JP3277241B2 - 複合フィルム - Google Patents

複合フィルム

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JP3277241B2
JP3277241B2 JP01040694A JP1040694A JP3277241B2 JP 3277241 B2 JP3277241 B2 JP 3277241B2 JP 01040694 A JP01040694 A JP 01040694A JP 1040694 A JP1040694 A JP 1040694A JP 3277241 B2 JP3277241 B2 JP 3277241B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複合フィルムに関する
ものである。詳しくは、紫外線遮断性、帯電防止性、密
着耐久性等に優れた複合フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】プラスチックフィルムは、その保持する
特性、要求される特性等に応じて種々用途に使用されて
いる。しかし、プラスチックフィルムは、常々、用途或
いは取り扱い性等の面で多機能化が望まれており、その
中には帯電防止性、紫外線遮断性等の両立が要求される
場合がある。具体的にはプラスチックフィルムを屋外材
料として用いた時、被保護材の光劣化を防止する為に紫
外線遮断性が必須であり、更には、プラスチックフィル
ムそのものが絶縁体であるため、静電気による帯電が著
しく、防汚性や加工適性に劣ることから帯電防止性が必
要とされる。
【0003】この様な機能を有す複合フィルムとして
は、種々の方法で製造された各種のものが知られてい
る。例えば、プラスチックフィルムの少なくとも片面
に、帯電防止剤、紫外線吸収剤を含む高分子樹脂組成物
(例えば特開昭57−14320号公報、特開昭57−
177027号公報等に開示)を塗設した複合フィルム
が公知となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来の複合フィルムにおいては、高分子樹脂バイ
ンダーと紫外線吸収剤、帯電防止剤との組合せを誤まる
と相溶性の悪さから塗膜の白濁化を生じたり、経時と共
に紫外線吸収剤及び/または帯電防止剤が表面に移行し
欠落し易く、次第に樹脂層の劣化が進行し基材フィルム
との密着性が低下したり、帯電防止効果の持続性に欠け
る等の問題がある。
【0005】また、高分子樹脂バインダーに対して紫外
線吸収剤が量的に均一分散しにくいことから十分な紫外
線遮断性を得るには塗布層を厚くする必要があり、しか
も透明性、密着性等の耐久性に不安を要す。更に、界面
活性剤の存在する高分子樹脂層は基材フィルムとの密着
性や各種基材との接着性が悪化し易い等の欠点があるば
かりでなく、高温下で熱処理すると表面に一気にブリー
ドアウトし容易に離脱し易い。このように帯電防止効果
と紫外線遮断性を両立させることが難しいという問題も
ある。
【0006】本発明は、上記のような問題点を解決し、
優れた紫外線遮断性と優れた帯電防止性、密着性を全て
満足し、しかも、その密着耐久性に優れ、更には易接着
性等も有する複合フィルムを提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的に沿う本発明の
複合フィルムは、フッ素樹脂フィルムの少なくとも一表
面上に、紫外線吸収型アクリル系樹脂及びカチオン系ポ
リマーを主成分とした被覆層を設けてなることを特徴と
するものである
【0008】本発明におけるフッ素樹脂フィルムとして
は、公知のフッ素樹脂フィルムであればどのようなもの
であってもよいが、代表的なものとしてフッ素樹脂フィ
ルムの単体或いは機械的特性、熱的特性等の面からポリ
エステルフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリフェ
ニレンスルフィドフィルムなどとの複合体を用いるのが
好ましい
【0009】
