JP2010195357A - スタッドレスタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】車両装着時内側に位置するタイヤのトレッド部の著しい偏摩耗を抑制し、耐摩耗性の良好なスタッドレスタイヤを提供する。
【解決手段】トレッド部3のゴムとして発泡ゴムを用いたスタッドレスタイヤにおいて、トレッド部3の踏面に周方向に延びる周方向主溝4を有し、周方向主溝4が、トレッド部3の周方向赤道面Oからオフセットされてなり、かつ、車両装着時内側に配置されてなるスタッドレスタイヤである。周方向主溝4の溝幅中心が、トレッド部3の周方向赤道面Oからトレッド部3の端部に向かって、トレッド部3の踏面幅の1/4の領域内に形成されていることが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、スタッドレスタイヤ(以下、単に「タイヤ」とも称する)に関し、詳しくは、車両装着時内側に位置するタイヤのトレッド部の著しい偏摩耗を抑制し、耐摩耗性の良好なスタッドレスタイヤに関する。
粉塵公害の防止を目的とするスパイクタイヤの規制に伴って、氷雪路面上での駆動性能や制動性能、操縦性能等に優れたスタッドレスタイヤが、冬用タイヤとして広く普及してきている。スタッドレスタイヤについては、さらなる氷雪上性能の向上を目的としてトレッドパターンやトレッドゴム配合などの観点から種々検討がなされており、例えば、特許文献1には、トレッド踏面部にタイヤ幅方向に延びる複数のサイプを有するブロックパターンを形成し、そのエッジ効果により氷雪路面上での駆動性能や制動性能を確保する技術が開示されている。また、特許文献2には、サイプを追加することに替えて、トレッドの陸部表面に多数の小孔を配置して、ブロック剛性を低下することなしに、氷雪上の性能を向上する方法が、開示されている。
さらに、トレッドゴムの改良に係る技術としては、例えば、特許文献3には、トレッドゴムに発泡ゴムを用いることによってスタッドレス性能を良好に保つ方法が、開示されている。さらにまた、特許文献4には、トレッド部をラジアル方向外側に配置されたキャップゴムとラジアル方向内側に配置されたベースゴムとの二層からなるものとし、キャップゴムの路面と接する面に発泡ゴム層を設けた、いわゆる発泡タイヤが、開示されている。
特開平9−136510号公報(特許請求の範囲等) 特開2006−7797号公報(特許請求の範囲等) 特開昭62−283001号公報(特許請求の範囲等) 特開平11−181152号公報(特許請求の範囲等)
しかしながら、一般的に、タイヤにはネガティブキャンパーが付けられているために車両装着時内側に高い圧力がかかるため、車両装着時内側は偏摩耗しやすく、偏摩耗することによってタイヤのライフサイクルが短くなり、特にトレッドゴムに発泡ゴムを用いたときにその傾向が顕著に現れるという問題点があった。また、特許文献1〜4記載の方法においても上記問題点については改良の余地があり、車両装着時内側に位置するタイヤのトレッド部の偏摩耗をより最小限に抑えることが望まれていた。
そこで本発明の目的は、上記問題点を解消して、車両装着時内側に位置するタイヤのトレッド部の著しい偏摩耗を抑制し、耐摩耗性の良好なスタッドレスタイヤを提供することにある。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意検討した結果、スタッドレスタイヤにおいてトレッド周方向主溝を周方向赤道面からオフセットすることにより、車両装着時内側に位置するトレッド部の偏摩耗を抑制できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のスタッドレスタイヤは、トレッド部のゴムとして発泡ゴムを用いたスタッドレスタイヤにおいて、
前記トレッド部の踏面に周方向に延びる周方向主溝を有し、
前記周方向主溝が、前記トレッド部の周方向赤道面からオフセットされてなり、かつ、車両装着時内側に配置されてなることを特徴とする。
また、本発明のスタッドレスタイヤは、前記周方向主溝の溝幅中心が、前記トレッド部の周方向赤道面から前記トレッド部の端部に向かって、前記トレッド部の踏面幅の1/4の領域内に形成されていることが好ましい。
さらに、本発明のスタッドレスタイヤは、前記ゴムのゴム成分中に、平均粒径5μm以上の下記一般式(I)、
M・xSiO・yHO (I)
(一般式(I)中、Mは、Al、Mg、TiおよびCaから選ばれる少なくとも一つの金属の金属酸化物または金属水酸化物であり、xおよびyは、それぞれ独立に、0〜10の整数である)で表される無機化合物粉体を含むことが好ましく、さらにまた、前記無機化合物粉体が、下記一般式(II)、
Al・aSiO・bHO (II)
(一般式(II)中、aおよびbは、それぞれ独立に、0〜4の整数である)で表されることが好ましい。特に、前記無機化合物粉体が、水酸化アルミニウムであることが好ましい。
また、本発明のスタッドレスタイヤは、前記無機化合物粉体の配合量が、前記ゴムのゴム成分100質量部に対して、5〜50質量部であることが好ましい。
