JP3718901B2 - 表面保護フィルム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、表面保護フィルムに関するものである。詳しくは、耐久性、熱ラミネート性等に優れた表面保護フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
プラスチックフィルムは、その特性を生かし各種基材の表面保護フィルムとして多様に用いられている。中でも、フィルム表面上に熱接着性樹脂層を設けた表面保護フィルムは、接着が非常に短い時間で達成できることから生産性に優れ、しかも、経済的にも有効な表面保護材料として広く知られている。しかし、かかる表面保護フィルムによっては屋外等に適用された場合、熱接着層及び被保護材を紫外線による劣化や退色等から未然に防ぐために、熱接着層に紫外線遮断性が必要とされる。更には、表面保護フィルムには各種基材と容易に、しかも強固に接着し、その耐久性に優れることも要求される。
【0003】
従って、この様な機能を付与せしめた表面保護フィルムとしては、基材フィルム表面上に各種の紫外線吸収剤を含む熱接着性樹脂層、例えばエチレン−エチルアクリレート樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、ポリエステル共重合樹脂等を押出しラミネート法や塗布法等で形成した表面保護フィルムが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の表面保護フィルムにおいては、熱接着性樹脂と紫外線吸収剤との組合わせが難しく、誤ると相溶性の悪さから被覆層の白濁化を生じたり、経時と共に紫外線吸収剤が表層に析出し飛散することから充分な耐久性が得られない等の欠点がある。また、熱接着性樹脂中の紫外線吸収剤の高濃度化は均一分散性の悪化と透明性や熱接着性の低下を誘発し易いことから、充分な紫外線遮断性を得るには被覆層自体を厚くする必要がある。
【0005】
本発明は、上記のような問題点を解決し、表面保護フィルムの紫外線遮断性に優れ、しかも優れた熱ラミネート性を有する表面保護フィルムを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この目的に沿う本発明の表面保護フィルムは、プラスチックフィルムの少なくとも一表面上に、紫外線吸収型アクリル系樹脂とガラス転移温度が0〜50℃の熱接着性樹脂を主成分とする被覆層を設けてなる。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明において用いられるプラスチックフィルムとしては、プラスチックフィルムであればどのようなものであってもよいが、代表的なものとしてポリオレフィンフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム、トリアセチルセルロースフィルム、セロハンフィルム、フッ素フィルム、ポリアミドフィルム、ポリイミドフィルム、ポリフェニレンスルフィドフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリスルホンフィルム、ポリアクリロニトリルフィルム、ポリ酢酸ビニルフィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィルム等の単体或いは複合体を用いることができる。
【0008】
しかし、機械的特性、熱的特性等の面からポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリフェニレンスルフィドフィルム、フッ素フィルムの単体或いは複合体を用いるのが好ましく、中でも耐候性、防汚性等に優れるフッ素フィルムが特に好ましい。
【0009】
フッ素樹脂フィルムの材質は特に限定されず、各種のものを用いることができる。代表的なものとして4フッ化エチレン重合体、エチレン−4フッ化エチレン共重合体、4フッ化エチレン−6フッ化プロプレン共重合体、4フッ化エチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、2フッ化ビニリデン重合体、3フッ化エチレン重合体、1フッ化エチレン重合体、塩化3フッ化エチレン重合体等やこれらの共重合体や混合体等を用いることができる。しかし機械的特性、製膜性、加工適性等の面から4フッ化エチレン−6フッ化プロピレン共重合体、エチレン−4フッ化エチレン共重合体を用いるのが好ましく、中でもエチレン−4フッ化エチレン共重合体を主成分としたものが特に好ましい。尚、主成分とは、そのものが樹脂成分中50%以上であるものをいい、より好ましくはそのものが70%以上であるものであり、適宜、他の物質を含有してもよい。添加する樹脂は特に限定されないが、例えばポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂等を用いることができる。
