JP4512935B2 - 遮熱(断熱)工法、および遮熱材料 - Google Patents

遮熱(断熱)工法、および遮熱材料 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、屋根材を構成する基材に遮熱材料および防汚塗料を組み合わせた遮熱工法とそれにより得られる遮熱材料、さらには、この遮熱材料を屋根材に用い、屋根下に断熱材料を組み合わせた遮熱断熱工法に関する。
【0002】
【従来の技術】
遮熱塗料の歴史は古く、アクリル樹脂をベースとして酸化チタン、ガラスバルーンなどを充填した遮熱塗料を建築物や構造物の外壁、屋根などの外装部材に塗布することによって、近赤外線(熱線)を反射して真夏の太陽光からの日射を防ぎ、熱蓄積させない遮熱工法が普及している。
しかし、これら塗料は、熱線反射機能を有するため白色が基本であり、屋根材として使用されるような濃色部材へ適用するため遮熱塗料に着色すると全く遮熱性能がなくなり、一般塗料と同等の性能となってしまう。
しかし、最近、遮熱塗料として、熱反射顔料を添加することで濃色系でも遮熱効果を実現できることが報告されている(特許文献1、特許文献2参照)。ところが、これら熱反射顔料を添加した遮熱塗料でも屋根のような厳しい条件下では、紫外線劣化による色抜け、雨水による汚れ発生などによって遮熱性能が1シーズンしか効果がなく、屋根材に通常要求される5〜15年程度の長い耐久性能が得られていない。
また、熱反射塗料層が表面にあると、特に淡色系の熱反射塗料では雨水やごみ、ほこりなどで塗膜が汚れ、1シーズンで熱反射性能を低下させてしまう。しかも景観が悪くなるなど既存の技術では大きな問題となっている。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−129172号公報(特許請求の範囲)
【特許文献2】
特開2002−12683号公報(特許請求の範囲)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述の遮熱塗料の問題点に鑑みてなされたもので、耐久性に優れ、熱反射塗料本来の性能を維持する白色を基本として、その上に防汚塗料を塗工することによって遮熱塗料を直射日光から保護し、汚れを防止でき、さらに、防汚塗料に各種顔料を添加することによって様々な色に着色でき、化粧性が増し幅広く使用することが可能な遮熱材料を提供することを目的とする。
【0005】
本発明は、屋根材を構成する基材(以下、単に「基材」ということがある)の少なくとも一方の面に、順次、保護層、有機系顔料を含量しない白色ベースの熱反射塗料層および顔料を含む防汚層を積層し、防汚層中の有機成分が固形分換算で45重量%未満、防汚層を形成する防汚塗料中の顔料の量が3〜7重量%であり、防汚層のJIS K5400により測定される隠蔽率が0.85〜1であって、かつ防汚層の目付が固形分換算で80〜150g/mであり、しかも、白色ベースの上記熱反射塗料層を着色された上記防汚層で隠蔽してなることを特徴とする遮熱工法に関する。
上記保護層は、エポキシ系樹脂からなることが好ましい。
熱反射塗料層を形成する熱反射塗料の目付は、固形分換算で200〜400g/mmであって、熱反射塗料層を形成する熱反射塗料は、固形分濃度が40〜70重量%であり、熱反射機能を有する無機系化合物およびバインダー樹脂を含み、熱反射塗料全体を100重量%とすると、該無機系化合物の含有量が5〜50重量%、バインダー樹脂の含有量が固形分換算で35〜60重量%であることが好ましい。
上記防汚層の形成に使用される防汚塗料は、固形分濃度が12〜23重量%の水系分散液であり、かつ分散液中に固形分換算で酸化ケイ素化合物を8〜20重量%およびバインダー樹脂を4〜8重量%(ただし、分散液全体を100重量%とする)含有することが好ましい。
上記防汚層を構成する防汚塗料に含まれる顔料は無機顔料であることが好ましい。
上記防汚層の表面抵抗値が10〜1010Ωであることが好ましい。
次に、本発明は上記遮熱工法によって得られる屋根材に関する。
また、本発明は、上記屋根材を用い、屋根下に断熱材を施工することを特徴とする遮熱断熱工法に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の遮熱材料は、基材の少なくとも一方の面に、順次、保護層、熱反射塗料層および防汚層を積層することにより得られる。
本発明に用いられる基材としては、適切な形状保持性を有するものであれば特に限定されるものではなく、木材、コンクリート、亜鉛メッキ鋼鈑などの金属、ゴム、プラスチックなどの種々の素材が選択可能である。亜鉛メッキ鋼鈑などの金属を基材として屋根材に用いた場合、さらに屋根下に断熱材を施工することにより遮熱断熱効果に優れた屋根材を得ることができる。また、ゴム、プラスチックなどは、可撓性、柔軟性に優れ、本発明の遮熱材料を粘着シートとして用いる場合には、粘着シートを付着させる物体表面への付着性に優れている。
【0007】
