JPH09302153A - 粒子含有ゴム組成物 - Google Patents

粒子含有ゴム組成物

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JPH09302153A
JPH09302153A JP9056128A JP5612897A JPH09302153A JP H09302153 A JPH09302153 A JP H09302153A JP 9056128 A JP9056128 A JP 9056128A JP 5612897 A JP5612897 A JP 5612897A JP H09302153 A JPH09302153 A JP H09302153A
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JP
Japan
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rubber composition
rubber
particle
particles
ice
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JP9056128A
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Hiroyuki Teratani
裕之 寺谷
Masaki Toyoda
正喜 豊田
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Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
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Publication date
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60CVEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
    • B60C1/00Tyres characterised by the chemical composition or the physical arrangement or mixture of the composition
    • B60C1/0016Compositions of the tread
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60CVEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
    • B60C11/00Tyre tread bands; Tread patterns; Anti-skid inserts
    • B60C11/14Anti-skid inserts, e.g. vulcanised into the tread band

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  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Tires In General (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 氷上制動性能等を向上させる。 【解決手段】 ゴムに特定の硬度、粒径、孔径、表面積
を有する多孔質粒子を配合する。また、Si−OHやA
l−OHを表面に有する粒子を使用し、特定のカップリ
ング剤を配合すると好ましい。さらに、ゴムを発泡性と
するとより好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粒子含有ゴム組成
物に関し、特に、氷雪面に対しても高摩擦係数を有する
新規なゴム組成物に関する。本発明にかかる粒子含有ゴ
ム組成物は、空気入りタイヤのトレッドゴムのみなら
ず、靴底、キャタピラー等に利用することができる。
【0002】
【従来の技術】近年、冬期においてもタイヤ交換するこ
となく、夏期と同様に使用できるいわゆるオールシーズ
ンタイヤの需要が高まっている。この種のタイヤは冬期
においても夏期と同様のドライグリップ性、ウェットグ
リップ性、操縦安定性、耐久性、低燃費性を有し、さら
に氷上や雪上においても充分な駆動性や制動性を有する
ものである。従来のこのようなタイヤに使用されるトレ
ッドゴムはサマー用トレッドゴムの低温での硬度を低く
したり、ガラス転移点の低いポリマーを使用したり、も
