JP3096093B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

空気入りタイヤ

Info

Publication number
JP3096093B2
JP3096093B2 JP03167517A JP16751791A JP3096093B2 JP 3096093 B2 JP3096093 B2 JP 3096093B2 JP 03167517 A JP03167517 A JP 03167517A JP 16751791 A JP16751791 A JP 16751791A JP 3096093 B2 JP3096093 B2 JP 3096093B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rubber
ice
resin
tread
performance
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP03167517A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH04365607A (ja
Inventor
盛一郎 岩船
芳之 森本
眞一 岩崎
佐藤  進
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bridgestone Corp filed Critical Bridgestone Corp
Priority to JP03167517A priority Critical patent/JP3096093B2/ja
Publication of JPH04365607A publication Critical patent/JPH04365607A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3096093B2 publication Critical patent/JP3096093B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Tires In General (AREA)
  • Tyre Moulding (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は空気入りタイヤに関し、
特に氷雪路面で使用される乗用車、トラック・バスなど
小型から大型の全てを含む車両の空気入りタイヤのトレ
ッドの改良技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】冬期における低温の路面、特に路面上の
水や雪が凍結して氷面を形成した路面上を車で走行する
場合、車に装着されたタイヤのトレッドゴムと氷面との
間の摩擦力は氷面でない乾燥した通常の路面上の摩擦力
より大幅に低い。このため、氷面を有する路面上を車で
安全に走行するには、スパイクタイヤを車に装着した
り、タイヤの外周にタイヤチェーンを装着して、タイヤ
のトレッドゴムと氷面との間の摩擦力が低くならないよ
うに維持されている。
【0003】しかし、タイヤチェーンを装着したタイヤ
又はスパイクタイヤを車に装着した場合、車がカーブし
て走行したり、急発進、急停止したりする際、スパイク
タイヤのスパイク又はタイヤチェーンが路面を傷付け、
傷付いた路面の一部が切欠されて粉末となり、この路面
が乾燥したときに、粉末が風により吹き上げられ粉塵を
撒き散らすという問題点がある。また、前記スパイクタ
イヤ又はタイヤチェーン付タイヤを装着した車が路面を
走行する際、スパイクタイヤのスパイク又はタイヤチェ
ーンが路面を衝打して騒音を発生するという問題点もあ
る。
【0004】これに対して、近年、トレッドゴム自体に
摩擦力向上のための工夫を加える技術が採用されてい
る。その第1の方法として、トレッドゴムを適当な方法
で発泡させ、独立気泡を生成させる方法がある(特開昭
63-89547号公報) 。即ち、このようにして得られるトレ
ッドゴムの表面は、多数の気孔で覆われているため、氷
面に対する除水効果及び気孔部のミクロな運動に伴う氷
を削り取るエッジ効果の発現によって、氷上高摩擦性を
発現する。この手法は実際のタイヤトレッドに取入れら
れ、スタッドレスタイヤとして市販されている。またト
レッドゴムに各種の異物(砂、もみがらのような天然物
等)を混入し、タイヤ走行時にこれらの異物が抜け落ち
ることによって気孔を発生させる方法も検討されてい
る。この方法は、氷上高摩擦化のメカニズムとしては発
泡と同一のものである。
【0005】第2の方法として、各種の高硬度材料をト
レッドゴム中に混入し、この高硬度材料中の氷面に対す
