JPH09156037A - 複合膜材 - Google Patents

複合膜材

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JPH09156037A
JPH09156037A JP31533195A JP31533195A JPH09156037A JP H09156037 A JPH09156037 A JP H09156037A JP 31533195 A JP31533195 A JP 31533195A JP 31533195 A JP31533195 A JP 31533195A JP H09156037 A JPH09156037 A JP H09156037A
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JP
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layer
resin
film
composite membrane
cloth
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Application number
JP31533195A
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English (en)
Inventor
Shigemi Seki
重己 関
Yukichi Deguchi
雄吉 出口
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】布状基材の少なくとも一表面上に、プラス
チックフィルム層、防汚層がこの順に積層されてなるこ
とを特徴とする複合膜材。 【効果】防汚性及びその耐久性に優れる複合膜材を提供
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複合膜材に関する
ものである。さらに詳しくは、防汚性に優れた複合膜材
に関する。
【0002】
【従来の技術】布状基材をプラスチックフィルムで被覆
し補強した複合膜材は、各基材の特性をいかした組合せ
により種々のものが提案されてい、近年、建築物の屋根
材等に広く普及しつつある。特に屋外使用の複合膜材に
は耐久性、防汚性、不燃性等の特性が必要とされること
から、これらの特性を満たすフィルム素材として、例え
ばフッ素フィルムを用いた複合膜材等がすでに実用化さ
れてい、耐久性等が実証されている。この様な複合膜材
としては、例えば特開平6−246873号公報、特開
平6−47874号公報、特開平6−171020号公
報等が開示されている。
【0003】しかし、従来の複合膜材は屋外で長期にわ
たって晒されると、最も汚れ難いフッ素フィルムを用い
た複合膜材といえどもゴミ、塵埃等の付着が増し、汚れ
の沈着が雨水等で容易に除去できなくなる。この為、外
観上、汚れが目立ち見にくくなることが懸念されてい
る。
【0004】従って、この様な不都合を解決する手段
は、有効な手法がないことから、実際上、何の対策も採
られていないのが実状であるが、必要により汚れの程度
に応じて複合膜材のフィルム表面を洗剤等で洗浄する方
法が採られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
複合膜材においては、洗浄するに当っては定期的にフィ
ルム表面を洗浄しなければならず、しかも汚れが落ち難
いことから大量の水を必要とし、その作業にはかなりの
労力を要した。更に洗浄時、フィルム表面に傷が生じ易
いという問題もあった。
【0006】本発明は、上記のような問題点を解決し、
優れた防汚性を有する複合膜材を提供することを目的と
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的に沿う本発明の
複合膜材は、布状基材の少なくとも一表面上に、プラス
チックフィルム層、防汚層がこの順に積層されたものか
らなる。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明でいう布状基材とは、従来
より一般的な天然繊維や化学繊維からなる編織物、不織
布等であり、代表的なものとしてポリアミド系、ポリビ
ニルアルコール系、ポリ塩化ビニル系、ポリエステル系
等の合成繊維からなる編織物、金属繊維、炭素繊維、ガ
ラス繊維等の無機繊維からなる編織物が好ましく適用さ
れる。中でも、布状基材に必要とされる引張強さや引裂
強さ等の力学的特性や耐久性、耐熱性、耐薬品性、防汚
性等からガラス繊維を用いた編織物が特に好ましい。
【0009】布状基材の糸径、目付け、織組織、織密度
等は、特に限定されず、要求特性に応じて各種のものを
用いることができる。また、布状基材には、フィルム層
や接着層との密着性をより強固なものとするための種々
の処理が施こされていることが望ましい。処理として
は、例えばシランカップリング剤や熱可塑性樹脂、硬化
性樹脂等による表面加工が一般的である。更に、布状基
材は染料、顔料等による着色化や各種インクによる文
字、絵柄等が印刷されていてもよい。
【0010】本発明において用いられるプラスチックフ
ィルム層としては、プラスチックフィルムであればどの
ようなものであってもよいが、代表的なものとしてポリ
オレフィンフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリエス
テルフィルム、ポリカーボネートフィルム、トリアセチ
ルセルロースフィルム、セロハンフィルム、フッ素フィ
ルム、ポリアミドフィルム、ポリイミドフィルム、ポリ
フェニレンスルフィドフィルム、ポリエーテルイミドフ
ィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリスルホン
フィルム、ポリアクリロニトリルフィルム、ポリ酢酸ビ
ニルフィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィルム等
の単体或いは複合体を用いることができる。
【0011】しかし、機械的特性、熱的特性等の面から
ポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリ
フェニレンスルフィドフィルム、フッ素フィルムの単体
或いは複合体を用いるのが好ましく、中でも耐候性、発
水性、難燃性、離型性、防汚性等を同時に満たすフッ素
フィルムが特に好ましい。
【0012】フッ素樹脂フィルムの材質は特に限定され
ず、各種のものを用いることができる。代表的なものと
して4フッ化エチレン重合体、エチレン−4フッ化エチ
レン共重合体、4フッ化エチレン−6フッ化プロプレン
共重合体、4フッ化エチレン−パーフルオロアルキルビ
ニルエーテル共重合体、2フッ化ビニリデン重合体、3
フッ化エチレン重合体、1フッ化エチレン重合体、塩化
3フッ化エチレン重合体等やこれらの共重合体や混合体
等を用いることができる。しかし機械的特性、製膜性、
加工適性等の面から4フッ化エチレン−6フッ化プロピ
レン共重合体、エチレン−4フッ化エチレン共重合体を
用いるのが好ましく、中でもエチレン−4フッ化エチレ
ン共重合体を主成分としたものが特に好ましい。尚、主
成分とは、そのものが樹脂成分中50%以上であるもの
をいい、より好ましくはそのものが70%以上であるも
のであり、適宜、他の物質を含有していてもよい。添加
する樹脂は特に限定されないが、例えばポリオレフィン
系樹脂、アクリル系樹脂等を用いることができる。
【0013】また、プラスチックフィルムには必要に応
じて、本発明の効果を損わない量で適宜な添加剤、例え
ば、耐熱安定剤、耐酸化安定剤、耐候安定剤、紫外線吸
収剤、顔料、染料、無機又は有機の微粒子、分散剤、カ
ップリング剤、充填剤等を配合してもよい。特に複合膜
材にはファッション性が要求されることから、着色化が
フィルム中への顔料配合による場合、退色性に優れたも
のの適用が望ましい。更に、プラスチックフィルムは未
配向、一軸配向、二軸配向のいずれでも用い得るが、機
械的強度が要求される場合には配向フィルムが望まし
い。
【0014】プラスチックフィルム層の厚みは、特に限
定されず、1〜500μm程度の範囲から所望特性に応
じて適当な厚みを設定することができる。また、プラス
チックフィルムの表面粗さや光学的特性等についても、
特に限定されず、要求特性を勘案して、適切に所望の値
に設定すればよい。
【0015】更に本発明では、プラスチックフィルム表
面に表面処理や下塗り処理を施すことによって、防汚層
や紫外線吸収層、接着層との密着性、耐水性、耐溶剤性
等が改良されるのでより好ましく使用できる。表面処理
としては、例えばコロナ放電処理(空気中、窒素中、炭
素ガス中等)、プラズマ処理(高圧、低圧)、アルカリ
金属溶液処理、高周波スパッタエッチング処理等をする
ことができる。
【0016】なお、表面処理の場合、処理強度は、特に
限定されず、所望の値とすることができるが、処理強度
の目安として、JIS−K−6768に基づいて測定し
たフィルムの表面漏れ指数は35dyn/cm以上が好
ましく、更に好ましくは40dyn/cm以上とするの
が望ましい。
【0017】本発明の防汚層とは、汚れない或いは汚れ
にくい性質、汚れても汚れが容易に除去できる性質等を
有する層を意味し、その機能を有する防汚層としては、
表面に発水発油作用を与えるフッ素系やシリコーン系、
ワックス系等の化合物或いは樹脂、更には、表面に親水
性を与え帯電防止作用や洗浄作用を高める界面活性剤、
水性樹脂等及びこれらを組み合せた混合体等からなる層
が例示される。しかしながら本発明においては、特に防
汚性及びその耐久性等から無機親水性コロイド物質を主
成分とする組成物からなる層の適用が最も好ましい。主
成分とする層とは、そのものが防汚層中30%以上であ
るものを指し、適宜、他の物質を含有してもよい。含有
させる物質は特に限定されるものではないが、本発明に
おいては、特に防汚層中に界面活性剤やリチウムシリケ
ート及び/又はシラン誘導体、高分子樹脂バインダー等
を含有させた場合、その防汚性が良化するのでより好ま
しい。本発明においては、かかる防汚層が前記フィルム
層の表面上に設けられる。
【0018】本発明でいう無機親水性コロイド物質とし
ては、元素により金属コロイド或いは酸化物コロイド、
水酸化物コロイド、炭酸塩コロイド、硫酸塩コロイド等
として得られる。代表的なものとしてはコロイダルシリ
カ、コロイダルアルミナ、コロイダル状のFe(OH)
2 、コロイダル状のSn(OH)4 、コロイダル状のT
iO2 、コロイダル状のBaSO4 及びコロイダル状の
リチウムシリケートが挙げられる。これらのコロイド物
質は、2種以上併用されても良い。尚、無機親水性コロ
イド物質として特に好ましいのはコロイダルシリカ又は
コロイダルアルミナである。上述のコロイド物質は水性
ゾル型のものが好ましい。
【0019】また、無機親水性コロイド物質に添加され
る物質として、本発明において好ましい物質である界面
活性剤としては、アニオン界面活性剤、ノニオン界面活
性剤、カチオン界面活性剤及び両性界面活性剤のいずれ
でもよい。但し、界面活性剤は、上述の無機親水性コロ
イドとの相溶性、安定性等の関係で適宜選択するのが好
ましい。例えばコロイダルシリカを用いた場合には、ア
ニオン界面活性剤及び/又はノニオン界面活性剤を用い
るのが好ましく、コロイダルアルミナを用いた場合に
は、カチオン界面活性剤及び/又はノニオン界面活性剤
を用いるのが好ましい。
【0020】更に、添加が好ましい物質のリチウムシリ
ケート及び/又はシラン誘導体において、リチウムシリ
ケートとしては、二酸化ケイ素と炭酸リチウム等のリチ
ウム塩とを溶融することによって得られるものであり、