本発明の遮熱工法は、基材の少なくとも一方の面に、保護層を積層する。保護層は、基材に例えば、1液型変性エポキシ樹脂、2液型エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂など公知の下塗り塗料(プライマー)を塗布することにより積層できる。
基材として金属板を使用する場合は、保護層として錆び止め塗料を用いて錆止め処理を行なうことが好ましい。錆び止め塗料としては、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ゴム系ラテックスなどの錆び止め塗料が使用できる。
基材として鋼板を用いる場合の錆び止め塗料としては、1液または2液型のエポキシ樹脂を使用すると、例え錆びた鋼板上に本発明の遮熱工法を施す場合であっても、密着性を高めることができる。従って、既に錆びている鋼板であっても、本発明の遮熱工法を施すことができる。
なお、屋根として使用する場合、耐食性、塗膜密着性などの長期耐久性を向上させるため、基板にクロメート処理、リン酸塩処理などの塗装前処理を施してもよい。
保護層(下塗り塗料)の塗布量は、固形分換算で、50〜200g/m、好ましくは80〜120g/mである。50g/m未満であると基材表面の凹凸に均一な塗装ができにくい。一方、200g/mを超えると塗膜が厚くなり、塗りむらができやすくなる。
【0008】
本発明の遮熱工法は、保護層上に、熱反射塗料を塗装して熱反射塗料層を積層する。
本発明で使用する熱反射塗料としては、塗膜の耐久性によって各種塗料が選択できる。本発明の熱反射塗料は、例えば、熱反射機能を有する無機系化合物と、バインダー樹脂とを主たる構成成分とし、その他必要に応じて、微粒子状の充填剤、光輝材、添加剤、溶剤などを添加することにより得ることができる。
【0009】
上記熱反射塗料に用いられる熱反射機能を有する無機系化合物としては、酸化チタンその他公知の熱反射機能を有する無機系化合物(顔料)を使用することができる。二酸化チタンは、白色であるため、光を良好に反射する効果が得られ、塗膜内に熱が取り込まれることを抑えることができ、好ましい。
熱反射塗料中の熱反射機能を有する無機系化合物の含有量は、熱反射塗料全体を100重量%とすると固形分換算で好ましくは5〜50重量%、さらに好ましくは10〜30重量%である。5重量%未満であると、遮熱効果が少ない。一方、50重量%を超えると、塗膜の強度が弱くなり耐久性が悪くなる傾向がある。
【0010】
上記バインダー樹脂としては、通常、塗料のバインダー樹脂として用いられるものを使用することができ、例えば、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン変性ポリエステル樹脂、シリコーン変性アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリケート樹脂、フッ素樹脂、ウレタン樹脂、塩素系樹脂、メラミン樹脂などの溶剤系、エマルジョン系を挙げることができ、塗布される被塗物の種類や用途によって、適宜使いわけることができる。
熱反射塗料中のバインダー樹脂の含有量は、熱反射塗料全体を100重量%とすると固形分換算で好ましくは35〜60重量%、さらに好ましくは40〜50重量%である。35重量%未満であると、塗膜の強度が弱く、施工性が悪くなる傾向がある。一方、60重量%を超えると、粘度が上昇し、施工性が悪くなる傾向がある。
【0011】
本発明の熱反射塗料は、有機または無機系の微粒子状の充填剤を含んでいてもよい。充填剤の形状は、粒子状、球状、中空球状の何れでもよい。
微粒子状の充填剤としては特に限定されず、例えば、SiO2、TiO2、Al23、Cr23、ZrO2、Al23・SiO2、3Al23・2SiO2、けい酸ジルコニア、セラミックビーズなどからなる微粒子、繊維状または粒状の微細ガラス、ガラスビーズ、ガラスバルーン、セラミックバルーン、アクリルバルーンなどを挙げることができる。
【0012】
充填剤としては、ガラスビーズが好ましい。熱反射塗料がガラスビーズを含有する場合には、ガラスビーズは熱伝導性が低く太陽光などの熱エネルギーを吸収せずに反射するので、得られる塗膜の遮熱性がより向上する。
ガラスビーズは、主としてガラスからなるものであり、内部までガラスで満たされているものでもよいが、中空のガラスバルーンでもよく、中空のものは熱伝導率が低く断熱性に優れるので遮熱性を一層向上することができる。ここでいう中空とは、オープンポア構造、多孔質構造および中空部が閉じている構造などをいうが、前二者は熱反射塗料の他の成分が内部に入り込んで遮熱性を低下させることがあるので、中空部が閉じている構造が好ましい。
【0013】
ガラスビーズの形状は、球状、針状、板状、柱状などであってよいが、優れた熱反射性によって遮熱性を向上するので、球状が好ましい。
ガラスビーズは透明、半透明、白色または乳白色であることが好ましい。ガラスビーズがこれらの色であると、熱反射性に優れるので遮熱性が高く、また、熱反射塗料の色に与える影響が少ない。