るひっかき効果を利用してトレッドゴムの氷上高摩擦化
を実現しようとしたものがある (特公昭46-31732号, 特
開昭51-147803 号, 特公昭56-52057号公報) 。この方法
は、明らかに前記第1の方法とは異なったメカニズムに
よるトレッドゴムの氷上高摩擦化法である。実際、多く
の場合、これらの高硬度材料を多量に混入すればする
程、トレッドゴムは氷上高摩擦化される傾向にある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来技術の
内、トレッドゴムの発泡又は混入された異物が離脱した
後の表面凹凸の凸部で氷をひっかき、凹部で氷表面の水
分を吸排出する第1の方法の欠点は、ゴムの硬さが氷表
面より相対的に低下することにより、低温下 (通常の
場合−3℃以下)でのひっかき効果が期待できなくなる
ことである。
【0007】一方、トレッドのマトリックスゴムにひっ
かき効果の高い高硬度材料を混入する第2の方法の欠点
は、水分の多い0℃付近での氷上性能改良効果が小さ
く、また高硬度材料がゴムに親和性のない異物として存
在するため、耐摩擦性や破壊特性の低下が著しいことで
ある。
【0008】現実の氷面温度は日中から夜間にかけて様
々に変化するため広い温度域でより安定した氷上性能を
示し、かつ耐摩耗性および破壊特性も著しく低下させる
ことのないタイヤトレッドが望まれている。
【0009】また、タイヤの新品時に対し、走行末期で
はゴムの経時的硬化とパターン溝深さの減少に伴い剛性
が高まり、氷上性能が低下することも氷上走行用空気入
りタイヤの従来からの課題であった。
【0010】そこで本発明の目的は、広い温度域に亘り
安定した氷上性能を示すとともに、完全摩耗に至るまで
の全ての使用条件下でより安定した氷性能を示すトレッ
ドを備える空気入りタイヤを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討した結果、トレッドのマトリック
スゴムを氷表面に溶融した水分の多い0℃付近の氷上性
能に有利な適度な発泡率から成る発泡ゴムとし、そのマ
トリックスゴムに特定の硬度、粒径をもちマトリックス
ゴムと親和性のある特殊な樹脂を混入することでトレッ
ド表面に樹脂を一定面積出現させることにより、ゴムよ
り氷面が硬くなる低温下においてひっかき効果が得ら
れ、かつ混入した樹脂の離脱による耐摩耗性および破壊
特性の低下を来すこともなく、さらにトレッドの表層の
発泡率を最内層より小さくすることで、経時的にも安定
した氷上性能を得られることを見い出し、本発明を完成
するに至った。
【0012】すなわち本発明の空気入りタイヤは、AS
TMショアーDで測定された硬度が40゜以上、平均粒径
が10〜400 μm である、ゴムとポリマーアロイを形成す
る樹脂またはゴムと共架橋する樹脂をゴム分 100重量部
に対して3〜30重量部含有し、かつ3〜35%の発泡倍率
の独立気泡を有する発泡ゴムをトレッドに備えたことを
特徴とするものである。上記トレッドの表面積1cm2
りの樹脂の面積は全て1.6mm2以上となる。
【0013】また、本発明のタイヤトレッドにおいて
は、完全摩耗に至るまでの氷上性能低下を抑制するため
に、ゴムマトリックスの発泡倍率をトレッド表面より最
内層に向かって漸増させる。このためには、トレッド表
層1mm間の平均発泡倍率がトレッド最内層1mm間の平均
発泡倍率より小さくする。
【0014】
【作用】本発明において、発泡ゴムが3〜35%の発泡倍
率の独立気泡を有することとしたのは、0℃付近の氷表
面に溶融した水分が多い状態において気孔によるミクロ
な吸排水効果を大きくし、優れた氷雪性能を発揮させる
ためにはかかる独立気泡が不可欠だからである。独立気
泡を作る手段としては、発泡手段による他、もみがらな
どマトリックスゴムと親和性のない粉体を混入してお
き、走行時に離脱させることで作製することも可能であ
るが、この場合には氷上性能として発泡以上の効果は得
られない。
【0015】また、発泡手段は、トレッドの表層から最
内層に至るまでの発泡倍率を制御することができ、完全
摩耗に至るまでの氷上性能の変化を少なくすることがで
きるので、本発明においてはこれを選択する。発泡は発
泡剤によるもの、ガスの高圧ミキシングによるもののい
ずれの方法を用いてもよいが、発泡倍率が3%未満では
発泡の効果が十分でなく、一方35%を超えるとトレッド
剛性が不十分のため、耐摩耗性の低下や溝底クラックの
発生が大となる。
【0016】ここで、発泡ゴムの発泡率VS は、次式 VS ={(ρo −ρg )/(ρ1 −ρg )−1}×100 (%)----(1) で表され、ρ1 は発泡ゴムの密度 (g/cm3 )、ρo
発泡ゴムの固相部の密度(g/cm3 )、ρg は発泡ゴム