しくは低温での弾性率を適切に保てる軟化剤を用いたり
する方法が知られている。
【0003】しかしながら、前者の方法では、このポリ
マーのヒステリシス特性のために、氷雪温度領域ではそ
こそこの性能が発揮されても、湿潤路面や乾燥路面での
制動性や操縦性が十分ではないという問題があり、ま
た、後者の方法も、特開昭55−135149号、特開
昭58−199203号、特開昭60−137945号
公報等に開示されているが、いずれの方法においても、
氷雪上性能の改良の割りには、一般路を走行した際の耐
摩耗性や耐久性に及ぼす悪影響が大きい等の問題点が指
摘されている。
【0004】また、いずれの技術を用いた場合でも、確
かに−5℃以下の比較的低温領域における、いわゆるド
ライ・オン・アイスでの氷雪性能においては良好な性能
を示すものの、0℃付近の湿潤状態、いわゆるウェット
・オン・アイスでの氷雪上性能においては、十分な摩擦
係数を得られず、駆動性、制動性および操縦安定性が十
分に改良されているとは言い難い。
【0005】これに対して、近年、トレッドゴム自体に
摩擦力向上のための工夫を加える技術が採用されてい
る。その第1の方法として、トレッドゴムを適当な方法
で発泡させ、独立気泡を生成させる方法がある(特開昭
63−89547号公報)。一般的に、氷の表面には疑
似液体層と言われる層が存在する。そして、物体を氷の
上に押しつけ、滑らせると、疑似液体層が一部水膜に変
わるためにこの水膜が潤滑剤の役割を果たし、低い摩耗
係数を発現する。
【0006】独立気泡を生成させて得られるトレッドゴ
ムの表面は、多数の気泡で覆われているため、氷面との
接触面内にて発生する水膜を流し除き、また、気孔部の
ミクロな運動に伴い、疑似液体層を除き去る(スクレイ
パー)効果の発現により、氷上高摩擦化を発現する。一
般的に氷雪上用のタイヤは、サイプをたくさん設けるこ
とで、ブロックのエッジを増やす工夫がなされている
が、その本質とするところは、ブロックのサイプによる
エッジ部分で、氷表面上の疑似液体層を除き去る機能に
あり、この効果を「マクロなエッジ効果」と呼ぶ。一
方、独立気泡ゴムにより、ミクロな凹凸を作り、その凸
部による機能の本質は、「ミクロなエッジ効果」にあ
る。
【0007】この手法は、実際のタイヤトレッドに取り
入れられ、スタッドレスタイヤとして市販されている。
またトレッドゴムに各種の異物(砂、もみがらのような
天然物等)を混入し、タイヤ走行時にこれらの異物が抜
け落ちることによって気孔を発生させる方法も検討され
ている。この方法は、氷上高摩擦化のメカニズムとして
は発泡と同一のものである。これら第1の方法では、氷
面の疑似液体層を除き去る効果はあるものの、従来のス
パイクタイヤにある様な直接氷固体そのものを引っ掻き
壊すことで、高摩耗化を得る手法とは異なり、性能的に
十分満足のいくものではない。
【0008】第2の方法として、各種の高硬度材料をト
レッドゴム中に混入し、この高硬度材料中の氷面に対す
る引っ掻き効果を利用してトレッドゴムの氷上高摩擦化
を実現しようとしたものがある(特公昭46−3173
2号,特開昭51−147803号,特公昭56−52
057号公報,特公平6−102737号公報)。この
方法は、明らかに前記第1の方法とは異なったメカニズ
ムによるトレッドゴムの氷上高摩擦化法である。実際、
多くの場合、これらの高硬度材料を多量に混入すればす
る程、トレッドゴムは氷上高摩擦化される傾向にある。
【0009】上述した従来技術のうち、第1の方法は、
トレッドゴムの発泡又は混入された異物が脱離した後の
表面凹凸の凸部で氷表面を引っ掻き、凹部で表面の水分
を吸排水するが、氷がより硬くなり、また、氷の表面が
溶けにくい低温下(通常の場合−3℃以下)では、吸排
水機能はあまり必要とされず、また、引っ掻き効果もあ
まり期待できない。
【0010】一方、トレッドのマトリクスゴムに引っ掻
き効果の高い高硬度材料を混入する第2の方法の欠点
は、水分の多い0℃付近での氷上性能改良効果が小さ
く、また高硬度材料がゴムに親和性のない異物として存
在するため、耐摩耗性や破壊特性の低下が著しいことで
ある。
【0011】この様な現状を踏まえ、発明者は、特に湿
潤状態にある氷雪路面上での性能向上を目的とし、sy
n−1,2−ポリブタジエン樹脂と硫黄、加硫促進剤、
C/B、スコーチ防止剤を配合した複合体粒子を得、発
泡トレッドゴムに混入することで耐摩耗性能との両立と
いう観点からの検討を行っていたが、一般市場の要求レ
ベルからはまだ充分とは言えず、更なる改善が求められ
ている。また、現実の氷面温度は日中から夜間にかけて
様々に変化するため、広い温度域でより安定した氷上性
能を示し、かつ耐摩耗性および破壊特性も著しく低下さ