次の一般式によって表される。
【0021】Li2 O・SiO2
【0022】尚、リチウムシリケートは、二酸化ケイ素
とリチウム塩との配合割合によって水溶性の異なるもの
が得られる。例えば一般式中nが6〜10のものは水に
不溶であることから、この場合にリチウムシリケートは
コロイド状になり得るので上述の無機親水性コロイド物
質としても利用でき、一般式中nが2〜5のリチウムシ
リケートは水溶性であるため、バインダーとして上述の
無機親水性コロイド物質とともに使用できる。
【0023】一方、シラン誘導体は、次の化学式1で表
わされるものである。
【0024】
【化1】 式中R1 は、アミノ基、エポキシ基、エポキシ基含有
基、ウレイド基、アンモニウム基及びエチレン性不飽和
結合含有基のうちから選ばれた反応性基を少なくとも1
個有するアルキル基またはアリール基である。また、R
2 およびR3 は、それぞれ炭素数が1〜3のアルキル基
を示しており、R2 とR3 とは同一であってもよいし異
なっていてもよい。さらに、nは1〜3の整数を示して
いる。シラン誘導体は、フィルム支持体の種類に応じて
適宜選択すれば良く、例えばエチレン−4フッ化エチレ
ン共重合体のような含フッ素樹脂系の基材に塗布する場
合には、次の化学式2〜4で表される構造のエポキシシ
ラン誘導体、或いは、化学式5からなる構造の塩素系シ
ラン誘導体を主成分とするのが塗布性の点から、或いは
樹脂基材に対する接着性の点から特に好適である(ただ
し、m=1〜10の整数、n=0または1、R2 =炭素
数1〜10のアルキル基から選ばれた炭化水素残基、R
3 =炭素数1〜10のアルキル基、フェニル基、シクロ
ヘキシル基から選ばれた炭化水素残基を示す。)特にリ
チウムシリケートやシラン誘導体の使用は、防汚層の脱
落や剥れが起こりにくくなり防汚効果が長期間持続し得
るので好ましい。
【0025】
【化2】
【化3】
【化4】
【化5】 更に、高分子樹脂バインダーとしては、公知のポリエス
テル、ポリ塩化ビニル、ポリ(メタ)アクリル酸エステ
ル、ポリアミド、ポリウレタン等やこれらの共重合体や
混合体等の各種のものが挙げられるが、中ではポリ(メ
タ)アクリル酸エステルを用いたものが防汚層の密着
性、耐久性の点でより好ましい。
【0026】前述した防汚層中の各成分量は、特に限定
されるものではないが、特に防汚性及び耐久性の点から
界面活性剤を0.5〜15重量%、リチウムシリケート
及び/又はシラン誘導体を5〜20重量%、無機親水性
コロイド物質を65〜94.5重量%の範囲とするのが
好ましく、これらの組成物の媒体としては水及び/又は
アルコールなどが好ましく用いられる。さらに高分子樹
脂バインダーを併用した場合、その添加量は前述固形分
100重量部に対して0.05〜40重量部が好まし
く、0.5〜20重量部がより好ましい。
【0027】中でも防汚剤として、特に好ましい組成物
はコロイダルリシカと、エーテル型非イオン界面活性剤
と、R1 がエポキシ基又はエポキシ基含有基を少なくと
も1個有するアルキル基であり、かつR2 とR3 が炭素
数が1〜3のアルキル基である前述のシラン誘導体とを
含む、炭素数が1〜4のアルコールを分散媒とするもの
である。
【0028】防汚層には、更に必要に応じて本発明の効
果を損わない量で公知の添加剤、例えば消泡剤、紫外線
吸収剤、塗布性改良剤、顔料、染料、酸化防止剤、架橋
剤等を含有せしめてもよい。また、防汚層の積層厚み
は、特に限定されるものではないが0.01〜15μm
が好ましく、より好ましくは0.05〜5μmの範囲に
あるものが層の均一形成性、取り扱い性、防汚性等の点
で好ましい。
【0029】本発明でいう接着層とは、特に限定される
ものではなく、公知の一般的な接着剤層や熱接着性樹脂
層、粘着剤層が適応でき、各基層との密着性に優れたも
のを好ましく用いることができる。
【0030】本発明でいう一般的な接着剤層とは、例え
ばエポキシ樹脂系、尿素樹脂系、フェノール樹脂系、ポ
リイソシアネート系、シリコーン樹脂系等の熱硬化性接
着剤や、各種アクリル及びメタクリル酸エステル系、シ
アノアクリル酸エステル系、ポリアミド系等の熱可塑性
接着剤、エポキシ樹脂/ナイロン樹脂系、ゴム/フェノ
ール樹脂系等の複合ポリマー型接着剤等が挙げられる。
【0031】本発明でいう熱接着性樹脂層とは、熱可塑
性樹脂、或いはそれらの混合体、さらには低分子量のパ
ラフィン等を添加した樹脂で、加熱すると溶融し、冷却
すると固化する接着性樹脂からなる層であり、具体的に
は、例えばエチレン及びその共重合体としてエチレン−
酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−アクリレート共重合
樹脂やアイオノマー樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステ
ル樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、
塩化ビニル系樹脂、ポリメタクリル系樹脂等が例示され
る。
【0032】本発明でいう粘着層は特に限定されない
が、(1)天然ゴム、スチレン・ブタジェンラバー、ポ
リイソブチレン、ポリクロロプレン、ポリアクリレート
系ゴム、ポリビニールエーテル系ゴムのような高分子、
(2)ポリ塩化ビニル、塩化ビニルと酢酸ビニルの共重
合体、ポリビニルブチラール、塩化ゴム、塩酸ゴム、ポ
リアクリル酸エステル及びその共重合体のような高分子
物質と可塑剤との混合物、(3)ロジン、ロジンエステ
ル、クマロン樹脂、テンペル樹脂、炭化水素樹脂、油溶
性フェノール樹脂などの粘着付与剤、(4)充てん剤、
顔料、老化防止剤、安定剤などの種々の添加剤、以上
(1)〜(4)の種々の組合せやシリコーン系粘着剤を
その代表例として挙げることができる。
【0033】本発明では、接着層厚みは、特に限定され
ず、所望の値とすることが可能であるが、1〜500μ
