JP3096092B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

空気入りタイヤ

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JP3096092B2
JP3096092B2 JP03167516A JP16751691A JP3096092B2 JP 3096092 B2 JP3096092 B2 JP 3096092B2 JP 03167516 A JP03167516 A JP 03167516A JP 16751691 A JP16751691 A JP 16751691A JP 3096092 B2 JP3096092 B2 JP 3096092B2
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    • B60CVEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
    • B60C11/00Tyre tread bands; Tread patterns; Anti-skid inserts
    • B60C11/14Anti-skid inserts, e.g. vulcanised into the tread band

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  • Tires In General (AREA)
  • Tyre Moulding (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は空気入りタイヤに関し、
特に氷雪路面で使用される乗用車、トラック・バスなど
小型から大型の全てを含む車両の空気入りタイヤのトレ
ッドの改良技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】冬期における低温の路面、特に路面上の
水や雪が凍結して氷面を形成した路面上を車で走行する
場合、車に装着されたタイヤのトレッドゴムと氷面との
間の摩擦力は氷面でない乾燥した通常の路面上の摩擦力
より大幅に低い。このため、氷面を有する路面上を車で
安全に走行するには、スパイクタイヤを車に装着した
り、タイヤの外周にタイヤチェーンを装着して、タイヤ
のトレッドゴムと氷面との間の摩擦力が低くならないよ
うに維持されている。
【0003】しかし、タイヤチェーンを装着したタイヤ
又はスパイクタイヤを車に装着した場合、車がカーブし
て走行したり、急発進、急停止したりする際、スパイク
タイヤのスパイク又はタイヤチェーンが路面を傷付け、
傷付いた路面の一部が切欠されて粉末となり、この路面
が乾燥したときに、粉末が風により吹き上げられ粉塵を
撒き散らすという問題点がある。また、前記スパイクタ
イヤ又はタイヤチェーン付タイヤを装着した車が路面を
走行する際、スパイクタイヤのスパイク又はタイヤチェ
ーンが路面を衝打して騒音を発生するという問題点もあ
る。
【0004】これに対して、近年、トレッドゴム自体に
摩擦力向上のための工夫を加える技術が採用されてい
る。その第1の方法として、トレッドゴムを適当な方法
で発泡させ、独立気泡を生成させる方法がある(特開昭
63-89547号公報) 。即ち、このようにして得られるトレ
ッドゴムの氷面は、多数の気孔で覆われているため、氷
面に対する除水効果及び気孔部のミクロな運動に伴う氷
を削り取るエッジ効果の発現によって、氷上高摩擦性を
発現する。この手法は実際のタイヤトレッドに取入れら
れ、スタッドレスタイヤとして市販されている。またト
レッドゴムに各種の異物(砂、もみがらのような天然物