【0014】
上記ガラスビーズの平均粒子径は1〜150μmであることが好ましい。上記ガラスビーズの平均粒子径が150μmを超えると塗装作業性、得られる塗膜の外観や物性に劣る場合があり、1μm未満では上記ガラスビーズを添加することによる遮熱性が充分に得られない。上記ガラスビーズの平均粒子径は、より好ましくは5〜100μmであり、さらに好ましくは8〜80μmである。ガラスビーズの平均粒子径は、均一である必要は特になく、幅広く分布するものであってもよい。粒子径の分布が幅広い場合には、大きな径の粒子相互間に小さな径の粒子が入り込むことができる結果、熱反射塗料中のガラスビーズの分布がよくなるので、得られる塗膜の遮熱性を一層向上することができる。
【0015】
ガラスビーズとしては、上記の特性を有するものであれば特に限定されず、例えば、CEL−STAR(旭ガラス社製)、HSC−110(東芝バロティーニ社製)を挙げることができる。
熱反射塗料の固形分中の有機または無機系の微粒子状の充填剤の含有量は、固形分換算で好ましくは0.1〜15重量%、さらに好ましくは0.5〜8重量%、特に好ましくは1〜6重量%である。0.1重量%未満であると遮熱性が充分に得られない。一方、10重量%を超えると得られる熱反射塗料の流動性の悪化や塗膜の物性劣化を招くおそれがある。
【0016】
また、本発明の熱反射塗料には、光輝材を含有させることができる。光輝材としては、例えば、マイカ、アルミニウム箔、スズ箔、金箔、銀箔、チタン金箔、ステンレススチール箔、ニッケル・銅などの金属箔などを挙げることができる。
【0017】
熱反射塗料の添加剤としては特に限定されず、例えば、消泡剤、レベリング剤、たれ防止剤、表面調整剤、粘性調整剤、分散剤、紫外線吸収剤、ワックスなどの慣用の添加剤などを挙げることができる。ただし、上記添加剤として、有機系顔料は含まれない。
【0018】
熱反射塗料の溶剤としては一般に塗料用として用いられるものであれば特に限定されず、例えば、トルエン、キシレン、商品名ソルベッソ100、ソルベッソ150(エクソン化学社製)などの芳香族炭化水素類;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロンなどのケトン類などの有機溶媒、および水を挙げることができる。これらは、溶解性、蒸発速度、安全性などを考慮して用いる用途に応じて適宜選択することができ、単独で、または、2種以上を併用して用いることができる。環境対策などを重視する場合には、水を用いて、水性常温乾燥型または水性加熱乾燥型の塗料とすることもできる。
本発明の熱反射塗料の固形分含量は、好ましくは40〜70重量%、さらに好ましくは45〜60重量%である。40重量%未満であると、塗膜がもろくなり、亀裂が入りやすくなる傾向がある。一方、70重量%を超えると、粘度が上昇し、スプレー法や刷毛塗り、ローラー塗りなどの一般的な塗装方法による塗装ができない場合がある。
【0019】
本発明の熱反射塗料は、ロールミル、ペイントシェーカー、ポットミル、ディスパー、サンドグラインドミルなどの一般に顔料分散に使用されている機械を用いて、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂、アクリル・シリコン樹脂などの分散用樹脂に熱反射機能を有する無機系化合物を混合してマスターバッチとし、これに上記バインダー樹脂、微粒子状の充填剤、光輝材、添加剤、溶剤などを加えて調製することができる。
【0020】
なお、熱反射塗料に充填剤を含有させる方法も、特に限定されず、例えば、熱反射塗料を調製する時または熱反射塗料を調製した後に、ガラスビーズを添加し、一般に顔料分散に使用されているロールミルなどの上記機械、剪断力の比較的弱いハイディスパーなどを用いて混合することが挙げられる。
【0021】
熱反射塗料の塗布量は、固形分換算で好ましくは200〜400g/m2、さらに好ましくは250〜350g/m2である。200g/m2未満であると熱反射機能が得られないおそれがある。一方、400g/m2を超えると塗布量に比例した効果が得られず、コスト的には不利となる。
【0022】
保護層上に熱反射塗料を塗布する方法としては特に限定されず、例えば、浸漬、刷毛、ローラー、ロールコーター、エアースプレー、エアレススプレー、カーテンコーター、ダイコーターなどの一般に用いられている塗布装置・方法などを挙げることができる。これらは被塗布材の性質や用途に応じて適宜選択することができる。
熱反射塗料を塗布した後に行う乾燥は、好ましくは温度80〜150℃にて1〜30分間行う。温度が80℃未満であると充分な乾燥をすることができず、150℃を超えると塗膜性能が劣化し、また、乾燥時間が30分を超えると塗膜性能が劣化する。
【0023】
本発明の遮熱工法は、熱反射塗料層上に防汚塗料を塗装して防汚層を積層する。
