JP2022003147A - 可塑剤、組成物及びタイヤ - Google Patents

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Shoko Nakahata
健介 鷲頭
Kensuke Washizu
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Abstract

【課題】温度変化に応答してタイヤ性能を変化させることができる可塑剤、組成物及びタイヤを提供する。【解決手段】温度変化により親水性が変化する基を有する、樹脂及び/又はエラストマー用の可塑剤。【選択図】なし

Description

本発明は、可塑剤、組成物及びタイヤに関する。
従来からタイヤには、種々の性能が求められている(例えば、特許文献1参照)。
特開2008−214377号公報
しかしながら、タイヤ業界では、温度変化に応答してタイヤ性能を変化させる点についてこれまで着目されておらず、従来の技術では、温度変化に応答してタイヤ性能を変化させるという点では改善の余地がある。
本発明は、前記課題を解決し、温度変化に応答してタイヤ性能を変化させることができる可塑剤、組成物及びタイヤを提供することを目的とする。
本発明は、温度変化により親水性が変化する基を有する、樹脂及び/又はエラストマー用の可塑剤に関する。
上記可塑剤は、オイル、エステル系可塑剤、液状又は固体樹脂のいずれかであることが好ましい。
上記基が、水中で下限臨界溶液温度を示す基であることが好ましい。
上記基が、下記式(I)で表される基であることが好ましい。
Figure 2022003147
(式中、nは1〜1000の整数を表し、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子又はヒドロカルビル基を表し、R及びRの少なくとも1つが水素原子ではなく、RとRとで環構造を形成してもよい。)
上記基が、ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)であることが好ましい。
本発明はまた、上記可塑剤を含む組成物に関する。
上記組成物は、ゴムを含むことが好ましい。
上記組成物は、タイヤトレッド用であることが好ましい。
本発明はまた、上記組成物を用いたタイヤ部材を有するタイヤに関する。
上記タイヤ部材が、トレッドであることが好ましい。
本発明によれば、温度変化により親水性が変化する基を有する、樹脂及び/又はエラストマー用の可塑剤であるので、温度変化に応答してタイヤ性能を変化させることができる。
(可塑剤)
本発明の可塑剤は、温度変化により親水性が変化する基を有する、樹脂及び/又はエラストマー用の可塑剤である。これにより、温度変化に応答してタイヤ性能を変化させることができる。
このような作用効果が得られる理由は必ずしも明らかではないが、以下のように推察される。
本発明の可塑剤は、温度変化により親水性が変化する基を有するため、温度変化により親水性が変化することで、組成物中の他の成分との相溶性が変化し、温度変化に応答してタイヤ性能が変化するものと推測される。
本明細書において、可塑剤とは、樹脂及び/又はエラストマーに可塑性を付与する材料であり、液体可塑剤(25℃で液体(液状)の可塑剤)及び固体可塑剤(25℃で固体の可塑剤)を含む概念である。具体的には、組成物からアセトンを用いて抽出されるような成分である。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本明細書において、温度変化により親水性が変化する基とは、温度の変化によって親水性が変化する基であればよく、温度の変化によって親水性が可逆的に変化する基であることが好ましい。
温度の変化によって親水性が可逆的に変化する基としては、温度応答性高分子(温度応答性高分子基)が挙げられる。すなわち、温度変化により親水性が変化する基を有する可塑剤とは、例えば、温度応答性高分子により形成された基を有する可塑剤を意味する。上記可塑剤としては、例えば、温度応答性高分子がグラフトされた可塑剤、主鎖中に温度応答性高分子単位を有する可塑剤、主鎖中に温度応答性高分子ブロックを有する可塑剤等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
温度応答性高分子は、水中で温度変化に応じて、水和と脱水和に伴うポリマー鎖のコンフォメーション変化を可逆的に生起し、温度の変化によって親水性、疎水性が可逆的に変化する材料である。この可逆変化は、一つの分子内に水素結合が可能な親水性基と、水とはなじみにくい疎水性基を有する分子構造に起因するものであることが知られている。
そして、本発明者は、温度応答性高分子は、水中だけではなく、樹脂及び/又はエラストマーを含む組成物中であっても、温度の変化によって親水性、疎水性が可逆的に変化することを見出した。
温度応答性高分子としては、水中で下限臨界溶液温度(Lower Critical Solution Temperature;LCST、下限臨界共溶温度、下限臨界溶解温度とも言う)を示す高分子と、水中で上限臨界溶液温度(Upper Critical Solution Temperature;UCST、上限臨界共溶温度、上限臨界溶解温度とも言う)を示す高分子が知られている。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
LCSTを示す高分子は、LCSTを境にそれより高い温度ではその分子内、又は分子間の疎水結合が強まりポリマー鎖が凝集し、疎水性となる。一方、LCSTよりも低い温度では、ポリマー鎖が水分子を結合し水和し、親水性となる。このように、LCSTを境に可逆的な相転移挙動を示す。
逆にUCSTを示す高分子は、UCSTよりも低温で疎水性となって不溶となる一方、UCSTよりも高温で親水性となり溶解する。このように、UCSTを境に可逆的な相転移挙動を示す。これは、複数個のアミド基を側鎖に有しており、側鎖間の水素結合を駆動力として分子間力が働き、UCST型挙動を示すと考えられている。
温度の変化によって親水性が可逆的に変化する基が、LCSTを示す高分子である場合、温度変化により、組成物中の他の成分と非相溶となることでガラス転移温度が変化し、温度変化に応答してタイヤ性能(例えば、ウェットグリップ性能、アイスグリップ性能)を変化させることができる。
上記可塑剤では、温度の変化によって親水性が可逆的に変化する基が、LCSTを示す高分子であることが好ましい。すなわち、温度変化により親水性が変化する基が、水中で下限臨界溶液温度を示す基であることが好ましい。
ここで、本明細書において、水中で下限臨界溶液温度(LCST)を示す基とは、可塑剤が有する基を可塑剤から切断し、切断した基(高分子)を水中に投入した場合に、水中で下限臨界溶液温度を示す基を意味する。
同様に、本明細書において、水中で上限臨界溶液温度(UCST)を示す基とは、可塑剤が有する基を可塑剤から切断し、切断した基(高分子)を水中に投入した場合に、水中で上限臨界溶液温度を示す基を意味する。
以下において、LCSTを示す基(高分子)について説明する。
LCSTを示す基(高分子)は単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
LCSTを示す基(高分子)としては、LCSTを示す基(高分子)であれば特に限定されないが、ポリ(N−置換(メタ)アクリルアミド)が好ましく、ポリ(N−置換(メタ)アクリルアミド)のなかでも、下記式(I)で表される基が好ましい。
Figure 2022003147
(式中、nは1〜1000の整数を表し、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子又はヒドロカルビル基を表し、R及びRの少なくとも1つが水素原子ではなく、RとRとで環構造を形成してもよい。)
nは、好ましくは3以上、より好ましくは5以上、更に好ましくは10以上、特に好ましくは20以上であり、好ましくは500以下、より好ましくは300以下、更に好ましくは150以下、特に好ましくは80以下、最も好ましくは40以下、より最も好ましくは30以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
及びRのヒドロカルビル基の炭素数は、特に限定されないが、好ましくは1以上、より好ましくは2以上、更に好ましくは3以上であり、好ましくは20以下、より好ましくは18以下、更に好ましくは14以下、特に好ましくは10以下、最も好ましくは6以下、より最も好ましくは4以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
及びRのヒドロカルビル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、イソペンチル基、n−ヘキシル基などのアルキル基;シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;メチルフェニル基、エチルフェニル基等のアリール基等があげられる。なかでも、アルキル基、シクロアルキル基が好ましく、アルキル基がより好ましい。