等)を混入し、タイヤ走行時にこれらの異物が抜け落ち
ることによって気孔を発生させる方法も検討されてい
る。この方法は、氷上高摩擦化のメカニズムとしては発
泡と同一のものである。
【0005】第2の方法として、各種の高硬度材料をト
レッドゴム中に混入し、この高硬度材料中の氷面に対す
るひっかき効果を利用してトレッドゴムの氷上高摩擦化
を実現しようとしたものがある (特公昭46-31732号, 特
開昭51-147803 号, 特公昭56-52057号公報) 。この方法
は、明らかに前記第1の方法とは異なったメカニズムに
よ るトレッドゴムの氷上高摩擦化法である。実際、多
くの場合、これらの高硬度材料を多量に混入すればする
程、トレッドゴムは氷上高摩擦化される傾向にある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来技術の
内、トレッオゴムの発泡又は混入された異物が離脱した
後の表面凹凸の凸部で氷をひっかき、凹部で氷表面の水
分を吸排出する第1の方法の欠点は、ゴムの硬さが氷表
面より相対的に低下することにより、低温下 (通常の
場合−3℃以下)でのひっかき効果が期待できなくなる
ことである。
【0007】一方、トレッドのマトリックスゴムにひっ
かき効果の高い高硬度材料を混入する第2の方法の欠点
は、水分の多い0℃付近での氷上性能改良効果が小さ
く、また高硬度材料がゴムに親和性のない異物として存
在するため、耐摩擦性や破壊特性の低下が著しいことで
ある。
【0008】現実の氷面温度は日中から夜間にかけて様
々に変化するため広い温度域でより安定した氷上性能を
示し、かつ耐摩耗性および破壊特性も著しく低下させる
ことのないタイヤトレッドが望まれている。
【0009】また、タイヤの新品時に対し、走行末期で
はゴムの経時的硬化とパターン溝深さの減少に伴い剛性
が高まり、氷上性能が低下することも氷上走行用空気入
りタイヤの従来からの課題であった。
【0010】そこで本発明の目的は、広い温度域に亘り
安定した氷上性能を示すとともに、完全摩耗に至るまで
の全ての使用条件下でより安定した氷性能を示すトレッ
ドを備える空気入りタイヤを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討した結果、トレッドのマトリック
スゴムを氷表面に溶融した水分の多い0℃付近の氷上性
能に有利な適度な発泡率から成る発泡ゴムとし、そのマ
トリックスゴムに特定の硬度、粒径をもちマトリックス
ゴムと親和性のある特殊な無機高硬度粒子を混入するこ
とでトレッド表面に該高硬度粒子を一定面積出現させる
ことにより、ゴムより氷面が硬くなる低温下においてひ
っかき効果が得られ、かつ混入した粒子の離脱による耐
摩耗性および破壊特性の低下を来すこともなく、さらに
トレッドの表層の発泡率を最内層より小さくすること
で、経時的にも安定した氷上性能を得られることを見い
出し、本発明を完成するに至った。
【0012】すなわち本発明の空気入りタイヤは、モー
ス硬度が1.5 度以上、平均粒径が10〜400 μm で、表面
にゴムとの親和性向上処理が施された無機高硬度粒子を
ゴム分 100重量部に対して3〜30重量部含有し、かつ3
〜35%の発泡倍率の独立気泡を有する発泡ゴムをトレッ
ドに備えたことを特徴とするものである。上記トレッド
の表面積1cm2 当りの高硬度粒子の面積は全て1.6mm2
上となる。
【0013】また、本発明のタイヤトレッドにおいて
は、完全摩耗に至るまでの氷上性能低下を抑制するため
に、ゴムマトリックスの発泡倍率をトレッド表面より最
内層に向かって漸増させる。このためには、トレッド表
面より1mmの範囲にある発泡ゴム層の平均発泡倍率が、
当該発泡ゴム層の最内層で非発泡ゴムと接する面より0.