【0010】フッ素樹脂フィルムの材質は特に限定され
ず、公知の各種のものを用いることができる。代表的な
ものとして4フッ化エチレン重合体、エチレン−4フッ
化エチレン共重合体、4フッ化エチレン−6フッ化プロ
ピレン共重合体、4フッ化エチレン−パーフルオロアル
キルビニルエーテル共重合体、2フッ化ビニリデン重合
体、3フッ化エチレン重合体、1フッ化エチレン重合
体、塩化3フッ化エチレン重合体等やこれらの共重合体
や混合体等を挙げられることができる。しかし機械的特
性、製膜性、加工適性等の面から4フッ化エチレン−6
フッ化プロピレン共重合体、エチレン−4フッ化エチレ
ン共重合体を用いるのが好ましく、中でもエチレン−4
フッ化エチレン共重合体を主成分としたものが特に好ま
しい。尚、主成分とは、そのものが樹脂成分中50%以
上、好ましくは70%以上であるものを指し、適宜、他
の物質を含有してもよい。添加する樹脂は特に限定され
ないが、例えばポリオレフィン系樹脂等を挙げるのが可
能である。
【0011】また、かかるフッ素樹脂フィルムには必要
に応じて、本発明の効果を損わない量で公知の添加剤、
例えば、耐熱安定剤、耐酸化安定剤、耐候安定剤、顔
料、染料、無機または有機の微粒子、分散剤、カップリ
ング剤、充填剤等を配合してもよい。更に、かかるフッ
素樹脂フィルムは未配向、一軸配向、二軸配向のいずれ
でも用い得るが機械的強度が要求される場合には配向フ
ィルムが望ましい。
【0012】かかるフッ素樹脂フィルムの厚みは、特に
限定されず、1〜500μm程度の範囲から適当な厚み
を設定することができる。また、かかるフッ素樹脂フィ
ルムの表面粗さや光学的特性等についても、特に限定さ
れず、種々用途での要求特性を勘案して、適切に所望の
値に設定できる。
【0013】更に本発明では、フッ素樹脂フィルム表面
に被覆層を形成する場合、表面処理や下塗り処理を施こ
すことによって塗布性が良化するのみならず、被覆層の
密着性、耐水性、耐溶剤性などが改良されるのでより好
ましく使用できる。表面処理としては公知の方法、例え
ばコロナ放電処理(空気中、窒素中、炭酸ガス中な
ど)、プラズマ処理(高圧、低圧)、アルカリ金属溶液
処理、高周波スパッタエッチング処理等が挙げられる。
また、下塗り処理としては、例えばポリエステル、ポリ
アミド、ポリエステルアミド、ポリビニルアセタール、
ポリ塩化ビニル、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポ
リイミド、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリスチ
レン、ポリメチルペンテン、ポリオレフィン、ハロゲン
化ポリオレフィン、アルキド樹脂、ポリアミドイミド、
ケイ素樹脂等やこれらの共重合体や混合体、更にはフェ
ノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、架橋型有機
ケイ素樹脂など各種の易接着剤を塗布したものが挙げら
れるが、中ではポリエステル、ポリウレタン、ポリ(メ
タ)アクリル酸エステルを用いたものが被覆層の密着性
の点でより好ましい。
【0014】尚、表面処理の場合、処理強度は、特に限
定されず、用途に応じて適切に所望の値とすることがで
きるが、処理強度の目安として、JIS−K−6768
に基づいて測定したフィルムの表面濡れ指数を40dy
n/cm以上、好ましくは45dyn/cm以上とする
のが望ましい。
【0015】本発明の被覆層とは、紫外線吸収型アクリ
ル樹脂及びカチオン系ポリマーを主成分とする層であ
る。主成分とする層とは、そのものが被覆層中50重量
%以上であるものを指し、適宜他の物質を添加してもよ
い。本発明においては、かかる被覆層が、前記フィルム
支持体の少なくとも一表面に設けられる。
【0016】本発明において、紫外線吸収型アクリル系
樹脂とは、すでに組成、製法等が開示されている公知の
樹脂であり、具体的には特公昭43−27737号公
報、特開昭63−139958号公報、特開平2−18
0909号公報、特開平3−281685号公報等に記