とRとで形成する環構造の炭素数は、好ましくは3以上、より好ましくは4以上であり、好ましくは7以下、より好ましくは5以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
及びRのヒドロカルビル基は、分岐であっても非分岐であってもよいが、分岐が好ましい。
及びRとしては、水素原子、アルキル基(特に、分岐のアルキル基)、シクロアルキル基、RとRとで形成する環構造が好ましく、表1に示す組み合わせがより好ましく、水素原子、アルキル基(特に、分岐のアルキル基)の組み合わせが更に好ましく、水素原子、プロピル基(特に、イソプロピル基)の組み合わせが特に好ましい。
Figure 2022003147
のヒドロカルビル基の炭素数は、特に限定されないが、好ましくは1以上、好ましくは5以下、より好ましくは3以下、更に好ましくは2以下、特に好ましくは1である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
のヒドロカルビル基としては、R及びRのヒドロカルビル基と同様の基があげられる。なかでも、アルキル基が好ましい。
のヒドロカルビル基は、分岐であっても非分岐であってもよい。
としては、水素原子、アルキル基が好ましく、水素原子がより好ましい。
上記式(I)で表される基としては、例えば、ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)、ポリ(N−エチルアクリルアミド)、ポリ(N−n−プロピルアクリルアミド)、ポリ(N−エチル,N−メチルアクリルアミド)、ポリ(N,N−ジエチルアクリルアミド)、ポリ(N−イソプロピル,N−メチルアクリルアミド)、ポリ(N−シクロプロピルアクリルアミド)、ポリ(N−アクリロイルピロリジン)、ポリ(N−アクリロイルピペリジン)等のポリ(N−アルキルアクリルアミド)ポリマー;
ポリ(N−イソプロピルメタクリルアミド)、ポリ(N−エチルメタクリルアミド)、ポリ(N−n−プロピルメタクリルアミド)、ポリ(N−エチル,N−メチルメタクリルアミド)、ポリ(N,N−ジエチルメタクリルアミド)、ポリ(N−イソプロピル,N−メチルメタクリルアミド)、ポリ(N−シクロプロピルメタクリルアミド)、ポリ(N−メタクリロイルピロリジン)、ポリ(N−メタクリロイルピペリジン)等のポリ(N−アルキルメタクリルアミド)ポリマー;等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)、ポリ(N,N−ジエチルアクリルアミド)が好ましく、ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)(PNIPAM)がより好ましい。
PNIPAMは、小さな温度変化に応答して、大きな表面エネルギーの変化を示す熱感受性材料である。例えば、N.Moriら、Temperature Induced Changes in the Surface Wettability of SBR+PNIPA Films、292、Macromol.Mater.Eng.917、917−22(2007)を参照。
PNIPAMは、側鎖に疎水性のイソプロピル基と、イソプロピル基の根元部分に親水性のアミド結合を有する。
32℃より低い温度では、親水性部分であるアミド結合と水分子が水素結合を形成し、水に溶解する一方、32℃以上の温度では、分子の熱運動が激しくなり、水素結合が切断され、側鎖の疎水性部分であるイソプロピル基によって、分子内、分子間において疎水結合が強まりポリマー鎖が凝集し、水に不溶となる。
このように、PNIPAMの親水性状態と疎水性状態のスイッチング温度であるLCSTは約32℃である。
PNIPAMポリマー膜の上に置かれた水滴の接触角は、温度がLSCTより上および下で劇的に変化する。例えば、PNIPAM膜の上に置かれた水滴の接触角は、32℃未満で約60°(親水性)から、32℃を超える温度まで加熱すると、約93°を超える(疎水性)。
PNIPAM基を有する可塑剤は、PNIPAM基が約32℃で親水性/疎水性の表面物性が大きく変化するため、樹脂及び/又はエラストマー用の可塑剤として使用することにより、温度変化に応答してタイヤ性能を変化させることができる。
上記式(I)で表される基以外のLCSTを示す基(高分子)としては、例えば、下記式(II)で表されるポリ(N−ビニル−カプロラクタム)(LSCT:約31℃)、下記式(III)で表されるポリ(2−アルキル−2−オキサゾリン)(LSCTは、Rがエチル基の場合には約62℃、Rがイソプロピル基の場合には約36℃であり、Rがn−プロピル基の場合には約25℃)、アルキル置換セルロース(例えば、下記式(IV)で表されるメチルセルロース(LSCT:約50℃)、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、ポリ(N−エトキシエチルアクリルアミド)(LSCT:約35℃)、ポリ(N−エトキシエチルメタクリルアミド)(LSCT:約45℃)、ポリ(N−テトラヒドロフルフリルアクリルアミド)(LSCT:約28℃)、ポリ(N−テトラヒドロフルフリルメタクリルアミド)(LSCT:約35℃)、ポリビニルメチルエーテル、ポリ[2−(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート]、ポリ(3−エチル−N−ビニル−2−ピロリドン)、ヒドロキシルブチルキトサン、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート、2〜6個のエチレングリコール単位を有するポリ(エチレングリコール)メタクリレート、ポリエチレングリコール−co−ポリプロピレングリコール(好ましくは2〜8個のエチレングリコール単位と2〜8個のポリプロピレン単位とを有するもの、より好ましくは式(A)の化合物)、エトキシル化イソ−C1327−アルコール(好ましくは4〜8のエトキシル化度を有するもの)、4〜50個、好ましくは4〜20個のエチレングリコール単位を有するポリエチレングリコール、4〜30個、好ましくは4〜15個のプロピレングリコール単位を有するポリプロピレングリコール、4〜50個、好ましくは4〜20個のエチレングリコール単位を有するポリエチレングリコールのモノメチル、ジメチル、モノエチル、およびジエチルエーテル、4〜50個、好ましくは4〜20個のプロピレングリコール単位を有するポリプロピレングリコールのモノメチル、ジメチル、モノエチル、およびジエチルエーテル等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(A)HO−[−CH−CH−O]−[−CH(CH)−CH−O]−[−CH−CH−O]−H
(式中、y=3〜10かつxおよびz=1〜8であり、ここでy+x+zは5〜18である)
Figure 2022003147
(式(II)〜(IV)中、nは上記式(I)のnと同様である。式(III)中、Rは、n−プロピル基、イソプロピル基又はエチル基から選択されるアルキル基である。)
温度変化により親水性が変化する基(温度応答性高分子により形成された基)の重量平均分子量は、好ましくは330以上、より好ましくは560以上、更に好ましくは1130以上であり、好ましくは57000以下、より好ましくは34000以下、更に好ましくは17000以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
温度応答性高分子の相転移温度(下限臨界溶液温度(LCST)又は上限臨界溶液温度(UCST))は、好ましくは5℃以上、より好ましくは15℃以上、更に好ましくは20℃以上、特に好ましくは25℃以上であり、好ましくは60℃以下、より好ましくは50℃以下、更に好ましくは40℃以下、特に好ましくは35℃以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
本明細書において、温度応答性高分子の相転移温度の測定は、温調機能付き分光光度計を用いて行う。10質量%に調整した温度応答性高分子水溶液をセルに入れ、蒸発を防ぐためにパラフィルムでふたをし、セル内温度センサをとりつけ、測定波長600nm、取り込み温度0.1℃、昇温速度0.1℃として、実験を行い、相転移温度は透過率が90%に達したときの温度とした。
ここで、温度応答性高分子は、可塑剤が有する温度応答性高分子基を可塑剤から切断した切断後の温度応答性高分子基(温度応答性高分子)を意味する。
上記可塑剤100質量%中の温度変化により親水性が変化する基(温度応答性高分子により形成された基)の含有量は、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは1質量%以上、更に好ましくは5質量%以上、特に好ましくは10質量%以上、最も好ましくは20質量%以上、より最も好ましくは30質量%以上、更に最も好ましくは40質量%以上であり、好ましくは99質量%以下、より好ましくは80質量%以下、更に好ましくは70質量%以下、特に好ましくは60質量%以下、最も好ましくは50質量%以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
上記の通り、温度変化により親水性が変化する基を有する可塑剤とは、例えば、温度応答性高分子により形成された基を有する可塑剤を意味する。