の気泡内のガス部の密度 (g/cm3 )である。発泡ゴム
は固相部と、固相部によって形成される空洞(独立気
泡)すなわち気泡内のガス部とから構成されている。ガ
ス部の密度ρg は極めて小さく、ほぼ零に近く、かつ固
相部の密度ρ1 に対して極めて小さいので、式(1) は、
次式 VS ={(ρo −ρ1 )−1}×100 (%) ----(2) とほぼ同等である。
【0017】ゴムの硬度より氷の硬度の方が高くなる低
温下では、ひっかき効果を得るために、発泡ゴムに混入
される高硬度材料として以下の条件を満たす樹脂が必要
である。すなわち、まずASTMショアーDで測定され
る硬度が40゜以上である。40゜未満では十分なひっかき
効果が得られない。ASTMショアーDの具体的測定法
はJISK7215に準拠した。
【0018】かかる樹脂の平均粒径は10〜400 μm の範
囲内であり、10μm 未満では氷上性能の改良効果が見ら
れず、一方400μm を超えると溝底クラックの発生が問
題となる。
【0019】これら条件を満たす高硬度材料はゴム分 1
00重量部に対して3〜30重量部配合されていなければな
らず、3重量部未満では、最も軽い樹脂を想定した場合
でもトレッド表面において樹脂の占める面積が少なすぎ
るため、氷上性能の改良効果が見られない。すなわち、
実際に200km 直進走行した後のテストタイヤについてト
レッド表面積1cm2 あたりに出現している樹脂の総面積
を顕微鏡で測定した結果、樹脂の総面積が1.6mm2以上あ
るタイヤにおいて十分な氷上性能が得られることは判明
したが、この総面積を得るために、混入される樹脂は3
重量部以上必要である。しかし、30重量部を超えて混入
すると、耐摩耗性の低下が著しく、溝底クラックの発生
も問題となる。
【0020】さらに、本発明においては、混入される樹
脂はマトリックスゴムとポリマーアロイを形成するか、
またはゴムと共架橋する樹脂でなければならない。この
ような樹脂でないとすると、走行時に樹脂がマトリック
スゴムから離脱して、表面凹凸の形成には寄与するもの
の目的とするひっかき効果は得られず、トレッドゴムの
破壊特性および耐摩耗性は著しく低下する。かかる樹脂
として、そのままでマトリックスゴムの網目に侵入して
ポリマーアロイを形成する樹脂や、マトリックスゴムと
共架橋する樹脂を選択してもよいが、そのような樹脂で
ない場合には、共架橋性のある樹脂や架橋剤を適宜加え
たもので表面処理したものを用いればよい。
【0021】そのままでポリマーアロイを形成する樹脂
としては、分子量 100万〜1000万の超高分子量ポリエス
テル樹脂等があり、そのまま共架橋する樹脂としてはス
チレン−ブタジエン樹脂等がある。これに対し、ポリエ
チレン樹脂やポリアミド樹脂はスチレン−ブタジエン
(20/80) 等と一緒に所定の熱処理をすることによりポ
リマーアロイ化することができる。
【0022】以上の条件を満たす高硬度の樹脂と前述の
発泡ゴムとを組み合わせることにより、0℃付近の氷上
から極低温氷上までより安定した氷上性能が得られる。
なお、本発明で使用する高硬度樹脂は1種類に限定され
るものではなく、2種類以上組み合わせて用いることが
できる。
【0023】マトリックスゴムの発泡倍率をトレッド表
面層より最内層に向かって漸増させることにより、マト
リックスゴム自体の氷上性能を最内層に向かって漸次増
加させることができるが、その一方で剛性は低下する。
この現象と、ゴムの経時的硬化と、溝深さ減少による剛
性上昇および氷上性能低下との均衡を図ることにより、
完全摩耗に至るまでの氷上性能をより安定したものに改
良することができる。すなわち、トレッド最内層1mm間
の平均発泡倍率をトレッド表層1mm間の平均発泡倍率よ
り高く設定することでこの改良目的は達成され、その差
が2%以上であれば特に好ましい。このような発泡倍率
の制御は、加硫時におけるタイヤモールド側の温度とブ
ラダー側の温度とを適当に選択することにより可能であ
る。
【0024】マトリックスゴムの配合としては、特に制
限はなく、一般のゴム組成物を用いることができる。す
なわち、ゴム成分に各種充填剤、オイル、加硫剤等を適
宜配合したゴム組成物を用いることができるが、低温で
の硬さを低く設定し氷との実接触面積を広げること、0
℃付近でのひっかき効果を得ること、耐摩耗性および操
縦安定性など他性能との均衡を図ることなどより、室温
での弾性率(E′)が3×107 〜20×107 dyn /cm2
に設定することが好ましい。
【0025】尚、このE′は、加硫条件 160℃×15分、
ゲージ2mmのスラブシートより切出した幅5mm、長さ20
mmのサンプルを岩本製作所(株)製のスペクトロメータ
ーを使用して、初期荷重 150g、動的歪み2%、周波数
