子bは、長辺が0.1μm以上1000μm以下でありかつ短辺が長辺の1/10以下の粒子を含んでいることがより好ましい。これにより、水分浸透経路L1の長さを確実に確保することができ、水分不透過性を効果的に高めることができる。
外層31Aにおけるフィラ粒子bの濃度は、1質量%以上50質量%以下であることが好ましい。フィラ粒子bの濃度を上記範囲とすることで、十分な水分不透過性を確保すると共に、フィラ粒子bどうしを確実に接着することができる。
外層31Aの厚みは、特に限定されない。外層31Aの厚みとしては、例えば、10μm以上1000μm以下としてもよい。
内層31Bは、樹脂a2を含みかつフィラ粒子bを含まない層である。内層31Bは、第1の塗装膜21の表面s21に接するように配置されている。
内層31Bを構成する樹脂a2としては、例えば、外層31Aに含まれる樹脂a1として例示したものと同様の樹脂等が挙げられる。なお、内層31Bを構成する樹脂a2と外層31Aを構成する樹脂a1とは、同一の樹脂であってもよく、異なる樹脂であってもよい。本実施形態では、樹脂a1と樹脂a2とが同一の材料で構成されている。
これにより、第1の塗装膜21と第2の塗装膜31との密着性および可剥離性を両立することができる。なお、上記重合体は1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
ここで、内層31Bにフィラ粒子が含まれていない理由について説明する。内層31Bにフィラ粒子が含まれていないのは、第1の塗装膜21と第2の塗装膜31との間の密着性、および表面形状追従性を高めるためである。具体的には、内層31Bがフィラ粒子を含んでいないために内層31B自体が変形し易く、たとえ第1の塗装膜21の表面s21に凹凸部(段差など)があったり、第1の塗装膜21の表面s21が温度変化により歪んだとしても、内層31Bの樹脂a2が第1の塗装膜21の表面s21の形状に合うように追従する(表面形状追従性の向上)。また、フィラ粒子bが第1の塗装膜21に直接接触しない分、フィラ粒子が第1の塗装膜に接触した状態の塗装膜(例えば、図5参照)に比べ、内層31Bと第1の塗装膜21との密着性を高めることができる。
内層31Bの厚みは、特に限定されない。内層31Bの厚みとしては、例えば、10μm以上1000μm以下としてもよい。
なお、外層31Aと内層31Bとの厚みの比は、本発明の効果を損なわない限り特に限定されない。
第1の塗装膜21と第2の塗装膜31との間の剥離強度は、JIS K-5600-5-6に規定の「塗料一般試験方法-第5部-第6節:付着性(クロスカット法)」における剥離強度が、0.1N/10mm以上4N/10mm以下であることが好ましい。これにより、第1の塗装膜21と第2の塗装膜31との密着性と可剥離性とを両立することができる。剥離強度の下限値としては、0.3N/10mmが好ましく、0.5N/10mmがより好ましい。剥離強度の下限値を上記値とすることで、第1の塗装膜21と第2の塗装膜31との密着性を高めることができる。剥離強度の上限値としては、3N/10mmが好ましく、2N/10mmがより好ましい。剥離強度の上限値を上記値とすることで、第2の塗装膜31の第1の塗装膜21からの可剥離性をより確実に発現させることができる。
第2の塗装膜31を第1の塗装膜21から剥離する際の剥離態様としては、第2の塗装膜31が第1の塗装膜21との界面Kにおいて連続して剥離可能であることが好ましい。具体的には、例えば、剥離しようとする第2の塗装膜31の端部をつまみ、剥離方向に沿って10cm/秒~10m/秒の速度で第2の塗装膜31を剥離したときに、第2の塗装膜31がちぎれることなく連続して第1の塗装膜21から剥離できることが好ましい。これにより、過大な手間をかけずに第2の塗装膜31を円滑に剥離することができる。
次に、当該車両1の塗装部101の形成方法について説明する。
まず、所定の形状に成形された金属構造物11を用意し、この金属構造物11上に、第1の塗装膜21、第2の塗装膜31の順で塗装膜を形成する。
第1の塗装膜21の形成方法としては、その構成(種類や機能など)に応じ、公知の技術を適宜適用することができる。
第2の塗装膜31の形成方法としては、例えば、第1の塗装膜21上に、樹脂a2の形成に用いる重合体(または、重合体および架橋剤)と、溶媒とを含む組成物(フィラ粒子なし)を塗布し、所定温度で所定時間加熱硬化することで内層31Bを形成する。次いで、得られた内層31B上に、樹脂a1の形成に用いる重合体(または、重合体および架橋剤)と、フィラ粒子bと、溶媒とを含む組成物を塗布し、所定温度で所定時間加熱硬化することで外層31Aを形成する。なお、上記温度および加熱時間は、第2の塗装膜31の形成に用いる重合体等により適宜選択することができる。