具体的には、温度変化により親水性が変化する基を有する可塑剤とは、オイル、エステル系可塑剤、液状または固体樹脂のいずれか(以下では、まとめてオイル等とも言う)であって、温度応答性高分子により形成された基を有するものである。これらは、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
従来から使用されてきたオイル等は、通常、温度応答性高分子により形成された基を有さない。
そこで、上記可塑剤として、市販品があれば市販品を使用してもよいが、公知の合成技術を使用して上記可塑剤を製造すればよい。例えば、特開2005−314419号公報、特表2016−505679号公報、特表2015−531672号公報、特開2003−252936号公報、特開2004−307523号公報等を参考にして上記可塑剤を製造すればよい。
上記可塑剤の製造方法としては、例えば、公知の方法に従って、オイル等に温度応答性高分子をグラフトさせればよい。これにより、温度応答性高分子がグラフトされた可塑剤が製造できる。例えば、PNIPAMがグラフトされた可塑剤を製造するためには、PNIPAMを構成するモノマーであるイソプロピルアクリルアミド(NIPAM)をオイル等にグラフト重合させればよい。
また、PNIPAMの末端に官能基を付与し、末端官能基化PNIPAMをオイル等に反応させて、温度応答性高分子がグラフトされた可塑剤を製造してもよい。
上記可塑剤の他の製造方法としては、例えば、公知の方法に従って、温度応答性高分子単位を形成可能なモノマー成分を使用して可塑剤を合成すればよい。これにより、主鎖中に温度応答性高分子単位を有する可塑剤が製造できる。
例えば、主鎖中にPNIPAM単位を有する可塑剤を製造するためには、PNIPAMを構成するモノマーであるイソプロピルアクリルアミド(NIPAM)をモノマー成分として使用してオイル等(特に、液状樹脂、固体樹脂)を重合すればよい。より具体的には、スチレン、1,3−ブタジエンに加えて、NIPAMをモノマー成分として使用して重合することにより、主鎖中にPNIPAM単位を有する液状樹脂(液状スチレン−ブタジエン−NIPAMポリマー)を製造できる。
また、重合方法を適宜調整することにより、ランダムコポリマー、ブロックコポリマーを製造できるが、該技術を使用して、主鎖中に温度応答性高分子ブロックを有する可塑剤も製造できる。
温度応答性高分子(例えば、式(I)〜(IV)で表される基)の末端について説明する。
温度応答性高分子がグラフトされた可塑剤の場合、温度応答性高分子の一方の末端は、主鎖又は主鎖への結合手であり、もう一方の末端は、通常は水素原子であるが、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)等の重合開始剤が結合していることもある。
主鎖中に温度応答性高分子単位を有する可塑剤や主鎖中に温度応答性高分子ブロックを有する可塑剤の場合、温度応答性高分子の末端は、他の構成単位又は他の構成単位への結合手であり、温度応答性高分子単位(温度応答性高分子ブロック)が分子末端に存在する場合は、一方の末端は、通常は水素原子であるが、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)等の重合開始剤が結合していることもある。
以下において、温度変化により親水性が変化する基(温度応答性高分子により形成された基)が導入される、オイル、エステル系可塑剤、液状樹脂、固体樹脂(まとめてオイル等とも言う)について説明する。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。上記基が導入されるオイル等は、特に限定されず、可塑性を有するものであればよく、例えば、タイヤ配合物として、一般的に用いられるものを使用できる。上記基が導入されるオイル等としては、オイル、液状樹脂、固体樹脂が好ましく、液状樹脂、固体樹脂がより好ましく、固体樹脂が更に好ましい。
上記オイルとしては、特に限定されず、パラフィン系プロセスオイル、アロマ系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイルなどのプロセスオイル、TDAE、MES等の低PCA(多環式芳香族)プロセスオイル、植物油脂、及びこれらの混合物等、従来公知のオイルを使用できる。これらは、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、アロマ系プロセスオイルが好ましい。上記アロマ系プロセスオイルとしては、具体的には、出光興産(株)製のダイアナプロセスオイルAHシリーズ等が挙げられる。
オイルとしては、例えば、出光興産(株)、三共油化工業(株)、(株)ジャパンエナジー、オリソイ社、H&R社、豊国製油(株)、昭和シェル石油(株)、富士興産(株)等の製品を使用できる。
エステル系可塑剤としては、前記植物油;グリセリン脂肪酸モノエステル、グリセリン脂肪酸ジエステル、グリセリン脂肪酸トリエステル等の合成品や植物油の加工品;リン酸エステル(ホスフェート系、これらの混合物等);が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
エステル系可塑剤として、例えば、下記式で示される脂肪酸エステルを好適に使用できる。
Figure 2022003147
(式中、R11は、炭素数1〜8の直鎖若しくは分枝状アルキル基、炭素数1〜8の直鎖若しくは分枝状アルケニル基、又は1〜5個のヒドロキシル基で置換された炭素数2〜6の直鎖又は分枝状アルキル基を表す。R12は、炭素数11〜21のアルキル基又はアルケニル基を表す。)
11としては、メチル基、エチル基、2−エチルヘキシル基、イソプロピル基、オクチル基、これらの基が1〜5個のヒドロキシル基で置換された基、等が挙げられる。R12としては、ラウリル基、ミリスチル基、パルミチル基、ステアリル基、オレイル基等の直鎖又は分岐状アルキル基、アルケニル基が挙げられる。
脂肪酸エステルとしては、オレイン酸アルキル、ステアリン酸アルキル、リノール酸アルキル、パルミチン酸アルキル等が挙げられる。なかでも、オレイン酸アルキル(オレイン酸メチル、オレイン酸エチル、オレイン酸2−エチルヘキシル、オレイン酸イソプロピル、オレイン酸オクチル等)が好ましい。この場合、脂肪酸エステル100質量%中のオレイン酸アルキルの含有量は、80質量%以上が好ましい。
脂肪酸エステルとしては、脂肪酸(オレイン酸、ステアリン酸、リノール酸、パルミチン酸等)と、アルコール(エチレングリコール、グリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリトール、エリトリトール、キシリトール、ソルビトール、ズルシトール、マンニトール、イノシトール等)との脂肪酸モノエステル及び脂肪酸ジエステル等も挙げられる。なかでも、オレイン酸モノエステルが好ましい。この場合、脂肪酸モノエステル及び脂肪酸ジエステルの合計量100質量%中のオレイン酸モノエステルの含有量は、80質量%以上が好ましい。
エステル系可塑剤として、リン酸エステルも好適に使用できる。
リン酸エステルは、炭素数が12〜30の化合物であることが好ましく、なかでも、炭素数12〜30のリン酸トリアルキルが好適である。なお、リン酸トリアルキルの炭素原子数は、3つのアルキル基の炭素原子の総数を意味し、当該3つのアルキル基は、同一の基でも、異なる基でもよい。アルキル基は、例えば、直鎖又は分岐状アルキル基が挙げられ、酸素原子などのヘテロ原子を含むものでも、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲン原子で置換されたものでもよい。
リン酸エステルとしては、リン酸と、炭素数1〜12のモノアルコール又はその(ポリ)オキシアルキレン付加物とのモノ、ジ又はトリエステル;前記リン酸トリアルキルのアルキル基の1又は2個がフェニル基に置換された化合物;等、公知のリン酸エステル系可塑剤も挙げられる。具体的には、トリス(2−エチルヘキシル)ホスフェート、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、2−エチルヘキシルジフェニルホスフェート、トリス(2−ブトキシエチル)ホスフェート等が挙げられる。
固体樹脂としては、例えば、テルペン系樹脂(ロジン系樹脂を含む)、スチレン系樹脂、C5系樹脂、C9系樹脂、C5/C9系樹脂、クマロンインデン系樹脂(クマロン、インデン単体樹脂を含む)、オレフィン系樹脂、ウレタン樹脂、アクリル系樹脂、p−t−ブチルフェノールアセチレン樹脂、ジシクロペンタジエン系樹脂(DCPD系樹脂)等の25℃で固体のレジンが挙げられる。上記樹脂は、水素添加されたものであってもよい。これらは、1種でも2種以上の混合物でもよく、また、樹脂自体が複数の由来のモノマー成分を共重合したものでもよい。なかでも、スチレン系樹脂が好ましい。
固体樹脂としては、例えば、丸善石油化学(株)、住友ベークライト(株)、ヤスハラケミカル(株)、東ソー(株)、Rutgers Chemicals社、BASF社、アリゾナケミカル社、日塗化学(株)、(株)日本触媒、JXTGエネルギー(株)、荒川化学工業(株)、田岡化学工業(株)等の製品を使用できる。