せることのないタイヤトレッドが望まれている。
【0012】また、従来の発泡ゴムは、除水・排水効果
といったタイヤ踏面内での氷路面との間で発生する水膜
を流し去ることにより、氷上摩擦係数を向上させる機能
を持っているが、ウェット・オン・アイス状態での大量
な水膜を除去するには限界があり、ウェット・オン・ア
イス状態での氷上摩擦係数の改善は難しい。又、もう1
つの氷上性能改善手段である、引っ掻き効果を付与する
ために、ミクロスパイクとして特定の粒径、硬度の粒子
を配合する方法で、ある程度改良されるが、引っ掻き効
果と、排水効果の相乗効果が少なく氷上性能レベルは、
まだ充分ではない。
【0013】相乗効果が小さい理由としては、上記の方
法では、粒子の硬さと接着性に反比例の関係があること
が挙げられる。すなわち、従来の技術では硬い粒である
程、引っ掻き効果は大きいが、硬い材質であるほど、ゴ
ムマトリクスとの接着性が低下するため、タイヤ踏面の
摩擦表面において、粒子が脱離しやすくなり、効果的な
スパイク数が減少してしまい、引っ掻き効果が長続きせ
ず、又耐摩耗性、耐クラック性の低下を引き起こすとい
った問題が残る。又、上記の様な硬い粒子は、発泡剤配
合ゴムに添加すると、粒子界面で発泡してしまい、マト
リクスとの接着力を低下させる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、配
合した高硬度材料が脱離し難く、本発明にかかるゴム組
成物をタイヤのトレッドゴム等として使用した場合に、
安定した氷上制動性能を発揮すると共に、優れた耐久性
を付与するゴム組成物を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的達成のため、本
発明は以下の構成とする。 (1)ゴム成分100重量部に対し、JIS−K 63
01−C形硬度が75度以上、平均粒径が5〜2000
μm、表面の平均孔径が40〜1000Å、BET窒素
吸着法比表面積が10〜800m2 /gである多孔質粒
子を3〜30重量部配合することを特徴とする。 (2)前記粒子が、表面にケイ素結合水酸基(Si−O
H)および/またはアルミニウム結合水酸基(Al−O
H)を有することを特徴とする。 (3)前記粒子が、シリカゲルおよび/またはアルミナ
からなることを特徴とする。 (4)前記粒子含有ゴム組成物が、さらに一般式 Y3 −Si−Cn 2nA (式中、Yは炭素数1〜4のアルキル基、アルコキシル
基又は塩素原子で3個のYは同一でも異なってもよく、
nは1〜6の整数を示し、Aは−Sm n 2nSi−Y
3 基及び−Sm Z基よりなる群から選ばれた基であり、
ここでZは、
【化2】 基であり、mは1〜6の整数を示し、Yおよびnは前述
の通りである。)で表されるカップリング剤のうち少な
くとも1種を、前記粒子重量の3〜50重量%配合して
なることを特徴とする。 (5)前記粒子含有ゴム組成物が、さらに発泡性を有す
ることを特徴とする。 (6)空気入りタイヤのトレッドゴムとして使用するこ
とを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
本発明において使用されるゴム成分としては、トレッド
ゴムとして通常使用されるものを用いることができ、例
えば、天然ゴム、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエ
ン共重合体ゴム、ブタジエンゴム、ブチルゴムなどを単
独であるいはブレンドで使用可能である。
【0017】また、混入される多孔質粒子は、JIS−
K 6301−C形硬度計で測定される、粉砕前の材料
の硬度が75度以上の高硬度であることを規定するが、
75度未満では十分な引っ掻き効果が得られないからで
ある。好ましくは90以上、最も好ましくは95以上で
ある。
【0018】また、かかる粒子の平均粒径は5〜200
0μm であることを規定するが、これは5μm未満では
十分な引っ掻き効果が得られないためであり、2000
μmを超えると接着力よりも粒子が路面より受ける力が
優り、脱離してしまうため、引っ掻き効果が得られなく
なるからである。好ましくは平均粒径10〜1500μ
mである。
【0019】尚、平均粒径の測定は、日機装株式会社製
NIKKISOマイクロトラックMKII粒度分析計を用
い、マイクロトラックによるレーザー回折測定(光散乱
法)により、常法にて行った。
【0020】多孔質粒子の表面に存在する孔は、その平
均孔径が40〜1000Åであることが必要である。多
孔質であることで、ゴムマトリクスとの間で物理的なア
ンカー効果が生じ、脱離しにくくなることが特徴として
挙げられる。粒子表面の平均孔径が40Å未満の場合、
BET窒素吸着法比表面積が上記範囲を満たしていて
も、粒子表面でのゴムとの接着性が低いために、このゴ
ム組成物を空気入りタイヤのトレッドに適用した場合、
トレッド表面上にて走行中に脱離する。また、1000
Å超過の平均孔径では、BET窒素吸着法比表面積が上
記範囲を満たしていても、粒子が脆くなって破壊し、充
分な引っ掻き効果が得られない。好ましくは、40〜3
00Åである。
【0021】また、多孔質になることにより、表面積が
多くなるが、BET窒素吸着法比表面積が10〜800
2 /gであることを規定する。これは、10m2 /g
未満では、表面積が小さいために粒子の接着力が不足
し、走行中に脱離が発生し、800m2 /g超過では、
粒子の孔による空隙体積が増大するために、粒子自体の
強度が低下し、路面との接触中に破壊してしまうからで
ある。好ましくは、100〜600m2 /gである。な
お、本発明で用いた粒子のBET窒素吸着法比表面積測
定は、ASTM D3037に準拠する。
【0022】また、粒子配合量は、ゴム成分100重量
部に対して、3〜30重量部であることを規定するが、
3重量部未満では十分な引っ掻き効果が出ず、30重量
部を超えると耐久性の問題が生じるからである。
【0023】また、粒子表面の化学的性状としては、ケ
イ素結合水酸基および/またはアルミニウム結合水酸基
を有するものが好ましい。これは、Si−OHおよびA
l−OHは、本願発明にかかるカップリング剤と容易に
反応し、ポリマーと一次結合するため、強固な接着力が
得られるからである。さらに、配合ゴム中に、本発明に
かかる特定のカップリング剤を、前記粒子重量の3〜5
0重量%配合すると好ましい。これは、3重量%未満で
は、接着力が不足し、氷上性能が改善されず、50重量
%超過では、ゴムマトリクスが高弾性率化し、氷上性能
が低下し、さらにクラックが発生し易くなるからであ
る。
【0024】併用するカップリング剤の配合量は粒子重
量の3〜50重量%であるが、3重量%より少ないと充
分な接着力が得られないからである。また、50重量%
より多いと、過剰なカップリング剤のA基から多量の硫
黄原子が放出されるため、ゴム弾性率が増加し、また、
コスト的にも大幅にアップするため、経済的ではないか
らである。
【0025】ケイ素結合水酸基やアルミニウム結合水酸
基の存在下で、上記カップリング剤を用いれば、多孔質
粒子とゴムマトリクスとを、孔を介した物理的結合のみ
ならず、化学的に接着することができ、脱離の問題を大
幅に改善することができる。
【0026】次に、この発明においてゴム組成物に配合
されるシランカップリング剤を例示すると次の通りであ
る。ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラス
ルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テト
ラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピ
ル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリル
エチル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルト
リメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキ
シシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、
3−ニトロプロピルトリメトキシシラン、3−ニトロプ
ロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメ
トキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラ
ン、2−クロロエチルトリメトキシシラン、2−クロロ
エチルトリエトキシシラン、3−トリメトキシシリルプ
ロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスル
フィド、3−トリエトキシシリルプロピル−N,N−ジ
メチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリエ
トキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイ
ルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピル
ベンゾチアゾールテトラスルフィド、3−トリエトキシ
シリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3
−トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスル
フィド、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレー
トモノスルフィド等があげられ、ビス(3−トリエトキ
シシリルプロピル)テトラスルフィド、3−トリメトキ
シシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィドな
どが好ましい。また、3個のYが同一でなくてもよく、
例えばその例としてビス(3−ジエトキシメチルシリル
プロピル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピル
ジメトキシメチルシラン、3−ニトロプロピルジメトキ
シメチルシラン、3−クロロプロピルジメトキシメチル
シラン、ジメトキシメチルシリルプロピル−N,N−ジ
メチルチオカルバモイルテトラスルフィド、ジメトキシ
メチルシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィ
ドが挙げられる。
【0027】また、ゴム業界で通常使用される配合剤な
どを適宜使用可能である。発泡手段は、例えば、トレッ
ドゴムに適用した場合、トレッドの表層から最内層に到
るまでの発泡倍率を制御することができ、完全摩耗に到
るまでの氷上性能の変化を少なくすることができる。発
泡は発泡剤によるもの、ガスの高圧ミキシングによるも
ののいずれの方法を用いてもよい。
【0028】トレッドゴムに使用する場合、ゴム組成物
の発泡率(Vs )は5〜35%であることが好ましい。
これは、本発明にかかるゴム組成物を空気入りタイヤの
トレッドゴムとして使用した場合に、0℃付近の氷表面
に溶融した水分が多い状態において、気孔によるミクロ
な排水効果を大きくし、優れた氷雪性能を発揮させるた
めにはかかる独立気泡が望ましいからである。
【0029】ここで、発泡率Vs は、次式 Vs ={(ρ0 −ρg )/(ρ1 −ρg )−1}×100(%) ---(1) で表わされ、ρ1 は発泡ゴムの密度(g/cm3)、ρ0
発泡ゴムの固相部の密度(g/cm3)、ρg は発泡ゴムの
気泡内のガス部の密度(g/cm3)である。発泡ゴムは固
相部と、固相部によって形成される空洞(独立気泡)す
なわち気泡内のガス部とから構成されている。ガス部の
密度ρg は極めて小さく、ほぼ零に近く、かつ固相部の
密度ρ1 に対して極めて小さいので、式(1)は、次式 Vs ={(ρ0 /ρ1 )−1}×100(%) ---(2) とほぼ同等となる。
【0030】
【実施例】以下に本発明を実施例に基づいて説明する。
各実施例及び各比較例とも、通常の加硫条件により、表
1〜表4記載の配合(特記したものを除き、単位は重量
部)のトレッドを有するタイヤ(タイヤサイズ195/
65R14)を作製し、表中記載の性能を下記の方法で
測定した。
【0031】氷上制動性能 氷温度−2℃の氷路にて評価した。評価タイヤは、当社
テストコースのアスファルト路を200km直進走行
後、速度20km/hから制動し、比較例1、3、6、
8をそれぞれコントロールとして指数表示した。数値は
大きい程良好である。
【0032】耐摩耗性 一般路走行にて評価し、2万km走行後の比較例1、
3、6、8をそれぞれコントロールとして指数表示し
た。数値は大きい程良好である。クラック外観テスト 一般路を7000km実地走行後、タイヤトレッドゴム
周上において観察し、◎はクラック発生なし、○はクラ
ック長さ0.5mm以内、Δはクラック長さ1mm以
内、×はクラック長さ1mm以上としてランク分けして
評価した。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】
【表3】
【0036】
【表4】
【0037】*1:大内新興化学(株)製 ノクラック
6C *2:ジベンゾチアジルジスルフィド(加硫促進剤) *3:N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジル−スル
フェンアミド(加硫促進剤) *4:ジニトロソペンタメチレンテトラミン *5:DPT:尿素=1:1(重量比) *6:各配合ゴム種毎に粒子非含有のコントロールを設
けた。
【0038】表中の粒子A〜Rについては以下の通りで
ある。
【0039】
【表5】 上記粒子について、必要なものは、粉砕、及びふるいに
よる分級を行ない、所望する粒径に再調製した。
【0040】表中のカップリング剤ア、イについては以
下の通りである。
【0041】
【表6】
【0042】以上より、本願発明にかかる特定の多孔質