本発明によれば、車両装着時内側に位置するタイヤのトレッド部の著しい偏摩耗を抑制し、耐摩耗性の良好なスタッドレスタイヤを提供することができる。
本発明の一実施の形態に係るスタッドレスタイヤの幅方向断面図である。 スタッドレスタイヤの接地形状を示す図である。 本発明の他の一実施の形態に係るスタッドレスタイヤの幅方向断面図である。
以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係るスタッドレスタイヤの幅方向断面図である。図示するように、本発明のタイヤは、1対のビード部1の径方向外側に1対のサイドウォール部2を配置し、これらサイドウォール部2間に跨ってトレッド部3を配置してなる。本発明のタイヤは、かかるトレッド部3のゴム成分として発泡ゴムを使用し、トレッド部3の踏面に周方向に延びる周方向主溝4を有し、周方向主溝4が、トレッド部3の周方向赤道面Oからオフセットされてなり、かつ、車両装着時内側に配置されてなることを特徴とするものである。
図2は、スタッドレスタイヤの接地形状を示す図である。タイヤを車両に装着した状態では、車両両側のタイヤが車両中心に向かってハの字状に傾く、いわゆるネガティブキャンバーが付与されているため、装着されたタイヤの接地形状は、図2(a)に示すように、タイヤの赤道面Oを境とする車両装着内側の領域では接地圧が高くなり、接地長は長くなる。そのため、従来のスタッドレスタイヤのトレッド部3のゴム成分として発泡ゴムを用いた場合、車両装着時内側に位置するタイヤのトレッド部3の著しい偏摩耗が発生する。
一方、本発明のタイヤは、図2(b)に示すように、トレッド部3の周方向赤道面Oからオフセットされ、かつ、周方向主溝4をタイヤの赤道面Oより車両装着時内側に配置し、タイヤ装着時、タイヤに最も荷重がかかる部分に周方向主溝4を配置させている。そのため、ネガティブキャンバーが付与されている時の偏摩耗が抑制され、タイヤのライフサイクルを向上することができる。
また、本発明のスタッドレスタイヤは、周方向主溝4の溝幅中心が、トレッド部3の周方向赤道面Oからトレッド部3の端部に向かって、トレッド部3の踏面幅の1/4の領域内に形成されていることが好ましい。タイヤに最も荷重がかかる部分付近である、トレッド部3の踏面幅の1/4の領域内に周方向主溝4の位置を規定することにより、偏摩耗をより効果的に抑制することができる。
図3は、本発明の他の一実施の形態に係るスタッドレスタイヤの幅方向断面図である。本発明のスタッドレスタイヤは、図3に示すように、タイヤの赤道面Oを境として、車両装着時に車両外側となる領域の、最大幅位置Poutからタイヤの回転軸Lに下ろした垂線の長さSWHoutが、車両装着時に車両内側となる領域の、最大幅位置Pinからタイヤの回転軸Lに下ろした垂線の長さSWHinを超える、非対称形状であることが好ましい。
タイヤの最大幅位置をトレッド部3に近づけると、タイヤ断面で最も厚さが薄く剛性の低いトレッド部3からサイドウォール部2に至る曲線部分の曲率が小さくなり、当該曲線部分の曲げ変形に対する剛性をさらに低くすることができ、そのため車両装着時に車両外側となる領域の断面構造に適用して、SWHoutを長くすることが好ましい。これにより、路面からトレッド部3に加えられる振動を吸収し易くなる。
また、タイヤの最大幅位置をトレッド部3から遠ざけると、タイヤ断面でトレッド部3からサイドウォール部2に至る曲線部分の曲率が大きくなり、当該曲線部分の曲げ変形に対する剛性を高くすることができ、そのため車両装着時に車両内側となる領域の断面構造に適用して、SWHinを短くすることが好ましい。これにより、ドライバーの意図する操舵力の路面への伝達は容易に達成されるようになる。
周方向主溝4の位置を規定し、さらに、上記垂線の長さSWHoutが上記垂線の長さSWHinを超える、非対称形状な構造をとすることにより、両者の相乗効果で、車両装着時内側に位置するタイヤのトレッド部の著しい偏摩耗を抑制し、耐摩耗性の良好とするだけでなく、路面の凹凸からタイヤおよび車体に加えられる振動を車両装着時外側を主体として効果的に抑制し、タイヤの乗り心地性と直進安定性、特に微小舵角領域における操縦安定性を共に向上させることが可能となる。
さらに、本発明において、車両装着時の外側および内側を機能分離し、特に外側での振動減衰効果を十分に発揮させるため、上記垂線の長さSWHoutが、上記垂線の長さSWHinの110%以上200%以下であることが、好ましい。上記垂線の長さSWHoutが、上記垂線の長さSWHinの110%未満では、同様の効果は発揮されるものの、その効果が小さく、一般的なドライバーには認知され難く好ましくない。一方、200%を超えると、外側と内側のサイドウォール部2で著しい剛性差が生じ、微小舵角領域においても車両の挙動が唐突に不安定になる場合があり、好ましくない。
さらにまた、本発明において、トレッド部3のトレッドパターンは、周方向主溝4に関して非対称であることが好ましい。操舵力の路面への伝達が容易になり、接地域により力が加わることから、周方向に延びる溝の壁面部分にかかる圧力が大きくなる結果、エッジ効果を高くすることができる。