固体樹脂の軟化点は、好ましくは30℃以上、より好ましくは60℃以上、更に好ましくは80℃以上であり、好ましくは200℃以下、より好ましくは160℃以下、更に好ましくは140℃以下、特に好ましくは120℃以下である。上記範囲内にすることで、効果がより好適に得られる傾向がある。
なお、本明細書において、レジン(樹脂)の軟化点は、JIS K 6220−1:2001に規定される軟化点を環球式軟化点測定装置で測定し、球が降下した温度である。
上記テルペン系樹脂としては、テルペン化合物に由来する単位を有する樹脂であれば特に限定されず、例えば、ポリテルペン(テルペン化合物を重合して得られる樹脂)、テルペン芳香族樹脂(テルペン化合物と芳香族化合物とを共重合して得られる樹脂)、芳香族変性テルペン樹脂(テルペン樹脂を芳香族化合物で変性して得られる樹脂)などが挙げられる。
上記テルペン化合物は、(Cの組成で表される炭化水素及びその含酸素誘導体で、モノテルペン(C1016)、セスキテルペン(C1524)、ジテルペン(C2032)などに分類されるテルペンを基本骨格とする化合物であり、例えば、α−ピネン、β−ピネン、ジペンテン、リモネン、ミルセン、アロオシメン、オシメン、α−フェランドレン、α−テルピネン、γ−テルピネン、テルピノレン、1,8−シネオール、1,4−シネオール、α−テルピネオール、β−テルピネオール、γ−テルピネオールなどが挙げられる。上記テルペン化合物としてはまた、アビエチン酸、ネオアビエチン酸、パラストリン酸、レボピマール酸、ピマール酸、イソピマール酸などの樹脂酸(ロジン酸)なども挙げられる。すなわち、上記テルペン系樹脂には、松脂を加工することにより得られるロジン酸を主成分とするロジン系樹脂も含まれる。なお、ロジン系樹脂としては、ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジンなどの天然産のロジン樹脂(重合ロジン)の他、マレイン酸変性ロジン樹脂、ロジン変性フェノール樹脂などの変性ロジン樹脂、ロジングリセリンエステルなどのロジンエステル、ロジン樹脂を不均化することによって得られる不均化ロジン樹脂などが挙げられる。
上記芳香族化合物としては、芳香環を有する化合物であれば特に限定されないが、例えば、フェノール、アルキルフェノール、アルコキシフェノール、不飽和炭化水素基含有フェノールなどのフェノール化合物;ナフトール、アルキルナフトール、アルコキシナフトール、不飽和炭化水素基含有ナフトールなどのナフトール化合物;スチレン、アルキルスチレン、アルコキシスチレン、不飽和炭化水素基含有スチレンなどのスチレン誘導体などが挙げられる。これらのなかでも、スチレンが好ましい。
上記スチレン系樹脂は、スチレン系単量体を構成モノマーとして用いたポリマーであり、スチレン系単量体を主成分(50質量%以上、好ましくは80質量%以上)として重合させたポリマー等が挙げられる。具体的には、スチレン系単量体(スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−フェニルスチレン、o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン等)をそれぞれ単独で重合した単独重合体、2種以上のスチレン系単量体を共重合した共重合体の他、スチレン系単量体及びこれと共重合し得る他の単量体のコポリマーも挙げられる。なかでも、スチレン系単量体及びこれと共重合し得る他の単量体のコポリマーが好ましい。
前記他の単量体としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのアクリロニトリル類、アクリル類、メタクリル酸などの不飽和カルボン酸類、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチルなどの不飽和カルボン酸エステル類、クロロプレン、ブタジエンイソプレンなどのジエン類、1−ブテン、1−ペンテンのようなオレフィン類;無水マレイン酸等のα,β−不飽和カルボン酸又はその酸無水物;等が例示できる。なかでも、不飽和カルボン酸類が好ましく、アクリル類、メタクリル酸がより好ましい。
なかでも、α−メチルスチレン系樹脂(α−メチルスチレン単独重合体、α−メチルスチレンとスチレンとの共重合体等)が好ましく、α−メチルスチレンとスチレンとの共重合体がより好ましい。
また、(メタ)アクリル成分と共にスチレンに由来する成分を構成要素とするスチレンアクリル樹脂も好ましい。
液状樹脂としては、前記固体樹脂と類似構造で軟化点が低い樹脂を用いることができ、例えば、25℃で液状のテルペン系樹脂(ロジン系樹脂を含む)、スチレン系樹脂、C5系樹脂、C9系樹脂、C5/C9系樹脂、クマロンインデン系樹脂(クマロン、インデン単体樹脂を含む)、オレフィン系樹脂、ウレタン樹脂、アクリル系樹脂、p−t−ブチルフェノールアセチレン樹脂、ジシクロペンタジエン系樹脂(DCPD系樹脂)等の25℃で液状のレジンが挙げられる。上記樹脂は、水素添加されたものであってもよい。これらは、1種でも2種以上の混合物でもよく、また、樹脂自体が複数の由来のモノマー成分を共重合したものでもよい。
更に別の液状樹脂としては、例えば、液状(25℃において液状を意味する、以下同様)のファルネセン単独重合体、液状ファルネセン−スチレン共重合体、液状ファルネセン−ブタジエン共重合体、液状ファルネセン−スチレン−ブタジエン共重合体、液状ファルネセン−イソプレン共重合体、液状ファルネセン−スチレン−イソプレン共重合体等の液状ファルネセン系ポリマー;液状ミルセン単独重合体、液状ミルセン−スチレン共重合体、液状ミルセン−ブタジエン共重合体、液状ミルセン−スチレン−ブタジエン共重合体、液状ミルセン−イソプレン共重合体、液状ミルセン−スチレン−イソプレン共重合体等の液状ミルセン系ポリマー;液状スチレンブタジエン共重合体(液状SBR)、液状ブタジエン重合体(液状BR)、液状イソプレン重合体(液状IR)、液状スチレンイソプレン共重合体(液状SIR)、液状スチレンブタジエンスチレンブロック共重合体(液状SBSブロックポリマー)、液状スチレンイソプレンスチレンブロック共重合体(液状SISブロックポリマー)等の液状ジエン系ポリマー;ポリエチレンやポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂をハードセグメント(硬質相)とし、ゴム成分をソフトセグメント(軟質相)とする液状オレフィン系ポリマー;ハードセグメントとしてポリエステルと、ソフトセグメントとしてポリエーテルまたはポリエステルなどを含む液状エステル系ポリマー;等が挙げられる。これらは、末端や主鎖が極性基で変性されていても構わない。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、液状ジエン系ポリマーが好ましく、液状BRがより好ましい。また、液状樹脂は、マレイン酸変性が施されていることも更に好ましい。
上記液状樹脂としては、例えば、丸善石油化学(株)、住友ベークライト(株)、ヤスハラケミカル(株)、東ソー(株)、Rutgers Chemicals社、BASF社、アリゾナケミカル社、日塗化学(株)、(株)日本触媒、JXTGエネルギー(株)、荒川化学工業(株)、田岡化学工業(株)、サートマー社、(株)クラレ等の製品を使用できる。
温度変化により親水性が変化する基を有する可塑剤としては、水中で下限臨界溶液温度を示す基を有する可塑剤であることが好ましく、ポリ(N−置換(メタ)アクリルアミド)を有する可塑剤であることがより好ましく、上記式(I)で表される基を有する可塑剤であることが更に好ましく、ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)を有する可塑剤であることが特に好ましい。
更に、上記可塑剤としては、上記基が、液状樹脂又は固体樹脂に導入されていることが好ましい。また、上記可塑剤としては、上記基が、スチレン系樹脂に導入されていることがより好ましく、スチレン系単量体及びこれと共重合し得る他の単量体のコポリマーに導入されていることが更に好ましく、スチレンアクリル樹脂に導入されていることが特に好ましい。また、上記可塑剤としては、上記基が、液状ジエン系ポリマーに導入されていることがより好ましく、液状BRに導入されていることが更に好ましい。
温度変化により親水性が変化する基を有する可塑剤は、樹脂及び/又はエラストマー用の可塑剤である。