5 〜1.5 mmの範囲にある層の平均発泡倍率より小さくす
る。
【0014】
【作用】本発明において、発泡ゴムが3〜35%の発泡倍
率の独立気泡を有することとしたのは、0℃付近の氷表
面に溶融した水分が多い状態において気孔によるミクロ
な吸排水効果を大きくし、優れた氷雪性能を発揮させる
ためにはかかる独立気泡が不可欠だからである。独立気
泡を作る手段としては、発泡手段による他、もみがらな
どマトリックスゴムと親和性のない粉体を混入してお
き、走行時に離脱させることで作製することも可能であ
るが、この場合には氷上性能として発泡以上の効果は得
られない。
【0015】また、発泡手段は、トレッドの表層から最
内層に至るまでの発泡倍率を制御することができ、完全
摩耗に至るまでの氷上性能の変化を少なくすることがで
きるので、本発明においてはこれを選択する。発泡は発
泡剤によるもの、ガスの高圧ミキシングによるもののい
ずれの方法を用いてもよいが、発泡倍率が3%未満では
発泡の効果が十分でなく、一方35%を超えるとトレッド
剛性が不十分のため、耐摩耗性の低下や溝底クラックの
発生が大となる。
【0016】ここで、発泡ゴムの発泡率Vs は、次式 Vs ={(ρo −ρg )/(ρ1 −ρg )−1}×100 (%) ---- (1) で表され、ρ1 は発泡ゴムの密度(g/cm3 )、ρo
発泡ゴムの固相部の密度(g/cm3 )、ρg は発泡ゴム
の気泡内のガス部の密度(g/cm3 )である。発泡ゴム
は固相部と、固相部によって形成される空洞(独立気
泡)すなわち気泡内のガス部とから構成されている。ガ
ス部の密度ρg は極めて小さく、ほぼ零に近く、かつ固
相部の密度ρ1 に対して極めて小さいので、式(1) は、
次式 Vs ={(ρo −ρ1 )−1}×100 (%) ---- (2) とほぼ同等となる。
【0017】ゴムの硬度より氷の硬度の方が高くなる低
温下では、ひっかき効果を得るために、発泡ゴムに混入
される高硬度材料として以下の条件を満たす無機粒子が
必要である。すなわち、まずモース硬度計で測定される
モース硬度が1.5 ゜以上である。1.5 ゜未満では十分な
ひっかき効果が得られない。
【0018】かかる高硬度粒子の平均粒径は10〜400 μ
m 、好ましくは15〜250 μm の範囲内であり、10μm 未
満では氷上性能の改良効果が見られず、一方 400μm を
超えると溝底クラックの発生が問題となる。
【0019】これら条件を満たす高硬度粒子はゴム分 1
00重量部に対して3〜30重量部配合されていなければな
らず、3重量部未満では、最も軽い粒子を想定した場合
でもトレッド表面において粒子の占める面積が少なすぎ
るため、氷上性能の改良効果が見られない。すなわち、
実際に200km 直進走行した後のテストタイヤについてト
レッド表面積1cm2 あたりに出現している粒子の総面積
を顕微鏡で測定した結果、粒子の総面積が1.6mm2以上あ
るタイヤにおいて十分な氷上性能が得られることは判明
したが、この総面積を得るために、混入される高硬度粒
子は3重量部以上必要である。しかし、30重量部を超え
て混入すると、耐摩耗性の低下が著しく、溝底クラック
の発生も問題となる。
【0020】さらに、本発明においては、混入される無
機の高硬度粒子は、マトリックスゴムとの親和性向上処
理が施されていなければならない。このような粒子でな
いとすると、走行時に粒子がマトリックスゴムから離脱
して表面凹凸の形成には寄与するものの目的とするひっ
かき効果が十分に得られない他、トレッドゴムの破壊特
性および耐摩耗性が著しく低下する。
【0021】本発明に用いることのできる親和性向上処
理方法としては、マトリックスゴムと粒子の相手に強固
に接着し得る接着剤を粒子表面にコーティングする処理
方法が挙げられる。また、接着剤の代わりに、高硬度粒
子表面にメッキ、プラズマ処理、スパッタ処理等により
真ちゅうや銅或いはコバルトを蒸着する処理方法も挙げ
られる。この場合には、マトリックスとなるゴム材料を
高硫黄配合とすることなどによって、より強い接着力が