載されている。すなわち、紫外線吸収能を有する反応性
ベンゾフェノン系化合物と重合性不飽和基を有するアク
リル系モノマーとの共重合体樹脂である。
【0017】ここで反応性ベンゾフェノン系化合物と
は、分子内に共重合が可能な不飽和基を有するベンゾフ
ェノン系モノマーであり、例えば2−ヒドロキシ−4−
メタクリルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4
−(2−ヒドロキシ−3−メタクリルオキシ)プロポキ
シベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(2−メタク
リルオキシ)エトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ
−4−ビニルオキシカルボニルメトキシベンゾフェノン
などが挙げられる。なかでも、重合性、特性の面から2
−ヒドロキシ−4−メタクリルオキシベンゾフェノン、
2−ヒドロキシ−4−(2−メタクリルオキシ)エトキ
シベンゾフェノンを用いるのが好ましい。また、重合性
不飽和基を有するアクリル系モノマーとは、基本式
【化1】 (R:水素又はメチル基、R' は炭素数1〜18のアル
キル基)で示されるアルキルアクリレート、およびアル
キルメタクリレート、アクリル酸、メタクリル酸、β−
ヒドロキシアクリレート、β−ヒドロキシメタクリレー
ト、β−ヒドロキシプロピルアクリレート、β−ヒドロ
キシプロピルメタクリレート、ポリオキシエチレングリ
コールモノメタクリレート、ポリエチレンポリテトラメ
チレンエーテルグリコールモノメタクリレート、ジメチ
ルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチル
メタクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、
N−メチルメタクリルアミド、N−n−ブトキシメチル
アクリルアミド、アシッドホスホオキシエチルメタクリ
レート、3−クロロ−2−アシッドホスホオキシプロピ
ルメタクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピ
ルメタクリレート、グリシジルアクリレート、グリシジ
ルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレー
ト、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、メトキシ
ポリエチレングリコールモノメタクリレート、3−アク
リルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、N−メチ
ロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミ
ド、ポリオキシエチレングリコールジメタクリレート、
1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6
−ヘキサンジオールジメタクリレート、トリメチロール
プロパントリアクリレート、トリメチロールプロパント
リメタクリレート、ジブロムネオペンチルグリコールジ
メタクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレ
ートなどから選ばれた少なくとも1種以上が挙げられ
る。中でも、その重合性や塗膜特性等の点でアルキルメ
タクリレート、アルキルアクリレートが好ましく、例え
ばメチルメタクリレート、エチルアクリレートを例示す
ることができる。更には基材との密着性の点でカルボキ
シル基、メチロール基含有アクリルモノマーの適用が好
ましい。
【0018】紫外線吸収型アクリル系樹脂の組成面で
は、反応性ベンゾフェノン系化合物として、2−ヒドロ
キシ−4−メタクリルオキシベンゾフェノン或いは2−
ヒドロキシ−4−(2−メタクリルオキシ)エトキシベ
ンゾフェノンと、アクリル系モノマーとしてメタクリル
酸メチルとの組み合わせを主体としたものが特性面で特