上記可塑剤を適用することが可能な樹脂としては、特に限定されず、上記樹脂に加えて、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステルカーボネート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリスルフォン樹脂、ポリエーテルスルフォン樹脂、ポリアリーレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリケトン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリアリールケトン樹脂、ポリエーテルニトリル樹脂、液晶樹脂、ポリベンズイミダゾール樹脂、ポリパラバン酸樹脂、ポリオレフィン樹脂、塩化ビニル系樹脂、セルロース樹脂等の熱可塑性樹脂;エポキシ樹脂、ポリアミドイミド樹脂、熱硬化性ポリエステル樹脂(不飽和ポリエステル樹脂)、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、フッ素系樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、ポリイミド樹脂、アルキド樹脂、ポリビニルエステル樹脂、ポリフタル酸ジアリル樹脂、ビスマレイミド−トリアジン樹脂、フラン樹脂、キシレン樹脂、グアナミン樹脂、マレイン樹脂、ポリエーテル樹脂等の熱硬化性樹脂;等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記可塑剤を適用することが可能なエラストマーとしては、特に限定されず、例えば、イソプレン系ゴム、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレンイソプレンブタジエンゴム(SIBR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)等、タイヤ用組成物のゴム成分として一般的に使用されるジエン系ゴム;ブチルアクリレートゴム、エチルアクリレートゴム、オクチルアクリレートゴムなどのアクリルゴム、ニトリルゴム、イソブチレンゴム、メチルメタクリレート−ブチルアクリレートブロック共重合体、エチレン−プロピレン共重合体(EPR)、クロロスルホン化ポリエチレン、シリコーンゴム(ミラブル型、室温加硫型)、ブチルゴム、フッ素ゴム、オレフィン系熱可塑性エラストマー、スチレン系熱可塑性エラストマー、塩ビ系熱可塑性エラストマー、ウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、フッ素系熱可塑性エラストマー、スチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体(SIBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン−イソブチレンブロック共重合体(SIB)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−エチレン・ブテン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−エチレン・プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)、スチレン−エチレン・エチレン・プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEEPS)、スチレン−ブタジエン・ブチレン−スチレンブロック共重合体(SBBS)等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記可塑剤を適用することが可能な樹脂、エラストマーのなかでも、ゴムが好ましく、ジエン系ゴムがより好ましく、イソプレン系ゴム、BR、SBRが更に好ましい。
(組成物)
次に、上記可塑剤(温度変化により親水性が変化する基を有する可塑剤)を含む組成物について説明する。
上記組成物において、上記可塑剤の含有量は、ポリマー成分100質量部(好ましくはゴム成分100質量部)に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは1質量部以上、更に好ましくは3質量部以上、特に好ましくは5質量部以上、最も好ましくは10質量部以上であり、好ましくは200質量部以下、より好ましくは100質量部以下、更に好ましくは80質量部以下、特に好ましくは60質量部以下、最も好ましくは50質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
上記可塑剤と共に、上記可塑剤以外の可塑剤を使用してもよい。上記可塑剤以外の可塑剤としては、上述の上記基が導入されるオイル等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
可塑剤の合計含有量(上記可塑剤及び上記可塑剤以外の可塑剤の合計含有量)は、上記可塑剤の含有量と同様である。
なお、可塑剤の含有量には、ゴム(油展ゴム)、硫黄(オイル含有硫黄)に含まれる可塑剤の量も含まれる。
上記組成物において、使用できるポリマー成分としては、上述の上記可塑剤を適用することが可能な樹脂、エラストマーが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、ゴムが好ましく、ジエン系ゴムがより好ましく、イソプレン系ゴム、BR、SBRが更に好ましい。
ここで、ポリマー成分(好ましくはゴム成分)は、重量平均分子量(Mw)が20万以上が好ましく、より好ましくは35万以上のポリマー(ゴム)である。Mwの上限は特に限定されないが、好ましくは400万以下、より好ましくは300万以下である。
なお、本明細書において、Mw、数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)(東ソー(株)製GPC−8000シリーズ、検出器:示差屈折計、カラム:東ソー(株)製のTSKGEL SUPERMULTIPORE HZ−M)による測定値を基に標準ポリスチレン換算により求めることができる。
ポリマー成分100質量%(好ましくはゴム成分100質量%)中のジエン系ゴムの含有量は、好ましくは20質量%以上、より好ましくは50質量%以上、更に好ましくは70質量%以上、特に好ましくは80質量%以上、最も好ましくは90質量%以上であり、100質量%であってもよい。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
ポリマー成分は、非変性ポリマーでもよいし、変性ポリマーでもよい。
変性ポリマーとしては、シリカ等の充填剤と相互作用する官能基を有するポリマー(好ましくはジエン系ゴム)であればよく、例えば、ポリマーの少なくとも一方の末端を、上記官能基を有する化合物(変性剤)で変性された末端変性ポリマー(末端に上記官能基を有する末端変性ポリマー)や、主鎖に上記官能基を有する主鎖変性ポリマーや、主鎖及び末端に上記官能基を有する主鎖末端変性ポリマー(例えば、主鎖に上記官能基を有し、少なくとも一方の末端を上記変性剤で変性された主鎖末端変性ポリマー)や、分子中に2個以上のエポキシ基を有する多官能化合物により変性(カップリング)され、水酸基やエポキシ基が導入された末端変性ポリマー等が挙げられる。
上記官能基としては、例えば、アミノ基、アミド基、シリル基、アルコキシシリル基、イソシアネート基、イミノ基、イミダゾール基、ウレア基、エーテル基、カルボニル基、オキシカルボニル基、メルカプト基、スルフィド基、ジスルフィド基、スルホニル基、スルフィニル基、チオカルボニル基、アンモニウム基、イミド基、ヒドラゾ基、アゾ基、ジアゾ基、カルボキシル基、ニトリル基、ピリジル基、アルコキシ基、水酸基、オキシ基、エポキシ基等が挙げられる。なお、これらの官能基は、置換基を有していてもよい。なかでも、アミノ基(好ましくはアミノ基が有する水素原子が炭素数1〜6のアルキル基に置換されたアミノ基)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜6のアルコキシ基)、アルコキシシリル基(好ましくは炭素数1〜6のアルコキシシリル基)が好ましい。
SBRとしては特に限定されず、例えば、乳化重合スチレンブタジエンゴム(E−SBR)、溶液重合スチレンブタジエンゴム(S−SBR)等を使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
SBRのスチレン量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは15質量%以上、特に好ましくは20質量%以上、最も好ましくは25質量%以上、より最も好ましくは30質量%以上、更に最も好ましくは35質量%以上である。また、該スチレン量は、好ましくは60質量%以下、より好ましくは50質量%以下、更に好ましくは45質量%以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
なお、本明細書において、SBRのスチレン量は、H−NMR測定により算出される。
SBRとしては、例えば、住友化学(株)、JSR(株)、旭化成(株)、日本ゼオン(株)等により製造・販売されているSBRを使用できる。
SBRは、非変性SBRでもよいし、変性SBRでもよい。変性SBRとしては、変性ポリマーと同様の官能基が導入された変性SBRが挙げられる。なかでも、変性SBRが好ましい。
BRは特に限定されず、例えば、高シス含量のハイシスBR、シンジオタクチックポリブタジエン結晶を含有するBR、希土類系触媒を用いて合成したBR(希土類BR)等を使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、耐摩耗性能が向上するという理由から、シス含量が90質量%以上のハイシスBRが好ましい。なお、シス含量は、赤外吸収スペクトル分析法により測定できる。
また、BRは、非変性BRでもよいし、変性BRでもよい。変性BRとしては、変性ポリマーと同様の官能基が導入された変性BRが挙げられる。