得られる。
【0022】また、高硬度粒子を接着用ゴム材料でコー
ティングすることも有効である。この場合、接着用ゴム
材料としてはマトリックスとなるゴム材料であっても、
異なる配合のゴム材料であっても良い。マトリックスの
ゴム材料と異なる配合のゴム材料とする場合、そのゴム
成分としては一般の固形状ゴム以外にラテックス、エマ
ルジョンまたは熱可塑性ゴムを用いることができる。こ
れらの接着用ゴム材料は粘度が高い場合には、適当な溶
剤を加えて、溶剤として高硬度粒子に塗布すれば良い。
【0023】更にまた、高硬度粒子を樹脂でコーティン
グすることも極めて有効である。この場合、樹脂として
は、スチレン−ブタジエン樹脂、ポリエステル、水酸化
ポリエステル、ポリエーテルポリオール、ポリカプロラ
クトン−ポリオール、水酸化ポリエステル−ポリイソシ
アネート、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、エチレン−酢
酸ビニル、フェノール樹脂、トリレンジイソシアネー
ト、ビスフェノールAのグリシジルエーテル、ポリシロ
キサン、シリコーン樹脂、PVA(ポリビニルアルコー
ル)、PMMA(ポリメチルメタアクリレート)、ポリ
酢酸ビニル、ポリアクリル酸、ピッチ、メチルメタクリ
レート、スチレン等が有効である。
【0024】その他、ポリノルボルネン熱可塑性ゴム等
の形状記憶性を有する樹脂で、高硬度粒子の表面をコー
ティングすることも有効である。これらの樹脂は低温
(氷結温度)では強固に高硬度粒子を固定し、高温にな
ると柔らかくなってマトリックスのゴム材料に親和する
ことによって、大きな改善効果を発揮する。また、シラ
ン系、チタネート系、クロム系、アルミニウム系のカッ
プリング剤やポリアルキレンオキサイド等による高硬度
粒子の表面処理もマトリックスのゴム材料との接着性向
上に有効である。
【0025】無機高硬度粒子を上述のような接着用ゴム
材料または樹脂でコーティングする場合、マトリックス
ゴムと共架橋を形成させるために、接着用ゴムまたは樹
脂に一般にゴム組成物に用いられる加硫促進剤を配合し
ておくことで、さらに親和性の向上が期待できる。な
お、上述の各種処理法は、単独で行っても良く、あるい
は2種以上を組合わせて、即ち2種以上の材料によりコ
ーティング層を形成するようにしても良い。
【0026】無機高硬度粒子の材質は前述の硬度、平均
粒径を満たすものであれば何ら制限されるべきものでな
いが、具体的にはAl2O3 、ZnO 、TiO2、SiC 、Si、C 、
SiO2、フェライト、ジルコニア、MgO 等のセラミック
ス、Fe、Co、Al、Ca、Mg、Na、Cu、Crなどの金属、およ
びこれら金属よりなる合金、真ちゅう、ステンレス等、
更にはこれら金属の窒化物、酸化物、水酸化物、炭酸
塩、ケイ酸塩、硫酸塩、その他、ガラス、カーボン、カ
ーボンランダム、マイカ、ゼオライト、カオリン、アス
ベスト、モンモリロナイト、ベントナイト、グラファイ
ト、シリカ等が挙げられ、本発明ではこれらに前述の親
和性向上処理を施して使用する。
【0027】無機高硬度粒子と表面処理との特に好まし
い組合わせとして、コールタールピッチより熱処理する
ことにより得られる炭素質粉末のメソフェースカーボン
をプラズマ処理したもの、石英粉末またはアルミナをス
チレン−ブタジエン樹脂とトリアジン系加硫促進剤で表
面処理したもの等が挙げられる。
【0028】本発明においては、このような表面処理を
施した高硬度粒子1種を単独で使用しても良く、あるい
は前記材質、粒径、硬度、表面処理等の異なる高硬度粒
子を2種以上組合わせても良い。
【0029】以上の条件を満たす高硬度の樹脂と前述の
発泡ゴムとを組み合わせることにより、0℃付近の氷上
から極低温氷上までより安定した氷上性能が得られる。
【0030】マトリックスゴムの発泡倍率をトレッド表
面層より最内層に向かって漸増させることにより、マト
リックスゴム自体の氷上性能を最内層に向かって漸次増
加させることができるが、その一方で剛性は低下する。