に好ましい。また、アクリル系モノマーは20重量%以
上80重量%以下含有させた場合、透明性、塗膜特性が
優れるのでより好ましい。
【0019】紫外線吸収型アクリル系樹脂として、特に
好ましいものとしては、一方社油脂工業(株)製のUL
S−935LH、ULS−680等が例示される。
【0020】該紫外線吸収型アクリル系樹脂は水分散体
或いは有機溶媒体として用い得るが、有機溶媒体の場合
は、有機溶媒として、例えば周知のアルコール系、カル
ボン酸エステル系、ケトン系、脂肪族炭化水素、脂環式
又は芳香族炭化水素系及びこれらの混合系が挙げられ、
塗布性等に悪影響を及ぼさないものの選択が好ましい。
本発明では、被覆層の密着性や被覆層上に形成する樹
脂層等との易接着性を良化せしめるために、被覆層に更
に、その他のアクリル系共重合体樹脂を含有させること
が好ましい。該アクリル系共重合体樹脂の中でも、より
好ましいのはポリ(メタ)アクリル酸エステル共重合体
である。ポリ(メタ)アクリル酸エステル共重合体と
は、反応性モノマを含有するポリ(メタ)アクリル酸エ
ステル共重合体であり、かかる反応性モノマとしては、
官能基として、例えば、カルボキシル基(例えば、(メ
タ)アクリル酸など)、水酸基((メタ)アクリル酸2
−ヒドロキシエチルなど)、アミド基((メタ)アクリ
ル酸アミドなど)、グリシジル基((メタ)アクリル酸
グリシジルなど)、アミノ基((メタ)アクリル酸2−
ジエチルアミノエチルなど)等を含有する化合物が挙げ
られる。
【0021】該アクリル系共重合体樹脂は、その水酸基
価が40以上、好ましくは45以上のものがフィルム支
持体との密着性、塗膜形成性、易接着性等の点で好まし
い。本発明でいう水酸基価とは以下のように定義され
る。すなわち、試料1g中に含まれる水酸基のモル数に
相当する水酸化カリウムのmg数である。
【0022】また、該アクリル系共重合体樹脂の被覆層
内での含有量は固形分当り5〜40重量%、好ましくは
10〜30重量%の範囲にあるものが密着性、易接着性
の両立が計れるので望ましい。
【0023】本発明では、被覆層の密着性、耐溶剤性、
耐熱性をより良化せしめるため、被覆層が架橋されてい
るのが好ましい。架橋させるためには架橋結合剤が好ま
しく用いられる。
【0024】本発明でいう架橋結合剤とは、紫外線吸収
型アクリル系樹脂等に存在する官能基、例えばヒドロキ
シル基、カルボキシル基、グリシジル基、アミド基など
と架橋反応し、最終的には三次元網状構造を有する被覆
層とするための架橋剤で、代表例としてはメチロール化
或いはアルキロール化した尿素系、メラミン系、アクリ
ルアミド系、ポリアミド系樹脂、およびエポキシ化合
物、イソシアネート化合物、アジリジン化合物などを挙
げることができる。本発明では、これらの中でもフィル
ム支持体との密着性、架橋性などからイソシアネート化
合物の適用が好ましい。
【0025】これらの架橋結合剤は単独、場合によって
は2種以上併用してもよい。添加する架橋結合剤の量は
架橋剤の種類によって適宜選択されるが通常は全樹脂固
形分100重量部に対し、0.01〜50重量部が好ま
しく、0.2〜30重量部がより好ましい。また架橋結
合剤には、架橋触媒を併用するとより架橋が進めために
更に好ましい。架橋触媒としては塩類、無機物質、有機
物質、酸物質、アルカリ物質など公知のものを用いるこ
とができる。添加する架橋触媒の量は全樹脂固形分10
0重量部に対し0.001〜10重量部が好ましく、
0.1〜5重量部がより好ましい。架橋剤を加えた塗材
はフィルム支持体に塗布後、加熱、紫外線、電子線など
によって架橋されるが通常は加熱による方法が一般的で
ある。
【0026】本発明では、例えば本発明フィルムを表面
保護材として、他種基材とのラミネート加工時等に粘着
や滑性不足による作業性悪化を生じた場合、被覆層に無
機或いは有機の微粒子を含有せしめることが好ましい。
【0027】無機粒子としては、例えば、炭酸亜鉛、酸
化亜鉛、硫化亜鉛、タルク、カリオン、重質・軽質或い
は合成の炭酸カルシウム、酸化チタン、シリカ、コロイ