本発明の防汚層は、耐汚染性のみでなく、熱反射塗料を直射日光に晒すことがないため紫外線や熱による劣化や退色を防ぐことができる。熱反射塗料は本来、熱反射機能を有する無機系化合物である二酸化チタンなどを含む白色のものが最も熱反射特性に優れている。従って、熱反射塗料に有機系または無機系顔料を添加すると、これらの顔料が熱を吸収してしまい、一般の塗料と変わらない性能になってしまう。そこで顔料を含まない熱反射塗料層上に、隠蔽率が好ましくは0.85〜1である防汚塗料を上塗りすることによって熱反射塗料層の性能を低下させることなく、かつ、熱反射塗料層の直射日光による劣化を防止でき、最終的に外側から見える色としても熱反射塗料の色に影響されにくい。ここで、防汚塗料の隠蔽率は、JIS K 5400の方法により測定された隠蔽率である。
一方、防汚層が透明である場合は、熱反射塗料の色が外側から見える色となりかつ熱反射塗料層のみの場合より防汚性に優れる。
本発明の防汚層中の有機成分は、固形分換算で45重量%未満である。この場合の有機成分としては、例えば、バインダー樹脂、有機顔料、有機系充填剤その他有機系添加剤などが挙げられる。有機成分が45重量%以上であると、防汚層表面の表面抵抗値が高くなり、汚れが付着しやすくなり、汚れによって遮熱性能が低くなる場合があるとともに、耐久性能が低くなる傾向がある。
【0024】
本発明の防汚塗料は、酸化ケイ素化合物を主成分とした水溶液であり、防汚層は、酸化ケイ素化合物の存在により水との濡れ性に優れており、雨水による汚れがつきにくい。
酸化ケイ素化合物は、加水分解性シラン化合物の加水分解物、ケイ酸アルカリ塩、コロイダルシリカなどから選択される化合物である。これらは単独で、または2種以上の混合物として使用し得る。
【0025】
加水分解性シラン化合物とは、ケイ素原子に1〜3個の加水分解性基が結合したシラン化合物である。加水分解性基は異なるものであってもよい。加水分解性基としては、例えばアルコキシ基、アシルオキシ基、アリールオキシ基、アミノキシ基、アミド基、ケトオキシム基、イソシアネート基、ハロゲン原子などがある。特にアルコキシ基などが好ましく、その炭素数は4以下のものがさらに好ましく、特に好ましくはメトキシ基、エトキシ基である。
【0026】
加水分解性シラン化合物において、加水分解性基以外の有機基としては、アルキル基、官能基を有するアルキル基、アリール基、その他のケイ素原子に結合する炭素原子を有する有機基がある。特に、官能基を有する有機基を1つ有し、他の有機基がある場合にはそれは通常アルキル基などの官能基を有しない有機基であることが好ましい。官能基を有する有機基における官能基としては、例えばアミノ基、エポキシ基、メルカプト基、イソシアネート基などがある。
【0027】
加水分解性シラン化合物として、具体的には、メチルトリメトキシシラン、メチルジエトキシシラン、ジメチルビニルメトキシシラン、ジメチルビニルエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、メチルシリルトリイソシアネート、ビニルシリルトリイソシアネート、ジエトキシシリルジイソシアネート、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、クロロメチルジメチルシラン、メチルトリクロロシラン、クロロメチルジメチルビニルシラン、ジフェニルクロロメチルシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、ヘキサメチルシラザン、環状シラザン、ポリシラザン、N,N−ビス(トリメチルシリル)トリフルオロアセトアミド、N−トリメチルシリルアセトアミド、N−トリメチルシリルフェニルウレア、ビストリメチルシリルウレア、ジメチルトリメチルシリルアミン、トリメチルシリルイミダゾール、トリメチルシリルジメチルアミン、メチルトリアセトキシシラン、1,3−ビス(3−アミノプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、CH3Si[ON=C(CH3)(C25)]3などが挙げられる。
【0028】
市販品としては、東芝シリコーン社製のTSL8000シリーズ、TSL8100シリーズ、TSL8300シリーズ、TSL9306、TSL88シリーズ、XC95シリーズ、XC96シリーズ、XC99シリーズ、日板研究所社製CRB−110(ケイ素系セラミック塗料)、信越化学社製のKBM1000シリーズ、KBE1000シリーズ、KBC100シリーズ、KBM400,500,600,700,800,900シリーズ、X−12シリーズ、KBP503シリーズ、日本ユニカー社製のAZシリース、Aシリーズ、ユニオンカーバイドのシランカップリング剤Aシリーズなどが挙げられる。
【0029】
ケイ酸アルカリ塩としては、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸ジルコニウムなどが挙げられる。ケイ酸アルカリ塩をフッ酸や塩酸で処理した複塩も使用できる。ケイ酸アルミニウムなどを水酸化カルシウムなどの存在下にフッ酸で処理した複塩は極性が大きく好ましい。
【0030】
コロイダルシリカは、SiO2の細粒またはその分散液であり、平均粒径は、好ましくは10〜100μmのものである。具体的には、日本エアロジルのTT600、日産化学のスノーテックス30、日本触媒のカタロイド20HL,SI−30などが挙げられる。
【0031】
防汚塗料中の酸化ケイ素化合物の含有割合は、防汚塗料全体を100重量%とすると固形分換算で好ましくは8〜20重量%、さらに好ましくは10〜15重量%である。8重量%未満であると防汚塗料の効果を達成するために多量に使用しなくてはならず、塗装性が悪くなるため好ましくない。一方、20重量%を超えると、形成される薄膜が厚くなりすぎ、脆くなったり割れてしまうため好ましくない。なお、酸化ケイ素化合物は非水性媒体に希釈して用いることにより貯蔵安定性が向上するという効果もある。
【0032】
本発明の防汚塗料は、酸化ケイ素化合物が媒体に溶解ないし分散されているものが好ましい。特に、均一な溶液状になっているものが、均一で薄い薄膜を形成するうえで好ましい。また、作業安定性、環境保全性などの理由から水性媒体が好ましいが非水性媒体でもよい。水性媒体は、基本的には水のみか、水と水溶性有機溶剤の混合媒体が好ましい。なお、媒体が水だけの場合であっても酸化ケイ素化合物のうち加水分解物を製造するための加水分解を水媒体中で行うとアルコールなどの加水分解により副生する副生物が混入した媒体となる。本発明における媒体はこのような副生媒体を含んでいるものを使用できる。
【0033】
水溶性有機溶剤としては、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジアセトンアルコールなどの水溶性アルコール類が好ましく、その1種または2種以上を使用できる。この有機溶剤としては沸点が200℃以下、特に110℃以下の水溶性有機溶剤が好ましい。沸点があまりに高いものは表面処理によって形成される薄膜中に残りやすく好ましくない。また、水の蒸発を早める目的のために、水と共沸する溶剤、例えばアセトン、エタノール、イソプロパノールなどを使用できる。
【0034】
非水性媒体としては、上記エタノール、イソプロパノール、n−ブタノールなどのアルコール類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、酢酸ブチル、酢酸エチルなどのエステル類、キシレン、トルエンなどの芳香族系溶剤、脂肪族系溶剤、エーテル系溶剤、石油系溶剤などを使用できる。このような非水性媒体としては、アルコール類、ケトン類、エステル類などの極性溶媒が好ましい。非水性媒体のうち、特にアルコール類などは加水分解のための少量の水を配合して使用してもよい。これらの非水性媒体は1種または2種以上を使用できる。
【0035】
非水性媒体としては、特にアルコール類が好ましい。2種以上の非水性媒体を混合して使用する場合はその少なくとも1種はアルコール類であることが好ましい。アルコール類の使用量は酸化ケイ素化合物と等当量以上、特に2倍当量以上であることが好ましい。
【0036】
本発明の防汚塗料には、必要に応じて上記熱反射塗料のバインダー樹脂として挙げられているものを含有することができる。中でも好ましくはアクリル系樹脂である。アクリル系樹脂などのバインダー樹脂を配合することにより、防汚塗料の造膜性が良好となり、強靭な薄膜が形成される。さらに、熱反射塗料層との密着性も向上し、塗装もしやすくなる。
アクリル系樹脂としては、アクリル樹脂、アクリル・シリコン樹脂など、塗料として用いられる各種樹脂の溶剤系、エマルジョン系を使用でき、好ましくはアクリル樹脂エマルジョンである。これらの樹脂は2種以上使用することもできる。
【0037】
防汚塗料固形分中のバインダー樹脂含有量は、20重量%以上45重量%未満、さらに好ましくは25〜40重量%である。20重量%未満では、塗工した時に塗膜に亀裂が入りやすく熱反射塗料との接着性も悪い。一方、45重量%以上添加すると施工しやすくなり、熱反射塗料との接着性も良好であるものの、直射日光による劣化の影響を受けやすく耐久性に問題が残るとともに、表面抵抗値が高くなる傾向があり、防汚層に汚れが付着しやすくなり、その汚れによって遮熱性能が低くなる場合がある。
【0038】
本発明の防汚塗料はまた、少量の顔料を添加することにより着色することが可能であるため、白色ベースの熱反射塗料層を、着色された防汚層で隠蔽することが可能となる。
顔料のうち、無機顔料としては、金属酸化物、カーボンブラック、モリブデン、黄土、緑土、鉄系顔料などが挙げられ、具体的には、群青(ウルトラマリン)、紺青(プルシアンブルー)、クロムイエロー、ベンガラなどが挙げられる。尚、有機顔料は、熱を吸収してしまう傾向があるので、添加しない方が好ましい。
防汚塗料を着色するには、これらの単独または2種以上を、防汚塗料中に固形分換算で、防汚塗料全体を100重量%とすると好ましくは3〜7重量%添加する。3重量%未満であると、色が薄く隠蔽力がないため、遮熱塗料層の色が見える場合がある。一方、7重量%を超えると、隠蔽力が高くなるが、近赤外線を吸収しやすくなり、遮熱効果が低くなる場合がある。
本発明の防汚塗料のLab値に関して、青色塗料はLab23/10/−20の値を有し、赤色塗料はLab28/0.7/−0.8の値を有し、緑色塗料はLab37/−37/7の値を有し、黄色塗料はLab93/−18/83の値を有し、黒色塗料はLab28/0.6/−0.6の値を有することが好ましい。
【0039】
防汚塗料の添加剤としては特に限定されず、例えば、シリカ、アルミナなどの艶消し剤、消泡剤、レベリング剤、たれ防止剤、表面調整剤、粘性調整剤、分散剤、紫外線吸収剤、ワックスなどの慣用の添加剤などを挙げることができる。
本発明の防汚塗料の固形分含量は、好ましくは12〜23重量%、さらに好ましくは15〜20重量%である。12重量%未満であると、塗膜強度が弱くなる傾向がある。一方、23重量%を超えると、塗膜強度は強くなるが、亀裂が発生しやすくなり、塗膜の劣化の原因となる場合がある。
【0040】
本発明の防汚塗料の調製には、例えば、ロールミル、ペイントシェーカー、ポットミル、ディスパー、サンドグラインドミルなどを用いて混合することができる。用いる防汚塗料の量と種類とは、得ようとする色彩や色相、明度および彩度を勘案して適宜選択することができる。防汚塗料を混合したのち、さらに、必要に応じて、例えば、溶剤添加やその他の添加剤の添加を行うこともできる。
防汚塗料の塗布方法・乾燥条件としては、熱反射塗料と同じものが挙げられる。
【0042】
防汚層の隠蔽率は、0.85〜1である。防汚層の隠蔽率が0.85未満であると、最終的な外観の色が、遮熱塗料層の色に影響される場合があり、周囲との色あわせが困難になることがある。
【0043】
防汚層の隠蔽率が0.85〜1とするには、防汚塗料の目付量は、固形分換算で80〜150g/m 、好ましくは100〜120g/mである。80g/m未満であると、遮熱塗料層の色が透けて見えてしまい、最終的な外観が防汚塗料の色と異なってしまい、周囲との色合わせが困難になる。一方、150g/mを超えると塗布量に比例した効果が得られず、コスト的には不利となると共に、亀裂が入りやすくなり、逆に汚れが付きやすくなる。
【0044】
本発明の防汚層の表面抵抗値は、好ましくは108〜1010Ωである。108Ω未満にするためには、防汚層の色が限定されてしまう。一方、1010Ωを超えると防汚層表面にほこり等が付着しやすく、防汚効果が低くなる傾向がある。防汚層の表面抵抗値の調整は、防汚層の有機成分の含有量や帯電防止剤等の添加剤の添加などにより行うことができる。
【0045】
本発明の遮熱工法を屋根部材に適用する場合、屋根下地材として断熱材と組み合わせることによってさらなる遮熱性能効果が生じる。また、本発明の遮熱工法は、寒冷地では冬場での日射不足により目的とする効果を奏することが困難な場合がある。そこで断熱材を付加することによって室内温度が外気に逃げない効果を付加することができる。
断熱材としては、ガラス繊維、ロックウール、押出スチレンフォーム、ポリエチレンフォーム、硬質ウレタンフォーム、硬質ウレタン変成イソシアヌレートフォーム、フェノールフォームなどが使用できる。
断熱材の厚みは、目的とする効果が得られるものであればどのようなものでも良い。
【0046】
【実施例】
本発明の実施例、比較例を以下に示すが、これに限定されるものではない。なお、実施例中の部および%は、特に断らない限り重量部および重量%である。なお、各種評価は下記の基準で行なった。
(1)白熱灯照射試験(遮熱性能);
▲1▼屋内;高さ150mm幅220mm長さ310mmで厚さ30mmの発泡スチロール箱の上面に遮熱材料を塗装した基材サンプルを設置し、サンプル上方300mmの高さから白熱灯を40分間照射してサンプルの裏面温度および発泡スチロール箱の箱内温度を測定して遮熱性能を温度差(℃)で評価した。
▲2▼屋外;10m2の床面積をもつプレハブ小屋の屋根として、遮熱材料を塗装した基材サンプルを施工し、屋根裏面温度と室内温度を測定し、遮熱性能を測定した。
(2)日射反射率(%);
自記分光光度計U-4000(日立製作所社製)を用いてアルミナ基板を反射率100%として350〜2100nmの範囲で分光反射率を測定し、JIS A 5759付表3に従って日射反射率を求めた。
【0047】
(3)スーパーサンシャイン促進試験(耐久(光)性);
JIS B 7753による耐光性試験で2000時間照射した。評価基準は下記のとおりである。
○;亀裂や塗膜の劣化、色落ちなどがない
×;一部、亀裂や塗膜の劣化、色落ち等が見られる
(4)屋外暴露試験(防汚性試験);
屋外暴露試験3ヶ月後の遮熱材料の白熱灯照射試験での遮熱性能保持率を測定した。
(5)表面抵抗値(帯電防止性);
東京電子工業社の商品名「Hi-Resitance Tester」で表面抵抗値を測定した。条件は25℃、湿度60RH%、3点計測であり、単位はΩである。
(6)塗膜強度;
Bの鉛筆で、20回塗膜表面をひっかき、クラックが入るかどうかを評価した。
○:クラックは全く見られなかった
×:多少クラックが入っていた
(7)防汚層の隠蔽率
JIS K 5400の方法により測定した。
【0048】
参考例1
各防汚塗料の成分は下記のとおりである。なお、%は、固形分換算(溶剤を含む防汚塗料全体を100重量%とする)である。
防汚塗料A(青色);酸化ケイ素化合物(コロイダルシリカ)8%、アクリル樹脂(エマルジョンとして使用)4%、顔料(群青)3%を含む水溶液(全固形分15%)を高速攪拌機で1時間攪拌して調製した。固形分中の有機成分含有量26.7%
防汚塗料B(青色);酸化ケイ素化合物(コロイダルシリカ)8%、アクリル樹脂(エマルジョンとして使用)8%、顔料(群青)3%を含む水溶液(全固形分19%)を防汚塗料Aと同様に調製した。固形分中の有機成分含有量42.1%
防汚塗料C(青色);酸化ケイ素化合物(コロイダルシリカ)8%、アクリル樹脂(エマルジョンとして使用)12%、顔料(群青)5%を含む水溶液(全固形分25%)を防汚塗料Aと同様に調製した。固形分中の有機成分含有量48%
一般塗料D(青色);顔料(群青)5%、アクリル樹脂25%(全固形分30%)。固形分中の有機成分含有量83.3%
防汚塗料E(透明);酸化ケイ素化合物(コロイダルシリカ)10%、アクリル樹脂(エマルジョンとして使用)4%を含む水溶液(全固形分14%)を高速攪拌機で1時間攪拌して調製した。固形分中の有機成分含有量28.6%
【0049】
実施例1
0.35mm厚アイボリー色カラー亜鉛めっき鋼板(大同鋼板社製)(以下「カラー鋼板」という)に、保護層として2液型エポキシ樹脂(商品名エポサビ、日本ペイント社製)を刷毛塗りで150g/m2塗装して乾燥した後、熱反射塗料としてアクリルエマルジョン系の白色塗料(商品名クールトップ、高圧ガス工業社製、酸化チタン15%、アクリルエマルジョン40%、充填剤(平均粒径80μmのガラスビーズ)5%(溶剤を含む熱反射塗料全体を100重量%とする固形分換算、以下同じ))を300g/m2でエアスプレーガンで塗装した。室温で6時間養生後、防汚塗料Aを100g/m2塗工した。1昼夜養生後、白熱灯照射による遮熱性能、日射反射率などを評価した。また、屋外で3ヶ月曝露後の白熱灯照射試験を行ない、曝露前を基準とした遮熱性能保持率を測定した。スーパーサンシャイン促進試験で耐久性試験を行なった。また、屋外曝露試験で防汚性能を測定した。実施例および比較例の結果を表1に示す。
【0050】
実施例2
6mm厚スレート板に、保護層として1液型エポキシ樹脂(商品名ダイヤシーラー、恒和化学社製)を100g/m2刷毛塗りで塗装後、熱反射塗料として白色アクリルエマルジョン系熱反射塗料(商品名サーモコート、長島特殊塗料社製、酸化チタン15%、アクリルエマルジョン45%、充填剤(平均粒径80μmのガラスビーズ)10%をローラー塗りで400g/m2塗工し、室温で6時間養生した。その後、防汚塗料Aをエアスプレーで80g/m2塗装し、1昼夜養生後、実施例1と同様な屋内遮熱性能、耐久性評価を行なった。
実施例3
0.27mm厚合金めっき鋼板(商品名ガルバリウム、大同鋼板社製)に、錆び止め塗料として1液型エポキシ樹脂(商品名プライマーU、高圧ガス工業社製)を1回刷毛塗りで150g/m2塗装して乾燥後、熱反射塗料として白色アクリル・シリコン樹脂2液型溶剤タイプ(商品名アッツ9、日本ペイント社製(セラミックビーズ含有)、酸化チタン20%、アクリル・シリコンエマルジョン50%、充填剤(平均粒径80μmのガラスビーズ)15%を刷毛塗りで200g/m2塗装した。室温で6時間養生後、防汚塗料Aをローラー塗りで100g/m2塗装し、1昼夜養生後、実施例1と同様な方法で屋内遮熱性能、耐久性を評価した。
【0051】
実施例4
0.35mm厚のカラー鋼板に錆び止め塗料として1液型エポキシ樹脂「ダイヤシーラー」(恒和化学社製)を2回ローラー塗りで200g/m2塗装して乾燥後、熱反射塗料として白色アクリル系エマルジョン塗料(商品名セラブラン、恒和化学社製、酸化チタン15%、アクリルエマルジョン45%、充填剤(平均粒径80μmのガラスビーズ)30%をエアスプレーで300g/m2塗装した。室温で6時間養生後、防汚塗料Bをローラー塗りで100g/m2塗装し、1昼夜養生した。その後、遮熱性能および耐久性を実施例1と同様に評価した。
実施例5
実施例4の遮熱工法に加えて鋼板裏側に15mm厚硬質ウレタンフォーム断熱ボード(両面の防湿層はクラフト紙、密度:32kg/m3)をゴム系接着剤(セメダイン)を150g/m2使用して貼り合わせて、遮熱性能および耐久性を実施例1と同様に評価した。
【0052】
比較例A
0.35mm厚のカラー鋼板に、錆び止め塗料として2液型エポキシ樹脂(商品名「エポサビ」、日本ペイント社製)を150g/m塗工後、実施例1と同じ熱反射塗料をエアスプレーで300g/m塗装した。1昼夜養生後、防汚層として防汚塗料Aを50g/ 毛塗りで塗装した。1昼夜養生後、遮熱性能および耐久性を実施例2と同様に評価した。