この現象と、ゴムの経時的硬化と、溝深さ減少による剛
性上昇および氷上性能低下との均衡を図ることにより、
完全摩耗に至るまでの氷上性能をより安定したものに改
良することができる。すなわち、トレッドの発泡ゴム最
内層で非発泡ゴムと接する面より0.5 〜1.5mmの範囲に
ある平均発泡倍率をトレッド表面より1mmの範囲にある
発泡ゴム層の平均発泡倍率より高く設定することでこの
改良目的は達成され、その差が2%以上であれば特に好
ましい。このような発泡倍率の制御は、加硫時における
タイヤモールド側の温度とブラダー側の温度とを適当に
選択することにより可能である。
【0031】マトリックスゴムの配合としては、特に制
限はなく、一般のゴム組成物を用いることができる。す
なわち、ゴム成分に各種充填剤、オイル、加硫剤等を適
宜配合したゴム組成物を用いることができるが、低温で
の硬さを低く設定し氷との実接触面積を広げること、0
℃付近でのひっかき効果を得ること、耐摩耗性および操
縦安定性など他性能との均衡を図ることなどより、室温
での弾性率(E′)が3×107 〜20×107 dyn /cm2
に設定することが好ましい。
【0032】尚、このE′は、加硫条件160 ℃×15分ゲ
ージ2mmのスラブシートより切出した幅5mm、長さ20mm
のサンプルを岩本製作所(株)製のスペクトロメーター
を使用して、初期荷重 150g、動的歪み2%、周波数50
Hz、設定温度25℃の条件で測定したものである。
【0033】
【実施例】以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をよ
り具体的に説明する。下記の表1に、本発明の実施例、
比較例および参考例で使用した無機高硬度粒子の特性を
まとめて示す。
【0034】
【表1】
【0035】表中、AおよびBは共に石英粉末樹脂であ
るが、Aは未処理であるのに対し、Bは樹脂と加硫促進
剤とでゴムとの親和性の向上処理が施されており、Aは
比較例として、またBは実施例として使用した。Cは石
英から製造したメソフェースカーボンをプラズマ処理し
たものであり、DはアルミナBと同じ処理を施したもの
で、いずれも実施例として使用した。E〜Gは硬度また
は粒径の点で本発明の要件を満たしていない粒子であ
り、比較例として使用した。
【0036】表2および表3に、表1に示す無機高硬度
粒子と組み合わせた発泡ゴムマトリックスの配合処方
(重量部)、並びに得られた粒子混入発泡ゴムの加硫物
性および当該発泡ゴムをタイヤトレッドに適用したとき
のタイヤ性能を夫々示す。具体的には、表2では親和性
向上処理の有無、粒子の硬度、発泡剤の種類の変化につ
き検討し、表3では粒子の配合量、粒径、発泡倍率の変
化につき検討した。
【0037】
【表2】
【0038】
【表3】
【0039】表2および表3により次のことが確認され
た。高硬度粒子が混入されてない発泡ゴムだけの比較例
1と同様に、ゴムとの親和性向上処理の施されていない
粒子Aを配合した比較例2では氷上性能の改善が見られ
ず、粒子のモース硬度が1.5 度に満たない粒子Eを配合
した比較例3も同様であった。
【0040】これに対し、ゴムとの親和性向上処理を施
したB,C,Dの粒子を用いた参考例1〜3では、−2
℃における氷上制動性指数の改良効果もさることなが
ら、特にひっかき効果依存性の高い−10℃での改良効果
が顕著である。参考例4および5では発泡剤の種類を、
また参考例6ではマトリックスゴムの配合を変えた例で
あり、比較例1対比いずれも氷上性能が改良されてい
る。
【0041】次に、表3に示す比較例4では無機粒子が
全く混入されていないのに対し、比較例5では好適な高
硬度粒子が配合されているが、その配合量が3重量部未
満であったため、氷上のひっかき効果に相関する粒子出
現率(トレッド表面積1cm2 当りの粒子総表面積mm2)が
氷上性能改良に必要な 1.6%に達していないことが分か
る。
【0042】これに対し、参考例7, 8, 9および比較
例6では粒子の出現率が1.6 %以上で粒子の配合量増加
に伴い粒子出現率が比例して増加し、氷上性能もこれに
相関して改良が認められる。但し、比較例6は、粒子配
合量が30重量部を超えているため、溝底クラックが発生
し、耐摩耗性能の低下も著しいため、実用には適さなか
った。
【0043】比較例11の粒子配合量は参考例8のそれと
同一だが、比較例11の粒子はゴムとの親和性向上処理が
施されていないため、マトリックスゴムから大部分が離
脱して粒子出現率が1.6 %に達しておらず、氷上性能の
改良も認められなかった。このように粒子出現率は粒子
の配合量とゴムとの親和性に相関し氷上性能によく相関
することが分かる。
【0044】比較例7に用いた粒子は平均粒径が10μm
未満と小さすぎるため、氷上性能の改良効果が見られ
ず、また比較例8に用いた粒子は粒径が大きすぎるた
め、溝底クラックと耐摩耗性の点に問題があった。
【0045】比較例9および10は発泡倍率を検討したも
のであり、比較例9は発泡倍率が3%未満で氷上性能の
改良効果が発泡倍率20%の参考例8対比著しく劣ってい
た。一方、発泡倍率が35%を超える比較例10は、溝底ク
ラックと耐摩耗性に問題があり、実用に供し得るもので
はなかった。
【0046】表4に、マトリックスゴムの発泡倍率をト
レッド表面より最内層に向かって漸増さる方法と、その
漸増がトレッドの完全摩耗に至るまでの氷上性能低下を
如何に抑制するかを示す。
【0047】
【表4】
【0048】参考例10, 11では、モールド側温度をブラ
ダー側温度より高くして加硫したタイヤでトレッド最内
層の平均発泡倍率が表層のそれと同等又はそれよりも小
さいために、トレッドの完全摩耗に至るまでの氷上性能
の低下が見られた。
【0049】これに対し実施例1では、モールド側とブ
ラダー側の加硫温度を同じにしたことにより、最内層の
発泡倍率が表層のそれよりも2%程大きくなっており、
この結果氷上性能の低下が抑制された。また、実施例2
では、モールド側よりもブラダー側加硫温度を上げたこ
とで、最内層1mm間と表層1mm間の平均発泡倍率の差が
6%まで拡大し、この結果完全摩耗に至るまでの氷上性
能低下は全くなくなった。従って、発泡と組み合わせる
ことにより加硫条件を変えることで、走行の初期、後期
の氷上性能バランスを自由にコントロールすることが可
能になる。
【0050】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明による発泡率
を表層から最内層に向かって漸増させた発泡ゴムマトリ
ックスとこれとの親和性向上処理が施された無機高硬度
粒子とを組み合わせたトレッドを用いた空気入りタイヤ
は、広範な温度変化やタイヤの経時的変化などあらゆる
使用条件下の氷上性能において顕著な改良効果が認めら
れ、耐摩耗性および溝底クラックなども実用上問題ない
範囲である。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−170841(JP,A) 特開 平2−272042(JP,A) 特開 平2−234802(JP,A) 特開 昭63−90403(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60C 11/00 B60C 1/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モース硬度が1.5 度以上、平均粒径が10
    〜400 μm で、表面にゴムとの親和性向上処理が施され
    た無機高硬度粒子をゴム分 100重量部に対して3〜30重
    量部含有し、かつ3〜35%の発泡倍率の独立気泡を有す
    る発泡ゴムをトレッドに備えた空気入りタイヤにおい
    て、前記トレッドの表面より1mmの範囲にある発泡ゴム
    層の発泡平均倍率が、当該発泡ゴムの最内層で非発泡ゴ
    ムと接する面より0.5 〜1.5 mmの範囲にある層の平均発
    泡倍率より小さいことを特徴とする空気入りタイヤ。
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