mが好ましく、10〜100μmの範囲にあるものが層
の均一形成性やラミネート等の加工性、密着性等の点で
望ましい。また、接着層には必要に応じて、本発明の効
果を損わない量で公知の添加剤、例えば可塑剤、安定
剤、無機或いは有機の滑剤、難燃剤等を含有せしめても
よい。
【0034】本発明においては、接着層として熱接着性
樹脂層を用いるのが、本発明の複合膜材の製造面で特に
好ましく、熱接着性樹脂を主成分とする組成物とは、そ
のものが接着層中50%以上であるものを指す。熱接着
性樹脂の中でも、本発明にはポリエステル系樹脂、塩化
ビニル系樹脂、ポリメタクリル系樹脂を用いるのが好ま
しく、特に好ましいのはポリメタクリル系樹脂である。
【0035】ここで、ポリメタクリル系樹脂としては、
ポリメタクリル酸メチルを主体とする樹脂で、(1)ポ
リメタクリル酸メチルホモポリマー、或いは(2)メタ
クリル酸或いはメタクリル酸と炭素数2〜8の脂肪族ア
ルコールとのエステル、またはアクリル酸或いはアクリ
ル酸と炭素数1〜8の脂肪族アルコールとのエステルか
ら選ばれた1種以上のモノマーとメタクリル酸メチルと
の共重合体でメタクリル酸メチルが60モル%以上、好
ましくは85モル%以上のもの、或いは、(3)(1)
に(2)の共重合体を50重量%、好ましくは25重量
%以下の範囲で混合したもの等が挙げられる。具体例と
しては、メタクリル酸メチルエステルのホモポリマー或
いはそれとアクリル酸、メタクリル酸、或いはアクリル
酸、メタクリル酸のエチルエステル、ブチルエステル、
イソプロピルエステルなどとの共重合体を挙げることが
できる。
【0036】本発明では、本発明の複合膜材を屋外等に
おいて用いた場合、紫外線による基体フィルム層の劣化
や印刷物等の退色を防止するために紫外線吸収層を設け
ることが望ましい。紫外線吸収層は、紫外線吸収能を有
する層であれば特に限定されるものではない。本発明に
おいては、好ましくは、かかる紫外線吸収層が、前記フ
ィルム層と防汚層、或いは接着層との間に設けられる。
【0037】本発明においては、紫外線吸収層として一
般的な高分子結着剤及び紫外線吸収剤の混合体を主成分
とした組成物が好ましく適用できる。主成分とは、その
ものが層中50重量%以上であるものを指す。
【0038】本発明でいう高分子結着剤とは、熱可塑性
樹脂又は硬化性樹脂より選択され、周知の有機溶媒等に
可溶な樹脂であって、親水性基或いは親水性成分の少な
いものが紫外線吸収層の耐水性、耐湿性の点で好まし
い。具体例としては、熱可塑性樹脂として、例えばポリ
エステル、ポリアミド、ポリエステルアミド、ポリビニ
ルアセタール、ポリ塩化ビニル、ポリ(メタ)アクリル
酸エステル、ポリイミド、ポリウレタン、ポリカーボネ
ート、ポリスチレン、ポリメチルペンテン、ポリオレフ
ィン、ハロゲン化ポリオレフィン、アルキド樹脂、ポリ
アミドイミド、ケイ素樹脂、フッ素樹脂等やこれらの共
重合体や混合体等が挙げられる。また、光、熱、酸素な
どにより硬化する硬化性樹脂として、例えばフェノール
樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、架橋型有機ケイ素
樹脂等が挙げられる。本発明では、紫外線吸収層の耐水
性、耐溶剤性、耐熱性、耐摩耗性、機械強度等から熱硬
化性樹脂の適用が好ましく、更には周知の架橋剤の併用
で架橋化の図れるものがより好ましい。
【0039】さらに本発明では、上記高分子結着剤のう
ちでもウレタン樹脂、アクリル共重合樹脂を用いること
が好ましく、最も好ましいのはアクリル共重合樹脂であ
り、中でもポリ(メタ)アクリル酸エステル共重合体で
ある。ポリ(メタ)アクリル酸エステル共重合体とは、
反応性モノマーを含有するポリ(メタ)アクリル酸エス
テル共重合体であり、かかる反応性モノマーとしては、
官能基として、例えば、カルボキシル基(例えば、(メ
タ)アクリル酸など)、水酸基((メタ)アクリル酸2
−ヒドロキシエチルなど)、アミド基((メタ)アクリ
ル酸アミドなど)、グリシジル基((メタ)アクリル酸
グリシジルなど)、アミノ基((メタ)アクリル酸2−
ジエチルアミノエチルなど)等を含有する化合物等が挙
げられる。
【0040】また、アクリル共重合樹脂は、その水酸基
価が40以上、好ましくは45以上のものがフィルム支
持体との密着性、塗膜形成性、易接着性等の点で好まし
い。本発明でいう水酸基価とは以下のように定義され
る。すなわち、試料1g中に含まれる水酸基のモル数に
相当する水酸化カリウムのmg数である。
【0041】なお、上記高分子結着剤の有機溶媒として
は、例えば周知のアルコール系、カルボン酸エステル
系、ケトン系、脂肪族炭化水素、脂環式又は芳香族炭化
水素系及びこれらの混合系が挙げられ、塗布性等に悪影
響を及ぼさないものの選択が好ましい。
【0042】本発明で使用される紫外線吸収剤は、耐熱
性に優れ、前述高分子結着剤との相溶性がよく均一分散
できるとともに、着色が少なく、しかも、樹脂に悪影響
を及ぼさないものの選択が望ましい。紫外線吸収剤とし
ては、例えばベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール
系、ヒンダードアミン系、オキザリックアッシド系等の
公知の各種の適用が可能であり、具体的には、ビス(5
−ベンゾイル−4−ヒドロキシ−2−メトキシフェニ
ル)メタン、2,2′−4,4′−テトラハイドロキシ
−ベンゾフェノン、2,2′−ジハイドロキシ−4,
4′−ジメトキシ−ベンゾフェノン、2,4−ジ−t−
ブチルフェニル−3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−
ハイドロキシベンゾエート、2−(3′,5′−ジター
シャリアミル−2′−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリ
アゾール、2(2′−ヒドロキシ−3′−t−ブチル−
5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾー
ル、2(2′−ハイドロキシ−3′,5′−ジ−t−ブ
チルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2
(2′−ハイドロキシ−3′,5′−ジ−t−ブチルフ
ェニル)ベンゾトリアゾール、2−エトキシ−2′−エ
チルオキザックアシッドビスアニリド、2,4−ジ−t
−ブチルフェニル−3′,5′−ジ−t−ブチル−4′
−ハイドロキシベンゾエート、ビス(2,2,6,6−
テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、コハク酸
ジメチル・1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロ
キシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合
物等を挙げることができる。
【0043】紫外線吸収剤は、特に限定されるものでは
なく、単独、場合によっては2種以上の併用であっても
よい。層中における紫外線吸収剤の含有量は0.01〜
50重量%が好ましく、0.1〜20重量%の範囲にあ
るものがより好ましい。含有量が上記範囲より低いと充
分な紫外線遮断性が得にくく、上記範囲を越えるものは
均一分散性が低下し易い。
【0044】本発明では、紫外線吸収層の積層厚みは、
特に限定されるものではないが、0.05〜50μmが
好ましく、0.1〜20μmの範囲にあるものが紫外線
吸収層の均一形成性、密着性等の点でより好ましい。ま
た、紫外線吸収層には必要に応じて、本発明の効果を損
なわない量で公知の添加剤、例えば消泡剤、塗布性改良
剤、増粘剤、帯電防止剤、染料等を含有せしめてもよ
い。
【0045】本発明においては、紫外線吸収層として紫
外線吸収型アクリル系樹脂を用いるのが耐久性等の点で
特に好ましく、紫外線吸収型アクリル系樹脂を主成分と
する組成物とは、そのものが紫外線吸収層中50重量%
以上であるものを指し、適宜、他の物質を添加してもよ
い。添加する樹脂は特に限定されないが、例えばポリエ
ステル系樹脂、アクリル系樹脂等を用いることができ
る。
【0046】本発明でいう紫外線吸収型アクリル系樹脂
とは、すでに組成、製法等が開示されている公知の樹脂
であり、その詳細は特公昭43−27737号公報、特
開昭63−139958号公報、特開平2−18090
9号公報、特開平3−281685号公報等に記載され
ている。具体的には、例えば紫外線吸収能を有する反応
性ベンゾフェノン系化合物と重合性不飽和基を有するア
クリル系モノマーとの共重合体樹脂等が挙げられる。こ
こで反応性ベンゾフェノン系化合物とは、分子内に共重
合が可能な不飽和基を有するベンゾフェノン系モノマー
であり、例えば2−ヒドロキシ−4−メタクリルオキシ
ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキ
シ−3−メタクリルオキシ)プロポキシベンゾフェノ
ン、2−ヒドロキシ−4−(2−メタクリルオキシ)エ
トキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ビニルオ
キシカルボニルメトキシベンゾフェノンなどが挙げられ
る。中でも、重合性、特性等の面から2−ヒドロキシ−
4−メタクリルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ
−4−(2−メタクリルオキシ)エトキシベンゾフェノ
ンを用いるのが好ましい。
【0047】また、重合性不飽和基を有するアクリル系
モノマーとは、次に示す化学式6(R:水素又はメチル
基、R’は炭素数1〜18のアルキル基)で示されるア
ルキルアクリレート、およびアルキルメタクリレート、
アクリル酸、メタクリル酸、β−ヒドロキシアクリレー
ト、β−ヒドロキシメタクリレート、β−ヒドロキシプ
ロピルアクリレート、β−ヒドロキシプロピルメタクリ
レート、ポリオキシエチレングリコールモノメタクリレ
ート、ポリエチレンポリテトラメチレンエーテルグリコ
ールモノメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタク
リレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、アク
リルアミド、メタクリルアミド、N−メチルメタクリル
アミド、N−n−ブトキシメチルアクリルアミド、アシ
ッドホスホオキシエチルメタクリレート、3−クロロ−
2−アシッドホスホオキシプロピルメタクリレート、3
−クロロ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、グ
リシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、テ
トラヒドロフルフリルアクリレート、テトラヒドロフル
フリルメタクリレート、メトキシポリエチレングリコー
ルモノメタクリレート、3−アクリルアミド−2−メチ
ルプロパンスルホン酸、N−メチロールアクリルアミ
ド、N−メチロールメタクリルアミド、ポリオキシエチ
レングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレング
リコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオール
ジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリ
レート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、
ジブロムネオペンチルグリコールジメタクリレート、テ