BRとしては、例えば、宇部興産(株)、JSR(株)、旭化成(株)、日本ゼオン(株)等の製品を使用できる。
イソプレン系ゴムとしては、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、改質NR、変性NR、変性IR等が挙げられる。NRとしては、例えば、SIR20、RSS♯3、TSR20等、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。IRとしては、特に限定されず、例えば、IR2200等、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。改質NRとしては、脱タンパク質天然ゴム(DPNR)、高純度天然ゴム(UPNR)等、変性NRとしては、エポキシ化天然ゴム(ENR)、水素添加天然ゴム(HNR)、グラフト化天然ゴム等、変性IRとしては、エポキシ化イソプレンゴム、水素添加イソプレンゴム、グラフト化イソプレンゴム等、が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、NRが好ましい。
ポリマー成分100質量%(好ましくはゴム成分100質量%)中のSBRの含有量は、好ましくは1質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは50質量%以上、特に好ましくは70質量%以上であり、100質量%でもよいが、好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
ポリマー成分100質量%(好ましくはゴム成分100質量%)中のBRの含有量は、好ましくは1質量%以上、より好ましくは5質量%以上、更に好ましくは10質量%以上、特に好ましくは15質量%以上であり、100質量%でもよいが、好ましくは80質量%以下、より好ましくは50質量%以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
ポリマー成分100質量%(好ましくはゴム成分100質量%)中のイソプレン系ゴムの含有量は、好ましくは1質量%以上、より好ましくは2質量%以上、更に好ましくは3質量%以上、特に好ましくは4質量%以上、最も好ましくは10質量%以上であり、100質量%でもよいが、好ましくは80質量%以下、より好ましくは50質量%以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
上記組成物は、充填剤(補強性充填剤)として、シリカを含有することが好ましい。
シリカとしては特に限定されず、例えば、乾式法シリカ(無水ケイ酸)、湿式法シリカ(含水ケイ酸)などが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、シラノール基が多いという理由から、湿式法シリカが好ましい。
シリカとしては、例えば、デグッサ社、ローディア社、東ソー・シリカ(株)、ソルベイジャパン(株)、(株)トクヤマ等の製品を使用できる。
シリカの窒素吸着比表面積(NSA)は、好ましくは50m/g以上、より好ましくは150m/g以上、更に好ましくは200m/g以上である。また、該NSAは好ましくは300m/g以下、より好ましくは250m/g以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
なお、シリカのNSAは、ASTM D3037−81に準拠して測定できる。
ポリマー成分100質量部(好ましくはゴム成分100質量部)に対するシリカの含有量は、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは10質量部以上、更に好ましくは30質量部以上、特に好ましくは50質量部以上であり、好ましくは200質量部以下、より好ましくは180質量部以下、更に好ましくは150質量部以下、特に好ましくは120質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
上記組成物は、シリカを配合する場合、シリカと共にシランカップリング剤を含むことが好ましい。
シランカップリング剤としては、特に限定されず、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(4−トリエトキシシリルブチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)トリスルフィド、ビス(4−トリメトキシシリルブチル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4−トリエトキシシリルブチル)ジスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4−トリメトキシシリルブチル)ジスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリエトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、などのスルフィド系、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシラン、Momentive社製のNXT、NXT−Zなどのメルカプト系、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシランなどのビニル系、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノ系、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、などのグリシドキシ系、3−ニトロプロピルトリメトキシシラン、3−ニトロプロピルトリエトキシシランなどのニトロ系、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシランなどのクロロ系などがあげられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
シランカップリング剤としては、例えば、デグッサ社、Momentive社、信越シリコーン(株)、東京化成工業(株)、アヅマックス(株)、東レ・ダウコーニング(株)等の製品を使用できる。
シランカップリング剤を含有する場合、シランカップリング剤の含有量は、シリカ100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは2質量部以上、更に好ましくは3質量部以上である。また、該含有量は、好ましくは20質量部以下、より好ましくは16質量部以下、更に好ましくは12質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
上記組成物は、カーボンブラックを含有することが好ましい。
カーボンブラックとしては、N134、N110、N220、N234、N219、N339、N330、N326、N351、N550、N762などが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
カーボンブラックの窒素吸着比表面積(NSA)は、好ましくは5m/g以上、より好ましくは30m/g以上、更に好ましくは60m/g以上である。また、上記NSAは、好ましくは300m/g以下、より好ましくは200m/g以下、更に好ましくは150m/g以下、特に好ましくは100m/g以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
なお、カーボンブラックの窒素吸着比表面積は、JIS K6217−2:2001によって求められる。
カーボンブラックのジブチルフタレート吸油量(DBP)は、好ましくは5ml/100g以上、より好ましくは70ml/100g以上、更に好ましくは90ml/100g以上である。また、該DBPは、好ましくは300ml/100g以下、より好ましくは200ml/100g以下、更に好ましくは160ml/100g以下、特に好ましくは120ml/100g以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
なお、カーボンブラックのDBPは、JIS−K6217−4:2001に準拠して測定できる。
カーボンブラックとしては、例えば、旭カーボン(株)、キャボットジャパン(株)、東海カーボン(株)、三菱ケミカル(株)、ライオン(株)、新日化カーボン(株)、コロンビアカーボン社等の製品を使用できる。
ポリマー成分100質量部(好ましくはゴム成分100質量部)に対するカーボンブラックの含有量は、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは1質量部以上、更に好ましくは3質量部以上、特に好ましくは5質量部以上であり、好ましくは200質量部以下、より好ましくは150質量部以下、更に好ましくは120質量部以下、特に好ましくは80質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
上記組成物は、硫黄を含むことが好ましい。
