JP2007308594A - トレッド用ゴム組成物およびスタッドレスタイヤ - Google Patents

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道夫 平山
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Abstract

【課題】雪氷上性能および操縦安定性を向上するとともに、高い耐久性を維持するトレッド用ゴム組成物およびスタッドレスタイヤを提供する。
【解決手段】トレッド用ゴム組成物は、ペーパースラッジ炭を含有している。ペーパースラッジ炭は、ゴム成分100質量部に対して、1〜20質量部配合されていることが好ましい。また、スタッドレスタイヤは、トレッド用ゴム組成物をトレッド部3に用いてなる。
【選択図】図1

Description

本発明はトレッド用ゴム組成物およびスタッドレスタイヤに関し、たとえばペーパースラッジ炭を含有するトレッド用ゴム組成物およびスタッドレスタイヤに関する。
スパイクタイヤによる粉塵公害を防止するためにスパイクタイヤの禁止が法制化され、寒冷地ではスパイクタイヤに代わってスタッドレスタイヤが使用されることになった。近年ではスパイクタイヤに近いグリップ性を有するスタッドレスタイヤが開発され現に使用されている。タイヤを氷上でグリップさせると氷表面に水が発生するため、タイヤが水に浮いたような状態となり、十分なグリップ力が得られなくなってスリップの原因となる。そこで、氷表面に発生する水を除去してタイヤを氷に直接密着させることが重要である。
氷表面の水を除去する方法としては、発泡ゴムを使用する方法やゴム内部にバルーンを存在させる方法等が提案されている。これらの方法は積雪路面および氷結路面での制動性およびグリップ性は改善する。しかし、これらの方法は氷上性能を十分満足し得るまでに高めると、発泡ゴムやバルーンの含有量または占有面積を増加させる必要がある。そのため、これらの方法では、耐摩耗性および操縦安定性が悪くなるという問題がある。
また、氷雪上性能に優れたスタッドレスタイヤを提供することを目的として、特開2004−34744号公報(特許文献1)に、スタッドレスタイヤが開示されている。特許文献1には、(a)ジエン系ゴムに、(b)モース硬度3〜7の短繊維または板状材料がトレッド厚さ方向に配向するように分散されてなるトレッドにおいて、25℃で測定したトレッド厚さ方向の複素弾性率E1、トレッドゴムをロールで2mmにシーティングしたときの押し出し方向の複素弾性率Eα、その90度方向の複素弾性率Eβが、60≦(E1−Eβ/Eα−Eβ)×100≦100を満たし、かつ−10℃で測定したときのトレッド用ゴム硬度が45〜70度であるトレッドを有するスタッドレスタイヤが開示されている。特許文献1に開示のスタッドレスタイヤは、氷上性能および雪上性能は優れているものの、耐摩耗性および操縦安定性にまだ改善の余地がある。
特開2004−34744号公報
そこで本発明の目的は、上記の課題を解決することであり、雪氷上性能および操縦安定性を向上するとともに、高い耐久性を維持するトレッド用ゴム組成物およびスタッドレスタイヤを提供することである。
本発明のトレッド用ゴム組成物は、ペーパースラッジ炭を含有することを特徴とする。上記トレッド用ゴム組成物において好ましくは、ゴム成分100質量部に対して、ペーパースラッジ炭を1〜20質量部配合されていることを特徴とする。
本発明のスタッドレスタイヤは、上記トレッド用ゴム組成物をトレッド部に用いてなる。
本発明のトレッド用ゴム組成物によれば、タイヤに成型した場合には、雪氷上性能および操縦安定性を向上するとともに、タイヤの高い耐久性を維持できる。
本発明のトレッド用ゴム組成物は、ペーパースラッジ炭を含有している。ペーパースラッジ炭は、ゴム成分100質量部に対して、1〜20質量部配合されていることが好ましく、3〜5質量部配合されていることがさらに好ましい。ペーパースラッジ炭が1質量部以上配合されることによって、雪氷上性能および操縦安定性が向上する。ペーパースラッジ炭が3質量部以上配合されることによって、雪氷上性能および操縦安定性がより向上する。一方、ペーパースラッジ炭が20質量部以下配合されることによって、耐摩耗性の低下を防止できる。ペーパースラッジ炭が5質量部以下配合されることによって、耐摩耗性の低下をより防止できる。