50Hz、設定温度25℃の条件で測定したものである。
【0026】
【実施例】以下、実施例、比較例および参考例を挙げて
本発明をより具体的に説明する。下記の表1に、本発明
の実施例等で使用した樹脂の特性をまとめて示す。
【0027】
【表1】
【0028】* Bにおける親和性処理としては、GE
プラスチックス製ノリル731Jと旭化成(株)製無水マレ
イン酸変性スチレン−ブタジエン共重合体(タフプレン
912(商品名)(60/40) )に対し、ステアリン酸1phr
、硫黄 1.5phr および亜鉛華3phrを同方向回転2軸押
出しにて、ポリマーアロイ化した。F, I及びJにおけ
る親和性処理は、あらかじめ所望の粒径に調整したナイ
ロン(東レ,6−ナイロンアミランCM1021)にレゾル
シン−ホルムアルデヒド縮合体/ゴムラテックス水溶液
系接着剤をスーパーミキサーなどのヘンシェルミキサー
にてコーティングしたものを用いた。Dにおける処理は
超高分子量ポリエチレン樹脂、旭化成製サンファインu
900 にSBブロック共重合体同社アサフレックス80を60
/40に対してステアリン酸1、ZnO 3、S 1.5を同方向
2軸押出機にてポリマーアロイ化した。Eにおける処理
は 1,2−ポリブタジエン100 に対してステアリン酸1、
ZnO 3、S 1.5を、同方向2軸押出機にてダイナミック
に架橋したものを用いた。同方向2軸押出機としては池
貝鉄工製PCMタイプ押出機を用い各処理の温度はフィ
ード部で 150℃、混練部では各樹脂が充分に軟化する温
度、架橋部は 200〜220 ℃の温度にて実施した。
【0029】表中、Aはマトリックスゴムとはポリマー
アロイ、共架橋のいずれも形成しないので、本発明の樹
脂としては不適当なものである。B,D,EおよびFは
親和性処理によりマトリックスゴムと共架橋する樹脂で
ある。Cはそのままでマトリックスゴムとポリマーアロ
イを形成する。GおよびHはそのままでマトリックスゴ
ムと共架橋する樹脂であるが、GはショアーD硬度が40
゜未満のため、本発明の樹脂として採用することはでき
ない。IおよびJは平均粒子径がそれぞれ10μm 未満ま
たは 400μm を超えるため、やはり本発明の樹脂として
は不適当なものである。KはAと同様に、マトリックス
ゴムとはポリマーアロイ、共架橋いずれも形成しないの
で、本発明の樹脂としては不適当なものである。
【0030】表2および表3に、表1に示す樹脂と組み
合わせた発泡ゴムマトリックスの配合処方(重量部)、
並びに得られた樹脂混入発泡ゴムの加硫物性および当該
発泡ゴムをタイヤトレッドに適用したときのタイヤ性能
を夫々示す。具体的には、表2では樹脂の種類および硬
度、発泡剤の種類の変化につき検討し、表3では樹脂の
配合量、粒径、発泡倍率の変化につき検討した。
【0031】
【表2】
【0032】*1 アゾジカルボンアミド *2 4,4′−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド *3 ジニトロソペンタメチレンテトラミン *4 実験室試験加硫条件 167℃×20kg/cm2 *5 サイズ 165 R13のタイヤで試験:直進 200km走行
後、速度20km/h から制動(指数が小ほど良好) *6 一般路走行による耐摩耗性指数で表示(指数が大
ほど耐摩耗性良好)
【0033】
【表3】
【0034】表2および表3により次のことが確認され
た。樹脂が混入されてない発泡ゴムだけの比較例1と同
様に、ゴムと親和性のない樹脂Aを配合した比較例2で
は氷上性能の改善が見られず、破壊特性、耐摩耗性の低
下だけが確認された。
【0035】これに対し、ゴムと親和性のあるB〜Fの
樹脂を用いた参考例1〜5では、−2℃における氷上制
動性指数の改良効果もさることながら、特にひっかき効
果依存性の高い−10℃での改良効果が顕著である。参考
例6〜7では発泡剤の種類を、また参考例8ではマトリ
ックスゴムの配合を変えた例であり、比較例1対比いず
れも氷上性能が改良されている。
【0036】比較例3と参考例9では、ゴムと共架橋性
のあるスチレン−ブタジエン樹脂を用いたが、比較例3
の樹脂のショアーD硬度は40゜未満のため、氷上効果に
改良が見られなかった。
【0037】次に表3に示す比較例4では樹脂が全く混
入されていないのに対し、比較例5では好適な樹脂が配
合されているが、その配合量が3重量部未満であったた
め、氷上のひっかき効果に相関する粒子出現率(トレッ
ド表面積1cm2 当りの粒子総表面積mm2)が氷上性能改良
に必要な1.6%に達していないことが分かる。
【0038】これに対し、参考例10, 11, 12および比較
例6では樹脂の配合量増加に伴い粒子出現率が比例して