硫黄としては、ゴム工業において一般的に用いられる粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄、可溶性硫黄などが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
硫黄としては、例えば、鶴見化学工業(株)、軽井沢硫黄(株)、四国化成工業(株)、フレクシス社、日本乾溜工業(株)、細井化学工業(株)等の製品を使用できる。
硫黄の含有量は、ポリマー成分100質量部(好ましくはゴム成分100質量部)に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上、更に好ましくは1質量部以上である。また、上記含有量は、好ましくは20質量部以下、より好ましくは10質量部以下、更に好ましくは8質量部以下、特に好ましくは5質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
上記組成物は、加硫促進剤を含有することが好ましい。
加硫促進剤としては、2−メルカプトベンゾチアゾール、ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド等のチアゾール系加硫促進剤;テトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)、テトラベンジルチウラムジスルフィド(TBzTD)、テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィド(TOT−N)等のチウラム系加硫促進剤;N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−オキシエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N,N’−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド等のスルフェンアミド系加硫促進剤;ジフェニルグアニジン、ジオルトトリルグアニジン、オルトトリルビグアニジン等のグアニジン系加硫促進剤を挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
加硫促進剤としては、例えば、川口化学(株)、大内新興化学(株)、ラインケミー社製等の製品を使用できる。
加硫促進剤の含有量は、ポリマー成分100質量部(好ましくはゴム成分100質量部)に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上、更に好ましくは1質量部以上である。また、上記含有量は、好ましくは20質量部以下、より好ましくは10質量部以下、更に好ましくは8質量部以下、特に好ましくは5質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
上記組成物は、ステアリン酸を含むことが好ましい。
ステアリン酸としては、従来公知のものを使用でき、例えば、日油(株)、花王(株)、富士フイルム和光純薬(株)、千葉脂肪酸(株)等の製品を使用できる。
ステアリン酸の含有量は、ポリマー成分100質量部(好ましくはゴム成分100質量部)に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上、更に好ましくは1質量部以上である。また、上記含有量は、好ましくは20質量部以下、より好ましくは10質量部以下、更に好ましくは8質量部以下、特に好ましくは5質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
上記組成物は、酸化亜鉛を含有してもよい。
酸化亜鉛としては、従来公知のものを使用でき、例えば、三井金属鉱業(株)、東邦亜鉛(株)、ハクスイテック(株)、正同化学工業(株)、堺化学工業(株)等の製品を使用できる。
酸化亜鉛の含有量は、ポリマー成分100質量部(好ましくはゴム成分100質量部)に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上、更に好ましくは1質量部以上である。また、上記含有量は、好ましくは20質量部以下、より好ましくは10質量部以下、更に好ましくは8質量部以下、特に好ましくは5質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
上記組成物は、老化防止剤を含んでもよい。
老化防止剤としては、例えば、フェニル−α−ナフチルアミン等のナフチルアミン系老化防止剤;オクチル化ジフェニルアミン、4,4′−ビス(α,α′−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン等のジフェニルアミン系老化防止剤;N−イソプロピル−N′−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N,N′−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン等のp−フェニレンジアミン系老化防止剤;2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリンの重合物等のキノリン系老化防止剤;2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、スチレン化フェノール等のモノフェノール系老化防止剤;テトラキス−[メチレン−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン等のビス、トリス、ポリフェノール系老化防止剤などが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、p−フェニレンジアミン系老化防止剤、キノリン系老化防止剤が好ましく、p−フェニレンジアミン系老化防止剤がより好ましい。
老化防止剤としては、例えば、精工化学(株)、住友化学(株)、大内新興化学工業(株)、フレクシス社等の製品を使用できる。
老化防止剤の含有量は、ポリマー成分100質量部(好ましくはゴム成分100質量部)に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上、更に好ましくは1質量部以上である。また、上記含有量は、好ましくは20質量部以下、より好ましくは10質量部以下、更に好ましくは8質量部以下、特に好ましくは5質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
上記組成物は、ワックスを含んでもよい。
ワックスとしては、特に限定されず、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等の石油系ワックス;植物系ワックス、動物系ワックス等の天然系ワックス;エチレン、プロピレン等の重合物等の合成ワックスなどが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ワックスとしては、例えば、大内新興化学工業(株)、日本精蝋(株)、精工化学(株)等の製品を使用できる。
ワックスの含有量は、ポリマー成分100質量部(好ましくはゴム成分100質量部)に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上、更に好ましくは1質量部以上である。また、上記含有量は、好ましくは20質量部以下、より好ましくは10質量部以下、更に好ましくは8質量部以下、特に好ましくは5質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
上記組成物には、前記成分の他、タイヤ工業において一般的に用いられている添加剤を配合することができ、硫黄以外の加硫剤(例えば、有機架橋剤、有機過酸化物)、炭酸カルシウム、セリサイトなどの雲母、水酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、クレー、タルク、アルミナ、酸化チタン等を例示できる。これら各成分の含有量は、ポリマー成分(好ましくはゴム成分)100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上であり、好ましくは200質量部以下である。
上記組成物は、例えば、前記各成分をオープンロール、バンバリーミキサーなどのゴム混練装置を用いて混練し、その後加硫する方法等により製造できる。
混練条件としては、架橋剤(加硫剤)及び加硫促進剤以外の添加剤を混練するベース練り工程では、混練温度は、通常100〜180℃、好ましくは120〜170℃である。加硫剤、加硫促進剤を混練する仕上げ練り工程では、混練温度は、通常120℃以下、好ましくは80〜110℃である。また、加硫剤、加硫促進剤を混練した組成物は、通常、プレス加硫などの加硫処理が施される。加硫温度としては、通常140〜190℃、好ましくは150〜185℃である。
上記組成物は、例えば、トレッド(キャップトレッド)、サイドウォール、ベーストレッド、アンダートレッド、クリンチ、ビードエイペックス、ブレーカークッションゴム、カーカスコード被覆用ゴム、インスレーション、チェーファー、インナーライナー等や、ランフラットタイヤのサイド補強層などのタイヤ部材に(タイヤ用ゴム組成物として)用いることができる。なかでも、トレッドに好適に用いられる。トレッドに用いる場合、キャップのみに用いても、ベースのみに用いても、いずれも可能であるが、両方に用いることが好ましい。