なお、ペーパースラッジ(Wastepaper Sludge:PS)炭とは、紙に使用するのと同じ原料(木材繊維)と繊維以外の木材成分を排水中から回収し、脱水、乾燥後造粒して600℃前後で間接加熱により炭化したものである。
ペーパースラッジ炭は、多孔性構造を有しており、炭化物としての性能が高く、微粉が少なく粒径が均一であるという特性を有している。そのため、粉塵が発生しにくく、保水性および調湿性が高いという利点を有している。このようなペーパースラッジ炭は、たとえば鹿児島化成株式会社製のペーパースラッジ炭(PS炭)などを用いることができる。
本発明のトレッド用ゴム組成物のゴム成分は、特に限定されないが、たとえば天然ゴム(NR)および合成ゴムのいずれも使用でき、ジエン系ゴムが特に好ましい。ジエン系ゴムとしては、天然ゴムの他に、たとえばポリイソプレンゴム(IR)、ポリブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)、スチレン−イソプレン−ブタジエン共重合ゴム(SIBR)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)等が挙げられ、これらのうち1種類または2種類以上を含むゴム成分が好適である。なお、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)とは、エチレン−プロピレンゴム(EPM)に第三ジエン成分を含むものである。ここで第三ジエン成分としては、たとえば炭素数5〜20の非共役ジエンが挙げられ、1,4−ペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン、2,5−ジメチル−1,5−ヘキサジエンおよび1,4−オクタジエンや、1,4−シクロヘキサジエン、シクロオクタジエン、ジシクロペンタジエンなどの環状ジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−ブチリデン−2−ノルボルネン、2−メタリル−5−ノルボルネンおよび2−イソプロペニル−5−ノルボルネンなどのアルケニルノルボルネン等が好ましく例示できる。特に、ジシクロペンタジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン等は好ましく使用され得る。
本発明のトレッド用ゴム組成物は、補強用充填剤を含有することが好ましい。補強用充填剤としては、従来タイヤ用ゴム組成物において慣用されているものの中から任意に選択して用いることができるが、主としてカーボンブラックやシリカが好ましい。
カーボンブラックは、特に限定されず、汎用ゴム一般に用いられるものを使用できる。カーボンブラックは、たとえばHAF、ISAF、SAFなどのチャンネルブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラック、またはサーマルブラックなどを用いることができる。また、カーボンブラックは、たとえば窒素吸着比表面積が50〜200m2/g、DBP吸油量が50〜130ml/100g、CTAB吸着比表面積が50〜170m2/gとなるような凝集サイズ、および多孔性を有することが特に好ましい。この場合、トレッド用ゴム組成物は硬くなり過ぎないとともに、十分な耐摩耗性を得ることができる。また、比重が1.5〜1.9のものを用いることが好ましい。
また、カーボンブラックの配合量は、ゴム成分100質量部に対して10〜150質量部配合されることが好ましく、15〜100質量部配合されることがより好ましい。カーボンブラックの配合量が10質量部以上とすることによって、耐摩耗性を向上でき、150質量部以下とすることによって、発熱の増加を抑制できる。
シリカは、特に限定されず、汎用ゴム一般に用いられるものを使用できる。シリカは、たとえば乾式法シリカ、湿式法シリカなどのなかから適宜選択して用いることができる。また、シリカの窒素吸着比表面積(N2SA)は、20〜400m2/gであることが好ましい。
本発明におけるトレッド用ゴム組成物には、その他ゴム製品において一般的に配合される以下の成分を適宜配合することができる。