ダルシリカ、フッ化リチウム、フッ化カルシウム、硫酸
バリウム、アルミナ、アルミナゾル、ジルコニア、リン
酸カルシウム、天然或いは合成の膨潤性あるいは非膨潤
性のマイカ等や2種以上の金属酸化物の焼成により得ら
れる複合酸化物、焼成カドミウム等が挙げられ、有機粒
子としては、例えば、ポリスチレン、ポリメチルスチレ
ン、ポリメトキシスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリメタ
クリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリクロルア
クリレート、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、メ
ラミン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹
脂等が挙げられ、これらの中から選ばれた少なくとも1
種以上が適用されるが、特に限定されるものではない。
また微粒子は中空多孔質或いは非中空多孔質状態であっ
てもよい。さらに前記微粒子は、樹脂に対する分散性を
良化せしめるため表面にグリシジル基、メチロール基等
の官能基を付加させるなどの処理が施されてもよい。
【0028】微粒子の平均粒径は0.01〜500μm
が好ましく、0.1〜50μmの範囲にあるものが取扱
い性、塗工性等の点でより好ましい。また、微粒子の被
覆層内での含有量は0.1〜50重量%が好ましく、1
〜25重量%がより好ましい。含有量がこの範囲外で
は、作業性の低下をまねいたり、ラミネート加工品等の
密着性が低下し易い。
【0029】本発明でいうカチオン系ポリマーとは、第
4級アンモニウム塩などのカチオン系ポリマーであり、
中でもカチオン系アクリルポリマーが好ましく使用され
る。カチオン系アクリルポリマーの例として、ブチルメ
タクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレートの
塩などがあり、具体的には綜研化学(株)製の“エレコ
ンド”PQ−10、PQ−50B、B−149などが有
効に使用できる。このカチオン系ポリマーは、従来の帯
電防止剤と異なりポリマーであるから、被覆層において
均一に混在し、かつその状態が変化しないので、従来の
帯電防止剤ブリードアウトのような現象は発生しない。
したがって、紫外線吸収型アクリル樹脂による紫外線遮
断性が確保されつつ、カチオン系ポリマーによる優れた
帯電防止性が長期間低下することなく発揮される。
【0030】本発明では、被覆層の積層厚みは、特に限
定されるものではないが、0.01〜50μmが好まし
く、0.1〜20μmの範囲にあるものが被覆層の均一
形成性、密着性等の点でより好ましい。また、被覆層に
は必要に応じて、本発明の効果を損わない量で公知の添
加剤、例えば消泡剤、塗布性改良剤、増粘剤、染料等を
含有せしめてもよい。
【0031】また、被覆層内における紫外線吸収型アク
リル系樹脂(A)とカチオン系ポリマー(B)の比率
(A/B)は、好ましくは80/20〜40/60、よ
り好ましくは70/30〜50/50の範囲にあるもの
が被覆層と基材フィルムとの密着性や紫外線遮断性、帯
電防止性等の面で望ましい。
【0032】次に本発明フィルムの製造方法について説
明するが、かかる例に限定されるものではない。
【0033】まず、被覆層を設ける方法としては、製膜
工程内で基体となるフィルムにあらかじめ所定量に調整
した溶液を塗布し、しかる後に乾燥する方法、基体フィ
ルム単膜として巻き取った後に、塗布−乾燥の工程を設
ける方法などが好ましく適用できる。
【0034】塗布方法は特に限定されず押出ラミネート
法、メルトコーティング法等を用いてもよいが、高速で
薄膜コートすることが可能であるという理由からグラビ
アコート法、リバースコート法、キッスコート法、ダイ
コート法、メタリングバーコート法など公知の方法を適
用できる。尚、塗材濃度、塗膜乾燥条件は特に限定され
るものではないが、塗膜乾燥条件は被覆層や基体フィル