増加し、氷上性能もこれに相関して改良が認められる。
但し、比較例6は、樹脂配合量が30重量部を超えたた
め、溝底クラックが発生し、耐摩耗性能の低下も著しい
ため、実用には適さなかった。
【0039】比較例11の樹脂配合量は参考例11のそれと
同一だが、比較例11の樹脂はゴムとの親和性がないた
め、マトリックスゴムから大部分が離脱して粒子出現率
が1.6%に達しておらび、氷上性能の改良も認められな
かった。このように粒子出現率は粒子の配合量とゴムと
の親和性に相関し氷上性能によく相関することが分か
る。
【0040】比較例7に用いた樹脂Iは粒径が小さすぎ
るため、氷上性能の改良効果が見られず、また比較例8
に用いた樹脂Jは粒径が大きすぎるため、溝底クラック
と耐摩耗性の点に問題があった。
【0041】比較例9および10は発泡倍率を検討したも
のであり、比較例9は発泡倍率が3%未満で氷上性能の
改良効果が発泡倍率25%の参考例11対比著しく劣ってい
た。一方、発泡倍率が35%を超える比較例10は、溝底ク
ラックと耐摩耗性に問題があり、実用に使えるものでは
なかった。
【0042】表4に、マトリックスゴムの発泡倍率をト
レッド表面より最内層に向かって漸増させ、それがトレ
ッドの完全摩耗に至るまでの氷上性能低下を如何に抑制
するかを示す。
【0043】
【表4】
【0044】参考例13, 14では、モールド側温度をブラ
ダー側温度より高くして加硫したタイヤでトレッド最内
層の平均発泡倍率が表層のそれと同等又はそれよりも小
さいために、トレッドの完全摩耗に至るまでの氷上性能
の低下が見られる。
【0045】これに対し実施例1では、モールド側とブ
ラダー側の加硫温度を同じにしたことにより、最内層の
発泡倍率が表層のそれよりも2%程大きくなっており、
この結果氷上性能の低下が抑制された。また、実施例2
では、モールド側よりもブラダー側加硫温度を上げたこ
とで、最内層1mmと表層1mmの平均発泡倍率の差が6%
まで拡大し、この結果完全摩耗に至るまでの氷上性能低
下はほとんどなくなった。従って、発泡と組み合わせる
ことにより加硫条件を変えることで、走行の初期、後期
の氷上性能バランスを自由にコントロールすることが可
能になる。
【0046】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明による発泡率
を表層から最内層に向かって漸増させた発泡ゴムマトリ
ックスとこれと親和性が高い高硬度樹脂とを組み合わせ
たトレッドを用いた空気入りタイヤは、広範な温度変化
やタイヤの経時的変化などあらゆる使用条件下の氷上性
能において顕著な改良効果が認められ、耐摩耗性および
溝底クラックなども実用上問題ない範囲である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−89547(JP,A) 特開 昭63−63729(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60C 11/00 B60C 1/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ASTMショアーDで測定された硬度が
    40゜以上、平均粒径が10〜400 μm である、ゴムとポリ
    マーアロイを形成する樹脂またはゴムと共架橋する樹脂
    をゴム分 100重量部に対して3〜30重量部含有し、かつ
    3〜35%の発泡倍率の独立気泡を有する発泡ゴムをトレ
    ッドに備えた空気入りタイヤにおいて、前記トレッドの
    表面より1mmの範囲にある発泡ゴム層の発泡平均倍率
    が、当該発泡ゴムの最内層1mmの範囲にある層の平均発
    泡倍率より小さいことを特徴とする空気入りタイヤ
JP03167517A 1991-06-13 1991-06-13 空気入りタイヤ Expired - Fee Related JP3096093B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP03167517A JP3096093B2 (ja) 1991-06-13 1991-06-13 空気入りタイヤ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP03167517A JP3096093B2 (ja) 1991-06-13 1991-06-13 空気入りタイヤ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04365607A JPH04365607A (ja) 1992-12-17
JP3096093B2 true JP3096093B2 (ja) 2000-10-10

