JP2004010850A - タイヤトレッド用ゴム組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】低摩擦係数の路面、例えばアイス路面、ウエット路面等において制動性及び操作性に優れるタイヤトレッド用ゴム組成物を提供する。
【解決手段】ゴム成分及び温度依存型吸排水性樹脂を含有することを特徴とするタイヤトレッド用ゴム組成物。
【選択図】    なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、タイヤトレッド用ゴム組成物に関し、特に低摩擦係数の路面、例えばアイス路面、ウエット路面等において制動性及び操作性に優れるタイヤトレッドの材料として有用である。
【0002】
【従来の技術】
空気入りタイヤのトレッド部は一般に外層側のキャップトレッドと内層側のアンダートレッド部とから構成されている。かかる空気入りタイヤは各種性能が要求されているが、特に低摩擦係数の路面、例えばアイス路面、ウエット路面等において優れた制動性及び操作性を有することが求められる。かかる観点から多くの提案がなされており、特にタイヤトレッド用ゴム組成物に各種微粒子を配合することが提案されているが、いずれも未だ十分な改良がされておらず、更なる改良が求められている。
【0003】
タイヤ用ゴム組成物中に粒状物を配合した例として、特開昭59−142236号公報及び同60−258235号公報には、ゴム配合物中にセラミックや砂を配合することが提案されているが、これでは制動性及び操作性の効果が十分でない。特開平2−170840号公報には、ゴム組成物中に無機又は樹脂状中空体を配合することが記載されているが、吸水性に乏しく、制動性及び操作性が十分でない。特開平3−159803号公報には、平均径20〜600μmの水溶性高分子をゴム組成物に配合することが記載されているが効果が十分でない。
【0004】
また、低温領域での貯蔵弾性率(E’)を低下させ、路面とトレッドゴムの密着性、凝着性を向上させる技術が提案されているが、アイス路面において、路面とタイヤトレッド間に発生する極めて薄い水膜が発生した場合には、性能を十分に発揮できない。この路面とタイヤトレッド間に発生する極めて薄い水膜を除去するために、特開平8−188674号公報または特開2000−080206号公報では、吸水性ポリマーまたは水溶性吸水性樹脂をゴム組成物に配合することが提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、水膜中にはアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、SO 2−、Cl、HCO 等のイオンが存在するため、これらのイオンと吸水性樹脂がイオン結合することにより吸水性が悪くなり、目的とする性能を十分に発揮できない。また、これらの吸水性樹脂は、いったん吸水すると再び水を排出しにくいため吸水性がしだいに悪くなり、制動性及び操作性が低下するという問題がある。
【0006】
本発明の目的は、低摩擦係数の路面、例えばアイス路面、ウエット路面等において優れた制動性及び操作性を有するタイヤのトレッド用ゴム組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成すべく、タイヤトレッド用ゴム組成物について鋭意研究したところ、該組成物に温度依存型吸排水性樹脂を配合することにより、アイス路面、ウエット路面等において優れた制動性及び操作性を有するタイヤのトレッド用材料となることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
即ち、本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物は、ゴム成分及び温度依存型吸排水性樹脂を含有することを特徴とする。
【0009】
ここで温度依存型吸排水性樹脂とは、低温域での吸水能力がより高く、温度変化により可逆的に吸水、排水を繰り返すことができる樹脂をいう。このような吸排水性樹脂を含有することにより、アイス路面やウエット路面などのタイヤの昇温が生じにくい路面に対しては、水膜の吸水を行うため制動性と操作性を改善することができる。また、ドライ路面での使用や気温の上昇によって排水による再生が可能となり、再度十分な吸水能力を発揮すことができる。そのため、吸水能力が低下していくことがなく再び優れた制動性及び操作性を発揮する。
【0010】