本発明のトレッド用ゴム組成物にシリカを配合する場合には、シラン系カップリング剤、好ましくは含硫黄シランカップリング剤を、たとえばシリカ質量に対して1質量%以上20質量%以下で配合することが好ましい。シランカップリング剤の配合によってタイヤの耐摩耗性および操縦安定性を向上させることができ、シランカップリング剤の配合量が1質量%以上の場合、耐摩耗性および操縦安定性の向上効果が良好に得られる。またシランカップリング剤の配合量が20質量%以下の場合、ゴムの混練、押出工程での焼け(スコーチ)が生じる危険性が少ない。含硫黄シランカップリング剤としては、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイル−テトラスルフィド、トリメトキシシリルプロピル−メルカプトベンゾチアゾールテトラスルフィド、トリエトキシシリルプロピル−メタクリレート−モノスルフィド、ジメトキシメチルシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイル−テトラスルフィド、ビス−[3−(トリエトキシシリル)−プロピル]テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等が例示される。
その他のシラン系カップリング剤としては、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等を使用することができる。
本発明では、用途に応じてその他のカップリング剤、たとえばアルミネート系カップリング剤、チタン系カップリング剤を単独またはシラン系カップリング剤と併用して使用することも可能である。
また、トレッド用ゴム組成物には、上記の他に、たとえばクレー、アルミナ、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化チタン等の充填剤を単独あるいは2種以上混合して用いることができる。
また、トレッド用ゴム組成物には、上記の他に、加硫剤、加硫促進剤、軟化剤、可塑剤、老化防止剤、発泡剤、スコーチ防止剤、および加工助剤などの通常のゴム工業で使用される配合剤を適宜配合することができる。
加硫剤としては、有機過酸化物もしくは硫黄系加硫剤を使用できる。有機過酸化物としては、たとえばベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3あるいは1,3−ビス(t−ブチルパーオキシプロピル)ベンゼン、ジ−t−ブチルパーオキシ−ジイソプロピルベンゼン、t−ブチルパーオキシベンゼン、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシロキサン、n−ブチル−4,4−ジ−t−ブチルパーオキシバレレートなどを使用することができる。これらの中で、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゼンおよびジ−t−ブチルパーオキシ−ジイソプロピルベンゼンが好ましい。また、硫黄系加硫剤としては、たとえば、硫黄、モルホリンジスルフィドなどを使用することができる。これらの中では硫黄が好ましい。
加硫促進剤としては、スルフェンアミド系、チアゾール系、チウラム系、チオウレア系、グアニジン系、ジチオカルバミン酸系、アルデヒド−アミン系またはアルデヒド−アンモニア系、イミダゾリン系、もしくは、キサンテート系加硫促進剤のうち少なくとも一つを含有するものを使用することが可能である。
スルフェンアミド系としては、たとえばCBS(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド)、TBBS(N−t−ブチル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド)、N,N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、N,N−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミドなどのスルフェンアミド系化合物などが挙げられる。
チアゾール系としては、たとえばMBT(2−メルカプトベンゾチアゾール)、MBTS(ジベンゾチアジルジスルフィド)、2−メルカプトベンゾチアゾールのナトリウム塩、亜鉛塩、銅塩、シクロヘキシルアミン塩、2−(2,4−ジニトロフェニル)メルカプトベンゾチアゾール、2−(2,6−ジエチル−4−モルホリノチオ)ベンゾチアゾールなどが挙げられる。
チウラム系としては、たとえばTMTD(テトラメチルチウラムジスルフィド)、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド、ジペンタメチレンチウラムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラムモノスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド、ジペンタメチレンチウラムヘキサスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、ペンタメチレンチウラムテトラスルフィドなどが挙げられる。
チオウレア系としては、たとえばチアカルバミド、ジエチルチオ尿素、ジブチルチオ尿素、トリメチルチオ尿素、ジオルトトリルチオ尿素などのチオ尿素化合物などが挙げられる。
グアニジン系としては、たとえばジフェニルグアニジン、ジオルトトリルグアニジン、トリフェニルグアニジン、オルトトリルビグアニド、ジフェニルグアニジンフタレートなどのグアニジン系化合物が挙げられる。
ジチオカルバミン酸系としては、たとえばエチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ブチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジアミルジチオカルバミン酸亜鉛、ジプロピルジチオカルバミン酸亜鉛、ペンタメチレンジチオカルバミン酸亜鉛とピペリジンの錯塩、ヘキサデシル(またはオクタデシル)イソプロピルジチオカルバミン酸亜鉛、ジベンジルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ペンタメチレンジチオカルバミン酸ピペリジン、ジメチルジチオカルバミン酸セレン、ジエチルジチオカルバミン酸テルル、ジアミルジチオカルバミン酸カドミウムなどのジチオカルバミン酸系化合物などが挙げられる。
アルデヒド−アミン系またはアルデヒド−アンモニア系としては、たとえばアセトアルデヒド−アニリン反応物、ブチルアルデヒド−アニリン縮合物、ヘキサメチレンテトラミン、アセトアルデヒド−アンモニア反応物などが挙げられる。
老化防止剤としては、アミン系、フェノール系、イミダゾール系の各化合物や、カルバミン酸金属塩、ワックスなどを適宜選択して使用することが可能である。
本発明では練り加工性を一層向上させるために軟化剤を併用しても良い。軟化剤としては、プロセスオイル、潤滑油、パラフィン、流動パラフィン、石油アスファルト、ワセリンなどの石油系軟化剤、ヒマシ油、アマニ油、ナタネ油、ヤシ油などの脂肪油系軟化剤、トール油、サブ、蜜ロウ、カルナバロウ、ラノリンなどのワックス類、リノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ラウリン酸などの脂肪酸、等が挙げられる。
可塑剤としては、DMP(フタル酸ジメチル)、DEP(フタル酸ジエチル)、DBP(フタル酸ジブチル)、DHP(フタル酸ジヘプチル)、DOP(フタル酸ジオクチル)、DINP(フタル酸ジイソノニル)、DIDP(フタル酸ジイソデシル)、BBP(フタル酸ブチルベンジル)、DLP(フタル酸ジラウリル)、DCHP(フタル酸ジシクロヘキシル)、無水ヒドロフタル酸エステル、DOZ(アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシル)、DBS(セバシン酸ジブチル)、DOS(セバシン酸ジオクチル)、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸アセチルトリブチル、DBM(マレイン酸ジブチル)、DOM(マレイン酸−2−エチルヘキシル)、DBF(フマル酸ジブチル)等が挙げられる。
スコーチを防止または遅延させるためのスコーチ防止剤としては、たとえば無水フタル酸、サリチル酸、安息香酸などの有機酸、N−ニトロソジフェニルアミンなどのニトロソ化合物、N−シクロヘキシルチオフタルイミド等を使用することができる。
本発明のトレッド用ゴム組成物は、一般的に使用される公知の方法を用いて製造でき、バンバリーミキサーやオープンロール等のゴム混練装置を用いて混練し、たとえば140〜150℃で25〜35分間加硫する方法等を用いることができる。
また、本発明のトレッド用ゴム組成物をトレッド部に使用する際には、たとえばゴム組成物をシート状に加工して、所定の形状に張り合わせる方法や、2本以上の押出し機に装入して押出し機のヘッド出口で2層に形成する方法等により作製できる。
本発明のゴム組成物は、乗用車用の他、バス用、トラック用等の空気入りタイヤに対して好適に用いることができ、特にスタッドレスタイヤに好適に用いることができる。図1は、本発明が適用される空気入りタイヤの右半分を示す断面図である。図1において、タイヤTは、一対のビード部1と、一対のサイドウォール部2と、両サイドウォール部に連なるトレッド部3とを有し、一対のビード部1内に埋設したビードコア4相互間にわたるカーカス5と、カーカス5の外周でトレッド部3を強化するベルト6とを備える。カーカス5は、一対のビードコア4相互間にわたり延びるカーカス本体部と、ビードコア4の周りをタイヤ半径方向内側から外側に向け巻上げた折返し部5aとを有する。カーカス5とその折り返し部5aとに囲まれる領域には、ビードコア4の上端からサイドウォール方向に延びる、ビードエーペックス7が配置される。カーカス5は、スチールコードまたはアラミドなどの超高強度有機繊維コードのようなラジアル配列コードをゴム被覆したプライからなる。本発明のトレッド用ゴム組成物は、上記のような基本構造を有する空気入りタイヤのトレッド部3に対して好適に使用される。また、本発明のトレッド用ゴム組成物をトレッド部3に用いてなるスタッドレスタイヤに用いることが特に好適に使用される。
以上説明したように、本発明のトレッド用ゴム組成物は、ペーパースラッジ炭を含有することを特徴としている。ペーパースラッジ炭は多孔質構造を有し、炭化物としての性能が高いため、雪氷上性能および操縦安定性を向上するとともに、高い耐久性を維持できる。
また、ペーパースラッジ炭は、古紙原料からトイレットペーパーを製造する際に発生する無機物と紙の炭繊維である。日本で生産されている年間約85万トンのトイレットペーパーのうち、古紙原料から製造されているものは、65%に相当する55万トンである。この古紙原料には、主として上質古紙や牛乳パックが用いられているが、上質古紙には印刷品質を向上されるために無機物(填料)が紙の表面に塗工されており、この填料は、多いものでは重量比で30%以上になる。従来、ペーパースラッジ炭は、埋め立てや焼却処理されていたが、資源の損失や環境への負荷の問題はもちろん、廃棄物問題の深刻化や最終処分場の確保問題、処理費用問題などが生じていた。このようなペーパースラッジ炭を、トレッド用ゴム組成物にリサイクル利用することで環境負荷を低減できる。
上記トレッド用ゴム組成物において好ましくは、ゴム成分100質量部に対して、前記ペーパースラッジ炭を1〜20質量部配合されていることを特徴としている。1質量部以上とすることによって、雪氷上性能を向上できる。20質量部以下とすることによって、耐摩耗性および操縦安定性の低下を防止できる。
本発明のスタッドレスタイヤは、上記トレッド用ゴム組成物をトレッド部に用いてなる。ペーパースラッジ炭を含有するトレッド用ゴム組成物を用いてなるので、雪氷上性能および操縦安定性を向上するとともに、高い耐久性を維持できる。
[実施例]
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
表1に示す配合成分のうち硫黄および加硫促進剤を除いた成分を、1.7Lのバンバリーを用い約150℃で5分間混練し、さらに硫黄および加硫促進剤を加えて2軸オープンロールを用い約80℃で5分間練り込んで実施例1〜5および比較例1のトレッド用ゴム組成物を得た。そして、得られたトレッド用ゴム組成物を用いて3mmの試験用のゴムシートを作製した。また、試験用のゴムシートをタイヤのトレッド部として成型し、150℃、35分、25kgf(245.16625N)の条件で加硫を行なって、図1に示す基本構造で、実施例1〜5および比較例1のトレッド用ゴム組成物を用いて、次の仕様の試験用スタッドレスタイヤを作製した。
カーカス:1670dtex/2 ポリエステル(50エンズ)
1枚 円周方向に対するコード角度 90°
ベルト層:スチールコード 2枚(40エンズ)
円周方向に対するコード角度 +20°,−20°
タイヤサイズ 185/70R14
なお、エンズは、プライ5センチあたりのコードの埋込本数を意味する。
Figure 2007308594
以下に、実施例1〜5および比較例1で用いた各種配合剤について説明する。なお、表1中の配合量の単位は質量部である。
(注1) 天然ゴムとして、タイ製のRSS3を用いた。
(注2) ブタジエンゴムとして、宇部興産(株)製のBR150Bを用いた。
(注3) カーボンブラックとして、三菱化学(株)製のダイヤブラックI(N220)を用いた。
(注4) ペーパースラッジ炭として、鹿児島化成(株)製のペーパースラッジ炭(PS)を用いた。
(注5) アロマオイルとして、出光興産(株)製のダイアナプロセスAH40を用いた。
(注6) 老化防止剤として、精工化学社製のオゾノン6Cを用いた。
(注7) WAXとして、大内新興化学社製のサンノックワックスを用いた。
(注8) ステアリン酸として、日本油脂(株)製の桐を用いた。
(注9) 酸化亜鉛として、東邦亜鉛(株)製の銀嶺Rを用いた。
(注10) 硫黄としては、鶴見化学(株)製の硫黄を用いた。
(注11) 加硫促進剤としては、大内新興化学社製のノクセラーNS(N-tert-ブチル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)を用いた。
なお、上記ペーパースラッジ炭の成分は、灰分が67.3%、揮発分が9.4%、水分が0.1%未満、固定炭素が23.3%、シリカが19%、酸化アルミニウムが8%、酸化鉄が0.4%、石灰が1.2%、酸化ナトリウムが0.35%、苦土が4.0%である。
(雪氷上性能の測定)
実施例1〜5および比較例1のトレッド用ゴム組成物を用いてなる試験用スタッドレスタイヤを、排気量2000ccのFF車に装着し、北海道名寄テストコースで雪氷上性能を評価した。
(1)コーナーリング性能(雪上性能)
−2〜−10℃の環境下で、雪上コース(全長数百mの八の字周回路)の周回タイムを測定した。比較例1の周回タイムを100として、実施例1〜5の雪上性能を求めた。その結果を表1に示す。指数が大きいほど、雪上性能に優れている。なお、テストの実施前に試験用スタッドレスタイヤの表面のならし走行を、各々200km実施した。
(2)制動性能(氷上性能)
−1〜−6℃の環境下で、時速30km/hでロックブレーキを踏み、停止させるまでに要した氷上の停止距離を測定した。比較例1の停止距離を100として、実施例1〜5の氷上性能を求めた。その結果を表1に示す。指数が大きいほど、氷上性能に優れている。なお、テスト実施前に試験用スタッドレスタイヤの表面のならし走行を、各々200km実施した。
(耐摩耗性の測定)
岩本製作所製のランボーン摩耗試験機を用い、表面回転速度が50m/min、負荷荷重が4.5kg、落砂量が15g/minでスリップ率が50%の条件で、実施例1〜5および比較例1のゴムシートの摩耗を測定した。比較例1の測定量を100として、実施例1〜5の耐摩耗性を求めた。その結果を表1に示す。指数が大きいほど、耐摩耗性能に優れる。
(操縦安定性能の測定)
ハンドル応答性、剛性感、およびグリップの操縦安定性、および乗り心地について、ドライバーによるフィーリング試験を実施した。評価は10点満点法で行なった。比較例1の各々のドライバーの平均値を100として、実施例1〜5の操縦安定性能を求めた。その結果を表1に示す。指数が大きいほど、操縦安定性能に優れる。
(測定結果)
表1に示すように、実施例1〜5のトレッド用ゴム組成物を用いて作製されたスタッドレスタイヤは、比較例1と比較して、ペーパースラッジ炭を配合することによって、コーナーリング性能(雪上性能)および制動性能(氷上性能)の雪氷上性能が向上した。また、操縦安定性も向上した。さらに、実施例1〜5のトレッド用ゴム組成物は、耐摩耗性は高い値で維持できた。特に、ゴム成分100質量部に対して1〜20質量部のペーパースラッジ炭を配合した実施例1〜4は、耐摩耗性の低下を防止できることが確認できた。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明が適用される空気入りタイヤの右半分を示す断面図である。
符号の説明
1 ビード部、2 サイドウォール部、3 トレッド部、4 ビードコア、5 カーカス、6 ベルト、7 ビードエーペックス、T タイヤ。

Claims (3)

  1. ペーパースラッジ炭を含有することを特徴とする、トレッド用ゴム組成物。
  2. ゴム成分100質量部に対して、前記ペーパースラッジ炭を1〜20質量部配合されていることを特徴とする、請求項1に記載のトレッド用ゴム組成物。
  3. 請求項1または2に記載のトレッド用ゴム組成物をトレッド部に用いてなる、スタッドレスタイヤ。
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