本発明のタイヤは、上記組成物を用いて通常の方法によって製造される。すなわち、必要に応じて各種添加剤を配合した組成物を、未加硫の段階でタイヤの各部材(特に、トレッド(キャップトレッド))の形状に合わせて押し出し加工し、タイヤ成型機上にて通常の方法にて成形し、他のタイヤ部材とともに貼り合わせ、未加硫タイヤを形成した後、加硫機中で加熱加圧してタイヤを製造することができる。
上記タイヤとしては、特に限定されず、例えば、空気入りタイヤ、ソリッドタイヤ、エアレスタイヤ等が挙げられる。なかでも、空気入りタイヤが好ましい。
上記タイヤは、乗用車用タイヤ、大型乗用車用、大型SUV用タイヤ、トラック・バス用タイヤ、二輪車用タイヤ、競技用タイヤ、冬用タイヤ(スタッドレスタイヤ、スノータイヤ、スタッドタイヤ)、オールシーズンタイヤ、ランフラットタイヤ、航空機用タイヤ、鉱山用タイヤ等として好適に用いられる。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
なお、合成、重合時に用いた各種薬品は必要に応じて定法に従い精製を行った。
(製造例1)材料A(PNIPAM)の合成
窒素置換したガラス製フラスコにN−イソプロピルアクリルアミド(NIPAMモノマー)11.32gを添加し、トルエン25mLを添加し室温にて30分撹拌し、均一の溶液とした後、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)1.10gを添加した後、3時間還流をして反応させた。反応液を薄層クロマトグラフィー(担体;シリカゲル)にかけ、原料のNIPAMモノマー(Rf値0.8)のスポット消失とNIPAMポリマー(PNIPAM)由来の新スポットの出現を確認した。反応液をロータリーエバポレーターによってトルエン溶媒を留去した後、残った白色粉末を減圧度0.1Pa以下、80℃で8時間減圧乾燥をして95%の収率でPNIPAMを得た。
PNIPAMを水で1質量%になるように水溶液とした後、PNIPAM水溶液を20℃から40℃に加温して、外観を確認したところ、32℃以下では無色澄明に、32℃以上では白濁することを確認した。Mwは、2000であった。
(製造例2)材料B(PNIPAM−PS樹脂)の合成
窒素置換したガラス製フラスコにN−イソプロピルアクリルアミド(NIPAMモノマー)11.32gを添加し、トルエン25mLを添加し室温にて30分撹拌し、均一の溶液とした後、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)1.10gを添加した後、3時間還流をして反応させた。反応液を薄層クロマトグラフィーにかけ、原料のNIPAMモノマー(Rf値0.8)のスポット消失とNIPAMポリマー(PNIPAM)由来の新スポットの出現を確認した。反応液を40℃まで冷却した後、スチレンアクリル樹脂(PS)11.32gとトルエン25mLを添加し、3時間還流させて反応させた。反応液をGPCにかけ、PS由来のピークの消失を確認した後、反応液をロータリーエバポレーターによってトルエン溶媒を留去した後、残った乾固物を減圧度0.1Pa以下、80℃で8時間減圧乾燥をして95%の収率でPNIPAM−PS樹脂を得た。温度変化により親水性が変化する基(PNIPAM基)のMwは、2000であった。
なお、スチレンアクリル樹脂として、東亞合成(株)製のARUFON UH−2170(軟化点:80℃)を使用した。
(製造例3)材料C(PNIPAM−BR可塑剤)の合成
スチレンアクリル樹脂をマレイン酸変性液状BRに代えた点以外は製造例2と同じ方法によって材料Cを93%の収率で得た。温度変化により親水性が変化する基(PNIPAM基)のMwは、2000であった。
なお、マレイン酸変性液状BRとして、クレイバレイ社製のRicon 130MA8(マレイン酸変性液状BR、Mw:2700)を使用した。
以下、以下の実施例及び比較例で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
NR:TSR20(天然ゴム)
カーボンブラック:キャボットジャパン(株)製のN134(NSA:148m/g、DBP:123ml/100g)
シリカ:エボニックテグッサ社製のウルトラシルVN3(NSA:175m/g)
シランカップリング剤:エボニックテグッサ社製のSi69(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド)
老化防止剤:大内新興化学工業(株)製のノクラック6C(N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン)
ステアリン酸:日油(株)製のステアリン酸
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の亜鉛華1号
硫黄:鶴見化学(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤(1):大内新興化学工業(株)製のノクセラーCZ(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
加硫促進剤(2):大内新興化学工業(株)製のノクセラーD(1,3−ジフェニルグアニジン)
オイル:出光興産(株)製のダイアナプロセスAH−24
(実施例及び比較例)
(株)神戸製鋼所製の1.7Lバンバリーミキサーを用いて、NR100質量部、カーボンブラック5質量部、シリカ50質量部、シランカップリング剤4質量部、老化防止剤3質量部、ステアリン酸3質量部、酸化亜鉛3質量部、可塑剤表2に示す量を150℃の条件下で5分間混練りし、混練り物を得た。次に、得られた混練り物に、硫黄3質量部、加硫促進剤(1)2質量部、加硫促進剤(2)1質量部を添加し、オープンロールを用いて、80℃の条件下で5分間練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。
得られた未加硫ゴム組成物を170℃の条件下で15分間プレス加硫し、厚みが2mmの加硫ゴム組成物シートを得た。
得られた、厚みが2mmの加硫ゴム組成物シートを用いて、ゴム組成物の水による接触角の測定を行った。結果を表2に示す。
(水による接触角の測定)
厚みが2mmの加硫ゴム組成物シートを用いて、水による接触角を測定した。
具体的には、厚みが2mmの加硫ゴム組成物シートを測定温度に10分間保温してから、水滴20μLをシート表面に滴下し、20秒後の液滴の接触角を接触角測定機を用いて測定した。
なお、測定は、まず測定温度30℃で実施し、その後測定温度40℃で実施した。この結果を1回目の測定結果とした。1回目の測定を行った後、測定後の加硫ゴム組成物シートを1時間、測定面が水と接触する状態で水に浸漬した。水に浸漬した後、加硫ゴム組成物シートを60℃で、24時間乾燥した。そして、乾燥後の加硫ゴム組成物シートを室温まで冷却した後、2回目の測定を、測定温度30℃で実施し、その後測定温度40℃で実施した。この結果を2回目の測定結果とした。結果を表2に示す。
Figure 2022003147
表2より、一般的な可塑剤を使用した比較例1〜3では温度変化により親水性(接触角)が変化しないのに対して、温度変化により親水性が変化する基を有する、樹脂及び/又はエラストマー用の可塑剤を使用した実施例1〜3では、温度変化により親水性(接触角)が変化することで、組成物中の他の成分との相溶性が変化し、温度変化に応答してタイヤ性能を変化させることができることが分かった。

Claims (10)

  1. 温度変化により親水性が変化する基を有する、樹脂及び/又はエラストマー用の可塑剤。
  2. オイル、エステル系可塑剤、液状又は固体樹脂のいずれかである請求項1記載の可塑剤。
  3. 前記基が、水中で下限臨界溶液温度を示す基である請求項1又は2記載の可塑剤。
  4. 前記基が、下記式(I)で表される基である請求項1〜3のいずれかに記載の可塑剤。
    Figure 2022003147
    (式中、nは1〜1000の整数を表し、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子又はヒドロカルビル基を表し、R及びRの少なくとも1つが水素原子ではなく、RとRとで環構造を形成してもよい。)
  5. 前記基が、ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)である請求項1〜4のいずれかに記載の可塑剤。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の可塑剤を含む組成物。
  7. ゴムを含む請求項6記載の組成物。
  8. タイヤトレッド用である請求項6又は7記載の組成物。
  9. 請求項6〜8のいずれかに記載の組成物を用いたタイヤ部材を有するタイヤ。
  10. 前記タイヤ部材が、トレッドである請求項9記載のタイヤ。
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