Family

ID=15851160

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP03167517A Expired - Fee Related JP3096093B2 (ja) 1991-06-13 1991-06-13 空気入りタイヤ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3096093B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2539212B2 (ja) * 1987-02-20 1996-10-02 ヤマハ発動機株式会社 雪上車の気化器結氷防止装置
US5776991A (en) * 1995-03-29 1998-07-07 Bridgestone Corporation Foamed rubber compositions for pneumatic tires and method of producing the same
IT1275534B (it) * 1995-07-14 1997-08-07 Pirelli Mescola di gomma vulcanizzabile per fasce battistrada di pneumatici di veicoli
JP6451157B2 (ja) * 2014-09-08 2019-01-16 横浜ゴム株式会社 タイヤ用ゴム組成物およびスタッドレスタイヤ

Also Published As

Publication number Publication date
JPH04365607A (ja) 1992-12-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5591279A (en) Pneumatic vehicle tire
EP1048691B1 (en) Rubber composition for tires and pneumatic tire
US6427738B1 (en) Tire and vulcanized rubber including elongated cells
JPH03159803A (ja) スタッドレスタイヤ
JP2001011237A (ja) タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP2012201708A (ja) タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP3352639B2 (ja) 氷上摩擦力を高めたタイヤトレッド用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
US5753365A (en) Rubber composition and all season type pneumatic tires made from a rubber composition
JP3096093B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP3763025B1 (ja) タイヤ用ゴム組成物の製造方法
JP3796629B1 (ja) 空気入りタイヤ
JP4750235B2 (ja) 加硫ゴム及びタイヤ
JP3096092B2 (ja) 空気入りタイヤ
JPH04368205A (ja) 空気入りタイヤ
JP2763251B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP5612271B2 (ja) ゴム組成物、加硫ゴム及びタイヤ
JPH0438206A (ja) 空気入りタイヤ
JP2002309038A (ja) スタッドレス配合ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP3549974B2 (ja) ゴム組成物の製造法
JP4694659B2 (ja) タイヤ用のゴム組成物、タイヤ用の加硫ゴム及びタイヤ
JP2003292674A (ja) スタッドレスタイヤ用ゴム組成物及びスタッドレスタイヤ
JP2008273436A (ja) 空気入りタイヤ
JPH05147406A (ja) 空気入りタイヤ
JP2004300340A (ja) タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP2662294B2 (ja) 空気入りタイヤ

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080804

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080804

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090804

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090804

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100804

Year of fee payment: 10

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees