JPH09124821A - 粒子含有発泡ゴム組成物およびその製造法 - Google Patents

粒子含有発泡ゴム組成物およびその製造法

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JPH09124821A
JPH09124821A JP8026964A JP2696496A JPH09124821A JP H09124821 A JPH09124821 A JP H09124821A JP 8026964 A JP8026964 A JP 8026964A JP 2696496 A JP2696496 A JP 2696496A JP H09124821 A JPH09124821 A JP H09124821A
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rubber
ice
group
particle
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JP8026964A
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Hiroyuki Teratani
裕之 寺谷
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Bridgestone Corp
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Bridgestone Corp
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  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 氷雪面上で高摩擦化する。 【解決手段】 発泡ゴム系に、特定のシランカップリン
グ剤及び高硬度粒子を配合して、混練りする際、150
℃以上に達するまで混練りする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粒子含有発泡ゴム
組成物およびその製造法に関し、特に、氷雪面に対して
も高摩擦係数を有する新規なゴム組成物およびその製造
法に関する。本発明にかかる粒子含有発泡ゴム組成物
は、空気入りタイヤのトレッドゴムのみならず、靴底、
キャタピラー等に利用することができる。
【0002】
【従来の技術】近年、冬期においてもタイヤ交換するこ
となく、夏期と同様に使用できるいわゆるオールシーズ
ンタイヤの需要が高まっている。この種のタイヤは冬期
においても夏期と同様のドライグリップ性、ウェットグ
リップ性、操縦安定性、耐久性、低燃費性を有し、さら
に氷上や雪上においても充分な駆動性や制動性を有する
ものである。従来のこのようなタイヤに使用されるトレ
ッドゴムはサマー用トレッドゴムの低温での硬度を低く
したり、ガラス転移点の低いポリマーを使用したり、も
しくは低温での弾性率を適切に保てる軟化剤を用いたり
する方法が知られている。
【0003】しかしながら、前者の方法では、このポリ
マーのヒステリシス特性のために、氷雪温度領域ではそ
こそこの性能が発揮されても、湿潤路面や乾燥路面での
制動性や操縦性が十分ではないという問題があり、ま
た、後者の方法も、特開昭55−135149号、特開
昭58−199203号、特開昭60−137945号
公報等に開示されているが、いずれの方法においても、
氷雪上性能の改良の割りには、一般路を走行した際の耐
摩耗性や耐久性に及ぼす悪影響が大きい等の問題点が指
摘されている。
【0004】また、いずれの技術を用いた場合でも、確
かに−5℃以下の比較的低温領域における、いわゆるド
ライ・オン・アイスでの氷雪性能においては良好な性能
を示すものの、0℃付近の湿潤状態、いわゆるウェット
・オン・アイスでの氷雪上性能においては、十分な摩擦
係数を得られず、駆動性、制動性および操縦安定性が十
分に改良されているとは言い難い。
【0005】これに対して、近年、トレッドゴム自体に
摩擦力向上のための工夫を加える技術が採用されてい
る。その第1の方法として、トレッドゴムを適当な方法
で発泡させ、独立気泡を生成させる方法がある(特開昭
63−89547号公報)。一般的に、氷の表面には疑
似液体層と言われる層が存在する。そして、物体を氷の
上に押しつけ、滑らせると、疑似液体層が一部水膜に変
わるためにこの水膜が潤滑剤の役割を果たし、低い摩耗
係数を発現する。
【0006】独立気泡を生成させて得られるトレッドゴ
ムの表面は、多数の気泡で覆われているため、氷面との
接触面内にて発生する水膜を流し除き、また、気孔部の
ミクロな運動に伴い、疑似液体層を除き去る(スクレイ
パー)効果の発現により、氷上高摩擦化を発現する。一
般的に氷雪上用のタイヤは、サイプをたくさん設けるこ
とで、ブロックのエッジを増やす工夫がなされている
が、その本質とするところは、ブロックのサイプによる
エッジ部分で、氷表面上の疑似液体層を除き去る機能に
あり、この効果を「マクロなエッジ効果」と呼ぶ。一
方、独立気泡ゴムにより、ミクロな凹凸を作り、その凸
部による機能の本質は、「ミクロなエッジ効果」にあ
る。
【0007】この手法は、実際のタイヤトレッドに取り
入れられ、スタッドレスタイヤとして市販されている。
またトレッドゴムに各種の異物(砂、もみがらのような
天然物等)を混入し、タイヤ走行時にこれらの異物が抜
け落ちることによって気孔を発生させる方法も検討され
ている。この方法は、氷上高摩擦化のメカニズムとして
は発泡と同一のものである。これら第1の方法では、氷
面の疑似液体層を除き去る効果はあるものの、従来のス
パイクタイヤにある様な直接氷固体そのものを引っ掻き
壊すことで、高摩耗化を得る手法とは異なり、性能的に
十分満足のいくものではない。
【0008】第2の方法として、各種の高硬度材料をト
レッドゴム中に混入し、この高硬度材料中の氷面に対す
る引っ掻き効果を利用してトレッドゴムの氷上高摩擦化
を実現しようとしたものがある(特公昭46−3173
2号,特開昭51−147803号,特公昭56−52
057号公報,特公平6−102737号公報)。この
方法は、明らかに前記第1の方法とは異なったメカニズ
ムによるトレッドゴムの氷上高摩擦化法である。実際、
多くの場合、これらの高硬度材料を多量に混入すればす
る程、トレッドゴムは氷上高摩擦化される傾向にある。
【0009】上述した従来技術のうち、第1の方法は、
トレッドゴムの発泡又は混入された異物が脱離した後の
表面凹凸の凸部で氷表面を引っ掻き、凹部で表面の水分
を吸排水するが、氷がより硬くなり、また、氷の表面が
溶けにくい低温下(通常の場合−3℃以下)では、吸排
水機能はあまり必要とされず、また、引っ掻き効果もあ
まり期待できない。
【0010】一方、トレッドのマトリクスゴムに引っ掻
き効果の高い高硬度材料を混入する第2の方法の欠点
は、水分の多い0℃付近での氷上性能改良効果が小さ
く、また高硬度材料がゴムに親和性のない異物として存
在するため、耐摩耗性や破壊特性の低下が著しいことで
ある。
【0011】この様な現状を踏まえ、発明者は、特に湿
潤状態にある氷雪路面上での性能向上を目的とし、sy
n−1,2−ポリブタジエン樹脂と硫黄、加硫促進剤、
C/B、スコーチ防止剤を配合した複合体粒子を得、発
泡トレッドゴムに混入することで耐摩耗性能との両立と
いう観点からの検討を行っていたが、一般市場の要求レ
ベルからはまだ充分とは言えず、更なる改善が求められ
ている。また、現実の氷面温度は日中から夜間にかけて
様々に変化するため、広い温度域でより安定した氷上性
能を示し、かつ耐摩耗性および破壊特性も著しく低下さ
せることのないタイヤトレッドが望まれている。
【0012】また、従来の発泡ゴムは、除水・排水効果
といったタイヤ踏面内での氷路面との間で発生する水膜
を流し去ることにより、氷上摩擦係数を向上させる機能
を持っているが、ウェット・オン・アイス状態での大量
な水膜を除去するには限界があり、ウェット・オン・ア
イス状態での氷上摩擦係数の改善は難しい。又、もう1
つの氷上性能改善手段である、引っ掻き効果を付与する
ために、ミクロスパイクとして特定の粒径、硬度の粒子
を配合する方法で、ある程度改良されるが、引っ掻き効
果と、排水効果の相乗効果が少なく氷上性能レベルは、
まだ充分ではない。
【0013】相乗効果が小さい理由としては、上記の方
法では、粒子の硬さと接着性に反比例の関係があること
が挙げられる。すなわち、従来の技術では硬い粒である
程、引っ掻き効果は大きいが、硬い材質であるほど、ゴ
ムマトリクスとの接着性が低下するため、タイヤ踏面の
摩擦表面において、粒子が脱離しやすくなり、効果的な
スパイク数が減少してしまい、引っ掻き効果が長続きせ
ず、又耐摩耗性、耐クラック性の低下を引き起こすとい
った問題が残る。又、上記の様な硬い粒子は、発泡剤配
合ゴムに添加すると、粒子界面で発泡してしまい、マト
リクスとの接着力を低下させる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、発
泡ゴム系において、十分に硬い粒子を配合して引っ掻き
効果を出しながら、粒子とゴムマトリクスをシランカッ
プリング剤を介して強い接着力で結合させて効果の持続
性を高め、もって、排水効果と引っ掻き効果による真の
相乗効果を発現させるゴム組成物の製造法を具現化する
ことを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は以下の構成とする。 (1)本発明の粒子含有発泡ゴム組成物は、ゴム成分1
00重量部に対して、表面にアルミニウム結合水酸基
(Al−OH)及び/又はケイ素結合水酸基(Si−O
H)を有する粒子を3〜100重量部配合し、一般式 Y3 −Si−Cn 2nA (式中、Aは−Sm n 2nSi−Y3 基及び−Sm
基よりなる群から選ばれた基であり、Zは
【化2】 基であり、Yは炭素数1〜4のアルキル基、アルコキシ
ル基、又は塩素原子であり、3個のYは同一でも異なっ
てもよく、m及びnはそれぞれ1〜6の整数を示す。)
で表されるカップリング剤のうち少なくとも1種を、前
記粒子重量の3〜50重量%配合してなる、発泡率5〜
35%の独立気泡を有することを特徴とする。 (2)前記粒子が、Al(OH)3 及びSiO2 からな
る群のうち少なくとも1種を20重量%以上含有してな
ることを特徴とする。 (3)前記粒子の平均粒径が5〜250μmであること
を特徴とする。 (4)本発明にかかる上記粒子含有発泡ゴム組成物の製
造法は、前記ゴム成分、粒子およびシランカップリング
剤の混練り温度を150℃以上の温度に到達させた後、
発泡させることを特徴とする。。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に本発明をより詳しく説明す
る。本発明にかかるゴム成分としては、天然ゴム、イソ
プレンゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム
等のジエン系ゴム、あるいはブチルゴム等の非ジエン系
ゴムが挙げられ、これらのうちから少なくとも1種が選
択される。
【0017】また、本発明の製造方法によるゴム組成物
は、乗用車、トラック、バスなど小型から大型の全てを
含む車両に装着可能なタイヤの、特にトレッドゴムとし
て好適に使用できるが、空気入りタイヤのトレッドゴム
等に使用する場合は、発泡ゴムに混入される粒子は、J
IS−K 6301−C形硬度計で測定される硬度が7
5度以上の高硬度であると好ましい。75度未満では十
分な引っ掻き効果が得られないからである。好ましくは
90以上、最も好ましくは95以上の粒子である。発泡
ゴムに高硬度の粒子を混入することにより、氷の硬度が
非常に高くなる低温下においても引っ掻き効果を得て、
高摩擦化し、制動性等の向上を図ることができる。
【0018】また、粒子は表面にアルミニウム結合水酸
基及び/又はケイ素結合水酸基を有することを規定する
が、上記結合を付与する粒子成分としては、水酸化アル
ミニウム、二酸化ケイ素、1,4−ビス(ヒドロキシジ
メチルシリル)ベンゼン、ジフェニルシランジオール、
トリエチルシラノール、トリフェニルシラノール等が挙
げられ、なかでも、水酸化アルミニウムおよび二酸化ケ
イ素が好ましい。
【0019】また、粒子配合量は、ゴム成分100重量
部に対して、3〜100重量部であることを規定する
が、3重量部未満では十分な引っ掻き効果が出ず、10
0重量部を超えると耐久性の問題が生じるからである。
【0020】更に、粒子中には、Al(OH)3 及びS
iO2 からなる群より選択される少なくとも1種を粒子
重量の20重量%以上含むと好ましいが、20重量%未
満では粒子のカップリング剤との反応点が少ないために
接着性が不十分となるのみならず、界面発泡を生じ、発
泡ゴムとしたとき、接着力の低下及び耐破壊物性の低下
を招くからである。
【0021】また、タイヤトレッド等に使用する場合
は、粒子の平均粒径は5〜250μmであると好ましい
が、これは5μmより小さいと十分な引っ掻き効果が得
られないためであり、250μm を超えると耐摩耗性・
耐クラック性等耐久性能の点で好ましくないからであ
る。尚、平均粒径の測定は、マイクロトラックによるレ
ーザー回折測定(光散乱法)による。日機装株式会社製
NIKKISOマイクロトラックMKII粒度分析計を用
い、常法にて測定される。
【0022】本発明に好適に使用できる発泡剤として
は、アゾジカルボンアミド、ジニトロソペンタメチレン
テトラアミン、アゾビスイソブチロニトリル、芳香族ス
ルホニルヒドラジド化合物、例えば、ベンゼンスルホニ
ルヒドラジド、トルエンスルホニルヒドラジド、オキシ
ビスベンゼンスルホニルヒドラジド等が挙げられる。発
泡剤による独立気泡の発泡率は、5〜35%であること
を規定するが、これは、0℃付近の氷表面に溶融した水
分が多い状態において、気孔によるミクロな排水効果を
大きくし、優れた氷雪性能を発揮させるためにはかかる
独立気泡が不可欠だからである。
【0023】発泡率が5%未満では発泡の効果が十分で
なく、一方35%を超えると剛性が不十分のため、トレ
ッドに使用した場合には、耐摩耗性の低下や溝底クラッ
クの発生が大となる。
【0024】ここで、発泡の発泡率Vs は、次式 Vs ={(ρ0 −ρg )/(ρ1 −ρg )−1}×100(%) ---(1) で表わされ、ρ1 は発泡ゴムの密度(g/cm3)、ρ0
発泡ゴムの固相部の密度(g/cm3)、ρg は発泡ゴムの
気泡内のガス部の密度(g/cm3)である。発泡ゴムは固
相部と、固相部によって形成される空洞(独立気泡)す
なわち気泡内のガス部とから構成されている。ガス部の
密度ρg は極めて小さく、ほぼ零に近く、かつ固相部の
密度ρ1 に対して極めて小さいので、式(1)は、次式 Vs ={(ρ0 /ρ1 )−1}×100(%) ---(2) とほぼ同等となる。
【0025】尚、平均独立気泡径の測定法は、発泡ゴム
から、ブロック状の試料を切り出し、倍率100〜40
0の光学顕微鏡で撮影し、200個以上の独立気泡の直
径を測定し、算術的平均値として表す。
【0026】併用するカップリング剤の配合量は粒子の
3〜50重量%であるが、3重量%より少ないと充分な
接着力が得られず、50重量%より多いと、過剰なカッ
プリング剤のA基から多量の硫黄原子が放出されるた
め、ゴム弾性率が増加し、又、コスト的にも大幅にアッ
プするため、経済的ではないからである。
【0027】次に、この発明においてゴム組成物に配合
されるシランカップリング剤を例示すると次の通りであ
る。ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラス
ルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テト
ラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピ
ル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリル
エチル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルト
リメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキ
シシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、
3−ニトロプロピルトリメトキシシラン、3−ニトロプ
ロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメ
トキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラ
ン、2−クロロエチルトリメトキシシラン、2−クロロ
エチルトリエトキシシラン、3−トリメトキシシリルプ
ロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスル
フィド、3−トリエトキシシリルプロピル−N,N−ジ
メチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリエ
トキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイ
ルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピル
ベンゾチアゾールテトラスルフィド、3−トリエトキシ
シリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3
−トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスル
フィド、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレー
トモノスルフィド等があげられ、ビス(3−トリエトキ
シシリルプロピル)テトラスルフィド、3−トリメトキ
シシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィドな
どが好ましい。また、3個のYが同一でなくてもよく、
例えばその例としてビス(3−ジエトキシメチルシリル
プロピル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピル
ジメトキシメチルシラン、3−ニトロプロピルジメトキ
シメチルシラン、3−クロロプロピルジメトキシメチル
シラン、ジメトキシメチルシリルプロピル−N,N−ジ
メチルチオカルバモイルテトラスルフィド、ジメトキシ
メチルシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィ
ドがあげられる。
【0028】また、粒子が複合体の場合のバインダーと
しては、PMMA(ポリメチルメタクリレート)、PV
A(ポリビニルアルコール)、ポリ酢酸ビニル、ポリア
クリル酸、スチレン−ブタジエン樹脂、ポリエステル、
エポキシ樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、メラミ
ン樹脂、PP樹脂、syn−1,2−ポリブタジエン樹
脂等、従来バインダーとして用いられる樹脂から選択す
ることができる。充填補強剤としては、カーボンブラッ
ク、シリカ等通常使用されるものを使用できる。
【0029】本発明の製造方法は、発泡ゴム製造工程に
おいて、特定の粒子、特定のカップリング剤をゴムと混
合する際に、最高混練温度が150℃以上になるまで、
十分に混練することにより、加硫後、マトリクスゴムと
特定の粒子が充分に接着することとし、これにより、粒
子離脱を防止すると共に、粒子界面発泡を防止して、独
立気泡をマトリクスゴム中に存在せしめることを可能と
する。
【0030】より詳しくは、以下の通りである。シラン
カップリング剤および粒子をゴム成分と混練りする際の
最高混練り温度が150℃以上になるように混練りする
ことにより、粒子表面にて反応したカップリング剤の一
般式(化1あるいは化2)におけるA基内に存在するS
−S結合が開裂し、マトリクスゴムと反応する。一方、
カップリング剤の官能基(YおよびA基中の極性基)
は、各々粒子と反応するため、粒子がマトリクスゴムを
拘束した形(粒子ゲル)を形成する。これにより、粒子
周囲は、マトリクスゴムにより一次的な反応にて包み込
まれるため、充分な接着力が確保でき、更に、これによ
り、発泡ガスの活性点が粒子表面からなくなるため、加
硫反応時、粒子界面発泡をさせず、独立気泡をゴムマト
リクス中に粒子とは別個に存在せしめることができると
いった2つの効果により、強力な接着力を引き出すこと
ができる。
【0031】最高混練温度(通常は最終温度)が150
℃に到達しなかった場合、粒子表面とカップリング剤Y
基との反応、およびカップリング剤A基とマトリクスゴ
ムとの反応が十分に行われず、よって、粒子がマトリク
スを拘束した形(粒子ゲル)の形成が不十分となり、粒
子とマトリクスの接着が不十分となる。この様な粒子の
表面には、マトリクスとの一次的化学結合により包み込
まれなかった部分が存在してしまうこととなる。この部
分は発泡ガスの活性点となるために、このようなゴムを
加硫すると、加硫反応時、粒子界面発泡が発生し、ゴム
マトリクスとの接着を著しく低下させるといった問題を
発生させる。粒子とゴムマトリクスの接着が著しく低下
すると、所望する氷上性能の向上効果が得られないばか
りか、耐摩耗性の低下、クラック性の低下といった耐久
性の観点から必要不可欠な性能を低下させることとな
る。接着性向上のためには、カップリング剤の配合量を
増加することや最高混練温度を上げることが考えられる
が、生産性の点からは、後者が有利である。
【0032】
【実施例】以下に本発明を実施例に基づいて説明する。
各実施例及び各比較例とも、表1および表2記載の配合
に基づき、練り機にて混練りし、練り機からゴム組成物
を排出するときの温度、即ち最終練り温度(最高混練り
温度)が表1および表2記載の温度に達した時点で混練
り終了とし、その後通常の加硫条件にて加硫し、発泡ゴ
ム組成物を得た。このゴム組成物につき、表中記載の各
性能を下記の方法で測定した。
【0033】耐破壊特性 JIS K 6301に準拠して測定し、引っ張り強さ
の指数として表した。数値は大きい程良好である。 接着粒子の割合 走行前のタイヤのトレッドセンター部の表面を切り取
り、トレッド面1mm2中に存在する粒子の数をB、社
内テストコースを200km走行した後、トレッドセン
ター部表面1mm2 中に存在する粒子の個数をAとする
とき、接着粒子の割合は下記の式にて表される。数値が
大きい程良好である。
【0034】
【数1】
【0035】氷上制動性 サイズ185/70R13のタイヤを作製し、テストコ
ースを時速60kmで200km周回した後、所定温度
の氷路にて時速20kmから制動した時の制動距離の逆
数を、コントロールタイヤを100として指数表示し
た。数値は大きい程良好である。
【0036】耐摩耗性 サイズ185/70R13のタイヤを作製し、走行前の
各試験タイヤの溝深さをA、各タイヤを2本、排気量1
500ccの乗用車のドライブ軸に取り付け、社内テス
トコースのコンクリート路面を時速60kmで1000
0km走行させた後の溝深さをBとしたとき、1000
0km走行後の溝深さの変化量(B−A)の逆数をコン
トロールタイヤを100として指数表示した。
【0037】−20℃における動的弾性率E′ 加硫条件160℃×15分、ゲ−ジ2mmのスラブシー
トより切り出した幅5mm、長さ20mmの試料を岩本
製作所(株)製のスペクトロメーターを使用して、初期
荷重150g、動的歪み1%、周波数50Hz、設定温