トラメチロールメタントリアクリレートなどから選ばれ
た少なくとも1種以上が挙げられる。
【0048】
【化6】 中でも、共重合体は、その重合性や塗膜特性等の点でア
クリルメタクリレート、アルキルアクリレートが好まし
く、例えばメチルメタクリレート、エチルアクリレート
を例示することができる。更には基材との密着性の点で
カルボキシル基、メチロール基含有アクリルモノマーの
適用が好ましい。
【0049】なお、紫外線吸収型アクリル系樹脂の組成
面では、反応性ベンゾフェノン系化合物として、2−ヒ
ドロキシ−4−メタクリルオキシベンゾフェノン或いは
2−ヒドロキシ−4−(2−メタクリルオキシ)エトキ
シベンゾフェノンとアクリル系モノマーとしてメタクリ
ル酸メチルとの組み合わせを主体としたものが特性面で
好ましい。また、アクリル系モノマーは20重量%以上
80重量%以下含有させた場合、透明性、塗膜特性が優
れるのでより好ましい。
【0050】紫外線吸収型アクリル系樹脂として、特に
好ましいものとしては、一方社油脂工業(株)製のUL
S−935LH、ULS−680等が例示される。
【0051】紫外線吸収型アクリル系樹脂は水分散体或
いは有機溶媒体として用い得るが、有機溶媒体の場合
は、有機溶媒として、例えば周知のアルコール系、カル
ボン酸エステル系、ケトン系、脂肪族炭化水素、脂環式
又は芳香族炭化水素系及びこれらの混合系が挙げられ、
塗布性に悪影響を及ぼさないものの選択が好ましい。
【0052】本発明では、接着層や紫外線吸収層の密着
性、耐溶剤性、耐熱性等をより良化せしめるため、該層
に架橋結合剤を含有させることが好ましい。本発明でい
う架橋結合剤とは、該層を構成する樹脂等に存在する官
能基、例えばヒドロキシル基、カルボキシル基、グリシ
ジル基、アミド基などと架橋反応し、最終的には三次元
網状構成を有する層とするための架橋剤で、代表例とし
てはメチロール化或いはアルキロール化した尿素系、メ
ラミン系、アクリルアミド系、ポリアミド系樹脂、およ
びエポキシ化合物、イソシアネート化合物、カップリン
グ剤、アジリジン化合物等を用いることができる。本発
明では、これらの中でも支持体との密着性、架橋性など
からイソシアネート化合物を用いることが好ましい。
【0053】これらの架橋結合剤は単独、場合によって
は2種以上を併用してもよい。添加する架橋結合剤の量
は架橋剤の種類によって適宜選択されるが、通常は樹脂
固形分100重量部に対し、0.01〜50重量部が好
ましく、0.2〜30重量部がより好ましい。また架橋
結合剤には、架橋触媒を併用するとより架橋が進むため
に更に好ましい。架橋触媒としては塩類、無機物質、有
機物質、酸物質、アルカリ物質などを用いることができ
る。添加する架橋触媒の量は樹脂固形物100重量部に
対し0.001〜10重量部が好ましく、0.1〜5重
量部がより好ましい。架橋剤を加えた塗剤は支持体に塗
布後、加熱、紫外線、電子線等によって架橋されるが、
通常は加熱による方法が一般的である。
【0054】本発明では、例えば本発明の複合膜材を製
造するに当って、例えば布状基材とフィルム層とのラミ
ネート加工時等に粘着や滑性不足による作業性悪化を生
じた場合、接着層や紫外線吸収層に無機或いは有機の微
粒子を含有せしめることが望ましい。
【0055】無機粒子としては、例えば、炭酸亜鉛、酸
化亜鉛、硫化亜鉛、タルク、カリオン、重質・軽質或い
は合成の炭酸カルシウム、酸化チタン、シリカ、コロイ
ダルシリカ、フッ化リチウム、フッ化カルシウム、硫酸
バリウム、アルミナ、アルミナゾル、ジルコニア、リン
酸カルシウム、天然或いは合成の膨潤性あるいは非膨潤
性のマイカ等を用いることができ、有機粒子としては、
例えば、ポリスチレン、ポリメチルスチレン、ポリメト
キシスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリメタクリレート、
ポリメチルメタクリレート、ポリクロルアクリレート、
スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、メラミン樹脂、
エポキシ樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂等を用いる
ことができ、これらの中から選ばれた少なくとも1種以
上を用いることができるが、特に限定されるものではな
い。また微粒子は中空多孔質或いは非中空多孔質状態で
あってもよい。さらに前記微粒子は、樹脂に対する分散
性を良化せしめるため表面にグリシジル基、メチロール
基等の官能基を付加させるなどの処理が施されていても
よい。
【0056】微粒子の平均粒径は0.01〜500μm
が好ましく、0.1〜50μmの範囲にあるものが取扱
い性、塗工性等の点でより好ましい。また、微粒子の層
内での含有量は0.1〜50重量%が好ましく、1〜2
5重量%がより好ましい。含有量がこの範囲外では、作
業性の低下を招いたり、ラミネート加工品の密着性が低
下し易い。
【0057】次に、本発明の複合膜材の製造方法につい
て、いくつかの例を説明するが、かかる例にのみに限定
されるものではない。
【0058】(1)プラスチックフィルムの製膜工程内
で基体となるフィルムに予め所定量に調製したそれぞれ
の塗液を塗布し、しかる後に乾燥して防汚層、紫外線吸
収層、接着層を有する複合フィルムを作る。この複合フ
ィルムと布状基材とをラミネートロール等で加圧或いは
加圧熱接着し、必要に応じて加熱オーブン中を通過させ
た後、冷却する方法である。
【0059】(2)プラスチックフィルムを単膜として
巻き取った後に、塗布−乾燥の工程を設けて防汚層、紫
外線吸収層、接着層を有する複合フィルムを作る。以
下、上記(1)と同様の方法である。
【0060】(3)布状基材上に、塗布−乾燥の工程を
設けて布状基材/接着層の複合体を作った後、防汚層、
紫外線吸収層の形成されたプラスチックフィルムをラミ
ネートロール等で加圧或いは加圧熱接着して一体化する
方法である。
【0061】(4)接着促進化処理した布状基材上にプ
ラスチックフィルムを熱融着させ、冷却後にフィルム表
面に防汚層を設ける方法である。
【0062】また、塗布方法は特に限定されず押出ラミ
ネート法、メルトコーティング法等を用いてもよいが、
高速で薄膜コートすることが可能であるという理由から
グラビヤコート法、リバースコート法、スプレイコート
法、キッスコート法、ダイコート法、メタリングバーコ
ート法などの方法を用いることができる。
【0063】なお、塗膜乾燥条件や加圧熱接着条件は各
基材の諸特性に悪影響を及ぼさない範囲で行うのが望ま
しい。
【0064】次に、接着層として熱接着性樹脂層を適用
する場合は、樹脂ペレットを押出機に供給し、溶融する
温度以上、樹脂が分解する温度以下で溶融せしめ、押出
ラミネート法で前記フィルム表面上或いは布状基材上に
形成する方法、或いは樹脂を有機溶媒に均一溶解し所定
量に調整した溶液とし、前記各層上或いは布状基材上に
塗布する方法等を好ましく用いることができる。尚、塗
布法は防汚層等の形成と同一手法を用い得る。
【0065】
【特性の測定方法および評価方法】本発明の特性値は、
次の測定方法、評価基準による。
【0066】(1)防汚性 複合膜材の防汚層を外側としてJIS−A1410に準
じて屋外暴露し、該層表面に付着した塵埃程度を経時で
比較観察し、次の基準で評価した。尚、場所は道路際か
ら約5mの位置、暴露期間は6ケ月とした。
【0067】 ○:良好 △:やや劣る(若干、汚れが目立つ) ×:不良(汚れがかなり目立つ)
【0068】(2)易洗浄性 上記(1)の屋外暴露試料を流水で洗浄し、以下の如く
判定した。
【0069】 4:水をかけるだけで汚れが落とせる 3:水を含ませた布で汚れが拭き取れる 2:中性洗剤を用いて汚れが拭き取れる 1:汚れが染み付き落ちない
【0070】(3)防汚層の密着性 防汚層/基材フィルム層の密着性は、防汚層上にセロハ
ンテープ(ニチバン(株)製CT−24)を貼り、ハン
ドローラを用いて圧着させた後、セロハンテープを18
0°方向に強制剥離し、該層の剥離度合いを観察し、以
下の如く判定した。
【0071】 ◎:非常に良好(剥離なし) ○:良好(剥離面積5%未満) △:やや劣る(剥離面積5%以上20%未満) ×:不良(剥離面積20%以上)
【0072】
【実施例】本発明を以下の実施例、比較例を用いて説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0073】実施例1、実施例2 厚さ60μmのフッ素樹脂フィルム“トヨフロン”ET
FE(東レ(株)製)(実施例1)及び厚さ50μmの
ポリエステル樹脂フィルム“ルミラー”T60(東レ
(株)製)(実施例2)の両面を空気中で処理強度85
W・min/m2でコロナ放電処理し、一面に防汚剤と
して、メタノールを希釈媒体とし、これにコロイダルシ
リカ(触媒化成工業(株)製イソプロピルアルコール分
散“OSCAL”)(a)、β−(3,4−エポキシシ
クロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(b)、ポリ
オキシエチレン(10モル)−ラウリルエーテル(c)
の各々を固形分重量比がa:b:c=85:4:11と
なるように混合した有効成分濃度20重量%の均一塗材
を塗布し、塗布層を100℃で乾燥させ厚さ0.3μm
の防汚層を設けた。
【0074】更に、他方の面にトルエン/メチルエチル
ケトン(混合比1:1)を希釈溶媒とし、これに飽和熱
可塑性ポリエステル樹脂として“バイロン”200(東
洋紡績(株))を均一溶解させた濃度30重量%の塗材
を塗布し、塗布層を120℃で2分間乾燥させ厚さ10
μmの接着層を有する複合フィルムを作製した。
【0075】次に、布状基材として日東紡績(株)製の
ガラス織物 ECB150 4/2(質量:560g/
2 、織組織:平織、織密度(タテ×ヨコ):28.0
×22.0本/25mm)を用い、前記複合フィルムの
接着層面を重ね、180℃のラミネートロールで加圧熱
接着させ複合膜材を得た。得られた複合膜材の特性は表
1に示した通りであり、各特性に優れていた。
【0076】実施例3 実施例1に基づき、まずコロナ放電処理したフィルム表
面上に塗材としてトルエン/メチルエチルケトン(混合
比1:1)を希釈溶媒とし、これに熱架橋型アクリル系
樹脂“コータックス”LH681(東レ(株)製)と紫
外線吸収剤“アデカスタブ”LA−31(旭電化工業
(株)製)を固形分重量比90:10に混合した濃度1
0重量%の均一塗材を塗布後、塗布層を120℃で2分
間乾燥させ、厚さ7.0μmの紫外線吸収層を形成した
後、該紫外線吸収層上に実施例1と同一手法で防汚層を
施たほかは、実施例1と同一方法で複合膜材を得た。複
合膜材の特性は表1に示した通り、各特性に優れたもの
であった。
【0077】実施例4 実施例1に基づき、防汚層を設けた反対側に塗材として
トルエン/メチルエチルケトン(混合比1:1)を希釈
溶媒とし、これに紫外線吸収型アクリル系樹脂としてU
LS−935LH(一方社油脂(株)製)を混合した濃
度15重量%の均一塗材を塗布し、塗布層を120℃で
1分間乾燥させ、厚さ2.8μmの紫外線吸収層を設け
た後、該紫外線吸収層上に実施例1と同一手法で接着層
を設けたほかは、実施例1と同一方法で複合膜材を得
た。複合膜材の特性は表1に示した通り、各特性に優れ
ていた。
【0078】実施例5 実施例4の紫外線吸収層塗材において、該塗材の樹脂固
形分に対して架橋結合剤としてイソシアネート化合物
“コロネート”HX(日本ポリウレタン工業(株)製)
を5重量部加えた他は、実施例1と同一手法で複合膜材
を得た。表1に示したように複合膜材は各特性に優れて
いた。
【0079】実施例6 実施例1に基づき、実施例1の防汚層塗材において、該