上記において、温度依存型吸排水性樹脂がN−置換(メタ)アクリルアミド及び/又はN,N−置換(メタ)アクリルアミドを含有する重合成分を架橋剤存在下で重合してなる重合体であるであることが好ましい。これらのモノマーを用いることにより、温度変化に対して敏感に吸排水を繰り返す樹脂を得ることができる。また、前記重合成分がさらにアクリル酸及び/又はアクリル酸塩、並びにダイアセトンアクリルアミドを含有することが好ましい。前記共重合体からなる温度依存型吸排水性樹脂は高い吸水能力を持ち、またこれらのモノマーを用いることにより排水温度を容易に調節することができる。
【0011】
本発明において、温度依存型吸排水性樹脂はゴム成分100重量部に対して、1.5〜30重量部用いることが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物は、温度依存型吸排水性樹脂(以下、吸排水性樹脂ともいう)を含有する。
【0013】
吸排水性樹脂は、アイス路面等において、路面とタイヤトレッド間に発生する極めて薄い水膜が発生した場合には吸水し、一定温度以上になると吸収した水を排水する。ここで排水温度とは、ある温度を境に吸水能が顕著に低下し、含有水量が大きく低下する温度をいう。排水温度は原料となる樹脂によって調節することができるが、タイヤトレッド用に使用する場合は、通常排水温度は10〜40℃に調節することが好ましく、特に15〜30℃に調節することが好ましい。また、吸水能は50倍(対樹脂重量)以上であることが好ましく、特に80倍(対樹脂重量)以上であることが好ましい。
【0014】
吸排水性樹脂の種類はタイヤトレッド用として前記性能を発揮するものであれば特に制限されないが、本発明においては、吸排水性樹脂がN−置換(メタ)アクリルアミド及び/又はN,N−置換(メタ)アクリルアミドを含有する重合成分を架橋剤存在下で重合してなる重合体であるであることが好ましい。なお、(メタ)アクリルアミドとは、アクリルアミド及び/又はメタクリルアミドをいう。
【0015】
N−置換(メタ)アクリルアミド及び/又はN,N−置換(メタ)アクリルアミドは、そのアミド基がアルキル基、アリール基、アルキルアリール基、アルコキシ基などの有機基で置換されたものであるが、特にアルキル基が好ましい。
【0016】
N−置換(メタ)アクリルアミドの具体例としては、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソブチル(メタ)アクリルアミド、N−シクロヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−フェニル(メタ)アクリルアミド、N−ベンジル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロポキシ(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。本発明においては、特にN−イソプロピル(メタ)アクリルアミドが好ましい。
【0017】
N,N−置換(メタ)アクリルアミドの具体例としては、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル−N−メチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジイソプロピル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。本発明においては、特にN,N−ジイソプロピル(メタ)アクリルアミドが好ましい。
【0018】
N−置換(メタ)アクリルアミド及び/又はN,N−置換(メタ)アクリルアミドを重合するに際して、他のモノマーを共重合させてもよい。他のモノマーと共重合させる場合、N−置換(メタ)アクリルアミド及び/又はN,N−置換(メタ)アクリルアミドの使用量は、前記記載の排水温度及び吸水能に調節するために、全モノマー中、50モル%以上であることが好ましい。
【0019】
他のモノマーは、前記性能を損なうものでなければ特に制限されないが、アクリル酸及び/又はアクリル酸塩、並びにダイアセトンアクリルアミドが好ましい。タイヤトレッド用の吸排水性樹脂として十分な吸水能力及び特定の排水温度が必要となるが、これらのモノマーを用いることにより、十分な吸水能力を持たせることができ、かつ排水温度の調節が容易になる。
【0020】
アクリル酸塩としては、具体的には、アクリル酸ナトリウム、アクリル酸カリウム等のアクリル酸アルカリ金属塩、アクリル酸カルシウム、アクリル酸マグシウム等のアクリル酸アルカリ土類金属塩、及びアクリル酸アンモニウム塩等を挙げることができるが、特にアクリル酸ナトリウムが好ましい。
【0021】
アクリル酸及び/又はアクリル酸塩の使用量は、全モノマー中、0.5〜40モル%であることが好ましい。
【0022】
ダイアセトンアクリルアミドの使用量は、排水温度の点から全モノマー中、40モル%以下とすることが好ましい。
【0023】