粒子を特定量配合したゴム組成物をトレッドに使用した
タイヤは、良好な制動性能を発揮できる。また、平均孔
径が大きい粒子を配合した例である比較例4は、粒子が
脆く、破壊し、良好な結果が得られない。また、無孔質
粒子を配合した例である比較例5は、カップリング剤を
配合しても、接着力が不足し、良好な結果が得られな
い。また、粒子の配合量が多い例である比較例7は、耐
摩耗性が低下し、不都合である。また、実施例20はカ
ップリング剤を配合しない例であるが、粒子が多孔質で
あるため、接着性がとれ、結果は良好であるが、カップ
リング剤を使用することにより、一層効果的である。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、特定の多孔質粒子
を配合した本発明にかかるゴム組成物を空気入りタイヤ
のトレッドゴムとして使用すると、粒子とゴムマトリク
スとの間に物理的な結合力を得て、氷上制動性能および
耐摩耗性が向上し、クラックの発生を抑制することがで
きるという効果を得ることができる。また、表面に特定
の化学基を有する粒子を使用した場合、および特定のカ
ップリング剤を配合した場合には、上記物理的な結合力
のみなず、両者を化学的に接着することができるため、
上記特性は一層向上する。さらに、ゴムを発泡性とする
ことにより、独立気泡の凹凸による除水効果、引っ掻き
効果をプラスすることができ、より効果的となる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08K 5/40 KDP C08K 5/40 KDP 5/47 KDS 5/47 KDS 5/54 KDV 5/54 KDV

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゴム成分100重量部に対し、JIS−
    K 6301−C形硬度が75度以上、平均粒径が5〜
    2000μm、表面の平均孔径が40〜1000Å、B
    ET窒素吸着法比表面積が10〜800m2 /gである
    多孔質粒子を3〜30重量部配合することを特徴とする
    粒子含有ゴム組成物。
  2. 【請求項2】 前記粒子が、表面にケイ素結合水酸基
    (Si−OH)および/またはアルミニウム結合水酸基
    (Al−OH)を有することを特徴とする請求項1記載
    の粒子含有ゴム組成物。
  3. 【請求項3】 前記粒子が、シリカゲルおよび/または
    アルミナからなることを特徴とする請求項1または2記
    載の粒子含有ゴム組成物。
  4. 【請求項4】 前記粒子含有ゴム組成物が、さらに一般
    式 Y3 −Si−Cn 2nA (式中、Yは炭素数1〜4のアルキル基、アルコキシル
    基又は塩素原子で3個のYは同一でも異なってもよく、
    nは1〜6の整数を示し、Aは−Sm n 2nSi−Y
    3 基及び−Sm Z基よりなる群から選ばれた基であり、
    ここでZは、 【化1】 基であり、mは1〜6の整数を示し、Yおよびnは前述
    の通りである。)で表されるカップリング剤のうち少な
    くとも1種を、前記粒子重量の3〜50重量%配合して
    なることを特徴とする請求項1、2または3記載の粒子
    含有ゴム組成物。
  5. 【請求項5】 前記粒子含有ゴム組成物が、さらに発泡
    性を有することを特徴とする請求項1、2、3または4
    記載の粒子含有ゴム組成物。
  6. 【請求項6】 空気入りタイヤのトレッドゴムとして使
    用することを特徴とする請求項1、2、3、4または5
    記載の粒子含有ゴム組成物。
JP9056128A 1996-03-11 1997-03-11 粒子含有ゴム組成物 Withdrawn JPH09302153A (ja)

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JP9056128A JPH09302153A (ja) 1996-03-11 1997-03-11 粒子含有ゴム組成物

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Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5298296 1996-03-11
JP8-52982 1996-03-11
JP9056128A JPH09302153A (ja) 1996-03-11 1997-03-11 粒子含有ゴム組成物

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