さらに、本発明のスタッドレスタイヤは、トレッド部3のゴムのゴム成分中に、平均粒径5μm以上の下記一般式(I)、
M・xSiO・yHO (I)
(一般式(I)中、Mは、Al、Mg、TiおよびCaから選ばれる少なくとも一つの金属の金属酸化物または金属水酸化物であり、xおよびyは、それぞれ独立に、0〜10の整数である)で表される無機化合物粉体を含むことが好ましい。
本発明においては、平均粒径を5μm以上として、無機化合物粉体の粒径を大きくすることにより、表面粗さを大きくすることができ、タイヤと氷上面との接地面積を大きくすることで氷上性能(氷雪路面上でのタイヤの制動・駆動性能)を向上させることができる。さらに、周方向主溝4を車両装着時内側にオフセットしているため、平均粒径が5μm以上の無機化合物粉体を使用した場合でも、偏摩耗を最小限に抑えることができる。さらにまた、無機化合物粉体の平均粒径が40μm以下であることが好ましく、平均粒径を40μm以下とすることにより、耐摩耗性が好適に維持できる。
上記一般式(I)で表される無機化合物粉体は、x,yが共に0である場合には、Al、Mg、Ti、Caから選ばれる少なくとも一つの金属の金属酸化物または金属水酸化物となる。
上記一般式(I)で表される無機化合物粉体の具体例としては、アルミナ(Al)、水酸化アルミニウム〔Al(OH)等〕、水酸化マグネシウム〔Mg(OH)〕、酸化マグネシウム(MgO)、チタン白(TiO)、チタン黒(TiO2n−1)、タルク(3MgO・4SiO・HO)、アタパルジャイト(5MgO・8SiO・9HO)、クレー(Al・2SiO)、カオリン(Al・2SiO・2HO)、パイロフィライト(Al・4SiO・HO)、ベントナイト(Al・4SiO・2HO)等が挙げられる。なお、ケイ酸マグネシウムカルシウム(CaMgSiO)、ケイ酸マグネシウム(MgSiO)は、本発明における無機化合物粉体と同等の効果を発揮するものとなる。
また、一般式(I)で表される無機化合物粉体が、下記一般式(II)、
Al・aSiO・bHO (II)
(一般式(II)中、aおよびbは、それぞれ独立に、0〜4の整数である)で表されることが好ましい。
上記一般式(II)で表される無機化合物の具体例としては、水酸化アルミニウム、アルミナ、クレー(Al・2SiO)、カオリン(Al・2SiO・2HO)、パイロフィライト(Al・4SiO・HO)、ベントナイト(Al・4SiO・2HO)等が挙げられる。また、本発明で用いる水酸化アルミニウムは、アルミナ水和物も含むものである。
上記無機化合物粉体の内、水酸化アルミニウムが、氷上性能およびWET性能(湿潤路面上におけるタイヤの制動・駆動性能)の向上の観点から特に好ましい。
本発明で用いる上記無機化合物粉体の配合量としては、後述するトレッド部3のゴムのゴム成分(以下、単に「ゴム成分」とも称する)100質量部に対して、好ましくは5〜50質量部、より好ましくは、5〜20質量部である。無機化合物粉体の配合量を5〜50質量部とすることによって、耐摩耗性を維持し、より優れたWET性能を得ることができる。
本発明において、トレッド部3のゴムのゴム成分として使用できる発泡ゴムとしては、通常のスタッドレスタイヤのトレッド部として使用できるものであれば限定されず、例えば、天然ゴム(NR)、ポリブタジエンゴム(BR)、これらとその他のゴムとのブレンド等を用いることができる。
また、かかる発泡ゴムとしては、特に天然ゴムとポリブタジエンゴムとを含むことが好ましい。天然ゴムは、ゴム成分100質量部中に20〜70質量部の範囲で含まれることが好ましく、ポリブタジエンゴムは、ゴム成分100質量部中に30〜80質量の範囲で含まれることが好ましい。また、ポリブタジエンゴムは、シス−1,4−ポリブタジエンが好ましく、シス含有率が90%以上のものが特に好ましい。シス−1,4−ポリブタジエンは、ガラス転移温度が低く、氷上性能の効果が大きい点で好ましい。なお、本発明において、ゴム成分中には、天然ゴムおよびポリブタジエンゴム等の発泡ゴム以外の他のゴム成分を含んでいてもよい。
本発明において、発泡ゴムは、発泡剤を配合した独立気泡を有するものであることが好ましい。
また、上記発泡ゴムにおける発泡率は、3〜50%の範囲であることが好ましく、15〜40%の範囲にあることが特に好ましい。ここで、発泡率Vは、V=(ρ0/ρ1−1)×100(%)で表され、ρ1は、発泡ゴムの密度(g/cm)を表し、ρ0は、発泡ゴムにおける固相部(非発泡部分)の密度(g/cm)を表す。固相部の密度は、エタノール中の質量と空気中の質量を測定し、これから算出する。
発泡率が3%未満であると、トレッド部3における凹部の体積が小さく、氷上性能を十分に向上させることができない場合がある。一方、発泡率が50%を超えると、トレッド部3における氷上性能は十分であるものの、トレッド部3内における気泡が多くなり破壊限界が低下する傾向にあり、耐久性の点で好ましくない。
上記発泡剤としては、例えば、ジニトロソペンタメチレンテトラミン(DPT)、アゾジカルボンアミド(ADCA)、ジニトロソペンタスチレンテトラミンやベンゼンスルホニルヒドラジド誘導体、オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド(OBSH)、二酸化炭素を発生する炭酸水素アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸アンモニウム、窒素を発生するニトロソスルホニルアゾ化合物、N,N’−ジメチル−N,N’−ジニトロソフタルアミド、トルエンスルホニルヒドラジド、P−トルエンスルホニルセミカルバジド、P,P’−オキシービス(ベンゼンスルホニルセミカルバジド)等が挙げられる。
これらの発泡剤の中でも、製造加工性を考慮すると、ジニトロソペンタメチレンテトラミン(DNPT)、アゾジカルボンアミド(ADCA)が好ましく、特にアゾジカルボンアミド(ADCA)が好ましい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。上記発泡剤の作用により、得られた上記加硫ゴムは発泡率に富む発泡ゴムとなる。
本発明においては、効率的な発泡を行う観点から、その他の成分として発泡助剤を用い、上記発泡剤と併用するのが好ましい。上記発泡助剤としては、例えば、尿素、ステアリン酸亜鉛、ベンゼンスルフィン酸亜鉛や亜鉛華等、通常、発泡製品の製造に使用する助剤等が挙げられる。これらの中でも、尿素、ステアリン酸亜鉛、ベンゼンスルフィン酸亜鉛等が好ましい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記発泡剤の含有量としては、目的に応じて適宜決定すればよいが、一般にはゴム成分100質量部に対して1〜10質量部程度が好ましい。
また、上記発泡ゴムには、上述の配合成分の他、本発明の効果を害しない範囲で他の成分を用いることができ、例えば、カーボンブラック等の補強性充填剤、有機繊維、硫黄等の加硫剤、ジベンゾチアジルジスルフィド等の加硫促進剤、加硫促進助剤、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジル−スルフェンアミド、N−オキシジエチレン−ベンゾチアジル−スルフェンアミド等の硫化防止剤、オゾン劣化防止剤、着色剤、帯電防止剤、分散剤、滑剤、酸化防止剤、軟化剤等の他に、通常ゴム業界で用いる各種配合剤等を目的に応じて適宜選択して使用することができる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。なお、ゴム成分に対し、上記各種配合剤等を添加したものをゴム組成物と称す。
上記補強性充填剤としては、カーボンブラックおよび/またはシリカが好ましい。かかるカーボンブラックとしては、そのゴム層の力学的性能を高め、加工性等を改善させるものである限り、I吸着量、CTAB比表面積、N吸着量、DBP吸着量等の範囲を適宜選択した公知のカーボンブラックを使用することができる。カーボンブラックの種類としては、例えば、SAF、ISAF−LS、HAF、HAF−HS等の公知のものを適宜選択して使用することができる。耐摩耗性を考慮すると、微粒子径のISAFやSAFが好ましい。
本発明において、カーボンブラックの含有量としては、ゴム成分100質量部に対して好ましくは5〜95質量部、より好ましくは10〜60質量部である。カーボンブラックの含まれる量を上記範囲にすることにより耐摩耗性を維持し、優れたWET性能を得ることができる。
また、上記シリカとしては、狭義の二酸化珪素のみを示すものではなく、ケイ酸系充填剤を意味し、具体的には、無水ケイ酸の他に、含水ケイ酸、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム等のケイ酸塩を含む。
かかるシリカの含有量としては、ゴム成分の100質量部に対して、好ましくは5〜95質量部、より好ましくは15〜80質量部である。シリカの含有量を上記範囲とすることにより、温度変化によるタイヤの硬度の低下を減少させDRY性能を維持するばかりではなく、優れた氷上性能およびWET性能を得ることができる。
なお、カーボンブラックおよびシリカを合わせた合計の配合量は、成分100質量部に対して、好ましくは30〜120質量部、より好ましくは40〜80質量部であり、また、カーボンブラックとシリカの混合比[カーボンブラック]/[シリカ]は質量比で0.04〜6.0であることが好ましい。特に、WET性能を考慮すると、シリカの配合比率を増すことが好ましい。
本発明においては、補強用充填剤としてシリカを用いる場合、その補強性および低発熱性をさらに向上させる目的で、シランカップリッグ剤を配合することができる。
かかるシランカップリング剤としては、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−卜リエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシラン、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリエトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、ビス(3−ジエトキシメチルシリルプロピル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン、ジメトキシメチルシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、ジメトキシメチルシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド等が挙げられるが、これらの中で補強性改善効果等の点から、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ポリスルフィドおよび3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィドが好適である。これらのシランカップリング剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
シランカップリング剤の配合量としては、シランカップリング剤の種類等により異なるが、シリカに対して、好ましくは1〜20質量%の範囲で選定される。
本発明において、有機繊維としては、必ずしもその材質、形状、径、長さ等が一致した同じものを同時に使用することはなく、互いに異なった有機繊維を使用してもよいが、共に以下の性質を有する範囲の有機繊維を使用することが好ましい。
かかる有機繊維の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。しかしながら、ゴム組成物との関係から加硫時に加硫最高温度に達するまでの間に、ゴムマトリックスの粘度よりも低くなる粘度特性を有する繊維を構成する樹脂を用いることが、本発明においては好ましい。即ち、上記有機繊維を構成する樹脂としては、ゴム組成物が加硫最高温度に達するまでの間に溶融(軟化を含む)する熱特性を有していることが好ましい。
このような熱特性を、上記有機繊維を構成する樹脂が有していると、ゴム組成物を加硫して得た加硫ゴム中に、ミクロな排水溝として機能し得る長尺状気泡を容易に形成することができる。なお、加硫最高温度とは、ゴム組成物の加硫時に達する最高温度を意味する。例えば、モールド加硫の場合には、ゴム組成物がモールド内に入ってからモールドを出て冷却されるまでに該ゴム組成物が達する最高温度を意味する。加硫最高温度は、例えば、ゴム組成物中に熱電対を埋め込むこと等により測定することができる。また、ゴムマトリックスの粘度は、流動粘度を意味し、例えば、コーンレオメーター、キャピラリーレオメーター等を用いて測定する。また、上記有機繊維を構成する樹脂の粘度は、溶融粘度を意味し、例えば、コーンレオメーター、キャピラリーレオメーター等を用いて測定する。従って、本発明で選択される好ましい樹脂は、例えば、その融点が上記加硫最高温度よりも低い結晶性高分子樹脂等が特に好適に挙げられる。
上記結晶性高分子樹脂では、その融点と、ゴム組成物の加硫最高温度との差が大きくなる程、ゴム組成物の加硫中に速やかに溶融するため、結晶性高分子樹脂の粘度がゴムマトリックスの粘度よりも低くなる時期が早くなる。このため、結晶性高分子樹脂が溶融すると、そのゴム組成物に配合した発泡剤から発生したガス等のゴム組成物に存在するガスは、ゴムマトリックスよりも低粘度である結晶性高分子樹脂の内部に集まる。その結果、加硫ゴム中には、ゴムマトリックスとの間に微粒子を含有する樹脂層を有する独立気泡、即ち、上記樹脂により被覆されたカプセル状の長尺状気泡が潰れのない状態で効率よく形成される。
路面と実質接する発泡ゴムを有するタイヤトレッドゴムにおいては、このカプセル状の長尺状気泡はトレッドの表面に現れ、表面の摩耗により生じた溝が上記ミクロな排水溝として機能し、水膜排除効果として作用する。
これに対して、有機繊維を構成する樹脂の融点が、ゴム組成物の加硫最高温度に近い場合、加硫初期に速やかに溶融せず、加硫末期に溶融する。加硫末期では、ゴム組成物中に存在するガスの一部は加硫したゴムマトリックス中に取り込まれてしまい、溶融した樹脂の内部には集まらない。その結果、上記ミクロな排水溝として効果的機能する長尺状気泡が、効率よく形成されず、また、有機繊維の樹脂融点が低過ぎる場合、有機繊維をゴム組成物中に配合し混練りする際に有機繊維同士の融着が発生し、有機繊維の分散不良が生じる。これもまた、ミクロな排水溝して機能し得る長尺状気泡が効率よく形成されない。したがって、有機繊維の樹脂の融点は、加硫前の各工程における温度では溶融軟化せず、加硫工程中にゴムマトリックスと樹脂との粘度とが逆転するような範囲で選択するのが好ましい。
有機繊維を構成する樹脂の融点の上限としては、特に制限はないものの上記の点を考慮して選択するのが好ましく、上記ゴムマトリックスの加硫最高温度よりも低く、10℃以上低いのがより好ましく、20℃以上低いのが特に好ましい。ゴム組成物の工業的な加硫温度は、一般的には最高で約190℃程度であるが、例えば、加硫最高温度がこの190℃を超えて設定されている場合には、上記樹脂の融点としては、190℃以下の範囲で選択され、180℃以下が好ましく、170℃以下がより好ましい。なお、上記樹脂の融点は、それ自体公知の融点測定装置等を用いて測定することができ、例えば、DSC測定装置を用いて測定した融解ピーク温度を上記融点とすることができる。
以上のことから有機繊維を構成する樹脂は、結晶性高分子樹脂および/または非結晶性高分子樹脂から形成されていてもよい。但し、上述したように本発明においては、相転移があるために粘度変化がある温度で急激に起こり、粘度制御が容易な点で結晶性高分子樹脂を多く含む有機素材から形成されていることが好ましく、結晶性高分子樹脂のみから形成されるのがより好ましい。
このような結晶性高分子樹脂の具体例としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリブチレン、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネート、シンジオタクティック−1,2−ポリブタジエン(SPB)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ塩化ビニル(PVC)等の単一組成重合物や、共重合、ブレンド等により融点を適当な範囲に制御したものも使用でき、さらにこれらの樹脂に添加剤を加えたものも使用できる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの結晶性高分子樹脂の中でも、ポリオレフィン、ポリオレフィン共重合体が好ましく、汎用で入手し易い点でポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)がより好ましく、融点が比較的低く、取扱いが容易な点でポリエチレン(PE)が特に好ましい。
なお、非結晶性高分子樹脂としては、例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体(ABS)、ポリスチレン(PS)、ポリアクリロニトリル、これらの共重合体、これらのブレンド物等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、上記有機繊維の平均長さとしては、0.5〜20mmの範囲にある短繊維であることが好ましく、特に、1〜10mmの範囲にある短繊維であることがより好ましい。
上記発泡ゴム中に、かかる長さの有機繊維が存在すれば、徐水効果が有効に作用すると共に、前述の発泡剤等を含めるとミクロな排水溝として効率よく機能し得る長尺状気泡を十分に形成することも可能となる。上記有機繊維の平均長さを上記範囲にすることにより作業性を確保し上記効果を充分に得ることができる。
また、上記有機繊維において、その平均繊維径が0.01〜0.1mmの範囲が好ましく、特に、0.015〜0.09mmの範囲がより好ましい。平均繊維径を上記範囲にすることによって繊維等の切断による加工性の問題もなく、優れた徐水効果を得ることができる。
本発明においては、加流後に気泡を形成させるために、上記発泡ゴムの成形前の加硫ゴム中および/または有機繊維中に発泡剤を配合する。発泡剤および有機繊維を用いることにより、加硫ゴムあるいはトレッド部となる上記発泡ゴムは、長尺状気泡を有してミクロな排水溝を形成して水膜除去能が付与される。
本発明においては、有機繊維がさらに微粒子を含有することが、より氷上性能を高める上で好ましい。この微粒子を含有する有機繊維(以下、微粒子含有有機繊維という)を構成する素材、平均繊維長、平均径、融点等は、上記有機繊維と同じものを用いることができる。上記微粒子としては、モース硬度が2以上の無機微粒子が好ましく用いられる。このような微粒子としては、例えば、石膏、方解石、蛍石、正長石、石英、金剛石等が挙げられるが、好ましくは、モース硬度5以上のシリカガラス(硬度6.5)、石英(硬度7.0)、溶融アルミナ(硬度9.0)等を挙げることができる。中でもシリカガラス、アルミナ(酸化アルミニウム)等が安価で容易に使用することができる。また、微粒子が角部を有することが引っ掻き効果向上の観点から好ましい。
また、上記微粒子はその粒径分布の頻度数の80質量%以上、好ましく90質量%以上が10〜50μmの範囲にあることが好ましく、また、その平均粒径が10〜30μmの範囲であることが好ましい。
微粒子含有有機繊維の長尺発泡体は、予め所定量の微粒子を有機繊維を構成する素材に混練し有機繊維にしたのち、上記有機繊維を用いて長尺発泡体を製造した同じ方法で得ることができる。この、微粒子含有の長尺発泡体は、前述の徐水効果はもとより、エッヂ効果や引っ掻き効果等を発現しさらなる氷上性能の向上をはかることができる。
本発明において、無機化合物粉体や微粒子の平均粒径および粒径分布は、電子顕微鏡法により粉体または微粒子の投影面積円相当径(粒子の投影面積と同じ面積を持つ円の直径であり、Heywood径とも呼ぶ。)無作為に200個を測定し、粒径分布を得ると共に、相加平均により平均粒径を求める。
有機繊維の平均繊維径および平均長さは、顕微鏡法により、無作為に200個の長さと直径をそれぞれ測定し、それぞれ相加平均により平均繊維径および平均長さを求める。
本発明に係るタイヤの発泡ゴムを形成するには、上記ゴム組成物を、以下の条件、手法にて混練り、熱入れ、押出等を行なう。
混練は、混練装置への投入体積、ローター回転速度、混練温度、混練時間等の混練装置等の諸条件について特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。混練装置としては、市販品を好適に使用することができる。
熱入れまたは押出は、熱入れまたは押出時間、熱入れまたは押出装置等の諸条件について特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。熱入れまたは押出装置としては、市販品を好適に使用することができる。なお、熱入れまたは押出温度は、発泡剤が存在する場合はその発泡を起こさないような範囲で適宜選択される。押出温度は、90〜110℃程度が好ましい。
本発明において、押出等により上述の有機繊維は押出方向に配向させることが好ましく、このような配向を効果的に行うには、限られた温度範囲の中でゴム組成物の流動性を制御し、具体的にはゴム組成物中に、アロマ系オイル、ナフテン系オイル、パラフィン系オイル、エステル系オイル等の可塑剤、液状ポリイソプレンゴム、液状ポリブタジエンゴム等の液状ポリマー等の加工性改良剤を適宜添加してゴム組成物の粘度を変化させ、その流動性を高める。
本発明において、加硫の条件乃至方法等については特に制限はなく、ゴム成分の種類等に応じて適宜選択することができるが、本発明のようにトレッドとしての発泡ゴムを製造する場合にはモールド加硫がよい。加硫の温度としては、上述したように加硫中の上記ゴム組成物の加硫最高温度が上記有機繊維を構成する樹脂の融点以上になるように選択されることが好ましい。加硫最高温度が樹脂の融点未満であると、上述したように繊維が溶融せず、発泡により生じたガスを樹脂中に取り込むことができない。発泡ゴムに長尺状気泡を効率よく形成できない。加硫装置は、特に制限はなく、市販品を好適に使用することができる。
本発明のタイヤのトレッド部(発泡ゴム)においては、トレッド表面に生じた長尺状気泡の凹部は方向性を持たせてある。このため、効率的な排水を行う排水路として機能する。なお、該凹部は上記保護層、特に微粒子を存在させた保護層を有するため、該凹部は、耐剥離性、水路形状保持性、水路エッヂ部摩耗性、荷重入力時の水路保持性等に優れる。さらに本発明のタイヤにおいては、長尺状気泡が発泡ゴム全体に存在するため、使用初期から末期まで上記凹部による諸機能が発揮され、上記氷上性能に優れる。
本発明において、発泡ゴムに形成される長尺状気泡の平均径(μm)は、10〜500μm程度であるのが好ましい。上記平均径が10μm未満であると、ゴム表面に形成されるミクロの排水溝の水排除性能が低下することがあり、上記平均径が500μmを超えると、ゴムの耐カット性、ブロック欠けが悪化し、また、乾燥路面での耐摩耗性が悪化することがある。
本発明に係るタイヤは、いわゆる乗用車用のみならず、トラック・バス用等の各種の乗物に好適に適用できる。タイヤのトレッド部の著しい偏摩耗を抑制することが必要な構造物に好適に使用でき、タイヤのトレッドは、上記著しい偏摩耗を抑制することが必要な限り、例えば、更生タイヤの貼り替え用のトレッド、中実タイヤ、等に使用できる。また、タイヤが空気入りタイヤである場合、内部に充填する気体としては空気のほかに窒素等の不活性ガスを用いることができる。
また、本発明において、トレッド部3は表面にゴム成分として発泡ゴムを用いていればその構造は特に制限はなく、一層構造を持つトレッド部3でも二層構造を持つトレッド部3でもよい。さらにタイヤ半径方向に分割された多層構造、タイヤ周方向あるいはトレッド幅方向に分割された構造でもよく、トレッド部3の表面層が発泡ゴムを用いていれば他の部分は発泡ゴムを用いていなくてもよい。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。なお、各種の測定法は下記の方法に基づいて行なった。
(実施例1および2)
図1および図2(b)に示した周方向主溝の配置に従って、下記表1示す仕様で実施例のスタッドレスタイヤを、サイズ195/65R15にて試作した。トレッド部3のゴム成分としては、下記表2に示すもの(発砲率25%)を使用した。
(比較例1)
また、図2(a)に示した周方向主溝の配置に従って、下記表1示す仕様で比較例のスタッドレスタイヤを、サイズ195/65R15にて試作した。トレッド部3のゴム成分としては、下記表2に示すもの(発砲率25%)を使用した。
なお、実施例1、2および比較例1において、周方向主溝の幅を同一とし、試作タイヤのトレッドパターンを基本的に同じにした。また、実施例1、2および比較例1において採用したリムおよび内圧は、JATMA YEAR BOOKに定めるラジアルタイヤのサイズに対応する適用リムおよび空気圧−負荷能力対応表に基づくものである。
実施例1、2および比較例1のタイヤを、6J−15のリムに内圧200kPaで組み付け、同一の車両形式の試験車両2台に装着して、高速道路80%、一般道20%の距離の割合で1万キロを同時走行した。このときの、車両装着時内側に位置するタイヤのトレッド部3のヒールアンドトウ摩耗の段差を測定し、周上平均を求めた。結果は、比較例1の段差を100として、指数表示した。数値が大なる程、偏摩耗性の結果が良好である。この指数が105以上のときは、市場での優位性を十分に確保することができる。得られた結果を下記の表1に併記する。
実施例1、2および比較例1のタイヤ4本を、国産1600ccクラスの乗用車に装着し、氷温−1℃の氷上制動性能を該乗用車走行により確認した。比較例1のタイヤをコントロールタイヤとして、
氷上性能=(コントロールタイヤの制動距離/その他の例の制動距離)×100
とした。指数が大きい程、氷上性能が良好である。得られた結果を下記の表1に併記する。
Figure 2010195357
Figure 2010195357
※1 シス−1,4−ポリブタジエンゴム:(商品名:UBEPOL 150L、宇部興産社製)
※2 カーボンブラック:(N134(NSA:146m/g):旭カーボン社製)
※3 シリカ:(Nipsil AQ:日本シリカ株式会社製)
※4 シランカップリング剤:(Si69:デグサ社製)
※5 プロセスオイル:ナフテン系プロセスオイル(商品名「ダイアナプロセスオイルNS−24」、流動点(−30℃):出光興産(株)製)
※6 老化防止剤IPPD:(N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン)
※7 加硫促進剤MBTS:ジベンゾチアジルジスルフィド
※8 加硫促進剤CBS:N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド
※9 発泡剤DNPT:ジニトロソペンタメチレンテトラミン
※10 有機短繊維a:繊維を構成する樹脂(ポリエチレン融点132℃、繊維平均径32μm、繊維平均長さ2mm)
※11 微粒子含有有機短繊維b:繊維を構成する樹脂(ポリエチレン融点132℃、微粒子含有量15質量部、微粒子平均粒径20μm、繊維平均径32μm、繊維平均長さ2mm、微粒子:モース硬度が9の溶融アルミナ、微粒子平均粒径20μm、微粒子のピーク値での頻度数が32質量%、微粒子のアスペクト比:1.5、微粒子の粒径分布の頻度数の90質量%が10〜50μmの範囲にあった)
※12 水酸化アルミニウムA:(昭和電工(株)製、商品名「ハイジライトH−31」、平均粒径20μm)
※13 水酸化アルミニウムB(昭和電工(株)製、商品名「ハイジライトH−32」、平均粒径8μm)
1 ビード部
2 サイドウォール部
3 トレッド部
4 周方向主溝
O タイヤの赤道面
L タイヤの回転軸
Pout 車両装着時に車両外側となる領域の、最大幅位置
Pin 車両装着時に車両内側となる領域の、最大幅位置
SWHout 車両装着時に車両外側となる領域の、最大幅位置Poutからタイヤの回転軸Lに下ろした垂線の長さ
SWHin 車両装着時に車両内側となる領域の、最大幅位置Pinからタイヤの回転軸Lに下ろした垂線の長さ

Claims (6)

  1. トレッド部のゴムとして発泡ゴムを用いたスタッドレスタイヤにおいて、
    前記トレッド部の踏面に周方向に延びる周方向主溝を有し、
    前記周方向主溝が、前記トレッド部の周方向赤道面からオフセットされ、かつ、車両装着時内側に配置されてなることを特徴とするスタッドレスタイヤ。
  2. 前記周方向主溝の溝幅中心が、前記トレッド部の周方向赤道面から前記トレッド部の端部に向かって、前記トレッド部の踏面幅の1/4の領域内に形成されている請求項1記載のスタッドレスタイヤ。
  3. 前記ゴムのゴム成分中に、平均粒径5μm以上の下記一般式(I)、
    M・xSiO・yHO (I)
    (一般式(I)中、Mは、Al、Mg、TiおよびCaから選ばれる少なくとも一つの金属の金属酸化物または金属水酸化物であり、xおよびyは、それぞれ独立に、0〜10の整数である)で表される無機化合物粉体を含む請求項1または2記載のスタッドレスタイヤ。
  4. 前記無機化合物粉体が、下記一般式(II)、
    Al・aSiO・bHO (II)
    (一般式(II)中、aおよびbは、それぞれ独立に、0〜4の整数である)で表される請求項3記載のスタッドレスタイヤ。
  5. 前記無機化合物粉体が、水酸化アルミニウムである請求項4記載のスタッドレスタイヤ。
  6. 前記無機化合物粉体の配合量が、前記ゴムのゴム成分100質量部に対して、5〜50質量部である請求項3〜5のうちいずれか一項記載のスタッドレスタイヤ。
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