架橋剤は、通常用いられるものを特に制限なく使用することができるが、分子内に二重結合を2個以上有し、かつ前記の単量体と共重合性が良く、効率よく架橋構造をとり、均一な架橋分布を与えるものが好ましい。そのような架橋剤としては、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート等を挙げることができるが、特にN,N’−メチレンビスアクリルアミドが好ましい。
【0024】
吸水性樹脂を得るための架橋剤量は広い範囲にわたって可変であるが、架橋剤量が多いと水に対する膨潤性が小さくなり、少ないと膨潤した樹脂の強度が低下することになる。具体的な量は架橋剤の種類によって異なるが、全モノマー量に対して0.001〜5重量%程度である。
【0025】
本発明の温度依存型吸排水性樹脂は、通常用いられる重合方法により製造することができるが、特に水溶液重合により行うことが好ましく、水溶液重合において一般的に知られている方法は全て使用できる。
【0026】
水溶液重合において用いられる重合開始剤は、水溶性ラジカル重合開始剤、例えば過酸化水素、過硫酸アンモニウムや過硫酸カリウム等の過硫酸塩、t−ブチルハイドロパーオキシドやクメンハイドロパーオキシド等のハイドロパーオキシド類、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系開始剤、またこれらの水溶性開始剤と例えば亜硫酸水素ナトリウムのような還元性物質やN,N,N’N’−テトラメチルエチレンジアミンの様なアミン類等を組み合わせてレドックス型の開始剤として使用しても良い。
【0027】
これら水溶性ラジカル重合開始剤の使用量は、全モノマー量に対し0.01〜10重量%程度が好ましい。
【0028】
吸排水性樹脂の形状としては、ゴム組成物中で均一に分散し得る形状であればよいが、粒子状であることが好ましい。
【0029】
吸排水性樹脂の使用量は、優れた制動性及び操作性を発揮させることができれば特に制限されないが、ゴム成分100重量部に対して、1.5〜30重量部用いることが好ましく、さらに好ましくは2〜20重量部である。ゴム成分100重量部に対して、1.5重量部未満の場合にはトレッド表面に存在する吸排水性樹脂の量が少なくなって十分に吸水することができず優れた制動性及び操作性を発揮することが困難となる。一方、30重量部より多い場合には得られるトレッドの耐摩耗性が低下する傾向にある。
【0030】
本発明において用いられるゴム成分としては、従来からタイヤトレッドに適用されていたものであれば特に制限はなく、たとえば天然ゴム(NR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)、イソブチレンゴム(IIR)などがあげられる。また、これらゴム成分はそれぞれ単独でまたは任意に組み合わせて用いることができるが、グリップ性がよいという点から、SBRとNR又はBRとを併用するのが好ましい。
【0031】
なお、SBRとNR又はBRとを用いる場合の両者の比は、本発明の効果を損なわない範囲で適宜選択することができる。
【0032】
また、本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物は、前記成分の他、カーボンブラック、クレーなどの充填剤、パラフィン系、アロマ系、ナフテン系のプロセスオイルなどの軟化剤、クマロンインデン樹脂、ロジン系樹脂、シクロペンタジエン系樹脂などの粘着付与剤、イオウ、過酸化物などの加硫剤、ジフェニルグアニジンを例とするグアニジン系、2−メルカプトベンゾチアゾールを例とするチアゾール系、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド(CBS)を例とするスルフェンアミド系、テトラメチルチウラムジスルフィドを例とするチウラム系などの加硫促進剤、ステアリン酸、酸化亜鉛などの加硫促進助剤、ポリ(2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン)を例とするアミン・ケトン系、N−フェニル−1−ナフチルアミンを例とするジアリールアミン系などの老化防止剤、ワックス、シリカ、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどのシランカップリング剤などを、本発明の効果を損なわない範囲で必要に応じて適宜配合することができる。
【0033】
本発明のゴム組成物は、たとえばバンバリーミキサー、ニーダーなどの密閉式の混練り機、およびオープンロールなどを用いて、常法により製造することができる。このようにして得られる本発明のゴム組成物は、常法によりタイヤトレッドに適用することができ、特に低摩擦係数の路面、例えばアイス路面等において制動性及び操作性に優れるタイヤトレッドを提供し得る。
【0034】
【実施例】
以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実施例等について説明する。なお、実施例等における評価項目は下記のようにして測定を行った。
【0035】
(サンプルタイヤの作製)
実施例及び比較例のゴム組成物を一般的な構造の空気入りラジアルタイヤ(サイズ:185/70R14)のトレッドゴムとして使用し、定法によりサンプルタイヤを作製した。
【0036】
前記サンプルタイヤを1800ccのFF車に取り付け下記の測定試験を行った。
【0037】
(1)WET制動性能
ウエット路面上を初速30km/hで走行し、制動した時の制動距離を測定した。測定結果を表1、2に示す。なお、数値が大きい程、制動性が良好であることを示す。また、下記ドライ試験後さらに前記と同様の測定を行い、性能が低下するかどうか試験をした。
【0038】
(2)WET操作性能
ウエット路面にて実車走行を行い、駆動性、制動性、ハンドル応答性、操縦時のコントロール性能を総合評価した。測定結果を表1、2に示す。なお、数値が大きい程、操作性が良好であることを示す。また、下記ドライ試験後さらに前記と同様の測定を行い、性能が低下するかどうか試験をした。
【0039】
(3)DRY制動性能
ウエット路面上を10km走行した後、乾燥路面を初速30km/hで走行し、制動した時の制動距離を測定した。測定結果を表2に示す。なお、数値が大きい程、制動性が良好であることを示す。
【0040】
(4)DRY操作性能
ウエット路面上を10km走行した後、乾燥路面にて実車走行を行い、駆動性、制動性、ハンドル応答性、操縦時のコントロール性能を総合評価した。測定結果を表2に示す。なお、数値が大きい程、操作性が良好であることを示す。
【0041】
(5)耐摩耗性能
JATMAに規定されている設計常用荷重、空気圧の条件で、乾燥路面を10000km走行した後、各タイヤの摩耗量を測定した。測定結果を表1〜3に示す。なお、数値が大きい程、耐摩耗性が良好であることを示す。
【0042】
(6)ICE制動性能
一般路を200km走行した後に氷盤上を初速30km/hで走行し、制動した時の制動距離を測定した(ICE制動性能テスト1)。前記テスト1後のタイヤを用いて、さらに一般路を200km走行し、その後に氷盤上を初速30km/hで走行し、制動した時の制動距離を測定した(ICE制動性能テスト2)。測定結果を表3に示す。なお、数値が大きい程、制動性が良好であることを示す。
【0043】
(7)転動抵抗
内圧を2kgf/cmにしてリム組みしたタイヤを1軸ドラム試験機にセットし、荷重:400kgf、速度:80km/hの条件で、ドラム走行させてタイヤの回転抵抗を測定し、転動性を下記式により求めた指数で示し、評価した。なお、評価結果は、表1に示した。
【0044】
[(試験タイヤの回転抵抗)/(比較例1に係るタイヤの回転抵抗)]×100
なお、数値が小さいほど、転動性が良好であることを示す。
【0045】
(吸排水性樹脂の調製)
500mlセパラブルフラスコの中に、N−イソプロピルアクリルアミド(17.82g)、アクリル酸ナトリウム40%水溶液(1.48g)、ダイアセトンアクリルアミド(8.88g)、N,N’−メチレンビスアクリルアミド(0.1g)と純水150mlを加えた。次に窒素雰囲気下、10℃で過硫酸アンモニウム(0.24g)、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン(0.30ml)を加え重合を開始させた。重合終了後、加温してゲルを取り出し、100℃の電気乾燥器中で乾燥した。乾燥したゲル(樹脂)を粉砕し、吸水能を測定した。吸水能は樹脂0.2gを不織布製袋に封入し、1lビーカー中の純水中に浸漬後、十分に水切りして重量を測定した。また別に吸水性樹脂の入ってない不織布製袋を上記方法によって測定し、これをブランクとした。このようにして得られた測定値からブランクを差引、吸排水性樹脂1g当たりの重量に換算した値を吸水能とした。その結果、吸収能は10℃においては241倍であった。その後、該樹脂を20℃、30℃、及び40℃の純水中に浸漬して吸収能を測定した。その結果、20℃においては225倍、30℃においては43倍、40℃においては25倍であり、温度上昇により吸収していた水を排水することを確認した。また、この結果より排水温度は20〜30℃程度であることがわかった。
【0046】
実施例1
SBR A(JSR製、SBR1712)70重量部、ブタジエンゴム(BR)30重量部、カーボンブラック(東海カーボン製、シースト6)70重量部、オイル(ジャパンエナジー製、プロセスP−200)30重量部、老化防止剤(川口化学工業(株)、アンテージ6C)2重量部、ワックス(日本精蝋製、RU−0036)2重量部、亜鉛華(2重量部)、ステアリン酸(2重量部)、前記調製した吸排水性樹脂(10重量部)、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド(CBS)1.5重量部、及びイオウ(2重量部)をバンバリーミキサーを用いて混練し、ゴム組成物を作製した。
【0047】
比較例1及び2
下記表1に記載の配合量で、実施例1と同様の方法によりゴム組成物を作製した。なお、表1中のSBR BはJSR製のSBR0120を用いた。
【0048】
作製した実施例1及び比較例1、2のゴム組成物を用いてサンプルタイヤを作製し、試験を行った。測定結果を下記表1に示す。なお、表1は比較例1の測定結果を基準指数として、実施例1及び比較例2の測定結果を指数表示した。
【0049】
【表1】
Figure 2004010850
表1の結果から明らかなように、吸排水性樹脂を添加した場合(実施例1)には、転動抵抗を抑えつつWET制動性能、及びWET操作性能をともに向上させることができる。
【0050】
実施例2、3、比較例3、4、及び参考例1
下記表2に記載の配合量で、実施例1と同様の方法によりゴム組成物を作製した。なお、表2中の吸水性樹脂としては、日本触媒製のアクアリックCAを用いた。
【0051】
作製した実施例2、3、比較例3、4、及び参考例1のゴム組成物を用いてサンプルタイヤを作製し、試験を行った。測定結果を下記表2に示す。なお、表2は比較例3の測定結果を基準指数として、実施例2、3、比較例4、及び参考例1の測定結果を指数表示した。
【0052】
【表2】
Figure 2004010850
表2の結果から明らかなように、吸排水性樹脂を添加した場合(実施例2、3)には、WET制動性能及びWET操作性能が向上している。また、吸排水性樹脂を添加した場合(実施例2)と吸水性樹脂を添加した場合(比較例4)とを比較すると、吸排水性樹脂を添加した方が、特にWET試験後のDRY制動性能、及びDRY試験後のWET制動性能に優れている。また、吸排水性樹脂を添加した場合(実施例2)は、効果的に吸排水を繰り返すため、吸水性樹脂を添加した場合(比較例4)に比べ性能の低下が抑制されている。
なお、吸排水性樹脂の添加量が30重量部より多い場合(参考例1)には、WET制動性能は向上するが、耐摩耗性能が低下する。
【0053】
実施例4、比較例5、6、及び参考例2、3
下記表3に記載の配合量で、実施例1と同様の方法によりゴム組成物を作製した。表3中の吸水性樹脂としては、前記記載のアクアリックCAを用いた。
【0054】
作製した実施例4、比較例5、6、及び参考例2、3のゴム組成物を用いてサンプルタイヤを作製し、試験を行った。測定結果を下記表3に示す。なお、表3は比較例5の測定結果を基準指数として、実施例4、比較例6、及び参考例2、3の測定結果を指数表示した。
【0055】
【表3】
Figure 2004010850
表3の結果から明らかなように、吸排水性樹脂を添加した場合(実施例4)には、ICE制動性能が大きく向上している。また、吸排水性樹脂を添加した場合(実施例4)と吸水性樹脂を添加した場合(比較例6)とを比較すると、吸排水性樹脂を添加した方が、一般路とICE路面との繰り返し走行後のICE制動性能の低下が抑制されている。吸排水性樹脂の添加量が1.5重量部未満の場合(参考例2)には、制動性能が向上しない。また、吸排水性樹脂の添加量が30重量部より多い場合(参考例3)には、ICE制動性能は向上するが、耐摩耗性能が低下する。

Claims (4)

  1. ゴム成分及び温度依存型吸排水性樹脂を含有することを特徴とするタイヤトレッド用ゴム組成物。
  2. 温度依存型吸排水性樹脂が、N−置換(メタ)アクリルアミド及び/又はN,N−置換(メタ)アクリルアミドを含有する重合成分を架橋剤存在下で重合してなる重合体である請求項1記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
  3. 前記重合成分が、さらにアクリル酸及び/又はアクリル酸塩、並びにダイアセトンアクリルアミドを含有する請求項2記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
  4. ゴム成分100重量部に対して、温度依存型吸排水性樹脂を1.5〜30重量部含有する請求項1〜3のいずれかに記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
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