【0010】
また、プラスチックフィルムには必要に応じて、本発明の効果を損わない量で適宜な添加剤、例えば、耐熱安定剤、耐酸化安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、顔料、染料、無機又は有機の微粒子、分散剤、カップリング剤、充填剤等を配合してもよい。さらに、プラスチックフィルムは未配向、一軸配向、二軸配向のいずれでも用い得るが、機械的強度が要求される場合には配向フィルムが望ましい。
【0011】
プラスチックフィルムの厚みは、特に限定されず、1〜500μm程度の範囲から所望特性に応じて適当な厚みを設定することができる。また、プラスチックフィルムの表面粗さや光学的特性等についても、特に限定されず、要求特性を勘案して、適切に所望の値に設定すればよい。
【0012】
さらに本発明では、プラスチックフィルム表面に表面処理や下塗り処理を施すことによって、被覆層との密着性、耐水性、耐溶剤性等が改良されるのでより好ましく使用できる。表面処理としては、例えばコロナ放電処理(空気中、窒素中、炭素ガス中等)、プラズマ処理(高圧、低圧)、アルカリ金属溶液処理、高周波スパッタエッチング処理等をすることができる。
【0013】
なお、表面処理の場合、処理強度は、特に限定されず、所望の値とすることができるが、処理強度の目安として、JIS−K−6768に基づいて測定したフィルムの表面漏れ指数は35dyn/cm以上が好ましく、更に好ましくは40dyn/cm以上とするのが望ましい。
【0014】
本発明の被覆層とは、紫外線吸収型アクリル樹脂とガラス転移温度が0〜50℃の熱接着性樹脂を主成分とする層である。主成分とする層とは、そのものが被覆層中50重量%以上であるものを指し、適宜他の物質を添加してもよい。本発明においては、かかる被覆層が、前記フィルム支持体の少なくとも一表面に設けられる。
【0015】
本発明において、紫外線吸収型アクリル系樹脂とは、紫外線吸収能を有する反応性ベンゾフェノン系化合物或いは反応性ベンゾトリアゾール系化合物と重合性不飽和基を有するアクリル系モノマーとの共重合体樹脂である。
【0016】
ここで反応性のベンゾフェノン系化合物或いはベンゾトリアゾール系化合物とは、いずれも分子内に共重合が可能な不飽和基を有するモノマーであり、反応性ベンゾフェノン系化合物としては、例えば、2−ヒドロキシ−4−メタクリルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−メタクリルオキシ)プロポキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(2−メタクリルオキシ)エトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ビニルオキシカルボニルメトキシベンゾフェノン等が挙げられ、反応性ベンゾトリアゾール系化合物としては、例えば2−(2′−ヒドロキシ−3′−第三ブチル−5′−メチルフェニル)−5−(2″−メタクリロイルオキシエチル)ベンゾトリアゾール、2(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)−5−(2″−メタクリロイルオキシエチル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メタクリルオキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メタクリルオキシエチルフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
【0017】
また、アクリル系モノマーとは、基本式
【化1】
Figure 0003718901
(R:水素又はメチル基、R′は炭素数1〜18のアルキル基)で示されるアルキルアクリレート、およびアルキルメタクリレート、アクリル酸、メタクリル酸、β−ヒドロキシアクリレート、β−ヒドロキシメタクリレート、β−ヒドロキシプロピルアクリレート、β−ヒドロキシプロピルメタクリレート、ポリオキシエチレングリコールモノメタクリレート、ポリエチレンポリテトラメチレンエーテルグリコールモノメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−n−ブトキシメチルアクリルアミド、アシッドホスホオキシエチルメタクリレート、3−クロロ−2−アシッドホスホオキシプロピルメタクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート、3−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、ポリオキシエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ジブロムネオペンチルグリコールジメタクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレートなどから選ばれた少なくとも1種以上が挙げられる。中でも、その重合性や塗膜特性等の点でアルキルメタクリレート、アルキルアクリレートが好ましく、例えばメチルメタクリレート、エチルアクリレートを例示することができる。更には基材との密着性の点でカルボキシル基、メチロール基含有アクリルモノマーの適用が好ましい。
【0018】
なお、紫外線吸収型アクリル系樹脂の組成面では、反応性ベンゾフェノン系化合物として、2−ヒドロキシ−4−メタクリルオキシベンゾフェノン或いは2−ヒドロキシ−4−(2−メタクリルオキシ)エトキシベンゾフェノン、反応性ベンゾトリアゾール化合物として、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メタクリルオキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール或いは2−(2′−ヒドロキシ−5′−メタクリルオキシエチルフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾールとアクリル系モノマーとしてメタクリル酸メチルとの組み合わせを主体としたものが特性面で好ましい。また、アクリル系モノマーは20重量%以上80重量以下含有させた場合、透明性、塗膜特性が優れるのでより好ましい。
【0019】
本発明において、紫外線吸収型アクリル系樹脂はガラス転移温度(Tg1)が30〜90℃が好ましく、40〜80℃の範囲にあるものが取扱い性、熱接着性樹脂との相溶性、熱接着性等の点でより好ましい。
【0020】
該紫外線吸収型アクリル系樹脂は水分散体或いは有機溶媒体としても用い得るが、有機溶媒体の場合は、有機溶媒として、例えば周知のアルコール系、カルボン酸エステル系、ケトン系、脂肪族炭化水素、脂環式又は芳香族炭化水素系及びこれらの混合系が挙げられ、塗布性等に悪影響を及ぼさないものの選択が好ましい。
【0021】
本発明でいう熱接着性樹脂層とは、熱可塑性樹脂、或いはそれらの混合体、さらには、低分子量のパラフィン等を添加した樹脂で、加熱すると溶融し、冷却すると固化する熱接着性樹脂からなる層であり、具体的には、例えばエチレン及びその共重合体としてのエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−アクリレート共重合樹脂やアイオノマー樹脂、酢酸ビニル及びその共重合体系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリメタクリル系樹脂、ポリエステルウレタン系樹脂等が例示されるが、中でも、本発明においてはポリエステル系樹脂、ポリエステルウレタン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリメタクリル系樹脂の適用がより好ましい。 ここでポリエステル系樹脂としては、テレフタル酸系ポリエステルをベースとして、これに種々の成分を共縮合したものが好ましく挙げられる。
【0022】
塩化ビニル系樹脂としては、塩化ビニル単独樹脂の他に塩化ビニルと共重合可能な単量体、例えば酢酸ビニル、エチレン、プロピレン、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステル等を40重量%以下の量で共重合させた樹脂、更には前述樹脂に100重量部に対して相溶性を有する樹脂、例えばエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂等を30重量部以下の量で混合した樹脂等が挙げられる。
【0023】
また、ポリメタクリル系樹脂としては、ポリメタクリル酸メチルを主体とする樹脂で、(1)ポリメタクリル酸メチルホモポリマー、或いは(2)メタクリル酸或いはメタクリル酸と炭素数2〜8の脂肪族アルコールとのエステル、又はアクリル酸或いはアクリル酸と炭素数1〜8の脂肪族アルコールとのエステルから選ばれた1種以上のモノマーとメタクリル酸メチルとの共重合体でメタクリル酸メチルが60モル%以上、好ましくは85モル%以上のもの、或いは、(3)(1)に(2)の共重合体を50重量%、好ましくは25重量%以下の範囲で混合したもの等が挙げられる。具体例として、例えばメタクリル酸メチルエステルのホモポリマー或いはそれとアクリル酸、メタクリル酸、或いはアクリル酸、メタクリル酸のエチルエステル、ブチルエステル、イソプロピルエステルなどとの共重合を挙げることができる。
【0024】
本発明において、熱接着性樹脂はガラス転移温度(Tg2)が0〜50℃であり、5〜40℃の範囲にあるものが特に紫外線吸収型アクリル系樹脂との相溶性、熱接着性等の点でより好ましい。
【0025】
本発明では、被覆層の積層厚みは1〜200μmが好ましく、5〜100μmの範囲にあるものが被覆層の均一形成性やラミネート加工後の密着性等の点で望ましい。また、被覆層には必要に応じて、本発明の効果を損わない量で各種の添加剤、例えば消泡剤、塗布性改良剤、増粘剤、可塑剤、安定剤、難燃剤、染料等を含有せしめてもよい。
【0026】
また、本発明においては、被覆層を構成する紫外線吸収型アクリル系樹脂のガラス転移温度(Tg1)と熱接着性樹脂のガラス転移温度(Tg2)とがTg1>Tg2の関係にあることが被覆層の透明性、耐ブロッキング性等の点で望ましい。
【0027】
更に、本発明においては、被覆層における紫外線吸収型アクリル系樹脂(A)と熱接着性樹脂(B)との重量混合比率(A/B)が5/95〜80/20が好ましく、30/70〜70/30の範囲にあるものがより好ましく、この範囲外では取扱い性や熱接着性等が悪化し易い。
【0028】
本発明では、被覆層の密着性、耐溶剤性、耐熱性をより良化せしめるため、被覆層が架橋されているのが好ましい。架橋させるためには架橋結合剤が好ましく用いられる。
【0029】
本発明でいう架橋結合剤とは、紫外線吸収型アクリル系樹脂や熱接着性樹脂等に存在する官能基、例えばヒドロキシル基、カルボキシル基、グリシジル基、アミド基などと架橋反応し、最終的には三次元網状構造を有する被覆層とするための架橋剤で、代表例としてはメチロール化或いはアルキロール化した尿素系、メラミン系、アクリルアミド系、ポリアミド系樹脂、およびエポキシ化合物、イソシアネート化合物、アジリジン化合物などを挙げることができる。本発明では、これらの中でもフィルム支持体との密着性、架橋性などからイソシアネート化合物の適用が好ましい。
【0030】
これらの架橋結合剤は単独、場合によっては2種以上を併用してもよい。添加する架橋結合剤の量は架橋剤の種類によって適宜選択されるが、通常は樹脂固形分100重量部に対し、0.01〜50重量部が好ましく、0.2〜30重量部がより好ましい。また架橋結合剤には、架橋触媒を併用するとより架橋が進むために更に好ましい。架橋触媒としては塩類、無機物質、有機物質、酸物質、アルカリ物質などを用いることができる。添加する架橋触媒の量は樹脂固形物100重量部に対し0.001〜10重量部が好ましく、0.1〜5重量部がより好ましい。添加剤を加えた塗剤は支持体に塗布後、加熱、紫外線、電子線等によって架橋されるが、通常は加熱による方法が一般的である。
【0031】
本発明では、例えば本発明の表面保護フィルムと他種基材とのラミネート加工時等に、粘着や滑性不足による作業性悪化を生じた場合、被覆層に無機或いは有機の微粒子を含有せしめることが望ましい。
【0032】
ここで無機粒子としては、例えば、炭酸亜鉛、酸化亜鉛、硫化亜鉛、タルク、カリオン、重量・軽量或いは合成の炭酸カルシウム、酸化チタン、シリカ、コロイダルシリカ、フッ化リチウム、フッ化カルシウム、硫酸バリウム、アルミナ、アルミナゾル、ジルコニア、リン酸カルシウム、天然或いは合成の膨潤性或いは非膨潤性のマイカ等を用いることができ、有機粒子としては、例えばポリスチレン、ポリメチルスチレン、ポリメトキシスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリメタクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリクロルアクリレート、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂等を用いることができ、これらの中から選ばれた少なくとも1種以上を用いることができるが、特に限定されるものではない。また微粒子は中空多孔質或いは非中空多孔質状態であってもよい。さらに前記微粒子は、樹脂に対する分散性を良化せしめるため表面にグリシジル基、メチロール基等の官能基を付加させるなどの処理が施されていてもよい。
【0033】
微粒子の平均粒径は0.01〜500μmが好ましく、0.1〜50μmの範囲にあるものが取扱い性、塗工性等の点でより好ましい。また、微粒子の層内での含有量は0.1〜50重量%が好ましく、1〜25重量%がより好ましい。含有量がこの範囲外では、作業性の低下を招いたり、ラミネート加工品の密着性が低下し易い。
【0034】
次に、本発明フィルムの製造方法について説明するが、かかる例に限定されるものではない。
【0035】
まず、塗布法で被覆層を設ける方法としては、製膜工程内で基体となるフィルムにあらかじめ所定量に調整した溶液を塗布し、しかる後に乾燥する方法、基体フィルム単膜として巻き取った後、塗布−乾燥の工程を設ける方法等が好ましく適用できる。
【0036】
塗布方法は特に限定されずメルトコーティング法等を用いてもよいが、高速で薄膜コートすることが可能であるという理由からグラビアコート法、リバースコート法、キッスコート法、ダイコート法、メタリングバーコート法が好ましい。尚、塗材濃度、塗膜乾燥条件は特に限定されるものではないが、塗膜乾燥条件は被覆層や基体フィルムの諸特性に悪影響を及ぼさない範囲で行うのが望ましい。次に押出しラミネート法で被覆層を設ける方法としては、樹脂ペレットを押出機に供給し、溶融する温度以上、樹脂が分解する温度以下で溶融せしめ、所定の積層厚みに基体フィルム表面上に形成する方法等が好ましく適用できる。
【0037】
【特性の測定方法および評価方法】
本発明の特性値は、次の測定方法、評価基準による。
【0038】
(1)熱ラミネート性
表面保護フィルムの被覆層と、160℃で予備加熱した厚さ0.5mmの清浄な亜鉛メッキ鋼板(東洋鋼板(株)製)を重ね合せ、ラミネータ機により温度180℃で熱圧着した後、ショッパー試験機で剥離速度200mm/分、剥離角度180°にて幅25mm当りの密着力を求めた。
【0039】
(2)紫外線遮断性
ユーブコン試験機((株)東洋精機製作所製)を用いて、被覆層面を300時間照射処理した後、日立340型広帯域自記分光光度計((株)日立製作所製)を用いて、波長300〜400nm域の分光スペクトルを測定し、以下の如く判定した。
【0040】
○:良好(波長300〜350nm域の光線透過率20%未満)
△:やや劣る(波長300〜350nm域の光線透過率20%以上50%未満)
×:劣る(波長300〜350nm域の光線透過率50%以上)
【0041】
(3)ブロッキング性
表面保護フィルムを重ね合せ(被覆層/基材層)23℃、65RH%中で荷重500g/12cm2 をかけて24時間後のブロッキング性を、以下に基づいて判定した。
【0042】
○:良好(ブロッキング発生なし)
△:やや劣る(若干、ブロッキング発生がみられる)
×:不良(ブロッキング発生が顕著)
【0043】
(4)耐久性
ユーブコン試験機((株)東洋精機製作所製)を用いて、被覆層面に300時間照射した後、該被覆層上にセロハンテープ(ニチバン(株)製)を圧着させ、セロハンテープを180°方向に強制剥離し層間の剥離度合を観察し、以下の如く判定した。
【0044】
◎:非常に良好(剥離なし)
○:良好(剥離面積5%未満)
△:やや劣る(剥離面積5%以上20%未満)
×:不良(剥離面積20%以上)
【0045】
(5)ガラス転移温度
示差走査熱量計(PERKIN−ELMER社製DSC−2型)を用いて測定した。
【0046】
【実施例】
本発明を以下の実施例、比較例を用いて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0047】
実施例1、実施例2
厚さ60μmのフッ素樹脂フィルム“トヨフロン”ETFE(東レ(株)製)(実施例1)及び厚さ50μmのポリエステル樹脂フィルム“ルミラー”T60(東レ(株)製)(実施例2)の片面を空気中でコロナ放電処理し、該面にメチルエチルケトン/メチルイソブチルケトン(混合比1:1)を希釈溶媒とし、これにガラス転移温度72℃の紫外線吸収型アクリル系樹脂ULS−935LH(一方社油脂工業(株)製)とガラス転移温度4℃のポリエステル系熱接着性樹脂“バイロン”500(東洋紡績(株)製)を固形分重量比50:50に混合した濃度15重量%の均一塗材を塗布後、塗布層を120℃で2分間乾燥させ厚さ8μmの被覆層を有する表面保護フィルムを得た。表面保護フィルムは表1に示した通り、各特性に優れたものであった。
【0048】
実施例3
実施例1の塗材において、該塗材の樹脂固形分に対して架橋結合剤としてイソシアネート化合物“コロネート”HX(日本ポリウレタン工業(株)製)を10重量部加えた他は、実施例1と同一手法で表面保護フィルムを得た。表1に示したように表面保護フィルムは各特性に優れていた。
【0049】
実施例4、実施例5