以上のように、当該車両1の塗装部101は、上記構成であるので、長期に亘って優れた水分不透過性および適度な密着力(密着性および可剥離性)を維持することができる。その結果、第2の塗装膜31の内層31Bの変質(劣化)により第1の塗装膜21との適度な密着力が損なわれたり、第1の塗装膜21に膨れやシミが発生するのを防止することができる。
[第2の実施形態]
図3は、第2の実施形態を示す塗装膜の概略的断面図である。当該車両2の塗装部102は、図3に示すように、概略的に、金属構造物11と、第1の塗装膜22と、第2の塗装膜32とにより構成されている。本実施形態では、第1の塗装膜22および第2の塗装膜32の構成が第1の実施形態と異なっている。なお、金属構造物11の構成は第1の実施形態のものと同様であるので、同一部位には同一符号を付してその詳細な説明は省略する。また、以下に示した第1の塗装膜22および第2の塗装膜32の構成以外の構成、並びに塗装部102の形成方法は、第1の実施形態のものと同様である。
第1の塗装膜22は、金属構造物11上に設けられた塗装膜である。第2の塗装膜32は、第1の塗装膜22上に設けられた塗装膜である。第2の塗装膜32は、第1の塗装膜22の表面s22に接するように配置された内層32Bと、この内層32Bを挟んで第1の塗装膜22と反対側に配置された外層32Aとを有している。外層32Aは、樹脂a1とフィラ粒子bとを含んでいると共に、内層32Bは、樹脂a2を含みかつフィラ粒子を含まない。
当該車両2の塗装部102における第1の塗装膜22の表面s22(第2の塗装膜32の内層32Bと接する面)は、段差pを有している。第2の塗装膜32は、段差pを埋めるように、第1の塗装膜22上に積層されている。具体的には、第2の塗装膜32の内層32Bにおける第1の塗装膜22側の面が、段差pに沿って第1の塗装膜22の表面s22に密接するように形成されている。第2の塗装膜32の外層32Aは、その表面s32が平坦になるように内層32B上に形成されている。
以上のように、当該車両2の塗装部102は、第2の塗装膜32の内層32Bが樹脂a2を含みかつフィラ粒子を含まないように構成されている。このため、段差pを有する第1の塗装膜22上に第2の塗装膜32を形成する場合であっても、これらの間に隙間を生じることなく第2の塗装膜32を密接させることができ、長期に亘って優れた水分不透過性および適度な密着力(密着性および可剥離性)を維持することができる。
すなわち、段差p付近には、日夜の温度差によって熱ひずみが発生するが、界面Kにはフィラ粒子を含まない内層32Bが接触している。内層32Bは樹脂a2により構成された塗装膜であるため、熱ひずみを解消するように変形することができ、界面Kにおいて第2の塗装膜32に剥離や亀裂が生じることがない。したがって、段差pのある車両2表面(第1の塗装膜22の表面s22)においても第1の塗装膜22と第2の塗装膜32とが密着し、信頼性の高い塗装部102が形成される。
なお、本発明は、上述した実施形態の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
例えば、上述した第1および第2の実施形態では、第2の塗装膜31,32として、外層31A,32Aと内層31B,32Bとの二つの層で構成されたものを例示した。しかしながら、当該車両の第2の塗装膜は、第1の塗装膜の表面に接するように配置された特定の内層と、この内層を挟んで第1の塗装膜と反対側に配置された特定の外層とを有していればよい。すなわち、図示していないが、例えば、第2の塗装膜は、内層と外層との間に一または二以上の他の層を有していてもよい。また、第2の塗装膜は、外層を挟んで内層と反対側に配置された他の層を有していてもよい。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
<塗装部の作製>
実施例および比較例で用いた材料を以下に示す。
[A]金属構造物
(A-1)金属材料:アルミ合金(A5052)、厚み:3mm、表面形状:平坦(段差なし)
[B]第1の塗装膜
(B-1)溶液剤系塗料 フッ素樹脂塗料(日本ペイント社製)
[C]第2の塗装膜
(C-1)アクリル系共重合体エマルジョン(アルキルアクリル酸エステル)(リンレイ社製、型番:PA-2)
(C-2)フィラ粒子:板状マイカ粒子(キンセイマテック社製、平均粒径60μm)
(C-3)溶媒:蒸留水
[実施例1]