ムの諸特性に悪影響を及ぼさない範囲で行うのが望まし
い。
【0035】
【特性の測定方法および評価方法】本発明の特性値は、
次の測定方法、評価基準による。
【0036】(1)被覆層の密着性 被覆層/基材フィルムの密着性は、被覆層上に“セロテ
ープ”CT−24(ニチバン(株)製)を貼り、ハンド
ローラを用いて圧着させた後、“セロテープ”を180
゜方向に強制剥離し、被覆層の剥離度合いを観察し、以
下の如く判定した。
【0037】◎:非常に良好(剥離なし) ○:良好(剥離面積5%未満) △:やや劣る(剥離面積5%以上20%未満) ×:不良(剥離面積20%以上) (2)紫外線遮断性 日立340型広帯域自記分光々度計((株)日立製作所
製)を用いて、波長300〜400nm域の吸収スペク
トルを測定し、以下の如く判定した。
【0038】○:良好(波長300〜350nm域の光
線透過率10%未満) △:やや劣る(波長300〜350nm域の光線透過率
10%以上25%未満) ×:不良(波長300〜350nm域の光線透過率25
%以上) (3)表面電気抵抗 株式会社アドバンテスト製デジタル超高抵抗/微小電流
計(タイプR8340)を用いて、23℃、65%RH
で測定した。
【0039】(4)帯電性 スタティックオネストメータ・タイプS−4101(宍
戸商会製)を用い、放電電圧10kVで被覆層に帯電
後、23℃、65%RHにおける電荷減衰を半減値
(秒)で評価し、以下の如く判定した。
【0040】○:良好(1秒未満) △:やや劣る(1秒以上30秒未満) ×:不良(30秒以上) (5)易接着性 被覆層上にUVインク(東洋インキ(株)製FDO
(黒))を膜厚約1.5μmに塗布し、UVランプ12
0W/cm×2灯で7m/min(高さ200mm)で
照射硬化させ、24時間経過後、該UVインク層上に
“セロテープ”を貼り、以下上記(1)と同一方法で評
価し、判定した。
【0041】(6)密着耐久性 ユーブンコン試験機((株)東洋精機製作所製)を用い
て、800時間照射後の密着性を上記(1)と同様に評
価し、判定した。
【0042】
【実施例】本発明を以下の実施例、比較例を用いて説明
するが、本発明はこれらに限定されているものではな
い。
【0043】実施例1 厚さ60μmのエチレン−4フッ化エチレン共重合樹脂
フィルム(東レ(株)製)の塗設面をコロナ放電処理
し、該面にトルエン/メチルエチルケトン(混合比1:
1)を希釈溶媒とし、これに紫外線吸収型アクリル系樹
脂として“ULS−935LH”(一方社油脂工業
(株)製)及びカチオン系ポリマー“エレコンド”PQ
−50B(綜研化学(株)製)を固形分重量比1:1に
混合した濃度15重量%の均一塗材を塗布し、塗布層を
120℃で1分間乾燥させ、厚さ2.8μmの被覆層を
設けた。得られた複合フッ素フィルムの特性は表1に示
した通りであり、各特性に優れたものであった。
【0044】実施例2 実施例1と同じ基材フィルム上に、トルエン/メチルエ
チルケトン(混合比1:1)を希釈溶媒とし、下塗り処
理剤としてポリエステル樹脂“バイロン”200(東洋
紡(株)製)を混合した濃度5重量%の均一塗剤を塗布
し、塗布層を120℃で1分間乾燥させ、厚さ0.5μ
mの下塗り処理を施こし、該下塗り処理層上に以下実施
例1と同一手法で複合フィルムを得た。表1に示したよ
うに複合フィルムは各特性に優れていた。
【0045】実施例3 実施例1に基づき、塗材として実施例1の全樹脂固形分
に対して水酸基価60の熱架橋型アクリル樹脂“コータ
ックス”LH613(東レ(株)製)を固形分重量比
7:3に混合した濃度15重量%の均一塗材を塗布し、
塗布層を120℃で1分間乾燥させ、厚さ3.5μmの
被覆層を有する複合フィルムを作製した。表1に示した
ように、複合フィルムは各特性に優れていることが判
る。
【0046】実施例4 実施例1の塗材において、該塗材の樹脂固形分に対して
架橋結合剤としてイソシアネート化合物“スミジュー
ル”N−75(住友バイエル(株)製)を5重量部加え
たほかは、実施例1と同一手法で複合フィルムを得た。
複合フィルムの特性は表1に示した通り、各特性に優れ
たものであった。
【0047】
【0048】比較例1,2 実施例1に基づき、塗材としてメチルエチルケトン/ト
ルエン(混合比1:1)を希釈溶媒として熱架橋型アク
リル系樹脂“コータックス”LH613(東レ(株)
製)、紫外線吸収剤“SEESORB”709(シプロ
化成(株)製)、カチオン系ポリマー“エレコンド”P
Q−50B(綜研化学(株)製)を固形分重量比が4
2:8:50の組成で均一分散させた濃度15重量%の
塗材(比較例1)、及び同一希釈溶媒で熱架橋型アクリ
ル系樹脂“コータックス”LH613(東レ(株)
製)、紫外線吸収剤“アデカスタブ”LA−31(旭電
化工業(株)製)、カチオン系ポリマー“エレコンド”
PQ−50B(綜研化学(株)製)を固形分重量比が4
5:5:50の組成で均一分散させた濃度15重量%の
塗材(比較例2)の各々を実施例1と同一の基材フィル
ムに塗布し、塗布層を120℃で2.5分間乾燥させ厚
さ3.5μmの積層層を有する複合フィルムを得た。得
られた複合フィルムの特性を表1に示した。このような
組成物系では被覆層の密着耐久性に不安のあることが判
る。
【0049】比較例3 実施例1に基づき、実施例1の紫外線吸収型アクリル系
樹脂単一からなる塗材を用いたほかは同様にして複合フ
ィルムを得た。このように被覆層が紫外線吸収型アクリ
ル系樹脂のみでは満足する特性が得られないことが分か
る。
【0050】
【表1】
【0051】
【発明の効果】本発明の複合フィルムにおいては、フッ
素樹脂フィルムの少なくとも一表面上に、特定の樹脂組
成物を主成分とした被覆層を形成せしめたので、次のよ
うな優れた効果を得ることができた。
【0052】まず、本発明の複合フィルムは、ブリード
アウト等を生じることなく、優れた紫外線遮断性と帯電
防止性を兼備しており、しかもその優れた効果をそのま
ま持続させることができる。
【0053】また、本発明の複合フィルムは、被覆層の
密着性に優れており、しかも、その密着耐久性にも優れ
ている。
【0054】また、本発明の複合フィルムは、被覆層が
易接着性に優れているので印刷や貼り合せ等の後加工性
に優れている。
【0055】さらに、本発明の複合フィルムは、帯電防
止性に優れているので塵埃等の付着がなく、印刷や後加
工での取り扱い性に優れている。
【0056】本発明の複合フィルムは、上記のような優
れた特性を有するので、例えば包装用、電絶用、光学
用、グラフィック用、各種基材(プラスチック、ガラ
ス、金属、木材、紙、布、無機材料等)のオーバレイ
用、マーキングフィルム用、ラベル用、防汚シート用、
テント用、屋外展張用(農業ハウス等)など広範囲に適
用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−364947(JP,A) 特開 平2−180909(JP,A) 特開 平5−201118(JP,A) 特開 昭57−177027(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フッ素樹脂フィルムの少なくとも一表面
    上に、紫外線吸収型アクリル系樹脂及びカチオン系ポリ
    マーを主成分とした被覆層を設けてなることを特徴とす
    る複合フィルム。
  2. 【請求項2】 該フッ素樹脂フィルムが下塗り処理され
    てなることを特徴とする請求項1に記載の複合フィル
    ム。
  3. 【請求項3】 被覆層が水酸基価40以上のアクリル
    系共重合体樹脂を固形分当り5〜40重量%含有してな
    ることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の複
    合フィルム。
  4. 【請求項4】 被覆層が架橋されていることを特徴と
    する請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の複合フィ
    ルム。
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