実施例1に基づき、塗材としてガラス転移温度53℃の紫外線吸収型アクリル系樹脂ULS−935LHとガラス転移温度23℃のポリエステルウレタン系熱接着性樹脂“バイロン”UR8200(東洋紡績(株)製)とを固形分重量比10:90(実施例4)及び70:30(実施例5)に混合し、更に前述樹脂固形分に対してイソシアネート系架橋結合剤“スミジュール”N−75(住友バイエル(株)製)を5重量部加えて濃度15重量%としたものを適用した他は、実施例1と同一手法で表面保護フィルムを得た。表1に示した如く、表面保護フィルムは各特性に優れていた。
【0050】
実施例6
実施例1に基づき、実施例4で用いた紫外線吸収型アクリル系樹脂とガラス転移温度46℃のポリエステル系熱接着性樹脂“バイロン”600とを固形分重量比60:40に混合し、更に実施例4で用いた架橋結合剤を同様に加えて濃度20重量%とした塗材を適用した他は、実施例1と同一手法で表面保護フィルムを得た。表面保護フィルムの特性は表1に示した通り、各特性に優れていた。
【0051】
比較例1、比較例2
実施例1に基づき、実施例1で用いた熱接着性樹脂とベンゾフェノン系紫外線吸収剤“SEESORB”101(シプロ化成(株)製)(比較例1)、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤“SEESORB”701(シプロ化成(株)製)(比較例2)の各々を固形分重量比80:20に混合した濃度15重量%の塗材を、実施例1と同様にして塗設した表面保護フィルムを得た。得られた表面保護フィルムの特性を表1に示した。特にブロッキング性に劣ることが判る。
【0052】
比較例3
実施例1に基づき、熱接着性樹脂としてガラス転移温度67℃のポリエステル系熱接着性樹脂“バイロン”200とベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤“Tinuvin−P”(チバ・ガイギー社製)とを固形分比率90:10に混合し、更に実施例3で用いた架橋結合剤を同様に加えた濃度15重量%の塗材を適用した他は、実施例1と同一手法で表面保護フィルムを得た。特に紫外線遮断性に不安のあることが判る。
【0053】
【表1】
Figure 0003718901
【0054】
【発明の効果】
本発明の表面保護フィルムにおいては、プラスチックフィルム表面上に特定の被覆層を形成せしめたので、次の様な優れた効果を得ることができた。
【0055】
まず、本発明の表面保護フィルムは、ブリードアウト等を生じることなく、優れた紫外線遮断性を有しており、しかもその耐久性に優れている。
【0056】
また、本発明の表面保護フィルムは、ブロッキング性に優れてい、しかも優れた熱ラミネート性を有しているので、相手基材を損傷することなく加工時の取り扱い性に優れている。
【0057】
本発明の表面保護フィルムは、上記のような優れた特性を有するので、各種基材(プラスチック、ガラス、金属、布、紙、木材、無機材料等)のオーバレイ用やポスター、看板等の印刷物のオーバレイ用などに適用できる。

Claims (8)

  1. プラスチックフィルムの少なくとも一表面上に、紫外線吸収型アクリル系樹脂とガラス転移温度が0〜50℃の熱接着性樹脂を主成分とする被覆層を設けてなることを特徴とする表面保護フィルム。
  2. 紫外線吸収型アクリル系樹脂のガラス転移温度が30〜90℃の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の表面保護フィルム。
  3. 紫外線吸収型アクリル系樹脂のガラス転移温度(Tg1)と熱接着性樹脂のガラス転移温度(Tg2)とがTg1>Tg2なる関係にあることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の表面保護フィルム。
  4. 被覆層内の紫外線吸収型アクリル系樹脂(A)と熱接着性樹脂(B)との重量混合比率(A/B)が5/95〜80/20の範囲であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の表面保護フィルム。
  5. 被覆層の積層厚みが1〜200μmの範囲であることを特徴とする請求項1〜請求項のいずれかに記載の表面保護フィルム。
  6. 被覆層が架橋されてなることを特徴とする請求項1〜請求項のいずれかに記載の表面保護フィルム。
  7. プラスチックフィルムがフッ素樹脂フィルムからなることを特徴とする請求項1〜請求項のいずれかに記載の表面保護フィルム。
  8. フッ素樹脂フィルムがエチレン−4フッ化エチレン共重合体を主成分とする組成物からなることを特徴とする請求項に記載の表面保護フィルム。
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