金属構造物として金属材料(A-1)上に、溶液剤系塗料(B-1)を塗布し、50℃で加熱処理することで厚み50μmの第1の塗装膜を作製した。
次に、上記第1の塗装膜上に、アクリル系共重合体エマルジョンC-1を0.4質量部、および溶媒C-3を0.6質量部含有する組成物を塗布した後、80℃で10分間加熱処理することで厚み250μmの内層を形成した。
次いで、上記内層上にアクリル系共重合体エマルジョンC-1を0.4質量部、フィラ粒子C-2を0.4質量部、および溶媒C-3を0.6質量部含有する組成物を塗布した後、80℃で10分間加熱処理することで厚み250μmの外層を形成(上記内層と外層とで第2の塗装膜を構成)し、実施例1を得た(図1参照)。
[比較例1]
実施例1と同様に形成した第1の塗装膜上に、アクリル系共重合体エマルジョンC-1を0.4質量部、および溶媒C-3を0.6質量部含有する組成物(フィラ粒子なし)を塗布した後、80℃で10分間加熱処理することで厚み500μmの塗装膜(図4の塗装膜3100参照)を作製し、比較例1を得た。
[比較例2]
実施例1と同様に形成した第1の塗装膜上に、アクリル系共重合体エマルジョンC-1を0.4質量部、フィラ粒子C-2を0.2質量部、および溶媒C-3を0.6質量部含有する組成物を塗布した後、80℃で10分間加熱処理することで厚み500μmの塗装膜(図5の塗装膜3200参照)を作製し、比較例2を得た。
<評価>
水分不透過性、並びに密着力(密着性および可剥離性)を評価し、その結果を図6、図7に示す。
[水分不透過性]
実施例1および比較例1,2それぞれについて、温度60℃、湿度90%の環境下に100時間暴露することで加速試験を行った後、JIS Z0208に規定の防湿包装材料の透湿度試験方法(カップ法)に準拠して透湿度を測定し、この測定値を水分不透過性の指標とした。
図6に示すように、実施例は、比較例1に比べて30%、比較例2に比べて10%程度相対透湿度が小さく、水分不透過性が良好であった。
[密着力(密着性および可剥離性)]
実施例1および比較例2それぞれについて、[水分不透過性]の加速試験と同様の加速試験を行った後、JIS-K5600に規定の付着性試験(クロスカット法)に準拠した粘着テープ剥離法による180°剥離試験を行い、その測定値(剥離強度)を密着性の指標とした。
図7に示すように、実施例1は、比較例2に比べて相対剥離強度が30%大きく、比較例2に比べて良好な密着性が得られた。また、実施例1の剥離強度は0.97N/10mmであり、かつ剥離方向に沿って10cm/秒~10m/秒の速度で第2の塗装膜を第1の塗装膜から剥離したときに、第2の塗装膜がちぎれることなく連続して第1の塗装膜から剥離することができ、良好な再剥離性が得られた。
1,2 車両
11 金属構造物
21,22 第1の塗装膜
31,32 第2の塗装膜
31A,32A 外層
31B,32B 内層
101,102 塗装部
a1,a2 樹脂
b フィラ粒子

Claims (7)

  1. 表面に塗装が施された塗装部を有する車両であって、
    前記塗装部は、
    金属構造物と、
    前記金属構造物上に設けられた第1の塗装膜と、
    前記第1の塗装膜上に設けられた第2の塗装膜とを備え、
    前記第2の塗装膜は、前記第1の塗装膜の表面に接するように配置された内層と、この内層を挟んで前記第1の塗装膜と反対側に配置された外層とを有し、
    前記外層は、樹脂とフィラ粒子とを含み、
    前記内層は、樹脂を含みかつフィラ粒子を含まないことを特徴とする車両。
  2. 請求項1に記載の車両において、
    前記フィラ粒子が板状の粒子を含んでいる車両。
  3. 請求項1に記載の車両において、
    前記外層における前記フィラ粒子の濃度が、1質量%以上50質量%以下である車両。
  4. 請求項1に記載の車両において、
    前記第1の塗装膜と前記第2の塗装膜との間の剥離強度が0.1N/10mm以上4N/10mm以下である車両。
  5. 請求項1に記載の車両において、
    前記樹脂がアクリル系共重合体を用いて硬化させたものである車両。
  6. 請求項2に記載の車両において、
    前記フィラ粒子は、長辺が0.1μm以上1000μm以下でありかつ短辺が前記長辺の1/10以下の粒子を含んでいる車両。
  7. 請求項1に記載の車両において、
    前記第2の塗装膜は、前記第1の塗装膜との界面において連続して剥離可能である車両。
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