塗材の固形分に対してアクリル酸エステル系接着剤“サ
イビノール”EK1005(サイデン化学(株)製)を
10重量部、更に水を同量添加し均一分散させたものを
適用したほかは、実施例1と同一手法で複合膜材を得
た。複合膜材の特性は表1に示した通り、各特性に優れ
ていた。
【0080】実施例7 実施例6に基づき、接着層としてトルエンを希釈溶媒と
し、これにシリコーン粘着剤“トレファーム”SD45
70PASと架橋剤“キャタリスト”SRX212(共
に東レダウコーニング・シリコーン(株)製)の配合物
(100:0.9)を濃度20重量%とした塗材を塗布
後、塗布層を120℃で乾燥させ厚さ25μmの粘着層
を形成させた。更に粘着層面に市販のフッ素処理が施さ
れた離型フィルムを重ね合せ複合フィルムを得た。
【0081】次に、実施例6と同一の布状基材上に複合
フィルムの離型フィルムを剥して粘着層を重ね、常温
下、ラミネートロールで圧着し複合膜材を得た。表1に
示した如く、複合膜材は各特性に優れていた。
【0082】実施例8 実施例6に基づき、接着層としてポリエステルウレタン
樹脂“バイロン”UR1400(東洋紡績(株)製)に
樹脂固形分当りイソシアネート架橋剤“コロネート”H
Xを5重量部加えた塗材を適用したほかは、実施例6と
同一手法で複合膜材を得た。複合膜材の特性は表1に示
した通り、各特性に優れていた。
【0083】実施例9 布状基材として、目付け90g/m2 のポリエステルフ
ィラメント織物(東レ(株)製)を用いたほかは、実施
例6に基づき複合膜材と得た。複合膜材の特性は表1に
示した通り、各特性に優れていた。
【0084】実施例10 実施例1で用いた布状基材にシランカップリング剤(東
レダウコーニング・シリコーン(株)製SH6020)
を含浸させ、100℃×5分の熱処理を施こした後、実
施例1で用いたフィルムを290℃のラミネートロール
で熱融着させた。次に、そのフィルム表面上をコロナ放
電処理した後、実施例6と同様の防汚剤を同様に塗布し
複合膜材を得た。複合膜材は表1に示した通り、各特性
に優れていた。
【0085】比較例1、比較例2 実施例1、実施例2で防汚層を設けずに作製した複合膜
材の特性は表1に示したように各特性に劣ることが判
る。
【0086】実施例11、比較例3 実施例6でプラスチックフィルム層として白色ETFE
フィルム(東レ(株)製)を用いて得た複合膜材(実施
例11)及び該複合膜材で防汚層を設けなかったもの
(比較例3)について、屋外暴露1ケ月後、複合膜材表
面の白色度をSMカラーコンピュータ SM−6(スガ
試験機(株)製)で反射法により測定した。白色度をΔ
L値で表わすと実施例11は0.52、比較例3は6.
92であり、本発明の複合膜材は、優れた防汚性を有し
ていることが判る。
【0087】
【表1】
【0088】
【発明の効果】本発明の複合膜材においては、布状基材
の少なくとも一表面上に、プラスチックフィルム層、防
汚層を順次に積層せしめたので、次のような優れた効果
を得ることができた。
【0089】まず、本発明の複合膜材は、優れた防汚性
を有しており、しかも、その耐久性に優れている。
【0090】また、本発明の複合膜材は、防汚層が易洗
性に優れているのみならず、該層の耐候性が透明性を損
なわずして発現する。
【0091】本発明の複合膜材は、上記のような優れた
特性を有するので、テント、防汚シート、屋内内装材の
部材等に適用できるが、中でも、ハウス構造物の屋根材
や壁材等に用いるのが好適である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B32B 27/18 B32B 27/18 A // C08L 27/18 C08L 27/18

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 布状基材の少なくとも一表面上に、プラ
    スチックフィルム層、防汚層がこの順に積層されてなる
    ことを特徴とする複合膜材。
  2. 【請求項2】 布状基材とプラスチックフィルム層との
    間に接着層を設けてなることを特徴とする請求項1に記
    載の複合膜材。
  3. 【請求項3】 接着層が熱接着性樹脂を主成分とする組
    成物からなることを特徴とする請求項2に記載の複合膜
    材。
  4. 【請求項4】 防汚層とプラスチックフィルム層との層
    間又はプラスチックフィルム層と接着層との層間に紫外
    線吸収層を設けてなることを特徴とする請求項1〜請求
    項3のいずれかに記載の複合膜材。
  5. 【請求項5】 紫外線吸収層が紫外線吸収型アクリル系
    樹脂を主成分とする組成物からなることを特徴とする請
    求項4に記載の複合膜材。
  6. 【請求項6】 防汚層が無機親水性コロイド物質を主成
    分とする組成物からなることを特徴とする請求項1〜請
    求項5のいずれかに記載の複合膜材。
  7. 【請求項7】 接着層及び/又は紫外線吸収層が架橋さ
    れてなることを特徴とする請求項2〜請求項6のいずれ
    かに記載の複合膜材。
  8. 【請求項8】 プラスチックフィルム層がフッ素樹脂を
    主成分とする組成物からなることを特徴とする請求項1
    〜請求項7のいずれかに記載の複合膜材。
  9. 【請求項9】 フッ素樹脂がエチレン−4フッ化エチレ
    ン共重合樹脂を主成分とする組成物からなることを特徴
    とする請求項8に記載の複合膜材。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2004155026A (ja) * 2002-11-06 2004-06-03 Achilles Corp 遮熱(断熱)工法、および遮熱材料
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