度−20℃の条件で測定した。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】*1:ジベンゾチアジルジスルフィド(加
硫促進剤) *2:N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジル−スル
フェンアミド(加硫促進剤) *3:アゾジカルボンアミド *4:ADCA:尿素=1:1(重量比) *5:各配合ゴム種毎に粒子非含有のコントロールを設
けた。 表中のカップリング剤ア、イについては以下の通りであ
る。
【0041】
【表3】 表中の粒子種A〜Hについては、以下の通りである。
【0042】
【表4】
【0043】粒子A:昭和電工(株)製、商品名 ハイ
ジライト H−10A 粒子B:昭和電工(株)製、商品名 アルミナ A−1
2C 粒子C:MERCK社製、シリカゲル60 製品番号
9385−2M 粒子D,G,H:人工大理石破砕物 粒子E,F:試作品 各粒子の粒径は、目開き60μmのふるいを通過し、4
5μmのふるいを通過しなかった粒径成分を用いた。
【0044】比較例1は、最高練り温度(最終練り温
度)が150℃に達しないため、粒子が十分に接着せ
ず、耐摩耗性及び耐破壊特性が不十分な例である。比較
例2は、実施例1〜8、12〜15と、比較例1、3、
4、8、9、10のコントロールである。比較例3は、
シランカップリング剤の量が少なく、粒子とゴムとの結
合が不十分となった例である。比較例4は、シランカッ
プリング剤の量が多く、弾性率が高くなり、耐破壊特性
及び耐摩耗性が低下した例である。氷上性能向上効果も
低減している。
【0045】比較例5は、実施例9のコントロールであ
る。比較例6は、実施例10,11および比較例7のコ
ントロールである。比較例7は、粒子量が少ないため、
氷上摩擦係数(μ)が、粒子を含まない例である比較例
6同等に止まった例である。比較例8は、粒子がAl2
3 であることで、粒子表面に−OH基をもたないため
に、ゴムマトリクスと接着が得られず、よって、走行と
共に粒子が脱離し、氷上性能が改善せず、耐久性および
耐摩耗性が低下してしまった例である。比較例9、10
は、最終混練り温度が150℃未満のため、接着粒子の
割合が低く、氷上性能が改善されず、クラック、耐摩耗
性が劣る例である。
【0046】これに対し、各実施例は、粒子とゴムとが
十分に接着して、気泡がゴムマトリクス中に存在するた
め、耐破壊特性、耐摩耗性、氷上摩擦係数等において良
好である。尚、人工大理石は、本発明の粒子の条件を満
たすため、建築資材の廃棄物を効果的に利用することが
できる。
【0047】
【発明の効果】本発明によると、粒子とゴムとの結合を
確実にして、従来の問題点であった混入粒子の離脱を回
避すると共に、粒子界面発泡を防止して、耐摩耗性・破
壊特性を損なわず、また、氷温の高低に関わらず安定し
た氷上性能を発揮できる優れた効果を有するゴム組成物
およびその製造法を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08K 3:36 5:54

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゴム成分100重量部に対して、表面に
    アルミニウム結合水酸基(Al−OH)及び/又はケイ
    素結合水酸基(Si−OH)を有する粒子を3〜100
    重量部配合し、 一般式 Y3 −Si−Cn 2nA (式中、Aは−Sm n 2nSi−Y3 基及び−Sm
    基よりなる群から選ばれた基であり、Zは 【化1】 基であり、Yは炭素数1〜4のアルキル基、アルコキシ
    ル基、又は塩素原子であり、3個のYは同一でも異なっ
    てもよく、m及びnはそれぞれ1〜6の整数を示す。)
    で表されるカップリング剤のうち少なくとも1種を、前
    記粒子重量の3〜50重量%配合してなる、 発泡率5〜35%の独立気泡を有することを特徴とする
    粒子含有発泡ゴム組成物。
  2. 【請求項2】 前記粒子が、Al(OH)3 及びSiO
    2 からなる群のうち少なくとも1種を20重量%以上含
    有してなることを特徴とする請求項1記載の粒子含有発
    泡ゴム組成物。
  3. 【請求項3】 前記粒子の平均粒径が5〜250μmで
    あることを特徴とする請求項1または2記載の粒子含有
    発泡ゴム組成物。
  4. 【請求項4】 前記ゴム成分、粒子およびシランカップ
    リング剤の混練り温度を150℃以上の温度に到達させ
    た後、発泡させることを特徴とする請求項1、2または
    3記載の粒子含有発泡ゴム組成物の製造法。
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