【0053】
比較例1
0.35mm厚のカラー鋼板に、錆び止め塗料として2液型エポキシ樹脂(商品名「エポサビ」、日本ペイント社製)を150g/m2塗工後、実施例3と同じ熱反射塗料をエアレススプレーで300g/m2塗装した。1昼夜養生後、遮熱性能および耐久性を測定した。また、屋外曝露試験で防汚性能を測定した。
比較例2
0.35厚のカラー鋼板に錆び止め塗料として2液型エポキシ樹脂(商品名「エポサビ」、日本ペイント社製)を150g/m2塗装後、一般的な青色有機塗料(高圧ガス工業社製、商品名クールトップ#3000、顔料として群青含有量5%(固形分換算)、溶剤型アクリル樹脂(固形分65%))を1回のローラー塗装で200g/m2塗装した。1昼夜養生後、遮熱性能および耐久性を実施例1と同様に評価した。
【0054】
比較例3
比較例2と同様に錆び止め塗料を塗装後、熱反射塗料として比較例2と同じ青色塗料を1回の刷毛塗装で300g/m2塗装した。1昼夜養生後、遮熱性能および耐久性を実施例2と同様な方法で性能評価を行なった。
比較例4
0.35m厚のカラー鋼板に錆び止め塗料として2液型エポキシ樹脂(商品名「エポサビ」、日本ペイント社製)を刷毛塗りで150g/m2塗装し、実施例4と同じ熱反射塗料を300g/m2塗装した。常温で6時間養生後、防汚塗料Cを100g/m2塗装した。1昼夜養生後、遮熱性能および耐久性を実施例2と同様に評価した。
比較例5
0.35mm厚のカラー鋼板に、錆び止め塗料として2液型エポキシ樹脂(商品名「エポサビ」、日本ペイント社製)を150g/m2塗工後、実施例3と同じ熱反射塗料をエアレススプレーで300g/m2塗装した。1昼夜養生後、防汚層として一般塗料Dを80g/m2を刷毛塗りで塗装した。1昼夜養生後、遮熱性能および耐久性を実施例2と同様に評価した。
比較例6
0.35mm 厚のカラー鋼板を用いて、遮熱性能および耐久性を実施例2と同様に評価した。
【0055】
【表1】
Figure 0004512935
【0056】
*1;スレート板
*2;色むらがあり、熱反射塗料の色が透けて見える。
なお、表中「−」は、測定を行わなかったことを示す。
【0057】
【発明の効果】
本発明によれば、遮熱材料を組み合わせた工法として優れた遮熱性能を有するため、太陽光などの熱エネルギーを効率よく反射、放熱することによって屋根部の蓄熱を防ぎ、建物の室内温度をさげることによって省エネルギー効果を生み出す。主に建築物の屋根の塗り替えなどの改修工事で、ISO認定工場の省エネルギー化、学校などの体育館屋根の室内環境改善などに広く応用できる。併せて、断熱材との組み合わせによって寒冷地での室内環境を改善できるため幅広い地域で利用できる。
本発明の遮熱工法を適用する対象は、例えば家、工場、保冷倉庫などの建築物や、車両、貯蔵タンク、タンカーなどの構造物の屋根などが挙げられる。

Claims (8)

  1. 屋根材を構成する基材の少なくとも一方の面に、順次、保護層、有機系顔料を含量しない白色ベースの熱反射塗料層および顔料を含む防汚層を積層し、防汚層中の有機成分が固形分換算で45重量%未満、防汚層を形成する防汚塗料中の顔料の量が3〜7重量%であり、防汚層のJIS K5400により測定される隠蔽率が0.85〜1であって、かつ防汚層の目付が固形分換算で80〜150g/mであり、しかも、白色ベースの上記熱反射塗料層を着色された上記防汚層で隠蔽してなることを特徴とする遮熱工法。
  2. 保護層がエポキシ系樹脂からなる請求項1記載の遮熱工法。
  3. 熱反射塗料層を形成する熱反射塗料の目付が、固形分換算で200〜400g/mmであって、熱反射塗料層を形成する熱反射塗料が、固形分濃度が40〜70重量%であり、熱反射機能を有する無機系化合物およびバインダー樹脂を含み、熱反射塗料全体を100重量%とすると、該無機系化合物の含有量が5〜50重量%、バインダー樹脂の含有量が固形分換算で35〜60重量%である請求項1または2いずれか1項に記載の遮熱工法。
  4. 防汚層の形成に使用される防汚塗料が、固形分濃度が12〜23重量%の水系分散液であり、かつ分散液中に固形分換算で酸化ケイ素化合物を8〜20重量%およびバインダー樹脂を4〜8重量%(ただし、分散液全体を100重量%とする)含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の遮熱工法。
  5. 防汚塗料に含まれる顔料が無機顔料である請求項1〜4のいずれか1項記載の遮熱工法。
  6. 防汚層の表面抵抗値が10〜1010Ωである請求項1〜5のいずれか1項記載の遮熱工法。
  7. 請求項1〜6いずれか1項に記載の遮熱工法によって得られる屋根材。
  8. 請求項7記載の屋根材を用い、屋根下に断熱材を施工することを特徴とする遮熱断熱工法。
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